JP3402208B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3402208B2
JP3402208B2 JP20945198A JP20945198A JP3402208B2 JP 3402208 B2 JP3402208 B2 JP 3402208B2 JP 20945198 A JP20945198 A JP 20945198A JP 20945198 A JP20945198 A JP 20945198A JP 3402208 B2 JP3402208 B2 JP 3402208B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機を含む
自動変速機の変速制御装置、特に、フィードフォワード
制御により求める目標変速比を、これと実変速比との間
の変速比偏差に応じたフィードバック補正量だけ補正し
て行う自動変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機や、トロイダル型
無段変速機に代表される無段変速機を含む自動変速機
は、エンジン要求負荷および車速などの走行条件から目
標変速比を求め、実変速比が所定の応答をもってこの目
標変速比に達するよう変速制御するのが普通である。従
って無段変速機について説明すると、運転者がアクセル
ペダルを踏み込んでエンジン要求負荷を増すような加速
時は、目標変速比が大きくなる(低速側の変速比にな
る)よう変更され、無段変速機は当該大きくされた目標
変速比に向けて無段階にダウンシフト変速され、逆に運
転者がアクセルペダルを戻してエンジン要求負荷を低下
させるような低負荷運転時は、目標変速比が小さくなる
(高速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は
当該小さくされた目標変速比に向けて無段階にアップシ
フト変速される。
【0003】ところで、当該変速に際して無段変速機の
変速比は、無段変速機のハードウエア限界などを考慮し
て制限する必要があり、さもなくば実現不能な変速比ま
で指令することとなって、変速制御上の不都合を生ず
る。かかる制限に際しては、変速制御に供される変速比
指令を上限値よりも大きくならないように、また、下限
値よりも小さくならないように制限するのが常套であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、変速比指令と
実際の変速比とは、変速応答遅れや、特性のバラツキ
や、トロイダル型無段変速機におけるトルクシフトなど
の外乱に起因して、必ずしも一致しないことがある。一
方で実際上は、実変速比がハードウエア限界などを考慮
して定めた限界を超えないようにすることが必要であ
り、かかる実変速比のモニタなしに変速比指令を制限す
る常套手段では当該要求通りに実変速比を制限範囲内に
収め得る保証がない。
【0005】従って従来は、実変速比を確実に制限範囲
内に収め得るようにするために、変速応答遅れや、特性
のバラツキや、外乱などに起因した変速比指令と実変速
比との間における偏差の、想定される最大値に更に安全
率を掛けた余裕分を見込んで変速比指令の許容幅を相当
に小さく設定しなければならず、ハードウエア上使用可
能な変速比範囲を十分に使い切ることができないという
問題があった。
【0006】請求項1に記載の第1発明は、この問題を
生ずることなく実変速比を確実に制限範囲内に収め得る
ようにした自動変速機の変速制御装置を提案することを
主たる目的とする。
【0007】第1発明は更に上記の目的を一層確実に
達成し得るようにすることを目的とする。
【0008】請求項に記載の第発明は、フィードバ
ック制御分を制限することで実変速比を制限範囲内に収
めるようにし、これにより、例えばフィードバック制御
分が変速制御に反映されない状況であるにもかかわらず
フィードバック制御が継続されて、変速制御のオーバー
シュートが生ずるようなことのないようにすることを目
的とする。
【0009】請求項に記載の第発明は、フィードバ
ック制御分に積分制御分が含まれていて上記オーバーシ
ュートの問題が特に顕著となる場合においても、当該オ
ーバーシュートの問題を確実に解消することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による自動変速機の変速制御装置は、フィー
ドフォワード制御により求める目標変速比と実変速比と
の間の変速比偏差に応じたフィードバック補正量だけ前
記目標変速比を補正して補正済目標変速比を求め、この
補正済目標変速比から求めた変速比指令により該補正済
目標変速比に向かうよう変速される自動変速機におい
て、前記実変速比が実用可能限界変速比を超えることの
ないよう前記変速比指令を制限する構成となす
【0011】そして発明による自動変速機の変速制
御装置は、上記変速比指令の制限を特に以下のごとくに
行う。 つまり、実変速比が実用可能限界変速比を超え
い場合、予定の変速比指令限界値に決定した制御可能限
界変速比を超えないよう上記変速比指令を制限し、実変
速比が前記実用可能限界変速比を超えた場合、前記制御
可能限界変速比を前記予定の変速比指令限界値から直前
の変速比指令に更新して、この更新した制御可能限界変
速比を超えないよう上記変速比指令を制限し、 上記した
変速比指令の制限により実変速比が実用可能限界変速比
を超えることのないよう構成したことを特徴とするもの
である。
【0012】第発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第1発明において、前記制御可能限界変速比か
ら前記フィードフォワード制御による目標変速比を差し
引いてフィードバック補正量限界値を求め、前記フィー
ドバック補正量を該フィードバック補正量限界値に制限
して、実変速比が前記実用可能限界変速比を超えること
のないよう構成したことを特徴とするものである。
【0013】第発明による自動変速機の変速制御装置
は、上記第発明において、フィードバック補正量に積
分制御による補正量が含まれる場合、該積分制御による
補正量とフィードバック補正量の双方を個々に、前記フ
ィードバック補正量限界値に制限して、実変速比が前記
実用可能限界変速比を超えることのないよう構成したこ
とを特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】第1発明において変速制御装置は、フィ
ードフォワード制御による目標変速比と実変速比との間
の変速比偏差に応じたフィードバック補正量だけ上記の
目標変速比を補正して補正済目標変速比を求め、この補
正済目標変速比から求めた変速比指令により当該補正済
目標変速比に向かうよう自動変速機を変速させる。この
際、変速制御装置は上記の変速比指令を、実変速比が実
用可能限界変速比を超えることのないように制限する。
従って、変速比指令を制限すると雖も確実に実変速比が
実用可能限界変速比を超えるのを確実に防止することが
でき、実現不能な変速比までをも指令して変速制御上の
不都合が生ずるのを回避し得る。
【0015】また、実変速比のモニタにより変速比指令
を制限することから、これら実変速比と変速比指令とが
変速応答遅れや、特性のバラツキや、外乱などに起因し
て一致しない場合でも、確実に上記の作用効果を達成す
ることができ、従って当該不一致を見込んで、又これに
余裕分を加算して変速比指令の許容幅を小さくする必要
がなく、ハードウエア上使用可能な変速比範囲を十分に
使い切ることができる。
【0016】第発明においては更に、上記のごとく実
変速比が実用可能限界変速比を超えることのないよう
するための変速比指令制限を、特に以下のごとくに行
う。実変速比上記実用可能限界変速比を越えない場
合、予定の変速比指令限界値に決定した制御可能限界変
速比を超えないよう上記変速比指令を制限し実変速比
が前記実用可能限界変速比を超えた場合、前記制御可能
限界変速比を前記予定の変速比指令限界値から直前の変
速比指令に更新して、この更新した制御可能限界変速比
を超えないよう上記変速比指令を制限し、 かかる変速比
指令の制限により実変速比が実用可能限界変速比を超え
ることのないようにする。
【0017】よって、実変速比が決して実用可能限界変
速比を超えることがなく、上記の作用効果を更に確実な
ものにすることができ、安全を見込んで変速比指令の許
容幅を小さくする必要がないために、ハードウエア上使
用可能な変速比範囲を十分に使い切ることができる。
【0018】第発明においては、上記制御可能限界変
速比からフィードフォワード制御による目標変速比を差
し引いてフィードバック補正量限界値を求め、フィード
バック補正量を該フィードバック補正量限界値に制限し
て、実変速比が実用可能限界変速比を超えるのを防止す
るから、実現不能な変速比までをも指令して変速制御上
の不都合が生ずるという問題を回避することができる。
【0019】しかも、フィードバック補正量を上記のよ
うにして求めたフィードバック補正量限界値に制限し
て、実変速比が実用可能限界変速比を超えるのを防止す
るから、例えばフィードフォワード制御による目標変速
比自身が限界値にあって、フィードバック制御による補
正が実際上は変速制御に反映されないにもかかわらずフ
ィードバック制御が継続され、変速制御不能にもかかわ
らずフィードバック制御分が蓄積され、その結果が制御
のオーバーシュートにより変速応答の悪化や変速品質の
低下を生じさせるといった懸念を払拭することができ
る。
【0020】第発明においては、フィードバック補正
量に積分制御による補正量が含まれる場合、該積分制御
による補正量とフィードバック補正量の双方を個々に、
上記フィードバック補正量限界値に制限することで、実
変速比が実用可能限界変速比を超えるのを防止するため
に、制御の上記オーバーシュートの問題を特に顕著とな
す積分制御による補正量がフィードバック補正量に含ま
れている場合にも、第3発明と同様の作用効果を達成す
ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明一
実施の態様になる変速制御装置を具えたトロイダル型無
段変速機を例示し、図1は同トロイダル型無段変速機の
縦断側面図、図2は同じくその縦断正面図である。
【0022】先ず、無段変速機の主要部であるトロイダ
ル伝動ユニットを説明するに、これは図示せざるエンジ
ンからの回転を伝達される入力軸20を具え、この入力
軸は図1に明示するように、エンジンから遠い端部を変
速機ケース21内に軸受22を介して回転自在に支持
し、中央部を変速機ケース21の中間壁23内に軸受2
4および中空出力軸25を介して回転自在に支持する。
入力軸20上には入出力コーンディスク1,2をそれぞ
れ回転自在に支持し、これら入出力コーンディスクを、
トロイド曲面1a,2aが相互に対向するよう配置す
る。そして入出力コーンディスク1,2の対向するトロ
イド曲面間には、入力軸20を挟んでその両側に配置し
た一対のパワーローラ3を介在させ、これらパワーロー
ラを入出力コーンディスク1,2間に挟圧するために、
以下の構成を採用する。
【0023】即ち、入力軸20の軸受け(22)端部に
ローディングナット26を螺合し、該ローディングナッ
トにより抜け止めして入力軸20上に回転係合させたカ
ムディスク27と、入力コーンディスク1のトロイド曲
面1aから遠い端面との間にローディングカム28を介
在させ、このローディングカムを介して、入力軸20か
らカムディスク27への回転が入力コーンディスク1に
伝達されるようになす。ここで、入力コーンディスク1
の回転は両パワーローラ3の回転を介して出力コーンデ
ィスク2に伝わり、この伝動中ローディングカム28は
伝達トルクに比例したスラストを発生して、パワーロー
ラ3を入出力コーンディスク1,2間に挟圧し、上記の
動力伝達を可能ならしめる。
【0024】出力コーンディスク2は出力軸25に楔着
し、この軸上に出力歯車29を一体回転するよう嵌着す
る。出力軸25は更に、ラジアル兼スラスト軸受30を
介して変速機ケース21の端蓋31内に回転自在に支持
し、この端蓋31内には別にラジアル兼スラスト軸受3
2を介して入力軸20を回転自在に支持する。ここで、
ラジアル兼スラスト軸受30,32はスペーサ33を介
して相互に接近し得ないよう突き合わせ、また相互に遠
去かる方向へも相対変位不能になるよう、対応する出力
歯車29および入力軸20に対し軸線方向に衝接させ
る。かくて、ローディングカム28によって入出力コー
ンディスク1,2間に作用するスラストは、スペーサ3
3を挟むような内力となり、変速機ケース21に作用す
ることがない。
【0025】各パワーローラ3は図2にも示すように、
トラニオン41に回転自在に支持し、該トラニオンは各
々、上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端
に回転自在および揺動自在に、また下端を球面継手44
によりロアリンク45の両端に回転自在および揺動自在
に連結する。そして、アッパリンク43およびロアリン
ク45は中央を球面継手46,47により変速機ケース
21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41を
相互逆向きに同期して上下動させ得るようにする。
【0026】かように両トラニオン41を相互逆向きに
同期して上下動させることにより変速を行う変速制御装
置を、図2に基づき次に説明する。各トラニオン41に
は、これらを個々に上下方向へストロークさせるための
ピストン6を設け、両ピストン6の両側にそれぞれ上方
室51,52および下方室53,54を画成する。そし
て両ピストン6を相互逆向きにストローク制御するため
に、変速制御弁5を設置する。ここで、変速制御弁5は
スプール型の内弁体5aとスリーブ型の外弁体5bとを
相互に摺動自在に嵌合して具え、外弁体5bを弁外筐5
cに摺動自在に嵌合して構成する。
【0027】上記の変速制御弁5は、入力ポート5dを
圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン
室51,54に、また他方の連絡ポート5fをピストン
室52,53にそれぞれ接続する。そして内弁体5a
を、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカ
ム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介し
て共働させ、外弁体5bを変速アクチュエータとしての
ステップモータ4に、ラックアンドピニオン型式で駆動
係合させる。
【0028】変速制御弁5の操作指令は、アクチュエー
タ駆動位置指令Astep(ステップ位置指令)に応動
するアクチュエータ(ステップモータ)4がラックアン
ドピニオンを介し外弁体5bにストロークとして与える
こととする。この操作指令で変速制御弁5の外弁体5b
が内弁体5aに対し相対的に中立位置から例えば図2の
位置に変位されて変速制御弁5が開く時、圧力源55か
らの流体圧(ライン圧PL )が室52,53に供給され
る一方、他の室51,54がドレンされ、また変速制御
弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置
から逆方向に変位されて変速制御弁5が開く時、圧力源
55からの流体圧が室51,54に供給される一方、他
の室52,53がドレンされ、両トラニオン41が流体
圧でピストン6を介して図中、対応した上下方向へ相互
逆向きに変位されるものとする。これにより両パワーロ
ーラ3は、回転軸線O1 が入出力コーンディスク1,2
の回転軸線O2 と交差する図示位置からオフセット(オ
フセット量y)されることになり、該オフセットにより
パワーローラ3は入出力コーンディスク1,2からの首
振り分力で、自己の回転軸線O1 と直行する首振り軸線
3 の周りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うこ
とができる。
【0029】かかる変速中、一方のトラニオン41の下
端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介し
て、トラニオン41およびパワーローラ3の上述した上
下動(オフセット量y)および傾転角φを変速制御弁5
の内弁体5aに機械的にxで示す如くフィードバックさ
れる。そして上記の無段変速により、ステップモータ4
へのアクチュエータ駆動位置指令Astepに対応した
変速比指令値が達成される時、上記のプリセスカム7を
介した機械的フィードバックが変速制御弁5の内弁体5
aをして、外弁体5bに対し相対的に初期の中立位置に
復帰させ、同時に、両パワーローラ3は、回転軸線O1
が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O2 と交差す
る図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の達成状態
を維持することができる。
【0030】なお、パワーローラ傾転角φを変速比指令
値に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基
本的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフ
ィードバックすればよいことになるが、ここでパワーロ
ーラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変
速制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与
えて、変速制御のハンチング現象を回避するためであ
る。
【0031】ステップモータ4へのアクチュエータ駆動
位置指令Astepは、コントローラ61によりこれを
決定する。これがためコントローラ61には図2に示す
ように、エンジンスロットル開度TVOを検出するスロ
ットル開度センサ62からの信号と、車速VSPを検出
する車速センサ63からの信号と、入力コーンディスク
1の回転数Ni (エンジン回転数Ne でもよい)を検出
する入力回転センサ64からの信号と、出力コーンディ
スク2の回転数No を検出する出力回転センサ65から
の信号と、変速機作動油温TMPを検出する油温センサ
66からの信号と、前記油圧源55からのライン圧PL
を検出する(通常は、ライン圧PL をコントローラ61
で制御するからコントローラ61の内部信号から検知す
る)ライン圧センサ67からの信号と、エンジン回転数
e を検出するエンジン回転センサ68からの信号と、
エンジン吸気量Qを検出する吸気量センサ69からの信
号とをそれぞれ入力する。
【0032】コントローラ61は、上記の各種入力情報
をもとに以下の演算によりステップモータ4へのアクチ
ュエータ駆動位置指令Astep(変速指令値)を決定
するものとする。これがため本例では、コントローラ6
1を図3および図4に例示するように構成し、先ず変速
マップ選択部71は図2のセンサ66で検出した油温T
MPや、排気浄化触媒の活性化運転中か否かなど、各種
条件に応じて変速マップを選択する。
【0033】到達入力回転数算出部72は、かようにし
て選択された変速マップが例えば図15に示すごときも
のである場合について述べると、図2のセンサ62,6
3でそれぞれ検出したスロットル開度TVOおよび車速
VSPから、同図の変速線図に対応した変速マップをも
とに、現在の運転状態での定常的な目標入力回転数とす
べき到達入力回転数Ni * を検索して求める。到達変速
比演算部73は、到達入力回転数Ni * を、図2のセン
サ65により検出した変速機出力回転数NO で除算する
ことにより、到達入力回転数Ni * に対応する定常的な
目標変速比である到達変速比DRatioを演算により
求める。
【0034】エンジン吸気量相当燃料噴射パルス幅算出
部91は、図2のセンサ68,69で検出したエンジン
回転数Ne およびエンジン吸気量Qからエンジン出力ト
ルク(Q/Ne )を演算し、これに定数Kを掛けて基本
パルス幅TPO(=K・Q/N e )を求め、この基本パル
ス幅TPOに対してエンジン吸気系の遅れなどの補正を行
うことで、エンジン吸気量相当値の燃料噴射パルス幅T
P を求める。
【0035】通信情報作成部92は、上記燃料噴射パル
ス幅TP の他に、その算出時に情報を提供する図2のエ
ンジン回転センサ68および吸気量センサ69が異常で
あるか正常であるかの判定結果、およびフューエルカッ
ト装置93からのフューエルカット気筒数信号を入力さ
れ、センサ68,69の異常時は、エンジン異常である
として燃料噴射パルス幅通信情報LANTPOにOFFH
をセットし、センサ68,69の正常時は、燃料噴射パ
ルス幅TP およびフューエルカット気筒数から、全気筒
フューエルカットであれば燃料噴射パルス幅通信情報L
ANTPO=0をセットし、半気筒フューエルカットであ
れば燃料噴射パルス幅通信情報LANTPO=TP /2を
セットし、全気筒噴射であれば燃料噴射パルス幅通信情
報LANTPO=TP をセットして、図示せざるエンジン
の燃料噴射制御に資する。
【0036】通信異常判定部94は、燃料噴射パルス幅
通信情報LANTPOの入力があるか否かにより通信が正
常に行われているのか、異常であるのかを判定し、正常
であれば燃料噴射パルス幅通信情報LANTPOを情報受
け取り部95に入力し、異常であれば切り換え器96を
実線位置から2点鎖線位置に切り換えることで、エンジ
ントルク算出部97への入力情報を情報受け取り部95
からの燃料噴射パルス幅通信情報LANTPOから図2の
センサ62で検出したスロットル開度TVOに切り換え
る。
【0037】エンジントルク算出部97は、切り換え器
96からの燃料噴射パルス幅通信情報LANTPOまたは
スロットル開度TVOと、センサ68(図2も参照)で
検出したエンジン回転数Ne とから、周知の演算により
エンジントルクTe を算出する。
【0038】到達変速比制限部98は、情報受け取り部
95への燃料噴射パルス幅通信情報LANTPOがOFF
Hである時、つまりエンジン異常である時や、エンジン
回転センサ68が異常である時は、これらを基にブロッ
ク97で求めるエンジントルクTe が不正確なため、こ
れを基にブロック77で後述のごとくに求めるトルクシ
フト補償変速比TSrtoも不正確になって、実質上ト
ルクシフト補償が行えないことから、詳しくは後述する
ように、ブロック73からの到達変速比DRatioを
エンジン異常や、エンジン回転センサ異常が発生してい
ない正常時よりも大きく制限し、制限済到達変速比Lm
DRatioを求める。
【0039】変速時定数算出部74は、選択レンジ(前
進通常走行レンジD、前進スポーツ走行レンジDS
や、車速VSPおよびスロットル開度TVOや、アクセ
ルペダル操作速度や、後述する目標変速比と実変速比と
の間の変速比偏差など、各種条件に応じて変速制御の時
定数Tsftを決定する。ここで変速時定数Tsft
は、到達変速比DRatioに対する変速の応答性を決
定して変速速度を定めるためのもので、目標変速比算出
部75は、到達変速比DRatioを変速時定数Tsf
tで定めた変速応答をもって実現するための過渡的な時
々刻々の目標変速比Ratio0を算出する。
【0040】速度比算出部99は、エンジンと変速機と
の間に介在させたトルクコンバータ(図示せず)の入力
回転数であるエンジン回転数Ne と、出力回転数である
変速機入力回転数Ni との比で表されるトルクコンバー
タの速度比eを求め、トルク比算出部100は、速度比
eからトルクコンバータ性能線図に対応したマップを基
にトルクコンバータのトルク比tを求め、入力トルク算
出部76は、ブロック97で前述の如くに求めたエンジ
ントルクTe にトルク比tを乗じて変速機入力トルクT
i を算出する。そしてトルクシフト補償変速比算出部7
7は、上記の過渡的な目標変速比Ratio0および当
該変速機入力トルクTi から、トロイダル型無段変速機
に特有なトルクシフト(変速比の不正)をなくすための
トルクシフト補償変速比TSrtoを算出する。
【0041】ここでトロイダル型無段変速機のトルクシ
フトを補足説明するに、トロイダル型無段変速機の伝動
中においては前記した如くにパワーローラ3を入出力コ
ーンディスク1,2間に挟圧することからトラニオン4
1の変形が発生し、これにより当該トラニオンの下端に
おけるプリセスカム7の位置が変化してプリセスカム7
および変速リンク8よりなる機械的フィードバック系の
系路長変化を惹起し、これが上記のトルクシフトを生起
させる。従ってトロイダル型無段変速機のトルクシフト
は、目標変速比Ratio0および変速機入力トルクT
i によって異なり、トルクシフト補償変速比算出部77
はこれらの2次元マップからトルクシフト補償変速比T
Srtoを検索により求めるものとする。
【0042】当該トルクシフト補償変速比TSrto
は、前記した目標変速比算出部75からの目標変速比R
atio0と共にトルクシフト補償済み変速比算出部7
0に入力され、ここでトルクシフト補償変速比TSrt
oと目標変速比Ratio0との加算により、トルクシ
フト補償済み変速比TSRatio0を求める。ところ
で目標変速比Ratio0は勿論のこと、トルクシフト
補償変速比TSrtoも、ともにフィードフォワード制
御により求めた制御量であり、従って本実施の形態にお
いては、トルクシフト補償済み変速比TSRatio0
をフィードフォワード制御により求める目標変速比とす
る。
【0043】実変速比算出部78は、変速機入力回転数
i を変速機出力回転数NO で除算することにより実変
速比Ratio(=Ni /NO )を算出し、変速比偏差
算出部79は、前記した目標変速比Ratio0から実
変速比Ratioを差し引いて、両者間における変速比
偏差RtoERR(=Ratio0−Ratio)を求
める。
【0044】第1フィードバック(FB)ゲイン算出部
80は、変速比偏差RtoERRに応じた周知のPID
制御(Pは比例制御、Iは積分制御、Dは微分制御)に
よる変速比フィードバック補正量を算出する時に用い
る、それぞれの制御のフィードバックゲインのうち、変
速機入力回転数Ni および車速VSPに応じて決定すべ
き第1の比例制御用フィードバックゲインfbpDAT
A1、積分制御用フィードバックゲインfbiDATA
1、および微分制御用フィードバックゲインfbdDA
TA1を求める。これら第1のフィードバックゲインf
bpDATA1,fbiDATA1,fbdDATA1
は、変速機入力回転数Ni および車速VSPの2次元マ
ップとして予め定めておき、このマップを基に変速機入
力回転数Ni および車速VSPから検索により求めるも
のとする。
【0045】第2フィードバック(FB)ゲイン算出部
81は、上記PID制御による変速比フィードバック補
正量を算出する時に用いるフィードバックゲインのう
ち、変速機作動油温TMPおよびライン圧PL に応じて
決定すべき第2の比例制御用フィードバックゲインfb
pDATA2、積分制御用フィードバックゲインfbi
DATA2、および微分制御用フィードバックゲインf
bdDATA2をそれぞれ求め、これら第2のフィード
バックゲインfbpDATA2,fbiDATA2,f
bdDATA2は、作動油温TMPおよびライン圧PL
の2次元マップとして予め定めておき、このマップを基
に作動油温TMPおよびライン圧PL から検索により求
めるものとする。
【0046】フィードバックゲイン算出部83は、上記
第1のフィードバックゲインおよび第2のフィードバッ
クゲインを対応するもの同士掛け合わせて、比例制御用
フィードバックゲインfbpDATA(=fbpDAT
A1×fbpDATA2)、積分制御用フィードバック
ゲインfbiDATA(=fbiDATA1×fbiD
ATA2)、および微分制御用フィードバックゲインf
bdDATA(=fbdDATA1×fbdDATA
2)をそれぞれ求める。
【0047】PID制御部84は、以上のようにして求
めたフィードバックゲインを用い、変速比偏差RtoE
RRに応じたPID制御による変速比フィードバック補
正量FBrtoを算出するために、先ず比例制御による
変速比フィードバック補正量をRtoERR×fbpD
ATAにより求め、次いで積分制御による変速比フィー
ドバック補正量を∫RtoERR×fbiDATAによ
り求め、更に微分制御による変速比フィードバック補正
量を(d/dt)RtoERR×fbdDATAにより求
め、最後にこれら3者の和値をPID制御による変速比
フィードバック補正量FBrto(=RtoERR×f
bpDATA+∫RtoERR×fbiDATA+(d/
dt)RtoERR×fbdDATA)とする。
【0048】変速比フィードバック補正量制限部90
は、補正済目標変速比制限部82において後述する如く
に補正済目標変速比DsrRTOを制限する時に用いる
最終変速比指令上限値LIMRTOMAXおよび最終変
速比指令下限値LIMRTOMINと、当該制限した後
の制限済変速比指令LmDsrRTOと、実変速比Ra
tioとから、詳しくは後述するようにして制御可能限
界変速比Lmrtomax,Lmrtominを求め、
更にこれから、フィードフォワード制御による目標変速
比( トルクシフト補償済み変速比) TSRatio0を
差し引いてフィードバック補正量限界値FbRTOLI
MP(正側),FbRTOLIMM(負側)を求め、最
後に変速比フィードバック補正量FBrtoをこれら限
界値内に制限して制限済変速比フィードバック補正量L
mFBrtoを求める。
【0049】目標変速比補正部85は、トルクシフト補
償済目標変速比TSRatio0を制限済変速比フィー
ドバック補正量LmFBrtoだけ補正して、補正済目
標変速比DsrRTO(=TSRatio0+LmFB
rto)を求める。補正済目標変速比制限部82は、補
正済目標変速比DsrRTOを最終変速比指令上限値L
IMRTOMAXおよび最終変速比指令下限値LIMR
TOMIN間の範囲内に制限して制限済変速比指令Lm
DsrRTOを求める。
【0050】目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動
位置)算出部86は、上記の制限済変速比指令LmDs
rRTOを実現するためのステップモータ(アクチュエ
ータ)4の目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位
置)DsrSTPをマップ検索により求める。
【0051】ステップモータ駆動位置指令算出部87
は、ステップモータ駆動速度決定部88が変速機作動油
温TMPなどから決定するステップモータ4の限界駆動
速度でも1制御周期中にステップモータ4が上記目標ス
テップ数DsrSTPに変位し得ないとき、ステップモ
ータ4の上記限界駆動速度で実現可能な実現可能限界位
置をステップモータ4への駆動位置指令Astepとな
し、ステップモータ4が1制御周期中に上記目標ステッ
プ数DsrSTPに変位し得るときは、当該目標ステッ
プ数DsrSTPをそのままステップモータ4への駆動
位置指令Astepとなすものとする。従って、駆動位
置指令Astepは常時ステップモータ4の実駆動位置
と見做すことができる。
【0052】ステップモータ4は駆動位置指令Aste
pに対応する方向および位置に変位されてラックアンド
ピニオンを介し変速制御弁5の外弁体5bをストローク
させ、トロイダル型無段変速機を前記したように所定通
りに変速させることができる。この変速により駆動位置
指令Astepに対応した変速比指令値が達成される
時、プリセスカム7を介した機械的フィードバックが変
速制御弁5の内弁体5aをして、外弁体5bに対し相対
的に初期の中立位置に復帰させ、同時に、両パワーロー
ラ3は、回転軸線O1 が入出力コーンディスク1,2の
回転軸線O2 と交差する図示位置に戻ることで、上記変
速比指令値の達成状態を維持することができる。
【0053】ところで本実施の形態においては特に、変
速比フィードバック補正量制限部90で、補正済目標変
速比制限部82における最終変速比指令上限値LIMR
TOMAXおよび最終変速比指令下限値LIMRTOM
INと、制限済変速比指令LmDsrRTOと、実変速
比Ratioとにより後で詳述する如くにして予め求め
た制御可能限界変速比Lmrtomax,Lmrtom
inから、フィードフォワード制御による目標変速比(
トルクシフト補償済み変速比) TSRatio0を差し
引いてフィードバック補正量限界値FbRTOLIMP
(正側),FbRTOLIMM(負側)を求め、変速比
フィードバック補正量FBrtoをこれら限界値内に制
限して得られる制限済変速比フィードバック補正量Lm
FBrtoをフィードバック補正量とし、目標変速比補
正部85で、フィードフォワード制御分であるトルクシ
フト補償済目標変速比TSRatio0を当該制限済変
速比フィードバック補正量LmFBrtoだけ補正し
て、補正済目標変速比DsrRTOとするから、変速制
御を司る補正済目標変速比が制御可能限界変速比を超え
ることがなく、実現不能な変速比までをも指令して変速
制御上の不都合が生ずるという問題を回避することがで
きる。
【0054】しかもこの際、制御可能限界変速比からフ
ィードフォワード制御による目標変速比を差し引いて求
めた、フィードバック制御が使用可能なフィードバック
補正量限界値にフィードバック補正量を制限することで
上記の作用効果を具現するから、例えばフィードフォワ
ード制御による目標変速比自身が限界値にあって、フィ
ードバック制御による補正が実際上は変速制御に反映さ
れないにもかかわらずフィードバック制御が継続されて
変速応答の悪化や変速品質の低下を生ずるといった前記
の懸念を払拭することができる。
【0055】しかも更に補正済目標変速比制限部82
で、補正済目標変速比DsrRTOをそのまま変速指令
とせず、最終変速比指令上限値LIMRTOMAXおよ
び最終変速比指令下限値LIMRTOMINの範囲内に
制限した制限済変速比指令LmDsrRTOを変速制御
に資することから、万が一にも変速比指令が上記の限界
値を超えるようなことがなく、変速比フィードバック補
正量の上記制限と相まって2重の安全対策をなし得る。
【0056】次いでステップモータ追従可能判定部89
につき説明するに、このステップモータ追従可能判定部
89は、ステップモータ4が制限済変速比指令LmDs
rRTOに対応した目標ステップ数(アクチュエータ目
標駆動位置)DsrSTPに追従可能か否かを、以下に
より判定するものである。
【0057】つまり判定部89は先ず、目標ステップ数
(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPと、実駆
動位置と見做すことができる駆動位置指令Astepと
の間におけるステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置
偏差)ΔSTPを求める。そして判定部89は、ステッ
プモータ駆動速度決定部88により前記の如くに決定さ
れたステップモータ4の限界駆動速度でもステップモー
タ4が1制御周期中に解消し得ないステップ数偏差(ア
クチュエータ駆動位置偏差)の下限値ΔSTPLIM より
もステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置偏差)ΔS
TPが小さい時(ΔSTP<ΔSTPLIM )、ステップ
モータ4が制限済変速比指令LmDsrRTOに対応し
た目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)Ds
rSTPに追従可能であると判定し、逆にΔSTP≧Δ
STPLIM である時、ステップモータ4が目標ステップ
数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従
不能であると判定する。
【0058】判別部89は、ステップモータ4が制限済
変速比指令LmDsrRTOに対応した目標ステップ数
(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従可
能であると判定する場合、PID制御部84で前記した
通りのPID制御による変速比フィードバック補正量F
Brtoの演算を継続させる。しかして、ステップモー
タ4が目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)
DsrSTPに追従不能であると判定した場合は、積分
制御による変速比フィードバック補正量∫RtoERR
×fbiDATAを当該判定時における値に保持するよ
うPID制御部84に指令する。
【0059】これがため、ステップモータ(変速アクチ
ュエータ)4の実駆動位置Astepが目標駆動位置
(DsrSTP)の変化に追従し得ない場合は、積分制
御による変速比フィードバック補正量∫RtoERR×
fbiDATAが追従不能判定時の値に保持されて、ス
テップモータ(変速アクチュエータ)4が目標駆動位置
DsrSTPに追従し得ないにもかかわらずフィードバ
ック制御不能分が変速比フィードバック補正量FBrt
oに溜まり込むのを回避することができる。かように、
不所望な変速比フィードバック補正量の溜まり込みがな
くなる結果、ステップモータ(変速アクチュエータ)4
の実駆動位置が目標駆動位置に追い付いた瞬時の後にお
いて、変速比制御のオーバーシュートを生ずることがな
くなり、目標変速比への収束が遅れて変速の応答性が低
下したり、変速品質が悪化するという懸念を払拭するこ
とができる。
【0060】図2のコントローラ61をマイクロコンピ
ュータで構成する場合、図3および図4につき前述した
変速制御は図5〜図14のプログラムによりこれを実行
する。図5は変速制御の全体を示し、ステップ211に
おいては、図3のブロック71〜73におけると同様の
処理により到達変速比DRatioを算出する。
【0061】ステップ212〜216は、図3の到達変
速比制限部98に対応するもので、ステップ212,2
13において到達変速比DRatioを、図6により算
出した到達変速比限界値maxdrto(到達変速比上
限値)およびmindrto(到達変速比下限値)と比
較し、到達変速比DRatioがこれら限界値間の範囲
内にある時は、ステップ214において到達変速比DR
atioをそのまま制限済到達変速比LmDRatio
とするが、到達変速比DRatioが到達変速比下限値
mindrto未満である時は、ステップ215におい
て当該下限値mindrtoを制限済到達変速比LmD
Ratioとし、到達変速比DRatioが到達変速比
上限値maxdrtoを超えている時は、ステップ21
6において当該上限値maxdrtoを制限済到達変速
比LmDRatioとする。つまり、到達変速比DRa
tioを到達変速比上限値maxdrtoおよび到達変
速比下限値mindrtoを超えないように制限して、
制限済到達変速比LmDRatioを求める。
【0062】ここで到達変速比限界値maxdrto
(到達変速比上限値)およびmindrto(到達変速
比下限値)の算出要領を図6により説明するに、ステッ
プ231,232において、図3の到達変速比制限部9
8にエンジン回転センサ異常の信号や、エンジン異常の
信号(燃料噴射パルス幅通信情報LANTPO=OFF
H)が入力されているか否かを判定し、いずれの異常信
号も入力されていなければ、ステップ233で到達変速
比上限値maxdrtoに通常の上限値MAXDRTO
をセットすると共に、到達変速比下限値mindrto
に通常の下限値MINDRTOをセットし、いずれか一
方でも異常信号が入力されている場合、ステップ234
で到達変速比上限値maxdrtoに異常時の上限値F
MAXRTOをセットすると共に、到達変速比下限値m
indrtoに異常時の下限値FMINRTOをセット
する。
【0063】ところで、異常時の上限値FMAXRTO
を通常の上限値MAXDRTOよりも小さくし、異常時
の下限値FMINRTOを通常の下限値MINDRTO
よりも大きくして、到達変速比の許容変化幅を小さくす
る。その理由は、当該異常時は前記した通り図4のブロ
ック97で求めるエンジントルクTe が不正確なため、
これを基にブロック77で前述したごとくに求めるトル
クシフト補償変速比TSrtoも不正確になって、実質
上トルクシフト補償が行えないことから、トルクシフト
分の余裕を到達変速比に持たせる必要があるためであ
る。
【0064】なお、図6のステップ231,232にお
いてチェックする異常信号、つまり図3の到達変速比制
限部98に入力されるエンジン回転センサ異常の信号
や、エンジン異常の信号(燃料噴射パルス幅通信情報L
ANTPO=OFFH)は、図7での燃料噴射パルス幅通
信情報LANTPOの決定時に作り出す。図7は、図4の
ブロック91〜95におけると同様の処理を行うもの
で、先ずステップ241において、当該燃料噴射パルス
幅通信情報LANTPOを決定するのに用いるエンジン回
転センサ68および吸気量センサ69が異常であるか正
常であるかを判定する。
【0065】これらセンサの一方でも異常である場合は
ステップ242において、エンジン異常であることを示
すように燃料噴射パルス幅通信情報LANTPOにOFF
Hをセットする。エンジン回転センサ68および吸気量
センサ69が共に正常である場合は、ステップ243,
244において、これらセンサからの信号を基にエンジ
ン回転数Ne およびエンジン吸気量Qを算出し、ステッ
プ245において、エンジン吸気量Qをエンジン回転数
e により除算することでエンジン出力トルク(Q/N
e )を求め、これに定数Kを掛けて基本パルス幅T
PO(=K・Q/Ne )を求める。次いでステップ246
において、この基本パルス幅TPOに対しエンジン吸気系
の遅れなどの補正を行うことで、エンジン吸気量相当値
の燃料噴射パルス幅TPを求める。
【0066】次いでステップ247において、図4のフ
ューエルカット装置93の作動状況からフューエルカッ
ト気筒数信号をチェックし、全気筒フューエルカットで
あれば、ステップ248において燃料噴射パルス幅通信
情報LANTPO=0をセットし、半気筒フューエルカッ
トであれば、ステップ249において燃料噴射パルス幅
通信情報LANTPO=TP /2をセットし、全気筒噴射
であれば、ステップ250において燃料噴射パルス幅通
信情報LANTPO=TP をセットして、図示せざるエン
ジンの燃料噴射制御に資する。そして、ステップ241
のエンジン回転センサ異常判定結果、およびステップ2
42の燃料噴射パルス幅通信情報LANTPO=OFFH
を、図6のステップ231,232でのエンジン回転セ
ンサ異常の判定およびエンジン異常の判定に用いること
とする。
【0067】図5の次のステップ217は、図3のブロ
ック75に相当するもので、到達変速比DRatioを
変速時定数Tsftで定めた変速応答をもって実現する
ための過渡的な時々刻々の目標変速比Ratio0を算
出する。次いでステップ218においては、図3および
図4のブロック76,77,96,97,99,100
におけると同様の処理によりトルクシフト補償変速比T
Srtoを算出する。詳しくは図8に示すように、先ず
ステップ111において、図7により決定した燃料噴射
パルス幅通信情報LANTPOの入力があるか否かにより
通信が正常に行われているのか、異常であるのかを判定
し、正常であれば今度はステップ112において、燃料
噴射パルス幅通信情報LANTPOがOFFHか否かによ
りエンジンが異常であるか否かを判定する。
【0068】通信異常である場合は、ステップ113に
おいて(図4の切り換え器96の実線位置から2点鎖線
位置への切り換えにより)、スロットル開度TVOおよ
びエンジン回転数Ne から、エンジン性能線図に対応し
たマップを基にエンジントルクTe をマップ検索により
求め、次いでステップ114において、トルクコンバー
タの入出力回転数(Ne ,N i )比である速度比からト
ルクコンバータ性能線図に対応するマップの基にトルク
比tを検索により求め、更にステップ115において、
上記のエンジン出力トルクTe にトルク比tを乗じ、変
速機入力トルクTi を演算する。
【0069】エンジン異常である場合はステップ116
において、変速機入力トルクTi を無条件に0とする。
通信異常もエンジン異常もなければ、ステップ117に
おいて燃料噴射パルス幅通信情報LANTPO(エンジン
吸気量相当値の燃料噴射パルス幅TP )およびエンジン
回転数Ne から、エンジン性能線図に対応したマップを
基にエンジン出力トルクTe を検索により求め、ステッ
プ114において、トルクコンバータの入出力回転数
(Ne ,Ni )比である速度比からトルクコンバータ性
能線図に対応するマップの基にトルク比tを検索により
求め、更にステップ115において、上記のエンジン出
力トルクTe にトルク比tを乗じ、変速機入力トルクT
i を演算する。
【0070】最後のステップ118においては、ステッ
プ115または116で求めた変速機入力トルクTi
および図5のステップ217で求めた過渡的な目標変速
比Ratio0から、トロイダル型無段変速機に特有な
トルクシフト(変速比の不正)をなくすためのトルクシ
フト補償変速比TSrtoをマップ検索などにより求め
る。
【0071】図5の次のステップ219においては、後
で詳述する図9〜図14の制御プログラムを実行して、
図3のブロック78〜81,83,84,88,89,
90におけると同様の処理により、PID制御による変
速比フィードバック補正量FBrtoを算出すると共
に、当該変速比フィードバック補正量FBrtoの制限
を行って制限済フィードバック補正量LmFBrtoを
求める。そしてステップ220で、図3のブロック7
0,85におけると同様の処理により、トルクシフト補
償済目標変速比TSRatio0(=Ratio0+T
Srtoを算出すると共に、補正済目標変速比DsrR
TO(=TSrto+LmFBrto)を求める。
【0072】次いでステップ221〜225において、
図3のブロック82におけると同様の処理により、補正
済目標変速比DsrRTOを最終変速比指令上限値LI
MRTOMAXおよび最終変速比指令下限値LIMRT
OMIN間の範囲内に制限して制限済変速比指令LmD
srRTOを求める。つまり、ステップ221,222
で補正済目標変速比DsrRTOが最終変速比指令上限
値LIMRTOMAXより小さく、且つ、最終変速比指
令下限値LIMRTOMIN以上であると判定する時、
すなわち補正済目標変速比DsrRTOが最終変速比指
令上限値LIMRTOMAXおよび最終変速比指令下限
値LIMRTOMIN間の範囲内にある時は、ステップ
223において補正済目標変速比DsrRTOをそのま
まま制限済変速比指令LmDsrRTOとし、DsrR
TO≧LIMRTOMAXである時は、ステップ224
で制限済変速比指令LmDsrRTOに最終変速比指令
上限値LIMRTOMAXをセットし、DsrRTO<
LIMRTOMINである時は、ステップ225におい
て制限済変速比指令LmDsrRTOに最終変速比指令
下限値LIMRTOMINをセットする。
【0073】更にステップ226において、図3のブロ
ック86におけると同様の処理により、上記の制限済変
速比指令LmDsrRTOを実現するためのステップモ
ータ(アクチュエータ)4の目標ステップ数(アクチュ
エータ目標駆動位置)DsrSTPをマップ検索により
求める。
【0074】次のステップ227においては、図3のブ
ロック88におけると同様にして、変速機作動油温TM
Pなどからステップモータ4の限界駆動速度を決定し、
ステップ228では、図3のブロック87におけると同
様に、当該限界駆動速度でもステップモータ4が1制御
周期中に前記目標ステップ数DsrSTPに変位し得な
いとき、ステップモータ4の上記限界駆動速度で実現可
能な実現可能限界位置をステップモータ4への駆動位置
指令Astepとなし、ステップモータ4が1制御周期
中に上記目標ステップ数DsrSTPに変位し得るとき
は、当該目標ステップ数DsrSTPをそのままステッ
プモータ4への駆動位置指令Astepとして出力す
る。
【0075】次いで、ステップ219において求める変
速比フィードバック補正量FBrtoの算出、およびそ
の制限により制限済変速比指令LmDsrRTOを求め
る処理を、図9〜図14により詳述する。図9は、図3
のブロック78,79に相当する制御プログラムで、ス
テップ121において目標変速比Ratio0を読み込
み、ステップ122において、変速機入力回転数Ni
変速機出力回転数NO で除算することにより実変速比R
atio(=Ni /NO )を算出し、ステップ123に
おいて、目標変速比Ratio0から実変速比Rati
oを差し引いて、両者間における変速比偏差RtoER
R(=Ratio0−Ratio)を求める。そしてス
テップ124で、変速比偏差RtoERRと、その1周
期(例えば10msec)前の値RtoERR(OLD)と
の差分値(d/dt)RtoERR〔=RtoERR−Rt
oERR(OLD)〕を求め、これを変速比偏差Rto
ERRの微分値として用いる。
【0076】図10は、図3のブロック80,81,8
3におけると同様の処理によりPID制御のフィードバ
ックゲインを求めるもので、ステップ131において変
速機入力回転数Ni および車速VSPを読み込み、ステ
ップ132においては、これら変速機入力回転数Ni
よび車速VSPに応じて決定すべき第1の比例制御用フ
ィードバックゲインfbpDATA1、積分制御用フィ
ードバックゲインfbiDATA1、および微分制御用
フィードバックゲインfbdDATA1をマップ検索に
より求める。
【0077】ステップ133においては、変速機作動油
温TMPおよびライン圧PL を読み込み、ステップ13
4においては、変速機作動油温TMPおよびライン圧P
L に応じて決定すべき第2の比例制御用フィードバック
ゲインfbpDATA2、積分制御用フィードバックゲ
インfbiDATA2、および微分制御用フィードバッ
クゲインfbdDATA2をマップ検索により求める。
【0078】ステップ135においては、上記第1のフ
ィードバックゲインおよび第2のフィードバックゲイン
を対応するもの同士掛け合わせて、比例制御用フィード
バックゲインfbpDATA(=fbpDATA1×f
bpDATA2)、積分制御用フィードバックゲインf
biDATA(=fbiDATA1×fbiDATA
2)、および微分制御用フィードバックゲインfbdD
ATA(=fbdDATA1×fbdDATA2)を求
める。
【0079】図11は、図3のブロック84,90にお
けると同様の処理を行って、PID制御による変速比フ
ィードバック補正量FBrtoと、制限済変速比フィー
ドバック補正量LmFBrtoを求めるもので、先ずス
テップ141において、図9で求めた変速比偏差Rto
ERRおよび同偏差の微分値(d/dt)RtoERRを読
み込み、次いでステップ142において、図10で求め
たフィードバックゲインfbpDATA,fbiDAT
A,fbdDATAをそれぞれ読み込む。
【0080】ステップ143では、車速VSPおよび変
速機入力回転数Ni から車両が停車状態であるか否かを
判定する。停車状態なければステップ144において、
ステップモータ4が目標ステップ数DsrSTPに追従
可能か否かを判定する。
【0081】この判定は、図3のブロック89における
と同様にして、図14に詳細を示すごとくに行い、ステ
ップ151において、図5のステップ226で求めた目
標ステップ数DsrSTPを読み込み、ステップ152
において、図5のステップ228で求めたステップモー
タ駆動位置指令Astepを、ステップモータ4の現在
の駆動位置として読み込む。次いでステップ153にお
いて、ステップモータ4の目標ステップ数DsrSTP
に対する実駆動位置Astepの偏差ΔSTP=|Ds
rSTP−Astep|を演算する。
【0082】ステップ154,155では、ステップモ
ータ4の駆動位置偏差ΔSTPが、図5のステップ22
7において決定されるステップモータ4の限界駆動速度
から求めた追従可能判定偏差EStpON以下か、追従
不能判定偏差EStpOF以上か、これら判定偏差間の
値かを判定する。ここで追従可能判定偏差EStpON
および追従不能判定偏差EStpOFは、ステップモー
タ4の限界駆動速度で1制御周期内に無くし得る偏差を
基準にして定めるが、両者間にはヒステリシスを設定す
る。
【0083】ステップモータ4の駆動位置偏差ΔSTP
が追従可能判定偏差EStpON以下であれば、ステッ
プ156において、ステップモータ4が目標ステップ数
DsrSTPに追従可能と判定し、ステップモータ4の
駆動位置偏差ΔSTPが追従不能判定偏差EStpOF
以上であれば、ステップ157において、ステップモー
タ4が目標ステップ数DsrSTPに追従不能と判定
し、ステップモータ4の駆動位置偏差ΔSTPが追従可
能判定偏差EStpONと追従不能判定偏差EStpO
Fとの間であれば、ステップ158において、前回の判
定結果を保持する。
【0084】かかる判定結果が追従可能である場合、図
11のステップ144は制御をステップ145,146
に進め、ステップ145において、積分制御による変速
比フィードバック補正量の今回加算分DintgRをD
intgR=RtoERR×fbiDATAの演算によ
り求め、ステップ146において、この今回加算分Di
ntgRを、積分制御による変速比フィードバック補正
量の前回値IntgR(OLD)に加算して積分制御に
よる変速比フィードバック補正量の今回値IntgRを
求める。
【0085】次いでステップ161〜164において、
上記の積分制御による変速比フィードバック補正量の今
回値IntgRを、概略は図3につき前述したが詳しく
は図12および図13により後述のごとくに求める負側
のフィードバック補正量限界値FbRTOLIMMおよ
び正側のフィードバック補正量限界値FbRTOLIM
P間の値に制限するために、ステップ161,162
で、IntgR<FbRTOLIMMでなく、且つ、I
ntgR>FbRTOLIMPでもないと判定する時
は、つまりIntgRがFbRTOLIMMおよびFb
RTOLIMP間の値である場合、IntgRを制限し
ないでそのまま使用するが、ステップ161でIntg
R<FbRTOLIMMであると判定する時は、ステッ
プ163でIntgRにFbRTOLIMMをセットし
てIntgRが負側のフィードバック補正量限界値Fb
RTOLIMMよりも小さくならないようにし、ステッ
プ162でIntgR>FbRTOLIMPであると判
定する時は、ステップ164でIntgRにFbRTO
LIMPをセットしてIntgRが正側のフィードバッ
ク補正量限界値FbRTOLIMPよりも大きくならな
いようにする。
【0086】そしてステップ147において、かように
制限された積分制御による変速比フィードバック補正量
の今回値IntgRと、図10のように求めたフィード
バックゲインを用い、先ず比例制御による変速比フィー
ドバック補正量をRtoERR×fbpDATAにより
求め、微分制御による変速比フィードバック補正量を
(d/dt)RtoERR×fbdDATAにより求め、こ
れらと、上記制限された積分制御による変速比フィード
バック補正量の今回値IntgRを加え合わせることに
より、PID制御による変速比フィードバック補正量F
Brto(=RtoERR×fbpDATA+(d/dt)
RtoERR×fbdDATA+IntgR)を求め
る。
【0087】ところで、ステップ144においてステッ
プモータ4が目標ステップ数DsrSTPに追従不能で
あると判定した場合は、ステップ148において積分制
御による変速比フィードバック補正量の今回加算分Di
ntgRを0に維持する。これがため、ステップモータ
4が目標ステップ数DsrSTPに追従不能である場
合、ステップ146で求めた積分制御による変速比フィ
ードバック補正量の今回値IntgRが前回値Intg
R(OLD)のままに保持されることとなり、当該追従
不能にもかかわらずフィードバック制御不能分の変速比
フィードバック補正量が溜まり込むのを回避して、前記
した作用効果を達成することができる。
【0088】ステップ165〜169においては、ステ
ップ147で求めたPID制御による変速比フィードバ
ック補正量FBrtoを、積分制御による変速比フィー
ドバック補正量の今回値IntgRに対する制限に際し
て用いたと同じ、負側のフィードバック補正量限界値F
bRTOLIMMおよび正側のフィードバック補正量限
界値FbRTOLIMP間の値に制限するために、ステ
ップ165,166で、FBrto<FbRTOLIM
Mでなく、且つ、FBrto>FbRTOLIMPでも
ないと判定する時は、つまりFBrtoがFbRTOL
IMMおよびFbRTOLIMP間の値である場合、ス
テップ169においてFBrtoをそのまま制限済変速
比フィードバック補正量LmFBrtoにセットする
が、ステップ165でFBrto<FbRTOLIMM
であると判定する時は、ステップ167で制限済変速比
フィードバック補正量LmFBrtoにFbRTOLI
MMをセットしてLmFBrtoが負側のフィードバッ
ク補正量限界値FbRTOLIMMよりも小さくならな
いようにし、ステップ166でFBrto>FbRTO
LIMPであると判定する時は、ステップ168で制限
済変速比フィードバック補正量LmFBrtoにFbR
TOLIMPをセットしてLmFBrtoが正側のフィ
ードバック補正量限界値FbRTOLIMPよりも大き
くならないようにする。
【0089】なお、図11のステップ143で車両が停
車状態になったと判定する時は、ステップ149におい
て、積分制御による変速比フィードバック補正量の今回
値IntgRおよびPID制御による変速比フィードバ
ック補正量FBrto(従ってその制限値LmFBrt
o)をそれぞれ0にリセットする。これがため、変速比
のフィードバック補正量FBrtoに積分誤差が蓄積さ
れるのを防止することができ、当該フィードバック補正
量を正確に保つことが可能である。
【0090】ここで、積分制御による変速比フィードバ
ック補正量の今回値IntgRおよびPID制御による
変速比フィードバック補正量FBrtoを図11のごと
くに制限する時の限界値である負側のフィードバック補
正量限界値FbRTOLIMMおよび正側のフィードバ
ック補正量限界値FbRTOLIMPを求める要領を図
12および図13により説明する。
【0091】図12は負側のフィードバック補正量限界
値FbRTOLIMMおよび正側のフィードバック補正
量限界値FbRTOLIMPを算出するためのプログラ
ムを示し、図13は、当該算出に際して必要な、ハード
ウエア限界などで決まる制御可能限界変速比Lmrto
min(制御可能最小変速比)およびLmrtomax
(制御可能最大変速比)を算出するためのプログラムを
示す。
【0092】図12においては、先ずステップ171で
フィードフォワード制御分としてのトルクシフト補償済
目標変速比TSRatio0をTSRatio0=Ra
tio0+TSrtoにより算出する。次いでステップ
172において、詳しくは図13により後述のように算
出する制御可能限界変速比Lmrtomin,Lmrt
omaxのうちの制御可能最大変速比Lmrtomax
からフィードフォワード制御分TSRatio0を差し
引いて正側のフィードバック補正量限界値FbRTOL
IMPを算出するそしてステップ173で、当該正側の
フィードバック補正量限界値FbRTOLIMPが元々
の正側制限値LIMFBRTOP以上であるか否かを、
更にステップ174でFbRTOLIMPが正側のフィ
ードバック補正量限界値であるにもかかわらず0以下で
あるか否かを判定し、FbRTOLIMP≧LIMFB
RTOPならステップ175でFbRTOLIMPをL
IMFBRTOPにセットしてこれを超えることのない
ようにし、FbRTOLIMP≦0ならステップ176
でFbRTOLIMPを0にセットしてこれよりも小さ
くなることのないようにし、FbRTOLIMPがLI
MFBRTOPと0との間の値なら、上記の制限を行わ
ない。
【0093】次のステップ177では、制御可能限界変
速比Lmrtomin,Lmrtomaxのうち他方の
制御可能最小変速比Lmrtominからフィードフォ
ワード制御分TSRatio0を差し引いて負側のフィ
ードバック補正量限界値FbRTOLIMMを算出する
そしてステップ178で、当該負側のフィードバック補
正量限界値FbRTOLIMMが元々の負側制限値LI
MFBRTOM以下であるか否かを、更にステップ17
9でFbRTOLIMMが負側のフィードバック補正量
限界値であるにもかかわらず0以上であるか否かを判定
し、FbRTOLIMM≦LIMFBRTOMならステ
ップ180でFbRTOLIMMをLIMFBRTOM
にセットしてこれより小さくなることのないようにし、
FbRTOLIMP≧0ならステップ181でFbRT
OLIMMを0にセットしてこれよりも大きくなること
のないようにし、FbRTOLIMMがLIMFBRT
OMと0との間の値なら、上記の制限を行わない。
【0094】次いで図13による、制御可能限界変速比
Lmrtomin(制御可能最小変速比)およびLmr
tomax(制御可能最大変速比)の算出プログラムを
説明する。ステップ191では、実変速比Ratio
(=変速機入力回転数Ni /変速機出力回転数NO )が
一方のハードウエア限界である実用可能下限変速比MI
NRTO以下であるか否かを判定し、通常ならあり得な
いがトルクシフト等の外乱でRatio≦MINRTO
になったらステップ192で、制御可能最小変速比Lm
rtominに前回の制限済変速比指令LmDsrRT
Oをセットする。しかして、Ratio≦MINRTO
でなければステップ193において、制御可能最小変速
比Lmrtominに、図5のステップ221〜225
における最終変速比指令下限値LIMRTOMINをセ
ットする。
【0095】次いでステップ194において、実変速比
Ratio(=変速機入力回転数N i /変速機出力回転
数NO )が他方のハードウエア限界である実用可能上限
変速比MAXRTO以上であるか否かを判定し、通常な
らあり得ないがトルクシフト等の外乱でRatio≧M
AXRTOになったらステップ195で、制御可能最大
変速比Lmrtomaxに前回の制限済変速比指令Lm
DsrRTOをセットする。しかして、Ratio≧M
AXRTOでなければステップ196において、制御可
能最大変速比Lmrtomaxに、図5のステップ22
1〜225における最終変速比指令上限値LIMRTO
MAXをセットする。
【0096】以上のようにして決定した制御可能限界変
速比Lmrtomin(制御可能最小変速比)およびL
mrtomax(制御可能最大変速比)から、図12の
ステップ172,177におけるようにフィードフォワ
ード制御分TSRatio0を差し引いて、正側のフィ
ードバック補正量限界値FbRTOLIMPおよび負側
のフィードバック補正量限界値FbRTOLIMMをそ
れぞれ求め、図11のステップ161〜164におい
て、積分制御による変速比フィードバック補正量の今回
値IntgRをこれらフィードバック補正量限界値Fb
RTOLIMP,FbRTOLIMMに制限すると共
に、同図のステップ165〜169において、当該積分
制御による変速比フィードバック補正量IntgRを含
む、ステップ147で求めたPID制御による変速比フ
ィードバック補正量FBrtoを、同じフィードバック
補正量限界値FbRTOLIMP,FbRTOLIMM
に制限して制限済フィードバック補正量LmFBrto
を求め、この制限済フィードバック補正量LmFBrt
oを図5のステップ220における補正済目標変速比D
srRTOの算出に用いて以後の変速制御に資すること
から、PID制御による変速比フィードバック補正量F
Brtoの制限で、図3につき前述したと同様にフィー
ドバック制御による補正が、実際上は変速制御に反映さ
れないにもかかわらずフィードバック制御が継続される
のを回避し得て、当該フィードバック制御の不用意な継
続により変速応答の悪化や変速品質の低下を生ずるとの
懸念を払拭することができる他に、当該懸念を生起する
主原因であった積分制御による変速比フィードバック補
正量IntgRをも同様に制限するから、積分制御によ
るフィードバック補正量の不要な溜まり込みがなくな
り、当該懸念を払拭するという上記の作用効果を更に確
実なものにすることができる。
【0097】しかも図13におけるように、実変速比R
atioがハードウエア限界である実用可能下限変速比
MINRTOおよび実用可能上限変速比MAXRTOか
ら外れるような外乱発生時は、制御可能限界変速比Lm
rtomin,Lmrtomaxを、予め定めてある変
速比指令限界値LIMRTOMIN,LIMRTOMA
Xでなく、前回の制限済変速比指令LmDsrRTOと
するために、外乱発生時に制御可能限界変速比Lmrt
omin,Lmrtomaxを逐一より実際的なものに
することができる。
【0098】そして、かかる制御可能限界変速比Lmr
tomin,Lmrtomaxの決定によれば結果的
に、実変速比Rarioのモニタにより当該実変速比が
実用可能限界変速比MINRTO,MAXRTOを超え
ないよう変速比指令LmDsrRTOを制限することと
なり、実現不能な変速比までをも指令して変速制御上の
不都合が生ずるという弊害を回避し得ると共に、変速比
指令LmDsrRTOの制限が実変速比Rarioをモ
ニタしながらの制限になるから、実変速比Ratioと
変速比指令LmDsrRTOとが変速応答遅れや、特性
のバラツキや、外乱などに起因して一致しない場合で
も、実変速比Rarioが実用可能限界変速比MINR
TO,MAXRTOを超えないようにするという本来の
目的を確実に達成することができる。従って、上記の不
一致を見込んで、又これに余裕分を加算して変速比指令
の許容幅MINRTO〜MAXRTO(Lmrtomi
n,Lmrtomax)を小さくする必要がなく、ハー
ドウエア上使用可能な変速比範囲を十分に使い切ること
ができる。
【0099】また図12のステップ173〜176や、
ステップ178〜181におけるように、上記の制御可
能限界変速比Lmrtomax,Lmrtominから
フィードフォワード制御分TSRatio0を差し引い
て求めた正側のフィードバック補正量限界値FbRTO
LIMPおよび負側のフィードバック補正量限界値Fb
RTOLIMMMにも所定の制限を加えたことから、こ
れらフィードバック補正量限界値が異常になって上記の
作用効果が阻害されるような事態の発生もなくすことが
できる。
【0100】なお、上記実施の形態では本発明の変速制
御装置をトロイダル型無段変速機に適用する場合につい
て説明したが、本発明はVベルト式無段変速機に対して
も同様に適用することができるし、これら無段変速機に
限らず有段の自動変速機に適用しても同様な作用効果が
奏し得られることは言うまでもない。ただし有段の自動
変速機にあっては、油圧クラッチや、油圧ブレーキなど
の変速用摩擦要素の作動油圧値を個々に直接制御して、
変速前変速段から変速後変速段への変速中に、変速機入
出力回転数比で表される実効ギヤ比を所定の時定数で過
渡制御する場合に本発明を適用し得ること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の態様になる変速制御装置を具え
たトロイダル型無段変速機の縦断側面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を、その変速制御シ
ステムと共に示す縦断正面図である。
【図3】同例におけるコントローラが実行する変速制御
の機能別ブロック線図の主要部を示す線図である。
【図4】同変速制御の機能ブロック線図の残部を示す線
図である。
【図5】同コントローラをマイクロコンピュータで構成
した場合において、これが実行すべき変速制御プログラ
ムの全体を示すフローチャートである。
【図6】同変速制御プログラム中における到達変速比限
界値の演算処理を示すフローチャートである。
【図7】エンジンの燃料噴射パルス幅信号を算出するプ
ログラムを示すフローチャートである。
【図8】同変速制御プログラム中におけるトルクシフト
補償変速比の演算処理を示すフローチャートである。
【図9】同変速制御プログラム中における、目標変速比
と実変速比との間の変速比偏差を求めるための演算処理
を示すフローチャートである。
【図10】同変速制御プログラム中におけるフィードバ
ックゲイン算出処理を示すフローチャートである。
【図11】同変速制御プログラム中における変速比フィ
ードバック補正量の算出処理を示すフローチャートであ
る。
【図12】同変速比フィードバック補正量算出プログラ
ムにおけるフィードバック補正量限界値の算出処理を示
すフローチャートである。
【図13】同フィードバック補正量限界値算出プログラ
ムにおいて用いる制御可能限界変速比の算出処理を示す
フローチャートである。
【図14】同変速制御プログラム中におけるステップモ
ータ追従可能判定処理を示すフローチャートである。
【図15】無段変速機の変速パターンを例示する変速線
図である。
【符号の説明】
1 入力コーンディスク 2 出力コーンディスク 3 パワーローラ 4 ステップモータ 5 変速制御弁 6 ピストン 7 プリセスカム 8 変速リンク 20 入力軸 28 ローディングカム 41 トラニオン 43 アッパリンク 45 ロアリンク 61 コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 車速センサ 64 入力回転センサ 65 出力回転センサ 66 油温センサ 67 ライン圧センサ 68 エンジン回転センサ 69 エンジン吸気量センサ 70 トルク補償済目標変速比算出部 71 変速マップ選択部 72 到達入力回転数算出部 73 到達変速比算出部 74 変速時定数算出部 75 目標変速比算出部 76 入力トルク算出部 77 トルクシフト補償変速比算出部 78 実変速比算出部 79 変速比偏差算出部 80 第1フィードバックゲイン算出部 81 第2フィードバックゲイン算出部 82 補正済目標変速比制限部 83 フィードバックゲイン算出部 84 PID制御部 85 補正済目標変速比算出部 86 目標ステップ数算出部 87 ステップモータ駆動位置指令算出部 88 ステップモータ駆動速度決定部 89 ステップモータ追従可能判定部 90 変速比フィードバック補正量制限部 91 吸気量相当燃料噴射パルス幅算出部 92 通信情報作成部 93 フューエルカット装置 94 通信異常判定部 95 情報受け取り部 96 切り換え器 97 エンジントルク算出部 98 到達変速比制限部 99 速度比算出部 100 トルク比算出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−292562(JP,A) 特開 昭62−187628(JP,A) 特開 平1−108458(JP,A) 特開 平4−92155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィードフォワード制御により求める目
    標変速比と実変速比との間の変速比偏差に応じたフィー
    ドバック補正量だけ前記目標変速比を補正して補正済目
    標変速比を求め、この補正済目標変速比から求めた変速
    比指令により該補正済目標変速比に向かうよう変速され
    る自動変速機において、 前記実変速比が実用可能限界変速比を超えない場合、予
    定の変速比指令限界値に決定した制御可能限界変速比を
    超えないよう前記変速比指令を制限し実変速比が前記実用可能限界変速比を超えた場合、前記
    制御可能限界変速比を前記予定の変速比指令限界値から
    直前の変速比指令に更新して、この更新した制御可能限
    界変速比を超えないよう前記変速比指令を制限すること
    により、 実変速比が前記実用可能限界変速比を超えることのない
    よう 構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項において、前記制御可能限界変
    速比から前記フィードフォワード制御による目標変速比
    を差し引いてフィードバック補正量限界値を求め、前記
    フィードバック補正量を該フィードバック補正量限界値
    に制限して、実変速比が前記実用可能限界変速比を超え
    ることのないよう構成したことを特徴とする自動変速機
    の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項において、フィードバック補正
    量に積分制御による補正量が含まれる場合、該積分制御
    による補正量とフィードバック補正量の双方を個々に、
    前記フィードバック補正量限界値に制限して、実変速比
    が前記実用可能限界変速比を超えることのないよう構成
    したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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