JP2011206228A - 内視鏡処置具 - Google Patents

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Abstract

【課題】注射針を備える内視鏡処置具において、処置具に供給される液で注射針を洗浄する。
【解決手段】内視鏡処置具1は、外チューブ2と、外チューブ2に進退自在に挿通された内チューブ3と、内チューブ3と連通した状態に内チューブ3の先端部に接続され、内チューブ3の進退に応じて外チューブ2の先端部に突没する注射針4と、内チューブ3を進退させる操作部5と、を備え、操作部5は、外チューブ2が接続されるシリンダ10と、内チューブ3が接続され、シリンダ10に対して進退操作される操作桿11とを含み、シリンダ10は、内チューブ3が連通する第1室22と、外チューブ2が連通する第2室22と、液が注入される注液口20と、操作桿11の進退操作に連動して注液口20を第1室22又は第2室23に選択的に連通させる切り替え手段21と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡のチャンネルを通じて体内に導入される内視鏡処置具に関する。
近年、内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)が実施されている。ESDは、高周波ナイフで病変部にマーキングを施し、注射具で薬液を注入して病変部を隆起させ、高周波ナイフで隆起した病変部の外周を全周切開し、そして、高周波ナイフで病変部の粘膜下層を筋層から剥離していく術式である。
特許文献1には、外チューブと、外チューブに進退自在に挿通された内チューブと、内チューブの先端部に接続された注射針と、を備えた注射具が記載されている。この注射具は、内チューブを外チューブに対して前進させることによって注射針を外チューブの先端に突出させ、突出した注射針を組織に穿刺する。そして、内チューブを通じて注射針に送液し、液を組織に注入するようになっている。
施術の際に、血液や組織片などが注射針の外表面に付着することがあるが、そのままでは血液が凝固し、また、組織片が固着し、穿刺に支障をきたす虞がある。一方で、血液や組織片などが注射針の外表面に付着するたびに、注射具を体内から引き抜いていたのでは、効率の低下を招く。そのため、注射針の外表面に付着した血液や組織片などは体内で注除去するのが望ましい。しかし、特許文献1に記載された注射具において、注射具に供給される液は注射針の先端から放出されるのみで、注射針の外表面に付着した血液や組織片を洗い落とすことはできなかった。
特開2001−58006号公報
本発明は上述した事情に鑑みなされたものであり、その目的は、注射針を備える内視鏡処置具において、処置具に供給される液で注射針を洗浄することのできる内視鏡処置具を提供することにある。
外チューブと、前記外チューブに進退自在に挿通された内チューブと、前記内チューブと連通した状態に前記内チューブの先端部に接続され、前記内チューブの進退に応じて前記外チューブの先端部に突没する注射針と、前記内チューブを進退させる操作部と、を備え、前記操作部は、前記外チューブが接続されるシリンダと、前記内チューブが接続され、前記シリンダに対して進退操作される操作桿とを含み、前記シリンダは、前記内チューブが連通する第1室と、前記外チューブが連通する第2室と、液が注入される注液口と、前記操作桿の進退操作に連動して前記注液口を前記第1室又は前記第2室に選択的に連通させる切り替え手段と、を有する内視鏡処置具。
本発明によれば、注液口が第1室に連通された状態で、注液口に注入される液は内チューブを流通し、注射針に送液される。一方、注液口が第2室に連通された状態で、注液口に注入される液は外チューブと内チューブとの間を流通する。それにより、外チューブの先端部に没入した注射針の外表面を洗浄することができる。
本発明の実施形態を説明するための、内視鏡処置具の一例を示す図。 図1の内視鏡処置具の動作を示す図。 図1の内視鏡処置具の動作を示す図。 図1の内視鏡処置具の変形例を示す図。 図4の内視鏡処置具の動作を示す図。 図1の内視鏡処置具の他の変形例を示す図。 本発明の実施形態を説明するための、内視鏡処置具の他の例を示す図。 図7の内視鏡処置具の動作を示す図であって、図7における点線円VIIIで囲まれた部分を拡大して示す図。 図7の内視鏡処置具の動作を示す図。 図7の内視鏡処置具の変形例を示す図。 図10の内視鏡処置具の外チューブの先端部を示す図。 内視鏡処置具の他の例を示す図。 図12の内視鏡処置具の動作を示す図。 図12の内視鏡処置具の動作を示す図。
図1は、内視鏡処置具の一例を示す。
図1に示す内視鏡処置具1は、外チューブ2と、外チューブ2に進退自在に挿通された内チューブ3と、内チューブ3と連通した状態に内チューブ3の先端部に接続された注射針4と、内チューブ3を進退させる操作部5と、を備えている。注射針4は、内チューブ3の進退に伴って、外チューブ2の先端部に突没する。
外チューブ2及び内チューブ3は、例えばフッ素樹脂やナイロン樹脂などの樹脂で形成され、柔軟で長尺な部材であるので、好ましくは、内チューブ3と注射針4とは、同軸に接続される。それによれば、内チューブ3を前進させる際に、注射針4には、注射針4の中心軸に関して略均等に力が作用し、注射針4が傾きにくくなる。もって、外チューブ2への注射針4の引っ掛かりを防止し、注射針4を円滑に外チューブ2の先端部に突出させることができる。
操作部5は、外チューブ2の後端部が接続されたシリンダ10と、内チューブ3の後端部が接続されたパイプ12を有する操作桿11と、を含んでいる。パイプ12は、シリンダ10の後端を閉じる蓋13を貫通してシリンダ10内に導入されている。パイプ12と蓋13との隙間はOリング等の止水部材17によって塞がれており、パイプ12は、シリンダ10の軸方向に進退自在に、且つパイプ12の中心軸まわりに回転可能に、シリンダ10に支持されている。なお、シリンダ10の後方に突出しているパイプ12の後端部には、ノブ14が設けられている。操作桿11は、ノブ14を操作されて、シリンダ10の軸方向に進退する。そして、操作桿11の進退に伴って、内チューブ3が進退する。
シリンダ10は、液が注入される注液口20と、内部の空間を区分する隔壁21と、を有している。注液口20には、図示しないシリンジが接続され、シリンジから薬液などの液が注入される。注入された液は、シリンダ10の内部の空間に送られる。隔壁21は、例えばゴムなどで形成され、シリンダ10の内周面に密接して止水しており、シリンダ10の内部の空間は、隔壁21によって、第1室22と、第2室23とに区分されている。第1室22と第2室23とは、シリンダ10の軸方向に並び、後端側に第1室22が配置され、先端側に第2室23が配置されている。
操作桿11のパイプ12は、第1室22に位置する部分に側孔15を有している。第1室22は、側孔15を通じてパイプ12に連通し、そしてパイプ12を通じて、パイプ12の先端部に接続されている内チューブ3に連通している。また、第2室23は、シリンダ10の先端側の開口を通じて、シリンダ10の先端部に接続されている外チューブ2に連通している。
隔壁21は、その中心を貫通する操作桿11のパイプ12に固定されており、操作桿11の進退に伴って、操作桿11と一体に、シリンダ10の内部でシリンダ10の軸方向に進退する。隔壁21は、シリンダ10の軸方向に少なくとも注液口20の後側の縁から前側の縁に及ぶ範囲を移動し、換言すれば、シリンダ10の軸方向に注液口20を跨いで移動する。隔壁21の進退に伴って、第1室22の容積及び第2室23の容積は相反的に増減する。
図2及び図3は、図1の内視鏡処置具の動作を示す。
図2は、操作桿11が前進操作され、それに伴って、内チューブ3が前進し、その先端に接続された注射針4が外チューブ2の先端部に突出している状態を示している。
操作桿11の前進操作に伴って、隔壁21もまた前進しており、隔壁21は、シリンダ10の軸方向に注液口20より前側に位置している。よって、注液口20は、第1室22に接続する。注液口20に注入される液は、第1室22に流入し、操作桿11のパイプ12を通じて第1室22に連通している内チューブ3に流入し、そして、内チューブ3を流れて注射針4の先端から放出される。
図3は、操作桿11が後退操作され、それに伴って、内チューブ3が後退し、その先端に接続された注射針4が外チューブ2の先端部に没入している状態を示している。
操作桿11の後退操作に伴って、隔壁21もまた後退しており、隔壁21は、シリンダ10の軸方向に注液口20より後側に位置している。よって、注液口20は、第2室23に接続する。注液口20に注入される液は、第2室23に流入し、第2室23に連通している外チューブ2に流入し、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路を流れて外チューブ2の先端から放出される。
ここで、注射針4は、外チューブ2の先端部に収容されており、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路を流れる液によって、注射針4は、その外表面を洗浄され、外表面に付着した血液や組織片は洗い落とされる。
図4は、図1の内視鏡処置具の変形例を示す。
図4に示す内視鏡処置具1において、隔壁21は、操作桿11のパイプ12に取り付けられているが、パイプ12に固定はされておらず、パイプ12に沿って移動可能である。そして、パイプ12には、一対の係止部16a、16bが設けられている。一対の係止部16a、16bは、パイプ12に沿って間隔をおいて設けられ、それらの間に隔壁21を挟んでいる。
図5は、図4の内視鏡処置具の動作を示す。
図5は、内チューブ3の先端に接続された注射針4が外チューブ2の先端部に突出している状態から、操作桿11が後退操作され、注射針4が外チューブ2の先端部に没入するまでの過程を示している。
注射針4が外チューブ2の先端部に突出している状態で、シリンダ10の軸方向に隔壁21の後側にある係止部16bが隔壁21に当接しており、隔壁21は、シリンダ10の軸方向に関する注液口20の前側の縁に位置している。注液口20は、第1室22に接続している(FIG.5A)。
操作桿11が後退操作され、それに伴って、パイプ12もまた後退する。ここで、隔壁21は、パイプ12に沿って移動可能であるため、注液口20の前側に縁にとどまり、注液口20は、第1室22に接続した状態を保っている(FIG.5B)。
操作桿11が、一対の係止部16a、16bの間隔以上に後退操作されると、シリンダ10の軸方向に隔壁21の前側にある係止部16aが隔壁21に当接し、隔壁21をパイプ12に係止する。パイプ12に係止された隔壁21は、以後の操作桿11の後退操作において、パイプ12と一体に後退する(FIG.5C)。
注射針4が外チューブ2の先端部に没入するまで操作桿11が後退操作された際に、隔壁21は、シリンダ10の軸方向に関する注液口20の後側に縁に位置し、注液口20は、第2室23に接続する(FIG.5D)。
注液口20の接続先を第1室22と第2室23とで切り替える際の隔壁21の進退に伴って、第1室22の容積及び第2室23の容積は相反的に増減する。隔壁21が後退する際には、第1室22の容積が減少し、第2室23の容積が増加する。そして、第1室22の容積の減少に伴って、第1室22に収容されている液が押し出され、パイプ12及び内チューブ3を通じて注射針4から放出され、消費される。また、隔壁21が前進する際には、第1室22の容積が増加し、第2室23の容積が減少する。そして、第2室23の容積の減少に伴って、第2室23に収容されている液が押し出され、外チューブ2と内チューブ3との間の流路を通じて外チューブ2の先端から放出され、消費される。
以上の操作桿11の後退操作においては、隔壁21の後退量は、操作桿11の後退量に比べて一対の係止部16a、16bの間隔だけ小さくなる。そして、隔壁21の後退量が小さいほど、第1室22の容積の減少量が小さくなる。同様に、操作桿11の前進操作においては、隔壁21の前進量は、操作桿11の前進量に比べて一対の係止部16a、16bの間隔だけ小さくなる。それにより、注液口20の接続先を第1室22と第2室23とで切り替える際に、第1室22及び第2室23に収容されている液の消費を抑制することができる。
図6は、図1の内視鏡処置具の他の変形例を示す。
図6に示す内視鏡処置具1において、注射針4は、高周波電極とされている。注射針4は、典型的にはステンレス等の金属で形成されているので、注射針4それ自体を電極として用いてもよいし、注射針4に別途電極部材を添着してもよい。
注射針4に高周波電流を供給する送電線41は、操作部5から注射針4まで延びている。送電線41は、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路を通して配線されてもよいが、送電線41と外チューブ2及び内チューブ3との間で擦れが生じ、内チューブ3の円滑な進退が阻害される可能性があるので、好ましくは、内チューブ3を通して配線される。
以上のように構成された内視鏡処置具1によれば、例えば、上述のESDにおいて、注射針4を病変部に押し当てた状態で注射針4に高周波電流を供給し、病変部を焼灼して病変部にマーキングを施すことができる。そして、処置具を替えることなく、注射針4を病変部に穿刺し、病変部に薬液を注入して病変部を隆起させることができる。それにより、ESDの施術を効率的に行うことができる。
そして、高周波電極である注射針4の外表面には、焼灼によって焦げた組織片等が付着しやすいが、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路に液を流すことによって、注射針4の外表面を洗浄し、外表面に付着した血液や組織片は洗い落とすことができる。
図7は、内視鏡処置具の他の例を示す。なお、上述した内視鏡処置具1と共通する要素には、共通の符号を付すことにより、説明を省略ないし簡略する。
図7に示す内視鏡処置具101は、外チューブ2と、外チューブ2に進退自在に挿通された内チューブ3と、内チューブ3と連通した状態に内チューブ3の先端部に接続された注射針4と、内チューブ3を進退させる操作部5と、を備えている。そして、操作部5は、外チューブ2の後端部が接続されたシリンダ10と、内チューブ3の後端部が接続されたパイプ12を有する操作桿11と、を含んでいる。
シリンダ10は、液が注入される注液口20と、内部の空間を区分する隔壁121と、を有している。隔壁121は、例えばゴムなどで形成され、シリンダ10の内周面に密接して止水しており、シリンダ10の内部の空間は、隔壁121によって、第1室22と、第2室23とに区分されている。第1室22と第2室23とは、シリンダ10の軸方向に並び、後端側に第1室22が配置され、先端側に第2室23が配置されている。
第1室22は、側孔15を通じてパイプ12に連通し、そしてパイプ12を通じて、パイプ12の先端部に接続されている内チューブ3に連通している。また、第2室23は、シリンダ10の先端側の開口を通じて、シリンダ10の先端部に接続されている外チューブ2に連通している。
隔壁121は、その中心部を貫通している操作桿11のパイプ12に固定されており、操作桿11の進退に伴って、操作桿11と一体に、シリンダ10の内部でシリンダ10の軸方向に進退する。隔壁121は、シリンダ10の軸方向に注液口20を跨いで移動する。
操作桿11が前進操作されると、内チューブ3が前進し、その先端に接続された注射針4が外チューブ2の先端部に突出する。同時に、隔壁121が、シリンダ10の軸方向に注液口20より前側に移動し、注液口20は、第1室22に接続する。注液口20に注入される液は、第1室22に流入し、パイプ12及び内チューブ3を流れて注射針4の先端から放出される。
操作桿11が後退操作されると、内チューブ3が後退し、その先端に接続された注射針4が外チューブ2の先端部に没入する。同時に、隔壁121が、シリンダ10の軸方向に注液口20より後側に移動し、注液口20は、第2室23に接続する。注液口20に注入される液は、第2室23に流入し、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路を流れて外チューブ2の先端から放出される。
シリンダ10は、その軸方向に関して隔壁121の前方にストッパ124を有している。ストッパ124は、シリンダ10の内周面から中心に向けて突出しており、図示の例では、シリンダ10の内周面の全周にわたって設けられ、環状に形成されている。ストッパ124は、操作桿11の前進操作に伴って前進する隔壁121の周縁部に当接し、隔壁121を制止する。隔壁121が制止されることによって、操作桿11の前進操作も制止される。それにより、注射針4が外チューブ2の先端部に過度に突出することを防止することができる。
ストッパ124には、その周上の所定の箇所に、貫通孔125が設けられている。そして、隔壁121にも、ストッパ124が当接する周縁部の所定の箇所に、貫通孔126が設けられている。隔壁121の貫通孔126は、ストッパ124及び隔壁121の中心軸であるパイプ12まわりに、ストッパ124の貫通孔125から所定の角度(図示の例では180°)だけ回転した位置にある。
図8及び図9は、図7の内視鏡処置具の動作を示す。
図8は、操作桿11が前進操作され、隔壁121がストッパ124に当接して制止された状態を示している。このとき、内チューブ3の先端に接続された注射針4は、外チューブ2の先端部に所定量だけ突出している(図7参照)。隔壁121は、シリンダ10の軸方向に注液口20より前側に位置し、注液口20は、第1室22に接続している。
そして、隔壁121の貫通孔126は、パイプ12まわりに、ストッパ124の貫通孔125から180°だけ回転した位置にあり、貫通孔125は隔壁121によって塞がれ、また、貫通孔126はストッパ124によって塞がれている。注液口20に注入される液は、第1室22に流入し、パイプ12及び内チューブ3を流れて注射針4の先端から放出される。
図9は、図8に示す状態から、操作桿11がパイプ12まわりに180°回転された状態を示している。操作桿11の回転操作に伴って、隔壁121もまた回転し、隔壁121の貫通孔126が、ストッパ124の貫通孔125に重なっている。それにより、第1室22と第2室23とが、両貫通孔125、126を通じて連通する。
注液口20に注入される液は、第1室22に流入し、パイプ12及び内チューブ3を流れて注射針4の先端から放出される。さらに、第1室22に流入した液は、両貫通孔125、126を通じて第2室23に流入し、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路を流れて外チューブ2の先端からも放出される。
操作桿11の進退操作によって、注射針4の先端からの液の放出と、外チューブ2の先端からの液の放出とが選択でき、さらに、操作桿11の回転操作によって注射針4及び外チューブ2双方の先端からの放出も選択することができる。例えば、注射針4を病変部に穿刺し、注射針4から液を放出して病変部に液を注入すると共に、外チューブ2の先端からも液を放出して病変部の周辺を洗浄するといった処置が可能となる。
図10は、図7の内視鏡処置具の変形例を示す。
外チューブ2の先端には、円環状の先端ストッパ部127が設けられている。先端ストッパ部127の中央部の開口128の径は、外チューブ2の内径よりも小さくなっている。
注射針4は、その基端部に、注射針4の長手軸に対して放射方向に突出する羽状の複数の突出部129が設けられている。注射針4の径は、複数の突出部129が設けられている基端部を除き、先端ストッパ部127の開口128の径よりも小さく、注射針4は、開口128に挿通可能である。一方、複数の突出部129に外接する円の径は、開口128の径よりも大きくなっている。
操作桿11の前進操作に伴い、注射針4の先端部は、先端ストッパ部127の開口128を通して、外チューブ2の先端から突出する。そして、隔壁121がストッパ124に当接して制止されるより前に、注射針4の基端部に設けられた複数の突出部129が、開口128の縁部に当接し、注射針4はその位置に固定される。操作桿11のさらなる前進操作に伴い、隔壁121がストッパ124に当接して制止された際には、固定された注射針4との間で内チューブ3が圧縮されている。注射針4を組織に穿刺する場合に、内チューブ3が予め圧縮されていることで、注射針4が外チューブ2内に埋没することが防止される。
さらに図11を参照して、操作桿11の回転操作に伴って、隔壁121の貫通孔126がストッパ124の貫通孔125に重なって連通した状態で、注液口20に注入される液は、第1室22に流入し、パイプ12及び内チューブ3を流れて注射針4の先端から放出される。さらに、注液口20に注入される液は、両貫通孔125、126を通じて第2室23にも流入し、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路に流れる。外チューブ2の先端の先端ストッパ部127の開口128には、注射針4の複数の突出部129が当接しているが、これらの突出部129は、注射針4の長手軸に対して放射方向に羽状に突出しており、開口128は、周方向に隣り合う二つの突出部129の隙間を通して開通している。よって、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路に流れる液は、外チューブ2の先端からも放出される。
また、操作桿11が後退操作されると、注液口20が、第2室23に接続し、注液口20に注入される液は、第2室23に流入して、外チューブ2と内チューブ3との間に形成される流路を流れ、外チューブ2の先端から放出される。注射針4の複数の突出部129は、注射針4の長手軸に対して放射方向に羽状に突出しており、周方向に隣り合う二つの突出部129の間に隙間が置かれることで、流路断面積の減少が抑えられる。それにより、外チューブ2と内チューブ3との間の流路での円滑な送液が可能となる。
図12は、内視鏡処置具の他の例を示す。
図12に示す内視鏡処置具201は、チューブ202と、外チューブ202に進退自在に挿通された操作ワイヤ203と、操作ワイヤ203の先端部に接続された注射針204と、操作ワイヤ203を進退させる操作部205と、を備えている。注射針204は、操作ワイヤ203の進退に伴って、チューブ202の先端部に突没する。
操作部205は、チューブ202の後端部が接続されたシリンダ210と、操作ワイヤ203の後端部が接続されたパイプ212を有する操作桿211と、を含んでいる。パイプ212は、シリンダ210の後端を閉じる蓋213を貫通してシリンダ210内に導入されている。パイプ212と蓋213との隙間はOリング等の止水部材217によって塞がれており、パイプ212は、シリンダ210の軸方向に進退自在にシリンダ210に支持されている。なお、シリンダ210の後方に突出しているパイプ212の後端部には、ノブ214が設けられている。操作桿211は、ノブ214を操作されて、シリンダ210の軸方向に進退する。そして、操作桿211の進退に伴って、操作ワイヤ203が進退する。
シリンダ210は、液が注入される注液口220を有している。注液口220には、図示しないシリンジが接続され、シリンジから薬液などの液が注入される。注入された液は、シリンダ210の内部の空間に送られる。シリンダ210の内部の空間は、シリンダ210の先端側の開口を通じて、シリンダ210の先端部に接続されている外チューブ202に連通している。
外チューブ202の先端には、円環状のストッパ224が取付けられている。ストッパ224の中央部の開口227の径は、外チューブ202の内径よりも小さくなっている。
注射針204は、内部に流路229が形成された針部228と、針部228の基端部に設けられた鍔部230とを有している。鍔部230には、その周面に開口し、針部228の流路229に連通する連通路231が形成されている。
針部228の径は、ストッパ224の開口227の径よりも小さく、針部228は、開口227に挿通可能である。一方、鍔部230の径は、ストッパ224の開口227の径よりも大きくなっており、開口227の縁部に当接して開口227を塞ぐ。
図13及び図14は、図12の内視鏡処置具の動作を示す。
図13は、操作桿211が前進操作され、それに伴って、操作ワイヤ203が前進し、その先端に接続された注射針204の針部228が、ストッパ224の開口227を通して外チューブ202の先端部に突出している状態を示している。
注射針204の針部228が外チューブ202の先端部に突出した状態で、注射針204の鍔部230は、ストッパ224の開口227の縁に当接し、開口227を塞いでいる。シリンダ201の注液口220に注入される液は、シリンダ210の内部の空間に連通している外チューブ202に流入し、そして、外チューブ202を流れて注射針204の鍔部230の連通路231に流入し、連通路231が連通する注射針204の針部228の流路229に流入して、注射針204の先端から放出される。
図14は、操作桿11が後退操作され、それに伴って、操作ワイヤ203が後退し、その先端に接続された注射針204が外チューブ202の先端部に没入している状態を示している。
注射針204の針部228が外チューブ202の先端部に没入した状態で、注射針204の鍔部230は、ストッパ204から離間しており、ストッパ224の開口227は開かれている。シリンダ201の注液口220に注入される液は、シリンダ210の内部の空間に連通している外チューブ202に流入し、そして、外チューブ202を流れ、開かれているストッパ224の開口227を通して外チューブ202の先端から放出される。
ここで、注射針204は、外チューブ202の先端部に収容されており、外チューブ202を流れる液によって、注射針204は、その外表面を洗浄され、外表面に付着した血液や組織片は洗い落とされる。
以上、説明したように、本明細書に開示された内視鏡処置具は、外チューブと、前記外チューブに進退自在に挿通された内チューブと、前記内チューブと連通した状態に前記内チューブの先端部に接続され、前記内チューブの進退に応じて前記外チューブの先端部に突没する注射針と、前記内チューブを進退させる操作部と、を備え、前記操作部は、前記外チューブが接続されるシリンダと、前記内チューブが接続され、前記シリンダに対して進退操作される操作桿とを含み、前記シリンダは、前記内チューブが連通する第1室と、前記外チューブが連通する第2室と、液が注入される注液口と、前記操作桿の進退操作に連動して前記注液口を前記第1室又は前記第2室に選択的に連通させる切り替え手段と、を有する。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記切り替え手段が、前記第1室と前記第2室とを隔てる隔壁を含み、前記隔壁は、前記操作桿に取り付けられており、前記操作桿の進退操作に伴って、前記隔壁が、前記操作桿の進退方向に前記注液口を跨いで移動する。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記隔壁の移動量が、前記操作桿の進退量よりも小さい。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記隔壁が、前記操作桿の進退方向に移動可能に前記操作桿に取り付けられており、前記操作桿は、その進退方向に間隔をおいた一対の係止部を有し、前記操作桿の進退操作に伴って、前記一対の係止部のいずれかが、前記隔壁に当接して前記隔壁を前記操作桿に係止する。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記シリンダが、前記隔壁の前方にストッパを有しており、前記操作桿の前進操作に伴って、前記ストッパが、前記隔壁に当接して前記隔壁を制止する。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記操作桿が、さらに、その進退方向を中心軸として回転され、前記隔壁は、貫通孔を有し、前記操作桿の回転に伴って、前記隔壁が、該隔壁に当接する前記ストッパに対して回転し、前記貫通孔が前記ストッパによって開閉される。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記注射針が、高周波電極である。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記注射針に高周波電流を供給する送電線が、前記内チューブの流路に挿通されている。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記内チューブが、前記注射針と同軸に前記注射針に接続されている。
また、本明細書には、先端と基端と長手軸と前記先端に設けられた開口面とを有した外チューブと、先端と基端と長手軸とを有し、前記外チューブに進退自在に挿通された内チューブと、前記内チューブと連通した状態に前記内チューブの先端部に接続され、前記内チューブの進退に応じて前記外チューブの前記開口面から突没する注射針と、前記内チューブの基端に送液可能に接続され、前記内チューブを前記外チューブに対して進退させる操作桿と、前記外チューブの基端に送液可能に接続されたシリンダと、前記シリンダに設けられた注液口と、前記シリンダ内に配置され、前記操作桿を操作することで前記注液口より注入された液体を前記外チューブ、若しくは前記内チューブ、又は前記外チューブ及び前記内チューブの両方に送液切換する液体流路切換弁と、前記操作桿上であって液体流路切換弁よりも基端側に設けられた液体連通孔と、を備える内視鏡処置具が開示されている。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記液体流路切換弁が、前記操作桿の長手軸と交差して設けられ、前記シリンダを前記前記外チューブと連通する第1室と、前記液体連通孔と連通する第2室とに分割すると共に、前記操作桿を前記シリンダに対して先端側に移動させたときは、前記注液口よりも先端側に位置し、前記操作桿を前記シリンダに対して基端側に移動させたときは、前記注液口よりも基端側に位置する。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記液体流路切換弁が、前記注液口よりも先端側の前記シリンダ内壁に前記操作桿の長手軸と交差して設けられた第1の隔壁部材と、前記第1の隔壁部材に設けられ、前記隔壁部材の先端側と基端側とを連通する隔壁部材連通口と、前記操作桿に設けられ、前記操作桿が先端側に移動した際に前記第1の隔壁部材に当接する第2の隔壁部材と、からなり、前記第2の隔壁部材は、前記シリンダ内において前記操作桿の長手軸を回転中心として回転自在であり、前記第1の隔壁部材と当接した状態で前記操作桿を回転操作することにより、前記隔壁部材連通口を封鎖する位置と、前記隔壁部材連通口の封鎖を解除する位置とに移動可能に設けられている。
また、本明細書に開示された内視鏡処置具は、前記注射針が、その長手軸に対して放射方向に突出した突出部を有し、前記外チューブは、前記先端側に前記突出部と当接するストッパ部を有する。
1 内視鏡処置具
2 外チューブ
3 内チューブ
4 注射針
5 操作部
10 シリンダ
11 操作桿
12 パイプ
13 蓋
14 ノブ
15 側孔
16a 係止部
16b 係止部
17 止水部材
20 注液口
21 隔壁
22 第1室
23 第2室
41 送電線
101 内視鏡処置具
121 隔壁
124 ストッパ
125 貫通孔
126 貫通孔

Claims (13)

  1. 外チューブと、
    前記外チューブに進退自在に挿通された内チューブと、
    前記内チューブと連通した状態に前記内チューブの先端部に接続され、前記内チューブの進退に応じて前記外チューブの先端部に突没する注射針と、
    前記内チューブを進退させる操作部と、
    を備え、
    前記操作部は、前記外チューブが接続されるシリンダと、前記内チューブが接続され、前記シリンダに対して進退操作される操作桿とを含み、
    前記シリンダは、前記内チューブが連通する第1室と、前記外チューブが連通する第2室と、液が注入される注液口と、前記操作桿の進退操作に連動して前記注液口を前記第1室又は前記第2室に選択的に連通させる切り替え手段と、を有する内視鏡処置具。
  2. 請求項1に記載の内視鏡処置具であって、
    前記切り替え手段が、前記第1室と前記第2室とを隔てる隔壁を含み、
    前記隔壁は、前記操作桿に取り付けられており、
    前記操作桿の進退操作に伴って、前記隔壁が、前記操作桿の進退方向に前記注液口を跨いで移動する内視鏡処置具。
  3. 請求項2に記載の内視鏡処置具であって、
    前記隔壁の移動量は、前記操作桿の進退量よりも小さい内視鏡処置具。
  4. 請求項3に記載の内視鏡処置具であって、
    前記隔壁は、前記操作桿の進退方向に移動可能に前記操作桿に取り付けられており、
    前記操作桿は、その進退方向に間隔をおいた一対の係止部を有し、
    前記操作桿の進退操作に伴って、前記一対の係止部のいずれかが、前記隔壁に当接して前記隔壁を前記操作桿に係止する内視鏡処置具。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の内視鏡処置具であって、
    前記シリンダは、前記隔壁の前方にストッパを有しており、
    前記操作桿の前進操作に伴って、前記ストッパが、前記隔壁に当接して前記隔壁を制止する内視鏡処置具。
  6. 請求項5に記載の内視鏡処置具であって、
    前記操作桿は、さらに、その進退方向を中心軸として回転され、
    前記隔壁は、貫通孔を有し、
    前記操作桿の回転に伴って、前記隔壁が、該隔壁に当接する前記ストッパに対して回転し、前記貫通孔が前記ストッパによって開閉される内視鏡処置具。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の内視鏡処置具であって、
    前記注射針が、高周波電極である内視鏡処置具。
  8. 請求項7に記載の内視鏡処置具であって、
    前記注射針に高周波電流を供給する送電線が、前記内チューブの流路に挿通されている内視鏡装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の内視鏡処置具であって、
    前記内チューブが、前記注射針と同軸に前記注射針に接続されている内視鏡処置具。
  10. 先端と基端と長手軸と前記先端に設けられた開口面とを有した外チューブと、
    先端と基端と長手軸とを有し、前記外チューブに進退自在に挿通された内チューブと、
    前記内チューブと連通した状態に前記内チューブの先端部に接続され、前記内チューブの進退に応じて前記外チューブの前記開口面から突没する注射針と、
    前記内チューブの基端に送液可能に接続され、前記内チューブを前記外チューブに対して進退させる操作桿と、
    前記外チューブの基端に送液可能に接続されたシリンダと、
    前記シリンダに設けられた注液口と、
    前記シリンダ内に配置され、前記操作桿を操作することで前記注液口より注入された液体を前記外チューブ、若しくは前記内チューブ、又は前記外チューブ及び前記内チューブの両方に送液切換する液体流路切換弁と、
    前記操作桿上であって液体流路切換弁よりも基端側に設けられた液体連通孔と、
    を備える内視鏡処置具。
  11. 請求項10に記載の内視鏡処置具であって、
    前記液体流路切換弁は、前記操作桿の長手軸と交差して設けられ、前記シリンダを前記前記外チューブと連通する第1室と、前記液体連通孔と連通する第2室とに分割すると共に、前記操作桿を前記シリンダに対して先端側に移動させたときは、前記注液口よりも先端側に位置し、前記操作桿を前記シリンダに対して基端側に移動させたときは、前記注液口よりも基端側に位置する内視鏡処置具。
  12. 請求項10に記載の内視鏡処置具であって、
    前記液体流路切換弁は、前記注液口よりも先端側の前記シリンダ内壁に前記操作桿の長手軸と交差して設けられた第1の隔壁部材と、前記第1の隔壁部材に設けられ、前記隔壁部材の先端側と基端側とを連通する隔壁部材連通口と、前記操作桿に設けられ、前記操作桿が先端側に移動した際に前記第1の隔壁部材に当接する第2の隔壁部材と、からなり、
    前記第2の隔壁部材は、前記シリンダ内において前記操作桿の長手軸を回転中心として回転自在であり、前記第1の隔壁部材と当接した状態で前記操作桿を回転操作することにより、前記隔壁部材連通口を封鎖する位置と、前記隔壁部材連通口の封鎖を解除する位置とに移動可能に設けられている内視鏡処置具。
  13. 請求項10に記載の内視鏡処置具であって、
    前記注射針は、その長手軸に対して放射方向に突出した突出部を有し、
    前記外チューブは、前記先端側に前記突出部と当接するストッパ部を有する内視鏡処置具。
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