JPH08207842A - 自動車の組立方法 - Google Patents

自動車の組立方法

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JPH08207842A
JPH08207842A JP7017152A JP1715295A JPH08207842A JP H08207842 A JPH08207842 A JP H08207842A JP 7017152 A JP7017152 A JP 7017152A JP 1715295 A JP1715295 A JP 1715295A JP H08207842 A JPH08207842 A JP H08207842A
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door
pillar
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Hiroshi Tazaki
博史 田崎
Kozo Hirota
耕造 広田
Kuniaki Nagao
邦昭 長尾
Koji Hida
幸司 飛田
Kenki Kurino
堅樹 栗野
Shigenori Amioka
重則 網岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センタピラーとボディとの両接合部にもボデ
ィに対するものと同様の塗装処理を施して発錆のおそれ
を解消しつつ、省力化を図る。 【構成】 車体工程P1 で、センタピラー21及びリヤ
ドア22からなるドア組立体2と、センタピラー及びリ
ヤドアを除く他のボディ構成部品11〜15からなるボ
ディ組立体1とをそれぞれ組み立てる。塗装工程P2 で
ドア組立体に対する塗装工程4と、ボディ組立体に対す
る塗装工程3とを個別に行う。塗装後、組付工程P3
で、ドア組立体、センタピラー及びリヤドアにそれぞれ
艤装処理を行い、艤装処理完了後にドア組立体にセンタ
ピラー及びリヤドアを組み付ける。最後にセンタピラー
のボディ組立体への接合部の境界部にシーラー塗布を行
う。塗装工程3をボディ組立体にピラー代用治具を取付
けた状態で行ってもよい。また、ボディ組立体にピラー
代用治具、前後のドアを取付け、センタピラー単体を別
個に塗装してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、センタピラーと、この
センタピラーを挟んで前後にドアを有する自動車の組立
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の自動車の組立方法と
して、ボディを組み立てる車体工程と、それに塗装する
塗装工程と、塗装後に艤装処理を施して組み付ける組付
工程とを備えるものが知られている(例えば、特開平4
−310485号公報参照)。このものでは、車体工程
においてセンタピラー及び前後のドアを取付けた状態で
ボディ組立体を組み立て、このセンタピラー等が取付け
られた状態で塗装工程を行い、組付工程において塗装処
理後のボディ組立体から前後の両ドア及びセンタピラー
を取り外し、取り外した各ドア及びセンタピラーと、残
りのボディ組立体とにそれぞれ艤装処理を施し、その艤
装処理後のボディ組立体に上記センタピラー及び両ドア
を組み付けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
自動車の組立方法においては、塗装工程をセンタピラー
が取付けられた状態で行っているため、ボディに取付け
られるセンタピラー側の接合部と、このセンタピラーが
取付けられるボディ側の接合部との両接合部に対する本
来の塗装処理を行うことができず、上記両接合部が未塗
装状態のまま残るため、この接合部に錆が発生するおそ
れがある。また、組付工程において、艤装処理ためにセ
ンタピラーや前後のドアを取り外す必要があるため、そ
のための工数が必要になる上、取り外し作業により塗装
工程で形成された塗装面を傷付けるおそれもある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、センタピラー
とボディとの接合部にもボディに対するものと同様の塗
装処理を施して発錆のおそれを解消しつつ、省力化を図
ることにある。加えて、自動車の組み立てを確実かつ効
率よく行うことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、センタピラーと、このセン
タピラーを挟んで前後にドアを備える自動車に対し、ま
ず、センタピラー及びリヤドアからなるドア組立体と、
そのセンタピラー及びリヤドアを除く他のボディ構成部
品からなるボディ組立体とをそれぞれ組み立てる車体工
程を行う。次に、この車体工程により組み立てられた上
記ドア組立体と、ボディ組立体とを個別に塗装する塗装
工程を行う。そして、塗装後のドア組立体と、ボディ組
立体とにそれぞれ艤装処理を行い、艤装処理完了後にド
ア組立体のセンタピラーをボディ組立体に組み付ける組
付工程を行うものである。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における車体工程で、ボディ組立体にセンタピラーの
代用となるピラー代用治具を着脱可能に取付ける。そし
て、上記ピラー代用治具を取付けた状態で塗装工程を行
った後、組付工程での艤装処理を上記ピラー代用治具を
取り外した状態で行うものである。
【0007】また、請求項3記載の発明は、センタピラ
ーと、このセンタピラーを挟んで前後にドアを備える自
動車に対し、まず、センタピラーの代わりに、センタピ
ラーの代用となるピラー代用治具を着脱可能に取付けて
ボディ組立体を組み立てる車体工程を行う。次に、この
車体工程により組み立てられた上記ボディ組立体と、上
記センタピラーとを個別に塗装する塗装工程を行う。そ
して、塗装後のボディ組立体から上記ピラー代用治具
と、ドアの内、少なくともリヤドアとを取り外し、取り
外した後のボディ組立体と、上記リヤドアと、塗装後の
センタピラーとにそれぞれ艤装処理を行い、艤装処理完
了後にセンタピラーとリヤドアとをボディ組立体に組み
付ける組付工程を行うものである。
【0008】さらに、請求項4記載の発明は、請求項
1,請求項2または請求項3記載の発明における組付工
程で、センタピラーのボディ組立体への組み付けの後、
そのセンタピラーとボディ組立体との接合部周囲にシー
ラー塗布を行うものである。
【0009】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
塗装工程がセンタピラー及びこれに取付けられたリヤド
アからなるドア組立体と、このドア組立体を除くボディ
組立体とについて個別に行われるため、ボディ組立体側
のセンタピラー接合箇所及びボディ組立体へのセンタピ
ラー側の接合箇所の両接合部にもボディに対する塗装と
同様の確実な塗装が行われる。このため、上記センタピ
ラーを取付けた状態でのボディに塗装を行う従来方法と
比べ、センタピラーとボディとの接合部における錆の発
生のおそれが確実に解消される。しかも、当初からドア
組立体とボディ組立体とを個別に組み立てて、塗装処理
を行うことから、組付工程においてセンタピラーやフロ
ントドアを取り外す必要がなく、従来の組立方法と比
べ、組付工程における上記センタピラーやフロントドア
の取り外し作業について省力化が図られる。その上、組
付工程におけるボディ組立体は上記のドア組立体の部分
がすでになく、フロントドアを開けることにより車室内
に連通する大開口が形成されるため、この大開口を通し
てボディ組立体の車室内への艤装処理が容易かつ確実に
行われる。
【0010】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、ボディ組立体についての
塗装工程がピラー代用治具をボディ組立体に取付けた状
態で行われるため、上記ピラー代用治具によりボディ組
立体の上記大開口の前後中間位置が上下に連結され、こ
のピラー代用治具によってボディ組立体の塗装処理に際
しての熱変形発生の防止が確実に行われる。
【0011】また、請求項3記載の発明では、センタピ
ラーの代わりにピラー代用治具がボディ組立体に取付け
られた状態で塗装工程が行われるため、上記の如く塗装
工程におけるボディ組立体の熱変形発生防止が確実に行
われる上、ボディ組立体とは別にセンタピラー単独で塗
装工程が行われるため、そのセンタピラーの全面に対す
る塗装処理が可能になる。
【0012】さらに、請求項4記載の発明では、上記請
求項1,請求項2または請求項3記載の発明による作用
に加えて、センタピラーとボディ組立体との接合後に、
その接合部周囲の境界部分に対してシーラー塗装が行わ
れるため、そのセンタピラーとボディ組立体との接合箇
所における錆の発生防止がより確実になる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0014】本実施例は、センタピラーと、このセンタ
ピラーの前後にそれぞれドアを有するいわゆる4ドア型
式の乗用車の組立方法について適用したものであり、車
体工程と、塗装工程と、組付工程とを順次行うことを基
本構成として備え、その塗装工程において、センタピラ
ーと、センタピラーを除いたボディ組立体との二者を互
いに別個に塗装処理することを特徴とするものである。
そして、その個別に塗装を行う態様において、以下説明
の第1〜第3の各実施例がある。
【0015】<第1実施例>図1は、本発明の第1実施
例に係る組立方法の工程図を示し、この第1実施例は同
図に示す車体工程P1 と、塗装工程P2 と、組付工程P
3 とを備えるものである。
【0016】車体工程P1 においては、ボディ組立体1
と、リヤドア組立体(以下、Rドア組立体と略称する)
2との二者について組み立てを行う。上記ボディ組立体
1は、図2にも示すように、ボディシェル11に対しフ
ロントフェンダ(Fフェンダ)12、ボンネット13、
トランクリッド14及びフロントドア(以下、Fドアと
略称する)15をそれぞれ取付けることにより組み立て
を行う。また、上記Rドア組立体2は、図3にも示すよ
うに、センタピラー21に対しリヤドア(以下、Rドア
と略称する)を取付けることにより組み立てを行う。
【0017】塗装工程P2 においては、上記ボディ組立
体1に対する塗装工程3と、Rドア組立体2に対する塗
装工程4とを互いに個別に行う。この塗装工程3,4で
は、それぞれ個別に、図4に示すように化成処理31の
後に、下塗り32、シーラー塗布によるアンダーコート
33、中塗り34、そして、上塗り35が、順次行われ
る。これにより、後の組付工程でセンタピラー21が取
付けられる上記ボディ組立体1のルーフ側接合部11a
及びフロア側接合部11b(図2参照)と、この各接合
部11a,11bに取付けられる上記センタピラー21
の上下端側の両接合部21a,21bとにも、上記のボ
ディ組立体1に対する塗膜と同じ塗膜が形成される。
【0018】組付工程P3 においては、上記の塗装工程
P2 を経た後のボディ組立体1とRドア組立体2とにつ
いて、まず、艤装処理を行う。この艤装処理では、上記
ボディ組立体1に対するボディ主要部艤装工程5と、上
記Rドア組立体2のセンタピラー21からRドア22を
取り外した後のセンタピラー21に対するセンタピラー
艤装工程6と、上記の取り外したRドア22に対するR
ドア艤装工程7とが行われる。上記ボディ主要部艤装工
程5では、Fドア15を開状態にすることにより形成さ
れる大開口部16を通して車室内部に対する計器パネ
ル、各種ライニング、フロントシートやリヤシート等の
組み付け等と、Fドア15に対するウインドレギュレー
タ、ガラスやトリム等の組み付けとを行う。一方、上記
センタピラー艤装工程6では、トリム、シートベルトリ
トラクタ、ハーネスやストライカ等の組み付けを行い、
また、Rドア艤装工程7では、ウインドレギュレータ、
ガラスやトリム等の組み付けを行う。
【0019】次に、艤装処理後のRドア22を、艤装処
理後のセンタピラー21に取付けてRドア完成体とし、
そのRドア完成体を艤装処理後のボディ組立体1に取付
けるRドア完成体組付工程8を行う。このRドア完成体
組付工程8は、上記Rドア完成体のセンタピラー21の
上下端部の接合部21a,21bをボディシェル11側
の上下の接合部11a,11bに対して取付けることに
より行う。その取付けは、図5に一側のものを例示する
ようにセンタピラー側接合部21bをボディシェル側接
合部11bに嵌め合わせてボルト17を捩じ込んで締結
することにより行い、これにより、両接合部21b,1
1bを互いに密着させる。
【0020】そして、最後に、上記センタピラー21の
各接合部21a,21bと、この各接合部21a,21
bが取付けられたボディシェル11側の各接合部11
a,11bとの接合境界部18(図5参照)にシーラー
塗布を行うシーラー塗布工程9を行う。
【0021】このような構成の第1実施例の場合、塗装
工程P1 が、センタピラー21及びこれに取付けられた
Rドア22からなるドア組立体2に対する塗装工程4
と、このドア組立体2が取り除かれた状態のボディ組立
体1に対する塗装工程3とについて個別に行われるた
め、ボディ組立体1側のセンタピラー用接合部11a,
11bと、ボディ組立体1へのセンタピラー21側の接
合部21a,21bとにボディ組立体1に形成される塗
膜と同じ塗膜を形成することができる。このため、上記
センタピラー21を取付けた状態でのボディに塗装を行
う従来の組立方法と比べ、センタピラー21とボディシ
ェル11との各接合部11a,21a、11b,21b
における錆の発生のおそれを確実に解消することができ
る。
【0022】しかも、当初の車体工程P1 の段階からボ
ディ組立体1とRドア組立体2とに分けて組み立てて塗
装工程P2 を経て組付工程P3 に流すことから、組付工
程P3 においてセンタピラー21やFドア15を取り外
す必要がなく、従来の組立方法と比べ、省力化を図るこ
とができる。
【0023】その上、組付工程P3 におけるボディ主要
部艤装工程5をRドア組立体2が除かれた大開口部16
を通してボディ組立体1の車室内への艤装処理を行うこ
とができ、その艤装処理の支障となることはなくその艤
装処理を容易かつ確実に行うことができる。
【0024】さらに、Rドア完成体のボディ組立体1へ
の組み付け後に、シーラー塗布工程9を行っているた
め、センタピラー21とボディシェル11との各接合部
11a,21a、11b,21bにおける錆の発生のお
それをより確実に解消することができる。
【0025】<第2実施例>図6は、本発明の第2実施
例に係る組立方法の工程図を示し、この第2実施例は同
図に示す車体工程P1aと、塗装工程P2aと、組付工程P
3aとを備えるものである。なお、第1実施例と同様構成
のものについては、同一の部材もしくは工程には同一符
号を付してその詳細な説明を省略する。
【0026】車体工程P1aにおいては、ボディ組立体1
aと、第1実施例と同様構成のRドア組立体2との二者
について組み立てを行う。上記ボディ組立体1aは、図
7にも示すように、ボディシェル11に対しFフェンダ
12、ボンネット13、トランクリッド14及びFドア
15をそれぞれ取付け、これに加えて後述のセンタピラ
ー21と同様形状及び強度を有するピラー代用治具19
を取付けることにより組み立てを行う。
【0027】塗装工程P2aにおいては、上記ボディ組立
体1aに対する塗装工程3と、Rドア組立体2に対する
塗装工程4とを、第1実施例と同様に互いに個別に行
う。
【0028】組付工程P3aにおいては、上記の塗装工程
P2aを経た後のボディ組立体1aからピラー代用治具1
9を取り外すピラー代用治具取り外し工程20を行った
後、そのピラー代用治具19を取り外した状態のボディ
組立体1aに対しボディ主要部艤装工程5を、上記Rド
ア組立体2のセンタピラー21からRドア22を取り外
した後のセンタピラー21に対しセンタピラー艤装工程
6を、上記の取り外したRドア22に対しRドア艤装工
程7とをそれぞれ第1実施例と同様に行う。
【0029】次に、艤装処理後のRドア22を、艤装処
理後のセンタピラー21に取付けてRドア完成体とし、
そのRドア完成体を艤装処理後のボディ組立体1に取付
けるRドア完成体組付工程8を行い、最後に、シーラー
塗布工程9を行う。
【0030】そして、本第2実施例の場合、第1実施例
の場合と同様の作用,効果に加えて、ボディ組立体1a
についての塗装工程P2aがピラー代用治具19を取付け
た状態で行われるため、上記ピラー代用治具19により
ボディ組立体1aの大開口部16が前後中間位置で上下
に連結され、このピラー代用治具19によってボディ組
立体1aの塗装工程3に際しての熱変形発生防止を確実
に行うことができる。これにより、ボディ組立体1aの
Rドア完成体の取付部の精度が確保され、上記ピラー代
用治具19の取り外し後に行うRドア完成体の取付けを
容易かつ確実に行うことができる。
【0031】<第3実施例>図8は、本発明の第3実施
例に係る組立方法の工程図を示し、この第3実施例は同
図に示す車体工程P1bと、塗装工程P2bと、組付工程P
3bとを備えるものである。なお、第1実施例と同様構成
のものについては、同一の部材もしくは工程には同一符
号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】車体工程P1bにおいては、ボディ組立体1
bと、センタピラー21単体(図9参照)との二者につ
いて組み立てを行う。上記ボディ組立体1bは、図10
にも示すように、ボディシェル11に対しFフェンダ1
2、ボンネット13、トランクリッド14及びFドア1
5をそれぞれ取付け、これに加えて後述のセンタピラー
21と同様形状及び強度を有するピラー代用治具19を
取付け、さらに、そのピラー代用治具19にRドア22
を取付けることにより組み立てを行う。
【0033】塗装工程P2bにおいては、上記ボディ組立
体1bに対する塗装工程3と、センタピラー21に対す
る塗装工程4bとを、第1実施例と同様の塗装処理によ
り互いに個別に行う(図4参照)。
【0034】組付工程P3bにおいては、上記の塗装工程
P2bを経た後のボディ組立体1bからピラー代用治具1
9を取り外すピラー代用治具取外し工程20と、Rドア
22を取り外すRドア取外し工程23とを、まず行う。
そして、上記ピラー代用治具19及びRドア22を取り
外した状態のボディ組立体1bに対しボディ主要部艤装
工程5を、上記の塗装工程4bを経た後のセンタピラー
21に対しセンタピラー艤装工程6を、上記の取り外し
たRドア22に対しRドア艤装工程7をそれぞれ第1実
施例と同様に行う。なお、上記ピラー代用治具取外し工
程20で取り外されたピラー代用治具19は車体工程P
1bに戻されて再使用される。
【0035】次に、艤装処理後のRドア22を、艤装処
理後のセンタピラー21に取付けてRドア完成体とし、
そのRドア完成体を艤装処理後のボディ組立体1に取付
けるRドア完成体組付工程8を行い、最後に、シーラー
塗布工程9を行う。
【0036】そして、本第3実施例の場合、塗装工程3
におけるボディ組立体1bがピラー代用治具19を取付
けた状態ではあっても、組付工程P3bにおいて最終的に
取付けられる本来のセンタピラー21が塗装工程4bに
よりそれ単独で塗装されるため、上下端部の両接合部2
1a,21bを含めてセンタピラー21の全面に、ボデ
ィ組立体1に形成される塗膜と同じ塗膜を形成すること
ができる。このため、上記センタピラー21自体を取付
けた状態でのボディに塗装を行う従来の組立方法と比
べ、上記のセンタピラー21側の両接合部21a,21
bに上記の塗膜が形成されている分、センタピラー21
とボディシェル11との各接合部11a,21a、11
b,21bにおける錆の発生のおそれを解消することが
できる。
【0037】また、本第3実施例の場合、第2実施例と
同様にボディ組立体1bについての塗装工程3がピラー
代用治具19を取付けた状態で行われる上、さらに、R
ドア22も取付けられた状態で行われるため、上記塗装
工程3に際してのボディ組立体1bの熱変形発生防止を
より確実に図ることができ、ボディ組立体1bの精度を
より高く保った状態で、後の組付工程P3bを行うことが
できる。これにより、上記組付工程P3bでのドア完成体
組付工程8におけるRドア完成体の取付けをより容易か
つ確実に行うことができる。
【0038】なお、本第3実施例においても、Rドア完
成体のボディ組立体1bへの組み付け後に、シーラー塗
布工程9を行っているため、センタピラー21とボディ
シェル11との各接合部11a,21a、11b,21
bにおける錆の発生のおそれをより確実に解消すること
ができる。
【0039】<他の態様例>なお、本発明は上記実施例
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。すなわち、上記第3実施例では、組付
工程P3bでボディ組立体1bからピラー代用治具19の
他にRドア22をのみ取り外しているが(Rドア取外し
工程23)、これに限らず、そのRドア22に加えて、
例えばFドア15も取り外してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における自動車の組立方法によれば、塗装工程を、セ
ンタピラー及びこれに取付けられたリヤドアからなるド
ア組立体と、このドア組立体を除くボディ組立体とにつ
いて個別に行うようにしているため、ボディ組立体側の
センタピラー接合箇所及びボディ組立体へのセンタピラ
ー側の接合箇所の両接合部にもボディに対する塗装と同
様の塗装を行うことができ、このため、上記センタピラ
ーを取付けた状態でのボディに塗装を行う従来方法と比
べ、センタピラーとボディとの接合部における錆の発生
のおそれを確実に解消することができる。しかも、当初
からドア組立体とボディ組立体とを個別に組み立てて、
塗装処理を行うようにしているため、組付工程において
艤装処理のためにセンタピラーやフロントドアを取り外
す必要がなく、従来の組立方法と比べ、組付工程におけ
る省力化を図ることができる。その上、組付工程におけ
るボディ組立体には、上記のドア組立体の部分がすでに
なく、フロントドアを開けることにより車室内に連通す
る大開口部が形成されるため、この大開口部を通してボ
ディ組立体の車室内への艤装処理を容易かつ確実に行う
ことができる。
【0041】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、ボディ組立体につい
ての塗装工程を、ピラー代用治具をボディ組立体に取付
けてボディ組立体の上記大開口部の前後中間位置を上下
に連結した状態で行うようにしているため、上記ピラー
代用治具によってボディ組立体の塗装処理に際しての熱
変形発生の防止を確実に図ることができ、後の組付工程
におけるドア組立体のボディ組立体への組み付けを容易
かつ確実に行うことができる。
【0042】また、請求項3記載の発明によれば、塗装
工程を、ボディ組立体と、これとは別にセンタピラー単
独とを互いに個別に行うようにしているため、そのセン
タピラーのボディ組立体への接合箇所をも含めたセンタ
ピラーの全面にボディと同様の強固な塗膜を付着させる
ことができ、上記センタピラーを取付けた状態でのボデ
ィに塗装を行う従来方法と比べ、上記センタピラーとボ
ディとの接合部における錆の発生のおそれを確実に解消
することができる。しかも、上記ボディ組立体に対する
塗装工程を、上記センタピラーの代わりにピラー代用治
具をボディ組立体に取付けた状態で行うようにしている
ため、請求項2記載の発明による効果の欄て説明した如
く塗装工程におけるボディ組立体の熱変形発生防止を確
実に行うことができ、艤装処理後のセンタピラー及びド
アのボディ組立体への組み付けを容易かつ確実に行うこ
とができる。
【0043】さらに、請求項4記載の発明によれば、上
記請求項1,請求項2または請求項3記載の発明による
効果に加えて、センタピラーとボディ組立体との接合後
に、その接合部周囲の境界部分に対してシーラー塗装を
行うようにしているため、そのセンタピラーとボディ組
立体との接合箇所における錆の発生防止をより確実に図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す工程説明図である。
【図2】第1実施例のボディ組立体を示す側面図であ
る。
【図3】第1実施例のRドア組立体を示す側面図であ
る。
【図4】第1実施例の塗装工程を示す工程説明図であ
る。
【図5】センタピラーとボディシェルとの接合部分の分
解断面図である。
【図6】第2実施例の工程説明図である。
【図7】第2実施例のボディ組立体を示す側面図であ
る。
【図8】第3実施例の工程説明図である。
【図9】第3実施例のセンタピラー単体の側面図であ
る。
【図10】第3実施例のボディ組立体を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1,1a,1b ボディ組立体 2 Rドア組立体 18 接合部の境界部 19 ピラー代用治具 11a,11b 接合部 21 センタピラー 21a,21b 接合部 22 Rドア(リヤドア) P1 ,P1a,P1b 車体工程 P2 ,P2a,P2b 塗装工程 P3 ,P3a,P3b 組付工程
フロントページの続き (72)発明者 飛田 幸司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 栗野 堅樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 網岡 重則 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センタピラーと、このセンタピラーを挟
    んで前後にドアを備える自動車の組立方法において、 センタピラー及びリヤドアからなるドア組立体と、その
    センタピラー及びリヤドアを除く他のボディ構成部品か
    らなるボディ組立体とをそれぞれ組み立てる車体工程
    と、 この車体工程により組み立てられた上記ドア組立体と、
    ボディ組立体とを個別に塗装する塗装工程と、 塗装後のドア組立体と、ボディ組立体とにそれぞれ艤装
    処理を行い、艤装処理完了後にドア組立体のセンタピラ
    ーをボディ組立体に組み付ける組付工程とを備えている
    ことを特徴とする自動車の組立方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 車体工程において、ボディ組立体にセンタピラーの代用
    となるピラー代用治具を着脱可能に取付け、 上記ピラー代用治具を取付けた状態で塗装工程を行った
    後、組付工程での艤装処理を上記ピラー代用治具を取り
    外した状態で行うことを特徴とする自動車の組立方法。
  3. 【請求項3】 センタピラーと、このセンタピラーを挟
    んで前後にドアを備える自動車の組立方法において、 センタピラーの代わりに、センタピラーの代用となるピ
    ラー代用治具を着脱可能に取付けてボディ組立体を組み
    立てる車体工程と、 この車体工程により組み立てられた上記ボディ組立体
    と、上記センタピラーとを個別に塗装する塗装工程と、 塗装後のボディ組立体から上記ピラー代用治具と、ドア
    の内、少なくともリヤドアとを取り外し、取り外した後
    のボディ組立体と、上記リヤドアと、塗装後のセンタピ
    ラーとにそれぞれ艤装処理を行い、艤装処理完了後にセ
    ンタピラーとリヤドアとをボディ組立体に組み付ける組
    付工程とを備えていることを特徴とする自動車の組立方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1,請求項2または請求項3のい
    ずれかにおいて、 組付工程において、センタピラーのボディ組立体への組
    み付けの後、そのセンタピラーとボディ組立体との接合
    部周囲にシーラー塗布を行うことを特徴とする自動車の
    組立方法。
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