JP3057458B2 - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

Info

Publication number
JP3057458B2
JP3057458B2 JP3187050A JP18705091A JP3057458B2 JP 3057458 B2 JP3057458 B2 JP 3057458B2 JP 3187050 A JP3187050 A JP 3187050A JP 18705091 A JP18705091 A JP 18705091A JP 3057458 B2 JP3057458 B2 JP 3057458B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
sliding surface
crystal
forming portion
surface forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3187050A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH059461A (ja
Inventor
義和 藤沢
誠 辻
丈志 成重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP3187050A priority Critical patent/JP3057458B2/ja
Publication of JPH059461A publication Critical patent/JPH059461A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3057458B2 publication Critical patent/JP3057458B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は摺動部材、特に、相手部
材との摺動面と、その摺動面に開口するオイル溝とを備
えた摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種摺動部材としては、すべり
軸受が知られており、その摺動面は切削加工、研削加工
等によって仕上げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種すべり軸受は、
エンジンにおけるクランクシャフトのジャーナル部、コ
ンロッドの大端部等に適用されているが、エンジンが高
速、且つ高出力化の傾向にある現在の状況下では、従来
のすべり軸受の摺動面形成部は、そのオイル保持性、つ
まり保油性が十分でない上、オイル流れも十分でなく、
また初期なじみ性も悪いため耐焼付き性が乏しいという
問題がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、摺動面形成部の構造
を特定することにより、その摺動面形成部に十分な保油
性を持たせると共にオイル流れをスムーズにし、また摺
動面形成部の初期なじみ性を良好にし、これにより耐焼
付き性を向上させた前記摺動部材を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、相手部材との
摺動面と、その摺動面に開口するオイル溝とを備えた摺
動部材において、摺動面形成部が複数の角錐体状突起お
よび複数の角錐台状突起の少なくとも一方を有し、オイ
ル溝内面形成部が複数の角錐状突起を有することを特徴
とする。
【0006】
【実施例】図1〜図3において、摺動部材としてのすべ
り軸受1は、エンジンにおけるクランクシャフトのジャ
ーナル部、コンロッドの大端部等に適用されるもので、
同一構造の第1および第2半体11 ,12 よりなる。両
半体11 ,12 の基板2は、裏金21 と、その裏金21
の内周面に形成されたライニング層22 とを備え、その
ライニング層22 には複数の溝3が周方向に延びるよう
に形成される。ライニング層22 表面および各溝3内面
には被覆層4が形成されており、ライニング層22 上に
存する被覆層4の帯状部は相手部材xとの摺動面aを形
成する摺動面形成部5であり、また各溝3内に存するU
字状部は、摺動面aに開口するオイル溝6を画成してそ
の内面bを形成するオイル溝内面形成部7である。
【0007】裏金21 は圧延鋼板より構成され、その厚
さはすべり軸受1の設定厚さにより決められる。ライニ
ング層22 はCu、Cu系合金、Al、Al系合金等よ
り構成され、その厚さは50〜500μm、通常は30
0μm程度である。被覆層4はPb合金より構成され、
その厚さは5〜50μm、通常は20μm程度である。
オイル溝6は、幅0.01〜0.5mm、深さ0.01〜
0.1mm程度である。
【0008】被覆層4を構成するPb合金は、80〜9
0重量%のPbと3〜20重量%のSnとを含有し、必
要に応じてCu、In、Ag、Tl、Nb、Sb、N
i、Cd、Te、Bi、Mn、Ca、Baから選択され
る少なくとも一種を10重量%以下含有する。
【0009】Cu、Ni、Mnは被覆層4の硬さを向上
させる機能を有するが、その含有量が10重量%を上回
ると、硬さが高くなり過ぎて摺動面形成部5の初期なじ
み性が低下する。Cu等を添加する場合には、被覆層4
の硬さHmvが15〜25になるように、その含有量を
調整するのが望ましい。
【0010】In、Ag、Tl、Nb、Sb、Cd、T
e、Bi、Ca、Baは、被覆層4を軟化して摺動面形
成部5の初期なじみ性を改善する機能を有するが、その
含有量が10重量%を上回ると、被覆層4の強度が低下
する。In等を添加する場合には、被覆層4の硬さHm
vが8〜15になるように、その含有量を調整するのが
望ましい。
【0011】被覆層4は、電気メッキ法により形成され
るもので、メッキ液としては、1リットル当り40〜1
80gのPb2+、1リットル当り1.5〜35gのSn
2+、必要に応じて、1リットル当り15g以下のCu2+
を含むホウフッ化系メッキ液が用いられる。またメッキ
液の温度は10〜35℃、陰極電流密度は3〜15A/
dm2 にそれぞれ設定される。
【0012】図4は、摺動面形成部5表面、したがっ
て、摺動面aにおけるPb合金の結晶構造を示す電子顕
微鏡写真(10,000倍)であり、図5は摺動面形成部5を
縦断した場合におけるPb合金の結晶構造を示す電子顕
微鏡写真(5,000 倍)である。被覆層4は8重量%のS
nと、2重量%のCuとを含有するPb合金よりなり、
ライニング層22 はCu合金より構成されている。被覆
層4を形成する際の電気メッキ処理における陰極電流密
度は6A/dm2 に設定された。
【0013】図2〜図6に明示するように、摺動面形成
部5は、摺動面aを形成すべく、頂点cを摺動面a側に
向けた複数の角錐体状突起、図示例ではPb合金の四角
錐体状結晶8を有する。各四角錐体状結晶8はライニン
グ層22 より延出する各柱状晶9の先端部を形成してお
り、したがって摺動面形成部5は柱状晶9の集合体より
構成される。
【0014】図7は、摺動面形成部5におけるPb合金
結晶のX線回折図であり、ミラー指数で(200)面お
よび(400)面の回折ピークのみが認められる。
【0015】ここで、結晶面の配向性を表わす指数とし
て配向指数Oeを、 (ただし、hklはミラー指数、Ihklは(hkl)
面の積分強度、ΣIhklはIhklの総和)と定義す
ると、或(hkl)面において、その配向指数Oeが1
00%に近ければ近い程、その(hkl)面と直交する
方向へ配向した結晶面が多いことになる。
【0016】Pb合金結晶の(200)面および(40
0)面における積分強度Ihklおよび配向指数Oeは
表1の通りである。
【0017】
【表1】
【0018】表1より、前記Pb合金の(h00)面に
おける配向指数Oeは100%であり、したがってPb
合金結晶は、結晶軸a,b,cにおいて各軸方向に配向
した結晶面、即ち(h00)面を持つことになる。
【0019】このように、結晶面を(h00)面と直交
する方向に配向させると、Pb合金の結晶構造が面心立
方構造であることから、配向方向における原子密度が高
くなるので、摺動面形成部5の硬度が増してその耐焼付
き性および耐摩耗性が向上する。
【0020】オイル溝内面形成部7も摺動面形成部5と
同様の結晶構造を有する。
【0021】表2は、本発明および比較例すべり軸受の
焼付きテスト結果を示す。両すべり軸受において、オイ
ル溝6の幅は0.15mm、深さは0.03mm、本数は6
本/1mm幅である。比較例すべり軸受における被覆層
は、Pb合金の粒状晶の集合体より構成されている。
【0022】焼付きテストは、回転軸に各すべり軸受を
摺擦させ、そのすべり軸受に対する負荷荷重を漸次増加
させることにより行われた。表2は各すべり軸受が焼付
きを発生したときの面圧を求めたものである。
【0023】テスト条件は次の通りである。回転軸の材
質 JIS S48C材に窒化処理を施したもの、回転
軸の回転数 6000rpm 、給油温度 120℃、給油圧力
3kg/cm2 、負荷荷重 1kg/sec 。
【0024】
【表2】
【0025】表2から明らかなように、本発明すべり軸
受は、比較例すべり軸受に比べて優れた耐焼付き性を有
する。このような効果が得られる理由は、摺動面aを形
成する四角錐体状結晶8の頂点c側を優先的に摩耗させ
て摺動面形成部5の初期なじみ性を良好にすることがで
きるからであり、またPb合金結晶が四角錐体状結晶8
であることに起因して、摺動面aの表面積が広くなるの
で、摺動面形成部5が十分な保油性を有し、しかも摺動
面aにおいては相隣る両四角錐体状結晶8間を通路とし
てオイルがスムーズに流れると共に各オイル溝6より摺
動面aにオイルが供給されるので、オイルが摺動面a全
体に行きわたって良好な潤滑能が得られるからである。
さらに摺動面aおよびオイル溝内面bが、その表面積の
拡大によりオイル冷却作用を発揮するので、これも焼付
き発生面圧を高める一助になっている。
【0026】摺動開始初期に頂点c側の優先的摩耗が終
了して平坦面(四角錐台の上底面に相当する)が形成さ
れると、その平坦面と相手部材との間には常時油膜が存
在するので、それ以後の摺動面aの摩耗は極めて緩慢に
行われる。
【0027】図8,図9(10,000倍の電子顕微鏡写真)
は、摺動面形成部5が、摺動面aを形成すべく、上底面
fを摺動面a側に向けた複数の角錐台状突起、図示例で
はPb合金の四角錐台状結晶10のみを有する場合を示
し、このような結晶10またはこれと四角錐体状結晶8
との混成構造によっても前記と同様の摺動特性が得られ
る。この場合、摺動面aの少なくとも一部が四角錐台状
結晶10の上底面fより形成されることから、摺動開始
初期より相手部材と上底面fとの間に油膜を形成させて
初期なじみ性を良好にすると共に安定化させることがで
きる
【0028】四角錐体状結晶8および/または四角錐台
状結晶10が摺動面形成部5の一部を形成するものも本
発明に包含される。この場合、摺動面a等における四角
錐体状結晶8等の面積率は50%以上に設定され、残部
はPb合金の粒状晶等である。この面積率はオイル溝内
面形成部7についても同様である。
【0029】前記のように優秀な摺動特性を得るために
は、摺動面形成部5における四角錐体状結晶8および四
角錐台状結晶10の傾きが問題となる。
【0030】そこで、図6,図10に示すように四角錐
体状結晶8の底面側に、その結晶8を突出させて摺動面
aに沿う仮想面Gを規定し、また四角錐体状結晶8の頂
点cと底面中央部hを通る直線kが、底面中央部hを通
り仮想面Gに垂直な基準線mに対してなす傾き角をθと
規定すると、四角錐体状結晶8の傾き角θは0°≦θ≦
30°に設定される。傾き角θが、θ>30°になる
と、摺動面形成部5の保油性および頂点c側の優先的摩
耗性が低下する。
【0031】四角錐台状結晶10の場合の傾き角θは、
図8,図11に示すように上底面中央部nおよび下底面
中央部pを通る直線rと下底面中央部pを通り仮想面G
に垂直な基準線mとがなす角度として規定される。この
場合にも傾き角θは、0°≦θ≦30°に設定される
【0032】図12は、本発明のさらに他の実施例を示
し、相隣る両オイル溝6を密接させて形成したもので、
摺動面形成部5およびオイル溝内面形成部7がそれぞれ
四角錐体状結晶8を有する。この場合にも、前記同様の
摺動特性が得られる。
【0033】前記実施例では、被覆層を電気メッキ法に
より形成したが、その他の被覆層形成方法としては、P
VD、イオンプレーティング、CVD、スパッタリング
等の気相を介する形成方法を挙げることができる。また
角錐体状突起等の形成に当っては、化学エッチング、電
気エッチング、気相エッチング(ボンバード処理)等の
エッチング法、転写、切削等の機械加工等を適用するこ
とが可能である。
【0034】本発明はすべり軸受に限らず、他の摺動部
材にも適用される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、摺動面形成部および
イル溝内面形成部の構造を前記のように特定することに
よって、耐焼付き性を向上させた摺動部材を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】すべり軸受の分解平面図である。
【図2】すべり軸受用半体の第1例を示す要部拡大概略
展開図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】摺動面におけるPb合金の結晶構造を示す顕微
鏡写真である。
【図5】摺動面形成部を縦断した場合におけるPb合金
の結晶構造を示す顕微鏡写真である。
【図6】摺動面形成部の第1例を示す要部概略斜視図で
ある。
【図7】摺動面形成部におけるPb合金結晶のX線回折
図である。
【図8】摺動面形成部の第2例を示す要部概略斜視図で
ある。
【図9】図8に対応するPb合金の結晶構造を示す顕微
鏡写真である。
【図10】四角錐体状結晶の傾き角測定法を示す説明図
である。
【図11】四角錐台状結晶の傾き角測定法を示す説明図
である。
【図12】すべり軸受の第3例を示す断面図で、図3に
対応する。
【符号の説明】
1 すべり軸受(摺動部材) 5 摺動面形成部 6 オイル溝 7 オイル溝内面形成部 8 四角錐体状結晶(角錐体状突起) 10 四角錐台状結晶(角錐台状突起) a 摺動面 x 相手部材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C25D 3/56 C25D 3/56 Z (56)参考文献 特開 平4−366021(JP,A) 特開 平4−362308(JP,A) 特開 平4−366022(JP,A) 特開 平4−357322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/12 F16C 33/10 C25D 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手部材(x)との摺動面(a)と、そ
    の摺動面(a)に開口するオイル溝(6)とを備えた摺
    動部材において、摺動面形成部(5)が複数の角錐体状
    突起(8)および複数の角錐台状突起(10)の少なく
    とも一方を有し、オイル溝内面形成部(7)が複数の角
    錐状突起(8)を有することを特徴とする摺動部材
JP3187050A 1991-07-02 1991-07-02 摺動部材 Expired - Fee Related JP3057458B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3187050A JP3057458B2 (ja) 1991-07-02 1991-07-02 摺動部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3187050A JP3057458B2 (ja) 1991-07-02 1991-07-02 摺動部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH059461A JPH059461A (ja) 1993-01-19
JP3057458B2 true JP3057458B2 (ja) 2000-06-26

Family

ID=16199300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3187050A Expired - Fee Related JP3057458B2 (ja) 1991-07-02 1991-07-02 摺動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3057458B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4994294B2 (ja) * 2008-04-14 2012-08-08 大同メタル工業株式会社 内燃機関用すべり軸受
JP5196301B2 (ja) * 2008-06-04 2013-05-15 キヤノンマシナリー株式会社 トライボケミカル反応促進面構造
JP6096689B2 (ja) * 2013-04-26 2017-03-15 大豊工業株式会社 すべり軸受
JP6181685B2 (ja) * 2015-02-27 2017-08-16 大豊工業株式会社 すべり軸受の製造方法及びすべり軸受
AT521246B1 (de) * 2018-07-10 2019-12-15 Miba Gleitlager Austria Gmbh Gleitlagerelement

Also Published As

Publication number Publication date
JPH059461A (ja) 1993-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3057458B2 (ja) 摺動部材
JP3057457B2 (ja) 摺動部材
JP2704799B2 (ja) 摺動部材
JP3223194B2 (ja) 摺動部材
JP2657336B2 (ja) 摺動部材
JP3052008B2 (ja) すべり軸受
JP2607985B2 (ja) 摺動部材
JP3052006B2 (ja) すべり軸受
JP2607991B2 (ja) 摺動部材
JP3000402B2 (ja) 摺動部材
JP2607984B2 (ja) 摺動部材
JP2607986B2 (ja) 摺動部材
JP2645767B2 (ja) 摺動部材
JP3052007B2 (ja) すべり軸受
JP2607988B2 (ja) 摺動部材
JP2519556B2 (ja) 摺動部材
JP2607987B2 (ja) 摺動部材
JP2704800B2 (ja) 摺動部材
JP2519557B2 (ja) 摺動部材
JP2946252B2 (ja) 摺動部材
JP2607983B2 (ja) 摺動部材
JPH0525685A (ja) 摺動部材
JP2741437B2 (ja) 摺動部材
JPH0525687A (ja) 摺動部材
JP3052010B2 (ja) 摺動部材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080421

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees