JP4496854B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速比を連続的に変化させることが可能なベルト式無段変速機の制御装置に関し、特に、変速機が最減速状態であるか否かを正確に判定する制御装置に関する。
車両に搭載される自動変速機は、エンジンとトルクコンバータ等を介して繋がるとともに複数の動力伝達経路を有してなる変速機構を有して構成され、例えば、アクセル開度および車速に基づいて自動的に動力伝達経路の切換えを行なう、すなわち自動的に変速比(走行速度段)の切換えを行なうように構成される。一般的に、自動変速機を有した車両には運転者により操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(例えば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定され、このように設定された変速ポジション内(通常は、前進走行ポジション内)において自動変速制御が行なわれる。
このような自動変速機の1つにベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。このベルト式無段変速機は、V溝状のプーリ溝を備えた駆動側プーリ(入力軸プーリ、プライマリプーリ)と従動側プーリ(出力軸プーリ、セカンダリプーリ)とにベルトを巻掛け、一方のプーリのプーリ溝の溝幅を拡大すると同時に他方のプーリのプーリ溝の溝幅を狭くすることにより、それぞれのプーリに対するベルトの巻掛け半径(有効径)を連続的に変化させて変速比を無段階に設定するように構成されている。このベルト式無段変速機において伝達されるトルクは、ベルトとプーリとを相互に接触させる方向に作用する荷重に応じたトルクとなり、したがってベルトに張力を付与するようにプーリによってベルトを挟み付けている。
また、変速は、上記のように、プーリ溝の溝幅を拡大・縮小させることにより行なうように構成されており、具体的には、各プーリを固定シーブと可動シーブとによって構成し、可動シーブをその背面側に設けた油圧アクチュエータにより軸線方向に前後動させることにより変速を行なうように構成されている。
なお、このような無段変速機において、入力軸プーリのプーリ幅が小さく(プーリ径が大きく)出力軸プーリのプーリ幅が大きく(プーリ径が小さい)、出力軸プーリの回転数が入力軸プーリの回転数よりも高くなる場合を増速といい、入力軸プーリのプーリ幅が大きく(プーリ径が小さく)出力軸プーリのプーリ幅が小さく(プーリ径が大きく)、出力軸プーリの回転数が入力軸プーリの回転数よりも低くなる場合を減速という。そして、入力軸プーリのプーリ幅が最も大きく(プーリ径が最も小さく)出力軸プーリのプーリ幅が最も小さい(プーリ径が最も大きく)場合を、最減速状態という。
このようなベルト式無段変速機においては、各プーリに対するベルトの巻掛け位置を変更する変速は、各プーリが回転しかつベルトが走行している状態で実行されるが、プーリやベルトが停止している状態では、ベルトの滑りを伴わずにベルトの巻掛け位置を変更すること、すなわち変速を行なうことができない。そのため、車両に搭載された無段変速機では、車両が急停止した場合に、車両の停止によって無段変速機が停止するので、停止までの時間が短時間の場合には、発進時に通常設定される最減速状態の変速比を設定するベルトの巻掛け状態に変化する以前に無段変速機が停止してしまい、発進時に設定される変速比より小さい変速比のままとなることがある。いわゆるベルト戻りが不良の状態である。
このようなベルト戻りの不良の状態で車両が発進すると、設定するべき変速比が最減速状態であるから、変速比のフィードバック制御により、変速比を最減速状態まで急速に変化させる変速が生じる。これは、上述した構成の無段変速機では、入力プーリの溝幅を急激に増大させることにより実行されるから、ベルトに緩みが生じ、それが原因でベルトとプーリとの間に滑りが生じる可能性がある。
このようなために、無段変速機が最減速状態であるか否かを正確に判定する必要があるが、最減速状態になるのは車両が停止する直前すなわち無段変速機が停止する直前の状態や車両の発進直後である。このとき、車両が停止する直前に測定される回転数は、回転数センサであるレゾルバの分解能の制限等により精度良く検知することができず、その結果、実際の変速比の検出精度が低くなり、正確に最減速状態であるか否かを判定することができず、再発進時に必要な駆動力を得ることができない可能性がある。
特開2002−181177号公報(特許文献1)は、ベルト式無段変速機のベルトの滑りと駆動力の低下とをともに防止することができる変速制御装置を開示する。特許文献1に開示されたベルト式無段変速機の変速制御装置は、ベルト巻掛け溝の溝幅を油圧アクチュエータによって変更可能な駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻掛けられ、駆動側プーリの溝幅を油圧アクチュエータによって変更することにより変速をおこなうベルト式無段変速機の変速制御装置であって、変速比が最減速状態にあるか否かを判断する最減速判断手段と、予め定めた車速以下の低車速状態で変速比が最減速状態にないことが最減速判断手段で判断されたときには緩速のアップシフトが生じるように駆動側プーリの油圧アクチュエータに対して給排する作動油を制御し、かつ低車速状態で変速比が最減速状態にあることが最減速判断手段で判断されたときには変速比を最減速状態に維持するように駆動側プーリの油圧アクチュエータに対して給排する作動油を制御する制御手段と備える。特に、最減速判断手段は、駆動側プーリの回転速度に対応する回転速度と従動側プーリの回転速度に対応する回転速度とから求まる変速比が所定の変速比となった後、ダウンシフト速度が所定速度以上の状態が予め決めた時間以上継続した場合に変速比が最減速状態になったことを判断する。さらに、この変速制御装置は、駆動側プーリの回転速度に応じたパルス信号を出力する入力回転数センサと従動側プーリの回転速度に応じたパルス信号を出力する出力回転数センサとを備え、最減速判断手段は、変速比を算出するに際し、駆動側プーリの回転速度に対応する回転速度を計算するために使用するパルス数と従動側プーリの回転速度に対応する回転速度を計算するために使用するパルス数とを変速比に応じて変更するように構成される。
このベルト式無段変速機の変速制御装置によると、最減速判断手段が、最減速状態であるか否かを判断する。このとき、回転速度(回転数)から計算した変速比が使用されるが、その回転速度はパルス信号に基づいて検出される。駆動側プーリもしくはこれに対応する回転速度の検出応答性と従動側プーリの回転速度の検出応答性とを揃えて検出精度を向上させるために、回転速度の計算に使用するパルス信号の数を変速比に応じて変更するように構成している。このようにすると、変速比が大きい場合、すなわち出力側の回転数に対して入力側の回転数が相対的に大きい場合には、入力側の回転速度を計算するために使用するパルス数が、出力側の回転速度を計算するために使用するパルス数に対して相対的に多い数に設定される。その結果、入力側と出力側とのパルス信号の検出時間が相互に近似して回転数の検出応答性の相違がなくなり、もしくは抑制されるので、回転速度の検出精度すなわち変速比の検出精度が向上する。
特開2002−181177号公報
しかしながら、変速比の大小によってパルス数を変更することは、パルス数の変更を判断するために、誤差を含む可能性がある変速比を使用しなければならないので、より高い精度で最減速状態であることを判断できない場合もある。したがって、より高い精度で最減速状態であるか否かを判断するためには別の物理量を用いることが好ましい。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、無段変速機における最減速状態を正確に判定することができる制御装置を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、溝幅がアクチュエータによって変更可能な駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻掛けられ、プーリにおけるベルトの掛かり径を変化させることにより変速比を変化させるベルト式無段変速機を制御する。この制御装置は、無段変速機の入力側の回転数を検出するための入力回転数検出手段と、無段変速機の出力側の回転数を検出するための出力回転数検出手段と、入力側の回転数と出力側の回転数との比率と、予め定められた判定値とを比較することにより、無段変速機の変速比が最減速状態であるか否かを判定するための最減速状態判定手段とを含む。最減速状態判定手段は、予め定められた複数の車両速度領域毎に複数設定された判定値に基づいて最減速状態であるか否かを判定するための手段を含む。
第1の発明によると、無段変速機の入力側の回転数を出力側の回転数で除算した比率(変速比)を用いて、無段変速機が最減速状態であるか否かが判定される。この判定に際して、変速比と比較する判定値に関しては、車両の速度領域毎に複数の判定値が設定される。たとえば、車両速度領域が低速領域であるほど、より低い変速比が判定値として設定される。このように設定すると、低速領域で回転数が低く出力側の回転数を精度よく検出することが困難な場合であって(このとき入力側の回転数は精度よく検出することができる)、このため変速比が正確に算出されなくても、より低めに設定された判定値を下回ったとき(すなわち変速比が大きい増速側になったとき)最減速状態ではないと判定することができる。変速比の大きさを用いて判定値を変更するのではなく、より正確に検出できる車両の速度を用いて判定値を変更するので、最減速状態であるか否かをより正確に判定することができるようになる。その結果、無段変速機における最減速状態を正確に判定することができる制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、車両速度領域が低速領域であるほど、より低い変速比が判定値として設定される。
第2の発明によると、低速状態において変速比が正確に算出されなくても、より低めに設定された判定値を下回ると最減速状態ではないと、下回らないまでは最減速状態であると判定することができる。変速比の大きさを用いて判定値を変更するのではなく、より正確に検出できる車両の速度を用いて判定値を変更するので、より正確に最減速状態であるか否かを判定することができるようになる。
第3の発明に係る制御装置は、溝幅がアクチュエータによって変更可能な駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻掛けられ、プーリにおけるベルトの掛かり径を変化させることにより変速比を変化させるベルト式無段変速機を制御する。この制御装置は、無段変速機の入力側の回転数を検出するための入力回転数検出手段と、無段変速機の出力側の回転数を検出するための出力回転数検出手段と、入力側の回転数と出力側の回転数との比率と、予め定められた判定値とを比較することにより、無段変速機の変速比が最減速状態であるか否かを判定する最減速状態判定手段と、無段変速機が搭載された車両の速度を検出するための速度検出手段と車両の速度に応じて、判定値を変更するための判定値変更手段とを含む。
第3の発明によると、無段変速機の入力側の回転数を出力側の回転数で除算した比率(変速比)を用いて、無段変速機が最減速状態であるか否かが判定される。この判定に際して、変速比と比較する判定値に関しては、判定値変更手段により、車両の速度に応じて判定値が変更される。たとえば、車両の速度が低速であるほど、判定値がより低い変速比に変更される。このように変更すると、低速で回転数が低く出力側の回転数を精度よく検出することが困難な場合であって、このため変速比が正確に算出されなくても、より低めに変更された判定値を下回ったとき(すなわち変速比が大きい増速側になったとき)最減速状態ではないと判定することができる。変速比の大きさを用いて判定値を変更するのではなく、より正確に検出できる車両の速度を用いて判定値を変更するので、最減速状態であるか否かをより正確に判定することができるようになる。その結果、無段変速機における最減速状態を正確に判定することができる制御装置を提供することができる。
第4の発明に係る制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、判定値変更手段は、車両の速度が低速であるほど、より低い変速比を判定値として設定するための手段を含む。
第4の発明によると、低速状態において変速比が正確に算出されなくても、より低めに設定された判定値を下回ると最減速状態ではないと、下回らないまでは最減速状態であると判定することができる。変速比の大きさを用いて判定値を変更するのではなく、より正確に検出できる車両の速度を用いて判定値を変更するので、最減速状態であるか否かをより正確に判定することができるようになる。
第5の発明に係る制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、比率は、入力側の回転数を出力側の回転数で除算した比率である。最減速状態判定手段は、比率が判定値を下回ると、非最減速状態であると判定するための手段と、比率が判定値以上であると、最減速状態であると判定するための手段とを含む。
第5の発明によると、低速状態において変速比(入力側の回転数/出力側の回転数)が正確に算出されなくても、より低めに設定された判定値を下回れば最減速状態ではないと判定することができ、より低めに設定された判定値以上になれば最減速状態であると判定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU(Electronic Control Unit)900により実現される。
図1に示すように、動力源100が変速機構200に連結され、その変速機構200の出力軸300がディファレンシャルギヤ400を介して左右の駆動輪500に連結されている。ここで、動力源100は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電動機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせた装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以下の説明では、動力源100として、燃料をシリンダの内部に直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御することにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガソリンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自由に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリンエンジンを採用した例を説明する(以下、動力源100をエンジン100と記載する)。
このエンジン100は、電気的に制御できるように構成されており、その制御のためのマイクロコンピュータを主体とするエンジンECU800が設けられている。このエンジンECU800は、少なくともエンジン100の出力を制御するように構成されており、その制御のためのデータとして出力軸回転数(エンジン回転数)NEとアクセル開度PAなどの出力要求量とが入力される。
この出力要求量は、エンジン100の出力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作するアクセルペダルなどの加減速操作装置700の操作量信号やその操作量を電気的に処理して得た信号を採用することができ、またそれ以外に、車速を設定車速に維持するためのクルーズコントロールシステム(図示せず)などからの出力要求量信号であってもよい。
変速機構200は、流体伝動機構210と、前後進切換機構220と、ベルト式無段変速機(CVT)230とから構成される。
流体伝動機構210は、オイルなどの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間でトルクを伝達するように構成された装置であって、一例として、一般の車両に採用されているトルクコンバータを挙げることができる。また、この流体伝動機構210は、ロックアップクラッチ212を備えている。すなわちロックアップクラッチ212は、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板などの機械的手段で直接連結するように構成されたクラッチであって、緩衝を行なうためのコイルスプリングなどの弾性体からなるダンパー214を備えている。
動力源であるエンジン100によって回転させられ、その回転数に応じて吐出圧が高くなる油圧ポンプが、流体伝動機構210に接近した位置に設けられている。具体的には、流体伝動機構210と前後進切換機構220との間に配置されている。なお、車両が停止している状態であってもエンジン100を駆動させ続けるために流体伝動機構210を設けている場合には、車両の状態に基づいて自動的に断続される自動クラッチを、上記の流体伝動機構210に置換して使用することができる。
流体伝動機構210の入力部材がエンジン100の出力部材に連結され、また流体伝動機構210の出力部材が前後進切換機構220の入力部材に連結されている。この前後進切換機構220は、一例としてダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、特には図示しないが、サンギヤとキャリヤとのいずれか一方を入力要素とし、かつ他方を出力要素とするとともに、リングギヤを選択的に固定するブレーキ要素と、サンギヤおよびキャリヤならびにリンクギヤの3要素のうちのいずれか2つの回転要素を選択的に連結して遊星歯車機構の全体を一体化するクラッチ要素とを備えている。すなわちそのクラッチ要素を係合させることに前進状態を設定し、またブレーキ要素を係合させることにより後進状態を設定するように構成される。
図1に示すベルト式無段変速機230は、その入力側の部材の回転数と出力側の部材の回転数との比率すなわち変速比を無段階に(連続的に)変化させることのできるベルト式無段変速機である。そのベルト式無段変速機230の一例を、図2を参照して説明する。
駆動側プーリ(プライマリプーリ)232と、従動側プーリ(セカンダリプーリ)234と、これらのプーリ232,234に巻き掛けられたベルト236とを備えている。これらのプーリ232,234のそれぞれは、固定シーブ238,240と、その固定シーブ238,240に対して接近・離隔する可動シーブ242,244とからなり、可動シーブ242,244を固定シーブ238,240に対して接近する方向に押圧する油圧アクチュエータ246,248が設けられている。これら各シーブ238,240,242,244によって、ベルト236を巻掛けるためのV溝状のベルト巻掛け溝(プーリ溝)が形成されている。
プライマリプーリ232が入力軸290に取り付けられ、その入力軸290と平行に配置された出力軸300にセカンダリプーリ234が取り付けられている。そして、セカンダリプーリ234における油圧アクチュエータ248には、アクセル開度PAに代表される出力要求に基づいて求められる要求駆動力に応じた油圧が供給され、可動シーブ244を固定シーブ240側に押圧してベルト236を挟み付けることにより、トルクを伝達するのに必要な張力をベルト236に付与する。
また、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246には、入力軸290の回転数を目標入力回転数に一致させる変速比となるように、作動油が給排されている。すなわち、各プーリ232,234における溝幅(固定シーブ238,240と可動シーブ242,244との間隔)を変化させることにより、各プーリ232,234に対するベルト236の巻き掛け半径が大小に変化して変速が実行されるようになっている。
より具体的には、実入力回転数と目標入力回転数との回転数偏差(制御偏差)に基づいてプライマリプーリ232の作動油をフィードバック制御することにより変速が実行され、したがってその制御偏差が大きいほど、変速速度が速くなる。
図3を参照して、変速制御を行なう油圧回路について説明する。
プライマリプーリ232に対する作動油の給排は、流量制御によって行なわれる。そのためのバルブ機構は、図3に示すように構成される。すなわち、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246には、ライン圧PLを供給する第1流量制御弁3100と、ドレンに接続された第2流量制御弁3200とが連通されている。第1流量制御弁3100は、アップシフトを実行するためのバルブであって、ライン圧PLが供給される入力ポート3300とプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に連通された出力ポート3400との間の流路をスプール3500によって開閉するように構成されている。そのスプール3500の一端側にはスプリング3600が配置されるとともに、そのスプール3500を挟んでスプリング3600とは反対側の端部に、信号圧を印加するための第1信号圧ポート3700が形成されている。また、スプリング3600が配置されている上記の一端側に信号圧を印加するための第2信号圧ポート3800が形成されている。
そして、第1信号圧ポート3700に、デューティに応じて出力圧が高くなる第1ソレノイドバルブ3900が接続され、また第2信号圧ポート3800に、デューティに応じて出力圧が高くなる第2ソレノイドバルブ4000が接続されており、各信号圧ポート3700,3800にこれらのソレノイドバルブ3900,4000の出力する信号圧が印加されるようになっている。すなわち、第1信号圧ポート3700に印加する油圧を高くして入力ポート3300を開くことにより、作動油が出力ポート3400からプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に供給されてプライマリプーリ232の溝幅が狭くなり、その結果、変速比が低下するようになっている。すなわちアップシフトされる。またその際の作動油の供給流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
また、第2流量制御弁3200は、ダウンシフトを実行するためのバルブであって、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に連通された第1ポート4100を、ライン圧PLを元圧して調圧された油圧が供給される第2ポート4200とドレンポート4300とに、スプール4400によって選択的に連通させるように構成されている。そのスプール4400の一端側にはスプリング4500が配置されるとともに、その一端側に信号圧を印加するための第1信号圧ポート4600が形成されている。そのスプール4400を挟んでスプリング4500とは反対側の端部に、信号圧を印加するための第2信号圧ポート4700が形成されている。
そして、第1信号圧ポート4600に第1ソレノイドバルブ3900が接続され、また第2信号圧ポート4700に第2ソレノイドバルブ4000が接続されており、各信号圧ポート4600,4700にはこれらのソレノイドバルブ3900,4000の出力する信号圧が印加されるようになっている。すなわち、第2信号圧ポート4700に印加する油圧を高くして第1ポート4100をドレインポート4300に連通させることにより、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246から作動油が排出されてプライマリプーリ232の溝幅が広くなり、その結果、変速比が増大するようになっている。すなわちダウンシフトされる。またその際の作動油の排出流量を増大させることにより、変速速度が速くなる。
さらに、第2流量制御弁3200の第2ポート4200には、調圧弁4800が接続されている。この調圧弁4800は、スプリング4900によって押圧されているピストン5000の正面側に、ライン圧PLが供給される入力ポート5100が形成され、かつそのピストン5000の正面側と背面側とに連通した出力ポート5200とを有するバルブであって、その出力ポート5200が第2流量制御弁3200の第2ポート4200に連通されている。また入力ポート5100には開口面積の小さいダブルオリフィス5300を介してライン圧PLが供給されている。すなわちこの調圧弁4800は、ライン圧PLからスプリング4900の弾性力を減じた圧力の油圧が、その出力ポート5200すなわち第2流量制御弁3200の第2ポート4200に生じるように構成されている。
さらに具体的に説明すると、第1流量制御弁3100の入力ポート3300が閉じられた状態で、第2流量制御弁3200の第1ポート4100と第2ポート4200とが連通されると、調圧弁4800で調圧した作動油が第2ポート4200を介してプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に供給される。その場合の流量はダブルオリフィス5300で制限された微少量である。その結果、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246の油圧が高くなるが、その油圧アクチュエータの油圧が調圧弁4800におけるピストン5000の背面側に作用するので、その圧力が、ライン圧PLからスプリング4900の弾性力を減じた圧力になると、ピストン5000が入力ポート5100側に押圧されて入力ポート5100を閉じ、それ以上に作動油が供給されることを阻止する。したがって第1流量制御ポート3100からプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に作動油を供給せず、かつ第2流量制御弁3200から排出しないいわゆる閉じ込み(中込め)状態では、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246の油圧が、調圧弁4800で調圧した油圧(ライン圧PLより低い圧力)に維持されるようになっている。
このような油圧の維持の状態は、閉じ込み制御中の不可避的なオイルの漏れが生じた場合も同様であり、油圧回路や油圧制御機器などからオイルの漏洩が生じてプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246の油圧が低下した場合には、調圧弁4800の入力ポート5100からプライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246に作動油が僅かずつ供給され、調圧弁4800による調圧値に維持される。その結果、変速の状態としては、僅かながらアップシフト傾向となり、変速比が僅かずつ低下する緩速のアップシフトとなる。
ベルト式無段変速機230では、プライマリプーリ232に対するベルト236の巻き掛け半径が最小でかつセカンダリプーリ234に対するベルト236の巻き掛け半径が最大の状態で、最低速側の変速比(最大変速比:最減速状態)が設定され、また、これとは反対にプライマリプーリ232に対するベルト236の巻き掛け半径が最大でかつセカンダリプーリ234に対するベルト236の巻き掛け半径が最小の状態で、最高速側の変速比(最小変速比:最増速状態)が設定される。
変速機構200におけるロックアップクラッチ212の係合・解放ならびに滑りを伴う半係合の各状態の制御および前後進切換機構220での前後進の切り換えならびにベルト式無段変速機230での変速比の制御は、基本的には、車両の走行状態に基づいて制御されるようになっている。その制御のためにマイクロコンピュータを主体として構成されたECT(Electronically Controlled Automatic Transmission)_ECU900が設けられている。
このECT_ECU900は、前述したエンジンECU800とデータ通信可能に接続される一方、制御のためのデータとして車速や変速機構200の入力側の回転数(入力回転数NIN)、出力側の回転数(出力回転数NOUT)などのデータが入力される。回転数センサ600は、ベルト式無段変速機230での変速制御を実行するために、プライマリプーリ232やセカンダリプーリ234などの回転数を検出するセンサであって、一例として、電磁ピックアップの先端側をパルスギヤの歯(それぞれ図示せず)が通過することにより、電磁ピックアップにパルス信号を発生させ、そのパルス信号の間隔やパルス幅などに基づいて上記の入力回転数NINや出力回転数NOUTを求めるように構成される。
変速機構200を停止状態(パーキングポジション:Pポジション)、後進状態(リバースポジション:Rポジション)、中立状態(ニュートラルポジション:Nポジション)、車両の走行状態に応じて変速比を自動的に設定して通常の走行を行なう自動前進状態(ドライブポジション:Dポジション)、エンジン100のポンピングロスを制動力とする状態(ブレーキポジション:Bポジション)ならびに所定値以上の高速側の変速比の設定を禁止する状態(SDポジション)の各状態(ポジション)を選択するシフト装置1000が設けられており、このシフト装置1000がECT_ECU900に電気的に接続されている。
ベルト式無段変速機230において、比較的高車速側の変速比を設定して走行している状態で急停止すると、エンジン100の回転数の低下に伴いエンジン100により回転されている油圧ポンプから吐出圧であるライン圧が低下する。このため、ベルト236の挟圧力が低下する。なお、ロックアップクラッチ212が係合状態であると、エンジン100が駆動輪500による被駆動の状態になりエンジン100の回転数の低下が顕著になりライン圧の低下も顕著になる。そのため、ベルト236の挟圧力がより大きく低下する傾向を示す。
また、減速されてゆくと、プライマリプーリ232の油圧アクチュエータ246から作動油が排出されてプライマリプーリ232の溝幅が広くなり、その結果、変速比が増大して、ダウンシフトされる。さらに車速が低下して停止直前になると、セカンダリプーリ234の回転数の検知精度が低下して、正確な変速比を算出することができなくなり、この変速比に基づく最減速状態であるか否かを判定することが困難になる。
本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU900は、このような場合においても、ベルト式無段変速機230が最減速状態であるか否かを判定することができる。
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU900で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
なお、以下の説明において、判定フラグの初期状態はリセット(フラグ値=「0」)され、変速比しきい値に関しては、γ(1)>γ(2)であって、車速しきい値に関しては、V(2)>V(1)である。
ステップ(以下、ステップをSを記載する)100にて、ECT_ECU900は、車速Vが車速しきい値V(2)よりも大きいか否かを判断する。車速Vは、たとえば、車速センサにより検知される。車速Vが車速しきい値V(2)よりも大きいと(S100にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS110へ移される。
S110にて、ECT_ECU900は、判定フラグがリセット(フラグ値=「0」)されているか、判定フラグがセット(フラグ値=「1」)されているかを判断する。判定フラグがリセットされていると(フラグ値=「0」)、処理はS120へ移される。判定フラグがセットされていると(フラグ値=「1」)、処理はS200へ移される。
S120にて、ECT_ECU900は、変速比がγ(1)よりも大きいか否かを判断する。この変速比は、(入力回転数NIN/出力回転数NOUT)である。変速比がγ(1)よりも大きいと(S120にてYES)、処理はS130へ移される。もしそうでないと(S120にてNO)、処理はS230へ移される。
S130にて、ECT_ECU900は、ベルト式無段変速機230がダウンシフト中であるか否かを判断する。ダウンシフト中であると(S130にてYES)、処理はS140へ移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS230へ移される。
S140にて、ECT_ECU900は、変速速度指令値がγ(0)よりも大きいか否かを判断する。この変速速度指令値はダウンシフトさせる場合における可動シーブからのドレンの排出速度である。変速速度指令値がγ(0)よりも大きいと(S140にてYES)、処理はS150へ移される。もしそうでないと(S140にてNO)、処理はS230へ移される。
S150にて、ECT_ECU900は、変速比がγ(1)よりも大きくなってから予め定められた時間T(0)秒を経過したか否かを判断する。変速比がγ(1)よりも大きくなってから予め定められた時間T(0)秒を経過すると(S150にてYES)、処理はS160へ移される。もしそうでないと(S150にてNO)、処理はS230へ移される。
S160にて、ECT_ECU900は、判定フラグをセットする(フラグ値=「1」にする)。S170にて、ECT_ECU900は、ベルト式無段変速機230が最減速状態であると判定する。
S200にて、ECT_ECU900は、車速Vが車速しきい値V(1)よりも大きいか否かを判断する。車速Vが車速しきい値V(1)よりも大きいと(S200にてYES)、処理はS210へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS220へ移される。
S210にて、ECT_ECU900は、変速比がγ(1)よりも小さいか否かを判断する。この変速比は、(入力回転数NIN/出力回転数NOUT)である。変速比がγ(1)よりも小さいと(S210にてYES)、処理はS230へ移される。もしそうでないと(S210にてNO)、処理はS160へ移される。すなわち、変速比が、車速がより高い場合の変速しきい値γ(1)(>γ(2))よりも小さくなると、最減速状態であると一旦判定されて判定フラグが「1」にセットされていた場合であっても、S230にて判定フラグが「0」にリセットされてS110〜S150の判断が実行される。
S220にて、ECT_ECU900は、変速比がγ(2)よりも小さいか否かを判断する。この変速比は、(入力回転数NIN/出力回転数NOUT)である。変速比がγ(2)よりも小さいと(S220にてYES)、処理はS230へ移される。もしそうでないと(S220にてNO)、処理はS160へ移される。すなわち、変速比が、車速がより低い場合の変速しきい値γ(2)(<γ(1))よりも小さくなると、最減速状態であると一旦判定されていて判定フラグが「1」にセットされていた場合であっても、S230にて判定フラグが「0」にリセットされてS110〜S150の判断が実行される。
S230にて、ECT_ECU900は、判定フラグをリセットする(フラグ値=「0」にする)。S240にて、ECT_ECU900は、ベルト式無段変速機230が最減速状態であると判定しない(最減速状態ではないと判定する、あるいは最減速状態であると一旦判定していた場合においては、最減速状態でないと判定し直す)。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、車両の動作について説明する。なお、以下の説明においては車両が減速する場合について説明する。
図1に示すパワートレーンを搭載した車両の運転者がブレーキペダルを踏む等の減速の操作が行なわれると、車速Vが低下する。車速Vが車速しきい値V(2)(>(V(1))を上回っていると、図4に示す最減速判定処理は行なわれない(S100にてYESでRETURN)。車速Vが車速しきい値V(2)以下になると(S100にてNO)、判定フラグが初期状態でリセットされている(初期状態の判定フラグ値=「0」)ので、S120〜S150の判断処理が行なわれ、それらの全てを満足すると(変速比が変速比しきい値γ(1)より大きく(S120にてYES)、ダウンシフト中であって(S130にてYES)、変速速度指令値がγ(0)よりも大きく(S140にてYES)、変速比が変速比しきい値γ(1)よりも小さくなってからT(0)秒以上経過した(S150にてYES))、判定フラグがセットされて(判定フラグ値=「1」)、最減速状態であると判定される(S170)。
一方、S120〜S150の判断処理において、その1つでも満足されないと(変速比が変速比しきい値γ(1)以下(S120にてNO)、ダウンシフト中でない(S130にてNO)、変速速度指令値がγ(0)以下(S140にてNO)、変速比が変速比しきい値γ(1)よりも小さくなってからT(0)秒以上経過していない(S150にてNO))、判定フラグはセットされることなく(判定フラグ値=「0」)(S230)、最減速状態であると判定されない(S240)。
一旦、S120〜S150の判断処理において、それらの全てを満足した後においては、判定フラグがセット(判定フラグ値=「1」)されている。この状態において、図4のフローチャートが所定のサイクルタイムで繰り返し実行されるので、判定フラグがセットされており(判定フラグ値=「1」)(S110にてYES)、S200の処理が行なわれる。
車速VがV(1)(<V(2))よりも高い場合には(S200にてYES)、車速Vがより低いV(1)以下の場合(S200にてNO)に比べて、出力回転数NOUTの検知精度が高いので、より高めの変速しきい値γ(1)を用いて、最減速状態であるか否かが判断される。変速比が、車速がより高い場合の変速しきい値γ(1)(>γ(2))よりも小さくなっていると(S210にてYES)、最減速状態であると一旦判定されて判定フラグが「1」にセットされていた場合であっても、S230にて判定フラグが「0」にリセットされてS110〜S150の判断が実行され、それらの全てを満足しないと、最減速状態であると再度判定されない。
車速VがV(1)(<V(2))以下の場合には(S200にてNO)、車速Vがより高いV(1)よりも高い場合(S200にてYES)に比べて、出力回転数NOUTの検知精度が低いので、より低めの変速しきい値γ(2)を用いて、最減速状態であるか否かが判断される。変速比が、車速がより低い場合の変速しきい値γ(2)(<γ(1))よりも小さくなっていると(S220にてYES)、最減速状態であると一旦判定されて判定フラグが「1」にセットされていた場合であっても、S230にて判定フラグが「0」にリセットされてS110〜S150の判断が実行され、それらの全てを満足しないと、最減速状態であると再度判定されない。
以上のようにして、従来は車速によらないで1つの変速しきい値で最減速状態であるか否かを判定したり、誤差を含む変速比自体に基づいてパルス数の設定を変更したりしていた。このため、高めの変速しきい値しか設定されていないと、実際には最減速状態であるにもかかわらず、最減速状態でないと判定されることが、特に低速(さらに言えば極低速)状態において発生する可能性があった。本実施の形態に係る無段変速機の制御装置によると、車速により変更される、少なくとも2つの変速比しきい値を設けた。低速用にはより低めの変速比しきい値に変更している。このため、車速が低い状態であって実際に最減速状態である場合には、より小さな変速比しきい値を下回らない限り、最減速比状態でないと判断されることがなくなる。この結果、無段変速機における最減速比状態を正確に判定することができる。
なお、上述した実施の形態においては、車速により変更する変速しきい値は2つとしたが、本発明はこのような2つの変速しきい値に限定されない。また、図4に示すフローチャートに変えて、変速比しきい値γ(1)、γ(2)を変数として扱い、車速に応じて、ECT_ECUが低速ほどより小さな変速比しきい値を代入するようにしてもよい。このことが、車両の速度を検出して、その車両の速度に応じて、判定値を変更することに対応する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御ブロック図である。 図1に示すCVTの詳細図である。 CVTの変速制御のための油圧回路の一部を示す図である。 本発明の実施の形態に係るECUで実行されるプログラムの制御構造を示す図である。
符号の説明
100 エンジン、200 変速機構、210 流体伝動機構、212 ロックアップクラッチ、214 ダンパー、220 前後進切換機構、232 プライマリプーリ、234 セカンダリプーリ、236 ベルト、290 入力軸、300 出力軸、400 ディファレンシャルギヤ、500 駆動輪、600 回転数センサ、700 加減速操作装置、800 エンジンECU、900 ECT_ECU、1000 シフト装置、3100 第1流量制御弁、3200 第2流量制御弁、3900,4000 ソレノイドバルブ、4800 調圧弁。

Claims (5)

  1. 溝幅がアクチュエータによって変更可能な駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻掛けられ、前記プーリにおける前記ベルトの掛かり径を変化させることにより変速比を変化させるベルト式無段変速機の制御装置であって、
    前記無段変速機の入力側の回転数を検出するための入力回転数検出手段と、
    前記無段変速機の出力側の回転数を検出するための出力回転数検出手段と、
    前記入力側の回転数と前記出力側の回転数との比率と、予め定められた判定値とを比較することにより、前記無段変速機の変速比が最減速状態であるか否かを判定するための最減速状態判定手段とを含み、
    前記最減速状態判定手段は、予め定められた複数の車両速度領域毎に複数設定された判定値に基づいて最減速状態であるか否かを判定するための手段を含む、制御装置。
  2. 前記車両速度領域が低速領域であるほど、より低い変速比が判定値として設定される請求項1に記載の制御装置。
  3. 溝幅がアクチュエータによって変更可能な駆動側プーリと従動側プーリとにベルトが巻掛けられ、前記プーリにおける前記ベルトの掛かり径を変化させることにより変速比を変化させるベルト式無段変速機の制御装置であって、
    前記無段変速機の入力側の回転数を検出するための入力回転数検出手段と、
    前記無段変速機の出力側の回転数を検出するための出力回転数検出手段と、
    前記入力側の回転数と前記出力側の回転数との比率と、予め定められた判定値とを比較ることにより、前記無段変速機の変速比が最減速状態であるか否かを判定する最減速状態判定手段と、
    前記無段変速機が搭載された車両の速度を検出するための速度検出手段と
    前記車両の速度に応じて、前記判定値を変更するための判定値変更手段とを含む、制御装置。
  4. 前記判定値変更手段は、前記車両の速度が低速であるほど、より低い変速比を判定値として設定するための手段を含む、請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記比率は、前記入力側の回転数を前記出力側の回転数で除算した比率であって、
    前記最減速状態判定手段は、
    前記比率が前記判定値を下回ると、非最減速状態であると判定するための手段と、
    前記比率が前記判定値以上であると、最減速状態であると判定するための手段とを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の制御装置。
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