JP2581976B2 - ダブルリンク式引込クレーンの吊荷安定支持装置 - Google Patents

ダブルリンク式引込クレーンの吊荷安定支持装置

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JP2581976B2
JP2581976B2 JP1093560A JP9356089A JP2581976B2 JP 2581976 B2 JP2581976 B2 JP 2581976B2 JP 1093560 A JP1093560 A JP 1093560A JP 9356089 A JP9356089 A JP 9356089A JP 2581976 B2 JP2581976 B2 JP 2581976B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はダブルリンク式引込クレーン、特にグラブバ
ケット、フックあるいはスプレッダ等種々の荷役作業
を、ジブ先端のシーブ位置を変えてロープをS字掛けに
することなく安定に行うことのできる吊荷安定支持装置
に関する。
(従来技術) ダブルリンク引込クレーンは、周知のように基台固定
側の上下部に枢着された2本の前部リンクおよび上部リ
ンクと、これらのリンクを連結するように各リンク先端
に枢着したジブとを有し、上部リンクおよびジブに沿っ
てのばしたロープをジブ先端の複数個のシーブから下方
へ垂らして吊荷を懸垂するものである(例えば特公昭63
−35551号参照)。このような引込クレーンでロープ下
端の吊具がグラブバケット、フック、スプレッダと多種
にわたる場合、複数個のロープの吊具支持位置を変えな
ければ吊具の安定吊下げができない。従来、各種の吊具
に対して吊荷を安定支持するために、例えば特公昭63−
35551号公報に示すようにジブ先端に設けられた第1、
第2の2個のメインシーブの間隔を変えるために第3の
シーブおよび該第3のシーブを支持する第4のシーブお
よび支持ロープを設けたもの、あるいは特開昭61−8139
0号公報に示すようにジブ先端に一直線に放置された4
個のメインシーブの他に、4本の吊ワイヤロープに吊具
に合った巾をもたせる目的でガイドシーブおよびこれを
移動させるリンク機構およびワイヤロープを設けたもの
などが知られている。
(発明が解決しようとする課題) 従来の多種吊具用引込クレーンの前者のものは、吊具
の安定支持のためにメインシーブの他に多くの補助シー
ブやワイヤロープをジブ、前部リンクに設けているの
で、重量増加の原因となり、そのための巻取ドラムも必
要でコスト高になると共にグラブバケットからスプレッ
ダ或いはスプレッダからグラブバケットへと吊具の支持
方法が変わると、ワイヤロープをシーブに対して掛け変
えなければならないので、作業生が悪くなるという問題
があった。また従来の後者のものではな第3のシーブあ
るいはガイドシーブによりワイヤロープをS字掛けにし
ているためにワイヤロープの寿命が短かくなるという欠
点があった。
本発明はメインシーブを吊具の種類に応じて伸縮装置
で前後に移動させるようにし、これによって複数本のワ
イヤロープをS字掛けにすることなく吊荷を安定支持す
ることのできるダブルリンク式引込クレーンの吊荷安定
支持装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明による吊荷安定支持装置は、クレーン本体の上
部フレームと、前記上部フレームの下部に起伏可能に枢
着した前部リンクと、前記前部リンクの先端に回動自在
に枢着したジブと、前記ジブの後端と前記上部フレーム
の上部との間に回動自在に枢着した上部リンクとを有
し、前記ジブ先端に設けた複数個のメインシーブを介し
て下方へ垂らした吊荷支持ロープで吊荷を懸垂するダブ
ルリンク式引込クレーンにおいて、前記ジブ先端の複数
個のメインシーブを支持ブラケットを介して前後方向に
移動させる伸縮機構を有して成るものである。
(実施例) 次に、本発明を実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は本発明の実施例によるダブルリンク式引込ク
レーンの全体側面図であり、第2図(a)は第1図の実
施例におけるメインシーブ部分の拡大斜視図である。地
上面を走行する台車12上に旋回台13が設置され、旋回台
13上にクレーン本体部となる上部フレーム14が固定され
ている。上部フレーム14の前端下部に前部リンク8が起
伏可能に枢着され、同様に上部フレーム14の上部に上部
リンク15の下端が枢着されている。前部リンク8と上部
リンク15の先端どおしを連結するようにジブ6が両リン
ク先端に枢着され、ジブ6の先端は前部リンク8よりも
クレーン前方へ延伸し、その先端に後述する複数個(実
施例では4個)のく形に折曲した支持ブラケット3が所
定の間隔で一直線上に並んで枢軸2を介して枢着されて
いる。各支持ブラケット3の一端にはそれぞれメインシ
ーブ1が回転自由に軸支され、またその他端には、それ
ぞれ、ジブ6上に設けた伸縮機構(実施例は油圧シリン
ダであり、以下油圧シリンダとする)4,5のピストンロ
ッドが連結されている。各支持ブラケット3はそのジブ
上の枢軸2を中心に或る範囲内で回転動作し得るが、こ
の実施例では、第2図(a),(b)に示すように4個
並んだもののうち、外側に位置するものどおし、および
内側に位置するものどおしが同じ方向に同角度回転する
ようになっている。4本のワイヤロープ16はそれぞれ旋
回台13上の巻上機17から上部リンク15、ジブ6に沿って
張り出され、各々のメインシーブ1を経て下方の吊具18
に連結される。上部フレーム14には前部リンク8に連結
された引込装置7が設けられており、この引込装置7を
作動させることにより、前部リンク8が起伏動作し、前
部リンク8、上部リンク15およびジブ6は第1図の実線
位置から鎖線位置へ姿勢を変え、これによって吊具18は
略水平に引込移動がなされる。
第2図(a)、第3図および第4図に示すように、各
油圧シリンダ4,5のピストンロッドを引込(収縮)動作
させると、く形折曲支持ブラケット3はその枢軸2のま
わりに回転して4個のメインシーブ1が互いに一直線上
に横並びする。メインシーブ1から垂れる各ワイヤロー
プ16は側面視では重なり合った状態となり、グラブバケ
ットの吊具18を吊るのに適した配置となる。リンク8,15
が前傾姿勢のとき(第3図)、起立(引込み)姿勢のと
き(第4図)ともにこの関係は同じで4本のワイヤロー
プの長さは等しい。
次にプレッダ吊りの場合において、第2図(b)、第
5図、第6図および第7図に示すように、各油圧シリン
ダ4,5のピストンロッドを伸長動作させると、支持ブラ
ケット3は2個づつその下端が相反する方向に回転し、
全体としてメインシーブ1は側面視ハ字形となってメイ
ンシーブ1は前後方向に離間し、4本のワイヤロープ16
は2本づつ前後方向にl1(第5図)の間隔に広がって垂
下し、これによってスプレッダの吊具19を吊るのに適し
たロープ配置となる。第3図、第4図のグラブバケット
吊りと同様に引込装置7で前部リンク8を引くことによ
り、ジブ6は軸9のまわりに回転し、第1図鎖線位置に
変化するが、この場合、そのままで前後に広げられた2
個づつのメインシーブ1は第6図のように水平な位置か
ら傾きをもつようになり、ワイヤロープ16の間隔は狭く
なる。このような場合は、ジブ6の回転角に対応して油
圧シリンダ4および(または)5のロッド伸長量を調整
してシーブ間隔を変えることにより、第6図のワイヤロ
ープ間隔l2を第5図のl1に等しくなるようにする。ある
いはまた、第7図の如く常に4個のメインシーブ1を水
平に維持するように油圧シリンダ4,5を制御し、これに
よってワイヤロープ16の間隔を一定(l1)に保つように
してもよい。これによってスプレッダ19は前部リンク8
の前傾、起立位置に拘らず常に水平に保たれ、吊荷の振
れ、傾斜を防止することができる。各々のメインシーブ
から垂れるワイヤロープ16はいずれの場合も互いに平行
に垂下し、S字掛けのような状態にはならない。
なお、前記実施例ではメインシーブ1を4個設けた例
を示したが、これに限定されることなく適宜状況に応じ
て変更できることはいうまでもない。また、伸縮装置4,
5として油圧シリンダを用いた例を示したが、これに限
定されることなく伸縮機構を有するもの例えばボールス
クリュー,スクリュージャッキ等であっても良いことは
勿論である。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、簡単な支持ブラ
ケット機構および油圧シリンダをジブ先端に付加するだ
けで、シーブの個数やワイヤロープの本数を増すことな
く、吊具の種類変更に対応でき、かつジブの回転角に応
じてシーブ全体の位置を常に水平に保つことができ、吊
荷を安定に吊ることができる。ワイヤロープはS字掛け
にならないのでロープを傷めることがない、等多大の効
果がもたらされる。なお、本発明はダブルリンク式引込
クレーンのみならず、多目的クレーンのジブ部分に適用
可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係るダブルリンク式引込クレ
ーンの全体側面図、第2図(a)は第1図のメインシー
ブ部分における拡大斜視図、第2図(b)はスプレッダ
吊具の場合の第2図(a)に対応した斜視図、第3図は
前部リンク前傾姿勢時におけるグラブバケット吊りの場
合のジブ先端部分の拡大側面図、第4図は前部リンク起
立姿勢時における第3図に対応した拡大側面図、第5図
は前部リンク前傾姿勢時におけるスプレッダ吊りの場合
のジブ先端部分の拡大側面図、第6図は前部リンク起立
姿勢時におけるメインシーブの傾き状態でワイヤロープ
間隔を等しくした場合の拡大側面図、第7図は前部リン
ク起立姿勢でメインシーブを水平保持した状態のスプレ
ッダ吊りの場合の拡大側面図である。 1……メインシーブ、2……枢軸、 3……支持ブラケット、 4,5……伸縮装置(油圧シリンダ)、 6……ジブ、8……前部リンク、 14……上部フレーム、15……上部リンク、 16……ワイヤロープ、 18……吊具(グラブバケット)、 19……吊具(スプレッダ)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クレーン本体の上部フレームと、前記上部
    フレームの下部に起伏可能に枢着した前部リンクと、前
    記前部リンクの先端に回動自在に枢着したジブと、前記
    ジブの後端と前記上部フレームの上部との間に回動自在
    に枢着した上部リンクとを有し、前記ジブ先端に設けた
    複数個のメインシーブを介して下方へ垂らした吊荷支持
    ロープで吊荷を懸垂するダブルリンク式引込クレーンに
    おいて、前記ジブ先端の複数個のメインシーブを支持ブ
    ラケットを介して前後方向に移動させる伸縮機構を有す
    ることを特徴とする吊荷安定支持装置。
JP1093560A 1989-04-13 1989-04-13 ダブルリンク式引込クレーンの吊荷安定支持装置 Expired - Fee Related JP2581976B2 (ja)

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