JP4475842B2 - 内視鏡用穿刺具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通路に通されて体内における穿刺処置を行うために用いられる内視鏡用穿刺具に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡用穿刺具は、一般に、可撓性を有するステンレス鋼パイプ製の穿刺針が、内視鏡の処置具挿通路に挿脱される外套チューブの先端内に軸線方向に進退自在に配置されていて、外套チューブの基端側に連結された操作部において穿刺針を進退操作できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような内視鏡用穿刺具は、内視鏡の処置具挿通路に通される際には、穿刺針の先端を外套チューブの先端から少し引っ込めた状態で、手元側から処置具挿通路に押し込まれる。
【0004】
したがって、いわゆる前方視型の内視鏡のように処置具挿通路が出口付近で真っ直ぐに形成されている場合は問題ないが、例えば超音波内視鏡等のように処置具挿通路が出口の直前でカーブしている場合には、図6に示されるように、処置具挿通路52のカーブ部分を通過する際に外套チューブ1の内面に穿刺針2の先端2aが突き刺さって、作動不良になってしまう場合がある。53は、超音波内視鏡50の処置具突出口である。
【0005】
そこで本発明は、内視鏡の処置具挿通路が出口付近でカーブしていても、そこを通過する際に外套チューブの内面に穿刺針の先端が突き刺さらず、穿刺針を処置具挿通路の出口からスムーズに突出させることができる内視鏡用穿刺具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用穿刺具は、可撓性を有するステンレス鋼パイプ製の穿刺針が、内視鏡の処置具挿通路に挿脱される可撓性の外套チューブの先端内に軸線方向に進退自在に配置され、外套チューブの先端から穿刺針が突没するように穿刺針を外套チューブの基端側から進退操作できるようにした内視鏡用穿刺具において、穿刺針の少なくとも先端付近を、自然状態において滑らかな円弧状に曲がった形状に形成したものである。
【0007】
なお、穿刺針の先端付近のうち、穿刺処置時に内視鏡の処置具挿通路の出口から突出する部分が円弧状に曲がった形状に形成されていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は内視鏡用穿刺具の全体構成を示しており、図示されていない内視鏡の処置具挿通路に挿脱される可撓性の外套チューブ1は、例えば外径が2mm程度で長さが1〜2m程度の四フッ化エチレン樹脂チューブ等によって形成されている。
【0009】
外套チューブ1内には、肉厚が薄くて可撓性のあるステンレス鋼パイプからなる穿刺針2が、軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されている。穿刺針2の先端2aは、注射針状に斜めに切り削がれて尖った形状に形成されている。
【0010】
穿刺針2内には、詰まり防止用の挿脱自在なスタイレット3が全長にわたって挿通されている。スタイレット3は、例えば細いステンレス鋼線等のような可撓性に富んだ材料によって形成されている。
【0011】
外套チューブ1の基端は、操作部10の操作部本体11に連結固定されており、操作部本体11内を通過する穿刺針2の基端突端部には、穿刺針2内に薬液等を送り込むための注射口金12が取り付けられている。13はスタイレット3の摘みであり、注射口金12に対して係脱自在に配置されている。
【0012】
14は、操作部10において穿刺針2に固着されたストッパであり、操作部本体11に取り付けられたゴム製のOリング15がストッパ14に対して弾力的にクリック係合することにより、図1の状態(即ち、穿刺針2の先端が外套チューブ1の先端内に収納された状態)が保持される。
【0013】
このような構成により、注射口金12を操作部本体11に対して軸線方向に進退操作することにより、外套チューブ1の先端から穿刺針2の先端2aを任意に突没させることができる。
【0014】
また、操作部本体11には側方に突出する注入口金16が形成されており、外套チューブ1と穿刺針2との間の隙間に注入口金16から造影剤や洗浄液等を注入することができる。17は、シール用のOリングである。
【0015】
図2は、外套チューブ1の先端部分を示しており、穿刺針2の先端2a近傍部分(例えば先端2aから2〜5cm程度の範囲)が、自然状態において滑らかな円弧状に曲がった形状に形成されており、外套チューブ1とスタイレット3は穿刺針2に沿うことにより撓んだ状態になっている。
【0016】
したがって、操作部10側から穿刺針2が外套チューブ1に対して押し込み操作されれば、図3に示されるように、穿刺針2の先端2aが外套チューブ1の先端からスムーズに突出し、スタイレット3は穿刺針2と一体的に移動する。
【0017】
図4は、先端部分に超音波プローブ51が配置された超音波内視鏡50の処置具挿通路52内に上記実施例の内視鏡用穿刺具が挿入されて、超音波内視鏡50の処置具突出口53から突出する直前の状態を示している。
【0018】
この位置における処置具挿通路52は、内視鏡用穿刺具等を超音波プローブ51による超音波走査範囲に突出させることができるように、処置具突出口53の直前部分において小さな曲率半径で滑かに曲げられており、それに沿って外套チューブ1が進んで行く。
【0019】
その際、穿刺針2の先端付近が滑らかな円弧状に曲がった形状に形成されていることにより、滑かに曲がった外套チューブ1の内面に穿刺針2の先端2aが突き刺さる状態にはならない。
【0020】
なお、この位置に達するまでの範囲では、穿刺針2の先端部分が処置具挿通路52に沿ってある程度真っ直ぐに伸ばされた状態に弾性変形し、その状態を保ちつつ内視鏡用穿刺具が処置具挿通路52内を進んで来る。
【0021】
そして、処置具挿通路52の曲がり部を通過する際には、穿刺針2の曲がり方向が処置具挿通路52の曲がり方向と一致するように、内視鏡用穿刺具が軸線回りに自然に回転する。
【0022】
そのようにして外套チューブ1の先端が処置具突出口53に達したら、操作部10において穿刺針2を押し込む操作をすることにより、図5に示されるように、穿刺針2の先端2aが外套チューブ1の先端から突出して目標とする患部等に対して穿刺処置を行うことができる。
【0023】
その際には、穿刺針2の先端2a付近が滑らかな円弧状に曲がった形状に形成されていることにより、穿刺針2の先端2a付近が真っ直ぐに形成されている場合(矢印B)に比べて、穿刺針2の先端2aの進行方向が、矢印Aで示されるように、超音波プローブ51による超音波走査範囲の中心方向Xに近い方向に向かうので、穿刺処置を容易に行うことができる。
【0024】
なお本発明において、穿刺針2は少なくとも先端付近(望ましくは、少なくとも処置具突出口53から突出する範囲)が滑らかな円弧状に曲がった形状に形成されていればよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、穿刺針の少なくとも先端付近を、自然状態において滑らかな円弧状に曲がった形状に形成したことにより、内視鏡の処置具挿通路が出口付近でカーブしていても、そこを通過する際に外套チューブの内面に穿刺針の先端が突き刺さらず、穿刺針を処置具挿通路の出口からスムーズに突出させることができる。
【0026】
また、超音波内視鏡に使用する場合には、穿刺針を超音波走査範囲の中心方向に向けて突出させ易くなる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の内視鏡用穿刺具の全体構成を示す側面断面図である。
【図2】本発明の実施例の内視鏡用穿刺具の穿刺針が引っ込んだ状態の先端部分の側面断面図である。
【図3】本発明の実施例の内視鏡用穿刺具の穿刺針が突出した状態の先端部分の側面断面図である。
【図4】本発明の実施例の内視鏡用穿刺具の先端部分が超音波内視鏡の処置具突出口から突出する直前の状態の側面断面図である。
【図5】本発明の実施例の内視鏡用穿刺具の先端部分が超音波内視鏡の処置具突出口から突出した状態の側面断面図である。
【図6】従来の内視鏡用穿刺具の先端部分が超音波内視鏡の処置具突出口から突出する直前の状態の側面断面図である。
【符号の説明】
1 外套チューブ
2 穿刺針
2a 先端
3 スタイレット
10 操作部
52 処置具挿通路
53 処置具突出口

Claims (3)

  1. 可撓性を有するステンレス鋼パイプ製の穿刺針が、内視鏡の処置具挿通路に挿脱される可撓性の外套チューブ内に軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置され、上記外套チューブの先端から上記穿刺針の先端部分が突没するように上記穿刺針を上記外套チューブの基端側から進退操作できるようにした内視鏡用穿刺具において、
    上記穿刺針の少なくとも先端付近の部分が、自然状態において滑らかな円弧状に曲がった形状に形成され、上記外套チューブの先端付近の部分が、上記穿刺針に沿うことにより撓んだ状態になっていることを特徴とする内視鏡用穿刺具。
  2. 上記穿刺針の先端付近のうち、穿刺処置時に上記内視鏡の処置具挿通路の出口から突出する部分が上記円弧状に曲がった形状に形成されている請求項1記載の内視鏡用穿刺具。
  3. 可撓性を有するスタイレットが上記穿刺針内の全長にわたって挿脱自在に挿通されていて、そのスタイレットの先端付近の部分が、上記穿刺針に沿うことにより撓んだ状態になっている請求項1又は2記載の内視鏡用穿刺具。
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