JPH043802Y2

JPH043802Y2 -

Info

Publication number: JPH043802Y2
Application number: JP11134783U
Authority: JP
Priority date: 1983-07-18
Filing date: 1983-07-18
Publication date: 1992-02-05
Also published as: JPS6019439U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は印刷装置などに用いられるインキング
装置、特にブレード式インキング装置の改良に関
するものである。

従来のこの種装置は第１図に示すように、被印
刷物１は版胴２と圧胴４の隙間を通過する間に、
印刷版３からのインキ転移によつて印刷され、後
工程（矢印方向）へ送られるものである。ドクタ
ーロール６の下部は、インキパン１１に貯えられ
たインキ１２に浸り、ドクターロール６の表面に
付着したインキ１２をアニロツクスロール７に転
着する。アニロツクスロール７は印刷版３と同周
速で回転接触し、インキ１２を印刷版３に転着す
る。５はインキ１２の供給口である。アニロツク
スロール７の表面図示位置にブレード８の先端が
接触し、アニロツクスロール７の表面に付着した
余分のインキ１２をかきとるようになつている。
ブレード８は、ドクターホルダ９に支持され、ド
クターホルダ９はドクターバツク１０に取り付け
られている。ドクターバツク１０は枢支点１３ａ
を中心として揺動できる支え１３に固定されてい
る。支え１３は枢支点１４ｂでエアシリンダ１４
と回動自在に連結され支持されている。エアシリ
ンダ１４は枢支点１４ａにおいて回動自在になつ
ており、エアシリンダ１４のピストンロツド１４
ｃの出入りによつて、ブレード８の先端をアニロ
ツクスロール７の表面に接触させたり、または、
解放（図示点線の状態）できるようになつてい
る。

上記のようなインキかき取り装置１５は、上印
刷方式の印刷機においては、第１図に示したよう
なロール配置にのみ使用することができ、ブレー
ド８でかき取られたアニロツクスロール７の表面
のインキ１２は、アニロツクスロール７とドクタ
ーロール６とのニツプ部Ｎに落下し、さらに、両
ロール７と６の両端部から機械内部の全幅に渡り
設けられたインキパン１１内へ回収される。ブレ
ード８とアニロツクスロール７とのタツチは、イ
ンキかき取り装置１５に設けられたエアシリンダ
１４の切り換えで行なわれるが、アニロツクスロ
ール７は、版胴２に対し、ドクターロール６の中
心６ａを支点として昇降するようになつており、
アニロツクスロール７が昇降する度に、これに付
随するインキかき取り装置１５のエアシリンダ１
４のストロークは変化し、またブレード８のタツ
チ状態も変化する。このような従来のインキング
装置では次のような欠点がある。

１ドクターロール６およびアニロツクスロール
７の下部にインキパン１１を設ける必要がある
ため、オーダチエンジ時のインキ交換作業に人
手と時間を要する。

２このかき取り装置１５は、アニロツクスロー
ル７とドクターロール６が版胴２の排紙側に配
置された機械には使えない。

３版胴２に対するアニロツクスロール７の昇降
機構（図示省略）とインキかき取り装置１５の
昇降機構が別々の機構のため、アニロツクスロ
ール７が下降した際、インキかき取り装置１５
のブレード８先端は、瞬間的にアニロツクスロ
ール７の表面から離れ、再接触するため、イン
キ１２の飛散あるいは、ブレード８先端の破損
につながる。

本考案は、インキかき取り装置のドクターホル
ダにインキ回収みぞを設けるとともにアニロツク
スロールの昇降装置とインキかき取り装置とを一
体化したことを特徴とし、その目的とするところ
はきわめて簡単な機構で従来見られた不具合を解
消しうるインキング装置を提供しようとするもの
である。

本考案は上記したとおりインキかき取り装置の
ドクターホルダにインキ回収みぞを設けたことに
より従来用いられていたインキパンが不要となつ
た他アニロツクスロールを版胴の排紙側に配置し
た紙工機械へのインキかき取り装置の取付けが可
能となつた。又、インキかき取り装置をアニロツ
クスロールの昇降装置と一体化したことにより、
常にブレードの先端とアニロツクスロール表面と
の接触状態を良好に保ち、その先端の損傷を未然
に防止することができる。

次に本考案を最も好ましい図示実施例について
説明する。

第２図及び第３図において、版胴２２、印刷版
２３および受けロール２４の構成および支持構造
は従来と同様である。アニロツクスロール２５と
ゴムロール２６は版胴２２の排紙側に設けられ、
インキかき取り装置２７と共に、それぞれ、１つ
の軸受３５によつて支持されることにより一体と
なり、さらに、軸受３５は機枠４１に支持されて
いるものである。インキかき取り装置２７は、ド
クターバツク２８，ドクターホルダ２９，ドクタ
ークランプ３０，ブレード３１，エアーシリンダ
３３から成り立つている。ドクターバツク２８は
軸受３５に設けられた支点２８ａを中心として揺
動し得るようになつている。ドクターホルダ２９
は、第２図に点線で示すようにマシンの幅方向
（紙面と直角方向）に勾配溝２９ａを有し、ドク
ターバック２８に固定されている。ドクタークラ
ンプ３０は、ブレード３１を挾み、ドクターホル
ダ２９に締め付け固定できるようになつている。
エアシリンダ３３は、一端を軸受３５にピン３３
ａによつて回動自在に支持され、他端はピン２８
ｂによつて、ドクターバツク２８と回動自在に連
結されている。ゴムロール２６の上方には、イン
キ供給装置３９が設けられ、またインキかき取り
装置２７の下方両端部には、インキホツパ３８が
設けられ、インキホツパ３８の最下部にはインキ
回収ホース４０が設けられている。

このように構成せられた本実施例において、印
刷用インキ４２は、インキ供給口３９よりゴムロ
ール２６の表面からアニロツクスロール２５とゴ
ムロール２６のニツプ部に供給され、ゴムロール
２６とアニロツクスロール２５のニツプ部に溜ま
つたインキ４２はゴムロールによるドクターリン
グ作用によつて所定量がアニロツクスロール２５
の表面に付着し、回転に従つて、ブレード３１の
先端によつてさらに余分のインキ４２はかき取ら
れ、ドクターホルダ２９の溝部２９ａに集めら
れ、第２図に示す矢印のようにインキホツパ３
８、回収ホース４０を経てインキ缶（図示せず）
へ回収される。アニロツクスロール２５の表面に
適量付着したインキ４２は回転中の印刷版２３の
表面に転着され、版胴２２と受けロール２４の隙
間を通過する被印刷物たとえば段ボール紙２１に
対し、印刷が行なわれるものである。

アニロツクスロール２５を版胴２２から離した
いときは、加圧装置３６の加圧力を解放すると、
ばね３７の反発力によつて、軸受３５の上端部が
第３図の左側に押され、軸受３５はゴムロール２
６の中心２６ａを支点として回動する。また、ア
ニロツクスロール２５を版胴２２に接触させたい
ときは、加圧装置３６を加圧すると、軸受３５上
端部は、ばね３７に逆つて右方に移動し、中心２
６ａを支点として、軸受３５が回動させられる。
何れのときもインキかき取り装置２７も軸受３５
と共に回動するため、ブレード３１とアニロツク
スロール２５の接触状態は変化することがない。
従つて、ブレード３１とアニロツクスロール２５
とは常に最適の係合状態を保持することができ
る。

本実施例は上記のとおり構成されているから、
従来のもののように、インキパンを設ける必要が
なくなつたため、装置全体の構造が簡単になり、
また、従来見られたような人手によるインキパン
内のインキ交換や洗浄に伴う操作も不要となつ
た。また、アニロツクスロールが、版胴の排紙側
に配置されたマシンへのインキかき取り装置の使
用が可能となつた。さらにまた、インキかき取り
装置はアニロツクスロールの昇降装置と一体構造
としたため、ブレードの先端とアニロツクスロー
ル表面との接触状態が常に一定しており、インキ
のかき取り性能が安定した。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の概略説明図、第２図および第
３図は本考案の一実施例を示し、第２図はその右
手部を省略して示す正面図、第３図は第２図−
線に沿う断面概略図である。２７……インキかき取り装置、２９……ドクタ
ーホルダ、２９ａ……インキ回収みぞ、２５……
アニロツクスロール、３５……軸受、３６……加
圧装置、３７……ばね。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

インキかき取り装置のドクターホルダの幅方向
にかき取つたインキを導く勾配付インキ回収みぞ
を設けるとともにアニロツクスロールの昇降装置
にインキかき取り装置の駆動機構を取付け、該駆
動機構とアニロツクスロール昇降機構とを一体化
したことを特徴とするインキング装置。