JP3446412B2 - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の変速制御装置

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JP3446412B2
JP3446412B2 JP19273195A JP19273195A JP3446412B2 JP 3446412 B2 JP3446412 B2 JP 3446412B2 JP 19273195 A JP19273195 A JP 19273195A JP 19273195 A JP19273195 A JP 19273195A JP 3446412 B2 JP3446412 B2 JP 3446412B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトロイダル型無段変
速機に関わり、特にその変速制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は通常、例えば
特開平7−4508号公報に記載の如く、同軸配置した
入出力コーンディスクと、これら入出力コーンディスク
間で摩擦係合により動力の受渡しを行うパワーローラと
で伝動系を構成され、後述の如き変速制御装置を具え
る。
【0003】パワーローラは入出力コーンディスク間に
挟圧され、パワーローラと、入出力コーンディスクとの
間の油膜の剪断によって、パワーローラは入出力コーン
ディスク間での動力伝達を行う。つまり、入力コーンデ
ィスクの回転は上記油膜の剪断によってパワーローラに
伝達され、次いでパワーローラの回転が上記油膜の剪断
によって出力コーンディスクに伝達され、逆に出力コー
ンディスクから入力コーンディスクへの動力伝達もパワ
ーローラを介して同様になされる。
【0004】ここでトロイダル型無段変速機における一
般的な変速制御装置を説明するに、これは変速アクチュ
エータを有し、該アクチュエータは、目標変速比に対応
したアクチュエータ操作量を与えられて対応位置に回転
し、変速制御弁の内外弁体のうち、外弁体を内弁体に対
し相対的に中立位置から変位させる。これにより両パワ
ーローラは、流体圧でピストンを介して、パワーローラ
回転軸線が入出力コーンディスクの回転軸線と交差する
非変速位置から、相互逆向きに変位される。これにより
両パワーローラは対応方向にオフセットされ、入出力コ
ーンディスクからの分力でパワーローラ回転軸線と直交
する首振り軸線周りに傾転され、入出力コーンディスク
に対するパワーローラの摩擦接触円弧径が連続的に変化
することで無段変速を行わせることができる。
【0005】かかる無段変速により上記の目標変速比が
達成される時、パワーローラのオフセット量および傾転
角をフィードバックされる変速制御弁の内弁体は、外弁
体に対し相対的に初期の中立位置に復帰し、同時に、両
パワーローラは、その回転軸線が入出力コーンディスク
の回転軸線と交差する非変速位置に戻ることで、上記目
標変速比の達成状態を維持することができる。なお、パ
ワーローラ傾転角を目標変速比に対応した値にすること
が制御の狙いであることから、基本的にはパワーローラ
傾転角のみを変速制御弁にフィードバックすれば良いこ
とになるが、パワーローラオフセット量をもフィードバ
ックする理由は、変速制御が振動的になるのを防止する
ダンピング効果を与えて、変速制御のハンチングを回避
するためである。
【0006】ところで、トロイダル型無段変速機の変速
制御装置にあっては、パワーローラを回転自在に支持し
た部材の変形を主たる原因として、更にガタが加わって
生じた、パワーローラとパワーローラ支持部材との間に
おけるオフセット方向相対変位が外乱となって、上記変
速制御弁へのフィードバック量を、本来フィードバック
すべき量に対して狂わしてしまう。このため、理論上の
フィードバック量と、実際のフィードバック量との間に
ずれを生じ、このずれ分に起因して、変速制御弁が中立
位置へ復帰した時に、つまり変速終了時に、パワーロー
ラが目標変速比に対応した傾転角になり得ず、パワーロ
ーラ傾転角が目標変速比対応の傾転角からずれた所謂ト
ルクシフトを生じて、変速精度の低下を免れなかった。
【0007】上記のトルクシフトによる変速制御への影
響を回避するためには、通常、変速アクチュエータの操
作量を少なくとも、目標変速比に対応する基準操作量
と、トルクシフトを補償するための予め定めたトルクシ
フト補償操作量との和で決定することが考えられる。し
かして、トルクシフトは変速機の経時劣化や、作動条件
に応じて様々に変化し、上記予定のトルクシフト補償操
作量だけでは対処仕切れないのが実情である。
【0008】そこで、前記の文献にも記載されている
が、トルクシフトが目標変速比と実変速比との偏差にな
って現れることから、当該偏差に応じ学習制御した、該
偏差を減少させるための修正操作量だけ補正してアクチ
ュエータ操作量を決定する考え方もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来は、上記の
学習制御に際し原動機の負荷状態に応じて当該学習制御
を行うか否かを決定していたため、トルクシフトに起因
する変速比偏差を正確に検出しにくい時にも上記の学習
制御を行うこととなり、学習結果が必ずしも正確でな
く、トルクシフトに起因する変速比偏差を確実に解消す
ることができるというものでなかった。
【0010】また、変速比偏差が小さい時に学習制御を
行うものであるため、学習に時間がかかるし、加えて、
変速比偏差が小さい時に学習制御を行うということは、
高速変速比で学習制御を行うことに通じ、時として変速
過渡期において学習制御を行うこととなり、学習がこの
点でも不正確になるのを否めず、この点でもトルクシフ
トに起因する変速比偏差を確実に解消することができる
というものでなかった。
【0011】本発明は、トロイダル型無段変速機搭載車
について言えば、発進当初の最低速変速比選択状態の間
は、トルクシフトに起因する変速比偏差を検出し易く、
また原動機の回転上昇が発進に消費されて変速比が最低
速変速比に保持される傾向にあり、変速が起きないこと
から、当該変速機作動条件の間に前記の学習制御を実行
し、学習結果を全ての修正操作量に適用して更新するこ
とで上記の問題を解消することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
によるトロイダル型無段変速機の変速制御装置は、アク
チュエータの操作により無段変速を生起され、該アクチ
ュエータの操作量を少なくとも目標変速状態に対応す
る基準操作量とトルクシフトを補償するための予め定め
たトルクシフト補償操作量との和で決定すると共に、前
記目標変速状態に対する実変速状態の偏差に応じ学習制
御した、該偏差を減少させるための修正操作量だけ補正
するようにしたトロイダル型無段変速機において、前記
修正操作量の学習制御を、変速機に加速トルクが入力さ
れ、且つ変速比が発進変速比である低速側の変速比であ
る時にのみ行うよう構成すると共に、該学習制御の結果
を、前記発進変速比よりも高速側変速比のための前記修
正操作量にも適用して、全ての修正操作量を同様に更新
するよう構成したものである。
【0013】かかる構成においてアクチュエータは、少
なくとも目標変速状態に対応する基準操作量とトルクシ
フトを補償するための予め定めたトルクシフト補償操作
量との和で操作量を決定されると共に、上記目標変速状
態に対する実変速状態の偏差に応じ学習制御した、該偏
差を減少させるための修正操作量だけ操作量を補正さ
れ、該アクチュエータの操作によりトロイダル型無段変
速機は無段変速される。
【0014】ところで、上記修正操作量の学習制御を、
変速機に加速トルクが入力され、且つ変速比が発進変速
比である低速側の変速比である時にのみ行い、この学習
制御の結果を、前記発進変速比よりも高速側変速比のた
めの前記修正操作量にも適用して、全ての修正操作量を
同様に更新することから、トロイダル型無段変速機搭載
車に当てはめて言えば、発進当初の最低速変速比選択状
態の間に上記の学習を行うことになり、従って、トルク
シフトに起因する変速比偏差を検出し易く、また原動機
の回転上昇が発進に消費されて変速比が最低速変速比に
保持される傾向にある状態のもとで上記の学習制御を行
うこととなって、この学習制御が正確になる。
【0015】そして、当該学習の結果を全ての修正操作
量に適用して更新することで、学習制御が不正確になる
条件のもとでの学習を排除することとなり、トルクシフ
トによる変速制御への影響を一層良好になくすことがで
きる。
【0016】第2発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置においては、変速機出力回転数が発進当初
の低車速に対応した回転数である時に前記学習制御を行
うよう構成する。
【0017】この場合、トロイダル型無段変速機搭載車
に当てはめて言えば、一層正確に発進当初に限って前記
の学習を行うことになり、上記第1発明の作用効果を更
に確実に達成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明一
実施の態様になる変速制御装置を具えた車両用のトロイ
ダル型無段変速機を例示し、図1は同トロイダル型無段
変速機の縦断側面図、図2は同じくその縦断正面図であ
る。
【0019】先ず、トロイダル伝動ユニットを説明する
に、これは原動機であるエンジンEからの回転を、トル
クコンバータT/Cを経由して伝達される入力軸20を
具え、この入力軸は図1に明示するように、エンジンE
から遠い端部を変速機ケース21内に軸受22を介して
回転自在に支持し、中央部を変速機ケース21の中間壁
23内に軸受24および中空出力軸25を介して回転自
在に支持する。入力軸20上には入出力コーンディスク
1,2をそれぞれ回転自在に支持し、これらコーンディ
スクを、トロイド曲面1a,2aが相互に対向するよう
配置する。そして入出力コーンディスク1,2の対向す
るトロイド曲面間には、入力軸20を挟んでその両側に
配置した一対のパワーローラ3を介在させ、これらパワ
ーローラを入出力コーンディスク1,2間に挟圧するた
めに、以下の構成を採用する。
【0020】即ち、入力軸20の軸受け端部にローディ
ングナット26を螺合し、該ローディングナットにより
抜け止めして入力軸20上に回転係合させたカムディス
ク27と、入力コーンディスク1のトロイド曲面1aか
ら遠い端面との間にローディングカム28を介在させ、
このローディングカムを介して入力軸20からカムディ
スク27への回転が入力コーンディスク1に伝達される
ようになす。ここで、入力コーンディスク1の回転はパ
ワーローラ3の回転を介して出力コーンディスク2に伝
わり、この伝動中ローディングカム28は伝達トルクに
比例したスラストを発生して、パワーローラ3を入出力
コーンディスク1,2間に挟圧し、上記の動力伝達を可
能ならしめる。
【0021】出力コーンディスク2は中空出力軸25に
楔着し、この軸上に出力歯車29を一体回転するよう嵌
着することで、出力コーンディスク2の回転を出力歯車
29およびディファレンシャルギヤ装置D/Gを介して
左右駆動車輪WL ,WR に伝達可能とする。出力軸25
は更に、ラジアル兼スラスト軸受30を介して変速機ケ
ース21の端蓋31内に回転自在に支持し、この端蓋3
1内には別にラジアル兼スラスト軸受32を介して入力
軸20を回転自在に支持する。ここで、ラジアル兼スラ
スト軸受30,32はスペーサ33を介して相互に接近
し得ないよう突き合わせ、また相互に遠去かる方向へも
相対変位不能になるよう、対応する出力歯車29および
入力軸20に対し軸線方向に衝接させる。かくて、ロー
ディングカム28によって入出力コーンディスク1,2
間に作用するスラストは、スペーサ33を挟むような内
力となり、変速機ケース21に作用することがない。
【0022】各パワーローラ3は図2にも示すように、
トラニオン41に回転自在に支持し、該トラニオンは各
々、上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端
に回転自在および揺動自在に、また下端を球面継手44
によりロアリンク45の両端に回転自在および揺動自在
に連結する。そして、アッパリンク43およびロアリン
ク45は中央を球面継手46,47により変速機ケース
21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41を
相互逆向きに同期して上下動させ得るようにする。
【0023】かように両トラニオン41を相互逆向きに
同期して上下動させることにより変速を行う変速制御装
置を、図2に基づき次に説明する。各トラニオン41に
は、これらを個々に上下方向へストロークさせるための
ピストン6を設け、両ピストン6の両側にそれぞれ上方
室51,52および下方室53,54を画成する。そし
て両ピストン6を相互逆向きにストローク制御するため
に、変速制御弁5を設置する。ここで、変速制御弁5は
スプール型の内弁体5aとスリーブ型の外弁体5bとを
相互に摺動自在に嵌合して具え、外弁体5bを弁外筐5
cに摺動自在に嵌合して構成する。
【0024】上記の変速制御弁5は、入力ポート5dを
圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン
室51,54に、また他方の連絡ポート5fをピストン
室52,53にそれぞれ接続する。そして内弁体5a
を、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカ
ム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介し
て共働させ、外弁体5bを変速アクチュエータとしての
ステップモータ4にラックアンドピニオン型式で駆動係
合させる。
【0025】変速制御弁5への操作指令は、変速指令値
(アクチュエータ操作量=ステップ数ASTP)に応動
するステップモータ4がラックアンドピニオンを介し外
弁体5bにストロークとして与えることとする。この操
作指令で変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し
相対的に中立位置から例えば図2の位置に変位される
時、圧力源55からの流体圧が室52,53に供給され
る一方、他の室51,54がドレンされ、また変速制御
弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置
から逆方向に変位される時、圧力源55からの流体圧が
室51,54に供給される一方、他の室52,53がド
レンされ、両トラニオン41が流体圧でピストン6を介
して図中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位される
ものとする。これにより両パワーローラ3は、その回転
軸線O1 が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O2
と交差する図示の非変速位置からオフセット(オフセッ
ト量y)されることになり、該オフセットによりパワー
ローラ3は入出力コーンディスク1,2からの首振り分
力で、自己の回転軸線O1 と直交する首振り軸線O3
周りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うことがで
きる。
【0026】かかる変速中、一方のトラニオン41の下
端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介し
て、トラニオン41およびパワーローラ3の上述した上
下動(オフセット量y)および傾転角φを変速制御弁5
の内弁体5aに機械的にフィードバックされる。そして
上記の無段変速によりステップモータ4への変速指令値
(アクチュエータ操作量=ステップ数ASTP)が達成
される時、上記のプリセスカム7を介した機械的フィー
ドバックが変速制御弁5の内弁体5aをして、外弁体5
bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、同時に、
両パワーローラ3は、回転軸線O1 が入出力コーンディ
スク1,2の回転軸線O2 と交差する図示の非変速位置
に戻ることで、上記変速指令値の達成状態を維持するこ
とができる。
【0027】なお、パワーローラ傾転角φを目標変速比
に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本
的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフィ
ードバックすればよいことになるが、ここでパワーロー
ラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変速
制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与え
て、変速制御のハンチング現象を回避するためである。
【0028】ステップモータ4への変速指令値(アクチ
ュエータ操作量=ステップ数ASTP)はコントローラ
61によりこれを決定し、これがためコントローラ61
には、エンジンスロットル開度TVOを検出するスロッ
トル開度センサ62からの信号、変速機出力軸25の回
転数No を検出する出力回転センサ63からの信号、変
速機入力軸20の回転数Nt を検出する入力回転センサ
64からの信号、およびエンジン回転数Ne を検出する
エンジン回転センサ65からの信号をそれぞれ入力す
る。コントローラ61は、これら入力情報をもとに以下
の演算によりステップモータ4への変速指令値(ステッ
プ数ASTP)を決定するものとする。
【0029】図3(a)〜(c)は、コントローラ61
が例えば10msec毎の定時割り込みにより実行するもの
で、先ずステップ71においてスロットル開度TVO、
エンジン回転数Ne 、入力軸回転数Nt 、および出力軸
回転数No を読み込み、ステップ72で、出力軸回転数
o に定数Aを掛けて車速VSPを演算する。
【0030】次にステップ73〜77で、上記の読み込
み情報および演算情報をもとに後述の如くに、ステップ
モータ4への変速指令値(指令ステップ数ASTP)を
演算し、ステップ78で、このステップ数ASTPをス
テップモータ4に出力することにより、前記の変速制御
を生起させる。
【0031】以後ステップ73〜77を順次説明する
に、ステップ73は、トルクシフトを考慮しないステッ
プモータ4の基準操作量(基準ステップ数)FSTP
を、図4の制御プログラムにより算出するものである。
図4におけるステップ81では、図5に例示する予定の
変速マップを基に、車速VSPおよびスロットル開度T
VOから目標とすべき入力軸回転数Nt * を検索し、こ
れを変数DSRREVにセットする。次いでステップ8
2において、目標入力回転数DSRREVを出力軸回転
数No で除算し、目標変速比RTOを求める。そしてス
テップ83で、図6に例示した特性に対応するテーブル
データを基に、上記目標変速比RTOに対応するステッ
プモータ4の基準操作量(基準ステップ数)FSTPを
検索して求める。
【0032】図3(b)におけるステップ74は、前記
のトルクシフトに起因した変速制御への影響をなくすた
めのステップモータ4のトルクシフト補償操作量(トル
クシフト補償ステップ数)TS1を図7の制御プログラ
ムにより算出するものである。図7におけるステップ8
5では、スロットル開度TVOおよびエンジン回転数N
e から、図8に例示するエンジン性能線図に対応したマ
ップを基に、エンジントルクTe を検索して求める。次
のステップ86では、図9に例示するトルクコンバータ
の性能線図を基に、エンジン回転数(トルクコンバータ
入力回転数)N e に対する変速機入力軸回転数(トルク
コンバータ出力回転数)Nt の比で表されるトルクコン
バータ速度比eから、トルクコンバータのトルク比tr
toを検索して、これをTRTOにセットする。
【0033】そして次のステップ87では、上記トルク
コンバータトルク比TRTOに、ステップ85で求めた
エンジントルクTe を掛けて求め得る変速機入力軸トル
ク(トルクコンバータ出力トルク)Tt と、前記目標変
速比RTOとから、図10に例示するトルクシフト(T
S)発生特性に対応したマップをもとに、トルクシフト
TSを検索すると共に、該トルクシフトを補償するため
に必要なステップモータ4のトルクシフト補償ステップ
数TS1 を検索により求める。
【0034】図3(b)におけるステップ75は、前記
目標入力回転数Nt * と実入力軸回転数Nt との偏差に
基づき、該入力回転偏差をなくすのに必要なステップモ
ータ4のフィードバック操作量FBSTPを、図11の
制御プログラムにより算出するものである。図11にお
けるステップ91では、目標入力回転数Nt * と実入力
軸回転数Nt との間の入力回転偏差Nerr を演算し、次
のステップ92では、当該入力回転偏差Nerr の積分値
i を求める。
【0035】そしてステップ93で、スロットル開度T
VOおよび車速VSPから決定した比例制御定数Kp
上記の入力回転偏差Nerr に掛けて、比例制御分のステ
ップモータフィードバック操作量FBp を求め、次のス
テップ94で、スロットル開度TVOおよび車速VSP
から決定した積分制御定数Ki を上記の入力回転偏差積
分値Ni に掛けて、積分制御分のステップモータフィー
ドバック操作量FBiを求める。次いでステップ95に
おいて、上記の操作量FBp およびFBi を加算し、ス
テップモータ4のフィードバック操作量FBSTPを求
める。
【0036】図3(b)におけるステップ76は、上記
のフィードバック制御によっても解消しきれない、トル
クシフトによる変速状態の不正を解消するのに必要なス
テップモータ4の学習制御ステップ数(修正操作量)L
STPを算出するものである。この学習制御ステップ数
(修正操作量)LSTPは、目標変速比RTOごとに対
応番地にメモリされているもので、目標変速比RTOか
ら検索により求める。
【0037】ここで学習制御ステップ数(修正操作量)
LSTPは、図12の制御プログラムにより以下のごく
に学習制御することとする。つまり、先ずステップ11
0,111,112で、当該学習制御を行うべきか否か
の判定をする。ステップ110では、車速VSPが車両
の発進を表す設定車速VTH未満の低車速か否かを判定
し、ステップ111では、エンジントルクTe が車両の
加速を表す設定トルクT TH以上であるか否か、つまり加
速トルク入力中であるか否かを判定し、ステップ112
で、目標変速比RTOが低速側設定値RTOL および高
速側設定値RTO H 間の発進変速比にあるか否かを判定
する。
【0038】車速VSPが車両の発進を表す低車速域
で、且つエンジントルクTe が加速トルクであり、且つ
目標変速比RTOが発進変速比であるとの3条件が揃わ
なければ、制御をそのまま終了して、全ての学習制御ス
テップ数(修正操作量)LSTPを前回値のままに保持
する。その理由は、この間に学習制御を行っても、学習
が不正確になったり、もともと学習制御が不要であるた
めである。
【0039】上記の3条件が揃う車両の発進走行時は、
先ずステップ113で、前記の入力回転数偏差Nerr
偏差許容上限値NTHより大きいか否かを、つまり入力軸
回転数Nt が目標入力回転数Nt * に対して過小か否か
を、次いでステップ114で、入力回転数偏差−Nerr
が偏差許容下限値NTLより小さいか否かを、つまり入力
軸回転数Nt が目標入力回転数Nt * に対して過大か否
かを判定する。入力軸回転数Nt が過小でもなく、過大
でもない場合は、当然制御をそのまま終了して、全ての
学習制御ステップ数(修正操作量)LSTPを前回値の
ままに保持する。
【0040】そして、入力軸回転数Nt が過小である場
合、ステップ115で、当該走行条件に対応する番地の
学習制御ステップ数(修正操作量)LSTPは勿論のこ
と、全ての番地の学習制御ステップ数(修正操作量)L
STPを、例えば0.5の一定のステップ数だけ減少さ
せる。かかるステップ数の減少は、図6の傾向に照らし
て明らかなように、目標変速比RTOの低速側変速比へ
の修正を意味し、入力軸回転数Nt の増大をもたらし
て、入力軸回転数Nt の過小を解消させ得る。
【0041】そして、入力軸回転数Nt が過大である場
合、ステップ116で、当該走行条件に対応する番地の
学習制御ステップ数(修正操作量)LSTPは勿論のこ
と、全ての番地の学習制御ステップ数(修正操作量)L
STPを、例えば0.5の一定のステップ数だけ増加さ
せる。かかるステップ数の増加は、図6の傾向に照らし
て明らかなように、目標変速比RTOの高速側変速比へ
の修正を意味し、入力軸回転数Nt の低下をもたらし
て、入力軸回転数Nt の過大を解消させ得る。
【0042】図3(b)におけるステップ77は、ステ
ップモータ4の制御を図13のプログラムに沿って行う
ものである。図13のステップ120では、基準操作量
FSTPと、トルクシフト補償操作量TS1と、フィー
ドバック操作量FBSTPと、修正操作量LSTPとを
合算し、ステップモータ4の目標ステップ数DSRST
Pを求める。次のステップ121では、この目標ステッ
プ数DSRSTPに対して現在のステップ数指令値AS
TPが大き過ぎるのか、不足しているのかを判定する。
【0043】ステップ数指令値ASTPが大き過ぎてい
る間、ステップ122で、ステップ数指令値ASTPを
一定値DSTPづつ低下させ、ステップ123において
ステップ数指令値ASTPが目標ステップ数DSRST
Pに達したと判定するまで、当該ステップ数指令値AS
TPの低下を継続する。逆にステップ数指令値ASTP
が小さ過ぎている間、ステップ124で、ステップ数指
令値ASTPを一定値DSTPづつ増加させ、ステップ
125においてステップ数指令値ASTPが目標ステッ
プ数DSRSTPに達したと判定するまで、当該ステッ
プ数指令値ASTPの増加を継続する。以上によりステ
ップ数指令値ASTPが目標ステップ数DSRSTPに
達したところで、制御はステップ123または125か
らステップ126に進み、ここでステップ数指令値AS
TPを目標ステップ数DSRSTPに一致させる。
【0044】かくして、ステップモータ4は最終的に目
標ステップ数DSRSTPだけ操作され、トロイダル型
無段変速機の変速比を前記の変速制御により、トルクシ
フトやその他の外乱に影響されることなく図5の変速マ
ップに沿った変速比に持ち来すことができる。
【0045】ところで、図12における修正操作量LS
TPの学習制御を、ステップ110で車速VSPが発進
を表す低車速であると判定し、且つステップ111で変
速機に加速トルクが入力されていると判定し、且つステ
ップ112で変速比RTOが発進変速比である低速側の
変速比であると判定する時に限って行い、この学習制御
の結果を、上記発進変速比より高速側における変速比の
ための修正操作量LSTPにも適用して、全ての修正操
作量LSTPを同様に更新することから、車両発進当初
の最低速変速比選択状態の間に上記の学習を行うことに
なり、従って、トルクシフトに起因する変速比偏差を検
出し易く、またエンジンの回転上昇が発進に消費されて
変速比が最低速変速比に保持される傾向にある状態のも
とで上記の学習制御を行うこととなって、この学習制御
が正確になる。
【0046】そして、当該学習結果を全ての修正操作量
LSTPに適用して更新することで、学習制御が不正確
になる条件のもとでの学習を排除することとなり、トル
クシフトによる変速制御への影響を一層良好になくすこ
とができる。
【0047】なお図示例では、トルクシフトに起因する
変速制御への影響をなくすためのトルクシフト補償制御
を、図3(a)のステップ74におけるフィードフォワ
ード制御と、同図のステップ76における学習制御とで
行うことから、定常偏差をなくすための同図ステップ7
5におけるフィードバック制御のパラメータを減少し、
且つデータ数を減少させることができるという効果も併
せて奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置により変速制御すべきトロイダル型
無段変速機を例示する縦断側面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を、その変速制御シ
ステムと共に示す縦断正面図である。
【図3】同例におけるコントローラが実行する変速制御
プログラムで、(a)は、信号計測処理のフローチャー
ト、(b)は、変速制御処理のフローチャート、(c)
は、信号出力処理のフローチャートである。
【図4】図3(b)におけるステップモータ基準操作量
の演算処理ステップを具体的に示すフローチャートであ
る。
【図5】トロイダル型無段変速機の変速マップを例示す
る線図である。
【図6】目標変速比に対するステップモータ基準操作量
の特性を示す線図である。
【図7】図3(b)におけるトルクシフト補償操作量の
演算処理ステップを具体的に示すフローチャートであ
る。
【図8】エンジンの性能曲線を例示する特性線図であ
る。
【図9】トルクコンバータの性能曲線を例示する特性線
図である。
【図10】トロイダル型無段変速機におけるトルクシフ
トの発生状況、および該トルクシフトによる変速制御へ
の影響をなくすのに必要なステップモータのトルクシフ
ト補償操作量を示す線図である。
【図11】図3(b)におけるフィードバック操作量の
演算処理ステップを具体的に示すフローチャートであ
る。
【図12】修正操作量の学習制御を具体的に示すフロー
チャートである。
【図13】図3(b)におけるステップモータの制御処
理ステップを具体的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
E エンジン T/C トルクコンバータ D/G ディファレンシャルギヤ装置 WL 左駆動車輪 WR 右駆動車輪 1 入力コーンディスク 2 出力コーンディスク 3 パワーローラ 4 ステップモータ 5 変速制御弁 6 ピストン 7 プリセスカム 8 変速リンク 20 入力軸 28 ローディングカム 41 トラニオン 61 コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 出力回転センサ 64 入力回転センサ 65 エンジン回転センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 63:06 F16H 63:06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F16H 15/00 - 15/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータの操作により無段変速を
    生起され、該アクチュエータの操作量を少なくとも目
    標変速状態に対応する基準操作量とトルクシフトを補償
    するための予め定めたトルクシフト補償操作量との和で
    決定すると共に、前記目標変速状態に対する実変速状態
    の偏差に応じ学習制御した、該偏差を減少させるための
    修正操作量だけ補正するようにしたトロイダル型無段変
    速機において、 前記修正操作量の学習制御を、変速機に加速トルクが入
    力され、且つ変速比が発進変速比である低速側の変速比
    である時にのみ行うよう構成すると共に、 該学習制御の結果を、前記発進変速比よりも高速側変速
    比のための前記修正操作量にも適用して、全ての修正操
    作量を同様に更新するよう構成したことを特徴とするト
    ロイダル型無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、変速機出力回転数が
    発進当初の低車速に対応した回転数である時に前記学習
    制御を行うよう構成したことを特徴とするトロイダル型
    無段変速機の変速制御装置。
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