JPH0789869A - 脳神経障害治療剤 - Google Patents

脳神経障害治療剤

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JPH0789869A
JPH0789869A JP5254859A JP25485993A JPH0789869A JP H0789869 A JPH0789869 A JP H0789869A JP 5254859 A JP5254859 A JP 5254859A JP 25485993 A JP25485993 A JP 25485993A JP H0789869 A JPH0789869 A JP H0789869A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脳神経障害の予防・治療に有用な脳神経障害
治療剤を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の脳神経障害治療剤は、HGF(肝細
胞増殖因子)を有効成分として含有することからなる。
本発明の治療剤において、有効成分であるHGFは脳神
経細胞の生存を維持し、傷害を受けた脳の再生・修復を
図ることができる。従って、本発明の治療剤は、各種の
脳神経障害疾患(例えば、痴呆、アルツハイマー病、ア
ルツハイマー型老年痴呆症、筋萎縮性側索硬化症、パー
キンソン氏病、脳卒中、脳梗塞、頭部外傷等)の予防・
治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脳神経障害治療剤に関す
る。より詳細にはHGF(Hepatocyte GrowthFactor、肝
細胞増殖因子)を有効成分とする脳神経障害治療剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】HGFは本発明者らが再生肝ラット血清
中から成熟肝実質細胞を in vitro で増殖させる因子と
して見いだしたタンパク質である(Biochem Biophys Re
s Commun, 122, 1450, 1984)。本発明者らはさらに、
HGFをラット血小板より単離することに成功し(Pro
c. Natl. Acad. Sci, 83, 6489, 1986, FFBS Letter, 2
2, 311, 1987)、そのアミノ酸配列を一部決定した。さ
らに、本発明者らは解明されたHGFアミノ酸配列をも
とにヒト及びラット由来のHGFcDNAクローニング
を行い、このcDNAを動物組織に組換えて肝実質細胞
増殖因子をタンパク質として得ることに成功した(ヒト
HGF:Nature, 342, 440, 1989;ラットHGF:Pro
c. Natl. Acad. Sci, 87, 3200, 1990)。
【0003】HGFの分子量はSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動で82〜85kDである。ラットHG
F分子は463アミノ酸残基からなるα鎖と233アミ
ノ酸残基からなるβ鎖が1個のジスルフィド結合により
架橋したヘテロダイマー構造を持ち、α、β両鎖とも2
個のグルコサミン型糖鎖結合部位が存在する。ヒトHG
Fもまたほぼ同じ生理活性を有し、463アミノ酸残基
からなるα鎖と234アミノ酸残基からなるβ鎖とから
なる。α鎖中には線溶酵素プラスミンと同様のクリング
ル構造が4個存在し、β鎖のアミノ酸配列においてもセ
リンプロテアーゼ活性を有するプラスミンのB鎖と約3
7%のホモロジーを有する。ラットHGFとヒトHGF
のアミノ酸配列のホモロジーはα鎖において91.6%、β
鎖において88.9%と非常に高い相同性を持ち、その活性
は全く互換性がある。
【0004】肝実質細胞を特異的に増殖させる因子とし
て発見されたHGFは、本発明者をはじめとする研究者
による最近の研究成果によって、生体内で種々の活性を
示している事が明らかとなり、研究対象としてのみなら
ずヒトや動物の治療薬などへの応用に期待が集まってい
る。本発明者らは、HGFが増殖因子として肝細胞のみ
ならず広く上皮系細胞に働く事を明らかにし、いくつか
の発明を成就した。特願平2−158841号において
は、HGFが腎の近位尿細管細胞の増殖を促進すること
より、腎疾患治療剤としての応用開発を、また特願平2
−419158号においては、HGFがメラノサイト、
ケラチノサイトなど正常上皮細胞の増殖を促進すること
より、上皮細胞促進剤として創傷治療や皮膚潰瘍治療、
毛根細胞の増殖剤などへの応用開発を成就し、その詳細
を開示した。特に、HGFはEGF等他の多くの増殖因
子に見られるガン化作用やガン細胞増殖活性を有さない
ことから、より実用に適している。さらに本発明者ら
は、特願平3−140812号においてHGFのヒト肝
ガン由来HepG2細胞株、リンパ芽球ガン由来IM9
細胞株などのガン細胞増殖抑制活性を利用し、制ガン剤
としても利用可能であることを開示した。また、最近、
発明者らは、HGFが傷害を持つ肺における再生を促進
し、肺疾患患者の血漿HGFレベルは健康人におけるそ
れよりも遥かに高いことをも見出している(Yanagita et
al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 182, 802-80
9,1992)。このようなHGFの受容体に関して、最近の
研究から、c−met原腫瘍遺伝子がHGF受容体をコ
ードしていることが確定的になった(Bottaro et al., S
cience 251, 802-804, 1991; Naldini et al., Oncogen
e 6, 501-504, 1991)。
【0005】HGFの医薬品としての実用性を考える上
でさらに重要な点は、HGFがG1期、すなわち増殖期
に入った細胞のみを増殖促進し、G0期、すなわち静止
期にある細胞には作用しないことである。このことは、
傷害のある組織の増殖再生は促進するが、傷害を受けて
いない組織に対しては全く作用を及ぼさないことを意味
する。従って、過剰にHGFを投与しても、あるいは血
液などを介して非患部にHGFが到達しても、正常組織
にガン化を誘導したり過剰な増殖を起こすことがないと
考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のようにHGFが
肝細胞だけでなく広く上皮細胞の増殖を促進し、またガ
ン細胞の増殖抑制活性を有することから、生体内ではH
GFが組織傷害治癒に働いていることが予想される。H
GF産生細胞は上皮細胞自身ではなく、肝臓ではKup
ffer細胞や類洞壁血管内皮細胞、腎臓では毛細血管
内皮細胞、肺では肺胞マクロファージや血管内皮細胞な
ど主に間葉系の細胞により産生されていることが解明さ
れており、近隣細胞から必要に応じてHGFが供給され
る、いわゆるパラクリン機構が成立していることが明ら
かにされている。しかしながら、肝臓や腎臓に傷害を受
けたとき、傷害を受けていない臓器、例えば肺などにお
いてもHGFの産生が高まることから、いわゆるエンド
クリン機構によってもHGFが供給されていると考えら
れる。
【0007】このように、HGFは種々の臓器・組織で
傷害治癒に働いている増殖因子であるが、脳神経が障害
を受けたときにHGFが脳神経の修復に寄与するか否か
は明らかにされていない。そこで、本発明者らは、脳に
おけるHGFの作用を検討し、その結果、HGFにより
脳神経細胞の生存が促進されること;脳傷害を受けた生
体では、脳内におけるHGF mRNA及びc−met
mRNAの発現が顕著に増大することを見出した。本発
明はかかる知見に基づいてなされたもので、本発明は、
脳神経障害の予防・治療に有用な脳神経障害治療剤を提
供すること目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の脳神経障害治療剤は、HGFを有
効成分として含有することからなる。上記の構成からな
る本発明の有効成分であるHGFは、医薬として使用で
きる程度に精製されたものであれば、種々の方法で調製
されたものを用いることができる。HGFの調製方法と
しては、各種の方法が知られており、例えば、ラット、
ウシ、ウマ、ヒツジなどの哺乳動物の肝臓、脾臓、肺
臓、骨髄、脳、腎臓、胎盤等の臓器、血小板、白血球等
の血液細胞や血漿、血清などから抽出、精製して得るこ
とができる。また、HGFを産生する初代培養細胞や株
化細胞を培養し、培養物(培養上清、培養細胞など)か
ら分離精製してHGFを得ることもできる。あるいは遺
伝子工学的手法によりHGFをコードする遺伝子を適切
なベクターに組込み、これを適当な宿主に挿入して形質
転換し、この形質転換体の培養上清から目的とする組換
えHGFを得ることができる(例えば、Nature, 342, 44
0, 1989、特開平5−111383号公報、Biochem. Bi
ophys. Res. Commun., 163,967, 1989など参照)。上記
の宿主細胞は特に限定されず、従来から遺伝子工学的手
法で用いられている各種の宿主細胞、例えば大腸菌、枯
草菌、酵母、糸状菌、植物又は動物細胞などを用いるこ
とができる。
【0009】より具体的には、HGFを生体組織から抽
出精製する方法としては、例えば、ラットに四塩化炭素
を腹腔内投与し、肝炎状態にしたラットの肝臓を摘出し
て粉砕し、S−セファロース、ヘパリンセファロースな
どのゲルカラムクロマトグラフィー、HPLC等の通常
の蛋白質精製法にて精製することができる。また、遺伝
子組換え法を用い、ヒトHGFのアミノ酸配列をコード
する遺伝子を、ウシパピローマウィルスDNAなどのベ
クターに組み込んだ発現ベクターによって動物細胞、例
えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、マ
ウスC127細胞、サルCOS細胞などを形質転換し、
その培養上清より得ることができる。
【0010】かくして得られたHGFは、そのアミノ酸
配列の一部が欠失又は他のアミノ酸により置換されてい
たり、他のアミノ酸配列が一部挿入されていたり、N末
端及び/又はC末端に1又は2以上のアミノ酸が結合し
ていたり、あるいは糖鎖が同様に欠失又は置換されてい
てもよい。
【0011】上記のHGFは、後記実施例に示されるよ
うに、脳神経細胞の生存を促進する作用を有し、また脳
傷害を受けた生体では脳内におけるHGF mRNA及
びc−met/HGF受容体mRNAの発現が顕著に増
大することが明らかとなった。 より詳細には、HGF
mRNA及びc−met mRNAは、胎生後期、新生
児期のラット及び成体ラットの脳に発現することが明ら
かとなった。HGFmRNA及びc−met mRNA
の両者は、成体ラットの脳の全体にわたり広汎に発現
し、又海馬及び嗅球の如き類似の領域に比較的高いレベ
ルの発現が見られた。HGF mRNA及びc−met
mRNAの両者の分布に見られる類似性は、HGFが肝
臓、腎臓及び肺臓と同様に脳内においても役割を持って
いることを示唆するものである。
【0012】HGFは、各種のタイプの細胞の増殖、細
胞運動及び形態形成を制御する事が実証されているが、
神経細胞タイプの細胞がHGFに応答するか否かは未知
である。ラット好クロム性細胞腫PC12細胞は、神経
堤由来の細胞であり、アドレナリン作働性の性質を持つ
(Greene et al., Proc. Natl. Acad. Sci, 73, 2424-24
28, 1976)。PC12細胞は、さらに神経栄養因子によ
り誘発された分化の研究に広く用いられてきた。この細
胞は、副腎髄質のクロム親和性細胞の多くの性質を示
し、NGF、線維芽細胞成長因子(FGF)又はインタロ
イキンー6(IL-6)の存在下で培養すると、一連の生理学
的変化が起り、交感神経細胞に似た表現型を示すことが
知られている(Togari et al., Biochem. Biophys. Res.
Commun.,114, 1189-1193, 1983)。HGFは、PC12
細胞のDNA合成を促進することはなかったが、PC1
2細胞の生存率を増加し、その結果生存を延長すること
が明らかとなった。従って、HGFは、細胞分裂促進因
子としてよりもPC12細胞に対する生存因子として機
能し得るものと結論できる。神経細胞(ニューロン)の
生存を延長するこの能力は、HGFの生物学上の新規な
生物活性である。
【0013】文献(Greene et al. Proc. Natl. Acad.
Sci, 73, 2424-2428, 1976)に示される結果と同様に、
NGFはPC12細胞のDNA合成及び増殖を阻止する
一方細胞の分化を誘導した。NGFは、無血清培地中で
のPC12細胞の死滅を防止することが知られている
(Greene, L., J. Cell Biol., 78, 747-755, 1978)
ので、NGFは分化した表現型のPC12細胞の生存を
維持する。NGFとは異なり、HGFはPC12細胞の
DNA合成には効果を及ぼさなかったが、細胞の成長を
高めた。これはPC12細胞の生存を延長する顕著な能
力によるものと考えられる。従って、HGFはNGFと
は別の経路によってPC12細胞の生存を維持し、HG
Fの効果はむしろEGFの持つ効果に類似すると考えら
れる。しかし、HGFとEGFの持つ成長促進効果は、
相加的であると考えられる為に、これらの因子は類似し
てはいるが、別個の細胞内情報伝達経路を経てPC12
細胞の成長と生存を制御するものと思われる。
【0014】PC12細胞において、高親和性HGF受
容体が存在(細胞当たり185箇所でKdは40pMであ
る)することは、PC12細胞がHGFのターゲット細
胞であり、またPC12細胞の生存の延長が高親和性受
容体により媒介されることを明らかに示すものである。
他方、NGFによりPC12細胞を分化誘導すると、H
GF受容体の数が著しく減少した。この実験結果から、
HGFは分化した細胞に対するよりは未分化のPC12
細胞に対して生物学的な作用を及ぼすことが考えられ
る。PC12細胞における成長因子受容体の分化に伴う
減少は、EGFに関する報告によっても認められている
(Huff et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 89,
178-180, 1979など)。上記からPC12細胞が分裂期
から分化した状態に変化する場合には、成長因子受容体
の利用ができなくなり、かかる変化により分化した細胞
と未分化の細胞の成長因子に対する応答性に差異が生じ
たことが考えられる。中枢神経系組織由来のT98G、
GOTO及びSCCH−26細胞も又、高親和性HGF
受容体を発現している。HGFは、これらの細胞のDN
A合成を促進することはなかったが、これらの細胞はH
GFに応答する可能性が考えられる。
【0015】また、in vivoでの神経細胞(ニューロ
ン)特有の性質を保持していると考えられる海馬ニュー
ロンの初代培養系においてHGFが生存を延長したこと
は、全く新たな知見である。この実験結果は、HGFが
脳内のニューロンに対してはinvivoにおいても生存因子
として機能することを示すものである。これを裏付ける
現象として、HGF mRNA及びc−met/HGF受
容体mRNAの両者の発現が成体ラットの脳内の虚血障
害の後に顕著に増大したことが挙げられる。前述のよう
に、HGFは、各種の器官、及び組織の再生の為の“栄
養因子”として機能することが考えられる。今回の結果
と併せて判断すれば、HGFが脳内での“栄養因子”と
しての役割を果たすことによりニューロン及び他の細胞
の退行変性による死滅を防止し、脳内の各種の傷害に対
してニューロンの生存を助長する作用を有することを示
している。HGFの有する特有の生物活性(細胞増殖促
進、細胞運動の亢進及び形態形成誘導)、及び神経組織
に対する想定誘導因子、更にニューロンに対する生存因
子としてのHGFの活性は、HGFが脳の組織誘導、器
官発生及び生体恒常性の維持に関して極めて重要な役割
を果たしていることを示す。
【0016】以上のように、HGFは脳神経細胞の生存
を促進させる作用を有し、また脳傷害を受けた生体では
脳内におけるHGF mRNA及びc−met/HGF
受容体mRNAの発現が顕著に増大することから、本発
明の脳神経障害治療剤は神経変性疾患、脳卒中、脳梗
塞、痴呆、頭部外傷などに対して有用である。ここで、
神経変性疾患とは、神経細胞が萎縮又は変性脱落する病
気であり、例えば、アルツハイマー病、アルツハイマー
型老年痴呆症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン氏病
等が挙げられる。
【0017】本発明の治療剤は種々の製剤形態(例え
ば、液剤、固形剤、カプセル剤など)をとりうるが、一
般的には有効成分であるHGFのみ又はそれと慣用の担
体と共に注射剤とされるか、又は慣用の担体と共に経口
剤とされる。当該注射剤は常法により調製することがで
き、例えば、HGFを適切な溶剤(例えば、滅菌水、緩
衝液、生理食塩水等)に溶解した後、フィルター等で濾
過して滅菌し、次いで無菌的な容器に充填することによ
り調製することができる。注射剤中のHGF含量として
は、通常0.0002〜0.2(W/V%)程度、好ましくは0.001〜0.
1(W/V%)程度に調整される。また、経口薬としては、例
えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、軟又は硬カプセル
剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤などの剤形に製剤
化され、これらの製剤は製剤化の常法に準じて調製する
ことができる。製剤中のHGF含量は、剤形、適用疾患
などに応じて適宜調整することができる。
【0018】製剤化に際して、好ましくは安定化剤が添
加され、安定化剤としては、例えば、アルブミン、グロ
ブリン、ゼラチン、マンニトール、グルコース、デキス
トラン、エチレングリコールなどが挙げられる。さら
に、本発明の製剤は製剤化に必要な添加物、例えば、賦
形剤、溶解補助剤、酸化防止剤、無痛化剤、等張化剤等
を含んでいてもよい。液状製剤とした場合は凍結保存、
又は凍結乾燥等により水分を除去して保存するのが望ま
しい。凍結乾燥製剤は、用時に注射用蒸留水などを加
え、再溶解して使用される。
【0019】本発明の製剤は、該製剤の形態に応じた適
当な投与経路により投与され得る。例えば、注射剤の形
態にして静脈、動脈、皮下、筋肉内等に投与することが
できる。その投与量は、患者の症状、年齢、体重などに
より適宜調整されるが、通常HGFとして0.01mg〜100m
gであり、これを1日1回ないし数回に分けて投与する
のが適当である。
【0020】
【発明の効果】本発明の治療剤において、有効成分であ
るHGFは脳神経細胞の生存を促進し、傷害を受けた脳
の再生・修復を図ることができる。従って、本発明の治
療剤は、各種の脳神経障害疾患(例えば、痴呆、アルツ
ハイマー病、アルツハイマー型老年痴呆症、筋萎縮性側
索硬化症、パーキンソン氏病、脳卒中、脳梗塞、頭部外
傷等)の予防・治療に有用である。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び製剤例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。なお、以下の実験で用いた材料及び方
法は下記のとおりである。材料及び方法 (1)材料 実験には雄のWistar系ラットを使用した。ハイボンド-
N、[α-32P]dCTP、Na[125I]及びMegaprime DNA標識
システムはAmersham社製を用いた。Biodyne-BはPall社
(EastHills, N. Y.)から、ランダムプライマー DNA標識
キッド及びOligotex dT30(商標名)は宝酒造社(Kyoto)及
びRoche社(Tokyo)からそれぞれ購入したものを使用し
た。
【0022】(2)成長因子 ヒト組換体HGFは、ヒト組換体HGF cDNAをト
ランスフェクトしたCHO細胞の培養上清から精製した
(Nakamura et al., Nature 342, 440-443, 1989; Seki
et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 172, 321-32
7, 1990)。マウスの顎下腺から精製した2.5S神経成
長因子(NGF)は、Biomedical Technology社(Stought
on, MA) から購入した。ヒト組換体上皮細胞成長因子
(EGF)は、アース製薬社(赤穂、日本)から提供を受
けた。
【0023】(3)ノザン(Northern)ハイブリダイゼーシ
ョン ノザン分析用に、全RNAは、酸グアニジニウムチオシ
アネート−フェノール−クロロホルム法により精製し
た。全RNAを、1.0%アガロース/ホルムアルデヒ
トゲル電気泳動法により分離し、Biodyne-B ナイロンメ
ンブランフィルターに移した。ラットのHGF cDN
AのEcoR1フラグメント(1.4 kb)(α−鎖の第4クリン
グル(kringle)領域、全β−鎖及び3'−非翻訳領域の一
部をコード化するRBC-1クローン)、ポリメラーゼーチ
ェーン反応(PCR)により増幅・調製したラットのc−m
et cDNA(0.8 kb)又はラットのグルタールアルデ
ヒト 3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH) cD
NAを、ランダムプライマーDNA標識キット又はMega
prime DNA標識システムを用いて[α-32P]dCTPによ
り標識化し、プローブとして用いた。
【0024】ハイブリダイゼーションは、50(w/
v)%ホルムアミド、5× NaCl/Pi/EDTA(0.18M NaC
l,10mM NaH2PO4, pH 7.7, 1mM Na2EDTA)、2×
Denhardt's、1.0% SDS、0.3%ナトリウム N−ラ
ウロイル サルコシネート、及び100μg/mlサー
モン精子DNAからなる溶液中において42℃の条件で
24時間にわたって行った。フィルターは、0.2× Na
Cl/Pi/ EDTA-0.1% SDSを用い65℃で8分間洗い、次に
増感スクリーンを用いて−70℃下にて、Fuji-X線フ
ィルム上でオートラジオグラフィーを行った。
【0025】(4)細胞培養 PC12ラット好クロム性細胞腫、T98Gヒト神経膠
芽細胞腫、GOTO及びSCCH−26ヒト神経芽細胞
腫の各細胞は、日本癌研究所資源バンク(Japanese Canc
er Research Resources Bank)から入手した。PC12
細胞は12%牛胎児血清(FCS)を添加したRPMI 1640培地
中で培養した。T98G細胞は、非必須アミノ酸(8.
9mg/l L-アラニン、15.0mg/l L-アスパ
ラギン、13.3mg/l L-アスパラギン酸、14.7
mg/l L-グルタミン酸、11.5mg/l L-プロ
リン、10.5mg/l L-セリン、及び7.5mg/l
グリシン)、1.1mg/ml ピルベート及び10%
FCSを添加したEagleの最少培地(MEM)中で培養した。G
OTO細胞は、RPMI 1640とMEM培地の(1:1)の混合
培地(10% FCSを添加)中で培養した。SCCH−26
細胞は10% FCSを添加したES培地中で培養した。
【0026】(5)HGFの放射性コード[125I]ラベル
化 ヒト組換体HGFをクロラミン−T法により放射性ヨー
ドラベル化した。放射性ヨードラベル化法の詳細は、文
献(Higuchi & Nakamura, Biochem. Biophys. Res. Comm
un. 176, 599-607, 1991)に記載されたとおりである。
この方法を簡単に説明すれば、1.5M燐酸ナトリウム
緩衝液pH 7.0(10μl)、0.5μgHGF(17μ
l)及び0.5mCi Na[125I](14Ci/mg l, IMS 30)を、
シリコン処理した試験管内で混合し、次に5μlのクロ
ラミン−T溶液(100μg/ml)を30秒間隔で4
回加えることにより反応を開始した。反応は、20μl
の50mM N−アセチル−L−チロシン(Sigma社)、
200μlの60mM沃化カリ及び200μlの尿素溶
液(1M酢酸中、1.2g/ml)を加えることにより
停止した。125I−HGFは、4mM HCl、75mM Na
Cl及び1mg/mlウシ血清アルブミン(BSA, Sigma
社)により平衡化したセファデックスG-25 カラム(Pha
rmacia社)を用いた分子篩クロマトグラフィーにより分
離した。このようにして調製した125I−HGFの比活
性は70-160 mCi/mg蛋白質であった。
【0027】(6)125I−HGF結合アツセイ 培養した細胞についての結合アツセイは、下記のように
行われた。PC12、T98G、GOTO及びSCCH
−26細胞を極めて短時間のトリプシン処理により培養
プレートから分離した。懸濁した細胞を、シリコン処理
した試験管(Assist社)中で、各種の濃度の125I−HG
Fを含む結合用緩衝液中、10℃下で、過剰量の非標識
HGFの存在下又は非存在下に、1時間にわたりインキ
ュベートした。細胞を、ジ−n−ブチルフタレート及び
ジ−(2−エチルヘキシル)フタレートの混合液(3:
2)からなるオイルクッション上に載せ、4℃下で5分
間12,000gで遠心分離した。水層及び油層を取り
除いた後、細胞沈渣に特異的に結合した125I−HGF
を、γ−カウンターによりカウントした。全ての結合実
験は、トリプリケート(3重)にて実施した。
【0028】(7)PC12細胞の細胞成長、生存及びD
NA合成の測定 細胞成長を測定するために、コラーゲンを予め塗布した
6ウエルプレート(Corning社)上に細胞を104細胞/
cm2の割合で播種し、24時間培養した。培地を5%
FCSを含む新しい培地に変え、成長因子を添加した。培
地は3日目毎に変え、その都度成長因子を加えた。トリ
プシン処理により細胞を分散した後、細胞の数をヘマト
サイトメーターを用いてカウントした。データーは、3
回の測定で得られた値の平均値を用いた。PC12細胞
の生存率を求めるために、細胞を6ウエルプレートに5
×104細胞/cm2の割合で播種し、24時間培養し
た。培地は1%のFCSを含む新しい培地に変えた。DN
A合成の測定には、PC12細胞をコラーゲンでコート
した24ウエルプレート(Costar社)上に105細胞/ウ
エルの密度で播種し、翌日、培地をFCS濃度の低い(2.
5%)新しい培地に変え、24時間培養した。成長因子
を添加し、細胞を24時間培養した後、1μCiの125
−デオキシウリジン(2200 Ci/mM、New England Nucl
ear社)を用いて12時間にわたり標識化した。培養細胞
は、PBS及び氷冷10%(w/v)TCAで、それぞれ1回洗
った。細胞を1M NaOHにより可溶化し、核に取り込ま
れた放射活性をγ−カウンターによりカウントした。
【0029】(8)蛋白質アツセイ 蛋白質濃度は、ウシ血清アルブミンを標準物質として用
い、マイクロBCA蛋白質アツセイシステム(Pierce Chem
ical社)により測定した。
【0030】(9)海馬ニューロンの初代培養 海馬を18日胚のラット胎児から切り出し、0.25%
トリプシン中で37℃下で8分間にわたりインキュベー
トした。溶液を除去してから、残留トリプシンを適量の
FCS又はウマ血清(HS)を用いて阻害した。細胞は、プ
ラスチック製のチップを通して分散させた。分散したニ
ューロンを、ポリエチレンイミン(Sigma社)で予めコ
ートした48ウエルプレート(Coster社)に105細胞
/cm2の密度で播種した。ニューロンは、5% FCS及
び5% HSを添加したDME(Dulbecco's Modified Eagle'
s)培地とHamのF12培地の(1:1)の混合培地中で、
90%空気/10%CO2の加湿のインキュベーター
(37℃)中で成育させた。培地は、播種から12−2
4時間後に、FCS又はHSに代えて、10% NU-血清(Col
laborative Research社)を含むDMEを用いた。
【0031】(10)脳虚血実験 生後9週間の雄Wistar系ラットを使用した。脳虚血は、
中央大脳動脈への血流を停止するために右内頚動脈に塞
栓を挿入することにより行った。塞栓は、2時間にわた
って挿入した後に除去し、血流を再び循環させた。再灌
流から適当な時間の経過後にラットを屠殺し、左脳と右
脳を別々に摘出した。
【0032】実施例1脳内におけるHGF mRNAとc−met mRNAレ
ベルの変化 ラットの発達中における脳内のHGF mRNA及びH
GF受容体レベルの変化を、前述のノザンブロット分析
により調べた。即ち、全RNA(50μg/レーン)を
1.0%アガロース/ホルムアルデヒドゲル中で電気泳
動した後に、Biodyne-βフィルターに移した。メンブレ
ンを、材料及び方法の項に記載のとおり、32P−ラベル
化されたラットのHGF cDNA又はラットc−me
t cDNAプローブを用いてハイブリダイズした。そ
の結果を図1に示す。図において、下側の図は内部標準
のグルタールアルデヒド 3−ホスフェートデヒドロゲ
ナーゼ(GAPDH)のバンドを示す。
【0033】上記の図1は、胎生後期、新生児期のラッ
ト及び成体ラットの脳におけるHGF mRNA及びc
−met mRNAの発現の変化を示している。HGF
mRNAは、胎生後期では脳内において極めて低いレベ
ルでしか検出されなかったが、出生後には増大し、成体
では最大値に達した。他方、c−met mRNAは、
胎生後期の脳において発現し、出生後には著しく増大
し、5日目にピークに達した。しかし、c−met m
RNAレベルは成体になる迄に大幅に低下した。HGF
及びその受容体mRNAが脳内において胎生後期から成
体まで連続的に発現されることを示すこの結果は、HG
Fが或る役割を脳内において果たしていることを示すも
のである。HGFの脳内において果たすことの可能な役
割を検討する為に、次にHGFmRNAとc−met
mRNAの脳内の各部位における発現を調べ、さらにH
GFのニューロンに及ぼす効果を下記のようにin vitro
で分析した。
【0034】実施例2HGF mRNA及びc−met mRNAの成体ラット
の脳内各部位における発現 成体ラットの脳の各部位におけるHGF mRNA及び
c−met mRNAの発現を前述のノザンブロット分
析により調べた。即ち、全RNAをレーン当たりそれぞ
れ30μg及び50μgの割合で電気泳動し、Biodyne-
βフィルターに移した。メンブレンは、材料及び方法の
項に記載のとおり、32P−ラベル化したラットのHGF
cDNA及びラットc−met cDNAプローブを用
いてハイブリダイズした。その結果を図2に示す。図に
おいて、下側の図は、臭化エチジウム染色により可視化
した18S及び28S rRNAのバンドである。
【0035】上記の図2は、成体ラットの脳の各部位に
おけるHGF mRNA及びc−met mRNAの発現
を示す。HGF mRNAは、脳内の様々な部位で検出
され、海馬、嗅球、大脳皮質及び小脳において比較的高
いレベルで発現していた。c−met mRNAもまた
脳の様々な部位において発現しており、海馬及び嗅球に
おける発現のレベルは比較的高かった。
【0036】実施例3PC12細胞の成長及び生存への影響 脳におけるHGFの機能を調べるために、PC12細胞
の培養系を用いた。 最初に、HGFのPC12細胞の増殖に対する影響
を調べるためにPC12細胞を5% FCSを含む培地中
で、HGFが存在する場合と存在しない場合に分けて培
養した。即ち、PC12細胞を、コラーゲンをコートし
た6ウエルプレートにウエル当たり105個の密度で播
種した。翌日、培地を5% FCS を含む新しい培地に変
え、細胞をHGFの存在しない状態で(○)、1ng/ml
のHGFの存在下で(●)、3ng/ml のHGFの存在下
で(△)、又は10ng/ml のHGFの存在下で(▲)、
それぞれ所定日数培養した後、細胞数を測定した(材料
及び方法の項参照)。その結果を図3Aに示す。各値は
3回測定の平均値で標準偏差は各値の0.3%以下であ
った。図3Aに示したように、PC12細胞に対するH
GFの増殖促進効果は培養の4日目から培養中の10日
間にわたって認められ、HGFは、添加量に依存して細
胞数を増やし、1、3、10ng/ml のHGFを添加した
場合、それぞれの細胞数は、HGF非存在下に比べ、
1.1倍、1.3倍及び1.4倍となった。
【0037】 PC12細胞の増殖は、NGFにより
停止するのに対し、EGFにより促進されることが判っ
ているために、HGF、EGF、NGF及びこれらの組
合せのPC12細胞の成長に及ぼす影響を比較した。P
C12細胞は上記の如く培養し、成長因子は下記の濃
度で用いた:HGF10ng/ml;EGF10ng/ml;NG
F20ng/ml。細胞数は細胞をプレートに播種した後、
8日目に測定した。その結果を図3Bに示す。各値は3
回測定の平均値であり、標準偏差は各値の0.3%以下
であった。図3Bに示したように、PC12細胞の数
は、10ng/mlHGFの添加により1.4倍に増加したの
に対し、10ng/ml EGFを添加した場合の増加率は、
2.1倍であった。10ng/ml HGFと10ng/ml EG
Fを組み合わせた場合には、成長因子の加えていない場
合に比較して細胞は2.4倍に増加した。このようにH
GF及びEGFは、PC12細胞の増殖を相加的に促進
した。上記に反し、PC12細胞の増殖は、既に知られ
ているように、20ng/ml NGFによっては影響を受け
ることはなかった。更に、PC12細胞の数は、同時に
NGFを加えた時には、HGFによっても増加しなかっ
た。
【0038】 HGFがPC12細胞中において細胞
分裂を促進するか否かを調べるために、HGFのDNA
合成への影響を検討した。即ち、コラーゲンをコートし
た24ウエルプレート上にPC12細胞を105細胞/
ウエルの密度で播種した。125I−デオキシウリジンの
取り込み量は材料及び方法の項に記載の方法で測定し
た。その結果を表1に示す。なお、各値は3回の測定の
平均値及び標準偏差は示す。表1に示したように、HG
F及びEGFの両者は、PC12細胞のDNA合成を有
意に促進することはなかったのに対し、NGFはDNA
合成を投与量に依存して阻害した。
【0039】
【表1】
【0040】 上記のように、HGFは、PC12細
胞の細胞分裂を促進しなかったので、HGFがPC12
細胞の生存を延長するか否かを検討するため、1%の F
CSを含む培地中で培養したPC12細胞の生存に対する
HGFのもたらす効果を調べた。即ち、PC12細胞
を、コラーゲンをコートした6ウエルプレートにウエル
当たり5×105細胞の密度で播種した。翌日、培地を
1% FCSを含有する新たな培地に変え、1ng/ml
(●)、3ng/ml(△)、10ng/ml(▲)の各濃度のH
GFの存在下で、又はHGFの存在しない状態でそれぞ
れ所定日数培養した後、細胞数を測定した。その結果を
図4に示す。なお、各値は3回の測定の平均値であり、
標準偏差は各値の0.6%以下であった。図4に示した
ように、HGFの存在しない場合、全細胞の約40%は
4日間の培養中に培養器から死滅し、10日目迄に細胞
の大部分が死滅した。これに反し、HGFが存在する場
合には、細胞数の減少は認められなかった。PC12細
胞数は、HGFの存在下で少なくとも13日の培養期間
中は維持され、この条件下では1ng/ml HGFのPC1
2細胞の生存維持にもたらす効果は完全といえた。
【0041】 PC12細胞の分化に対するHGF、
EGF及びNGFの影響を調べた。即ち、PC12細胞
は12% FCSを含有する培地中、HGFの存在しない状
態下(A)、10ng/mlのHGFの存在下(B)、10n
g/mlのEGFの存在下(C)、20ng/mlのNGFの存
在下(D)、10ng/mlのHGF+10ng/mlのEGFの
存在下(E)、及び10ng/mlのHGF+20ng/mlのN
GFの存在下(F)で培養した。細胞は上記の条件下で
7日間にわたって培養し、細胞の形態学的な変化を観察
した。その結果を図5に示す。図5に示したように、P
C12細胞の形態は円形であったが、NGFを添加する
とPC12細胞は神経突起が伸長した交感神経細胞様の
表現型へと分化誘導された(図5A及びD)。しかし、
HGFの添加後には形態学的な変化は起こらず、HGF
により処理した細胞は、処理されぬ細胞とは識別できな
かった(図5B)。EGFも、HGFとEGFとの組み
合わせも神経突起の伸長を誘導しなかったから(図5C
及びE)、これらの成長因子は、PC12細胞の分化を
誘導するものとは思われない。HGFとNGFを同時に
添加すると、PC12細胞は形態学的に誘導された。従
って、NGFによりトリガーされた細胞内のシグナル
が、HGFによりトリガーされたシグナルを殆ど打ち消
したことを示唆している。
【0042】 PC12細胞及び他の神経細胞系にお
けるHGF受容体分析を行った。即ち、NGFの存在下
又は非存在下に培養したPC12細胞への125I−HG
Fの濃度依存的結合を測定した。125I-HGFのPC1
2細胞への結合は、材料及び方法の項に記載の方法で求
めた。その結果を図6に示す。同図中、Aは、NGFの
存在せぬ状態で(●)、又は50ng/ml のNGFの存在
下で(○)で培養したPC12細胞に対する、125I-H
GFの特異的結合の飽和曲線を示し、またBは、125I-
HGFのPC12細胞への結合のScatchard プロットを
示す。図6Aに示したように、125I−HGFは、NG
Fの存在しない状態で培養した未分化のPC12細胞に
特異的に結合した。結合に対するScatchard分析によ
り、指数関数的に増殖するPC12細胞は40pMのKd値
を持ち、細胞当たり185箇所の結合部位を発現するこ
とがわかった(図6B)。PC12細胞を、50ng/ml
NGFの存在下で7日間培養し、神経細胞の表現型に分
化させた時は、12 5I−HGFの特異的結合が著しく減
少した(図6A)。Scatchard 分析により、これらのP
C12細胞は27pMのKd値を持ち、細胞当たり15箇所
の結合部位を持つことが明らかになった(図6B)。こ
のように、PC12細胞の分化の際に、HGFの細胞当
たりの結合部位は185箇所から15箇所に減少した。
また、同様にして、中枢神経組織から由来した他の細胞
への125I−HGFの結合を測定した。その結果を表2
に示す。表2に示したように、高和力性の受容体は、P
C12細胞以外にもヒト神経膠芽細胞腫T98G、ヒト
神経芽細胞腫GOTO及びSCCH−26においても見
出され、その結合部位は細胞当たりそれぞれ540、1
20及び60箇所であり、Kd値は30−40pMの間にあ
った。
【0043】
【表2】
【0044】実施例4初代培養海馬神経細胞への影響 HGFがPC12細胞に対する生存因子として働くこと
が判明したために、次にHGFが初代培養時の神経細胞
の生存を延長するか否かを調べた。海馬神経細胞を、H
GFの存在しない状態、又は存在下で培養し、培養1日
目及び6日目の形態を観察した。その結果を図7に示
す。図7に示したように、海馬神経細胞をHGFなしで
6日間培養したときには、細胞の大部分は死滅した。こ
れらの培養細胞にHGFを添加すると生存神経細胞数は
増大した。この様にHGFは、初代培養における海馬神
経細胞に対する生存因子として作用することが明らかと
なった。
【0045】実施例5脳虚血後の脳内におけるHGF mRNA及びc−me
t mRNAの発現の誘導 HGFが初代培養系における神経細胞に対して生存因子
として働くことが明らかとなったため、脳の傷害による
神経細胞の退行変性に対するHGFの保護作用を実験的
脳虚血試験で検討した。実験的脳虚血は、材料及び方法
の項に記載の方法で行い、血流を再開してから、4、
8、12及び24時間後に全RNAを右及び左の脳から
抽出し、材料及び方法の項に記載の方法でノザンブロッ
トし、HGF mRNA及びc−met mRNAレベル
を分析した。その結果を図8に示す。図において、下側
は臭化エチジウム染色により可視化した18S及び28S rRN
Aのバンドを示す。この実験では、主要な虚血傷害が右
脳に生じたのに対し、左脳は右脳に血流が再び循環した
後に右脳よりもやや遅れて傷害された。右脳では血流の
循環が再開されてから12時間後にHGF mRNAの
誘導が始まり、24時間後に顕著になった。左脳におい
てはHGF mRNAは、再循環から24時間後に最も
増大した。また、c−met mRNAは、HGF mR
NAの場合と同様の時間的経過で顕著に発現誘導され
た。右脳においては、c−met mRNAは再循環か
ら12時間後に増大が始まり、虚血処理から24時間後
に顕著な増大を示した。左脳においては、c−met
mRNAは処理から12時間後に発現誘導され、24時
間後に著しく増大した。一方、別途行った擬施術した動
物においては、HGFとc−met mRNAsの誘発
は僅かしか認められなかった。
【0046】製剤例1 生理食塩水100ml中にHGF1mg、マンニトール
1g及びポリソルベート80 10mgを含む溶液を無
菌的に調製し、1mlずつバイアルに分注した後、凍結
乾燥して密封することにより凍結乾燥製剤を得た。
【0047】製剤例2 0.02Mリン酸緩衝液(0.15M NaCl及び
0.01%ポリソルベート80含有、pH7.4)10
0ml中にHGF1mgとヒト血清アルブミン100m
gを含む水溶液を無菌的に調製し、1mlずつバイアル
に分注した後、凍結乾燥して密封することにより凍結乾
燥製剤を得た。
【0048】製剤例3 注射用蒸留水100ml中にHGF1mg、ソルビトー
ル2g、グリシン2g及びポリソルベート80 10m
gを含む溶液を無菌的に調製し、1mlずつバイアルに
分注した後、凍結乾燥して密封することにより凍結乾燥
製剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】アガロース/ホルムアルデヒドゲル中で電気泳
動したRNAのノザンブロットの写真であり、胎生後期
から成体期迄の期間におけるラットの脳内におけるHG
F mRNA及びc−met mRNAレベルの変化を示
す。
【図2】アガロース/ホルムアルデヒドゲル中で電気泳
動したRNAのノザンブロットの写真であり、成体ラッ
ト脳内の各部位におけるHGF mRNA 及びc−me
t mRNAの発現を示す。
【図3】HGF及び他の成長因子がPC12細胞の成長
に及ぼす影響を示す図である。図中、AはHGFのPC
12細胞の成長に対する促進効果を示し、BはHGF、
EGF、NGF及びこれらの組合せのPC12細胞の成
長に及ぼす影響を示す。
【図4】HGFがPC12細胞の生存に及ぼす促進効果
を示す図である。
【図5】HGF、EGF若しくはNGFの存在下又は非
存在下で培養したPC12細胞(生物)の形態学的な変
化を示す顕微鏡写真である。
【図6】NGFの存在下又は非存在下で培養したPC1
2細胞に対する125I-HGFの結合実験の結果を示す図
である。図中、Aは、NGFの存在せぬ状態で(●)、
又は50ng/mlのNGFの存在下で(○)で培養したP
C12細胞に対する125I-HGFの特異的結合の飽和曲
線を示し、Bは、125I-HGFのPC12細胞への結合
のScatchard プロットを示す。
【図7】海馬神経細胞(生物)の形態を示す顕微鏡写真
であり、HGFを用いた初代培養海馬神経細胞の生存の
延長を示す。
【図8】アガロース/ホルムアルデヒドゲル中で電気泳
動したRNAのノザンブロットの写真であり、脳虚血実
験後の脳内のHGF mRNA及びc−met mRNA
発現の誘導を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HGFを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする脳神経障害治療剤。
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