JP3787214B2 - 内視鏡用穿刺具 - Google Patents

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喜則 藤井
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、体腔内の粘膜等に穿刺するために内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通して使用される内視鏡用穿刺具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の内視鏡用穿刺具を示しており、穿刺針91を通過させる案内孔92が軸線位置に貫通して穿設された先端口金93が、可撓性シース94の先端に前方から差し込んで固着されている。
【0003】
穿刺針91は、可撓性シース94内に全長にわたって挿通配置された内挿部材95(チューブ又はワイヤ等)の先端に連結されており、手元側で内挿部材95を押し引き操作することによって、先端側の穿刺針91が軸線方向に進退操作されるようになっている。
【0004】
96は、穿刺針91と内挿部材95とを連結する連結部材であるが、先端口金93から穿刺針91を突出させる動作の際には先端口金93の後端部に当接して、穿刺針91を一定長さ以上突出させないためのストッパとして機能する。したがって先端口金93は、そのストッパ機能のためにも必要なものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
穿刺針91を突出させるために手元側で内挿部材95を押し込み操作したとき、可撓性シースが湾曲した状態であったり、穿刺針91又は内挿部材95に曲がり癖が付いていたりすると、図2に示されるように、斜めに切り削がれた形状の穿刺針91の突先91aが先端口金92の後端面に突き当たって、穿刺針91を傷めてしまうことがある。
【0006】
そこで本発明は、可撓性シースの先端に取り付けられた先端口金に穿刺針の突先が突き当たらず、穿刺針をスムーズに突出させることができる内視鏡用穿刺具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用穿刺具は、穿刺針を通過させる案内孔が軸線位置に貫通して穿設された先端口金が可撓性シースの先端に前方から差し込んで取り付けられ、上記可撓性シース内に配置された穿刺針を手元側からの遠隔操作により進退させて上記先端口金から突没させるようにした内視鏡用穿刺具において、斜めに切り削がれた形状の上記穿刺針の突先が上記可撓性シースの軸線付近に位置するように、上記穿刺針を上記可撓性シース内において傾けて配置したことを特徴とする。
【0008】
なお、上記案内孔の後端部分が、後方へ漸次広がるテーパ状に形成されていてもよく、上記先端口金の外周面の後端部分が、後方へ漸次細くなるテーパ状に形成されていてもよい。
【0009】
また、上記穿刺針が注射針であって、上記可撓性シースがチューブ状であり、上記可撓性シース内に挿通配置された操作ワイヤを介して上記穿刺針が手元側から進退操作されるようになっていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通して使用される内視鏡用注射具の先端部分を示しており、注射針1を通過させるための案内孔2が軸線位置に貫通して穿設された先端口金3が、可撓性シース4の先端に前方から差し込んで固着されている。
【0011】
可撓性シース4は、例えば加熱処理が施されたフッ素樹脂製のチューブ等によって形成されている。先端口金3は、金属又はプラスチック製であり、可撓性シース4内に差し込まれる部分の外周面には螺旋溝が形成されていて、可撓性シース4の先端部分の内周面としっかり係合している。
【0012】
先端口金3の外周面の後端部分3aは、端部側(後方)へ漸次細くなる滑らかなテーパ状に形成されている。その結果、可撓性シース4は、先端口金3が差し込まれている部分から差し込まれていない部分にかけて滑らかな形状変化をしており、組み立て時には、先端口金3と可撓性シース4との間の偏心が抑えられる。
【0013】
先端口金3の先端部分は可撓性シース4の先端から頭を出しており、その部分は、可撓性シース4の外径寸法とほぼ同じ外径寸法に形成されていて、その中心位置に案内孔2が開口している。案内孔2の後端部分2aは、端部側(後方)へ漸次太くなる滑らかなテーパ状に形成さている。
【0014】
注射針1は、先端が斜めに切り削がれた形状の金属製の中空パイプであり、可撓性シース4内に全長にわたって挿通配置された操作ワイヤ5の先端に連結されている。
【0015】
したがって、手元側で操作ワイヤ5を押し引き操作することによって、先端側の注射針1が軸線方向に進退操作される。操作ワイヤ5は、例えばステンレス鋼線材の単線、撚り線、又は撚り線を単線の周りに形成したもの等によって形成することができる。
【0016】
6は、注射針1と操作ワイヤ5とを連結する連結部材であり、一端側に注射針1の基端が固着され、他端側に操作ワイヤ5の先端が固着されていて、外周面に形成された連通孔7が注射針1内と連通している。
【0017】
したがって、手元側から注射筒等によって可撓性シース4内に薬液等を注入すると、その液が可撓性シース4と操作ワイヤ5との間を通って先端側に送られ、連通孔7を通って注射針1の先端から送り出される。
【0018】
また、先端口金3から注射針1を突出させる動作の際には、連結部材6の先端面が先端口金3の後端部に当接し、連結部材6と先端口金3とが、注射針1を一定長さ以上突出させないためのストッパとして機能する。
【0019】
注射針1の基端は連結部材6の中心軸線位置に連結されているが、図1に示されるように、注射針1は、斜めに切り削がれた形状の先端部分の突先1aが可撓性シース4の軸線付近に位置するように、可撓性シース4内に傾けて配置されている。
【0020】
したがって、手元側から操作ワイヤ5を押し込み操作すると、注射針1が可撓性シース4内を先端側に移動し、その突先1aが先端口金3の後端面にぶつかることなく、案内孔2内に入る。案内孔2の後端部分2aがテーパ状に広がっていることもそれに寄与する。
【0021】
そして、連結部材6の先端面が先端口金3の後端面にぶつかるまで注射針1を先端側いっぱいに押し出した状態にしてから、注射針1を体腔内粘膜面に穿刺して使用される。
【0022】
なお、本発明は内視鏡用注射具に限らず、シースの先端から針を突出させる構造の各種内視鏡用穿刺具に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、突先が可撓性シースの軸線付近に位置するように穿刺針をシース内に傾けて配置したことにより、穿刺針をシースから突出させる操作をしたとき、穿刺針の突端が先端口金の後端面にぶつかることなく案内孔内に入り、穿刺針をスムーズに突出させることができる。案内孔の後端部を後方へ漸次広がるテーパ状に形成し、また先端口金の外周面の後端部分を後方へ漸次細くなるテーパ状に形成することも、さらにそれに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の内視鏡用穿刺具の側面断面図である。
【図2】従来の内視鏡用穿刺具の側面断面図である。
【符号の説明】
1 注射針(穿刺針)
1a 突先
2 案内孔
3 先端口金
4 可撓性シース
5 操作ワイヤ
6 連結部材

Claims (3)

  1. 注射針を通過させる案内孔が軸線位置に貫通して穿設された先端口金がチューブ状の可撓性シースの先端に前方から差し込んで取り付けられ、上記可撓性シース内に挿通配置された操作ワイヤを手元側から軸線方向に進退操作することにより上記可撓性シースの先端内に配置された注射針が上記先端口金から突没するようにした内視鏡用穿刺具において、
    上記操作ワイヤの先端に真っ直ぐに固着された連結部材の中心軸線位置に上記注射針の基端が固着され、斜めに切り削がれた形状の上記注射針の突先が上記可撓性シースの軸線付近に位置するよう、上記注射針が上記可撓性シース内において傾いた状態に上記連結部材に対して固着されると共に、上記注射針内と上記可撓性シースの手元側内部とを連通させる連通孔が上記連結部材に形成されていることを特徴とする内視鏡用穿刺具。
  2. 上記案内孔の後端部分が、後方へ漸次広がるテーパ状に形成されている請求項1記載の内視鏡用穿刺具。
  3. 上記先端口金の外周面の後端部分が、後方へ漸次細くなるテーパ状に形成されている請求項1又は2記載の内視鏡用穿刺具。
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