JP2003309167A - 基板保持装置 - Google Patents

基板保持装置

Info

Publication number
JP2003309167A
JP2003309167A JP2002113344A JP2002113344A JP2003309167A JP 2003309167 A JP2003309167 A JP 2003309167A JP 2002113344 A JP2002113344 A JP 2002113344A JP 2002113344 A JP2002113344 A JP 2002113344A JP 2003309167 A JP2003309167 A JP 2003309167A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
film
cooling plate
holding device
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002113344A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Oya
克典 大矢
Hiroto Yamaguchi
裕人 山口
Atsushi Koike
淳 小池
Masahiro Kanai
正博 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002113344A priority Critical patent/JP2003309167A/ja
Publication of JP2003309167A publication Critical patent/JP2003309167A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の導電性または絶縁性を問わず、基板に
対して大きな冷却効果が得られる基板保持装置を提供す
る。 【解決手段】 真空雰囲気中で被処理物である基板2を
保持する基板保持装置であって、基板2を冷却するため
の冷却板4と、冷却板4上に配置され、基板2が搭載さ
れるフィルム3と、冷却板4とフィルム3との間に形成
される密封空間5に冷却媒体である気体8を密封するシ
ール手段とを有する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、イオン注
入装置、スパッタリング装置、ドライエッチング装置、
電子ビーム照射装置などにおいて、真空中またはその他
の雰囲気中でイオンビーム、プラズマ、電子ビーム等の
エネルギーを有する粒子が照射される基板を保持するた
めに用いられる基板保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板、液晶ディスプレイ用ガラス
基板等の基板表面にイオン注入、エッチング等の処理を
する際、基板に照射されるイオンビームやプラズマ等の
エネルギーによる基板の温度上昇を抑えるために、冷却
板を備えた基板保持装置が提案されている。
【0003】従来の基板保持装置には、基板を搭載する
ための面を有する、熱伝導率の高い材質である金属によ
る冷却板を備えたものが知られている。この基板保持装
置に備えた冷却板上に基板を載せて上記処理を行うと、
基板から冷却板へこれらの接触面を介して熱が伝達し、
基板の温度上昇を抑制することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した基板
保持装置では、基板および冷却板が互いに変形しにくい
剛体であるため、微視的に見ると基板と冷却板とが点接
触になっており、基板と冷却板との接触面積が小さく、
基板を十分に冷却することができないという問題があっ
た。
【0005】さらに、基板が熱処理により熱変形する
と、基板と冷却板との間に隙間ができて上記接触面積が
極端に小さくなり、真空中で上述した処理が行われた場
合に基板と冷却板との接触熱伝達が著しく損なわれると
いう問題があった。
【0006】このような問題に対処するため、従来の基
板保持装置では、基板と冷却板との間にゴム状弾性体を
挟むことで基板と冷却板との接触面積を大きくする方法
が提案されている。なお、このゴム状弾性体には、基板
の裏面で硬化する硬化性シリコンゴムやシート状のシリ
コンゴムなどが使用される。
【0007】しかし、前者の硬化性シリコンゴムは長期
間高い熱伝導率特性を維持するが、基板裏面の凹凸に応
じて変形して固まるため、繰り返しの使用ができないと
いう問題がある。また、後者のシート状のシリコンゴム
は上記接触面積を増やすために柔らかいシリコンゴムが
用いられ、その結果基板の変形を吸収するために厚いシ
ートが必要とされるため、かえって冷却効果が悪化する
という問題がある。
【0008】また、上記接触面積を大きくするための別
の基板保持装置として、基板を静電力により冷却板に吸
着させる静電チャックが提案され実施されている。この
静電チャックを用いた装置では、基板裏面を冷却板表面
に形成された誘電体膜に吸着させるため上記接触面積が
大きくなり、十分な冷却効果が得られる。
【0009】しかし、基板は誘電体膜に蓄えられた電荷
と基板裏面近傍で分極した電荷との静電力によって誘電
体膜に吸着しているため、基板を冷却板から引き剥がす
際に、誘電体膜に蓄えられた電荷を取り除くための時間
が長くかかり、イオン注入、エッチング等の装置の処理
能力が低下するという弊害が生じる。また、基板がSi
ウェハのように導電性を有するものであれば上記静電力
による吸着力が発生するが、ガラスのように絶縁性を有
するものであると静電力が生じないため、基板を誘電体
膜に吸着できないという問題が生じる。
【0010】したがって、従来の基板保持装置では基板
と冷却板との間の接触面積が小さいため十分な冷却効果
を得られないという課題があり、また、この課題を解決
しようとすると別の問題が新たに発生する。
【0011】本発明は上記従来技術の課題を解決するた
めになされたものであり、基板の導電性または絶縁性を
問わず、基板に対して大きな冷却効果が得られる基板保
持装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の基板保持装置は、真空雰囲気中で被処理物で
ある基板を保持する基板保持装置であって、前記基板を
冷却するための冷却板と、前記冷却板上に配置され、前
記基板が搭載されるフィルムと、前記冷却板と前記フィ
ルムとの間に形成される密封空間に冷却媒体である気体
を密封するシール手段と、を有する構成である。
【0013】この場合、気体の圧力は密封空間内で粘性
流となる範囲であってもよい。
【0014】また、冷却板とフィルムとの間の距離は
0.5mm以下であってもよく、フィルムは金属であっ
てもよい。
【0015】上記いずれにおいても、基板をフィルム上
に圧接する、前記基板の外周形状に対応した枠状の基板
押えを有する構成であってもよく、基板をフィルム上に
圧接する、格子状の基板押えを有する構成であってもよ
い。
【0016】(作用)本発明の基板保持装置は、冷却板
とフィルムとの間に形成される密封空間に冷却媒体であ
る気体が密封され、さらにフィルムに基板が搭載されて
いるため、基板の熱がフィルムおよび気体を介して冷却
板に伝達し、基板の冷却効果が得られる。また、真空雰
囲気と気体との差圧によりフィルムが膨張するため、フ
ィルムと基板との接触面積が大きくなる。
【0017】また、本発明の基板保持装置は、冷却媒体
となる気体の圧力が密封空間内で粘性流となる範囲であ
るため、気体が連続的な媒質としての性質を持ち、気体
が熱をより伝達しやすい媒体となる。
【0018】特に、密封空間内の気体の圧力を粘性流と
なる範囲とすることで、その圧力により冷却板とフィル
ムとの間の距離が大きくなるが、この距離を0.5mm
以下に抑えることで、距離の増大による熱伝達効率の低
下を防止する。
【0019】また、本発明の基板保持装置は、フィルム
が熱伝導率の高い材質である金属であるため、基板と密
封空間との間の熱伝達効率が向上する。
【0020】また、本発明の基板保持装置は、基板の外
周形状に対応した枠状の基板押えを有し、この基板押え
が基板をフィルム上に圧接するので、フィルムが膨張す
るとフィルムが基板に十分に接触する。
【0021】さらに、本発明の基板保持装置は、基板を
フィルム上に圧接する格子状の基板押えを有するので、
フィルムが膨張すると基板のたわみ量を抑制する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明による基板保持装置は、基
板と冷却板との間にフィルムを介在させ、そのフィルム
を基板裏面に押し付けることにより大きな接触面積が得
られることを特徴とする。
【0023】まず、本発明の基板保持装置について図面
を用いて詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の基板保持装置の一実施例
を示す断面図である。
【0025】図1に示すように、基板保持装置1は、基
板2を搭載する面を有するフィルム3と、基板2の温度
上昇を抑制するための冷却板4と、基板2をフィルム3
上に圧接する基板押え9と、フィルム3と冷却板4との
間に形成される密封空間5と、密封空間5の内部を真空
排気するための排気手段6と、密封空間5に気体8を導
入するための気体導入手段7とを有する構成である。
【0026】冷却板4は内部に冷却水11を流すための
配管を備えており、冷却板4の表面温度は冷却水11に
より常温に保持されている。
【0027】密封空間5の周囲に位置する冷却板周辺部
4a表面には溝部4bが設けられ、この溝部4bにはフ
ィルム3と冷却板周辺部4aとにより図の上下方向から
挟まれるO−リング10を備えている。フィルム3と冷
却板4との間に形成される密封空間5は、その周囲を枠
部13がフィルム3を冷却板4に押し付けて上記O−リ
ング10でシールすることにより気密が維持される。な
お、密封空間5の気密を維持するためのシール手段とし
て、ここではフィルム3と冷却板周辺部4aとの間にO
−リング10を挟み枠部13がフィルム3を押し付ける
構成を示しているが、密封空間5の周囲でフィルム3と
冷却板周辺部4aとを、例えば、接着、融着、溶接し
て、固着した構成にしてもよい。
【0028】また、図1ではフィルム3の上から枠部1
3が組み付けられる構成を示しているが、密封空間5は
フィルム3裏面と冷却板4との間に形成されればよいの
で、塊状の材料からフィルム3および枠部13が残るよ
うにフィルム3と枠部13とを一体部品に加工し、加工
した一体部品と図に示した冷却板4とをO−リング10
を間に挟んで組み立てて密封空間5が形成されるように
してもよい。密封空間5を形成するためのフィルム3と
冷却板4との組み立て方法については特に制限はない。
【0029】さらに、図1では冷却板4の表面に設けら
れた凹部に密封空間5が形成される構成を示している
が、表面が平坦な冷却板4上にフィルム3が組み付けら
れる構成にしても、冷却板4とフィルム3との間に生じ
るすき間を排気手段6で真空排気可能に、かつ、このす
き間に気体導入手段7で気体8を導入可能に構成されて
いればよい。
【0030】密封空間5に封入する気体8は熱伝導率の
高い気体が好適であり、例えば、ヘリウムが利用可能で
ある。また、密封空間5に封入する気体8の圧力は、密
封空間5の気体が連続的な媒質としての性質を持つ粘性
流であることを維持し、かつフィルム3を基板2裏面に
十分に押し付けることを維持する程度でよい。なお、密
封空間5に封入した気体8を粘性流に維持するのは、粘
性流である気体8が熱をより伝達しやすい媒体となり、
密封空間5内の気体8に十分な熱伝達効率が得られるか
らである。
【0031】ここで、密封空間5に封入した気体8が粘
性流になるかどうかはフィルム3と冷却板4との間の距
離であるギャップ、および気体8の圧力に依存し、密封
空間5内の気体8が粘性流であるためには、上記ギャッ
プが小さくなるほど気体8の圧力を高くしなければなら
ない。気体8がヘリウムの場合、その圧力が2660Pa程度
あれば十分である。また、気体8を冷却媒体として熱伝
達効率を向上させるためには上記ギャップは小さいほど
よく、0.5mm以下であれば上記ギャップの増大による熱
伝達効率の低下を防止し、十分な熱伝達効率が得られ
る。
【0032】なお、上記ギャップは、フィルム3および
基板2のたわみで表わされるため、フィルム3および基
板2についての強度、大きさ、厚みからなる機械的特性
と、密封空間5内の気体8の圧力とに依存する。したが
って、基板2を搭載した基板保持装置1を真空容器に設
置して真空容器内を減圧すると、密封空間5に封入され
た気体8が、真空容器内との圧力差によりフィルム3お
よび基板2をたわませる。密封空間5はフィルム3の周
囲で上述したシール手段により密封されており、たわみ
量は周囲固定のフィルム3に対する気体8の圧力と真空
容器内圧力との圧力差による等分布荷重により計算され
る。したがって、上記圧力差が大きいほどたわみ量は増
加する。
【0033】上記圧力差による基板2裏面へのフィルム
3の押し付け力は5000Pa程度が好適であり、基板2とフ
ィルム3との十分な接触により十分な熱伝達が得られ
る。なお、この押し付け力は基板2のたわみ量で計算さ
れる。
【0034】本発明においては、密封空間5内の気体8
が粘性流であるためには、密封空間5に封入する気体8
の圧力は5000Paより大きい値に設定すればよい。また、
ギャップ間での十分な熱伝達効率を得るためには、最大
たわみ量が0.5mm以下になるように設定すればよい。さ
らに、基板2裏面とフィルム3とに十分な接触を得るた
めには、基板2裏面へのフィルム3の押し付け力が5000
Paより大きくなるように設定すればよい。
【0035】また、たわみ量はフィルム3および基板2
の上記機械的特性に依存するため、基板2の機械的特性
にあわせてフィルム3の材質、厚みを変更し、気体8の
圧力の設定とは別にたわみ量を制御することが可能であ
る。
【0036】フィルム3の材質はフッ素樹脂やポリイミ
ドなどからなる樹脂フィルムでもよいが、金属フィルム
の方が熱伝導率、機械的強度および耐熱性が高いので好
適である。金属フィルムは、樹脂フィルムと比べて、熱
伝導率が高いのでフィルムの熱伝達効率を向上させ、機
械的強度および耐熱性が高いので耐久性に優れている。
また、フィルム3の表面性状は基板2との接触面積を増
やすため滑らかな方が好適である。
【0037】次に、基板押え9の構成について説明す
る。
【0038】図1には基板押え9の一実施例の断面構造
が示されている。図に示す基板押え9は、その平面形状
が基板2の外周形状に対応した枠状のものである。図に
示す基板押え9に基板2をフィルム3上に圧接させるこ
とにより、フィルム3が膨張したときフィルム3が基板
2裏面に十分に接触し、基板2とフィルム3との間に十
分な熱伝達効率が得られる。また、基板押えは、基板2
を圧接する格子状のものも好適である。この格子状の基
板押えに基板2をフィルム3上に圧接させることによ
り、フィルム3が膨張したとき基板押えが基板2のたわ
み量を抑制し、密封空間5内の気体8を媒体とする熱伝
達効率の低下が防げる。なお、中央付近に穴部を有する
ドーナッツ状の基板に対しては、穴部および外周の形状
に対応した枠状の基板押えも好適である。
【0039】また、基板押え9も基板2と同様にイオン
またはプラズマ等が照射されるため、基板押え9の温度
が上昇する。温度上昇した基板押え9から熱を枠部13
を介して冷却板4に伝達させるためには、基板押え9も
熱伝導率の高い材質、例えば、アルミニウムなどの金属
が好適である。さらに、基板2の破損を防ぐため基板2
を押える面に伝熱性の高い樹脂シートを設けることも好
適である。
【0040】なお、被処理物である基板2の材質は、絶
縁性のガラス、ポリカーボネート等の樹脂、SiやGa
As等の半導体等である。
【0041】また、基板2に対する処理には、例えば、
イオン注入、イオンドーピング、イオンビーム照射、プ
ラズマエッチング、スパッタエッチング、イオンビーム
エッチング、電子ビーム照射などがある。その際のイオ
ンおよびプラズマの種類に特に制限はない。
【0042】次に、上記構成による基板保持装置1の作
用について説明する。なお、以下においては、基板保持
装置1をイオン注入やエッチング等の処理のための基板
処理装置に設置した場合について説明する。
【0043】図2は、本発明の基板保持装置1を設置し
た基板処理装置の要部構成を示す断面図である。
【0044】基板処理装置は、基板2を処理するための
真空容器14に、本発明の基板保持装置1と、基板2に
照射するイオンビームやプラズマ等を発生するためのイ
オン源15とを備えた構成である。
【0045】減圧した真空容器14内では、フィルム3
は密封空間5に封入された気体8の圧力により膨張す
る。基板押え9が基板2の外周形状に対応して枠状に基
板2をフィルム3に押し付けているため、膨張したフィ
ルム3が基板裏面に密着し、フィルム3と基板裏面とに
大きな接触面積が得られる。
【0046】イオン源15で発生させたイオンビームや
プラズマ等を基板2の表面に照射する処理により基板2
の温度が上昇すると、基板2の熱がフィルム3および気
体8を介して冷却板4に伝達する。
【0047】本発明の基板保持装置によれば、膨張した
フィルム3が基板裏面に密着して大きな接触面積が得ら
れるため、フィルム3および冷却板4の高い熱伝達効率
を維持でき、基板の効率的な冷却効果が得られる。
【0048】また、フィルム3の厚み、および気体8の
圧力を基板2の機械的特性に合わせて制御することによ
り、フィルム3と冷却板4とが形成するギャップが所定
の距離以下に保たれ、気体8を媒体にして効率的な熱伝
達が可能であり、かつ基板の効率的な冷却が可能であ
る。
【0049】なお、図1に示した基板保持装置1では冷
却板4が真空容器14に固定される構成であるが、真空
容器14への取付けおよび真空容器14からの取外しが
可能な構成の基板保持装置1も好適である。
【0050】図3は、真空容器14への取付けおよび真
空容器14からの取外しが可能な基板保持装置1の構成
を示す断面図である。
【0051】図1に示した構成の場合、密封空間内を排
気手段6により真空排気した後、密封空間5に気体導入
手段7により気体8を所定の圧力まで導入すればよい
が、図3に示す構成の場合では、気体8を密封空間5に
導入した後、図に示す導入バルブ12bを閉めて密封空
間5に気体8を密封し、図3に示さない排気手段および
気体導入手段を取り外すようにしている。この図3の構
成により基板2を搭載した基板保持装置1自体の搬送を
可能としている。
【0052】また、図1に示した冷却水11などの冷却
手段を冷却板4側に設ける代わりに真空容器14側に備
え、真空容器14の基板保持装置1の取付け位置を上記
冷却手段を用いて常温に保持するようにしてもよい。こ
の場合、図に示す基板保持装置1を搬送して基板処理装
置の真空容器14に取付けることにより、基板保持装置
1に備えた冷却板4を常温に保持することができる。ま
た、基板保持装置1の取付け位置に熱伝導率の高いゴム
状弾性体を貼り付けて、熱伝達効率を上げるのも好適で
あり、その際の冷却板4の冷却手段に特に制限はない。
また、冷却板4の材質は熱伝導率の高い金属を使用する
のが好適である。
【0053】
【実施例】次に、本発明の基板保持装置1の実施例につ
いて説明する。以下では、本発明の基板保持装置1を図
2に示した基板処理装置に設置し、基板に表面処理をし
た場合を例にして説明する。
【0054】(実施例1)実施例1では、図1に示した
基板保持装置1を適用した適用事例1と、この適用事例
1の効果を確認するための比較例1とにおいて、基板温
度を測定したので、その結果について検討する。
【0055】まず、適用事例1の条件について説明す
る。適用事例1は、図1に示した基板保持装置1を用
い、図2に示したような構成で基板2に表面処理を施す
例である。基板2表面に施す処理はイオンビーム照射で
あり、このときの条件は以下の通りである。 基板2:材質 コーニング社製ガラス7059 寸法 300mm×300mm×1.1mm 基板2表面 アルミニウム膜1μm フィルム3:材質 アルミニウム 寸法 340mm×340mm×0.1mm 冷却板4:材質 アルミニウム 導入気体8:ヘリウム 密封空間5圧力:7500Pa 冷却板温度:常温 イオンビーム:アルゴン 基板2への投入パワー:0.5W/cm2 基板温度測定:基板2裏面に熱電対を接触させ計測 次に、比較例1の条件について説明する。比較例1の条
件は上述した適用事例1の条件のうち導入気体8および
密封空間5圧力を除いて他は同じなため、導入気体8お
よび密封空間5圧力の条件についてのみ以下に示す。導
入気体8:なし密封空間5圧力:100Pa次に、基板温度
測定結果について、適用事例1と比較例1とを比較す
る。
【0056】図4は、適用事例1と比較例1の基板温度
測定結果を示すグラフである。図に示すように適用事例
1では飽和基板温度が100℃以下であった。また、比較
例1では飽和基板温度が200℃近くとなった。
【0057】適用事例1に対し、比較例1では密封空間
5にヘリウムを封入しておらず、密封空間5は真空容器
14内の圧力に近い圧力である。したがって、比較例1
では、基板2に対してフィルム3の押し付け力がないの
で、基板2とフィルム3との接触面積が小さく、かつフ
ィルム3と冷却板4との間に冷却媒体となるヘリウムが
ないため、基板2と冷却板4との熱伝達効率が悪く基板
温度が上昇した。
【0058】これに対して、本発明の基板保持装置1を
適用した適用事例1では、基板2に対してフィルム3が
冷却媒体となるヘリウムの圧力により押し付けられ、か
つフィルム3と冷却板4とのギャップがヘリウムの効率
的な熱伝達が可能な距離であるため、基板温度の上昇を
抑えられた。
【0059】(実施例2)実施例2では、図3に示した
基板保持装置1を適用した適用事例2と、この適用事例
2の効果を確認するための比較例2とにおいて、基板温
度を測定したので、その結果について検討する。
【0060】まず、適用事例2の条件について説明す
る。適用事例2は、図3に示した基板保持装置1を用
い、図2に示したような構成で基板2に表面処理を施す
例である。基板2表面に施す処理はイオンビーム照射で
あり、このときの条件は適用事例1と同様の条件であ
る。
【0061】次に、比較例2の条件について説明する。
比較例2は、図3に示した基板保持装置1で、図2に示
したような構成で基板2に表面処理を施し、このときの
条件は比較例1と同様の条件である。
【0062】次に、基板温度測定結果について、適用事
例2と比較例2とを比較する。
【0063】図5は、適用事例2と比較例2の基板温度
測定結果を示すグラフである。図に示すように適用事例
2では飽和基板温度が100℃以下であった。また、比較
例2では飽和基板温度が200℃程度となった。
【0064】適用事例2に対し、比較例2では密封空間
5にヘリウムを封入しておらず、密封空間5は真空容器
14の圧力に近い圧力である。したがって、比較例2で
は基板2に対してフィルム3の押し付け力がないので、
基板2とフィルム3との接触面積が小さく、かつフィル
ム3と冷却板4との間に冷却媒体となるヘリウムがない
ため、基板2と冷却板4との熱伝達効率が悪く基板温度
が上昇した。
【0065】これに対して、本発明の基板保持装置1を
適用した適用事例2では基板2に対してフィルム3が冷
却媒体となるヘリウムの圧力により押し付けられ、かつ
フィルム3と冷却板4とのギャップがヘリウムの効率的
な熱伝達が可能な距離であるため、基板温度の上昇を抑
えられた。
【0066】また、図3に示した基板保持装置1が、真
空容器14への取付けおよび真空容器14からの取外し
が可能な構成であるため、基板保持装置1自体の搬送を
可能とし、搬送工程を含めた基板処理工程の処理能力の
向上が可能である。
【0067】なお、上記適用事例2において、フィルム
3の厚みと密封空間5の圧力とを変化させ、他の条件は
変えずに基板温度を測定したので、その結果について以
下に説明する。
【0068】図6は、適用事例2において、フィルム3
の厚みと密封空間5の圧力とを変化させたときの飽和基
板温度測定結果を示す表である。
【0069】図6に示すようにフィルム3の厚みと密封
空間5の圧力とを変化させることにより、基板温度は変
化し、適用事例2の構成ではフィルム3の厚みは0.05〜
0.1mm程度でよく、さらに気体8の圧力は7500Pa程度が
適当である。
【0070】なお、上述したように基板の機械的特性に
よってフィルム3の厚みおよび気体8の圧力は最大たわ
み量の計算により適宜設定されるため、本発明は本適用
事例の数値に限定されるものではない。
【0071】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0072】本発明の基板保持装置は、冷却板とフィル
ムとの間に形成される密封空間に冷却媒体である気体が
密封され、さらにフィルムに基板が搭載されているた
め、基板の熱がフィルムおよび気体を介して冷却板に伝
達し、基板への冷却効果が得られる。また、真空雰囲気
と気体との差圧によりフィルムが膨張するため、フィル
ムと基板との接触面積が大きくなり、基板とフィルムと
の間の熱伝達効率が向上する。
【0073】したがって、本発明においては、静電チャ
ックまたはゴム状弾性体を必要とすることなく基板から
冷却板への熱伝達効率が高く、効率的な基板の冷却が可
能である。また、基板は導電性、絶縁性を問わず冷却可
能である。この結果として、イオン注入装置、スパッタ
リング装置、ドライエッチング装置、電子ビーム照射装
置などのように、真空中またはその他の雰囲気中で基板
にイオンビーム、プラズマ、電子ビーム等のエネルギー
を有する粒子を照射する場合において、基板の温度上昇
を抑えながら基板処理可能な基板保持装置を提供でき
る。
【0074】さらに、本発明の基板保持装置自体が、真
空容器への取付けおよび真空容器からの取外しが可能な
構成であるため、基板保持装置を搬送工程に容易に取り
込め、基板処理工程の処理能力の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板保持装置の一実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明の基板保持装置を設置した基板処理装置
の要部構成を示す断面図である。
【図3】真空容器への取付けおよび真空容器からの取外
しが可能な本発明の基板保持装置の形態を示す断面図で
ある。
【図4】本発明において基板温度の上昇を抑制した適用
事例1の測定結果を示すグラフである。
【図5】本発明において基板温度の上昇を抑制した適用
事例2の測定結果を示すグラフである。
【図6】本発明においてフィルムの厚みおよび密封空間
の圧力を変化させたときの基板温度測定結果を示す表で
ある。
【符号の説明】
1 基板保持装置 2 基板 3 フィルム 4 冷却板 4a 冷却板周辺部 4b 溝部 5 密封空間 6 排気手段 7 気体導入手段 8 気体 9 基板押え 10 O−リング 11 冷却水 12a 排気バルブ 12b 導入バルブ 13 枠部 14 真空容器 15 イオン源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金井 正博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA06 AA09 AA24 CA05 CA10 JA01 JA06 5F031 CA02 CA04 CA05 HA02 HA03 HA23 HA38 MA31 MA32 PA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空雰囲気中で被処理物である基板を保
    持する基板保持装置であって、 前記基板を冷却するための冷却板と、 前記冷却板上に配置され、前記基板が搭載されるフィル
    ムと、 前記冷却板と前記フィルムとの間に形成される密封空間
    に冷却媒体である気体を密封するシール手段と、を有す
    ることを特徴とする基板保持装置。
  2. 【請求項2】 気体の圧力は、 密封空間内で粘性流となる範囲であることを特徴とする
    請求項1記載の基板保持装置。
  3. 【請求項3】 冷却板とフィルムとの間の距離は、 0.5mm以下であることを特徴とする請求項2記載の
    基板保持装置。
  4. 【請求項4】 フィルムは、 金属であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    いずれか1項記載の基板保持装置。
  5. 【請求項5】 基板をフィルム上に圧接する、前記基板
    の外周形状に対応した枠状の基板押えを有することを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の
    基板保持装置。
  6. 【請求項6】 基板をフィルム上に圧接する、格子状の
    基板押えを有することを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいずれか1項記載の基板保持装置。
JP2002113344A 2002-04-16 2002-04-16 基板保持装置 Pending JP2003309167A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002113344A JP2003309167A (ja) 2002-04-16 2002-04-16 基板保持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002113344A JP2003309167A (ja) 2002-04-16 2002-04-16 基板保持装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003309167A true JP2003309167A (ja) 2003-10-31

Family

ID=29395556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002113344A Pending JP2003309167A (ja) 2002-04-16 2002-04-16 基板保持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003309167A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005285576A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Mitsubishi-Hitachi Metals Machinery Inc インライン式有機エレクトロルミネセンス製造装置
WO2009118888A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 キヤノンアネルバ株式会社 真空処理装置、当該真空処理装置を用いた画像表示装置の製造方法及び当該真空処理装置により製造される電子装置
CN103887136A (zh) * 2012-12-20 2014-06-25 上海华虹宏力半导体制造有限公司 一种适用于金属干法刻蚀半导体设备的刻蚀腔室
CN106399936A (zh) * 2016-12-09 2017-02-15 京东方科技集团股份有限公司 一种蒸镀设备及蒸镀方法
CN110911316A (zh) * 2019-12-04 2020-03-24 宁波江丰电子材料股份有限公司 一种复合型冷却水盘及其制作方法和用途
JP7432354B2 (ja) 2019-12-19 2024-02-16 東京エレクトロン株式会社 熱処理装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005285576A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Mitsubishi-Hitachi Metals Machinery Inc インライン式有機エレクトロルミネセンス製造装置
WO2009118888A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 キヤノンアネルバ株式会社 真空処理装置、当該真空処理装置を用いた画像表示装置の製造方法及び当該真空処理装置により製造される電子装置
CN103887136A (zh) * 2012-12-20 2014-06-25 上海华虹宏力半导体制造有限公司 一种适用于金属干法刻蚀半导体设备的刻蚀腔室
CN106399936A (zh) * 2016-12-09 2017-02-15 京东方科技集团股份有限公司 一种蒸镀设备及蒸镀方法
CN106399936B (zh) * 2016-12-09 2018-12-21 京东方科技集团股份有限公司 一种蒸镀设备及蒸镀方法
CN110911316A (zh) * 2019-12-04 2020-03-24 宁波江丰电子材料股份有限公司 一种复合型冷却水盘及其制作方法和用途
JP7432354B2 (ja) 2019-12-19 2024-02-16 東京エレクトロン株式会社 熱処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101910670B1 (ko) 플라즈마 처리 장치
JP6296299B2 (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP5544907B2 (ja) ガスシャワー用の構造体及び基板処理装置
CN1253286C (zh) 静电吸附台和基底处理装置
US7655579B2 (en) Method for improving heat transfer of a focus ring to a target substrate mounting device
JPH09326385A (ja) 基板冷却方法
JP5762798B2 (ja) 天井電極板及び基板処理載置
KR20220146554A (ko) Esc 본딩 접착제 부식을 방지하기 위한 방법들 및 장치
JP2012146743A (ja) 基板処理装置
JP2003309168A (ja) 静電吸着ホルダー及び基板処理装置
JPH10223621A (ja) 真空処理装置
JP2016051876A (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
TW200818311A (en) Heat conductive structure and substrate treatment apparatus
JP2001127041A (ja) 基板のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP2003309167A (ja) 基板保持装置
JPS62193141A (ja) ウエハ−保持機構
JPH0790582A (ja) 基板保持装置
JP2018117128A (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP3045259B2 (ja) プラズマ装置
JP2008244155A (ja) 真空内基板の加熱冷却方法および加熱冷却装置
JP3598227B2 (ja) プラズマ処理装置及び方法
JPS61264649A (ja) 基板冷却装置
JPH10303185A (ja) エッチング装置及びエッチング方法
JPH0670984B2 (ja) 試料の温度制御方法及び装置
CN112542415B (zh) 晶圆处理装置及半导体加工站