JP2003252567A - クレーン装置 - Google Patents

クレーン装置

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JP2003252567A
JP2003252567A JP2002054074A JP2002054074A JP2003252567A JP 2003252567 A JP2003252567 A JP 2003252567A JP 2002054074 A JP2002054074 A JP 2002054074A JP 2002054074 A JP2002054074 A JP 2002054074A JP 2003252567 A JP2003252567 A JP 2003252567A
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Isao Miyazawa
勲 宮澤
Hiroaki Tabata
宏明 田畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガーダ上を走行するトロリから吊り下げられ
るフックの吊下位置を、簡単な構造で軽量・低コストで
変更できるクレーン装置を提供する。 【解決手段】 ガーダ3上を走行するトロリ7から吊り
下げられるフック9の吊下位置を変更するクレーン装置
1であって、下端部が上記トロリ7に枢支されその枢支
点17を中心に円弧運動する入力リンク18と、中央部
が上記入力リンク18の上端部に枢支され下端部がフッ
ク9の吊下点21となる支持リンク19と、一端部が上
記支持リンク19の上端部に枢支されると共に他端部が
上記トロリ7に枢支された拘束リンク25と、上記入力
リンク18を円弧運動させるアクチュエータ35とを備
え、該アクチュエータ35によって上記入力リンク18
を円弧運動させるに伴い、上記支持リンク19および拘
束リンク25が回動し、支持リンク19の下端部のフッ
ク吊下点21が略水平運動するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガーダ上を走行す
るトロリから吊り下げられるフックの吊下位置を変更す
るクレーン装置に係り、特に、フックの吊下位置を変更
するアクチュエータの駆動力を小さくできるクレーン装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように、造船用のゴライアス
クレーン1(門型クレーン)は、船舶のドックに沿って
走行する門型フレーム2を有する。門型フレーム2は、
船舶のドック及びそれに並設された部品組立ヤードの上
方を掛け渡すように配置されたガーダ3と、ガーダ3の
一端部に取り付けられた脚4と、ガーダ3の他端部に取
り付けられた脚5と、それら脚4、5の下端部に取り付
けられた車輪群6とを有する。
【0003】ガーダ3上には、その長手方向に沿って走
行する上部トロリ7が載置されている。上部トロリ7の
車幅方向の両端部には、ガーダ3を挟むようにしてそれ
ぞれウィンチから繰り出されたワイヤ8を介し、フック
9が吊り下げられている。また、ガーダ3の内部には、
その長手方向に沿って走行する下部トロリ(図示せず)
が収容されている。下部トロリには、ガーダ3の下面に
長手方向に沿って開口されたスリット10を通し、ウィ
ンチから繰り出されたワイヤ11を介して、フック12
が吊り下げられている。
【0004】これら3個のフック9、9、12には、部
品組立ヤードで組み立てられた吊り荷13(船舶のアッ
センブリ部品)が、吊下ワイヤ8、8、11を介して吊
り下げられる。そして、上部トロリ7と下部トロリとを
同期させてガーダ3の長手方向に沿って移動させること
で、吊り荷13をドックの船舶14(組立途中)の所定
位置に移動し、船舶14の組立を行う。
【0005】ところで、従来のこの種のクレーン装置
は、吊り荷13の重量が重いため、装置の剛性を確保す
る都合上、上部トロリ7の左右のフック9、9の間隔が
固定されているものが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、左右のフック
9、9の間隔を変化させる機構としては、上部トロリ7
の左右に車幅方向Aに移動する台車(図示せず)をそれ
ぞれ設け、それら各台車から吊下ワイヤ8、8を垂下さ
せ、それらの下端部にフック9、9を取り付けるもの
が、一般的に考えられる。
【0007】しかし、このタイプでは、上部トロリ7上
を移動する台車及びその台車を支持するフレームを製作
しなければならず、構造が複雑化し、重量増大及びコス
トアップが大きい。また、上部トロリ7上を走行する台
車には、吊り荷13(船舶のアッセンブリ部品)の荷重
が加わるため、その車輪に図1に示す門型フレームの車
輪群6のような車輪群を取り付ける必要がある。よっ
て、現実的には実現が困難である。
【0008】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、ガーダ上を走行するトロリから吊り下げられる
フックの吊下位置を、簡単な構造で軽量・低コストで変
更できるクレーン装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ガーダ上を走行するトロリから吊り下げら
れるフックの吊下位置を変更するクレーン装置であっ
て、下端部が上記トロリに枢支されその枢支点を中心に
円弧運動する入力リンクと、中央部が上記入力リンクの
上端部に枢支され下端部がフックの吊下点となる支持リ
ンクと、一端部が上記支持リンクの上端部に枢支される
と共に他端部が上記トロリに枢支された拘束リンクと、
上記入力リンクを円弧運動させるアクチュエータとを備
え、該アクチュエータによって上記入力リンクを円弧運
動させるに伴い、上記支持リンクおよび拘束リンクが回
動し、支持リンクの下端部のフック吊下点が略水平運動
するものである。
【0010】本発明によれば、上記のように組み合わさ
れた各リンクからなるリンク機構によって、アクチュエ
ータによる入力リンクの円弧運動が、支持リンクの下端
部のフック吊下点の略水平運動に変更される。このよう
に、トロリから吊り下げられるフックの吊下位置をリン
ク機構によって略水平に変更しているので、アクチュエ
ータに吊り荷の持ち上げ能力が要求されることはなく、
簡単な構造で且つ軽量・低コストでフックの吊下位置を
変更できる。
【0011】また、上記トロリと入力リンクとを繋ぐ枢
支部、上記入力リンクと支持リンクとを繋ぐ枢支部、上
記支持リンクと拘束リンクとを繋ぐ枢支部および上記拘
束リンクとトロリとを繋ぐ枢支部が、それぞれ各リンク
をトロリ車幅方向に回動するものであり、上記アクチュ
エータが、上記入力リンクをトロリ車幅方向に回動させ
るものであってもよい。こうすれば、フックの吊下位置
をトロリ車幅方向に変更できる。
【0012】また、上記入力リンクと支持リンクとを繋
ぐ枢支部が、支持リンクのトロリ車幅方向への回動のみ
ならずトロリ走行方向への回動をも許容する2方向継手
であり、上記支持リンクに、当該支持リンクを上記2方
向継手を中心としてトロリ走行方向へ回動させる別のア
クチュエータを連結してもよい。
【0013】こうすれば、支持リンクの下端部のフック
吊下点は、支持リンクを2方向継手を中心にトロリ車幅
方向に回動させることでトロリ車幅方向に変更できる
上、別のアクチュエータによって支持リンクを2方向継
手を中心にトロリ走行方向に回動させることでトロリ走
行方向にも変更できる。
【0014】また、上記入力リンク、支持リンク、拘束
リンク、アクチュエータおよび別のアクチュエータが、
トロリの車幅方向の両端部にそれぞれ設けられていても
よい。
【0015】また、上記ガーダに脚を取り付けて門型フ
レームを構成し、該門型フレームを上記ガーダの直交方
向に移動可能に配置してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を添付図面に基
いて説明する。
【0017】本実施形態に係るクレーン装置は、図1に
示す既述した造船用のゴライアスクレーン1(門型クレ
ーン)と、基本的な構造は共通する。このため、共通す
る部品については同一の符号を付して説明を省略し、特
徴部分(相違部分)を重点的に説明する。
【0018】図2に示すように、このクレーン装置1の
特徴とするところは、ガーダ3上を走行する上部トロリ
7から吊り下げられる左右のフック9の吊下位置を、以
下に説明するリンク機構等によって変更できる点にあ
る。図示するように、ガーダ3の上面には、その長手方
向に沿って一対のレール15が敷設されており、上部ト
ロリ7は、そのレール15上を走行する車輪16を有す
る。
【0019】上部トロリ7の車幅方向の左右両端部に
は、それぞれ下端部がピン17で枢支された入力リンク
18が取り付けられている。入力リンク18は、その枢
支点(ピン17)を中心にトロリ車幅方向Aに円弧運動
可能となっている。入力リンク18の上端部には、支持
リンク19の略中央部がピン20で枢支されている。支
持リンク19は、ピン20を中心にトロリ車幅方向Aに
回動可能となっている。支持リンク19の下端部には、
図3にも示すように、シーブブロック21が取り付けら
れている。
【0020】シーブブロック21の下方には、フック9
が取り付けられた別のシーブブロック22が配置されて
いる。これらシーブブロック21、22のシーブには、
適宜ワイヤ8が巻き付けられており、その一端部がトロ
リ7に設けたウィンチドラム23に巻き付けられてい
る。そして、ウィンチドラム23を正逆回転させてワイ
ヤ8を繰り出し又は巻き取ることで、フック9が昇降す
るようになっている。よって、支持リンク19の下端部
(シーブブロック21)が、実質的にフック9の吊下点
となる。
【0021】支持リンク19の上端部と上部トロリ7に
設けた支持金具24との間には、支持リンク19の回動
を拘束する拘束リンク25が、それぞれピン26、27
を介して介設されている。拘束リンク25は、ピン26
を中心にトロリ車幅方向Aに円弧運動可能となってお
り、支持リンク19のピン20廻りの回動を拘束する。
そして、各リンク18、19、25は、入力リンク18
がピン17を中心に円弧運動されると、支持リンク19
がピン20を中心に回動し、拘束リンク25がピン26
を中心に回動し、支持リンク19の下端部のフック吊下
点(シーブブロック21)が略水平運動するように、各
寸法が設定されている。
【0022】すなわち、図2の右側の各リンク18、1
9、25は、フック吊下点である支持リンク19の下端
部(シーブブロック21)が実線で示すようにトロリ車
幅方向A内方に引き込まれた状態のとき、入力リンク1
8が左側に傾き、支持リンク19が右側に傾き、拘束リ
ンク25が水平状態となっている。そして、この状態か
ら入力リンク18がピン17廻りに時計方向に回動され
ると、支持リンク19は、その中央部がピン20に引か
れて右方に移動されつつ上方に持ち上げられ、同時に全
体が右側に傾いた状態から拘束リンク25に拘束されて
ピン20廻りに反時計方向に回動され、鉛直状態とな
る。
【0023】このため、支持リンク19の下端部は、支
持リンク19の中央部が入力リンク18の回動に伴って
上昇される持ち上げ量と、支持リンク19の姿勢が右側
に傾いた状態から鉛直状態となるときの下降量とが相殺
されるため、結果として略水平に移動するのである。こ
のとき、拘束リンク25は、支持リンク19がピン20
廻りに無制限に回動することなく、支持リンク19の下
端部が上述の略水平移動するように、支持リンク19の
回動を拘束している。その後、支持リンク19と重なっ
て鉛直状態となった入力リンク18を、更にピン17廻
りに時計方向に回動させると、同様に各リンク18、1
9、25が作動して、支持リンク19の下端部(シーブ
ブロック21)は、殆ど上下動することなく、更に車幅
方向Aの外方に略水平に移動する。
【0024】上記入力リンク18には、図2に示すよう
に、入力ロッド28の先端部がピン29で連結されてい
る。入力ロッド28の基端部は、補助リンク30の上端
部にピン31で連結されている。補助リンク30は、そ
の下端部が上部トロリ7に設けた金具32にピン33で
取り付けられており、ピン33廻りにトロリ車幅方向A
に自在に回動するようになっている。この構成によれ
ば、補助リンク30をピン33廻りに回動させることに
より、入力ロッド28を介して入力リンク18がピン1
7廻りに回動することになる。
【0025】補助リンク30の上端部と上部トロリ7に
設けた金具34との間には、入力リンク18をピン17
廻りに円弧運動させるためのアクチュエータとして、電
動シリンダ35(図2左方では図示省略)が夫々ピン3
1、36を介して介設されている。電動シリンダ35
は、そのヘッド部内に設けたネジ棒又はこれに螺合する
ナットをモータ37によって回転させてネジ送りし、ロ
ッド部を伸縮するものである。但し、アクチュエータ
は、かかる電動シリンダ35に限られることはなく、油
圧シリンダであってもよい。なお、補助リンク30およ
び入力ロッド28を省略し、電動シリンダ35の先端部
を直接入力リンク18に連結してもよい。
【0026】以上の構成からなる本実施形態の作用を述
べる。
【0027】図1及び図2に示すように、このクレーン
装置1によれば、上記のように組み合わされた各リンク
18、19、25からなるリンク機構によって、電動シ
リンダ35(アクチュエータ)による入力リンク18の
円弧運動が、支持リンク19の下端部のフック吊下点
(シーブブロック21)の略水平運動に変更される。す
なわち、支持リンク19の下端部のフック吊下点21
は、支持リンク19の中央部が入力リンク18の回動に
伴って上昇される持ち上げ量と、支持リンク19の姿勢
が右側に傾いた状態から鉛直状態となるときの下降量と
が相殺されるため、殆ど上下動することなく略水平に車
幅方向Aの外方に運動する。
【0028】このように、トロリ7から吊り下げられる
フック9の吊下位置21をリンク機構によって変更して
いるので、簡単な構造で且つ軽量・低コストでフック9
の吊下位置を変更できる。詳しくは、支持リンク19の
下端部のフック吊下点21が、殆ど上下動することなく
略水平運動するので、その際にフック9に吊り下げられ
た図1に示す吊り荷13(船舶のアッセンブリ部品)の
位置エネルギは殆ど変化しない。よって、電動シリンダ
35(アクチュエータ)は、吊り荷13を持ち上げる能
力が要求されることはなく、その動作力が極めて小さく
小型・軽量のもので済む。よって、低コストとなるわけ
である。
【0029】仮に、支持リンク19の下端部のフック吊
下点21が大きく上下動しつつ水平運動する場合には、
その上下動幅に応じて吊り荷13も上下動するため、電
動シリンダ35は、リンク機構によるレバー比を考慮し
つつも、吊り荷13をその上下動幅の範囲で持ち上げる
能力が要求されることになる。そして、吊り荷13は、
図1に示すように、船舶のアッセンブリ部品であって非
常に重量が大きいため、僅かに持ち上げる場合であって
も、非常に大きな力が必要となる。よって、この場合、
電動シリンダ35は、能力の非常に大きなものを用いる
必要があり、大型化・重量化・高コスト化を招いてしま
うのである。
【0030】これに対し、本実施形態では、各リンク1
8、19、25からなるリンク機構によって、支持リン
ク19の下端部のフック吊下点21を殆ど上下動させる
ことなく略水平運動させているので、電動シリンダ35
の能力が小さくて済むのである。そして、図1におい
て、上部トロリ7の左右のフック9、9を適宜トロリ7
の車幅方向Aに略水平運動させることで、各フック9、
9、12に吊り下げられた吊り荷13の姿勢を水平面内
で鉛直軸廻りに回動(車幅方向Aの回動)させることが
できる。よって、吊り荷13を組立中の船舶14の所定
位置に設置するとき、設置位置の調整の自由度が高ま
る。なお、下部トロリのフック12の吊下点は、変更さ
れることなく固定されている。
【0031】また、支持リンク19に加わる吊り荷13
の荷重は、図2において、その殆どがピン20を介して
入力リンク18に伝わり、ピン17を介してトロリ7に
加わる。よって、そのピン20、17を太く高強度のも
のとしておけば、吊り荷13の荷重対策も万全となる。
【0032】別の実施形態を図4乃至図6に示す。
【0033】この実施形態は、基本的な構造は前実施形
態と共通する。このため、共通する部品については同一
の符号を付して説明を省略し、特徴部分(相違部分)を
重点的に説明する。
【0034】図4に示すように、本実施形態のクレーン
装置1aにおいては、入力リンク18と支持リンク19
とを繋ぐ枢支部20xが、支持リンク19のトロリ車幅
方向Aへの回動のみならずトロリ走行方向(走行方向
B)への回動をも許容する2方向継手となっている(図
3参照)。
【0035】2方向継手20x(クロスヘッド)は、図
5及び図6にも示すように、一対の入力リンク18、1
8の間に配置され、各入力リンク18の穴に挿入される
ピン38が形成された筒体39を有する。すなわち、筒
体39は、トロリ走行方向Bに突出されたピン38を有
し、ピン38を中心としてトロリ車幅方向Aに回動す
る。そして、筒体39の内部には、支持リンク19が筒
体39の内面と走行方向Bに僅かに間隔40を隔てて貫
通されている。この支持リンク19は、筒体39内に車
幅方向Aに沿って掛け渡されたピン41に支持されてお
り、そのピン41を中心として上記隙間40の範囲で走
行方向Bに回動する。かかる2方向継手20xによれ
ば、支持リンク19は、ピン38を中心に車幅方向Aに
回動すると共に、ピン41を中心に走行方向Bにも回動
する。
【0036】また、図5に示すように、支持リンク19
の上端部には、支持リンク19を2方向継手20xのピ
ン41を中心としてトロリ走行方向Bへ回動させる別の
アクチュエータ(電動シリンダ42)が、球面継手43
を介して連結されている。但し、アクチュエータは、か
かる電動シリンダ42に限られることはなく、油圧シリ
ンダであってもよい。
【0037】電動シリンダ42は、そのヘッド部内に設
けたネジ棒又はこれに螺合するナットをモータ44によ
って回転させてネジ送りし、ロッド部を伸縮するもので
ある。この電動シリンダ42は、一端部が球面継手43
を介して支持リンク19の上端部に連結され、他端部が
ピン45を介して中間金具46に連結されている。そし
て、中間金具46は、ピン45と直交するピン47を介
し、トロリ7に取り付けた支持金具48に連結されてい
る。この構成によれば、電動シリンダ42の両端部の連
結ポイントは、支持リンク19がトロリ7の車幅方向A
および走行方向Bに回動したとき、こじられることはな
い。
【0038】以上の構成からなる本実施形態の作用を述
べる。
【0039】本実施形態によれば、支持リンク19の下
端部のフック吊下点21は、図2に示す電動シリンダ3
5によって支持リンク19をトロリ車幅方向Aに回動さ
せることで車幅方向Aに変更できるのみならず、図4お
よび図5に示す別の電動シリンダ42によって支持リン
ク19をトロリ走行方向Bに回動させることで走行方向
Bにも変更できる。よって、各フック9に吊り下げられ
た吊り荷13の姿勢を、トロリの車幅方向Aのみならず
走行B方向にも、それぞれ鉛直軸廻りに回動させること
ができる。従って、前実施形態の作用効果を発揮できる
上、吊り荷13の姿勢調整の自由度が更に広がる。
【0040】また、図5に示す電動シリンダ42によっ
て支持リンク19を2方向継手20xのピン41を中心
にトロリ走行方向Bに回動させるときには、支持リンク
19がピン41を中心に回動するため、回動に伴って支
持リンク19の下端部(フック吊下点21)の位置が上
昇するものの、支持リンク19は筒体39内面との僅少
の隙間40の範囲でのみ回動するに過ぎないため、その
上昇量は僅かであり、電動シリンダ42に大きな能力が
要求されることはない。よって、電動シリンダ42に小
型・軽量・低コストのものを採用できる。
【0041】すなわち、図1にて、上部トロリ7の左右
のフック9、9の吊下点は、トロリ車幅方向Aには各リ
ンク18、19、25によって上下動させることなく略
水平に大きく調整でき(3m程度)、トロリ走行方向B
にはリンク19によって極く僅か上下するもののそれよ
りも小さく調整できる(20cm程度)。これにより、
各フック9、9、12に吊り下げられた吊り荷13の姿
勢を、前実施形態よりもさらに細かく調整できる。よっ
て、吊り荷13を船舶14(組立中)の所定位置に設置
するときの設置位置の調整の自由度がさらに高まる。
【0042】なお、本発明は、上記実施形態に限られる
ものではない。例えば、図2に示すフック9の吊下位置
の変更方向は、各リンク18、19、25及びアクチュ
エータ35の配置を変更することで、車幅方向Aではな
く走行方向Bに変更することも可能である。また、本発
明は、上部トロリ7のみならず下部トロリ(図1のフッ
ク12を吊り下げるトロリ)に適用することも可能であ
る。また、本発明は、下部トロリを省略して上部トロリ
7を2台配置し、吊り荷13を4点吊りするタイプのク
レーンに適用してもよい。すなわち、本発明は、既述の
ような門型クレーン(ゴライアスクレーン)に限られる
ことはなく、ガーダ3に沿ってトロリ7が走行しそのト
ロリ7からフック9を取り下げるタイプ(天井クレーン
等)であれば適用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るクレー
ン装置によれば、ガーダ上を走行するトロリから吊り下
げられるフックの吊下位置を、簡単な構造で軽量・低コ
ストで変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーン装置としての門型クレーン(ゴライア
スクレーン)の全体図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すクレーン装置の横断
面図である。
【図3】上記クレーン装置の側面図である。
【図4】別の実施形態を示すクレーン装置の側面図であ
る。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】上記クレーン装置の2方向継手の平面断面図で
ある。
【符号の説明】
1 クレーン装置 2 門型フレーム 3 ガーダ 4 固定脚 5 揺脚 7 トロリ 8 ワイヤ 9 フック 17 枢支部としてのピン 18 入力リンク 19 支持リンク 20 枢支部としてのピン 20x 2方向継手 21 吊下点としてのシーブブロック 25 拘束リンク 26 枢支部としてのピン 27 枢支部としてのピン 35 アクチュエータとしての電動シリンダ 42 別のアクチュエータとしての電動シリンダ A トロリ車幅方向 B トロリ走行方向

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガーダ上を走行するトロリから吊り下げ
    られるフックの吊下位置を変更するクレーン装置であっ
    て、下端部が上記トロリに枢支されその枢支点を中心に
    円弧運動する入力リンクと、中央部が上記入力リンクの
    上端部に枢支され下端部がフックの吊下点となる支持リ
    ンクと、一端部が上記支持リンクの上端部に枢支される
    と共に他端部が上記トロリに枢支された拘束リンクと、
    上記入力リンクを円弧運動させるアクチュエータとを備
    え、該アクチュエータによって上記入力リンクを円弧運
    動させるに伴い、上記支持リンクおよび拘束リンクが回
    動し、支持リンクの下端部のフック吊下点が略水平運動
    することを特徴とするクレーン装置。
  2. 【請求項2】 上記トロリと入力リンクとを繋ぐ枢支
    部、上記入力リンクと支持リンクとを繋ぐ枢支部、上記
    支持リンクと拘束リンクとを繋ぐ枢支部および上記拘束
    リンクとトロリとを繋ぐ枢支部が、それぞれ各リンクを
    トロリ車幅方向に回動するものであり、上記アクチュエ
    ータが、上記入力リンクをトロリ車幅方向に回動させる
    ものである請求項1記載のクレーン装置。
  3. 【請求項3】 上記入力リンクと支持リンクとを繋ぐ枢
    支部が、支持リンクのトロリ車幅方向への回動のみなら
    ずトロリ走行方向への回動をも許容する2方向継手であ
    り、上記支持リンクに、当該支持リンクを上記2方向継
    手を中心としてトロリ走行方向へ回動させる別のアクチ
    ュエータを連結した請求項2記載のクレーン装置。
  4. 【請求項4】 上記入力リンク、支持リンク、拘束リン
    ク、アクチュエータおよび別のアクチュエータが、トロ
    リの車幅方向の両端部にそれぞれ設けられた請求項1乃
    至3記載のクレーン装置。
  5. 【請求項5】 上記ガーダに脚を取り付けて門型フレー
    ムを構成し、該門型フレームを上記ガーダの直交方向に
    移動可能に配置した請求項1乃至4記載のクレーン装
    置。
JP2002054074A 2002-02-28 2002-02-28 クレーン装置 Pending JP2003252567A (ja)

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