JPH081268Y2

JPH081268Y2 - 吊荷の姿勢調整機構

Info

Publication number: JPH081268Y2
Application number: JP1992060073U
Authority: JP
Inventors: 亮水谷; 光輝岸; 敏和颯田
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1992-08-26
Filing date: 1992-08-26
Publication date: 1996-01-17
Anticipated expiration: 2006-01-17
Also published as: JPH0625285U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、クレーン揚重作業にお
けるクレーン吊荷の姿勢調整機構に関する。

【０００２】

【従来技術】例えば建設現場において、吊荷を斜めに吊
る場合、従来は、吊荷に玉掛けワイヤを掛け、人手によ
り玉掛けワイヤの長さを調節するか、または、２台のク
レーンによる共吊りを行っていた。

【０００３】人手による玉掛けワイヤの長さの調整は、
確実に行うことが困難で、吊り上げ後の吊荷の姿勢が不
安定になるおそれがある。そして、２台のクレーンによ
り共吊りは、クレーンを２台必要とすると共に、揚重操
作に熟練を要する。また、吊荷を旋回させることができ
ない。なお、従来技術として、吊荷の姿勢や傾斜を調整
するものとしては例えば特公昭３５−０１４６３０号公
報、または、特開昭５１−８７２５０号公報に、吊荷を
旋回させるものとしては例えば実開平３−７６８８５号
のマイクロフィルムに、開示されている。しかし、これ
ら公知技術は吊荷を吊上げ、または吊下げることで姿勢
調整を行うもので、吊荷を一定位置にて姿勢制御、回転
が行えるものではない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、吊荷を簡単
な操作で上下せずに任意の姿勢に調整すると共に旋回さ
せることができるクレーン吊荷の姿勢調整機構を提供す
ることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案によれば、クレー
ン揚重作業における吊荷の姿勢調整機構において、横行
レールに横行自在に設けた横行ガータに、旋回台を介し
て旋回自在に吊りガータを吊設し、該吊りガータの両側
端部上面に一対の第一シーブと、該第一シーブの旋回台
側に一対の第四シーブとを設け、前記吊りガータの下面
には、略中央位置にジャッキと、第四シーブの対向位置
に第二シーブとをそれぞれ吊設し、ジャッキの作動桿を
介して第三シーブを吊りガータの長手方向に可動自在に
設けて、ウインチに巻回された２本の巻上げワイヤを、
第一シーブを介してそれぞれ垂下して一対のフックシー
ブで上方に向けて反転し、第二シーブを介して共に第３
シーブで反転し、再び第二シーブから上面の第四シーブ
を介してそれぞれ止着部に止着している。

【０００６】また本考案によれば、クレーン揚重作業に
おける吊荷の姿勢調整機構において、横行レールに横行
自在に設けた横行ガータに、旋回台を介して吊りガータ
を旋回自在に吊設し、該吊りガータの両側端部上面に一
対の第一シーブを設け、前記吊りガータの下面の略中央
位置にジャッキを、そして両端部に一対の第二シーブを
それぞれ設け、ウインチに巻回された二本の巻上げワイ
ヤを、それぞれ第一シーブを介して垂下し、一対のフッ
クシーブで上方に向けて反転し、それぞれ第二シーブを
介して共にジャッキの作動桿に止着している。

【０００７】

【作用】上記のように構成された吊荷の姿勢調整機構に
おいて、吊荷を斜めに吊る場合は、ジャッキを作動して
作動桿を下傾側に移動させる。すると、上傾側の第二シ
ーブからの巻掛けワイヤが長くなり、同量だけ下傾側の
第二シーブからの巻掛けワイヤが短くなる。したがっ
て、上傾側のフックシーブは吊上げられ、下傾側のフッ
クシーブは吊り下げられて、吊荷を回転中心として吊荷
は斜め姿勢に調整される。

【０００８】

【実施例】以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

【０００９】図１において、横行レール１に横行自在に
設けられた横行ガータ２には、旋回台３を介して吊りガ
ータ４が旋回自在に吊設されている。

【００１０】吊りガータ４の両側端部上面に一対の第一
シーブ５ａ、５ｂと、その第一シーブ５ａ、５ｂの旋回
台３側に一対の第四シーブ１１ａ、１１ｂとが設けら
れ、前記吊りガータ４の下面には、略中央位置にジャッ
キ９と、第四シーブ１１ａ、１１ｂの対向位置に第二シ
ーブ８ａ、８ｂとがそれぞれ吊設されている。また、ジ
ャッキ９の作動桿９ａを介して第三シーブ１０が吊りガ
ータ４の長手方向に可動自在に設けられている。そし
て、図示してないウインチに巻回された２本の巻上げワ
イヤ６ａ、６ｂが、第一シーブ５ａ、５ｂを介してそれ
ぞれ垂下され、一対のフックシーブ７ａ、７ｂで上方に
向けて反転され、第二シーブ８ａ、８ｂを介して共に第
三シーブ１０に巻掛けられて反転され、再び第二シーブ
８ａ、８ｂから上面の第四シーブ１１ａ、１１ｂを介し
てそれぞれ図示してない止着部に止着されている。

【００１２】次ぎに作用について説明する。

【００１３】今、例えば吊荷２０を鎖線で示すように左
側を上傾して吊る場合について説明する。ウインチを作
動して一対のフックシーブ７ａ、７ｂを下げ、吊荷２０
のフックピン２１に掛けて吊荷２０を若干吊上げる。そ
こで、ジャッキ９の作動桿９ａを伸張して第三シーブ１
０を下傾側すなわち矢印Ａ方向に移動する。すると、巻
上げワイヤ６ａは引上げられ、これと等量ワイヤ６ｂは
引下げられる。ワイヤ６ａ、６ｂの一端は図示してない
止着部に止着されているので、左側のフックシーブ７ａ
は矢印Ｂ方向に作動桿９ａの伸張量だけ引上げられ、右
側のフックシーブ７ｂは矢印Ｃ方向に等量引下げられ
る。そして、吊荷２０の傾き姿勢が鎖線状態になったら
ジャッキ９の作動桿９ａの伸張を停止した後、ウインチ
を作動して巻上げワイヤ６ａ、６ｂを巻上げ、鎖線状態
のまま吊荷２０を吊上げる。また、その状態で旋回が必
要な場合は、旋回台３を旋回し、吊りガータ４を介して
吊荷２０を旋回させる。

【００１４】図２は本考案の別の実施例を示している。
横行レール１に横行自在に設けられた横行ガータ２に
は、旋回台３を介して吊りガータ４が旋回自在に吊設さ
れている。その吊りガータ４の両側端部上面に一対の第
一シーブ５ａ、５ｂが設けられ、前記吊りガータ４の下
面には、略中央位置にジャッキ９が、両端部に一対の第
二シーブ８ａ、８ｂが吊設されている。そして、図示し
てないウインチに巻回された二本の巻上げワイヤ６ａ、
６ｂが、それぞれ第一シーブ５ａ、５ｂを介して垂下さ
れ、一対のフックシーブ７ａ、７ｂで上方に向けて反転
されて、それぞれ第二シーブ８ａ、８ｂを介して共にジ
ャッキ９の作動桿９ａに止着されている。作用は、上記
の実施例と同様にウインチを作動してフックシーブ７
ａ、７ｂを下げて吊荷２０のフックピン２１に掛け、若
干吊上げてジャッキ９の作動桿９ａを伸張する。する
と、巻上げワイヤ６ａ、６ｂの一端が作動桿９ａに止着
されているので、フックシーブ７ａ、７ｂは作動桿９ａ
の伸張量の１／２づつ、それぞれ上と下に移動する。吊
荷２０が所定の傾斜となったらジャッキの作動桿９ａの
伸張を停止し、ウインチを作動して巻上げワイヤ６ａ、
６ｂを巻上げ、吊荷２０を吊上げる。

【００１５】

【考案の効果】本考案は、以上説明したように構成され
ているので下記の効果が得られる。（１）吊荷を２系統の巻上げワイヤで支持し、１基の
ジャッキの操作により熟練を要せず、安定した姿勢調整
をすることができる。（２）２系統の巻上げワイヤの伸短変化量が等しく、
すなわち、吊り荷高さを変えず、吊り荷を回転中心とし
て任意の傾斜を与えることができる。（３）吊り荷を旋回をすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す正面図。

【図２】本考案の別の実施例を示す正面図。

【符号の説明】

１・・・横行レール２・・・横行ガータ３・・・旋回台４・・・吊りガータ５ａ、５ｂ・・・第一シーブ６ａ、６ｂ・・・巻上げワイヤ７ａ、７ｂ・・・フックシーブ８ａ、８ｂ・・・第二シーブ９・・・ジャッキ９ａ・・・作動桿１０・・・第三シーブ１１ａ、１１ｂ・・・第四シーブ２０・・・吊荷２１・・・フックピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭51−87250（ＪＰ，Ａ) 実開平３−76885（ＪＰ，Ｕ) 特公昭35−14630（ＪＰ，Ｂ１)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】クレーン揚重作業における吊荷の姿勢調
整機構において、横行レール（１）に横行自在に設けた
横行ガータ（２）に、旋回台（３）を介して旋回自在に
吊りガータ（４）を吊設し、該吊りガータ（４）の両側
端部上面に一対の第一シーブ（５ａ、５ｂ）と、該第一
シーブ（５ａ、５ｂ）の旋回台（３）側に一対の第四シ
ーブ（１１ａ、１１ｂ）とを設け、前記吊りガータ
（４）の下面には、略中央位置にジャッキ（９）と、第
四シーブ（１１ａ、１１ｂ）の対向位置に第二シーブ
（８ａ、８ｂ）とをそれぞれ吊設し、ジャッキ（９）の
作動桿（９ａ）を介して第三シーブ（１０）を吊りガー
タ（４）の長手方向に可動自在に設けて、ウインチに巻
回された２本の巻上げワイヤ（６ａ、６ｂ）を、第一シ
ーブ（５ａ、５ｂ）を介してそれぞれ垂下して一対のフ
ックシーブ（７ａ、７ｂ）で上方に向けて反転し、第二
シーブ（８ａ、８ｂ）を介して共に第３シーブ（１０）
で反転し、再び第二シーブ（８ａ、８ｂ）から上面の第
四シーブ（１１ａ、１１ｂ）を介してそれぞれ止着部に
止着していることを特徴とする吊荷の姿勢調整機構。
【請求項２】クレーン揚重作業における吊荷の姿勢調
整機構において、横行レール（１）に横行自在に設けた
横行ガータ（２）に、旋回台（３）を介して吊りガータ
（４）を旋回自在に吊設し、該吊りガータ（４）の両側
端部上面に一対の第一シーブ（５ａ、５ｂ）を設け、前
記吊りガータ（４）の下面の略中央位置にジャッキ
（９）を、そして両端部に一対の第二シーブ（８ａ、８
ｂ）をそれぞれ設け、ウインチに巻回された二本の巻上
げワイヤ（６ａ、６ｂ）を、それぞれ第一シーブ（５
ａ、５ｂ）を介して垂下し、一対のフックシーブ（７
ａ、７ｂ）で上方に向けて反転し、それぞれ第二シーブ
（８ａ、８ｂ）を介して共にジャッキ（９）の作動桿
（９ａ）に止着したことを特徴とする吊荷の姿勢調整機
構。