JPH08285072A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH08285072A
JPH08285072A JP7107853A JP10785395A JPH08285072A JP H08285072 A JPH08285072 A JP H08285072A JP 7107853 A JP7107853 A JP 7107853A JP 10785395 A JP10785395 A JP 10785395A JP H08285072 A JPH08285072 A JP H08285072A
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brake
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徹郎 濱嶋
Hidehiro Oba
秀洋 大庭
Nobuaki Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 係合時と解放時とで調圧レベルの異なる摩擦
係合装置の関与する多重変速に起因するショックなどに
よる乗心地の悪化を防止する。 【構成】 所定の変速段で油圧が供給されて係合しかつ
他の変速段で排圧されて解放される摩擦係合装置1と、
その摩擦係合装置1の油圧を調圧し、かつその摩擦係合
装置1の係合時と解放時とで異なる調圧レベルに設定さ
れる調圧機構2とを備えた自動変速機3の制御装置にお
いて、前記変速段のうちのいずれか一方の変速段を設定
する第1の変速中に他方の変速段を設定する第2の変速
を実行するべき状態が生じたことを判断する多重変速判
断手段4と、前記第1の変速の終了を判断する変速終了
判断手段5と、この変速終了判断手段5が前記第1の変
速の終了を判断した後、前記多重変速判断手段4で判断
された第2の変速の実行を指示する変速指示手段6とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用の自動変速機
の変速を制御するための装置に関し、特に係合時と解放
時とで異なる調圧レベルで係合圧が調圧される摩擦係合
装置と、その調圧を行う調圧機構とを備えた制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機での変
速は、所定の摩擦係合装置を係合もしくは解放して動力
の伝達経路を変更することにより行われる。その変速の
場合、回転変化が急激に生じれば、変速ショックが悪化
するので、摩擦係合装置の係合圧を調圧して回転変化が
滑らかに生じるようにしている。
【0003】変速時の摩擦係合装置の係合力の調圧は、
従来一般にはアキュームレータによって行っていたが、
アキュームレータの占有容積が大きいために、これを廃
止して小型化を図ることが、従来、試みられており、そ
こで例えば特願平5−157991号による発明では、
第2速で係合させられる第3ブレーキの係合圧を、コン
トロールバルブで調圧し、その調圧レベルをリニアソレ
ノイドバルブによって変化させるように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動変速機におけるク
ラッチやブレーキなどの摩擦係合装置は、駆動トルクや
反力トルクを受け持つが、これらの摩擦係合装置にかか
るトルクは、変速段や変速パターンによって異なる。例
えば上述した出願にかかる発明では、第2速を前記第3
ブレーキと所定のクラッチとを係合させて設定し、また
第3速を、前記第3ブレーキに替えて、第2ブレーキと
他の一方向クラッチとを係合させて設定している。した
がって第1速から第2速にアップシフトする場合には、
第3ブレーキによって反力トルクを受け持ち、これに対
して第2速から第3速にアップシフトする場合には、過
渡的に第3ブレーキと第2ブレーキとでトルクを受け持
つことになるから、第3ブレーキに要求される係合圧
は、第2速へアップシフトする係合時と第3速へアップ
シフトする解放時とでは、異なることになる。
【0005】したがって前述したようにこの第3ブレー
キの係合圧をコントロールバルブによって直接制御する
ように構成してあれば、このコントロールバルブでの調
圧レベルを、係合時と解放時とでは異ならせて、制御ゲ
インを変化させることになる。そのため例えば第1速か
ら第2速へのアップシフト中に、第2速から第3速への
アップシフトが判断された場合、後者の第3速へのアッ
プシフトを直ちに実行すると、コントロールバルブの制
御ゲインが、第1速から第2速へのアップシフト中に変
化し、その結果、第3ブレーキの係合圧が一時的に過大
になったり、あるいは反対に小さくなりすぎ、それに伴
ってショックが発生し、あるいはエンジンが吹き上がる
など、乗り心地に悪影響を及ぼす不都合が生じる。
【0006】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであって、変速に関与する摩擦係合装置の調圧レ
ベルあるいは特性が変化する変速が連続して生じる場合
の係合圧の異常やそれに起因するショックを未然に防止
することのできる制御装置を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示すように、所定の変速段で
油圧が供給されて係合しかつ他の変速段で排圧されて解
放される摩擦係合装置1と、その摩擦係合装置1の油圧
を調圧し、かつその摩擦係合装置1の係合時と解放時と
で異なる調圧レベルに設定される調圧機構2とを備えた
自動変速機3の制御装置において、前記変速段のうちの
いずれか一方の変速段を設定する第1の変速中に他方の
変速段を設定する第2の変速を実行するべき状態が生じ
たことを判断する多重変速判断手段4と、前記第1の変
速の終了を判断する変速終了判断手段5と、この変速終
了判断手段5が前記第1の変速の終了を判断した後、前
記多重変速判断手段4で判断された第2の変速の実行を
指示する変速指示手段6とを備えていることを特徴とす
るものである。
【0008】
【作用】この発明の制御装置が対象とする自動変速機3
は、所定の変速段で前記摩擦係合装置1を係合させ、ま
た他の変速段でこの摩擦係合装置1を解放するよう構成
されている。そしてこの摩擦係合装置1の係合時および
解放時の係合圧は、調圧機構2によってそれぞれ異なる
調圧レベルで調圧される。
【0009】上記の変速段のうちいずれか一方の変速段
を設定する変速の変速出力以降に、他の変速段への変速
を行うべき状態が生じると、これを多重変速判断手段4
が判断する。しかしながらこの時点では、変速指示手段
6は、後に判断された第2の変速の変速指示を直ちには
出力しない。すなわち第1の変速が更に進行して、変速
終了判断手段5がその変速の終了を判断すると、変速指
示手段6が第2の変速を指示する。
【0010】したがって調圧機構2による調圧レベル
は、第1の変速が終了するまで第1の変速に適した特性
に維持され、その変速が終了した後に、第2の変速に適
した特性に変更される。その結果、前記摩擦係合装置1
の係合あるいは解放の途中で、その係合圧の調圧特性が
変化しないので、その摩擦係合装置1の係合圧が一時的
に過大あるいは過小になったり、それに伴ってショック
やエンジンの吹き上がりが生じたりすることが防止され
る。
【0011】
【実施例】つぎにこの発明を図に示す実施例を参照して
説明する。図2は全体的な制御系統図であって、自動変
速機Aを連結してあるエンジンEは、その吸気管路12
にメインスロットルバルブ13とその上流側に位置する
サブスロットルバルブ14とを有している。そのメイン
スロットルバルブ13はアクセルペダル15に連結され
ていて、アクセルペダル15の踏み込み量に応じて開閉
される。またサブスロットルバルブ14は、モータ16
によって開閉されるようになっている。
【0012】このサブスロットルバルブ14の開度を調
整するためにモータ16を制御し、またエンジンEの燃
料噴射量および点火時期などを制御するためのエンジン
用電子制御装置(E−ECU)17が設けられている。
この電子制御装置17は、中央演算処理装置(CPU)
および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入出力イン
ターフェースを主体とするものであって、この電子制御
装置17には、制御のためのデータとして、エンジン
(E/G)回転数N、吸入空気量Q、吸入空気温度、ス
ロットル開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチ
からの信号などの各種の信号が入力されている。
【0013】自動変速機Aは、油圧制御装置18によっ
て変速およびロックアップクラッチやライン圧あるいは
所定の摩擦係合装置の係合圧が制御される。その油圧制
御装置18は、電気的に制御されるように構成されてお
り、また変速を実行するための第1ないし第3のシフト
ソレノイドバルブS1 ,〜S3 、エンジンブレーキ状態
を制御するための第4ソレノイドバルブS4 、ライン圧
を制御するためのリニアソレノイドバルブSLT、アキュ
ームレータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバル
ブSLN、ロックアップクラッチや所定の摩擦係合装置の
係合圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUが
設けられている。
【0014】これらのソレノイドバルブに信号を出力し
て変速やライン圧あるいはアキュームレータ背圧などを
制御する自動変速機用電子制御装置(T−ECU)19
が設けられている。この自動変速機用電子制御装置19
は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであって、この電子制御装置19には、制御の
ためのデータとしてスロットル開度、車速、エンジン水
温、ブレーキスイッチからの信号、シフトポジションを
示す信号、パターンセレクトスイッチからの信号、オー
バードライブスイッチからの信号、後述するクラッチC
0 の回転速度を検出するC0 センサからの信号、自動変
速機の油温、マニュアルシフトスイッチからの信号など
が入力されている。
【0015】またこの自動変速機用電子制御装置19と
エンジン用電子制御装置17とは、相互にデータ通信可
能に接続されており、エンジン用電子制御装置17から
自動変速機用電子制御装置19に対しては、1回転当た
りの吸入空気量(Q/N)などの信号が送信され、また
自動変速機用電子制御装置19からエンジン用電子制御
装置17に対しては、各ソレノイドバルブに対する指示
信号と同等の信号および変速段を指示する信号などが送
信されている。
【0016】すなわち自動変速機用電子制御装置19
は、入力されたデータおよび予め記憶しているマップに
基づいて変速段やロックアップクラッチのON/OF
F、あるいはライン圧や係合圧の調圧レベルなどを判断
し、その判断結果に基づいて所定のソレノイドバルブに
指示信号を出力し、さらにフェールの判断やそれに基づ
く制御を行うようになっている。またエンジン用電子制
御装置17は、入力されたデータに基づいて燃料噴射量
や点火時期あるいはサブスロットルバルブ14の開度な
どを制御することに加え、自動変速機Aでの変速時に燃
料噴射量を削減し、あるいは点火時期を変え、もしくは
サブスロットルバルブ14の開度を絞ることにより、出
力トルクを一時的に低下させるようになっている。
【0017】図3は上記の自動変速機Aの歯車列の一例
を示す図であり、ここに示す構成では、前進5段・後進
1段の変速段を設定するように構成されている。すなわ
ちここに示す自動変速機Aは、トルクコンバータ20
と、副変速部21と、主変速部22とを備えている。そ
のトルクコンバータ20は、ロックアップクラッチ23
を有しており、このロックアップクラッチ23は、ポン
プインペラ24に一体化させてあるフロントカバー25
とタービンランナ26を一体に取付けた部材(ハブ)2
7との間に設けられている。エンジンのクランクシャフ
ト(それぞれ図示せず)はフロントカバー25に連結さ
れ、またタービンランナ26を連結してある入力軸28
は、副変速部21を構成するオーバードライブ用遊星歯
車機構29のキャリヤ30に連結されている。
【0018】この遊星歯車機構29におけるキャリヤ3
0とサンギヤ31との間には、多板クラッチC0 と一方
向クラッチF0 とが設けられている。なお、この一方向
クラッチF0 はサンギヤ31がキャリヤ30に対して相
対的に正回転(入力軸28の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ31の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部21の出力要素であるリングギヤ3
2が、主変速部22の入力要素である中間軸33に接続
されている。
【0019】したがって副変速部21は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構29の全体が一体となって回転するため、中
間軸33が入力軸28と同速度で回転し、低速段とな
る。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ31の回転
を止めた状態では、リングギヤ32が入力軸28に対し
て増速されて正回転し、高速段となる。
【0020】他方、主変速部22は三組の遊星歯車機構
40,50,60を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
40のサンギヤ41と第2遊星歯車機構50のサンギヤ
51とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構40のリングギヤ43と第2遊星歯車機構50のキャ
リヤ52と第3遊星歯車機構60のキャリヤ62との三
者が連結され、かつそのキャリヤ62に出力軸65が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構50のリングギ
ヤ53が第3遊星歯車機構60のサンギヤ61に連結さ
れている。
【0021】この主変速部22の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構50のリングギヤ53および第3
遊星歯車機構60のサンギヤ61と中間軸33との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構40のサンギヤ41および第2遊星歯車
機構50のサンギヤ51と中間軸33との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0022】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構40および第2遊星歯車機構50のサンギヤ41,5
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ41,51(すなわち共通サンギヤ軸)とケー
シング66との間には、第1一方向クラッチF1 と多板
ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されて
おり、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ41,5
1が逆回転(入力軸28の回転方向とは反対方向の回
転)しようとする際に係合するようになっている。
【0023】多板ブレーキである第3ブレーキB3 が第
1遊星歯車機構40のキャリヤ42とケーシング66と
の間に設けられている。そして第3遊星歯車機構60の
リングギヤ63の回転を止めるブレーキとして多板ブレ
ーキである第4ブレーキB4と第2一方向クラッチF2
とがケーシング66との間に並列に配置されている。な
お、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ63が逆
回転しようとする際に係合するようになっている。
【0024】上記の自動変速機Aでは、各クラッチやブ
レーキを図4の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図4において○印は係合状態、●印はエン
ジンブレーキ時に係合状態、△印は係合・解放のいずれ
でもよいこと、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0025】図4に示すように上記の自動変速機Aにお
ける前進第2速は、第1クラッチC1 を係合して駆動力
を主変速部22に入力するとともに、第3ブレーキB3
を係合させて設定される。また第3速は、この第3ブレ
ーキB3 に替えて第2ブレーキB2 を係合させることに
伴って第1一方向クラッチF1 を係合させて設定され
る。このように制御される第3ブレーキB3 の係合圧を
調圧する機構として、 B-3コントロールバルブ70が設
けられている。
【0026】この B-3コントロールバルブ70は図5に
模式的に示すように、リニアソレノイドバルブSLUから
出力される信号圧に応じて調圧レベルが変化するバルブ
であって、その入力ポート71がソレノイドリレーバル
ブ72を介して 2-3シフトバルブ73の出力ポート74
に接続されている。この 2-3シフトバルブ73は、第1
速および第2速、ニュートラル(N)レンジ、リバース
(R)レンジで出力ポート74が入力ポート75に連通
するように構成されている。またその入力ポート75が
1-2シフトバルブ76の出力ポート77に連通されてい
る。この 1-2シフトバルブ76は、Dレンジ圧が供給さ
れる入力ポート78を備えており、この入力ポート78
と出力ポート77とが、第2速ないし第5速の状態で連
通するように構成されている。
【0027】したがって第2速を設定する場合には、 1
-2シフトバルブ76から 2-3シフトバルブ73およびソ
レノイドリレーバルブ72を経て B-3コントロールバル
ブ70にDレンジ圧(ライン圧)が供給され、この B-3
コントロールバルブ70で調圧した油圧が第3ブレーキ
B3 に供給されるようになっている。また第2速から他
の変速段例えば第3速に変速する場合には、 2-3シフト
バルブ73の出力ポート74がドレインポート79に連
通することにより、 B-3コントロールバルブ70からソ
レノイドレリーバルブ72および 2-3シフトバルブ73
を介してドレインされ、そのドレイン中の油圧が B-3コ
ントロールバルブ70によって調圧される。
【0028】その第2速を設定する変速が第1速からの
アップシフトであれば、第3ブレーキB3 の係合圧を次
第に高くすることにより変速が進行し、換言すれば、第
3ブレーキB3 の係合圧のみによってこのアップシフト
を制御することになる。これに対して第3ブレーキB3
を解放する変速が第3速へのアップシフトであれば、第
3ブレーキB3 を解放しつつ第2ブレーキB2 を係合さ
せるから、これらのブレーキB2 ,B3 の係合圧に応じ
て変速が進行する。
【0029】そのため B-3コントロールバルブ70によ
る第3ブレーキB3 の調圧レベル(特性)は、第1速か
ら第2速へのアップシフトの際と第2速から第3速への
アップシフトとでは異なっており、これは、リニアソレ
ノイドバルブSLUのデューティ比の変更などによってそ
の信号圧を替えることにより実行される。このようにし
て制御される調圧レベル(特性)を、調圧の途中すなわ
ち第3ブレーキB3 を係合あるいは解放させる制御中に
変更すると、第3ブレーキB3 の係合圧が過渡的に複雑
に変化してショックやエンジンの吹き上がりなどが生じ
る可能性がある。これは例えば、変速途中に更に他の変
速が判断されるいわゆる多重変速の際に発生するので、
上記の制御装置は、この種の多重変速を以下のように制
御する。
【0030】図6は、第1速から第2速へのアップシフ
トの途中で第3速以上の変速段へのアップシフトが判断
された多重変速の場合の制御ルーチンの一例を示すフロ
ーチャートであって、第1速から第2速へのアップシト
中か否かが、先ず、判断される(ステップ1)。より具
体的には、第2速への変速の変速出力が既に行われてい
るか否かが判断される。その変速中でなければ、特に制
御を行うことなくこのルーチンから抜け、またその変速
中であれば、第3速以上の変速段への変速の判断が成立
したか否かが判断される(ステップ2)。したがってこ
のステップ2がこの発明の多重変速判断手段に相当して
いる。
【0031】そのステップ1の判断は、例えば車速およ
びスロットル開度ならびに変速線図に基づいて第2速へ
のアップシフトが判断された後、 B-3コントロールバル
ブ70の調圧レベルをリニアソレノイドバルブSLUの信
号圧で制御していることに基づいて判断することができ
る。またステップ2の判断は、車速およびスロットル開
度ならびに変速線図に基づいて判断することができる。
【0032】第3速へのアップシフトが判断されている
場合に、すなわちステップ2の判断結果が、“イエス”
の場合には、第1速から第2速へのアップシフトが終了
しているか否かが判断される(ステップ3)。これは、
例えばパワーオン・アップシフトの場合には、入力回転
数NC0が、出力回転数N0 に第2速の変速比を掛けた値
に所定回転数を加えた回転数になったか否かによって判
断することができ、またパワーオフ・アップシフトの場
合には、第2速への変速信号の出力からの経過時間に基
づいて判断することができる。
【0033】第1速から第2速へのアップシフト中であ
ってステップ3の判断結果が“ノー”の場合には、ステ
ップ4に進んで第2速へのアップシフトの制御を継続す
る。すなわち第3ブレーキB3 に対して油圧を供給し続
け、かつその油圧を第2速へのアップシフトに適するよ
うに、 B-3コントロールバルブ70およびリニアソレノ
イドバルブSLUによって調圧する。このような制御の反
射的制御として第3速へのアップシフトが禁止される。
【0034】これに対して第2速へのアップシフトが終
了していてステップ3の判断結果が“イエス”となった
場合には、ステップ2で判断された第3速以上の変速段
への変速を出力する(ステップ5)。したがってこのス
テップ5がこの発明の変速指示手段に相当しており、第
1速から第2速へのアップシフト中に第3速以上変速段
へのいわゆる多重変速が判断された場合には、後に判断
された変速段への変速が、第2速への変速の終了まで遅
延させられる。その結果、後に判断された変速は、第2
速からの変速になる。
【0035】上記の第1速から第2速への変速出力以降
に第3速への変速判断があった多重変速の場合のタイム
チャートを図7に示してある。すなわち第1速から第2
速への変速出力のあったt0 時点の後に、スロットル開
度THRが低下させられると、それに伴ってt1 時点に第
2速から第3速への変速が判断される。しかしながらそ
の直後には第3速への変速出力は行われず、第2速への
変速が進行して第3ブレーキB3 が係合を終了した時
点、すなわちエンジン回転数NE あるいは入力回転数が
第2速の同期回転数になった時点t2 に、第2速から第
3速への変速出力が行われる。したがって第2速へのア
ップシフト中の第3速への変速が、第2速への変速終了
まで遅延される。なお、図7において符号No は、出力
回転数を示す。
【0036】したがって上記の制御によれば、第3ブレ
ーキB3 の係合圧が第2速へのアップシフトに適した調
圧レベルで調圧されつつ係合が完了し、その後に第3ブ
レーキB3 を解放させる制御を行うから、第3ブレーキ
B3 の係合制御の途中でその調圧レベルが変更されるこ
とがない。そのため、第3ブレーキB3 の係合圧が正規
の圧力から大きく外れて過大になったり、あるいはその
反対に過小になったりすることがなく、ショックやエン
ジンの吹き上がりが有効に防止される。
【0037】なお、ステップ2の判断結果が”ノー”の
場合、すなわち多重変速ではない場合には、直ちにステ
ップ4に進んで第1速から第2速へのアップシフトを継
続する。
【0038】ところで上述した多重変速の場合、第3ブ
レーキB3 を係合させる制御中にこれを解放させる制御
を実行するとすれば、第3ブレーキB3 の係合状態によ
って第3ブレーキB3 の解放の進行の仕方が異なる。し
かしながら上述した自動変速機Aにおいて第1速から第
2速へのアップシフトの際に第3ブレーキB3 がどの程
度係合しているかを知るための手段がないので、第3速
以上の変速段にアップシフトする際に第3ブレーキB3
の解放の制御を、既に進行していた第3ブレーキB3 の
係合状態に合わせて制御することができず、その結果、
上記の多重変速を単純に実行すれば、ショックの悪化や
エンジンの吹き上がりなどが生じる可能性がある。しか
しながら上記の制御によれば、最初の変速が終了するま
で後の変速の実行を遅延させるから、後の変速の際には
第3ブレーキB3 は係合が終了しており、その状態は既
知であるから、第3ブレーキB3 の係合状態が不確定で
あることに起因する上述したショックなどを確実に防止
することができる。
【0039】なお、上記の実施例では、図3に示すギヤ
トレーンを備えた自動変速機を対象として説明したが、
この発明は他のギヤトレーンを備えた自動変速機を対象
とする制御装置に適用することができるのであり、した
がって第1速から第2速へのアップシフトの際の第3速
以上の変速段への多重変速の場合以外にも同様に実施す
ることができる。また上記の実施例では、摩擦係合装置
を係合させる変速途中でその摩擦係合装置を解放させる
変速が生じる多重変速を例に採って説明したが、これと
は反対に解放制御中にその摩擦係合装置を係合させる変
速判断が成立した多重変速の場合にも同様に適用するこ
とができる。
【0040】さらに上記の実施例では、リニアソレノイ
ドバルブSLUによって B-3コントロールバルブを制御す
ることとしたが、この発明では、複数のソレノイドバル
ブによって B-3コントロールバルブを制御してもよく、
あるいは B-3コントロールバルブに入力するポートを変
更してその調圧レベルを変更するようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の制御装置
によれば、係合時と解放時とで調圧レベルの異なる摩擦
係合装置の関与する多重変速の場合に、先の変速が終了
した後に次の変速を実行するように構成したから、摩擦
係合装置の制御途中でその調圧レベルが変化することに
起因するショックやエンジンの吹き上がりなどを防止
し、車両の乗心地を良好な状態に維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を機能的手段で模式的に示すブロック
図である。
【図2】この発明の一実施例の制御系統を概略的に示す
ブロック図である。
【図3】その自動変速機の歯車列を主として示す図であ
る。
【図4】各変速段を設定するための作動表を示す図であ
る。
【図5】第3ブレーキの係合圧を調圧する油圧回路の一
部を示す図である。
【図6】第1速から第2速へのアップシフトの際に第3
速以上の変速段へのアップシフトが生じた多重変速の場
合の制御例を説明するためのフローチャートである。
【図7】第1速から第2速へのアップシフトの際に判断
された第3速への多重変速の場合の制御例を説明するた
めのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 摩擦係合装置 2 調圧機構 3 自動変速機 4 多重変速判断手段 5 変速終了判断手段 6 変速指示手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の変速段で油圧が供給されて係合し
    かつ他の変速段で排圧されて解放される摩擦係合装置
    と、その摩擦係合装置の油圧を調圧し、かつその摩擦係
    合装置の係合時と解放時とで異なる調圧レベルに設定さ
    れる調圧機構とを備えた自動変速機の制御装置におい
    て、 前記変速段のうちのいずれか一方の変速段を設定する第
    1の変速中に他方の変速段を設定する第2の変速を実行
    するべき状態が生じたことを判断する多重変速判断手段
    と、 前記第1の変速の終了を判断する変速終了判断手段と、 この変速終了判断手段が前記第1の変速の終了を判断し
    た後、前記多重変速判断手段で判断された第2の変速の
    実行を指示する変速指示手段とを備えていることを特徴
    とする自動変速機の制御装置。
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