JP2750372B2 - 賢疾患治療剤 - Google Patents
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Description
てなる腎疾患治療剤、腎疾患予防剤、培養腎細胞増殖
剤、および腎疾患診断薬に関する。
合体であり、尿の生成により生体内の老廃物を排泄する
という重要な機能を担っている臓器である。腎臓はま
た、血液をはじめとする体液中のナトリウムイオンやカ
ルシウムイオン等の電解質の調節、浸透圧の調節、体液
量の調節などの機能、あるいは内分泌器官としてホルモ
ンの1種であるエリスロポイエチンを生産し赤血球細胞
の分化・成熟の調節機能、あるいはビタミンDの前駆体
である25−ヒドロキシビタミンDを活性化する機能など
広範な生理機能をもつ臓器である。
り、糸球体は血液の濾過を行い、尿細管は糸球体濾過液
から必要なものを再吸収し不必要なものを分泌する機能
を有する。尿細管はさらに近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠
位尿細管、集合管から形成されている。このうちエリス
ロポイエチンの生産、ビタミンDの活性化は近位尿細管
によって行われ(Blood,68(Suppl),170a、1986,Proc
Natl Acad Sci USA,28,1199,1981)、また腎再生は近位
尿細管細胞から行われることが知られている。
腎糸球体症と尿細管に病変を起こしている尿細管症とが
あり、慢性腎不全の原因疾患は前者が多いとされてい
て、1upus腎炎(SLE)、慢性腎孟炎、IgA腎症など腎炎
に分類され、タンパク尿を共通の症状とする疾患の場合
も、その原因はおもに糸球体の異常であると考えられて
いる。従来、腎炎の治療にはステロイド剤が用いられて
きたが、慢性腎炎が悪化するといわゆる慢性腎不全とな
り透析治療の対象となり、荒廃した腎臓の機能は永久に
回復せず一生涯透析を続けなければならない。現在、日
本国における腎臓疾患患者は30万人おり、そのうち透析
治療を受けている重症患者は約9万人であり毎年8000人
程度の増加がみられる。慢性腎不全の唯一の根治療法は
腎移植であるが、提供者や拒絶反応の回避など問題が多
く、根本的な治療法もしくは治療薬の開発が望まれてい
る。
成長因子(RGF)は1988年ヒツジから単離され、腎臓の
近位尿細管細胞を増殖させる効果が見出されており、上
皮細胞成長因子(EGF)もまた片方の腎臓を摘出した場
合のいわゆる代償性肥大効果を持つことが報告されてい
るが、いずれも未だ実用化するには至っていない。
(以下「HGF」という)は本発明者らが再生肝ラット血
清中から成熟肝実質細胞をin vitroで増殖させる因子と
して見いだした蛋白質である(Biochem Biophys Res Co
mmun,122,1450,1984)。本発明者らはさらに、HGFをラ
ット血小板より単離することに成功し(Proc Natl Acad
Sci,83,6489,1986,FFBS Letter,22,311,1987)、その
アミノ酸配列を一部決定した。さらに本発明者らは解明
されたHGFアミノ酸配列をもとにヒトおよびラット由来
のHGFcDNAクローニングを行い、このcDNAを動物組織に
組換えて肝臓実質細胞増殖因子を蛋白質として得ること
に成功した(ヒトHGF:Nature,342,440,1989;ラットHGF:
Proc.Natl.Acad.Sci,87,3200,1990)。
管から始まる尿細管腎炎とがあり、前者の場合は糸球体
の損傷に続いて尿細管の荒廃が起こるが、後者の場合は
尿細管の荒廃に限られる。臨床的には重要なlupus腎炎
(SLE)、IgA腎症などは糸球体腎炎に含まれるが、その
発症機序として免疫学的な機序と非免疫学的な機序とが
考えられる。前者の例としてブドウ球菌、溶連菌などの
細菌やB型肝炎、麻疹などのウィルスに由来する抗原
と、これらに対する抗体とからなる免疫複合体(immuno
complex、IC)の糸球体への沈着が知られているが、現
在ではこの他にも多様な原因があると考えられており未
解決の部分が多い。急性腎炎や軽度な慢性腎炎にはステ
ロイド剤が用いられるが、慢性腎炎が悪化しいわゆる腎
不全に陥った場合の根本的な治療法はなく、透析治療を
続けるほかはない。しかしながら、腎臓においてはホル
モン等の分泌もまた機能として非常に重要であり、特に
近位尿細管の荒廃によりここで産生されるエリスロポイ
エチンが減少すると深刻な貧血に陥る。EGFは単独投与
およびインスリンとの併用投与により腎近位尿細管細胞
の増殖、および腎臓の代償性肥大を促進することが確認
されているが、EGFはガン細胞の増殖をも強力に促進す
るため実用化には問題が多く、かかる副作用を伴わず
に、インスリンと相まって腎細胞増殖を促進する治療薬
が望まれている。
ことによって腎臓への負担が増加し、さらに腎炎の進行
を助長し荒廃が進む。糸球体および尿細管が完全に荒廃
し腎不全に陥った肝臓は自力で再生することはなく、ま
た再生させ得る治療法もしくは治療薬は現在までに完成
されていない。一生涯透析治療を続けなければならない
患者の救済策として腎臓移植を行われるが、提供者の絶
対数の不足と組織適合の難しさから実施例は少ない。腎
臓摘出および腎臓移植はまた悪性腫瘍等の根本的治療法
としても行われるが、移植腎、および片側腎を摘出した
後の残余腎がいわゆる代償性肥大を実現することが患者
にとって必須であるが、しかしこれを促進する薬剤は現
在まで開発されていない。
て、腎疾患を有する患者はもちろん正常人においても腎
臓への負担が増大し、腎機能低下を誘発することがあ
る。このため、薬物による腎障害誘導を予防することが
重要である。
モン、酵素の生産臓器であり、腎細胞を体外で人工的に
培養することは、これらの生物性因子を医薬品等の目的
で製造する上で重要であるが、腎細胞を増殖する活性を
有する薬剤は現在のところ一般化されていない。
ば、尿中のタンパク量、糖質量測定などがあったが、本
発明は、これとは異りHGFを測定することによって腎臓
の炎症程度や機能回復力を診断しようとするものであっ
て、臨床的に非常に有用である。
ける腎再生を促進し、さらに腎不全を改善し得る治療
剤、および肝臓の代償性肥大を促進する治療剤、薬物に
よる腎障害を予防する予防剤、培養腎細胞増殖を促進す
る薬剤、および腎臓機能を診断する診断薬を提供するこ
とである。
ヒトまたは哺乳動物用腎疾患治療剤、腎疾患予防剤、腎
細胞増殖剤の発明であり、またHGF、もしくはその一
部、またはこれらに対するポリクローナル抗体、もしく
はモノクローナル抗体を有効成分とする腎疾患診断薬、
HGFに対する定性的または定量的測定系を含有する腎疾
患診断薬の発明である。
討を重ねた結果、片方の腎臓を摘出したラットにおいて
残りの腎臓が代償性肥大を起こすとき腎臓内においてHG
が産生されるという新たな発見を行った。この知見に基
づき、肝実質細胞を増殖させる因子であるHGFが腎臓の
近位尿細管細胞を始め、メサンギウム細胞など腎細胞の
増殖を亢進し、腎再生を促進する活性を持つという意外
な事実を見出し、本発明を完成させるに至った。特に近
位尿細管細胞は、腎再生開始の細胞でありまたエリスロ
ポイエチンなど重要なホルモンを分泌する器官であるた
め、HGFによる近位尿細管細胞の増殖促進は腎疾患の改
善にとって重要である。また、HGFは肝障害を受けた生
体においては肝実質細胞を増殖させる効果を持つ。しか
も、正常な肝臓を持つ生体に対してHGFを投与した場合
には肝臓の肥大、あるいは機能低下などの副作用を起こ
さないという、腎疾患治療剤としての優れた性状を有す
ることが確認された。本発明のHGFは腎臓の代償性肥大
を促進し、腎臓摘出後、または腎臓移植後の腎臓機能を
向上させる腎疾患治療剤としても有効に使用することが
できる。また、抗生物質等の薬剤を治療目的で投与する
場合等にHGFを併用投与すれば腎障害を予防する効果を
持つことも確認された。本発明の肝実質細胞増殖因子、
もしくはその一部、またはこれらに対するポリクローナ
ル抗体、もしくはモノクローナル抗体は腎疾患の有無、
程度を診断する薬剤として使用することができる。ま
た、腎臓に障害を受けた生体においては血清中のHGF量
が上昇することから、血清中のHGF量を測定することに
より腎炎の程度を判断し、また腎臓の機能回復力を調べ
ることができる。
ンや酵素を得るなどの目的等のために腎臓細胞が培養さ
れるが、HGFは、腎細胞を生体外で培養する際に細胞の
増殖を促進する薬剤として有効に用いられる。
細胞を増殖させる因子として発見された生理活性ポリペ
プチドであり、分子量はSDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動より82〜85kDである。ラットHGF分子は440アミ
ノ酸残基からなるα鎖と233アミノ酸残基からなるβ鎖
が1個のジスルフィド結合により架橋したヘテロダイマ
ー構造を持ち、α、β両鎖とも2個のグルコサミン型糖
鎖結合部位が存在する。ヒトHGFもまたほぼ同じ生理活
性を有し、440アミノ酸残基からなるα鎖と234アミノ酸
残基からなるβ鎖とからなる。α鎖中には線溶酵素プラ
スミンと同様のクリングル構造が4個存在し、β鎖のア
ミノ酸配列においてもセリンプロテアーゼ活性を有する
プラスミンのB鎖と約37%のホモロジーを有する。ヒト
HGFのアミノ酸配列およびこれをコードする遺伝子の塩
基配列を第1図に示した。ラットHGFとヒトHGFのアミノ
酸配列のホモロジーはα鎖において91.6%、β鎖におい
て88.9%と非常に高い相同性を持ち、その活性は全く互
換性がある。
剤、腎細胞増殖剤などとして有効であり、また腎疾患診
断薬として使用できることは本発明者によってはじめて
見いだされたのである。
例えば、ラット、ウシなどの哺乳動物の肝臓、脾臓、肺
臓、骨髄、脳、腎臓、胎盤などの臓器及び血小板、白血
球等の血液細胞や血漿、血清などから抽出、精製して得
ることができる。また、HGFを産生する初代培養細胞や
株化細胞を培養し、培養物から分離精製してHGFを得る
こともできる。あるいは公知の遺伝子工学的手法(Natu
re,342,440,1989)によりHGFをコードする遺伝子を大腸
菌、枯草菌、酵母、糸状菌、植物または動物細胞等適切
な宿主細胞に組み込み、この形質転換体の培養物から目
的とする組換えHGFを得ることができる。
欠失、もしくは置換したり、他のアミノ酸配列が一部挿
入されていたり、あるいは糖類が同様に欠失あるいは置
換されていても、近位尿細管細胞を始めとする腎細胞増
殖活性を有する限り本発明の範囲に含まれる。
マ、ラット、ヒツジなどいずれの哺乳動物に由来するも
のであっても優れた腎細胞増殖効果を持ち、いずれの哺
乳動物に対しても有効な腎細胞増殖効果を有する。すな
わち、本発明の腎疾患治療剤等はヒトのみならず動物用
医薬品とすることができる。
単独、または既知の担体と共に注射されることが一般的
である。例えば、注射剤はHGFを適切な緩衝液に溶解し
たのち、フィルター等で濾過し無菌的に容器に充填する
ことにより調整することができる。また、本発明の治療
剤および予防剤はHGFと共に製剤化に必要な添加物、例
えば安定化剤、賦形剤、溶解補助剤、酸化防止剤等を含
んでも良い。液状製剤とした場合は、凍結保存または凍
結乾燥等により水分を除去して保存するのが望ましい。
形態に応じた適当な投与経路により投与され得る。例え
ば、注射剤の形態にして静脈、動脈、皮下、筋肉内等に
投与することができる。その投与量は、HGFとして0.1mg
〜100mgであり、これを1日1回ないし数回に分けて投
与するのが適当である。
もよく、または動物由来蛋白質などの製剤化に必要な添
加物なども加えても良い。あるいは、動物組織や血清、
血漿などHGFを含む分画からなる組精製物、もしくはこ
れを凍結乾燥等により水分を除去したものでも良い。
一部、あるいはHGFに対するポリクローナル抗体もしく
はモノクローナル抗体を利用してなるものであって組織
中または血中のHGF量を定性または定量的に測定するこ
とができる。HGFに対するポリクローナル抗体はウサ
ギ、ラット、マウスなどにHGFを静脈、皮下、筋肉中な
ど非経口的に投与することによって得られる。モノクロ
ーナル抗体は例えば、HGFを非経口的に投与したマウス
の脾臓細胞を摘出し、マウスミエローマ(骨肉腫)細胞
と細胞融合した後培養して得られる培養上清を精製す
る、など通常の方法で得ることができる。抗HGF抗体を
用いて血中のHGFを検出する方法は通常のELISA法、例え
ば、ポリスチレン製のマイクロプレートに抗HGF抗体を
結合させたものに被検検体を注入し、一定時間反応後洗
浄し、パーオキシターゼなどで酵素標識した抗HGF抗体
を添加し再洗浄した後、H2O2などの基質およびOPD(オ
ルトフェニレンジアミン)などの発色剤を加えて発色さ
せる方法がある。また組織中のHGFを検出する方法は、
摘出した組織切片にFITC(フルオレッセンス−イソチア
ネート)などの蛍光物質で標識した抗HGF抗体、もしく
はパーオキシダーゼなどで酵素標識した抗HGF抗体で染
色することができる。さらに微量のHGFを高感度で検出
する方法として、ラットなどの動物由来初代培養肝細胞
の増殖活性を用いて測定する(Proc Natl Acad Sci US
A,80,7229,1983)ことができる。本発明はこれらの検出
系を用いてHGFを検出することによって、腎疾患の程度
や腎再生能力を測定することができる。
分として含有してなり、HGFの有する近位尿細管細胞を
始めとするメサンギウム細胞などの腎細胞増殖活性を利
用してなるため、慢性腎炎におけり腎細胞の再生を促し
腎不全への移行を防ぐと共に、腎不全に陥った腎臓の再
生を促進し腎機能を正常な状態に回復させる効果を持
つ。従って従来有効な治療法のなかった腎疾患に対する
治療剤および予防剤として極めて有用である。
て含有してなり、生体外での腎細胞培養系において従来
にない特異性と増殖促進活性を有する。また本発明の腎
疾患診断薬により血中、および組織中のHGF量を測定す
ることによって腎疾患程度および腎再生能力を正確に測
定することが可能である。
の実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、もとよ
り本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
のようにして製造した。
素を腹腔投与し、投与後約30時間目で肝臓を摘出した。
肝臓をワーリングブレンダーで粉砕した後、日立20PR−
52型冷却遠心器を用いて10,000rpm20分間遠心し、上清
を得た。上清を0.15M NaCl+10mMへペス+2mM CaCl2+
0.01%ツイン80溶液を加えた50mMトリス塩酸緩衝液(pH
8.5)で4℃一昼夜透析した。透析内液を透析液で平衡
化したS−セファロース(FF)(ファルマシア社製)カ
ラムに注入し、洗浄後、NaClの濃度勾配により溶出し
た。肝実質細胞増殖因子はNaCl濃度0.7M付近に溶出し
た。次にこのHGFをブルートリスアクリルM(IBF社製)
クロマトグラフィーで精製した。溶出はアルギニンの濃
度勾配により行い、HGFはアルギニン濃度0.25M付近で溶
出した。得られた画分を次にヘパリン−セファロース
(ファルマシア社)クロマトグラフィーにより精製し
た。溶出はNaClの濃度勾配により行い、HGFは1M前後のN
aCl濃度付近で溶出した。次にフェニル5PW(東ソー社
製)クロマトグラフィーにより精製した。溶出はNaCl濃
度減少およびエチレングリコール濃度上昇勾配により行
った。ラット100匹の肝臓当たり10ugのHGFが得られた。
HGFの比活性は約50万単位/mgであった。得られたHGFに
0.25%BSA(ウシ血清アルブミン)を加え、PBS(リン酸
緩衝食塩水)にて透析した。
因子HGFを製造した。
法に従って、ヒト肝実質細胞増殖因子のアミノ酸配列を
コードする遺伝子により形質転換されたマウスC127細胞
を培養し、その培養液上清より、ヒト肝実質細胞増殖因
子を得た。すなわち、ヒト肝臓のmRNAから作られたcDNA
ライブラリーをスクリーニングし、ヒト肝実質細胞増殖
因子のアミノ酸配列をコードするクローンHAC19とHBC25
を得た。
をSca IとPstlで消化し、それぞれ得られた2つのDNAフ
ラグメントをブルースクリプトKS IIのBamH IとPstl部
位に連結し挿入し、pBS〔hHGF II〕を得た。PBS〔hHGF
II〕をXba IとSal IとNae Iで消化し、更にT4DNAポリメ
ラーゼで平滑末端とした後、ヒト肝実質細胞増殖因子を
コードする約3KbのDNAフラグメントを、ウシパピローマ
ウイルスDNAをベクターとする発現ベクターpBPMTのEcoR
V部位に挿入し、pBPMT〔hHGF II〕を得た。得られた肝
実質細胞増殖因子発現ベクターpBPMT〔hHGF II〕を、リ
ン酸カルシウム法によりマウスC127細胞を形質転換し
た。形質転換体の選択は、G418を含む培地で増殖させる
ことにより行った。得られた形質転換体の中から、高い
肝実質細胞増殖因子産生能を示す細胞株BPH89を選び出
した。BPH89細胞を牛胎児血清を加えた培地で増殖させ
た後、培地を2日おき変換して、肝実質細胞増殖因子HG
Fを実施例1の精製法に準じた方法により精製した。
よびポリソルベート80 10mgを含む溶液を無菌的に調整
し、バイアル瓶に1mlずつ無菌的に分注し、凍結乾燥し
た。
の0.02Mリン酸緩衝液100mlにHGF1mgとヒト血清アルブミ
ン100mgを添加した水溶液を無菌的に調整し、バイアル
瓶に1mlずつ無菌的に分注し、凍結乾燥した。
のとおり確認した。
し、腹部を切開して腎臓を摘出し、氷で冷却したプレー
トに取り出した。皮質部分を集め、小片に刻んでダウン
スホモジナイザーにかけた。得られたホモジェネートを
245μm孔ナイロンメッシュでろ過し、さらに尿細管細
胞と顆粒細胞を分離するために105μm孔ナイロンメッ
シュでろ過したのち、メッシュ上に残った分画を氷で冷
却したイーグルの最少栄養培地に移した。この分画に少
量の顆粒細胞が残存していたので、0.01%コナゲナーゼ
を培地に添加し37℃で3分間処理しファイブロブラスト
を除去したのち80g×2分遠心分離して精製近位尿細管
細胞を得た。
尿細管細胞の培養系に添加し、細胞増殖効果をDNA合成
の増加より検討した。すなわち、により得られた近位
尿細管細胞を1×10-8Mインスリン(シグマ社、米
国)、1×10-8Mデキサメサゾン(和光純薬社)、5μg
/mlトランスフェリン(シグマ社、米国)、5U/mlアプロ
チニン(持田製薬社)を添加したDME・F−12混合培地
(DEM培地:ハムF−12培地=1:1、日水製薬社)に懸濁
し24ウェルのマルチプレートに4×104個/ウェルの濃
度で播いた。5%CO2、30%O2、65%N2の存在下37℃で2
4時間培養後、5U/mlアプロチニンを添加したDME・F−1
2混合培地に交換し、同培養条件下で48時間培養した。
培地を新しく調整した5U/mlアプロチニン添加DME・F−
12培地に交換すると共に被検試料として実施例1で得ら
れたHGF(0.25%BSA=牛血清アルブミンを加え、PBS=
リン酸緩衝食塩水で透析したもの)、および陽性対照と
して10ng/mlEGF(雄マウス顎下腺由来)+1×10-7Mイ
ンスリンを所定量添加した。16時間培養後、1μCi/ml
の125I−デオキシウリジン(ニューイングランドニュー
クレア社、米国)10μl/ウェルを添加した。4時間後PB
Sで細胞を洗浄し10%トリクロロ酢酸溶液に移し5分間
インキュベートした。トリクロロ酢酸を除き、1M水酸化
ナトリウム溶液で細胞を溶解し放射能をガンマカウンタ
ーにて測定した。
臓の近位尿細管細胞を用量依存的に増殖させる活性を示
した。すなわち、2ng/mlのHGFを添加することにより、
該培養細胞のDNA合成は約2倍に、10ng/mlのHGFにより
約3倍に促進された。これにより本発明の有効成分であ
るHGFは培養腎細胞を増殖させる活性を有することが明
らかになると共に、生体内における腎再生を促進させる
活性を有することが明らかとなった。
伝子の塩基(DNA)配列。上段に塩基配列、下段にアミ
ノ酸配列を示した。 第2図はラット近位尿細管細胞に対するラットHGFの増
殖促進活性の測定結果を示すグラフである。黒丸はHGF
添加の場合、▲はEGF+インスリン添加の場合を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】肝実質細胞増殖因子(HGF)を有効成分と
するヒトまたは哺乳動物用腎疾患治療剤。 - 【請求項2】HGFがヒトまたは動物組織由来である請求
項1記載の腎疾患治療剤。 - 【請求項3】HGFが遺伝子組換えにより製造したもので
ある請求項1記載の腎疾患治療剤。 - 【請求項4】腎臓摘出後、または腎臓移植後の腎臓機能
を向上させる請求項1記載の腎疾患治療剤。 - 【請求項5】HGFを有効成分とする腎疾患予防剤。
- 【請求項6】HGFを有効成分とする腎細胞増殖剤。
- 【請求項7】腎細胞が尿細管細胞である請求項6記載の
腎細胞増殖剤。
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