JPH08150145A - 内視鏡用穿刺針 - Google Patents

内視鏡用穿刺針

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JPH08150145A
JPH08150145A JP7215716A JP21571695A JPH08150145A JP H08150145 A JPH08150145 A JP H08150145A JP 7215716 A JP7215716 A JP 7215716A JP 21571695 A JP21571695 A JP 21571695A JP H08150145 A JPH08150145 A JP H08150145A
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endoscope
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outer sheath
needle
tip
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正敏 外村
Minoru Shinozuka
実 篠塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、比較的簡単な構成でありながら、例
えば消化管壁からの深部臓器などの深部組織部位まで確
実に穿刺することができる内視鏡用穿刺針を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】本発明は、可撓性のある外シース５と，こ
の外シース５内に進退自在に挿通された可撓性の内シー
ス６と、この内シース６の先端に連結された針体７とを
有した内視鏡用穿刺針１において、前記外シース５の最
先端部にその外シース５を組織に穿刺ならしめるための
テーパ部１１を形成し、前記外シース５が前記針体７の
穿刺時に共に組織に穿刺するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡のチャンネ
ルを通じて体腔内に導入して吸引生検や注射等のために
使用する内視鏡用穿刺針に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の内視鏡用穿刺針は、例えば、体
腔内の組織を生検する場合において、内視鏡のチャンネ
ルを利用して穿刺を行うことが知られている。このよう
に使用する穿刺針は、前記内視鏡のチャンネル内に挿通
できる可撓性の外シースと、この外シース内に進退自在
に挿通される内シースと、この内シースの先端に取り付
けられた硬質な針体とから構成される。
【０００３】また、外シースの先端には金属製の先端チ
ップ部材が固定されている。この先端チップ部材は、前
記チャンネルへの挿通時においてチャンネルを損傷しな
いように、また、穿刺時において粘膜を傷つけないよう
に、外シースの外径とほぼ同じ外径を有し、かつ、外シ
ースの先端面は、その外シースの長手方向に対して垂直
な平らな端面となっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波内視
鏡を用いて、胃や十二指腸などの消化管壁から、膵臓な
どの深部臓器に注射針を穿刺して組織の診断を行う場合
があるが、この場合にはその針体が診断を行う組織部位
まで到達可能な穿刺長さが必要である。また、超音波内
視鏡の観察視野に対してチャンネルの出口は、その側方
になっていて、針体は超音波断層像により観察して確認
している臓器に対して側方から斜めに突き出す必要があ
るため、針体の突出量が大きく求められ、極力長い針体
であるものが望まれる。
【０００５】一方、内視鏡の湾曲状態時においては、針
体は、内視鏡のあまり大きくない内径のチャンネル内を
損傷なく滑らかに進退する必要があるため、その比較的
硬質な針体の長さが制限される。このような事情から、
従来の構造では、診断を行う組織部位まで到達可能な穿
刺長さが十分でない針体の場合が多く、また、針体の穿
刺可能な長さを十分なものとした場合でも、内シースの
先端に接続した針体を長くするため、内視鏡の湾曲状
態、および処置具起上台を起立させた状態において、外
シース、内シースともに、前記チャンネル内を進退不可
能な状態になり易く、確実に穿刺作業が行い難い状況に
なる可能性があった。
【０００６】また、超音波内視鏡を用いて、胃や十二指
腸などの消化管壁から、膵臓などの深部臓器を穿刺して
組織の診断を行う場合、消化管壁を通じて深部臓器まで
確実に穿刺できる力が穿刺針先端部に伝わることが必要
である。さらに、内視鏡の湾曲状態において、針体は内
視鏡のチャンネル内を損傷なく滑らかに進退できる必要
がある。
【０００７】しかし、従来の構造によると、内シースが
可撓性チューブで構成されているため、内シースを押し
込んで針体を深部組織部位まで穿刺をしようとすると、
可撓性チューブからなる内シースが外シース内で撓んで
しまい、穿刺針先端部に力が完全に伝わらない状態とな
り、確実に穿刺することができなくなる可能性があっ
た。
【０００８】そこで、本発明は、比較的簡単な構成であ
りながら、例えば消化管壁からの深部臓器などの深部組
織部位まで確実に穿刺することができる内視鏡用穿刺針
を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】第１の発明は、可撓性の
ある外シースと、この外シース内に進退自在に挿通され
た可撓性の内シースと、この内シースの先端に連結され
た針体とを有した内視鏡用穿刺針において、前記外シー
スの最先端部に、その外シースを組織に穿刺ならしめる
ための穿刺部を形成したことを特徴とする内視鏡用穿刺
針であり、前記外シースが前記針体の穿刺時にともに組
織に穿刺するようにしたものである。
【００１０】第２の発明は、可撓性のある外シースと、
この外シース内に進退自在に挿通された可撓性の内シー
スと、この内シースの先端に連結された針体とを有した
内視鏡用穿刺針において、前記内シースは、金属製のパ
イプ材で構成されたことを特徴とする内視鏡用穿刺針で
あり、前記針体の穿刺時に前記内シースも組織に穿刺さ
れるようにしたものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、図１から図４を参照して本
発明の第１の実施の形態を説明する。図１は、内視鏡用
穿刺針１の先端側部分を示し、図２は、その内視鏡用穿
刺針１の手元側部分を示すものである。また、図３は、
内視鏡２の挿通用チャンネル３に内視鏡用穿刺針１の挿
入部本体を挿通した状態を示しており、図４は、内視鏡
２の挿通用チャンネル３の出口より起上台４を通じて、
超音波観察視野内に内視鏡用穿刺針１の先端を突き出し
た状態を示している。
【００１２】内視鏡用穿刺針１は、可撓性を有する密着
巻きコイルからなる外シース５と、この外シース５の内
部に進退自在に挿通される、可撓性を有する材料、例え
ばテフロン等の樹脂製の内シース６とにより挿入部本体
を構成している。外シース５の素材用コイルの断面形状
は矩形であり、その側端面同志が密に突き合わされてい
る。外シース５の外径は、前述した内視鏡２の挿通用チ
ャンネル３に挿通可能な寸法となっている。
【００１３】前記内シース６の先端には金属製で管状の
針体７が接続固定されている。この針体７の外径は、外
シース５の開口部８の内径よりも小さく形成されてお
り、全長にわたり等径である。針体７と一体的な内シー
ス６は、外シース５の内部を自由に進退可能である。ま
た、前記内シース６および針体７の内部には、挿脱自在
なスタイレット９が挿脱自在に挿入されている。
【００１４】また、図１で示すように、前記外シース５
の先端部の外周は、手元側から先端側にかけて外径が徐
々に小さくなる先細りのテーパ状に形成されている。こ
のテーパ部１１は、外シース５の長手中心線に対して、
例えば、望ましくは２０゜〜６０゜の角度をなしてお
り、このテーパ部１１の先端縁は、最も薄くなって比較
的尖っている。その最も鋭利な先端縁の断面形状は、図
１で示すように、テーパ部１１のテーパ周面から連続し
て開口部８に達する丸みを形成している。すなわち、外
シース５の最先端部は、体腔内壁部に穿刺できる形状に
形成された穿刺部を形成している。
【００１５】一方、図２で示すように、外シース５の基
端には、比較的太い中空部材からなる操作部本体２０が
取り付けられている。操作部本体２０の内部には、内腔
を有する通孔２１が形成されている。この通孔２１の基
端側の部分の内面には、弾性のあるＯリング２２を固定
するための溝状の固定部２３が設けられている。通孔２
１の先端側の部分には、外シース５の基端部を嵌合する
段差付きの孔部２４が形成されている。孔部２４の段差
端側の部分には、弾性Ｏリング２５が嵌め込まれて固定
されている。
【００１６】前記内シース６の基端部には、硬質な気密
的摺動用パイプ２６が接続されている。このパイプ２６
は、前記Ｏリング２５の内面と気密的に摺動し、操作部
本体２０の通孔２１内を前後に移動する。内シース６に
対して反対側に位置する、パイプ２６の部分には、手動
操作用のスライダ２７が固定的に取り付けられている。
このスライダ２７は、手動によって操作されることによ
り、Ｏリング２２の内面を摺動して摩擦力を発生しなが
ら、操作部本体２０の前後方向へ移動する。
【００１７】スライダ２７の外周には、前記係止用Ｏリ
ング２２と選択的に嵌合するそれぞれ周回溝からなる凹
部２８と凹部２９とが前後に離れて形成されている。そ
して、先端側の凹部２８は、スライダ２７を手元側に引
いたときに、Ｏリング２２と嵌合的に係合して、針体７
が外シース５の中空孔内に収納させた位置になるような
位置に形成されている。後方の凹部２９は、針体７が外
シース５から最も突き出した状態において、Ｏリング２
２と嵌合的に係合する位置に形成されている。つまり、
針体７の最大突出量を規制するストッパ手段を構成して
いる。
【００１８】前記スライダ２７の内部には、内シース６
およびパイプ２６の内部に連通する中空孔３１が形成さ
れている。スライダ２７の基端部には、内面をテーパ面
とした接続口３４が形成されており、その接続口３４に
は、中空孔３１に差し込むスタイレット９の基端に設け
られたつまみ３３の、テーパ面とした嵌合部３５が着脱
自在に嵌合して係着する。また、内面をテーパ面とした
接続口３４には、図示しない注射筒等が接続可能であ
る。スタイレット９は、装着したとき、その先端が針体
７よりも若干長く設定される。この状態で、つまみ３３
の嵌合部３５が接続口３４に嵌着して接続されている。
【００１９】このように構成された内視鏡用穿刺針１
は、針体７を外シース５の内部に引き込んだ状態で、内
視鏡２のチャンネル３内に挿入し、先端側を体腔内へ突
き出させる。そして、起上台４を操作するなどによっ
て、外シース５の先端を目的の部位へ近付けたところ
で、スライダ２７を押し込む。その際、スライダ２７の
後方の凹部２９にＯリング２２が嵌合することで、針体
７の付き出し長さが一定量のものとなる。このときも、
超音波画像下に針体７が現れるように、図４に示す鉗子
起上台４を操作する。
【００２０】この状態において、穿刺針１の全体を押し
込むことにより、チャンネル３の出口よりさらに外シー
ス５を突き出す。これにより、針体７に続いて外シース
５の先端部におけるテーパ部１１も組織内に穿刺して入
り込む。この穿刺を針体７が目的部位に到達するまで行
う。針体７が目的部位に到達したら、スタイレット９を
引き抜き、接続口３４には、その代わりに図示しない注
射筒を接続して吸引を行う。吸引により針体７へ組織が
入り込む。これにより深部組織部位の生検が達成でき
る。
【００２１】この第１の実施形態によれば、深部臓器へ
の穿刺において、外シース５が内視鏡２のチャンネル３
内を自由に進退できるため、針体７とテーパ部１１を介
して外シース５も組織内へ挿入させることにより、確実
に穿刺が行えるようになる。また、比較的硬質の針体７
が短くて済むため、内視鏡２のチャンネル３内を損傷す
ることがなく、また、チャンネル３内を滑らかに進退さ
せることができる。
【００２２】次に、図５を参照して、第２の実施形態を
説明する。この第２の実施形態は前述した第１の実施形
態の変形である。前記外シース５の先端には、内孔を有
する先端チップ部材４１が接続固定されている。この先
端チップ部材４１は、外シース５とほぼ同じ外径をなし
ている平坦な周部４２と、この周部４２に連続して手元
側から先端側にかけて前記平坦な周部４２の外径よりも
徐々に小さく形成されたテーパ部１１として、穿刺部を
形成している。この穿刺部のテーパ斜面の角度は、前述
したテーパ部１１と同様、２０゜〜６０゜の角度で形成
されている。このテーパ部１１の先端側に位置する開口
部８の内周面部分は、先端チップ部材４１の他の内面部
分に比べて小径であり、内方へ突出する係止部４３を形
成している。
【００２３】前記内シース６の先端には、金属製で管状
の針体７が固定されている。針体７の基端外周には、前
記係止部４３の内径より大きな外径の管状の係止部材４
４が内シース６の先端側に位置するように固定されてい
る。係止部材４４には内シース６の先端が突き当たって
隙間なく固定されている。前記針体７は、開口部８の内
径よりも小さく形成され、先端チップ部材４１の内面を
自由に進退可能であり、最も突き出した状態において
は、前記係止部材４４が係止部４３の内端面に突き当た
った状態になる。これによって、内シース６および針体
７の最前進位置、つまり、針体７の突出量を規制するス
トッパ手段を構成している。
【００２４】このように外シース５に対する針体７の突
出量を規制するストッパ手段を外シース５の先端部に設
ければ、前述した第１の実施形態で示すようなストッパ
手段、つまり、操作部本体２０側においてスライダ２７
に後方の凹部２９を設ける必要がなくなる。前方の凹部
２８は同様に設けるが、スライダ２７を手元側に引っ張
ったとき、針体７が先端チップ部材４１の内腔に十分に
収納された位置になるように形成されている。それ以外
は、前述した第１の実施形態と同じであり、その具体的
な説明は省略する。
【００２５】このように構成された第２の実施形態の内
視鏡用穿刺針１は、針体７を外シース５内に引き込んだ
状態で、内視鏡２のチャンネル３内に挿通し、体腔内へ
突出させる。そして、先端チップ部材４１を目的部位へ
近付けてから、スライダ２７を押し込む。その際、内シ
ース６を介して係止部材４４が係止部４３の端面に接す
ることにより一定量の針体７の突き出し長さが得られ
る。このとき、超音波画像下に針体７が現れるように、
起上台４を起上操作する。
【００２６】この状態において、チャンネル３よりさら
に外シース５を押し込むことにより針体７に続いて、先
端チップ部材４１および外シース５がテーパ部１１より
組織内に入り込む。それ以外は前述した第１の実施形態
と同じである。この第２の実施形態によれば、前述した
第１の実施形態の効果に加えて、先端チップ部材４１を
設けてこれに係止部４３を形成し、これと係止部材４４
で針体７の突き出し長さを設定できる。つまり、穿刺針
１の先端においてその突出量を規制することができるた
め、前述した第１の実施形態の場合とは異なり、長尺な
外シース５や内シース６の途中に曲げや伸び縮みによる
誤差がなく、正確な突き出し長さを得ることができる。
【００２７】次に、図６および図７を参照して本発明の
第３の実施形態を説明する。この第３の実施形態は、図
６に示すように前述した第２の実施形態の内視鏡用穿刺
針１の外シース５のさらに外側に保護シース４５を被嵌
して進退自在に設けたものである。また、先端チップ部
材４１のテーパ部１１の最先端部には、より尖鋭で鋭利
な形状の刃４６が形成された係止部を形成している。
【００２８】図７に示すように、保護シース４５の基端
は、筒状のカバー本体４７に接続されている。このカバ
ー本体４７は、その内面に周回溝状の固定部４８を形成
し、この固定部４８に弾性Ｏリング４９が嵌め込まれて
固定されている。操作部本体２０の外周面には前記Ｏリ
ング４９と選択的に嵌合するそれぞれ周回溝からなる凹
部５１と凹部５２とが前後に離れて形成されている。そ
して、後端側の凹部５２は、カバー本体４７を前進させ
たとき、Ｏリング４９と嵌合的に係合する。この状態
は、先端チップ部材４１が保護シース４５の先端から突
き出した状態であり、一方、先端側の凹部５１がＯリン
グ４９と嵌合して係合している状態は、先端チップ部材
４１が保護シース４５内に引き込まれて収まっている状
態になる。それ以外は、第２の実施形態と同じである。
【００２９】内視鏡用穿刺針１は、外シース５を保護シ
ース４５内に引き込んだ状態において、内視鏡２のチャ
ンネル３内へ挿入する。体腔内へ挿入されたら、外シー
ス５を保護シース４５の先端より突き出す。それ以外
は、前述した第２の実施形態と同様にして使用する。こ
の第３の実施形態では、第２の実施形態の効果に加え
て、保護シース４５を設けたことにより、先端チップ部
材４１のテーパ部１１の先端により尖鋭で鋭利な形状の
刃４６を形成しても、内視鏡２のチャンネル３を通す
間、その鋭利な部分を保護シース４５で保護できるか
ら、その鋭利な部分で内視鏡２のチャンネル３を傷付け
ない。また、尖鋭で鋭利な形状の刃４６を形成したこと
により、内シース６の先端の組織に対する穿刺が確実に
行える。
【００３０】次に、図８および図９を参照して本発明の
第４の実施形態を説明する。この第４の実施形態は、前
述した第１の実施形態のものに対して次の点が異なるも
のである。まず、内視鏡用穿刺針１の可撓性を有する外
シース５５の素材たるコイルの断面形状は円形であり、
その側端面同志が密に突き合わされている。また、前述
した第２の実施形態と同じく中空の先端チップ部材５６
は、外シース５５とほぼ同じ外径をなしている平坦部５
７とこの平坦部５７の先端に位置する開口部５８を有し
ているが、その先端面５９も平坦であり、この先端外周
縁部には丸みが付与されているが、穿刺用のテーパ部は
形成されていない。
【００３１】一方、その外シース５５および先端チップ
部材５６内に進退自在に挿通される内シース６０は金属
製のパイプ材からなり、例えば外径が０．７mmで肉厚が
０．０５mm〜０．１５mmのステンレス製の可撓性パイプ
からなり、比較的弾発性があり、また、押し込み力を伝
達できる腰の強さも付与されている。また、比較的弾発
性の高い超弾性合金製のパイプで形成してもよい。ま
た、内シース６０はその先端を斜めにカットすることに
より針体部６１を形成している。そして、この内シース
６０の内腔部には、前述した実施形態と同様なスタイレ
ット９が挿脱自在に挿入されている。
【００３２】尚、内シース６０は、外径が０．５mm〜
１．２mmで肉厚が０．０５mm〜０．１５mmのステンレス
製の可撓性のあるパイプ材で形成することができる。こ
こで、内シースの外径が１．２mmより大きい場合には鉗
子起上台を起上させて内視鏡用穿刺針１を所定の方向に
向けることができなくなり、内シースの外径が０．５mm
より小さい場合には針体部６１の腰の強さが弱くなって
押し込み力の伝達ができずに穿刺ができなくなると共に
組織を吸引できなくなってしまう。また、肉厚が０．１
５mmより厚くなった場合には鉗子起上台による内視鏡用
穿刺針の所定方向への曲げができなくなり、肉厚が０．
０５mmより薄くなった場合には針体部６１の腰の強さが
弱くなって押し込み力の伝達ができずに穿刺ができなく
なってしまう。
【００３３】また、外シース５５および内シース６０の
基端部側には、前述したような操作部本体２０やスライ
ダ２７などが同様に組み付けられている。（図９参照） このように構成された内視鏡用穿刺針１は、針体部６１
を外シース５５内に引き込んだ状態で内視鏡２のチャン
ネル３に挿入し、体腔内へ突出させる。そして、先端チ
ップ部材５６を目的の部位へ近付け、スライダ２７を押
し込む。針体部６１が先端チップ部材５６より若干突出
したら、超音波画像下に針体部６１が現れるように、図
４に示す鉗子起上台４を起上操作する。
【００３４】この状態において、スライダ２７をさらに
押し込むことにより、針体部６１より内シース６０まで
が組織内に入り込む。この穿刺作業を針体部６１が目的
の深部組織部位に到達するまで行う。針体部６１が目的
部位へ到達したら、スタイレット９を引き抜き、接続口
３４に図示しない注射筒を接続し吸引を行う。吸引によ
り針体部６１に組織を取り込む。
【００３５】この第４の実施形態によれば、手元側まで
延びる一本の薄肉の金属製のパイプで内シース６０を形
成し、この内シース６０の先端部分を針体部６１として
いるため、深部臓器への穿刺において内シース６０を押
し込む際、その内シース６０が外シース５５内で座屈し
たり、その外シース５５の先端から突き出したところで
屈曲したりすることなく、穿刺力を先端まで伝えて確実
な穿刺が行えるようになる。また、鉗子起上台４が起上
した状態においても、つまり、外シース５５および内シ
ース６０が起上台４により曲げ応力が加えられて屈曲し
た状態においても、内シース６０が変形することなく針
体部６１を自由に進退でき、穿刺力を先端まで伝えて深
部臓器の組織内への挿入が容易になり、確実に穿刺が行
える。
【００３６】次に、図１０を参照して、本発明の第５の
実施形態を説明する。これは前述した本発明の第４の実
施形態の変形を示すものである。この第５の実施形態
は、内シース６５の先端に針体６６が接続され、その内
シース６５と針体６６の突き合わせ両端部外周に連結管
６７を被嵌して両者を固定している。内シース６５は肉
厚０．０５mm〜０．１５mmで、例えばステンレス製のパ
イプからなり、針体６６は同じく肉厚が０．０５mm〜
０．１５mmで、内シース６５と等径の、例えば超弾性合
金製のパイプからなる。それ以外は、前述した第４の実
施形態と同じであり、これの作用もまた同じである。
【００３７】この第５の実施形態によれば、前述した第
４の実施形態の効果に加えて、前記針体６６が超弾性合
金製であるため繰り返し使用においても、また鉗子起上
台４による外シース５５の屈曲部を、針体６６が通過す
ることによる永久変形が起こらない。
【００３８】次に、図１１を参照して、本発明の第６の
実施形態を説明する。これは前述した本発明の第５の実
施形態の変形を示すものである。この第６の実施形態
は、図１１に示すように、内シース６５の先端に針体６
６を突き当て、この両者を例えば溶接などにより固定し
ている。内シース６５は肉厚０．０５mm〜０．１５mmの
例えばステンレス製のパイプからなり、針体６６は長さ
約５mmで肉厚が０．２mmの例えばステンレスからなる。
それ以外の構成および作用は前述した第５の実施形態と
同じである。
【００３９】この第６の実施形態によれば、前述した第
５の実施形態の効果に加えて、針体６６が短い長さで、
かつ、肉厚の厚いステンレス製のパイプからなっている
ため、鉗子起上台４に引っ掛かることもなく滑らかに、
確実に穿刺が行える。また、内シース６５と針体６６を
連結するに当たり連結管を用いず、直接に固定するた
め、突出した部分が形成されないので、この面からも鉗
子起上台４に引っ掛かることなく滑らかに挿通でき、滑
らかに確実に穿刺が行える。
【００４０】＜付記＞前述した記載によれば、特許請求
の範囲の各請求項に記載の事項の他に、以下の内容の各
事項も把握できる。 １．可撓性のある外シースと、この外シース内に進退自
在に挿通された可撓性の内シースと、この内シースの先
端に連結された針体とを有した内視鏡用穿刺針におい
て、前記外シースの最先端部にその外シースを組織に穿
刺ならしめるための穿刺部を形成し、前記穿刺部は外シ
ースの最先端部の外周を先細り形状のテーパとして形成
したことを特徴とする内視鏡用穿刺針。
【００４１】２．前記穿刺部は外シースの先端に取着し
た別部材の先端部材に形成したことを特徴とする第１項
記載の内視鏡用穿刺針。 ３．可撓性のある外シースと、この外シース内に進退自
在に挿通された可撓性の内シースと、この内シースの先
端に連結された針体とを有した内視鏡用穿刺針におい
て、前記外シースの最先端部にその外シースを組織に穿
刺ならしめるための鋭利な刃状の穿刺部を形成したこと
を特徴とする内視鏡用穿刺針。
【００４２】４．前記外シースの外側に保護シースを進
退自在に被嵌したことを特徴とする第３項記載の内視鏡
用穿刺針。 ５．可撓性のある外シースとこの外シース内に進退自在
に挿通された可撓性の内シースと、この内シースの先端
に連結された針体とを有した内視鏡用穿刺針において、
前記内シースは肉厚が０．０５mm〜０．１５mmの可撓性
を有する金属製のパイプ材で構成されたことを特徴とす
る内視鏡用穿刺針。
【００４３】６．可撓性のある外シースとこの外シース
内に進退自在に挿通された可撓性の内シースと、この内
シースの先端に連結された針体とを有した内視鏡用穿刺
針において、前記内シースは金属製のパイプ材で構成さ
れ、かつ、前記針体および内シースの少なくとも一方の
部材は肉厚が０．０５mm〜０．１５mmの可撓性を有する
金属製のパイプ材で形成したことを特徴とする内視鏡用
穿刺針。
【００４４】７．前記針体が超弾性合金であることを特
徴とする第５項または第６項記載の内視鏡用穿刺針。 ８．前記シースは先端を斜めにカットして針体を形成し
たことを特徴とする第５項または第６項または第７項記
載の内視鏡用穿刺針。
【００４５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば鉗子起上台が起上した状態でも、シースを容易に
進退して、確実に穿刺が行えるようになり、深部臓器へ
の穿刺においても確実な穿刺を行うことができ、効果的
な組織診断が行える。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る内視鏡用穿刺針
の先端部付近の断面図。
【図２】本発明の第１の実施形態に係る内視鏡用穿刺針
の後端手元側部分付近の断面図。
【図３】同じく、その実施形態に係る内視鏡用穿刺針を
内視鏡とともに使用する状態を示す斜視図。
【図４】前記内視鏡のチャンネル出口の起上台の説明
図。
【図５】本発明の第２の実施形態に係る内視鏡用穿刺針
の先端部付近の断面図。
【図６】本発明の第３の実施形態に係る内視鏡用穿刺針
の先端部付近の断面図。
【図７】本発明の第３の実施形態に係る内視鏡用穿刺針
の後端手元側部分付近の断面図。
【図８】本発明の第４の実施形態に係る内視鏡用穿刺針
の先端部付近の断面図。
【図９】本発明の第４の実施形態に係る内視鏡用穿刺針
の後端手元側部分付近の断面図。
【図１０】本発明の第５の実施形態に係る内視鏡用穿刺
針の後端手元側部分付近の断面図。
【図１１】本発明の第６の実施形態に係る内視鏡用穿刺
針の後端手元側部分付近の断面図。
【符号の説明】
１ 内視鏡用穿刺針 ２ 内視鏡 ３ 挿通用チャンネル ４ 起上台 ５ 外シース ６ 内シース ７ 針体 ８ 開口部 ９ スタイレット ４１ 先端チップ部材 ４５ 保護シース ４６ 刃 ５５ 外シース ５６ 先端チップ部材 ６０ 内シース ６１ 針体部 ６５ 内シース ６６ 針体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】可撓性のある外シースと、この外シース内
    に進退自在に挿通された可撓性の内シースと、この内シ
    ースの先端に連結された針体とを有した内視鏡用穿刺針
    において、前記外シースの最先端部に、その外シースを
    組織に穿刺ならしめるための穿刺部を形成したことを特
    徴とする内視鏡用穿刺針。
  2. 【請求項２】可撓性のある外シースと、この外シース内
    に進退自在に挿通された可撓性の内シースと、この内シ
    ースの先端に連結された針体とを有した内視鏡用穿刺針
    において、前記内シースは、金属製のパイプ材で構成さ
    れたことを特徴とする内視鏡用穿刺針。
  3. 【請求項３】可撓性のある外シースと、この外シース内
    に進退自在に挿通された可撓性の内シースと、この内シ
    ースの先端に連結された針体とを有した内視鏡用穿刺針
    において、前記内シースは、外径が０．５mm〜１．２mm
    で、肉厚が０．０５mm〜０．１５mmのステンレス製のパ
    イプ材で構成したことを特徴とする内視鏡用穿刺針。
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