JPH079079B2 - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPH079079B2
JPH079079B2 JP2010121A JP1012190A JPH079079B2 JP H079079 B2 JPH079079 B2 JP H079079B2 JP 2010121 A JP2010121 A JP 2010121A JP 1012190 A JP1012190 A JP 1012190A JP H079079 B2 JPH079079 B2 JP H079079B2
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Japan
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surface layer
alloy
sliding
crystal
pyramid
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義和 藤沢
丈志 成重
譲 宮崎
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は摺動部材、特に、相手部材との摺動面側に、Pb
合金からなる表面層を備えた摺動部材に関する。
(2) 従来の技術 従来、この種摺動部材として、前記表面層をPb−Sn系合
金より構成したすべり軸受が知られている(特開昭56−
96088号公報参照)。
(3) 発明が解決しようとする課題 この種すべり軸受は、エンジンにおけるクランクシャフ
トのジャーナル部、コンロッドの大端部等に適用されて
いるが、エンジンが高速、且つ高出力化の傾向にある現
在の状況下では、従来のすべり軸受は、その表面層のオ
イル保持性、つまり保油性が十分でなく、また初期なじ
み性も悪いため耐焼付き性が乏しいという問題がある。
これは、表面層の摺動面を構成するPb−Sn系合金の結晶
の形態に起因するもので、その形態は一部四角錐体を含
む不定形状である。
本発明は前記に鑑み、表面層の摺動面を構成するPb合金
の結晶の形態および大きさを特定することにより表面層
に十分な保油性を持たせ、また表面層の初期なじみ性を
良好にし、これにより表面層の耐焼付き性を向上させた
前記摺動部材を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明は、相手部材との摺動面側に、Pb合金からなる表
面層を備えた摺動部材において、前記表面層の摺動面を
構成するPb合金の結晶を、頂点を摺動面側に向けた角錐
体に構成し、またその角錐体の底辺長さdを8μm以下
に設定し、さらに前記角錐体の底辺長さdと高さhとの
関係h/dを0.2〜1.0に設定したことを特徴とする。
(2) 作用 表面層の摺動面を構成するPb合金の結晶の形態および大
きさを前記のように特定すると、表面層に十分な保油性
を持たせ、また表面層の初期なじみ性を良好にして、そ
の表面層の耐焼付き性を向上させることができる。ただ
し、底辺長さdが8μmを超えたり、また底辺長さdと
高さhとの関係h/dが0.2〜1.0の範囲を逸脱すると、表
面層4の保油性および初期なじみ性が低下するため耐焼
付き性が悪化する。
(3) 実施例 第1,第2図において、摺動部材としてのすべり軸受1
は、エンジンにおけるクランクシャフトのジャーナル
部、コンロッドの大端部等に適用されるもので、第1お
よび第2半体11,12よりなる。両半体11,12は同一構造を
有し、裏金2と、その裏金2の相手部材との摺動面側に
形成されたライニング層3と、そのライニング層3の表
面に形成された表面層4とを備えている。裏金2および
ライニング層3間には銅メッキ層が、またライニング層
3および表面層4間にはニッケルメッキバリヤ層がそれ
ぞれ必要に応じて設けられる。
裏金2は圧延鋼板より構成され、その厚さはすべり軸受
1の設定厚さにより決められる。ライニング層3は銅、
銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等より構
成され、その厚さは50〜500μm、通常は300μm程度で
ある。表面層4はPb合金より構成され、その厚さは5〜
50μm、通常は20μm程度である。
表面層4を構成するpb合金は、80〜90重量%のPbと3〜
20重量%のSnとを含有し、必要に応じてCu、In、Agから
選択される少なくとも一種を10重量%以下含有する。
Cuは表面層4の硬さを向上させる機能を有するが、その
含有量が10重量%を上回ると、硬さが高くなり過ぎて相
手部材の摩耗量が増加する。Cuを添加する場合には、表
面層4の硬さHmvが17〜20になるように、その含有量を
調整するのが望ましい。
InおよびAgは、表面層4を軟化して初期なじみ特性を改
善する機能を有するが、その含有量が10重量%を上回る
と、表面層4の強度が低下する。In、Agを添加する場合
には、表面層4の硬さHmvが12〜15になるように、その
含有量を調整するのが望ましい。
表面層4は、電気メッキ法により形成されるもので、メ
ッキ液としては、40〜180g/のPb2+、1.5〜35g/のSn
2+、必要に応じて15g/以下のCu2+を含むホウフッ化系
メッキ液が用いられる。またメッキ液の温度は10〜35
℃、陰極電流密度は3〜15A/dm2にそれぞれ設定され
る。
第3図は表面層4の摺動面4aにおける結晶構造を示す電
子顕微鏡写真10,000倍)である。この表面層4は8重量
%のSnと、2重量%のCuとを含有するPb合金よりなる。
その表面層4は銅合金製ライニング層3上に形成され、
表面層4を形成する際の電気メッキ処理における陰極電
流密度は6A/dm2に設定された。
摺動面4aを構成するPb合金の結晶は、頂点を摺動面4aに
向けた角錐体、図示例では四角錐体をなし、その4つの
斜面はミラー指数で(111)面に平行な面に属する。
第4図は前記Pb合金のX線回折図であり、ミラー指数で
(200)面および(400)面の回折ピークのみが認められ
る。
こゝで、結晶面の配向性を表わす指数として配向指数Oe
を、 (但し、hklはミラー指数、 Ihklは(hkl)面の積分強度、 ΣhklはIhklの総和) と定義すると、或(hkl)面において、その配向指数Oe
が100%に近ければ近い程、その(hkl)面と直交する方
向へ配向した結晶面が多いことになる。
前記Pb合金の(200)面および(400)面における積分強
度Ihklおよび配向指数Oeは表Iの通りである。
表Iより、前記Pb合金の(h00)面における配向指数Oe
は100%であり、したがってPb合金は結晶軸a,b,cにおい
て各軸方向に配向した結晶面、即ち(h00)面を持つこ
とになる。
第5図は従来例表面層の摺動面における結晶構造を示す
電子顕微鏡写真(10,000倍)である。この表面層は8重
量%のSnと、2重量%のCuとを含有するPb合金よりな
り、表面層は電気メッキ処理により銅合金製ライニング
層上に形成されたもので、エンジン用クランクシャフト
のジャーナル部に適用される。
第6図は従来例Pb合金のX線回折図である。本図からは
特定の結晶面への配向は認められない。種々の(hkl)
面における積分強度Ihklおよび配向指数Oeは表IIの通り
である。
第5図および表IIから明らかなように、従来例Pb合金の
結晶形態は結晶面がランダムに配向した形態であり、し
たがって、摺動面における結晶形態は一部四角錐体を含
む不定形状である。
第7図に示すように、本発明に係るPb合金の四角錐体5
において、その底辺長さdは8μm以下、好ましくは0.
5〜6μmに設定される。また四角錐体5の底辺長さd
と高さhとの関係h/dは0.2〜1.0、好ましくは0.33〜0.8
に設定される。このような四角錐体5の大きさは陰極電
流密度に依存し、その陰極電流密度が高くなると、四角
錐体5が大きく成長する。
前記のようにPb合金の結晶の形態および大きさを特定す
ることによって、表面層4に十分な保油性を持たせ、ま
たその表面層4の初期なじみ性を良好にすることができ
る。
表IIIは、各種すべり軸受において、その表面層の組
成、結晶配向性、したがって(h00)面における配向指
数Oe、結晶の形態および大きさ等を比較したものであ
る。
本発明Iは前記本発明におけるPb合金(第3図)に該当
する。
本発明II、IIIは、本発明Iに比べて陰極電流密度を上
げた場合に、また本発明IVは下げた場合にそれぞれ該当
する。
比較例Vは前記従来例におけるPb合金(第5図)に該当
し、その結晶の形態は一部四角錐体を含む不定形状であ
るが陰極電流密度は不明である。
比較例VIは本発明IVと略同一の組成を有し、また比較例
Vと略同様の結晶形態を有するが、陰極電流密度は不明
である。
第8,第9図は本発明I〜IVおよび比較例V、VIの焼付き
テスト結果を示す。第8図は四角錐体の底辺長さdとの
関係を、また第9図は底辺長さdと高さh、したがって
h/dとの関係をそれぞれ示す。
焼付きテストは、回転軸に各すべり軸受を摺擦させ、そ
のすべり軸受に対する負荷荷重を漸次増加させることに
より行われ、第8,第9図は各すべり軸受の表面層が焼付
きを発生したときの面圧を求めたものである。
テスト条件は次の通りである。回転軸の材質JIS S48C
材に窒化処理を施したもの、回転軸の回転数 6000rp
m、給油温度 120℃、給油圧力 3kg/cm2、負荷荷重 1
kg/sec。
第8,第9図から明らかなように、本発明I〜IVにおいて
は、表面層4の摺動面4aを構成するPb合金の結晶を四角
錐体5とし、その底辺長さdは8μm以下、好ましくは
0.5〜6μmに設定し、また底辺長さdと高さhとの関
係h/dを0.2〜1.0、好ましくは0.33〜0.8に設定すること
により、表面層4に十分な保油性を持たせ、また表面層
4の初期なじみ性を良好にして、比較例V、VIに比べて
優れた耐焼付き性を得ることができる。
なお、本発明はすべり軸受に限らず、他の摺動部材にも
適用される。
C.発明の効果 本発明によれば、表面層を構成するPb合金の結晶の形態
および大きさを前記のように特定することによって、表
面層の耐焼付き性を向上させた摺動部材を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1,第2図はすべり軸受を示し、第1図は分解平面図、
第2図は第1図II−II線断面図、第3図は本発明に係る
表面層の摺動面における結晶構造を示す顕微鏡写真、第
4図は本発明に係る表面層を構成するPb合金のX線回折
図、第5図は従来例に係る表面層の摺動面における結晶
構造を示す顕微鏡写真、第6図は従来例に係る表面層を
構成するPb合金のX線回折図、第7図は四角錐体の斜視
図、第8,第9図は焼付きテスト結果を示すグラフであ
る。 1……すべり軸受(摺動部材)、4……表面層、4a……
摺動面、5……四角錐体(角錐体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相手部材との摺動面(4a)側に、Pb合金か
    らなる表面層(4)を備えた摺動部材において、前記表
    面層(4)の摺動面(4a)を構成するPb合金の結晶を、
    頂点を摺動面側に向けた角錐体(5)に構成し、またそ
    の角錐体(5)の底辺長さdを8μm以下に設定し、さ
    らに前記角錐体(5)の底辺長さdと高さhとの関係h/
    dを0.2〜1.0に設定したことを特徴とする摺動部材。
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