JPH081557U - オフセット印刷機のための湿し及びインキ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 版胴５に配属された多数のインキ着けローラ
のうちの、版胴の回転方向で見て第１のインキ着けロー
ラ６と第２のインキ着けローラ７とがインキならしロー
ラ９を介して互いに接続されており、湿し液容器１３内
に水元ローラ１２が配置されており、さらに調量ローラ
１１が設けられていて、該調量ローラが、水元ローラに
当てつけられていてしかもインキ着けローラに当てつけ
可能に支えられている、オフセット印刷機のための湿し
及びインキ装置を改良して、簡単な手段で、幅の狭い帯
状の被印刷材料にもまた小さいサイズの枚葉紙を処理す
る場合でも、インキのエマルションを形成する湿し媒体
の溜まりを避けることができ、ゴースト及びドクター筋
を最小限に押えることができるように構成する。 【解決手段】 第１のインキ着けローラ６に、別の湿し
ローラ１４が配属されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、オフセット印刷機のための湿し及びインキ装置であって、版胴に配 属された多数のインキ着けローラを有しており、これらのインキ着けローラのう ちの、版胴の回転方向で見て第１のインキ着けローラと第２のインキ着けローラ とがインキならしローラを介して互いに接続されており、湿し液容器内に水元ロ ーラが配置されており、さらに調量ローラが設けられていて、該調量ローラが、 水元ローラに当てつけられていてしかもインキ着けローラに当てつけ可能に支え られている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

このような形式の公知の湿し及びインキ装置においては、版胴の回転方向で見 て第１のインキ着けローラがそれぞれ異なる量のインキ着けを行う際に湿し媒体 が供給され、第１のインキ着けローラと横振りローラとの接触によって常にイン キと湿し媒体とが版板に伝達されてしばしばゴーストが生じることになるという 欠点がある。

【０００３】 ドイツ連邦共和国特許第３１４６２２３号明細書に開示された、オフセット印 刷機のための湿し及びインキ装置においては、版胴に全部で５つのインキ着けロ ーラが配属されており、版胴の回転方向で見て第１及び第２のインキ着けローラ が中間ローラを介して接続されていて、湿し装置が第１ののインキ着けローラと 協働するようになっている。この公知の構造においては、多数のインキ着けロー ラが設けられているためにコストが高く、不都合である。

【０００４】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第２９３２１０５号明細書によれば、版胴の回 転方向で見て第１のインキ着けローラと、このインキ着けローラと協働するイン キならしローラと、湿し液容器内に侵入する水元ローラとが、別個のフレームに 支えられている。別個のフレーム対を旋回させることによって、インキならしロ ーラは第２のインキ着けローラに当てつけられるか、又はこのインキ着けローラ から引き離される。このような構造は、所定の課題を処理するために湿し装置と インキ装置とを分離させることができるが、構造上のコストが非常に高価になる 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案の課題は、湿し媒体にアルコール添加剤を入れて作業する湿し及 びインキ装置を改良して、簡単な手段で、幅の狭い帯状の被印刷材料にもまた小 さいサイズの枚葉紙を処理する場合でも、インキのエマルションを形成する湿し 媒体の溜まりを避けることができ、ゴースト及びドクター筋を最小限に押えるこ とができるように構成することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この課題を課題した本考案によれば、第１のインキ着けローラに、別の湿しロ ーラが配属されている。

【０００７】

【考案の効果】

インキ着けローラは、インキならしローラから引き離されたこの第２の位置で は、版胴の版板に湿し媒体を着けるだけなので、ゴーストの形成は少なく、事実 上ドクタ筋は生じない。インキ着けローラがインキならしローラと接触している 第１の位置では、小さいサイズの枚葉紙も部分的に幅の広い帯状の被印刷材料も 、湿し媒体が溜まることなしに処理することができるので、インキ着けローラを インキならしローラに当てつけ及び引き離すことによって簡単な手段で、特別な 印刷作業に応じた切換を行うことができる。

【０００８】 第１のインキ着けローラに、別の湿しローラが配属されているので、この付加 的な別の湿しローラによって、第１のインキ着けローラの外周に施された湿し媒 体膜を最適な状態に均すことができるようになっている。

【０００９】 本考案の別の特徴によれば、当てつけ及び引き離し可能な湿しローラがクロム 周面を備えており、第１のインキ着けローラにおける湿し液膜が付加的に均され る。また、第１のインキ着けローラ及び湿しローラがレバー対で支えられている ことによって、簡単な形式で調節することができる安定した正確な支持が得られ る。

【００１０】

【考案の実施の形態】

次に本考案の実施の形態を図示の実施例について具体的に説明する。

【００１１】 図１によれば、印刷装置２のサイドフレーム１間に、圧胴３、ゴム胴４及び版 胴５が配置されている。版胴５には、インキ着けローラ６、７，８が配属されて おり、これらのインキ着けローラのうちのインキ着けローラ６，７がインキなら しローラ９を介して互いに接続されている。インキ着けローラ６〜８には公知形 式でインキ装置１０を介して必要なインキが供給される。

【００１２】 版胴５の回転方向で見て第１のインキ着けローラ６には調量ローラ１１が配属 されており、この調量ローラ１１はインキ着けローラ６に当てつけ可能に支持さ れている。調量ローラ１１には水元ローラ１２を介して、湿し液容器１３内に収 容された湿し媒体が供給される。クロム周面を備えた別の湿しローラ１４は第１ のインキ着けローラ６に当てつけ及び引き離し可能である。このような形式の印 刷装置２は枚葉紙又は紙匹１５に印刷するために使用される。

【００１３】 図２には湿し装置１６が示されており、この湿し装置１６おいては、調量ロー ラ１１と水元ローラ１２とが回転ピン１７を中心にして旋回可能に支えられてい る。旋回は圧力媒体によって負荷されるシリンダ１８によって行われる。調量ロ ーラ１１はこれを旋回させることによって第１のインキ着けローラ６に当てつけ 若しくは引き離される。これによって例えば印刷作業の実施及び中断が行われる 。調量ローラ１１及びインキ着けローラ１２を収容するための側部１９は印刷装 置２のサイドフレーム１の間で両側に配置されている。インキ着けローラ６は、 両側でレバー対２０に旋回可能に支えられているので、まず印刷実施及び中断を 行うために版胴５に当てつけ及び引き離される。偏心的に構成された旋回ピン２ １及びこの旋回ピン２１に接続されたレバー２２を介して、偏心的な旋回ピン２ １は、圧力媒体負荷されるシリンダ２３によって、第１のインキ着けローラ６が インキならしローラ９に当てつけられるか（図２）、インキならしローラ９から 引き離される（図３）ように旋回せしめられる。

【００１４】 レバー対２０には第２のレバー対２４が旋回ピン２５を介して支えられている 。この第２のレバー対２４には湿しローラ１４が支えられており、この湿しロー ラ１４自体は圧力媒体負荷されるシリンダ２６を介して第１のインキ着けローラ ６に当てつけ若しくは引き離される。湿しローラ１４がつや消しされたクロム周 面を有していることによって、インキ着けローラ６の外周に施された湿し媒体膜 を均すことができる。これは場合によっては所定の印刷のために有利である。

【００１５】 図２に示された構成においては、駆動されるインキならしローラ９に当てつけ られる第１のインキ着けローラ６はインキ装置と湿し装置との間で接触しながら 押し付けられている。これによって、所定の範囲内でインキが必要でない場合に 、インキ装置にエマルションが形成される恐れなしに、小さいサイズの枚葉紙又 は小さい幅の紙匹にも印刷することができる。

【００１６】 図３に示された実施例においては、インキ着けローラ６がインキならしローラ ９から引き離されており、湿し装置はインキ装置に接触することなしに作業し、 もっぱら版板に湿し媒体を伝達するために用いられる。第１のインキ着けローラ ６はこの実施例では純粋な湿し媒体インキ着けローラとして用いられ、軸方向で 付加的な往復運動を行う。インキ着けローラのこの位置では、走行方向でのゴー ストが避けられるので、印刷業者は、高い費用をかける事なしに印刷技術的な要 求に合わせることができ、最適な結果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による湿し及びインキ装置を
有する印刷装置の概略的な側面図である。

【図２】インキ着けローラがインキならしローラに当て
つけられている状態を示した、図１の概略的な部分拡大
図である。

【図３】インキ着けローラがインキならしローラから引
き離されている状態を示した、図１の概略的な部分拡大
図である。

【符号の説明】

１ サイドフレーム、 ２ 印刷装置、 ３ 圧胴、
４ ゴム胴、 ５ 版胴、 ６，７，８ インキ着けロ
ーラ、 ９ インキならしローラ、 １０ インキ装
置、 １１ 調量ローラ、 １２ 水元ローラ、 １３
湿し液容器、１４ 湿しローラ、 １５ 枚葉紙又は
紙匹、 １６ 湿し装置、 １７ 回転ピン、 １８
シリンダ、 １９ 側部、 ２０ レバー対、 ２１
旋回ピン、 ２２ レバー、 ２３ シリンダ、 ２４
レバー対、 ２５ 旋回ピン、２６ シリンダ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 オフセット印刷機のための湿し及びイン
   キ装置であって、版胴（５）に配属された多数のインキ
   着けローラのうちの、版胴（５）の回転方向で見て第１
   のインキ着けローラ（６）と第２のインキ着けローラ
   （７）とがインキならしローラ（９）を介して互いに接
   続されており、湿し液容器（１３）内に水元ローラ（１
   ２）が配置されており、さらに調量ローラ（１１）が設
   けられていて、該調量ローラ（１１）が、水元ローラ
   （１２）に当てつけられていてしかもインキ着けローラ
   （６）に当てつけ可能に支えられている形式のものにお
   いて、 第１のインキ着けローラ（６）に、別の湿しローラ（１
   ４）が配属されていることを特徴とする、オフセット印
   刷機のための湿し及びインキ装置。
2. 【請求項２】 前記湿しローラ（１４）がクロム周面を
   備えており、該湿しローラ（１４）が第１のインキ着け
   ローラ（６）の回転方向で見て、この第１のインキ着け
   ローラ（６）と版胴（５）との接触箇所の手前の作業位
   置でインキ着けローラ（６）に当てつけ可能に支えられ
   ている、請求項１記載の湿し及びインキ装置。
3. 【請求項３】 第１のインキ着けローラ（６）が長手方
   向でインキ練り運動を行う、請求項１記載の湿し及びイ
   ンキ装置。