JPH08165571A - 基板保持装置およびその製造方法 - Google Patents

基板保持装置およびその製造方法

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JPH08165571A
JPH08165571A JP33194894A JP33194894A JPH08165571A JP H08165571 A JPH08165571 A JP H08165571A JP 33194894 A JP33194894 A JP 33194894A JP 33194894 A JP33194894 A JP 33194894A JP H08165571 A JPH08165571 A JP H08165571A
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base
substrate
sheet
refrigerant
holding device
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JP33194894A
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Kouichi Orihira
浩一 織平
Yasunori Ando
靖典 安東
Hiroshi Inami
宏 稲実
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
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    • H01L21/67103Apparatus for thermal treatment mainly by conduction
    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板からベースへの熱伝導を改善して、基板
に対する冷却能力を向上させた基板保持装置およびその
製造方法を提供する。 【構成】 この基板保持装置は、冷媒8によって冷却さ
れるベース4と、ベース4の表面に張られていてベース
4との間に密閉領域16を形成する柔軟性を有するシー
ト12と、密閉領域16に充満された冷媒18と、シー
ト12上に設けられた薄板状のゴム状弾性体22と、ゴ
ム状弾性体22上に載置される基板2の周縁部をベース
4に向けて押さえ付ける基板押さえ20とを備えてい
る。ゴム状弾性体22を設ける代わりに、またはそれと
併用して、密閉領域16内に、金属製の弾性部材をほぼ
一様に分布させても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばイオン注入装
置、イオンドーピング装置(非質量分離型のイオン注入
装置)、スパッタリング装置、ドライエッチング装置、
電子ビーム照射装置等のように、真空中またはその他の
雰囲気中で基板にイオンビーム、プラズマ、電子ビーム
等のエネルギーを有する粒子を入射させる場合に用いら
れる基板保持装置に関し、より具体的には、その基板に
対する冷却能力を向上させる手段に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板、液晶ディスプレイ用ガラス
基板等の基板の表面に、イオン注入、エッチング等の処
理を施す際に、イオンビームやプラズマ等によって基板
に投入されるパワーによる基板の温度上昇を抑えるため
に、従来から種々の基板保持装置が提案されている。
【0003】その一例を図13に示す。この基板保持装
置は、基板2等を支持するためのベース4と、このベー
ス4の表面部に設けられた凹部10を覆うように張られ
ていてベース4との間に密閉領域16を形成する柔軟性
を有するシート12と、この密閉領域16に充満された
冷媒18と、シート12上に載置される基板2の周縁部
をベース4に向けて押さえ付ける環状の基板押さえ20
とを備えている。密閉領域16に冷媒18を適当な圧力
を有するように充満させると、シート12は図示のよう
に盛り上がり、基板2を押さえ付けた時もその盛り上が
りがある程度保たれる。
【0004】シート12は、例えばフッ素樹脂、ポリイ
ミド等から成るごく薄いシートである。このシート12
の周縁部は、ベース4に接着して密封しており、更に固
着強度向上のためにシート押さえ14で押さえている。
このシート12に基板2を基板押さえ20によって押さ
え付けることによって、シート12は基板2の裏面に密
着する。
【0005】ベース4は、この例では内部に冷媒通路6
を有していて、そこに外部から例えば水、代替フロン等
の冷媒8を流すことによって冷却される。
【0006】この基板保持装置に保持された基板2に、
例えば真空中において、基板押さえ20の開口部を通し
て例えばイオンビームが照射される等して所要の処理が
施される。その際、イオンビーム照射等によって基板2
に熱入力が加えられるが、その熱は、基板2からシート
12および冷媒18を経由してベース4に流れ、更には
冷媒8によって運び去られる。このようにして基板2は
冷却される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記基板保持装置は、
柔軟性を有するシート12を基板2の裏面に密着させる
ことによって、ベース4に基板2を直接接触させる場合
よりも、基板2に対する接触面積を増大させて、基板2
からベース4への熱伝導の改善を図ったものであるが、
基板2の温度上昇をより小さくする観点から、より冷却
能力の高い基板保持装置が望まれている。
【0008】そこでこの発明は、基板からベースへの熱
伝導を改善して、基板に対する冷却能力を向上させた基
板保持装置およびその製造方法を提供することを主たる
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の基板保持装置は、要約して言えば、前述
したシート上に薄板状のゴム状弾性体を設け、これを基
板とシート間に挟むようにしたことを一つの特徴として
いる。
【0010】また、前述した冷媒が充満された密閉領域
に、金属製の弾性部材をほぼ一様に分布するように収納
したことを他の特徴としている。
【0011】また、上記二手段を併用することを更に他
の特徴としている。
【0012】
【作用】上記のようにゴム状弾性体を設けることによっ
て、基板からベースへの熱伝導が改善され、基板に対す
る冷却能力が向上することが実験によって確かめられ
た。これは、次のような理由によるものと考えられる。
即ち、従来例のようにシートを基板の裏面に密着させて
も、ミクロ的に見れば、シートの波打ち等によって、シ
ートと基板間には小さな隙間が多数存在していて、両者
間の接触面積はあまり大きくはない。これに対して、基
板とシート間にゴム状弾性体を挟むと、当該ゴム状弾性
体は基板およびシートの双方にうまく馴染むのでそれら
の間の隙間が埋まって接触面積が増大し、それによって
基板とシート間の熱伝導が改善され、ひいては基板とベ
ース間の熱伝導が改善される。
【0013】また、上記のように冷媒が充満された密閉
領域に金属製の弾性部材を収納することによって、基板
からベースへの熱伝導が改善され、基板に対する冷却能
力が向上することが実験によって確かめられた。これは
次のような理由によるものと考えれる。即ち、冷媒中に
金属製の弾性部材をほぼ一様に分布させると、金属は冷
媒に比べて遙かに熱伝導率が高いので、そのような金属
の存在によって冷媒部分全体としての熱伝導率が向上す
る。しかも、基板を前記シート等に押さえ付けると、上
記金属製の弾性部材は撓んでその上下の面に、即ち前記
シートの内面とベースの上面にそれぞれ直接接触するの
で、この金属製の弾性部材を経由しての熱伝導が得られ
る。このような二つの作用によって、冷媒部分の熱伝導
が改善され、ひいては基板とベース間の熱伝導が改善さ
れる。
【0014】上記ゴム状弾性体を設けることと、金属製
の弾性部材を設けることを併用すれば、基板とシート
間、およびその下の冷媒部分、の両方の熱伝導が改善さ
れるので、基板とベース間の熱伝導がより改善され、基
板に対する冷却能力がより向上する。
【0015】
【実施例】図1は、この発明の一実施例に係る基板保持
装置を示す断面図である。図13の従来例と同一または
相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該
従来例との相違点を主に説明する。
【0016】この実施例においては、前述したようなシ
ート12上に薄板状のゴム状弾性体22を設け、基板2
をベース4に向けて押さえ付けることによって、ゴム状
弾性体22を基板2とシート12との間に挟むようにし
ている。
【0017】ゴム状弾性体22は、例えばシリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、またはそれらを主成分とするゴム等か
ら成る。
【0018】ゴム状弾性体22は、それ自身における熱
抵抗をできるだけ小さくするために、熱伝導率のできる
だけ高いもの、例えば熱伝導率が1.5W/m・℃以上
のものが好ましい。
【0019】ゴム状弾性体22の厚さは、それ自身にお
ける熱抵抗を小さくすると共に、柔軟性を維持しつつ機
械的強度を維持する観点から、0.1mm〜1mm程度
が好ましく、0.3mm〜0.6mmがより好ましい。
【0020】ゴム状弾性体22の硬さ(JIS−A。測
定方法はJIS K 6301による)は、60〜12
0程度が好ましい。これ以上では弾性が少なくなって接
触面積増大の効果が期待できなくなるからである。
【0021】より具体的には、ゴム状弾性体22には、
シリコーンゴムに熱伝導性充填材を配合したものを用い
るのが好ましい。熱伝導性充填材としては、例えば酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化ア
ルミニウム、窒化ケイ素等がある。これ以外に、難燃性
を改善するために、水酸化アルミニウム、白金、白金化
合物、グラファイト等の一種または二種以上を添加した
ものを用いても良い。また、補強のために、シリコーン
ゴム内にガラスクロスを配したものを用いても良い。
【0022】シート12は、前述したようにフッ素樹脂
やポリイミド等から成る樹脂シートでも良いが、金属シ
ートの方が熱伝導率、機械的強度および耐熱性が高いの
で好ましい。
【0023】金属シートの材質は、機械的強度、耐熱
性、耐食性等に優れているステンレスが好ましい。その
他、チタン、モリブデン、タンタル、タングステン、レ
ニウム、インジウム等でも良い。
【0024】金属シートの厚さは、基板2を押し付けた
時に変形が可能であって破れない程度であれば良く、例
えば0.05mm〜1mm程度にすれば良い。もっと
も、このシートの厚さは、使用する材料の種類によって
変わる。例えば、SUS304の場合は、0.1mm〜
0.3mmが好ましい。
【0025】シート12の周縁部をベース4へ固着して
真空シールする手段は、例えば接着、融着、溶接等の手
段が採り得る。固着強度を高めるために、これらの手段
と、図1等に示す例のように、シート押さえ14とを併
用しても良い。
【0026】密閉領域16に充満させる冷媒18として
は、液体の内でも熱伝導率の高い液体が好ましく、例え
ばシリコーンオイル、その他のオイル、グリース、水、
水銀等が利用できる。
【0027】オイル系に比べて水の方が熱伝導率が高く
て冷却能力が優れているので、冷媒18として、水、よ
り具体的には純水を用いても良い。しかし、真空雰囲気
中における万一の漏れを考慮するならば、冷媒18に
は、真空中で蒸発しにくく他の真空装置への影響の少な
いシリコーンオイルを用いるのが好ましい。
【0028】シリコーンオイルとしては、例えば粘度が
300cs(at 25℃)以下のものが好ましい。
【0029】冷媒18の液層厚さは、シート12の変形
を吸収すると共に冷媒18自身における熱抵抗を小さく
する観点から、例えば2mm〜5mm程度にするのが好
ましい。
【0030】被処理物である基板2の材質は、例えば、
ガラス、アモルファスシリコン液晶ディスプレイや多結
晶シリコン液晶ディスプレイに使用される無アルカリガ
ラス、太陽電池基板に使用される低アルカリガラス(ホ
ウケイ酸ガラス)、多結晶シリコンカラー液晶ディスプ
レイに使用される石英ガラスや低膨張結晶化ガラスでも
良いし、更にはSiやGaAs等の半導体等でも良い。
【0031】基板2の寸法および厚さに特に限定はな
い。基板2の平面形状は、矩形、円形、その他の形状が
採り得る。シート12、密閉領域16、ゴム状弾性体2
2および基板押さえ20の平面形状は、この基板2の形
状に応じて決めれば良い。
【0032】ベース4は、図1に示す例のように冷媒8
によって直接冷却しても良いし、図2に示す例のよう
に、ベース4の下面に、冷媒8によって冷却される金属
板40を設ける等して間接的に冷却しても良い。42は
冷媒通路を示す。冷媒8は、前述したように、例えば
水、より具体的には純水、代替フロン等である。但し、
このベース4をどのようにして冷却するかは、この発明
の本質に影響するものではなく、任意である。
【0033】ベース4は、プラテンのように基板2を一
枚保持するものでも良いし、あるいは複数枚の基板2を
保持するウェーハディスクのようなもの等でも良い。
【0034】基板押さえ20は、基板2の平面形状に対
応した環状でも良いし、基板2の周縁部を複数個所で押
さえ付けるもの等でも良い。
【0035】基板2の処理に対しては、この基板保持装
置は、通常は、真空雰囲気中で用いられるが、その他の
雰囲気中で用いても良い。真空雰囲気中で用いる場合の
真空度に特に制限はない。
【0036】基板2に対する処理には、例えば、イオン
注入、イオンドーピング(非質量分離のイオン注入)、
イオンビーム照射、プラズマエッチング、スパッタエッ
チング、イオンビームエッチング、電子ビーム照射等が
ある。その際のイオンおよびプラズマの種類に特に制限
はない。
【0037】図13に示した従来例のようにシート12
を基板2の裏面に密着させても、ミクロ的に見れば、シ
ート12の波打ち、凹凸等によって、シート12と基板
2間には小さな隙間が多数存在していて、両者間の接触
面積はあまり大きくはない。これに対して、この実施例
のように基板2とシート12間にゴム状弾性体22を挟
むと、当該ゴム状弾性体22は基板2およびシート12
の両方にうまく馴染むのでそれらの間の隙間が埋まって
接触面積が増大し、それによって基板2とシート12間
の熱抵抗が減少して熱伝導が改善され、ひいては基板2
とベース4間の熱伝導が改善される。その結果、基板2
に対する冷却能力が向上する。
【0038】図1に示した構造の基板保持装置を用い
て、基板2に実際にイオン注入を行って、基板2の温度
上昇を測定した結果の一例を図6に示す。このときの条
件は次のとおりである。
【0039】基板2:材質 コーニング社製ガラス70
59(商品名) 寸法 300mm×300mm×1.1mm ゴム状弾性体22:材質 信越化学工業(株)製 シリコーンゴムTC−45BG(商品名) 厚さ 0.45mm 硬さ JIS−A 90 シート12:材質 SUS304 厚さ 0.1mm 冷媒18:材質 東レ・ダウコーニング・シリコーン
(株)製 シリコーンオイルSH200(商品名) 粘度 100cs(at 25℃) 液層厚さ 3mm イオンビーム:窒素イオン 雰囲気の真空度:4.2×10-4Torr
【0040】図6において、実施例1および2は、図1
に示したように上記ゴム状弾性体22を挟んだ場合であ
り、イオンビームによる基板2への投入パワーはそれぞ
れ約0.25W/cm2 および約0.6W/cm2 であ
る。比較例1および2は、ゴム状弾性体22を挟まない
場合であり、基板2への投入パワーはそれぞれ約0.2
5W/cm2 および約0.5W/cm2 である。実施例
2と比較例2との間で投入パワーに若干の差が生じたの
は、調整のばらつきによる。
【0041】投入パワーが約0.25W/cm2 の場
合、照射開始後約350秒頃までは、実施例1と比較例
1とで基板2の温度上昇はほぼ同程度であるが、それ以
降は、実施例1の方が温度上昇が小さいことが顕著に現
れ、時間経過と共に比較例1との差が大きくなってい
る。
【0042】投入パワーが約0.5W/cm2 の場合、
照射開始後約150秒頃までは、実施例2の方が投入パ
ワーが若干大きかったことを考慮すれば、実施例2と比
較例2とで基板2の温度上昇はほぼ同程度であるが、そ
れ以降は、実施例2の方が温度上昇が小さいことが顕著
に現れ、時間経過と共に比較例2との差が大きくなって
いる。
【0043】このように、ある程度の照射時間(即ち加
熱時間)を経た後に実施例と比較例との間で温度上昇の
差が顕著になるのは、加熱に伴ってシート12の波打ち
あるいは凹凸が顕在化し、それによる熱伝導の悪化が、
ゴム状弾性体22を設けていない比較例において顕在化
したためであると考えられる。
【0044】上記結果により、上記ゴム状弾性体22を
設けることによって、基板2に対する冷却能力が向上す
ることが確認できた。
【0045】なお、基板2の処理においては、比較的パ
ワーの大きいイオンビーム等を用いて短時間で処理する
場合と、比較的パワーの小さいイオンビーム等を用いて
長時間で処理する場合とがあるので、上記実施例1およ
び2のようにある程度の時間が経過した後に基板2の温
度上昇を抑える効果が現れる場合でも十分に効果があ
る。
【0046】図2は、この発明の他の実施例に係る基板
保持装置を示す断面図である。図1に示した実施例との
相違点を主体に説明すると、この実施例においては、前
述したようなゴム状弾性体22を設ける代わりに、シー
ト12とベース4間の密閉領域16に、金属製の弾性部
材24をほぼ一様に、より具体的には密閉領域16の平
面内においてほぼ一様に分布するように収納している。
弾性部材24は、少なくとも基板保持時には、その上下
の面に、即ちシート12およびベース4に接触するよう
にしている。
【0047】この弾性部材24の平面的な分布状況の概
略例を図4に示す。
【0048】弾性部材24は、図4等に示す例では、弾
性を有する金属細線を、好ましくは極細の金属細線を、
コイル状に多数回巻いて成る細長いコイルばね状のもの
であり、これを密閉領域16内に複数本ほぼ一様に並設
している。このようにすれば、簡単に、密閉領域16に
弾性部材24をほぼ一様に分布させることができる。
【0049】その他、弾性部材24は、細長いコイルば
ね状の金属細線を縦および横にかつほぼ一様に分布する
ように組み合わせたものでも良い。また、金属細線をル
ープ状かつ多数の向きに多数回巻いてほぼ一様に分布す
るようにしたものでも良い。また、弾性部材24を軸長
の短い(例えば数mm〜十mm程度の)コイルばね状の
ものとし、これを複数個、密閉領域16の平面内に立て
て(即ち上下に伸縮するように)かつほぼ一様に分布す
るように設けても良い。
【0050】弾性部材24には、熱伝導率の高い金属を
用いるのが好ましい。より具体的には、弾性部材24に
は、弾性があり、しかも機械的強度、耐熱性、耐食性等
に優れているステンレスを用いるのが好ましい。その
他、銅を主体とした合金を用いても良く、そのようにす
ればより高い熱伝導率が得られる。
【0051】上記実施例のように、密閉領域16に、即
ち冷媒18中に金属製の弾性部材24をほぼ一様に分布
させると、金属は冷媒18に比べて遙かに熱伝導率が
高いので、そのような金属の存在によって冷媒18部分
全体としての熱伝導率が向上する、しかも、基板2を
前記シート12に押さえ付けると、上記金属製の弾性部
材24は撓んでその上下の面に、即ち前記シート12の
内面とベース4の上面にそれぞれ直接接触するので、こ
の金属製の弾性部材24を経由しての熱伝導が得られ
る。このおよびの二つの作用によって、冷媒18部
分の熱抵抗が減少して熱伝導が改善され、ひいては基板
2とベース4間の熱伝導が改善される。その結果、基板
2に対する冷却能力が向上する。
【0052】上記のようなゴム状弾性体22を設けるこ
とと、金属製の弾性部材24を設けることを併用しても
良い。そのようにした実施例を図3に示す。このように
すれば、基板2とシート12間、およびその下の冷
媒18部分、の両方の熱伝導が改善されるので、基板2
とベース4間の熱伝導がより改善され、基板2に対する
冷却能力がより向上する。
【0053】図2または図3に示した基板保持装置の、
特にそのベース4上に密閉領域16を形成してそこに冷
媒18および弾性部材24を入れる部分の製造方法の一
例を示すと次のとおりである。
【0054】即ち、図5を参照して、前記ベース4上
に、より具体的にはこの例ではその表面の凹部10内
に、前記弾性部材24を配置し、この弾性部材24を配
置した凹部10を前記シート12で覆い、このシート1
2の周縁部をベース4に前記手段で固着・シールして内
部に前記密閉領域16を形成する。
【0055】次いで、この密閉領域16をベース4に設
けた吸引口26から真空引きし、これを所要時間続けた
後、真空引きを続けながら、予め脱気処理をした前記冷
媒18を、ベース4に設けた注入口28から密閉領域1
6に注入してそこに冷媒18を充満させ、その後この吸
引口26および注入口28を閉じる。具体的にはこの例
では、吸引口26および注入口28にそれぞれつながる
バルブ30および32を閉じる。
【0056】このような製法によれば、簡単に、ベース
4上に密閉領域16を形成してそこに弾性部材24を収
納すると共に冷媒18を充満させることができる。
【0057】図1に示した基板保持装置の製造に際して
は、上記と同様の製法において、弾性部材24を配置す
る工程を省略すれば良い。即ち、ベース4上に、より具
体的にはこの例ではその表面の凹部10を覆うように、
シート12を配置し、このシート12の周縁部をベース
4に固着・シールして内部に密閉領域16を形成する。
【0058】次いで、この密閉領域16を吸引口26か
ら真空引きし、これを所要時間続けた後、真空引きを続
けながら、予め脱気処理をした冷媒18を注入口28か
ら密閉領域16内に注入してそこに冷媒18を充満さ
せ、その後この吸引口26および注入口28を閉じる。
【0059】このような製法によれば、簡単に、ベース
4上に密閉領域16を形成してそこに冷媒18を充満さ
せることができる。
【0060】なお、ベース4の表面には、必ずしも上記
実施例のように凹部10を設けなくても良い。凹部10
を設けない場合の実施例を図7ないし図9に示す。これ
らの実施例は、前記図1ないし図3の実施例にそれぞれ
対応しており、それらとの相違点を主体に説明すると、
これらの実施例においては、ベース4の平らな表面上
に、前述したようなシート12をベース4との間に余裕
を持たせて張り、かつこのシート12の周縁部をベース
4の表面に固着して、ベース4との間に密閉領域16を
形成している。34はその固着部を示す。シート12を
固着する手段は、例えば接着、融着、溶接等である。そ
して、密閉領域16に前述したような冷媒18を充満さ
せている。密閉領域16に冷媒18を適当な圧力を有す
るように充満させると、シート12は図示のように盛り
上がり、基板2を押さえ付けた時もその盛り上がりがあ
る程度保たれる。
【0061】そして、図7に示した実施例では、シート
12上に前述したようなゴム状弾性体22を配置し、図
8に示した実施例では密閉領域16に前述したような金
属製の弾性部材24をほぼ一様に分布するように収納
し、図9に示した実施例ではゴム状弾性体22と弾性部
材24を併用している。弾性部材24の分布状況の一例
は、先に図4に示したものと同様である。
【0062】この図7ないし図9の実施例においても、
先に図1ないし図3の実施例で説明したのとそれぞれ同
様の作用効果が得られる。
【0063】図8に示した基板保持装置を用いて、基板
2に実際にイオンドーピングを行って、基板2の温度上
昇を測定した結果の一例を図11に示す。このときの条
件は次のとおりである。
【0064】基板2:ガラス基板 シート12:材質 SUS304 厚さ 0.1mm 冷媒18:材質 シリコーンオイル 液層厚さ 2mm 弾性部材24:材質 SUS304 形状 コイルばね状
【0065】図11において、実施例3は、図8に示し
たように上記弾性部材24を設けた場合であり、イオン
ビームによる基板2への投入パワーは約0.46W/c
2である。比較例3は、弾性部材24を設けない場合
であり、基板2への投入パワーは約0.43W/cm2
である。実施例3と比較例3との間で投入パワーに若干
の差が生じたのは、調整のばらつきによる。
【0066】イオンビーム照射開始後約100秒頃まで
は、実施例3と比較例3とで基板2の温度はほぼ同じで
あるが、それ以降は、実施例3の方が基板温度が低くな
ることが顕著に現れ、時間経過と共に比較例3との温度
差が大きくなっており、その差は約20℃にも達してい
る。この結果により、上記弾性部材24を設けることに
よって、基板2に対する冷却能力が向上することが確認
できた。
【0067】図8または図9に示した基板保持装置の、
特にそのベース4上に密閉領域16を形成してそこに冷
媒18および弾性部材24を入れる部分の製造方法の一
例を示すと次のとおりである。
【0068】即ち図10を参照して、前記ベース4上に
弾性部材24を配置し、この弾性部材24を前記シート
12で覆い、このシート12の周縁部をベース4に前記
手段で固着・シールして内部に前記密閉領域16を形成
する。
【0069】次いで、この密閉領域16をベース4に設
けた吸引口26から真空引きし、これを所要時間続けた
後、真空引きを続けながら、予め脱気処理をした前記冷
媒18を、ベース4に設けた注入口28から密閉領域1
6に注入してそこに冷媒18を充満させ、その後この吸
引口26および注入口28を閉じる。具体的にはこの例
では、吸引口26および注入口28にそれぞれつながる
バルブ30および32を閉じる。
【0070】このような製法によれば、簡単に、ベース
4上に密閉領域16を形成してそこに弾性部材24を収
納すると共に冷媒18を充満させることができる。
【0071】図7に示した基板保持装置の製造に際して
は、上記と同様の製法において、弾性部材24を配置す
る工程を省略すれば良い。即ち、ベース4上にシート1
2を配置し、このシート12の周縁部をベース4に固着
・シールして内部に密閉領域16を形成する。
【0072】次いで、この密閉領域16を吸引口26か
ら真空引きし、これを所要時間続けた後、真空引きを続
けながら、予め脱気処理をした冷媒18を、注入口28
から密閉領域16に注入してそこに冷媒18を充満さ
せ、その後、この吸引口26および注入口28を閉じ
る。
【0073】このような製法によれば、簡単に、ベース
4上に密閉領域16を形成してそこに冷媒18を充満さ
せることができる。
【0074】なお、上記各実施例のようにベース4上に
シート12を張って両者間の密閉領域16に冷媒18を
充満させる代わりに、冷媒18が充満された袋をベース
4上に設けても良い。そのようにした実施例を図12に
示す。この実施例は、前記図3および図9の実施例に対
応しており、それらとの相違点を主体に説明すると、こ
の実施例においては、ベース4上に、柔軟性を有するシ
ートから成る密閉された袋36を設けており、その中
に、前述したような冷媒18を充満させている。かつこ
の実施例では、袋36内に、前述したような金属製の弾
性部材24をほぼ一様に、より具体的には袋36の平面
内においてほぼ一様に分布するように収納している。更
にこの実施例では、袋36上に前述したようなゴム状弾
性体22を設けており、基板2を基板押さえ20によっ
てベース4に向けて押さえ付けることによって、基板2
とベース4との間に、ゴム状弾性体22および袋36を
挟む構造をしている。
【0075】袋36を形成するシートの材質、厚さ等の
好ましい例は、前記シート12の場合と同様である。
【0076】冷媒18の材質、液層厚さ、ゴム状弾性体
22の材質、厚さ、弾性部材24の材質、形状、配置等
の好ましい例は、前述のとおりである。
【0077】袋36内に冷媒18および弾性部材24を
収納するには、例えば、袋36に適当な開口部を設けて
おいて、そこから弾性部材24を収納し、更に脱気処理
をした冷媒18を注入して、最後に上記開口部を封止す
れば良い。
【0078】袋36は、ベース4上でずれないように、
接着剤等を用いてベース4上に固定しておくのが好まし
い。
【0079】この実施例においても、先に図3および図
9の実施例で説明したのとほぼ同様の作用効果が得られ
る。
【0080】即ち、基板保持時に、袋36内の冷媒18
は等方的な圧力になるように自由に変形する。その結
果、冷媒18は基板2の面内で一様な厚みとなり、均一
な冷却能力を得ることができる。
【0081】また、袋36の表面は、基板2やベース4
の凹凸に応じた変形をするので、それらの面に対する接
触面積が大きく、従って大きい冷却能力が得られる。
【0082】しかも、基板2と袋36間にゴム状弾性体
22を挟むと、当該ゴム状弾性体22は基板2および袋
36の双方にうまく馴染むのでそれらの間の隙間が埋ま
って接触面積が増大し、それによって基板2と袋36間
の熱抵抗が減少して熱伝導が改善され、ひいては基板2
とベース4間の熱伝導が改善される。その結果、基板2
に対する冷却能力が向上する。
【0083】更に、袋36中に、即ち冷媒18中に金属
製の弾性部材24をほぼ一様に分布させると、金属は
冷媒18に比べて遙かに熱伝導率が高いので、そのよう
な金属の存在によって冷媒18部分全体としての熱伝導
率が向上する。しかも、基板2を袋36等に押さえ付
けると、上記金属製の弾性部材24は撓んでその上下の
面に、即ち袋36の上下面にそれぞれ直接接触するの
で、この金属製の弾性部材24を経由しての熱伝導が得
られる。このおよびの二つの作用によって、冷媒1
8部分の熱抵抗が減少して熱伝導が改善され、ひいては
基板2とベース4間の熱伝導が改善される。その結果、
基板2に対する冷却能力が向上する。
【0084】なお、上記実施例のようにゴム状弾性体2
2および弾性部材24の両方を設ける方が冷却能力の向
上は大きいが、いずれか一方だけを設けても良い。即
ち、弾性部材24を設けずにゴム状弾性体22だけを設
けても良い。その場合は、図1および図7の実施例に対
応する。この場合は、ゴム状弾性体22を設けたことに
よる前述した効果が得られる。また、ゴム状弾性体22
を設けずに弾性部材24だけを設けても良い。その場合
は、図2および図8の実施例に対応する。この場合は、
弾性部材24を設けたことによる前述した効果が得られ
る。
【0085】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0086】請求項1の基板保持装置によれば、冷媒を
密封するシート上に薄板状のゴム状弾性体を設け、これ
を基板とシート間に挟むようにしたので、ゴム状弾性体
は基板およびシートの双方にうまく馴染み、それらの間
の隙間が埋まって接触面積が増大し、それによって基板
とシート間の熱伝導が改善され、ひいては基板とベース
間の熱伝導が改善される。その結果、基板に対する冷却
能力が向上する。
【0087】請求項2の基板保持装置によれば、冷媒が
充満された密閉領域に、金属製の弾性部材をほぼ一様に
分布するように収納しており、金属は冷媒に比べて遙か
に熱伝導率が高いので、そのような金属の存在によって
冷媒部分全体としての熱伝導率が向上する。しかも、基
板をシート等に押さえ付けると、金属製の弾性部材は撓
んでその上下の面に、即ちシートの内面とベースの上面
にそれぞれ直接接触するので、この金属製の弾性部材を
経由しての熱伝導が得られる。このような二つの作用に
よって、冷媒部分の熱伝導が改善され、ひいては基板と
ベース間の熱伝導が改善される。その結果、基板に対す
る冷却能力が向上する。
【0088】請求項3の基板保持装置によれば、上記の
ようなゴム状弾性体を設けることと、金属製の弾性部材
を設けることを併用しているので、基板とシート間、
およびその下の冷媒部分、の両方の熱伝導が改善され
る。その結果、基板とベース間の熱伝導がより改善さ
れ、基板に対する冷却能力がより向上する。
【0089】請求項4の基板保持装置によれば、冷媒を
充満させた袋上に薄板状のゴム状弾性体を設け、これを
基板と袋間に挟むようにしたので、ゴム状弾性体は基板
および袋の双方にうまく馴染み、それらの間の隙間が埋
まって接触面積が増大し、それによって基板と袋間の熱
伝導が改善され、ひいては基板とベース間の熱伝導が改
善される。その結果、基板に対する冷却能力が向上す
る。
【0090】請求項5の基板保持装置によれば、冷媒が
充満された袋に、金属製の弾性部材をほぼ一様に分布す
るように収納しており、金属は冷媒に比べて遙かに熱伝
導率が高いので、そのような金属の存在によって冷媒部
分全体としての熱伝導率が向上する。しかも、基板を袋
等に押さえ付けると、金属製の弾性部材は撓んでその上
下の面に、即ち袋の上下面にそれぞれ直接接触するの
で、この金属製の弾性部材を経由しての熱伝導が得られ
る。このような二つの作用によって、冷媒部分の熱伝導
が改善され、ひいては基板とベース間の熱伝導が改善さ
れる。その結果、基板に対する冷却能力が向上する。
【0091】請求項6の基板保持装置によれば、上記の
ようなゴム状弾性体を設けることと、金属製の弾性部材
を設けることを併用しているので、基板と袋間、およ
びその中の冷媒部分、の両方の熱伝導が改善される。
その結果、基板とベース間の熱伝導がより改善され、基
板に対する冷却能力がより向上する。
【0092】請求項7の基板保持装置によれば、金属製
の弾性部材が、弾性を有する金属細線をコイル状に多数
回巻いて成るので、それを簡単に、前記密閉領域内また
は前記袋内にほぼ一様に分布させることができる。
【0093】請求項8の製造方法によれば、簡単に、ベ
ース上に密閉領域を形成してそこに冷媒を充満させるこ
とができる。
【0094】請求項9の製造方法によれば、簡単に、ベ
ース上に密閉領域を形成してそこに弾性部材を収納する
と共に冷媒を充満させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る基板保持装置を示す
断面図である。
【図2】この発明の他の実施例に係る基板保持装置を示
す断面図である。
【図3】この発明の更に他の実施例に係る基板保持装置
を示す断面図である。
【図4】図2および図3に示した実施例における弾性部
材の分布状況の一例を示す概略平面図である。
【図5】この発明に係る基板保持装置の製造方法の一例
を説明するための断面図である。
【図6】基板の温度上昇の測定結果の一例を示す図であ
る。
【図7】この発明の更に他の実施例に係る基板保持装置
を示す断面図である。
【図8】この発明の更に他の実施例に係る基板保持装置
を示す断面図である。
【図9】この発明の更に他の実施例に係る基板保持装置
を示す断面図である。
【図10】この発明に係る基板保持装置の製造方法の他
の例を説明するための断面図である。
【図11】基板の温度上昇の測定結果の他の例を示す図
である。
【図12】この発明の更に他の実施例に係る基板保持装
置を示す断面図である。
【図13】従来の基板保持装置の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 基板 4 ベース 10 凹部 12 シート 16 密閉領域 18 冷媒 20 基板押さえ 22 ゴム状弾性体 24 弾性部材 26 吸引口 28 注入口 36 袋
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/317 9508−2G H01L 21/265 21/3065 21/68 N

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースと、このベースの表面に張られて
    いて同ベースとの間に密閉領域を形成する柔軟性を有す
    るシートと、この密閉領域に充満された冷媒と、前記シ
    ート上に設けられた薄板状のゴム状弾性体と、このゴム
    状弾性体上に載置される基板の周縁部をベースに向けて
    押さえ付ける基板押さえとを備えることを特徴とする基
    板保持装置。
  2. 【請求項2】 ベースと、このベースの表面に張られて
    いて同ベースとの間に密閉領域を形成する柔軟性を有す
    るシートと、この密閉領域に充満された冷媒と、前記密
    閉領域にほぼ一様に分布するように収納された金属製の
    弾性部材と、前記シート上に載置される基板の周縁部を
    ベースに向けて押さえ付ける基板押さえとを備えること
    を特徴とする基板保持装置。
  3. 【請求項3】 ベースと、このベースの表面に張られて
    いて同ベースとの間に密閉領域を形成する柔軟性を有す
    るシートと、この密閉領域に充満された冷媒と、前記密
    閉領域にほぼ一様に分布するように収納された金属製の
    弾性部材と、前記シート上に設けられた薄板状のゴム状
    弾性体と、このゴム状弾性体上に載置される基板の周縁
    部をベースに向けて押さえ付ける基板押さえとを備える
    ことを特徴とする基板保持装置。
  4. 【請求項4】 ベースと、このベース上に設けられてい
    て柔軟性を有するシートから成る密閉された袋と、この
    袋内に充満された冷媒と、前記袋上に設けられた薄板状
    のゴム状弾性体と、このゴム状弾性体上に載置される基
    板の周縁部をベースに向けて押さえ付ける基板押さえと
    を備えることを特徴とする基板保持装置。
  5. 【請求項5】 ベースと、このベース上に設けられてい
    て柔軟性を有するシートから成る密閉された袋と、この
    袋内に充満された冷媒と、前記袋内にほぼ一様に分布す
    るように収納された金属製の弾性部材と、前記袋上に載
    置される基板の周縁部をベースに向けて押さえ付ける基
    板押さえとを備えることを特徴とする基板保持装置。
  6. 【請求項6】 ベースと、このベース上に設けられてい
    て柔軟性を有するシートから成る密閉された袋と、この
    袋内に充満された冷媒と、前記袋内にほぼ一様に分布す
    るように収納された金属製の弾性部材と、前記袋上に設
    けられた薄板状のゴム状弾性体と、このゴム状弾性体上
    に載置される基板の周縁部をベースに向けて押さえ付け
    る基板押さえとを備えることを特徴とする基板保持装
    置。
  7. 【請求項7】 前記弾性部材が、弾性を有する金属細線
    をコイル状に多数回巻いて成り、これを複数本ほぼ一様
    に並設していることを特徴とする請求項2、3、5また
    は6記載の基板保持装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の基板保持装置を製造す
    る際に、前記ベース上に前記シートを配置し、このシー
    トの周縁部を前記ベースに固着して内部に前記密閉領域
    を形成し、この密閉領域を前記ベースに設けた吸引口か
    ら真空引きしながら、予め脱気処理をした前記冷媒を密
    閉領域に前記ベースに設けた注入口から注入して同密閉
    領域に同冷媒を充満させ、その後この吸引口および注入
    口を閉じることを特徴とする基板保持装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項2または3に記載の基板保持装置
    を製造する際に、前記ベース上に前記弾性部材を配置
    し、この弾性部材を前記シートで覆い、このシートの周
    縁部を前記ベースに固着して内部に前記密閉領域を形成
    し、この密閉領域を前記ベースに設けた吸引口から真空
    引きしながら、予め脱気処理をした前記冷媒を密閉領域
    に前記ベースに設けた注入口から注入して同密閉領域に
    同冷媒を充満させ、その後この吸引口および注入口を閉
    じることを特徴とする基板保持装置の製造方法。
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