JPH08501314A - Hgfによる肝臓障害に対する保護 - Google Patents

Hgfによる肝臓障害に対する保護

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JPH08501314A JP6508288A JP50828894A JPH08501314A JP H08501314 A JPH08501314 A JP H08501314A JP 6508288 A JP6508288 A JP 6508288A JP 50828894 A JP50828894 A JP 50828894A JP H08501314 A JPH08501314 A JP H08501314A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は肝臓障害が起こる危険があるか肝臓障害があると診断された患者における肝臓障害の成立又は進行の防御におけるHGFの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 HGFによる肝臓障害に対する保護発明の分野 本発明は、肝臓障害を防御するための肝細胞成長因子(HGF)の使用に関す る。背景技術 肝臓障害は、薬物−誘導肝毒性、ウイルス性感染、血管障害、自己免疫病及び 鈍い外傷を含む多数の急性及び慢性臨床状態において生じる。さらに、生まれ付 きの代謝異常に罹患している患者は、肝臓障害がおこる危険が有るだろう。これ らの臨床状態の結果として生じる肝臓障害の症状には、例えば胆汁分泌停止を伴 う激症肝炎、肝障害及び肝組織壊死が含まれ、多くの場合において、正常な肝臓 機能の回復は、患者の生存率にとって重要である。 肝毒性化合物は、ほとんど全ての型の肝臓障害を誘導できる(Benhamo u,J−Pierre,肝細胞及び薬物、第164章、3−12頁、Collo que INSERM/John Libbey Eurotext Ltd. 、A.Guillozo編、1988年)。化学試薬により肝臓が障害され易い のは、薬の代謝における肝臓の主要な役割に関係があるか又は高感受性反応の結 果である。激症肝炎の場合の25%が、医薬の副作用の結果で有り得る。肝毒性 化合物もまた、脂肪肝、肝炎、肝硬変及び、肝臓の血管の及び新生物の障害を含 む慢性肝臓病の重要な原因である(Sinclairら、Textbook o fInternal Medicine (内科学のテキストブック)、569− 575、1992年、Kelley編、J.B.Lippincott社 出版 )。 肝毒性化合物は、肝臓に対する直接的な細胞毒性により、又は毒性代謝物の生 成による(このカデゴリーは、薬アレルギーに類似する高感受性反応を含む)肝 臓障害;胆汁分泌停止、すなわち胆管の障害物に起因する胆汁の流れの停止;及 び静脈閉塞病(VOD)における様な血管の障害(この場合には血管の内皮に対 する傷害は肝臓静脈の壊死を生じる)、を誘導し得る。肝毒性化合物により誘導 される個々の肝臓障害の受け易さは遺伝的因子、年令、性別、栄養状態、他の薬 に対する暴露及び全身的病気に影響される(上記のSinclairら、内科学 のテキストブック )。 肝臓障害を誘導することが知られている肝毒性化合物には、アセトアミノフェ ン、癌の処置に用いられるニトロソウレア、結核の処置に用いられるイソニアジ ドがある。 肝毒性化合物により誘導された軽症の肝臓障害においては、原因物質の投与中 止は生じた障害を実質上取り消すのに十分であるかもしれないが、激症肝炎が結 果として生じる多くの場合においては、N−アセチルシステインの様な解毒薬の 投与などの積極的な医療治療が要求されることがある。しかし、解毒薬処置は、 肝毒性化合物暴露の約10−24時間以上後に行われた場合には、有効でないこ とが多い(Goodmann及びGilmanのThe Pharmacolo gical Basis of Therapeutics (治療学の薬理学的 基礎)、第8巻、Gilmanら編、Pergamon印刷、658−659頁 、1990年)。もしもこの事態が起こったら、肝臓障害は永久的になり得るし 、生命は脅かされ、治療法は生肝移植だけとなる。 放射線治療も肝臓障害を誘導し得る。1回かぎりの全身照射後において、低ア ルブミン血症及び肝血流の低下(両者とも、肝臓障害の症状である)が起こるこ とが示された(Moulder,J.ら、Int.J.Radiat Onco Biol Phys 第19巻、1389−1396頁、1990年)。A wwad,H.ら、Int.J.Radiat Oncol Biol Phy s 第19巻 (5)、1229−1232頁、1990年、は、非−ホジキンの リンパ腫を有する患者に対する処置として使用された半身照射後に、肺及び肝臓 毒性が、放射能に関連した主な障害であることを示し、肝毒性の危険を減少する ために、低い照射率又は多分割照射を勧めている。McCracken,J.ら 、Cancer Treat Rep 69(1)、129−31頁、1985 年、は、放射線治療と動脈内投与の化学治療との併用は、血清酵素レベルによっ てモニターした結果、重大な慢性の肝臓障害を生じ得ると警告し、その治療を将 来使 用する場合には注意することを勧めている。Fajardo,L.ら、Arch Pathol Lab Med 104 (11)、584−8、1980年は、 放射線により誘導された肝臓病は、構造的には、中心静脈の発達した繊維性閉塞 (VOD)により特徴づけられ、数名の患者においては、従来安全であると考え られていた放射線用量にて、VODが起こることを示している。 肝臓障害を起こす生まれ付きの代謝障害が存在する。アリールエポキシドを無 毒性のジヒドリオールに変換する能力が遺伝的に低い患者は、麻酔薬として有用 な薬であるフェニトイン及びハロセインの投与により肝臓障害を生じ易いように 思われる。また、避妊用ステロイドに関連した胆汁分泌停止にかかり易いのは、 遺伝的要素が強いように思われる(上記のSinclairら、内科学のテキス トブック )。 いかなる起源の肝臓障害も、肝臓血流のアセスメント又はプロトロンビン凝固 時間の様な肝臓マーカーの生化学的試験により、又は血清ビリルビン、血清トラ ンスアミナーゼ及び血清アルカリ性ホスファターゼレベルの様な血清マーカーの 生化学的試験により診断及びモニターされ得る(Cornelius,C., 毒性学Hepatotoxicology)、181頁、1991年及びAw wad.H.Int J.Radiat Oncol Biol Phys 1 (5)、1229−1232頁、1990年)。肝臓障害はまた、肝臓組織の 組織学的評価からモニターでき、これは、肝臓障害のタイプ及び程度を決定する のに役立つ(上記のSinclair,S.ら、内科学のテキストブック)。肝 臓機能又は血清マーカーを測定するインビトロ系における生化学的試験から得ら れる結果及び/又は肝臓組織の生検から得られる結果は、インビボ系における肝 臓障害のアセスメントと相関していることが知られている。生化学的試験、組織 生検、患者の病歴及び肝臓障害を起こした原因のアセスメントの組み合わせを、 肝臓障害の程度を決定するために使用することが多い。 肝臓細胞[肝(実質)細胞]の再生は、種々の成長刺激性及び成長阻害性の、 自己分泌又は傍分泌起源のサイトカイン類によりコントロールされると信じられ ているが、これらの因子の正確な役割及び作用メカニズムは、完全には理解され ていない。 インビトロ系においては、単離された肝細胞におけるDNA合成は、表皮成長 因子(EGF)及びタイプaトランスフォーミング成長因子(TGF−α)の様 な成長因子により剌激され、インターロイキン1β(IL−1β)(ナカムラら 、Exp. Cell Res.,179、488−497,1988年)、ト ランスフォーミング成長因子β1(TGF−β1)(Braunら、Proc. Natl.Acad.Sci.USA,85 、1539−1543、1988年 、ナカムラら、Biochem.Baiophys.Res.Comm.,13 、1042−1050、1985年、Carrら、Cancer Res. ,46 、2330−2334、1986年、Castillaら、New En g.J.Med.,324 、933−940、1992年、Houchら、J. Cell.Physiol.,135 、551−555、1988年、Stra inら、Biochem.Biophys.Res.Commun.,145、 436−442、1987年)及びアクチビン(activin)(PCT公開 番号WO92/22321)により阻害されることが示された。TGF−β1は 、部分的肝切除後に起こるインビボ系におけるDNA合成を阻害することが示さ れた。Russellら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,8 、5126−5130、1988年。血管内皮成長因子(VEGF)、すなわ ち内皮細胞有糸分裂促進物は、正常な肝臓において発現され(Berseら、 ol.Biol.Cell,3 (2)、211−220、1992年)、そこに おいて、組織の栄養摂取及び廃棄物除去の役割を果している。 ごく最近、肝細胞成長因子(HGF)と名付けられた、新たなタンパク質が、 初代肝細胞に対する完全な有糸分裂促進物であることが明らかにされた。実験的 肝臓障害後に、血清中のHGFレベルが急速に増加するという観察に基づいて、 激症肝炎の患者においては、HGFがインビボ系における肝臓再生の重要な媒介 物であり得ることが提議され、ある実験的証拠は、この仮説を支持しているが、 HGHが肝臓再生において果す役割については科学者の間に明確な合意は無い。 Rosenら、細胞成長及び分化Cell Growth and Diff erentiation )、第2巻、603頁、1991年、は、慢性肝臓病の 患者における著しく上昇したHGFレベルは、HGFが修復因子であるよりも、 むしろ、ヒトの肝臓障害のマーカーであるか又はヒト肝臓障害の誘発物質である ことを示しているかもしれないと警告している。 成長因子、サイトカインの様な成長因子様の活性を有するタンパク質(And usら、肝臓学Hepatology13(2)、364−375、199 1年)及び組織プラスミノーゲン活性化物の様な治療薬(Baglinら、骨髄 移植(Bone Marrow Transplant(6)、439−4 41、1990年)は、肝臓障害の処置において示された。 HGFは、ナカムラらによって、部分的に肝切除したラットの血清から精製さ れた(Biochem.Biophys.Res.Comm.122、1450 −1459、1984年)。その後、HGFは、ラット血小板から精製され、そ のサブユニット構造が決定された(ナカムラら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA,83 、6489−6493,1986年及びナカムラら、 EBS Letters 224 、311−316、1987年)。ヒト血漿か らのヒトHGF(hHGF)の精製は、Gohdaら、J.Clin.Inve st.81 、414−419、1988年、により最初に記載された。Gohd aらによって報告された結果によると、hHGFは、培養された肝細胞増殖の促 進において、ヒト表皮成長因子(hEGF)またはインスリンよりもより効果的 であり、最大効果のhEGF及びインスリンとのhHGFの効果は、「相加的ま たは相乗的」である。同様に、Zarnegarら、キャンサー リサーチ ancer Research49、3314−3320、1989年、は、 以前の刊行物において特性化されたhHGFの特性と非常に類似した特性を有し ているヒトのヘパトプロテインA(HPTA)と呼ばれるポリペプチド成長因子 の精製について記載している。著者は、それらの精製されたタンパク質のアミノ 酸配列を開示していないので、その2つの因子間の構造上の類似の程度は決定す ることができない。 兎PTAのN−末端アミノ酸配列は、Zarnegarら、Biochem. Biophys.Res.Comm.163 、1370−1376、1989年 によって記載された。 ラットHGF及びhHGFの両者は分子的にクローンされており、これには、 「de1ta5 HGF」と名付けられた、クリングル1(K1)ドメイン(領 域)において5アミノ酸を欠失している、天然に生じる変異体のクローニング及 び配列決定を含んでいる(ミヤザワら、Biochem.Biophys.Re s.Comm.163 、967−973、1989年、ナカムラら、ネーチャー 、342 、440−443、1989年、セキら、Biochem.Bioph ys.Res.Comm.172 、321−327、1990年、タシロら、 roc.Natl.Acad.Sci.USA,87 、3200−3204、1 990年、オカジマら、Eur.J.Biochem.193、375−381 、1990年)。ミヤザワら及びナカムラらによって報告されたhGHの配列は 、いくつかの部位で異なっている。ラットHGFのアミノ酸配列とhHGFのア ミノ酸配列との比較により、その2つの配列は、高度に維持されており、特徴的 な同じ構造上の特色を有していることが明らかにされた。ラットHGFにおける 4つのクリングルドメインの長さは、hHGFにおけるクリングルドメインと正 確に同じである。さらに、システイン残基が正確に同じ位置に局在しており、こ れは3次元構造が類似していることを示すものである(上記のオカジマら、上記 のタシロら)。 天然に生じるhHGF変異体は、成熟hHGFのN−末端フィンガー及び最初 の2つのクリングルドメインをコードしている暗号配列を含んでいるhHGF転 写物の別の切除された形態に相当するものであることが、最近同定された(Ch anら、サイエンス 254、1382−1385、1991年、ミヤザワら、Eur.J.Biochem.197 、15−22、1991年)。HGF/N K2と名付けられたこの変異体は、成熟hHGFの競合的アンタゴニストである と提案されている。 HGF受容体は、c−Metがん原遺伝子(Bottaroら、サイエンス 251 、802−804、1991年、ナカムラら、Oncogene(がん遺 伝子)、501−504、1991年)の産物、すなわち、190kDa ヘ テロ二量体(ジスルフィド結合した50−kDaのa−鎖及び145−kDaの β−鎖)の膜−スパンニング(spanning)チロシン キナーゼ プロテ イン(Parkら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84、6 379−6383、1987年)と同定された。c−Metタンパク質は、HG F結合によって145−kDaのβ−サブユニットのチロシン残基がリン酸化さ れる。 肝炎患者の血漿(上記のGohdaら)及び実験的に肝臓障害を誘導した動物 の血漿(Lindroosら、Hepatol.13、734−750、199 1年)又は血清(Asamiら、J.Biochem.109、8−13、19 91年)においては、HGFレベルが増加する。この反応の動力学は迅速であり 、肝臓再生の間中、DNA合成の最初のラウンドに先行し、このことはHGFが このプロセスの開始において重要な役割を果していることを示唆している。HG Fは、元来、肝臓に特異的な有糸分裂促進物であると考えられていたが、ごく最 近、メラニン細胞、尿細管細胞、ケラチン細胞、ある種の内皮細胞及び上皮起源 の細胞を含む種々のタイプの細胞に対する有糸分裂促進物であることが明らかに された(マツモトら、Biochem.Biophys.Res.Commum .176 、45−51、1991年、イガワら、Biochem.Biophy s.Res.Comm.174 、831−838、1991年、Hanら、Bi ochem. 30 、9768−9780、1991年、Rubinら、Pro c.Natl.Acad.Sci.USA,88 、415−419、1991年 )。興味深いことには、HGFは、「散乱(scatter)因子」、すなわち インビトロ系において、上皮及び血管内皮細胞の分離を増進する活性としても作 用し得る(Stokerら、ネーチャー 327、239−242、1987年 、Weidnerら、J.Cell Biol. 111、2097−2108 、1990年、Naldiniら、EMBO J. 10、2867−2878 、1991年)。さらに、HGFは上皮のモルフォゲン(形態形成物質)として 最近、記載された(Montesanoら、Cell(細胞)67、901−9 08、 1991年)。従って、HGFは、腫瘍の侵略及び胚の発生において重要である と推定された。慢性のc−Met/HGF受容体活性化が、ある種の悪性腫瘍に おいて観察された(Cooperら、EMBO J. 5、2623、1986 年、Giordanoら、ネーチャー 339、155、1989年)。 アクチビンは、インヒビンβサブユニットのホモ二量体又はヘテロ二量体から なり、それはβA又はβBサブユニットであるかもしれない(Valeら、Rec ent Prog. Horm. Res.,44 、1−34、1988年)。 ヒト、豚、牛及びラットのアクチビンの間においては、βサブユニットの95− 100%のアミノ酸が保存されている。βA及びβBサブユニットは、特定の種の 内では、約64−70%の相同性を有する。 アクチビンβA及びβBホモ二量体(各々、「アクチビンA」及び「アクチビン B」)は、ろ泡流体において同定され、両者の分子は、クローンされ、それらの 遺伝子は発現された(Masonら、Biochem.Biophys.Res .Commum.135 、957、1986年、1987年5月20日に公開さ れたEP公開第222,491号、Masonら、Molecular End ocrinol、1352−1358,1989年、Schwallら、 . Endocrinol. 2、1237−1242,1988年、ナカ ムラら、J.Biol.Chem.、267、16385−16389、199 2年)。βBサブユニットの完全な配列は、セロノ(Serono)シンポジウ ム刊行物中、「インヒビン−ろ胞刺激ホルモン分泌の非−ステロイド調節」とい う標題にて、H.G.Burgerら編、A.J.Masonらによる構成、第 42巻、77−88頁(Ravan印刷、1987年)において、「ヒト イン ヒビン及びアクチビン:構造及び哺乳動物細胞における組換えの発現」という標 題にて、公開されている。組換え分子は、皮下注射にて投与された場合、ラット におけるFSHの血清レベルを上昇することが示された。Schwallら、 ndocrinol.,125 、1420−1423、1989年、Rivie r及びVale、Endocrinol.,129、2463−2465、19 91年。 アクチビンは最初は、ラット下垂体前葉細胞によるろ胞刺激ホルモン(FSH )の分泌調節に関係する、天然の性腺ペプチドとしてろ胞流体中に見い出された 。Valeら、ネーチャー 321、776−779、1986年。Lingら 、ネーチャー 321、779−782、1986年。DePaoloら、Pr oc.Soc.Exp.Biol.Med.,198 、500−512、199 1年。Ying、Endocrine Rev.,9、267−293、198 8年。 アクチビンのその後の研究は、ろ胞顆粒膜細胞の分化に対する作用(スギノら 、Biochem.Biophys.Res.Commum.153、281− 288、1988年)、精原細胞の増殖(Matherら、Endocrino l.,127 、3206−3214、1990年)、赤血球の分化(1987年 2月4日に公開されたEP公開第210,461号、Etoら、Biochem .Biophys.Res.Commum. 142 、1095−1103、1 987年、ムラタら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85、 2434−2438、1988年、Yuら、ネーチャー 330、765−76 7、1987年)、膵臓小島によるインスリン分泌の促進(Totsukaら、Biochem.Biophys.Res.Commum.156 、335−3 39、1988年)、繊維芽細胞増殖の促進(Hedgerら、Mol.Cel l Endocrinol.,61 、133−138、1989年)、肝細胞に よるグルコース生産の促進(Mineら、Endocrinology、125 、586−591、1989年)、EFGでも見られた効果である、ラット実質 肝細胞におけるイノシトールホスファターゼの用量依存性増加の誘導、(Min eら、Biochem.Biophys.Res.Comm.186、205− 210、1992年)、ソマトトロピン機能の調節(Billestrupら、Mol.Endocrinol.,4 、356−362、1990年)、神経細 胞分化の調節(Schubertら、ネーチャー、344、868−870、1 990年、ハシモトら、Biochem.Biophys.Res.Comm. 173 、193−200、1990年及び中胚葉誘導(Smithら、ネーチャ ー、345 、 729−731、1990年、Mitraniら、細胞、63、495−501 、1990年)に対する効果を含む、その他の活性が明らかにされた。 慢性腎炎の血清は、正常な血清と同量のアクチビンを含んでいるが、正常な血 清と腎炎患者の血清とは、アクチビンの特異的阻害物の含量が異なることが発見 され、アクチビンは、その様な患者の貧血症治療に有効であり得ることが示唆さ れた。シオザキら、Biochem.Biophys.Res.Commun. 183 、273−279、1992年。インビトロ系においては、これらの活性 が証明されたが、インビボ系におけるアクチビンの役割はほとんど理解されてい ない。 インヒビン及びアクチビンは、成長及び分化因子群の一因子である。この群の 始原型(プロトタイプ)は、TGF−βであり(Derynckら、ネーチャー 、316 、701−705、1985年)、これは1つの情報によれば、FSH −放出活性をも有しているということである(Yingら、Biochem.B iophys.Res.Commun.135 、950−956、1986年) 。TGF−β群の他の因子には、ミューラー管抑制物質、ハエのデカペンタプレ ジック(decapentaplegic)遺伝子複合体(コンプレックス)及 びアフリカツメガエルVg−1 mRNAの生産物が含まれる。 TGF−β1は、肝臓成長のネガティブ調節因子であるらしく、TGF−β分 子は、胚(Silberstein及びDaniel、サイエンス、237、2 91−293、1987年)又は成人(上記のKyprianou及びIsaa ca)における他の上皮組織の退化及びある種の癌の退化に関係している。Ky prianouら、キャンサー リサーチ、51、162−166、1991年 。最近、培養子宮上皮細胞において、細胞増殖及び細胞消滅が、TGF−β1に よって調和的に調節されていることが報告された。Rotelloら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA,88 、3412−3415、1991 年。細胞消滅は、生理学的な細胞の死であり、核は凝縮し、細胞質は破片になる 。 インビボ系における研究により、正常な及び新生物発生前の肝臓における消滅 肝細胞はTGF−β1についての免疫染色を示すことがわかった。Oberha mmerら、Naunyn−Schmiedeberg’s Arch.Pha rmacol.Suppl.,343 、R24、1991年。Oberhamm erら、キャンサー リサーチ、51、2478−2485、1991年も参照 せよ。インビトロ系においてTGF−β1によって誘導される肝細胞の死は、実 際に細胞消滅(アポプトシス)であることの証拠が現在発見されている。Obe rhammerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89、5 408−5412、1992年。 フォリスタチン(follistatin)又はFSH−抑制タンパク質(F SP)と名付けられた性腺タンパク質因子の新しいクラスは、精製ブタ及び牛卵 巣のインヒビン及びアクチビン由来のサイドフラクションから単離された。Yi ng、Endoc.Rev.、9 、267−293(1988)。Hodgen ら編、非ステロイド性腺因子:生理学的役割及び避妊薬開発における可能性、J ones Institute発行、バージニア、1988年、33−46頁に おけるLingら、「ろ胞刺激ホルモンの分泌を調節する性腺ポリペプチド類の 単離及び特徴づけ」。フォリスタチンは最初、下垂体からのFSH分泌を抑制す る能力によって特徴づけられた。フォリスタチンの作用はインヒビンの作用と類 似しているように思われるが、構造上はその2つのタンパク質は全く異なってい る。ウエノら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84、828 2−8286、1987年。Robertsonら、Biochem.Biop hys.Res.Commun.149 、744−749、1987年。 フォリスタチンは31から39kDaの範囲の分子量を有する形態において存 在するグリコシル化された1本鎖タンパク質である。これらの形態の全ては同様 のアミノ酸組成及び同一のアミノ末端アミノ酸配列を有している。フォリスタチ ンの遺伝子を用いたcDNAの分子クローニングにより、より小さい分子量の形 態とより大きい形態の2つの形態が明らかにされ、それらは異なったスプライシ ングにより生成されることがわかった。小さい方の形態は大きい方の前駆体のカ ルボキシ末端が切除されたものである。 ラット組織におけるフォリスタチン遺伝子の発現の最近の研究は、フォリスタ チンmRNAが性腺のみならず、腎臓、脱落性組織、膵臓、大脳皮質、下垂体な どにおいても検出されることを示した。シマサキら、Mol.Endocrin ol.,3 、651−659、1989年。Kaiserら、内分泌学End ocrinology )、126、2768−2770、1990年。Mich elら、Biochem.Biophys.Res.Comm.173、401 −407、1990年。 フォリスタチンは、培養下垂体細胞によるFSH分泌促進(Kogawaら、内分泌学Endocrinology)、128、1434−1440、19 91年)及びアフリカツメガエル卵母細胞における中胚葉組織の誘導の様な種々 のシステムにおいて、アクチビンの副作用を中和することができることが発見さ れた。アサシマら、Arch.Dev.Biol.,200、4−7、1991 年。実際に、中程度から強力な、同質の免疫活性を示す免疫活性フォリスタチン が肝臓細胞を含むラット組織に広く存在することが発見された。Kogawaら 、EndocrinolJapan,38,383−391、1991年。そ の著者は、フォリスタチンは、種々のアクチビンの作用を広範に調節する偏在タ ンパク質であると示唆している。 肝臓障害を阻止するための効果的方法が必要とされている。この必要性は、例 えば、肝毒性化合物、放射線暴露、ウイルス感染、自己免疫病、肝細胞成長阻害 タンパク質、肝毒性タンパク質及びサイトカインが含まれるタンパク質の上昇し たインビボ系レベル、又は遺伝的因子により、慢性のまたは急性の肝臓障害が誘 導されるか、潜在的に誘導され得る患者集団において存在し、その場合には、そ の様な障害の進行を阻止することが望ましい。この必要性は、さらに、薬の過量 投与の場合、感染した血液サンプルに偶然に接触した場合又は激しい化学治療又 は放射線治療を含む臨床のシナリオなどの肝臓障害が展開する危険のある患者集 団において存在する。多くの場合、癌の様な、深刻な、生命が脅かされる状態の 処置は、用いられる化学治療試薬及び/又は放射線治療の肝毒性により、厳しい 制限を受ける。患者が、重篤な肝臓障害の危険性がない、より高投与量の、その 様な化学治療又は放射線治療を、長期間受けることが可能であることが望ましい であろう。肝臓障害を潜在的に誘導する臨床プロトコールに含め得る有効な肝臓 障害予防試薬に関する必要性が存在する。 初期の介入が重要である状況における肝臓障害のさらなる進行の阻止方法を提 供することが特に望ましいであろう。肝臓障害の原因因子の暴露から時間が経過 したために、既知の解毒剤がもはや効果がない場合に、これは特に有益であろう 。 従って、本発明の1つの目的は、特に、肝毒性化合物、放射線又は遺伝的素因 のために肝臓障害を起こす危険がある患者において、肝臓障害を防ぐ方法を提供 することである。他の目的は、すでに起こった肝臓障害の進行を防ぐ方法を提供 することである。 さらなる目的は、肝臓障害の(さらなる)展開を防ぐことによって、潜在的に 肝毒性を有する治療を患者が延長して受け、さらに/又はその様な処置のための 投与量を増加することを可能とすることである。 さらにもう1つの本発明の目的は、肝臓障害を起こす危険がある徴候を示して いる患者において初期の介入方法を提供することである。 他の目的は、本分野で既知の解毒剤がもはや効果がない場合における肝臓障害 の進行を防ぐ方法を提供することである。 これらの、及びさらなる目的は、本分野の当業者には明らかであろう。発明の概要 本発明は、肝毒性化合物投与による予測される肝臓障害及び特に、予期された 肝臓組織の壊死及び予期された血清酵素レベル上昇(両者は肝臓障害を示す)か らの有効な保護をHGFが提供するという実験的発見に基づいている。本発明は 、また、HGFが、細胞にてアクチビン及びTGF−βが誘導する細胞死からの 保護を提供するという実験的発見に基づいている。我々はさらに、HGFはすで に起こった肝臓障害の進行を防御する能力があることを発見した。HGFは肝細 胞の再生に関係するが、肝臓障害の発生又はさらなる進行を防御するというHG Fの能力は全く予期されなかった。 ある側面においては、本発明は、肝臓障害が展開する危険のある患者における 肝臓障害の設立を防御する方法であって、その患者に防御上有効量の肝細胞成長 因子(HGF)を投与することを含む方法に関する。その患者は哺乳動物である ことが好ましく、ヒトであることがさらに好ましい。潜在的又は急性肝臓障害は 、故意又は偶然の肝毒性化合物暴露、放射線暴露、遺伝的素因、肝臓の自己免疫 病及びウイルス感染を含む、外部の又は内部の多数の因子に起因し得る。 本発明はさらに、すでに起こった肝臓障害の進行を防御する方法に関する。 他の側面では、本発明は、肝毒性のある治療薬を治療上有効量含有し、HGF を肝臓障害を防御できる量含有する組成物に関する。 さらに具体的には、本発明は、障害又は病的生理学的状態の防御又は処置に有 効な、肝毒性を有する治療薬を用いて患者を処置するための方法であって、 a)該患者に同時に又は任意の順序で、生物学的有効量の該治療薬及び防御上 有効量のHGFを投与し、 b)該患者について肝臓障害の徴候をモニターし、ついで c)該障害又は病的状態が消失するか又は肝臓障害の徴候があらわれるまで該 処置を続けることからなる方法に関する。 さらに具体的には、本発明は、ウイルス性又は自己免疫性肝炎が起こる危険が あるか又はウイルス性又は自己免疫性肝炎であると診断された患者における肝臓 障害の成立又は進行を防御する方法であって、該患者に肝臓障害を防御できる量 のHGFを投与することを包含する方法に関する。図面の簡単な説明 図1は、BiCNU(登録商標)又は担体のみで処置したラットと比較した、B iCNU(登録商標)及び組換えヒトHGF(rHGF)で処置したラットにお けるアルカリ性ホスファターゼ(ALP)、アルカリ性トランスアミナーゼ(A LT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、γ−グルタミン トランスペプチターゼ(GGT)酵素レベル、総ビリルビン及びアミラーゼを表 している。 図2(A)は、BiCNU(登録商標)で処置したラットにおける、門脈の三つ 組からほとんど中心静脈まで広がる出血を伴う肝細胞の壊死を表している。図2 (B)は、rh−HGFで処置した、BiCNU(登録商標)に暴露した、ラッ トの肝臓において肝細胞壊死が無いことを示している。処置は実施例1に記載の 様に行った。 図3は、Carmichaelらの方法(キャンサー リサーチ、47、936 −942、1987年)によるMTT減少により測定された、アクチビン−A又 はTGF−βにより誘導された肝臓障害に対抗するHGFの保護を表している。発明の詳細な説明 本明細書中、「肝臓障害」という用語は、最も広い意味に用いられ、直接的に 又は間接的に、内因性又は外因性因子又はそれらの組合せの結果として生じる、 あらゆる構造上の又は機能上の肝臓損傷を指している。肝臓障害は、肝毒性化合 物に対する暴露、放射線暴露、機械的肝臓損傷、遺伝的素因、ウイルス感染、自 己免疫慢性肝炎などの自己免疫病及びアクチビン及びTGF−βの様なタンパク 質レベルがインビボ系において上昇する結果が含まれるが、これらに限定されな い多数の因子により誘導され得る。 肝毒性化合物によって誘導される肝臓障害には、薬過敏反応、胆汁分泌停止及 び血管内皮の損傷が含まれる直接的細胞毒性が関係する(Sinclairら、 上記の内科学のテキストブック)。 ある種の治療薬を含む、多数の肝毒性化合物は細胞毒性を誘導する。肝毒性化 合物は、直接的な化学的攻撃によって又は毒性代謝物の生産によって肝臓細胞毒 性を生じ得る。肝毒性の正確なメカニズムは不明であるが、還元代謝の生産物は 細胞のマイクロ分子と結合し、脂質の過酸化及び薬代謝の及び他の酵素の不活性 化を引き起こす高反応性物質である。膜の損傷はミトコンドリア及び平滑小胞体 からのカルシウム遊離を刺激し、通常はカルシウムがサイトソルに蓄積すること を防いでいるカルシウムイオンポンプに干渉するらしい。カルシウム蓄積の結果 を伴う細胞代謝に対する有害作用、細胞質からのカリウム及び酵素の消失及びミ トコンドリア損傷の結果起こる必須エネルギーの消失は全て肝臓組織の壊死に寄 与する。 多数の肝毒性化合物は、意外にも受容者の一部に肝臓障害を生じるだけである 。ある患者においては、肝臓障害は過敏症反応と呼ばれ、薬の反応の過敏症反応 の 様であり、その場合、患者には発熱、発疹及び好酸球増加が生じ、その薬が再投 与されると症状が再び起こる。他の場合には、損傷のメカニズムは不明であり、 肝毒性代謝物の生産又は蓄積を起こす、感受性の強い患者における異常代謝であ るかもしれない。 直接的な化学攻撃により細胞毒性を誘導する薬には以下のものが含まれる。 エンフルラン、フルオロキセン、ハロセイン及びメトキシフルランなどの麻酔 剤。コカイン、ヒドラジド類、メチルフェニデート及び三環性物などの神経向精 神薬。 フェニトイン及びバルプロ酸などの抗痙攣薬。 アセトアミノフェン、クロルゾキサゾン、ダントロレン、ジクロフェナック、 イブプロフェン、インドメタシン、サリチル酸類、トリメチン及びゾキサゾラミ ンなどの鎮痛薬。 アセトヘキサミド、カルブタミド、グリピジド、メタヘキサ ミド、プロピルチオウラシル、タモキシフェン、ジエチルスチルベストロールな どのホルモン類。 アムホテリシンB、クリンダマイシン、ケトコナゾール、メ ベンダゾール、メトロニダゾール、オキサシリン、パラアミノサリチル酸、ペニ シリン、リファンピシン、スルホンアミド類、テトラサイクリン及びジドブジン などの抗菌剤。 アミオダロン、ジリタゼム、a−メチルドパ、メキレチン、ヒドラザリン、ニ コチン酸、パパベリン、ペルヘキシリン、プロカインアミド、キニジン及びトカ インアミドなどの心臓脈管薬。及び、 アスパラギナーゼ、シスプラチン、サイクロフォスファミド、ダカルバジン、 ドキソルビシン、フルオロウラシル、メトトレキセート、マイトマイシン、6− MP、ニトロソウレア、タモキシフェン、チオグアニン及びビンクリスチンなど の免疫抑制剤及び抗新生物薬。及び、 ジスルフィラム、ヨードイオン、オキシフェニサチン、ビタミンA及びパラア ミノ安息香酸などの種々雑多な薬。 肝臓において過敏症反応を生じる肝毒性化合物には、以下のものが含まれる。 フェニトイン、パラアミノサリチル酸、クロロプロマジン、スルホンアミド類、 エリスロマイシン エストレート、イソニアジド、ハロセイン、メチルドパ及び バルプロ酸。 胆汁分泌停止、すなわち胆汁の流れの阻止を誘導する肝毒性化合物はいくつか の形態を取り得る。小葉中心の胆汁分泌停止は、門脈の炎症性変性を伴う。胆管 の変性はエリスロマイシンの様なある薬について報告されており、一方純粋な小 管の胆汁分泌停止は蛋白同化ステロイドの様な他の薬の特徴である。慢性胆汁分 泌停止はメチルテストステロン及びエストラジオールの様な薬と関係づけられた 。 胆汁分泌停止病を誘導する肝毒性化合物には以下のものが含まれる。 避妊用 ステロイド、アンドロゲン様ステロイド、蛋白同化ステロイド、アセチルサリチ ル酸、アザチオプリン、ベンゾジアゼピン、セノデオキシコール酸、クロロジア ゼポキシド、エリスロマイシン エストレート、フルフェナゾン、フロセミド、 グルセオフルビン、ハロペリドール、イミプラミン、6−メルカプトプリン、メ チマゾール、メトトレキセート、メチルドパ、メチレンジアミン、メチルテスト ステロン、ナプロキセン、ニトロフラントイン、ペニシルアミン、ペルフェナジ ン、プロクロロペラジン、プロマジン、チオベンダゾール、チオリダジン、トル ブタミド、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、ひ素、銅及びパラコート 。 ある薬物群は第1に胆汁分泌停止を生じるが、また肝毒性も生じ得るので、そ れらが引き起こす肝臓損傷は混合型である。混合型の肝臓損傷を引き起こす薬に は例えば以下のものが含まれる。 クロロプロマジン、フェニルブタゾン、ハロセイン、クロロジアゼポキシド、 ジアゼパム、アロプリノール、フェノバルビタール、ナプロキセン、プロピルチ オウラシル、クロロアムフェニコール、トリメトプリム−スルファメトキサゾー ル、アムリノン、ジソピラミド、アザチオプリン、シメチジン及びラニチジン。 肝静脈の血栓症、肝小静脈の閉塞又は静脈閉塞病(VOD)及び肝臓紫班病を 含む肝臓の血管障害は薬によって生じ得る。さらに、洞様毛細血管の拡張、洞様 毛細血管周囲の繊維症及び肝門脈硬化症を含む障害が起こり得る。中帯状及び中 心周囲の洞様毛細血管の拡張は最初、経口的避妊治療の合併症として報告された 。紫班性肝炎は、内膜バリヤーを通過して赤血球が漏れる結果生じる、血液で満 た された大きな洞からなる状態であり、洞様毛細血管周囲の繊維症がその後に続く 。それは経口避妊薬、蛋白同化ステロイド、アザチオプリン及びダナゾールを服 用した患者について記載された。中心肝臓静脈の損傷及び閉塞もまたブッシュ( bush)茶などのピロロリジジンアルカロイド類の摂取に関係していることが 知られている。最初の障害は小静脈口径における進行性の病気を伴う中心の壊死 である。これらの全障害は薬を中止した場合に部分的にのみ回復でき、肝硬変が 発生し得る。 いくつかの型の良性及び悪性肝臓新生物は、肝毒性化合物の投与の結果として 生じ得る。腺腫は、子供を生む年令の女性に限定された障害であるが、避妊用ス テロイドの使用に関係し、使用期間とともにその危険が増加する。肝細胞のカル シノーマもまた、再生不能性貧血又は下垂体機能低下症のためにアンドロゲン様 ホルモンを服用している患者に観察され得る。 肝臓障害を引き起こすことが知られている肝毒性化合物には以下のものが含ま れる。 避妊用ステロイド、ピロロリジジンアルカロイド、ウレタン、アザチオプリン 、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、マイトマイシン、BCNU、ビン クリスチン、アドリアマイシン、静脈内ビタミンE、蛋白同化−アンドロゲン様 ステロイド、アザチオプリン、メドロキシプロゲステロンアセテート、エストロ ンスルフェート、タモキシフェン、非有機性ひ素、トリウム ジオキシド、ビタ ミンA、メトトレキセート、メチルアンフェタミン塩酸塩、ビタミンA、コルチ コステロイド、トリウム ジオキシド及びラジウム治療。 他の因子により生じる肝臓障害は通常同様の形態を採る。 化合物、放射線治療、遺伝的素因、機械的損傷又はそれらとその他の因子との あらゆる組合せの肝臓毒性により生じる肝臓障害はいくつかの手段で検出できる 。臨床上、肝毒性の標準測定法として生化学的試験が長年使用されてきた。大部 分の生化学試験は一般的に2つのカデゴリーに分けられる。例えばプロトロンビ ン凝固時間及び/又は肝臓血流などの特異的肝臓マーカーを測定する試験又は壊 死、胆汁分泌停止、進行性繊維成長又は肝癌の検出のための血清マーカーを分析 する試験(肝毒性、Meeksら編、181−185,1991年中のCorn elius,C.)。その様な試験の重要性は、それらの簡便性及びそれらが非 −侵略的である事実に存在する。肝臓障害の調査において血清酵素を使用する根 拠は、これらの酵素が、肝細胞内に含まれるのが正常であり、肝臓細胞が損傷さ れた場合に全身の循環へと侵入することである。血清の酵素活性の上昇は壊死及 び/又は胆汁分泌停止を示唆する。血清のビリルビン結合物のレベルの上昇は肝 臓内又は肝臓外胆汁分泌停止を示唆する。しかし、血清の酵素レベルを単独の肝 臓損傷の診断方法として使用することにはある種の限界が存在する。化学的に引 き起こされた特異的な肝臓損傷よりもむしろ物質の全身的作用に由来して変化し た透過性を有する細胞からの漏れの結果として、血清の酵素レベルが増加し得る 。肝臓の組織学的試験は肝臓損傷の性質及び程度を同定し、定量する次の論理的 段階である。 肝臓損傷のマーカーとしての血清の酵素は肝臓障害に対する特異性及び感受性 に基づき4つの群に分けることができる(上記の肝毒性学において、Kodav antiら、241−244頁)。 第1群:これらの酵素が上昇した場合には、より選択的に肝臓の胆汁分泌停止 を示す。例えば、アルカリ性ホスファターゼ(AP)、5’−ヌクレオチダーゼ (5’−ND)及びa−グルタミル トランスペプチダーゼ(G−GT)及びレ ウシン アミノペプチダーゼ(LAP)。 第2群:これらの酵素が上昇した場合には、実質組織の損傷を示す。例えば、 アスパルテート トランスアミナーゼ(AST)、アラニン トランスアミナー ゼ(ALT)、フラクトース−1,6−ジホスフェート アルドラーゼ(ALD ) 、ラクテート デヒドロゲナーゼ(LDH)、イソシトレート デヒドロゲナー ゼ(ICDH)、オルニチン−カルバモイル−トランスフェラーゼ(OCT)及 びソルビトール デヒドロゲナーゼ(SDH)アルギナーゼ及びグアナーゼ。 第3群:これらの酵素が上昇した場合には、他の組織の損傷を表す。例えば、 クレアチン ホスホキナーゼ(CPK)。 第4群:これらの酵素は肝臓損傷を低下させる。例えば、コリンエステラーゼ (ChE)。 他の血清のマーカーには以下のものが含まれる。肝臓の繊維成長が活性である かどうかを調べるためのプロコラーゲン タイプ IIIペプチドのレベル(P IIIP)。肝臓脳障害におけるアンモニア血液レベル。壊死及び肝癌における リガンドのレベル。肝臓の内膜細胞障害に由来するヒアルロネートのレベル。肝 癌を検出するためのa−1−フェトプロテイン(AFP)レベル、肝臓への癌の 転移を検出するための癌胎児性抗原(CEA)レベル。ミトコンドリア、核など の種々の細胞成分及び特異的肝臓膜タンパク質に対する抗体の上昇。及びアルブ ミン、グロビン、アミノ酸、コレステロールなどのタンパク質及び他の脂質の検 出。肝臓の生検から得られた種々のミネラル、代謝物及び酵素の生化学的分析も また、遺伝的な、獲得された及び実験的に誘導した肝臓の異常における特異的生 化学的欠陥を研究するために役立ち得る。 肝臓機能試験は肝臓損傷を調べるために行われ得る。肝臓機能試験には以下の ものが含まれる。 第1群:ビリルビン、インドシアニングリーン(ICG)、スルホブロモフタ レイン(BSP)及び胆汁酸などの有機アニオンの肝クリアランスの調査。 第2群:ガラクトース及びICGクリアランスの測定による肝血流の調査、及 び、 第3群:アミノピリン ブレス(breath)試験及びカフェイン クリア ランス試験を用いる肝臓ミクロゾームの機能の調査。 例えば、血清ビリルビンを測定して、黄疸の存在及び重篤さを確認でき、実質 組織の肝臓病において見られる様な高ビリルビン血症の程度を検出できる。アミ ノトランスフェラーゼ(トランスアミナーゼ)上昇は活性肝細胞障害の重篤さを 反映し、一方、アルカリ性ホスファターゼ上昇は胆汁分泌停止及び肝臓浸潤とと もに発見される(Hartisonの内科学の原理、第12版、Wilsonら 編、、1301−1308、1991年におけるIsselbacher,K .及びPodolsky,D.)。 血清の酵素分析を実施する方法は本分野において既知であり、例えば、上記の Kodavantiらに記載されている。 広範囲の肝臓損傷により、アルブミン、プロトロンビン、フィブリノーゲン及 び肝細胞によって排他的に合成された他のタンパク質の血中レベルが下がるので 、これらのタンパク質レベルを肝臓損傷の指標として測定できる。血清酵素の測 定とは異なり、血清のタンパク質レベルは単なる細胞損傷よりもむしろ、肝臓の 合成機能を反映する(Podolsky,D.Principles of I nternal Medicine (内科学の原理)、第12版、Wilson ら編、、1308−1311、1991年)。 多くの患者においては、肝臓病の性質を同定するために、コンピュータを使う 技術(CT)、超音波、シンチスキャン又は肝臓生検が必要であろう(上記のI sselbacher,K.及びHarrisonの内科学の原理、第12版、 Wilsonら編、、1303−1307、1991年、中のFriedma n,L.及びNeedleman.L.)。 本発明の文脈において使用される場合、「防御」という用語は、予期された肝 臓障害の発生の完全な又は部分的な遮断及び既に発生した肝臓障害の進行の妨害 又は緩和を含む。存在している肝臓障害が完全に又は部分的に逆転するかもしれ ないことが予想されるが、このことはこの定義における要件ではない。 「防御上有効量」という用語は、本明細書中、上記に定義した様な防御を達成 するために有効な量を表すために用いられる。 「肝臓障害を起こす危険のある」患者には、肝臓障害を誘導する潜在性を有す ることが知られているあらゆる因子に暴露されることが予想される又は暴露され た患者が含まれる。これには、通常、安全であると考えられる投与量における又 は通常、安全ではないと考えられる投与量における肝毒性化合物の(治療の一部 としての又は偶然の暴露による)暴露、放射線照射又は病気の処置に有効なある 臨床治療であって、その臨床治療は肝臓障害を誘導することが知られているあら ゆる治療を受けることが含まれる。この定義はさらに、鈍い外傷、銃弾傷又は手 術を含む物理的外傷による、実際に又は潜在的に維持された肝臓損傷を含む。肝 臓障害を起こす危険のある患者には、生まれ付きの代謝異常を有する患者及び遺 伝的に肝臓障害が誘導され易い患者、又は遺伝的因子、年令、性、栄養状態、他 の薬の投与及び全身性の病気を含む他の危険因子に起因する肝臓障害を受け易い 哺乳動物の患者が含まれる。肝臓障害を起こす危険のある患者には、また、肝炎 A、B、C、D又はE又は自己免疫慢性肝炎などのウイルスに感染することが予 期された又は感染した患者が含まれる。 本明細書中にて、使用されている場合、「放射線」は、X線の照射又は肝毒性 の副作用を有することが知られている、あらゆる他の光線の照射を表し、放射線 治療の及び偶然の照射を含む。 本発明の文脈において使用される場合、「肝細胞成長因子」又は「HGF」と いう用語は、天然の肝細胞成長因子を表すために使用され、又は本明細書中にて 上記した様な標準試験において測定される様な、肝臓障害の成立又は進行を防御 する能力のある、天然の肝細胞成長因子の、あらゆるフラグメント又は誘導体を 表すために使用される。この用語は具体的には、ヒトの及びラットHGFなどの ヒト以外のもの、成熟型、プレ、プレ−プロ又はプロ型のもの、天然源から精製 された、化学的に合成された又は組換えにより生成されたもの及びそれらの誘導 体を含む。 「ヒトの肝細胞成長因子」又は「hHGF」という用語は、上記のミヤザワら 又は上記のナカムラら、ネーチャーにより公開されたcDNA配列によりコード されたポリペプチドを表し、それの1本鎖及び2本鎖、成熟型、プレ、プレ−プ ロ又はプロ型、天然源から精製された、化学的に合成された又は組換えにより生 成されたもの及びそれらの、あらゆるフラグメント又は誘導体を含み、上記した 標準試験のいずれかによって測定される様に、肝臓障害の成立又は進行を防御す る定性的能力を保持している。 「天然の」「野生型」hHGFのcDNAは、728アミノ酸ポリペプチド( プレープロhHGF)をコードし、分子量(M)が約82,000であり、44 0アミノ酸の大きいα−サブユニット(M 69,000)及び234アミノ酸 の小さいβ−サブユニット(M 34,000)から構成されたヘテロ2重鎖構 造を有する。hHGFのcDNAのヌクレオチド配列は、α−及びβ−鎖の両方 が、プレ−プロ前駆体タンパク質をコードしている単一のオープン リーディン グフレーム内に含まれることを明らかにしている。成熟hHGFの予想される一 次構造においては、a−鎖のCys487及びβ−鎖のCys604の間に鎖間 S−S結合が形成される(上記のナカムラら、ネーチャーを参照せよ)。α−鎖 のN−末端はメチオニンのグループから始まる54のアミノ酸が先行する。この セグメントはシグナル配列及びプロ配列を含む。α−鎖はアミノ酸(aa)55 から始まり、4つのクリングル ドメインを含んでいる。クリングル1ドメイン は約aa128から約aa206まで広がり、クリングル2ドメインは約aa2 11及び約aa288の間であり、クリングル3ドメインは約aa303から約 aa383まで広がっていると定義され、クリングル4ドメインは、a−鎖の約 aa391から約aa464まで広がっている。種々のクリングルドメインの定 義は、他のタンパク質(プロトロンビン、プラスミノーゲン)のクリングル様ド メインとそれらの相同性に基づくことが理解されるであろうし、従って上記の限 定は単なる近似である。HGF β−鎖はセリン−プロテアーゼ様ドメインを含 んでいる。hHGFは4つの推定されているグリコシル化部位を含み、それらは 、a−鎖の294位及び402位及びβ−鎖の566位及び653位に存在する 。ミヤザワら及びナカムラらによって報告された天然のhHGFの配列は14個 のアミノ酸において異なる。この相違の理由は完全に明白であるというわけでは ない。その可能性の内には多形性又はクローニング人工産物が含まれる。両者の 配列は本発明の目的のために定義した「天然のhHGF」という用語に具体的に 包含される。その用語は、具体的には、天然のヒトのhHGFの最初のクリング ルドメインにおいて5個のアミノ酸が欠失されている変異体であり、上記のSe k iらによって最初に定義され、記載された「delta5hHGF」を含む。 「誘導体」という用語は、天然の肝細胞成長因子のアミノ酸配列変異体及びグ リコシル化変異体及び共有修飾物を定義するために用いられる。 HGFの1本鎖変異体は、1993年5月17日に出願されたPCT出願番号 PCT/US93/04648に記載されている。この1本鎖変異体は、インビ ボ系における1本鎖HGFプロ酵素をそれの2本鎖型へと変換する能力を有する 酵素によるタンパク質の加水分解による分裂に対して耐性である。変異がない場 合には、このタンパク質加水分解による分裂は、野生型hHGF配列のArg4 94及びVal 495の間で起こる。この1本鎖hHGF変異体は、野生型h HGFアミノ酸配列の493、494、495又は496位のアミノ酸において 又はそれに隣接して、変異を有するのが好ましい。好ましいグループにおいては 、より小さい、非極性の又は酸性のアミノ酸が、494位のアルギニンと置換さ れて1本鎖hHGF変異体を生成する。1本鎖hHGF変異体の典型的代表は、 例えばR494A、R494D及びR494E hHGFである。 HGFのプロテアーゼ ドメイン変異体は、1993年5月17日に出願され たPCT出願番号PCT/US93/04648に記載されている。望ましいH GFアミノ酸変異体は、対応する野生型HGFと比較して、受容体結合親和性が 維持されているか増強されているものである。さらに、対応する野生型HGFと 比較して、実質上維持された又は増強された生物学的活性を示す変異体(HGF アゴニスト)が特に好ましい。プロテアーゼ ドメイン変異体は例えば、セリン プロテアーゼの触媒部位に対応する領域において変異を有している。hHGF変 異体においては、野生型hHGFの534、673及び692位のいずれかにお いて又はそれに隣接して、変異が存在するのが好ましい。典型的なhHGFのプ ロテアーゼ−ドメイン変異体にはQ534H;Y673S;V692S;Q53 4H;Y673S;Y673S;V692S;Q534H;Y673S;V69 2S hHGFが含まれるがこれらに限定されない。 前記特許出願はまた、HGFのC−末端の先端切除及びクリングル ドメイン 欠失変異体を開示している。この様な欠失はお互いに、さらに/又はプロテアー ゼ ドメイン内の変異と、天然のHGF分子のタンパク質加水分解の開裂部位に おける又はその周囲における変異とを合体させ得る。 HGFの共有変異体には翻訳後修飾物及び有機変異試薬を用いる反応により得 られた変異体が含まれるがこれらに限定されない。 他の変異体には、非タンパク性のポリマーに共有結合した変異体がある。この 非タンパク性ポリマーは通常は、親水性の合成ポリマーであって、すなわち、天 然においては、存在しないポリマーである。しかし、天然に存在し、組換え又は インビトロ法により生成されたポリマーは、天然から単離されたポリマーである けれども有用である。親水性ポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコール 及びポリビニルピロロリドンは本発明の範囲内である。ポリエチレングリコール 、ポリプロピレングリコールなどのポリビニルアルキレンエーテル類が特に有用 である。 HGFは、US特許番号第4,640,835;4,496,689;4,3 01,144;4,670,417;4,791,192又は4,179,33 7に記載の方法により、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又 はポリオキシアルキレン類などの種々の非タンパク性ポリマーと結合させ得る。 HGFを、例えばコアセルベーション技術又は界面重合によって調製されたマ イクロカプセル内に、コロイド状の薬のデリバリーシステム内に(例えば、リポ ソーム、アルブミン マイクロスフェアー、マイクロエマルジョン、ナノ−粒子 及びナノカプセル)又はマイクロエマルジョン内に、包み込み得る。この様な技 術はRemington’s Parmaceutical Sciences (Remingtonの医薬科学)、第16版、Osol,A.編、1980年 に開示されている。 HGF配列は免疫グロブリン定常領域配列と結合させ得る。その結果得られる 分子はHGF免疫グロブリンキメラ又は免疫付着物と通常呼ばれる。この様なキ メラは基本的にはWO91/08298(1991年6月13日公開)に記載さ れた様にして構築することができる。 本明細書中、免疫付着物は、細胞表面受容体、細胞付着分子又はリガンド(「 付 着物」)などのタンパク質の結合特異性と、免疫グロブリン定常領域のエフェク ター機能とが合体する抗体様分子である。構造上は、免疫付着物は、抗体の抗原 認識及び抗体の結合部位(抗原結合部位)以外の(すなわち「ヘテロローガス」 である)望ましい結合特異性を有するアミノ酸配列及び免疫グロブリン定常領域 配列の融合物を含む。免疫付着物分子の付着部分は、受容体(細胞付着分子を含 む)又はリガンドの結合ドメインを少なくとも含む隣接するアミノ酸配列である のが典型的である。 免疫付着物はヒト抗体の価値ある化学的及び生物学的特性の多くを所有し得る 。免疫付着物は、適切なヒトの免疫グロブリンのヒンジ及び定常領域(Fc)配 列と結合した、望ましい特異性を有するヒトのタンパク質配列から構成され得る ので、該結合特異性を、完全にヒトの成分を用いて達成することができる。その 様な免疫付着物は患者に対して最小限に免疫原性であり、慢性的に又は繰り返し 使用しても安全である。 HGF免疫グロブリンキメラにおいては、通常、HGF配列は、可変領域(群 )の代わりに免疫グロブリンの定常領域のN−末端に、C−末端的において融合 しているが、HGF配列のN−末端融合物もまた望ましい。HGF免疫グロブリ ンキメラ又は免疫付着物における免疫グロブリン定常領域は、IgG−1、Ig G−2、IgG−3又はIgG−4サブタイプ、IgA、IgE、IgD又はI gMなどのいかなる免疫グロブリンからも得ることができる。 その様な融合物は、少なくとも機能上活性なヒンジ、免疫グロブリン重鎖の定 常領域のCH2及びCH3領域を維持しているのが典型的である。融合は、また 、定常領域のFc部位のC−末端に対して形成されるか、重鎖のCH1又は軽鎖 の対応する領域に対してN−末端に隣接して形成される。これは通常、適切なD NA配列を構築し、それを組換え細胞培養において発現することによりなし遂げ られる。しかし別法では、HGF免疫グロブリンキメラ又は免疫付着物は既知の 方法により合成され得る。 融合が形成される正確な部位は重要ではない。特定の部位が良く知られており 、HGF又は免疫付着物の生物学的活性、分泌又は結合特性を最適にするために 選 択できる。 好ましい具体例においては、HGF受容体の結合部位(群)を含む配列のC− 末端は、免疫グロブリン、例えば免疫グロブリンG1のエフェクター機能を含ん でいる抗体(詳細にはFcドメイン)のC−末端の部分のN−末端と融合してい る。重鎖の定常領域全体を受容体結合部分(群)を含む配列と融合することが可 能である。しかし、パパイン開裂部位のすぐ上流のヒンジ領域から始まる配列[ 化学的にはIgG Fcを定義する。216残基、重鎖定常領域の最初の残基を 114として(上記のKobetら)又は他の免疫グロブリンの類似部位]がそ の融合において使用されるのがより好ましい。特に好ましい具体例においては、 受容体結合部位(群)を含むアミノ酸配列を、IgG1、IgG2又はIgG3重 鎖のヒンジ領域及びCH2及びCH3と、又はIgG1、IgG2又はIgG3重 鎖のCH1、ヒンジ及びCH2及びCH3領域と融合する。融合が形成される正 確な部位は重要ではなく、実験を繰り返すことにより最適な部位を決定し得る。 文献において報告された免疫付着物にはT細胞受容体の融合物が含まれている (Gascoigneら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 、2936−2940、1987年)。CD4*(Caponら、ネーチャー337、525−531、1989年。Trauneckerら、ネーチャー 、339 、68−70、1989年。Zettmeisslら、DNA Cel l Biol.USA 、347−353、1990年。Byrnら、ネーチ ャー 344 、667−670、1990年。L−セレクチン(ホーミング受容 体)、(Watosonら、J.Cell.Biol. 110、2221−2 229、1990年。Watsonら、ネーチャー 349、164−167、 1991年)。CD44*(Aruffoら、細胞 61、1303−1313 、1990年)。CD28*及びB7*(Linsleyら、J.Exp.Med .173 、721−730、1991年)。CTLA−4*(Lisleyら、J.Exp.Med.174 、561−569、1991年)。CD22*(S tamenkovicら、細胞66、1133−1144、1991年)。T NF受容体(Ashkenaziら、Proc.Natl.Acad.Sci. US A 88 、10535−10539、1991年。Lesslauerら、Eu r.J.Immunol.27 、2883−2886、1991年。Peppe Iら、J.Exp.Med.174、1483−1489、1991年)。NP 受容体(Bennettら、J.Biol.Chem. 266、23060− 23067、1991年)及びIgE受容体α鎖*(Ridgway及びGor man、J.Cell.Biol.115、要約、1448、1991年)、こ こにおいて、星印(*)は、その受容体が免疫グロブリンのスーパーファミリー の一員であることを示している。 HGF生物学的活性を示すいかなるHGF分子も本発明の目的に適していると 信じられる。従って、HGF生物学的活性の試験は、肝臓障害防御物としてのH GF誘導体の有効性の指標となり得る。 「生物学的活性」、「生物学的に活性な」、「活性」及び「活性な」という用 語は、野生型のヒトHGFによって示される分裂促進の、モトゲニック(mot ogenic)の又は形態形成の活性を表す。例えば、HGF生物学的活性はイ ンビイトロ系又はインビボ系における肝細胞成長のプロモーションをアッセイす ることにより測定できる。初代培養における成獣ラット肝細胞は、肝細胞の増殖 を調節する因子を探すために広く使用されてきた。従って、HGF変異体の分裂 促進作用は、HGF分子が、初代培養におけるラット肝細胞のDNA合成を誘導 する能力を試験するために適したアッセイにおいて、都合良く測定され得る。初 代培養における成獣ラット肝細胞は、肝細胞増殖を調節する因子を探すために広 く使用されてきたので、本分野においては、ラット肝細胞の単離及び培養は良く 知られている。ヒト肝細胞は、例えば、移植を受け入れ得ないと考えられた器官 における肝臓全体の還流、子供における移植のために使用された大人の肝臓の切 り落とし、致死の肝臓及び他の徴候のための手術において除去された肝臓の残余 から得ることができる。ヒトの肝細胞は、正常なラット肝細胞の初代培養を調製 するために創作された方法と同様に培養できる。 例えば、肝細胞のDNA合成は、複製合成のための適切なヒドロキシ尿素コン トロールと共にDNAに[3H]チミジンを挿入する方法によりアッセイできる 。 核のラベリングはオートラジオグラフィーにより確認される。アフィジコリンを 用いた又は用いない、肝細胞の初代培養における肝細胞のDNA合成の測定方法 は、Biochem.Biophys.Res.Comm.122(3)、14 0−1459、1984年及びJ.Biochem.94、1029−1035 、1983年におけるナカムラらにより記載されている。 肝細胞の成長に対するHGFの作用は、部分的肝切除後のラットにおいて又は カーボン テトラクロリドによって引き起こされた肝臓損傷、D−ガラクトサミ ン誘導急性肝炎モデルなどの様な、肝臓の機能不全及び再生の動物モデルにて、 インビボ系においても試験され得る。適切なプロトコールによると、肝臓毒、例 えばα−ナフチリソチオシアネート(ANIT)を、肝臓の酵素及びビリルビン のレベルの再現可能な、有意義な上昇を引き起こし得る予定濃度、ラットに投与 する。その後、ラットを試験のためにHGFで処置し、殺傷し、肝臓酵素及びビ リルビンのレベルを測定する。肝臓はさらに肝臓の障害を観察する。 肝臓障害に対するHGFの能力は、1988年3月22日に発行されたU.S .5,087,571に記載された様な、トランスジェニック動物におけるイン ビボ系にて最良に試験し得る。適切なプロトコールによると、肝臓病又は肝臓障 害を有するトランスジェニック動物を、試験のためにHGFで処置するか又はH GFと病気の処置に有用な治療薬とを共に投与し、殺傷し、肝臓酵素及びビリル ビンのレベルを測定する。肝臓はさらに肝臓の障害を観察する。 本明細書中、「アクチビン アンタゴニスト」とは、肝細胞の死を引き起こす アクチビンの活性を阻止できる、あらゆる分子を表している。本明細書中にて使 用される場合、「アクチビン」とは、インヒビンのβ鎖のホモ又はヘテロ2重鎖 、プレプロ型及びプロ型及びそれらのグリコシル化変異体を表し、天然型又は合 成の又は組換え型のいずれをも表している。アクチビンAは、2つのβA鎖を有 するアクチビンを表している。アクチビンABは、βA及びβB鎖を有するアクチ ビンを表している。アクチビンBは、2つのβB鎖を有するアクチビンを表して いる。 アクチビン アンタゴニストは、アクチビンの活性部位に結合する蛋白質であ るのが典型的であり、例えば、EschらのMol.Endocrinol. 、849−855、1987年に記載された様なフォリスタチンが含まれる[ Shimasakiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85 、4218−4222、1988年。Shimasakiら、Biochem. Biophys.Res.Comm.152 、717−723、1988年。S himasakiら、Mol.Endocrinol.3、651−659、1 989年。ウエノら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84、 8282、1987年。ナカムラら、サイエンス247、836、1990年 。Simonakaら、Endocrinology 128,3313、19 91年]。 さらに、そのアンタゴニストは、アクチビン アンタゴニストとして作用する 非−蛋白質の小分子であり得る。この様な分子は、MTTアッセイの様な上記の 及び実施例において記載されたアッセイを用いて、肝臓損傷又は肝臓細胞の死を 起こすことにおけるアクチビンの作用を阻止するそれらの能力によって選別され 得る。 そのアンタゴニストの定義はまた、抗−アクチビン抗体を含み、ポリクローナ ル又はモノクロナールのいずれをも含む。ヒトの組換えアクチビンA又はBに特 異的なモノクロナール抗体は、Corriganら、Endocrinolog y 128 、1682、1991年に記載された様に製造され得る。簡潔には、 同系交配のHGF−性機能低下ラット(ジャンクソン ラボラトリーズ、ウィル ミントン、MA)に、精製された組換えアクチビンA、B又はABを用いて、後 ろ脚に超免疫を行う。リンパ節排出物から収穫した細胞を次にマウスのミエロー マ ラインX63−Ag8.653と融合する。Kearneyら、J.Imm unol.123 、1548、1979年。この融合物を、組換えヒトアクチビ ンA、アクチビンB、アクチビンAB及びインヒビンAをコート蛋白質として使 用して、ELISAにおいて反応性及び特異性をスクリーニングする。Wong ら、臨床化学36、192、1990年。組換えヒトアクチビンA、B又はA Bのいずれかと特異的に反応する親のハイブリドーマを限界希釈によりクローン 化する。Balb/c nu/nuマウスにおいて、腹水液を製造し、抗体をプ ロテインA−セファロース アフィニティ クロマトグラフィ(Replige n Corp.,ケンブリッジ、MA)により、確立された手順(Goding ,J.Immunol.Meth.20、241、1978年。Eyら、免疫 化学15、429、1978年)に従って精製し、無菌状態にて、リン酸緩衝 塩水(PBS)中、4℃にて保管する。本明細書中、また適切であり得るアクチ ビン又はアクチビンペプチドに対する抗体は、ある程度インヒビンとも交差反応 をするかもしれないが、Lofgrenら、J.Immunoassay12 ,565,1991年、シンタニら、J.Immunol.Meth.137 、267、1991年、Groome及びLawrence、ハイブリドーマ、 10 、309、1991年、Groome、J.Immunol.Meth.、 145 、65−69、1992年及びSchwallら、非−放射分析アッセイ :ポリペプチド及びステロイドホルモン検出における技術及び応用 、205−2 20頁(Alan R.Liss,Inc.,1988年)に記載されているも のを含む。 本明細書にて適切な他のアクチビン アンタゴニストは、上記のシオザキらに 記載の様なアクチビンの阻害物であるか、アクチビン受容体の可溶型である。 適切なアクチビン受容体の例には、米国特許第5,216126号に記載のも のが含まれる。簡潔には、この受容体は、還元された10%SDS−PAGEに おける分子量、135−150Kdを有し、N−末端配列、ValLeuThr GluGluThrGluIleIleMetProThrProLysPro GluLeuXaaAlaXaaXaaAsn(式中、Xaaは、不明のアミノ 酸を示す)を有するTGF−βに結合していないものとして記載されている。M athews及びVale、細胞、65、1−20、1991年及びMathe wsら、サイエンス、255、1702−1705、1992年に記載された「 アクチビン受容体」が、肝細胞においてアクチビンの生物学的活性を遮断するか ぎり、本明細書中においてアクチビン受容体に含まれる。アクチビン受容体は、 Attisanoら、細胞、68、97−108、1992年及びKondoら 、Biochem.Biophys.Res.Comm.、181 、684−69 0、1991年によっても報告されている。 アクチビン アンタゴニストの定義はまた、アクチビン活性を遮断するのに必 要な活性部位を含む上記の分子のフラグメントをも含み、抗体のF(ab)及び Fcフラグメントなどを含んでいる。 ある種の肝臓病において、細胞の死を防御する効果は、有効量、投与されたア クチビン アンタゴニストを用いる処置レジメにて観察される。 TGF−βアンタゴニストの例は、Lucasら、J.Immunol.、1 45 、1415−1422、1990年、Daschら、J.Immunol. 、142 、1536−1541、1989年、Ellingsworthら、 .Biol.Chem.、261 、12362−12367、1986年、Ch eifetzら、細胞、48 、409−415、1987年、Floriniら 、J.Biol.Chem.、261、16509−16513、1986年、 Robertsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83、4 167−4171、1986年、Assoian及びSporn、J.Cell Biol.、102 、12178−1223、1986年、Ellingsw orthら、Cell. Immunol.、114、41、1988年、Fl andersら、生化学、27、739、1988年、Keski−Ojaら、キャンサー リサーチ、47 、6451、1988年、Danielpour及 びSporn、J.Cell Biochem.、13B、 84、1989年 及びDanielpourら、J.Cell Physiol.、138、79 −86、1989年に記載された様なTGF−βに対する抗体を含む。 さらなる適切なTGF−βアンタゴニストには、例えばMTT試験によりスク リーニングされる肝臓損傷又は肝細胞死を引き起こすTGF−βの能力を遮断す ることにおいて、TGF−βアンタゴニストの様に作用する、非−蛋白質の小分 子及びTGF−β受容体の可溶型又はあらゆるタイプのTGF−β結合蛋白質が 含まれ、これらは例えばLinら、細胞、68、775−785、1992年、 Linら、J.Cell Biochem.Suppl.、16、B部、125 頁、1992年、Wangら、細胞、67、797−805、1991年、19 90年5月23日に公開された欧州特許369,861、Wangら、J.Ce ll Biochem.Suppl.、16 、B部、129頁、1992年、L opez−Casillasら、細胞、67、785−795、1991年、O ’Gradyら、J.Biol.Chem.、266、8583−8589、1 991年、Segariniら、J.Biol.Chem.、267、1048 −1053、1992年、MacKayら、J.Biol.Chem.、265 、9351−9356、1990年、Cheifetz及びMassague、J.Biol.Chem.、266 、20767−20772、1991年、C heifetz及びMassague、J.Cell Biochem.Sup pl.、16 、B部、121頁、1992年、Ichijoら、J.Biol. Chem.、266 、22459−22464、1991年、Borisuth ら、Invest.Ophthal.and Vis.Sci.、33、596 −603、1992年、Mitchell及びO’Connor−McCour t、 J.Cell Biol.、115、3、2部、265A頁、1991年 に記載されている。 TGF−β受容体の最近のレビューのために、Segariniの、「TGF −β受容体」、TGF−βの臨床応用(Wiley、Chichester[C iba Foundation Symposium 157]、29−50頁 、1991年)及びMassagueら、Annals NY Acad.Sc i. 、59−72頁、1990年を参照せよ。もしも、アクチビン又はTGF− βに対する抗体が、アンタゴニストとして使用できるならば、それらはいかなる 適切な技術によって製造してもよい。例えば、アクチビン又はアクチビンの免疫 原性のフラグメントを、抗−アクチビン抗体の製造を誘導するために使用でき、 それらは、お決まりのスクリーニングにより同定される。同様に、TGF−β又 はTGF−βの免疫原性フラグメントを、お決まりのスクリーニングにより同定 される抗−TGF−β抗体の製造を誘導するために使用できる。この様な抗体は 、ポリクロナールであっても、モノクローナル抗体であっても良く、又はその様 な抗 体の抗原−結合フラグメント(例えば、F(ab)又はF(ab)2フラグメン トなど)であっても良い。その抗体は、アクチビンに対して、1価性又は多価性 である。アクチビンアンタゴニスト又はそれらの混合物又は他の適切なアジュバ ント治療試薬との混合物は、治療の単一のクールにて一般に使用される。 アクチビン又はTGF−βに対するポリクロナール抗体は、一般に、アクチビ ンのポリペプチドをアジュバントと共に動物に複数回、皮下(s.c.)又は腹 膜内(i.p.)注入を行うことにより生じさせる。アクチビン抗原ポリペプチ ド(その鎖及び標的のアミノ酸配列を含むフラグメントを含む)を、免疫される べき種において免疫原性である蛋白質、例えば、スカシガイのヘモシアニン、血 清アルブミン、牛チログロブリン又は大豆トプシン阻害物と、2機能性の又は誘 導性の試薬、例えば、マレイミダベンゾイル スルホサクシニミド エステル( システイン残基による結合)、N−ヒドロキシサクシニミド(リシン残基による )、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2又はR1N=C=NR(式中 、R及びR1は異なるアルキル基である)を用いて結合するのが有用である。 宿主動物の抗体刺激のためのルート及びスケジュール又はそれら由来の培養さ れた抗体−生産細胞は、一般に、抗体の刺激及び生産のための確立された都合の 良い技術内にある。マウスは試験モデルとして頻繁に使用されるが、ヒトを含む あらゆる哺乳動物の対象は、この発明のプロセスに従って操作でき、ヒトを含む 哺乳動物ハイブリッド細胞ライン生産の基礎として役立つことが予期される。 動物は、典型的には、1mg又は1μgのコンジュゲート(各々、兎又はマウ スについて)と、3倍容量のフロイントの完全アジュバントとを混合し、その溶 液を、複数の部位において皮内注射することによって、免疫原性コンジュゲート 又は誘導体に対抗して免疫する。1カ月後に、フロイントの完全アジュバント( 又は他の適切なアジュバント)内における元の量の1/5から1/10のコンジ ュゲートを用いる、複数部位における皮下注射により動物に追加免疫を行う。7 日から14日後に、動物の血を採り、その血清を抗体力価のためにアッセイする 。力価がプラトーとなるまで動物を追加免疫する。同じアクチビンポリペプチド のコンジュゲートであるが、異なる蛋白質及び/又は異なる架橋物質とコンジュ ゲ ートしたものを用いて動物を追加免疫するのが好ましい。コンジュゲートはまた 、組換え細胞培養において、蛋白質融合物として作ることができる。また、ミョ ウバンの様な凝集物質が免疫反応を促進するために使用される。免疫された動物 からの免疫細胞、典型的には脾臓細胞又はリンパ節組織からのリンパ細胞を回収 し、通常の方法、例えばミエローマ細胞との融合によって又はエプスタイン・バ ー(EB)−ウイルスのトランスフォーメーションにより、細胞を不死化し、所 望の抗体を発現するクローンをスクリーニングすることによりモノクローナル抗 体が調製される。Kohler及びMilstein、Eur.J.Immun ol.、6 、511、1976年により元来記載され、また、モノクローナル抗 体及びT−細胞ハイブリドーマ、Elsevier,ニューヨーク、563−6 81頁、1981年中のHammerlingらにより記載されたハイブリドー マ技術が、多くの特異的抗原に対する高レベルのモノクローナル抗体を分泌する ハイブリッド細胞ラインを製造するために広く利用された。 ある種の細胞を他の種の細胞と融合することができる。しかし、免疫された抗 体−生産細胞の源と、そのミエローマは同じ種由来であることが望ましい。 ハイブリッド細胞ラインはインビトロ系において細胞培養培地にて維持できる 。抗体を製造する細胞ラインを選択でき、さらに/又は、ハイポキサンチン−ア ミノプテリン チミジン(HAT)培地中において継続細胞ラインを有する組成 物中にて維持できる。実際、一旦ハイブリドーマ細胞ラインが確立されると、種 々の栄養が満たされた培地において、維持できる。さらに、ハイブリドーマ細胞 ラインは、凍結及び液体窒素下の貯蔵を含むあらゆる常套手段によって貯蔵及び 保存できる。凍結細胞ラインは生き返らせることができ、無期限に培養でき、モ ノクローナル抗体の合成を再開し、それを分泌する。 分泌された抗体は、沈降、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロ マトグラフィーなどの常套手段によって組織培養上清から回収できる。本明細書 中に記載された抗体は、また、IgG又はIgMを精製するための常套手段、場 合により、プールされた血漿からこれらの免疫グロブリンを精製するために今ま で用いられてきた、例えばエタノール又はポリエチレングリコール沈降方法によ り、ハイブリドーマ細胞培養から回収できる。精製された抗体を無菌濾過する。 マウスモノクローナル抗体がルーチン的に使用されるが、本発明はそれに限定 されない。実際、ヒト抗体が使用でき、優れていることが立証され得る。この様 な抗体はヒトのハイブリドーマを用いることによって得ることができる(Cot eら、モノクローナル抗体及び癌治療、Alan R.Liss、77頁、19 85年)。実際、本発明によると、適切な抗原特異性のマウス抗体分子由来遺伝 子を、適切な生物学的活性(肝細胞においてアクチビンの活性を遮断する能力な ど)のヒト抗体分子由来遺伝子とスプライシングすることによる、キメラ抗体製 造のために開発された技術(Morrisonら、Proc.Natl.Aca d.Sci.、81 、6851、1984年、Neubergerら、ネーチャ ー、312 、604、1984年、タケダら、ネーチャー、314、452、1 985年、欧州特許第184,187号、欧州特許第171,496号、欧州特 許第173,494号、PCT WO 86/01533、Shawら、J.N at.Canc.Inst.80 、1553−1559、1988年、Morr ison、サイエンス、229、1202−1207、1985年、Oiら、 ioTechniques、4 、214、1986年)が使用できる。この様な 抗体は本発明の範囲内である。 抗体分子の抗原結合領域[F(ab)フラグメントとして知られている]の組 換えDNAバージョンの創製技術はモノクローナル抗体生産を回避するものであ るが、本発明の実施の範囲内に含まれる。免疫された動物から取られた免疫シス テム細胞から、抗体に特異的なメッセンジャーRNAを抽出して、これらを相補 的DNA(cDNA)に転写し、このcDNAを細菌発現システムに組み込む。 本発明の実行に適したこの様な技術の1例は、Scripps/Stratag eneにおける研究者により開発され、発現されたF(ab)蛋白質を細胞周辺 腔(細菌細胞膜及び細胞壁の間)に移動するか又は分泌する結果を生じるリーダ ー配列を含む、所有権のあるバクテリオファージ ラムダ ベクター システム を組み合わせる。抗原に結合するもののための、多数の機能的F(ab)フラグ メントを迅速に製造し、スクリーニングできる。この様なアクチビンに結合する 分子(アクチビンポリペプチドに対する特異性を有するF(ab)フラグメント )は、本明細書中にて、定義され、論議され、クレームされた「抗体」という用 語に具体的に包含される。 細胞の死が起こったか否かを調べるのに有用な比色定量的試験は、Carmi chaelら、キャンサー リサーチ、47、936−942、1987年によ り記載された様にMTTの減少を測定することである。このアッセイにおいては 、もしも細胞が生きているならば、そのミトコンドリアが染色MTTを取り込む ので、その結果、黄色から紫へと色が変化する。もしも細胞が死んでいるならば 、色の変化は無い結果となる。 本明細書において、本発明は、また「HGF及びTGF−β又はアクチビンに 対する2つの特異性を有する分子」を包含し、それは、Trauneckerら 、EMBO、10、 3655−3659、1991年により最近報告された、 いわゆる「ジャヌシン(Janusin)」構造などの、双特異性抗体/免疫付 着物及び双特異性線状分子を含む。HGF及びTGF−β又はアクチビンに対す る2つの特異性を有するこの様な分子は、HGF結合活性を有するドメイン及び アクチビン アンタゴニスト活性又はTGF−βアンタゴニスト活性を有するド メインを有するだろう。1つの具体例においては、その分子は、1つのドメイン 中のHGF結合活性及び他のドメイン中のアクチビン アンタゴニストのアミノ 酸配列又はTGF−βアンタゴニストのアミノ酸配列を有する1本鎖ポリペプチ ドである。アクチビン アンタゴニスト配列は、例えばフォリスタチン配列であ り得るし、又は抗−アクチビン抗体の抗体−抗原結合部位を有する配列であり得 る。同様に、TGF−βアンタゴニスト配列は抗−TGF−β抗体又はTGF− β受容体に由来し得る。 もしも、抗体様免疫付着物構造の2つの腕が2つの異なる特異性を有するなら ば、その免疫付着物は双特異性抗体の類似物に対して双特異性であるといわれる 。本発明において、抗体様、双特異性免疫付着物構造の1つの腕は、HGF免疫 グロブリン キメラを含み、アクチビン又はTGF−βアンタゴニストを含む第 2の腕を有する。双特異性免疫付着物は、WO 89/02922(1989年 4月6日公開)、欧州特許第314,317号(1989年5月3日公開)及び 1992年5月2日に登録された米国特許第5,116,964号において本質 的に記載されている様に、一般には集合してヘテロ多重結合物となり、具体的に はヘテロ二量体、三量体又は四量体となり得る。 例えば双特異性抗体は、Morrison、サイエンス、229、1202− 1207、1985年に本質的に記載された様な、いわゆるトランスフェクトー マ法により調製できる。この方法はまた、双特異性免疫付着物の製造に適してお り、この場合、望ましい結合特異性を有するキメラの(融合)蛋白質をコードす る配列を有するベクターが、第2の特異性を提供する抗体を分泌するハイブリド ーマへとトランスフェクトされる(Bergら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA、88 、4723、1991年も参照せよ)。 双特異性免疫付着物及び抗体の組換え生成物は、2つの重鎖が異なる特異性を 有する、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖の対の共発現に通常基づいている。M ilstein及びCuello、ネーチャー、305、537−539、19 83年。免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖のランダムな組み合わせのために、これ らのハイブリドーマ(クアドーマ)は、10個の異なる抗体分子の潜在的混合物 を生成し、それらの中で、正しい双特異性構造を有する物を単離し、精製するこ とが必要である。 1993年8月17日に出願されたPCT出願番号PCT/US93/077 83において開示された改良法により、1つの腕におけるハイブリッド免疫グロ ブリン重鎖及び他の腕におけるハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対から構 成される三量体の双特異性免疫付着物を調製する。これらの免疫付着物は、三量 体分子を作り上げる3つの免疫グロブリン鎖をコードしているDNA配列を、好 ましい宿主細胞内に個々に導入することにより製造するのが好ましい。その結果 、これらのDNA配列の比率は自由に変化させ得る。1つの腕において軽鎖が無 く、三量体分子の非対称構造にもかかわらず、これらの分子は、正しく集合し、 折り畳まれたヘテロ三量体の形態で効率的に分泌され得る。双特異性分子の2分 の1にのみにおける免疫グロブリン軽鎖の存在が、分離の容易な方法を提供する ので、非対称構造は、望ましくない免疫グロブリン鎖の組み合わせからの望まし い双特異性化合物の分離を促進することが、さらに発見された。 本発明の目的のために、HGFは既知の方法により、医薬的に有用な組成物を 調製するために処方でき、HGF生成物を医薬的に許容される担体を有する添加 剤と混合する。好ましい担体及びそれらの処方は、Remingtonの医薬科 、第16版、1980年、Mack出版会社、Osloら編に記載されている 。これらの組成物は、HGFを有効量、例えば約0.5のオーダーから約10m g/mlまでを適切な量の担体と共に含み、患者への有効な投与に適した医薬的 に許容される組成物を調製するのが典型的である。HGFは、非経口的に又はそ れを有効な形態で血流へと確かに運ぶ他の方法により投与できる。 HGFの臨床投与に特に良く適した組成物には、無菌の水性溶液又は凍結乾燥 された蛋白質の様な無菌の水和可能粉末が含まれる。典型的には適切な量の医薬 的に許容される塩も処方において使用され、処方を等張にする。 その様な医薬組成物の用量及び望ましい薬物濃度は想像された具体的使用に基 づいて変化させ得る。ラットの実験における典型的な有効量は、静脈内ボーラス 注入投与の場合、約250μg/Kgである。用量の種間のスケーリングを、例 えばMordentiら、Pharmaceut.Res. 8、1351、1 991年及びそれに引用された文献において記載された様な、本分野において既 知の方法により実施できる。 典型的には、本発明方法にて使用されるアクチビン又はTGF−βアンタゴニ ストは、周囲温度にて、適切なpH及び望ましい程度のユリティ(urity) にて、医薬的に許容される担体、すなわち、用いられた用量及び濃度において受 容者に対して毒性の無い担体と混合することにより処方される。適切な担体及び それらの処方は、Remingtonの医薬科学、第16版、1980年、Ma ck出版会社、Osloら編に記載されている。これらの組成物は、典型的には アクチビン アンタゴニストを有効量、例えば約0.5のオーダーから約10m g/mlまでを適切な量の担体と共に含み、患者への有効な投与に適した医薬的 に許容される組成物を調製する。 処方のpHは、アンタゴニストの個々のタイプ及び濃度の主に依存するが、該 して約3から約8までの範囲が好ましい。pH5における酢酸緩衝液中の処方が 好ましい具体例である。 アクチビン アンタゴニストの臨床投与に特に良く適した組成物には、無菌の 水性溶液又は凍結乾燥された蛋白質の様な無菌の水和可能粉末が含まれる。典型 的には、適切な量の医薬的に許容される塩も処方において使用され、処方を等張 にする。 無菌性は(0.2ミクロン)膜を通す無菌濾過により容易に達成される。再構 成用凍結乾燥処方は許容されるが、普通はアクチビン アンタゴニストは水性溶 液として貯蔵されるだろう。 このアンタゴニストの組成物は、良い医療のプラクティスと一致する方法で処 方され、用量に分けられ、投与されるだろう。この含有量における考慮のための 因子には、処置されている個々の病気、処置されている個々の哺乳動物、個々の 患者の臨床的状態、病気の原因、試薬の分配部位、投与方法、投与スケジュール 及び医療開業者に既知の他の因子が含まれる。投与されるべきアクチビン アン タゴニストの「治療上有効量」は、その様な考慮により支配され、その蛋白質に 仲介された肝臓病を予防し、改善し、又は処置するために必要な最小量である。 その様な量は、哺乳動物に対して毒性であるか、哺乳動物を感染によりかかり易 くする量以下であることが好ましい。 一般的比率としては、用量当たり、非経口投与されるアクチビン又はTGF− βアンタゴニストは、1日当たり約0.01から100mg/患者体重kgの範 囲であり、使用されるアクチビン アンタゴニストの典型的な範囲は約0.1か ら50mg/kg/日であろう。用量の種間のスケーリングを、例えばMord entiら、Pharmaceut.Res. 8、1351、1991年及び それに引用された文献において記載された様な、本分野において既知の方法によ り実施できる。 HGF及びアクチビン又はTGF−βアンタゴニストは、患者に有効に投与す るための適切なpHを有する医薬的に許容される担体中に、治療上有効量のHG F又はアンタゴニストのいずれかを有する単一の組成物に処方できる。HGF及 びアクチビン又はTGF−βアンタゴニストの製剤の各々は、投与の前にインビ トロ系にて混合でき、又は同時に別々に又は連続して、どちらの順序でも投与で き、いかなる2番目の投与も、最初の投与の約1−24時間以内に行われるのが 好ましく、最初の投与の約1−5時間以内がより好ましい。 この化合物は通常、医薬組成物として投与され、本分野にて既知の方法により 、通常、1回投与剤形にて処方される。例えば、Remingtonの医薬科学 、Mack出版会社、イーストン、ペンシルバニア、第15版、1975年を参 照せよ。非経口投与に対しては、HGF及びアクチビン又はTGF−βアンタゴ ニストは、適切な医薬的に許容される担体と、さらに所望により他の医薬的に許 容される添加物との混合物において、注射可能な溶液、懸濁液又は乳化剤の形に 処方するのが典型的である。典型的な担体には、塩水、デキストロース溶液、リ ンガー溶液などが含まれるが、非水性担体もまた使用できる。 「解毒薬」という用語は本明細書中にて使用される場合、肝毒性化合物がその 受容体に結合することを阻止するか、肝毒性化合物の作用に対抗する生理学的反 応を起こすか、毒物の化学的性質をより毒性の少ない型に変えることにより、又 はそれの吸収を阻止するか、それの消失又は代謝を促進するかのいずれかによっ て、それの作用部位に到達する肝毒性化合物の量を減らすことにより、肝毒性化 合物の作用を中和する物質を表す。解毒薬は限られた数の肝毒性化合物に対して のみ有効である(Smith,C.薬理学のテキストブック、998頁、199 2年)。 本明細書中、「肝毒性化合物」という用語の使用は、肝臓への暴露に関して肝 臓障害を誘導する能力のある、あらゆる化合物、薬、化学物質又はエレメントを 表している。 「投与」又は「投与された」という用語は本明細書中にて使用される場合、H GFに関しては、肝毒性化合物、臨床上の治療により誘導される肝臓障害、放射 線又は肝臓障害を誘導する他の方法の投与又は暴露の前に、同時に又は後に起こ るHGFの投与を表す。HGFは投与前に、インビトロ系にて肝毒性化合物と混 合でき、又は同時に別々に又は連続して、どちらの順序でも投与でき、いかなる 2番目の投与も、通常は最初の投与の約6時間以内に行われる。 HGF又はアクチビン アンタゴニストは、対象の哺乳動物、好ましくはヒト に、試薬がその活性を示すことができる許容されたあらゆる投与方法により投与 できる。これらの方法は、皮下及び好ましくは非経口投与を含む。非経口投与ル ートの例は、静脈内、肺内、動脈内、筋肉内及び腹膜内投与があり、静脈内ルー トが好ましい。投与は治療上有効なレベルを維持するために、充分な量の持続的 又はボーラスの投与とできる。 HGFは本発明によると、対象哺乳動物に単独で投与でき、又は血管内皮成長 因子(VEGF)又は他の成長因子、サイトカイン又はサイトカイン アンタゴ ニスト又は組織プラスミノーゲン活性化物などの成長因子様活性を有する蛋白質 などの肝臓障害の予防又は処置において有効な他の治療薬と混合してもよい。本 明細書中、「成長因子」という用語の使用は、発達の出来事を調節することが要 求されるか、発達の細胞内コミュニケーション及び協調に関係しうる他の分泌蛋 白質をコードしている遺伝子の発現を調節することが要求された因子を表し、イ ンスリン様成長因子−I及びII(IGF−I及びII)、表皮の成長因子(E GF)、タイプa及びタイプbトランスフォーミング成長因子(TGF−α及び TGF−β)、表皮成長因子(EGF)、神経成長因子(NGF)、繊維芽細胞 成長因子(FGF)、血小板誘導成長因子(PDGF)、肉腫成長因子(SGF )、顆粒細胞マクロファージ コロニー刺激成長因子(GM−CSF)、血管上 皮成長因子(VEGF)及び造血成長因子が含まれるが、これらに限定されない 。 VEGFは微小血管の透過性を増加するために作用する内膜細胞のための特異 的な有糸分裂促進物である。VEGFは、引き出された腹膜のマクロファージと 同様に肺、腎臓、副腎、心臓、肝臓及び胃粘膜を含む多くの正常な成人の器官に おいて現れる。上記のBerseらは、幾つかのヒト腫瘍における特に高いVE GFmRNAレベルを明らかにし、その場合、それは腫瘍の血管形成及び基質生 成の開始に関与しているらしく、内膜細胞有糸分裂促進物としての及び間接的に その透過性を促進する作用の両者により、臨時のフィブリン ゲル マトリック スの沈着を導く。VEGFのmRNA配列はLeungら(サイエンス 246 、1306−1309、1989年)に記載されている。 組織プラスミノーゲン活性化物(tPA)はインビボ系において血塊を溶解す る強い能力を有し、心筋梗塞の様な血管の病気の処置において治療薬として使用 される酵素である。実質上純粋な型のtPAは、Collenら、米国特許番号 第4,752,603号により、天然源から最初に製造され、インビボ系の活性 が試験された。Pennicaら(ネーチャー301、214、1983年) はtPAのDNA配列を決定し、このDNA配列からアミノ酸配列を演繹した( 1988年8月23日に登録された米国特許番号第4,766,075を参照せ よ)。TPAは、静脈閉塞病(VOD)の処置に有効であることが証明された( Beglinら、骨髄移植、5(6)、439−441、1990年)及び(R ostiら、Lancet、339、1481−1482、1992年)。 サイトカインは、アミノ酸、蛋白質、炭水化物、脂質及びミネラルの中間物代 謝を調節する分泌ペプチド又は蛋白質である。サイトカインは炎症を仲介する作 用を行うペプチド又は蛋白質を含み、細胞増殖を調節している細胞内コミュニケ ーション及び炎症細胞の血管壁及び細胞外マトリックスへの付着に関与している 。サイトカインは、肝臓と肝臓外の部位の間の及び肝臓自身の内部のコミュニケ ーションに対して重要である。サイトカインと糖質コルチコイドなどのホルモン との相互作用は、相互のコントロールの複雑なネットワークをその結果として生 じる。多くのサイトカインは、それらの特異的な前炎症作用に加えて成長因子様 活性を発揮する。肝臓はサイトカイン合成の重要な部位であり、いくつかのサイ トカインに対しては主要なクリアランス器官である。肝臓病においては、サイト カインは肝臓内免疫反応のオンセット、肝臓再生及び肝臓の繊維症の及び硬変の ト ランスフォーメーションに関与している(Andusら、肝臓学、13(2)、 364−375、1991年)。サイトカインはインターロイキン族のペプチド 及び蛋白質、インターフェロン−α、−β、γ、腫瘍壊死因子−α及び−β及び プロスタグランジンE1及びE2を含むが、これらに限定されない。 「治療薬」という用語は、本明細書中にて使用される場合、病気の又は病的生 理学的状態の予防又は処置に有効な試薬を表す。 本発明のさらなる詳細は、以下の実施例にて示されるが、これらに限定されな い。 実施例1 A.hHGFの組換え生成物 組換えhHGF(rhHGF)はPCT公開番号WO92/22321に記載 の様に生成された。 上記のSekiらにより記載された様に、ヒトの白血球ライブラリィから単離 したhHGFcDNAクローン(HLC3)を、広く許容される親の発現ベクタ −pSV16B5にクローンした。pSV16B5は、当該ポリペプチドをコー ドする、あらゆる配列を導入するために使用できる都合の良い、特異的な制限エ ンドヌクレアーゼ認識部位を提供するポリリンカー領域を有している。 CHO−dhfr細胞(Urlaubら、Proc.Natl.cad.Sc i.USA、77 、4216−4220、1980年)をGraham及びva n des Eb、Virology(ウイルス学)、52、456−457、 1973年の一般的手順を用いて、上記の望ましいpSV16B5をベースとし たhHGF発現ベクター及びdhfr選択ベクターpFD11(Simonse n及びLevinson、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 、2495−2499、1983年)と、コントランスフェクト(contr ansfected)した。後者のプラスミドはDHFRをコードしているので 、トランスフェクトされた細胞にメトトレキセート耐性を与え、hHGF発現形 質転換細胞の選択を可能にする。形質転換されたdhfr細胞をグリシン−ヒポ キサンチン−及びチミジン−欠損培地における成育により選択した。この選択培 地 上に発生したコロニーを綿棒を用いて単離し、同じ培地にて数世代増殖した。細 胞成育の後、細胞を増幅し、標準的技術を用いて、メトトレキセートの量を増加 することにより選択した。選択培地にて成育できたクローン、従ってトランスフ ェクトされたDHFRを含むプラスミドが挿入された細胞について分泌HGFの 存在をスクリーニグした。これらのクローンの培地中のHGF活性は、後述の有 糸分裂のアッセイを用いてアッセイした。別法では、培養培地中のHGF活性は 、ナカムラら、ネーチャー、342、440−443、1989年により記載さ れた様に、初代培養におけるラット肝細胞内に125Iでラベルされたデオキシウ リジンを挿入することによっても測定できる。hHGFは上記のナカムラらによ り記載された様に本質的に精製した。 B.rhHGFを用いた処置による肝毒性からの保護 体重各190−260グラムである雄性F344ラットにおける、BiCNU (登録商標)−カルムスチン(Bristol−Myers Squibb会社 、腫瘍学部門)を用いた組み合わせ治療におけるHGFの効果を我々は調べた。 カルムスチンは化学的には1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウ レアであり、ある種の新生物病の処置において使用された化学療法剤のグループ に属している。BiCNU(登録商標)は脳腫瘍、最初の及び転移した多発性骨 髄腫にて使用され、ホジキン病には第2の治療薬として、非−ホジキン性リンパ 腫において第2の治療薬として使用される。 BiCNU(登録商標)の1つの副作用は、トランスアミナーゼ、アルカリ性 ホスファターゼ及びビリルビン レベルの上昇で表される肝毒性である。高用量 の処置を受ける患者(通常、骨髄移植の場合)には、肝腫(肝臓の増大)及び腹 水(流体の蓄積)を伴う肝臓の静脈閉塞病(VOD)が起こる危険がある。これ らの所見は臨床上、ブッドーキアリィ(Budd−Chiari)シンドローム と類似している。骨髄移植患者の約20%において、このシンドロームが起こり 、これらの患者の約47%においては、重篤な型のVODは致命的である。他の 副作用には、遅延型蓄積性骨髄抑制、白血球減少症及び貧血よりもより重篤な血 小板減少症、遅延したオンセット(数年の場合さえある)を伴う肺繊維症により 特 徴づけられた用量依存性肺毒性及び進行性窒素過剰症及び腎臓の大きさの減少及 び腎臓不全を伴う腎毒性が含まれる。 BiCNU(登録商標)は分子量214.06の凍結乾燥された黄色のフレー クにて供給される。それは脂質及びアルコールに可溶である。ヒトに使用するた めには、BiCNU100mgを、エタノール3ml中にて再構成後、注射の目 的のためには無菌水27mlを加え、この薬を静脈内に投与する。プロトコール 使用したrhHGFの濃度は2.45mg/mlであり、用量は、280μg /体重kgであり、担体[リン酸緩衝塩水(PBS)+0.1%牛血清アルブミ ン(BSA)、無菌化した]0.25ml中にて、30分、6、12、24、3 0及び36時間における静脈内注射(IV)により分配した。 ラットにおいては、BiCNUの用量は、0時間において単一の腹膜内(IP )注射において投与された50mg/体重kgであった。担体はピーナッツ油で あり、全体の用量は1.5ml中にて分配した。Mordentiらの毒性速度 論的スカーリング法(「毒性速度論における種間のスカーリング」、Toxic okinetics and New Drug Development (毒 性速度論及び新薬の開発)、A Yacobiら編、Pergamon発行、ニ ューヨーク、42−96頁、1989年)及びChappelら(「動物からヒ トまでの毒性学的及び薬理学的データーの外挿法」、Advances in Drug Research (薬のリサーチにおける進歩)、第20巻、B.T esta編、アカデミック発行、サンジェゴ、1−116頁、1991年)を用 いると、ラットにおける50mg/kg投与量はヒトにおける9.2mg/kg 投与量に等しい。ヒトにおいて使用されるBiCNUの臨床投与量は5−15m g/kgである。 BiCNUのIP注射48時間後にサンプルを集めた。1セットの7匹のラッ トがrhHGFとBiCNUとの組み合わせを受け、1セットの7匹のラットが BiCNU及びrhHGF担体を受けた。1セットの7匹のラットは、ピーナッ ッ油及びrhHGF担体をI.P.で受け、コントロールを提供した。結果 図1に示される様に、BiCNU及びrhHGFの組み合わせ治療を受けた動 物は、総ビリルビン、アルカリ性ホスファターゼ、アルカリ性アミノトランスフ ェラーゼ、アスパレート アミノトランスフェラーゼ及びg−グルタミル トラ ンスペプチターゼが、BiCNUのみを受けた動物から減少したレベルを示した 。肝臓の組織学的研究のプロトコール 1セットの7匹のラットはピーナッツ油のみのI.P.を受け、コントロール として提供された。他の14匹のラットは、ピーナッツ油中のBiCNUを50 mg/体重kgにて接種し、この14匹中7匹はrhHGF(30分、6、12 、24、30及び36時間における、280μg/体重kgI.V.)を受けた 。BiCNU又はピーナッツ油I.P.の48時間後に、全てのラットをCO2 により安楽死させた。肝臓、胸骨、肺、腎臓及び脾臓のセクションをホルマリン 中に固定し、パラフィン中に区分し、H&Eを用いて染色し、組織学的に調べた 。組織学的結果 BiCNUを受けたラットの肝臓、骨髄及び脾臓には障害が一貫して存在した 。BiCNUはラットにおいて、胆のうの壊死及び肝細胞の壊死を誘発した。r hHGFを受けたラットは非処置ラットにおけるそれと匹敵する胆のうの壊死を 有し、図2に示される様に、rhHGFはBiCNUのみで処置したラットにお いて見られた肝細胞壊死の重篤さを減少した。実施例2 この実施例はアクチビン及びTGF−bにより誘導された肝細胞の死に対する HGFの保護を示している。方法 肝細胞は成獣雌性Sprague−Dawleyラットから、Garriso n及びhaynesにより記載された様にコラゲナーゼ灌流により得た。この細 胞を96−ウエルのマイクロタイター プレート(Falcon)中に4000 細胞/ウエルの密度で植えた。培養培地は、ペニシリン(100U/ml)、ス トレプトマイシン スルフェート(100μg/ml)、L−グルタミン(2m M)、トランスフェリン(10μg/ml)及び僅小成分(0.01%)を供給 したウイリアムのE培地であった。細胞を5%牛胎児血清を含む培地にて、37 ℃、5%CO2にて植えた。16時間後に、植えている培地を、以下のものを含 む100μLの血清不含培地と交換した:コントロールに対しては添加物無し; 10、100、1000ng/mlのHGF;アクチビン−Aのみ(10ng/ ml)又は10、100、1000ng/mlのHGFとの組み合わせ;又はT GF−b(lng/ml)のみ又は10、100、1000ng/mlのHGF との組み合わせ。 24時間後、ミトコンドリア機能の指標であるMTTの減少を、本質的にCa rmichaelら(キャンサー リサーチ、47、936−942、1987 年)により記載された様に測定することにより生存力をアッセイした。MTTを リン酸緩衝塩水中にて5mg/mlまで溶解し、各ウエルに5μlを直ちに加え た。37℃、4時間のインキュベーション後、プレートを丁寧に転倒し、ペーパ ータオルで吸水することにより、培地を除去した。DMSOを100μl、加え ることにより、細胞を溶解し、その後オービタル シェイカーにて5分間シェイ クした。対照波長690nmにおける吸収よりもより少ない、560nmにおけ る吸収を自動プレート リーダー(SLTラボ インスツルーメント)にて測定 した。細胞を1つ以上のマイクロタイターにて培養した実施例においては、各プ レートにおけるコントロールに対してデーターを標準化した。結果 図3に示される様に、ミトコンドリア機能の指標であるMTT減少により測定 された様に、HGFはコントロール培養における生存力を少し増加させた。アク チビンは約70%、生存力を減少したが、培養培地がHGFも含んでいる場合に はこの作用は実質上破棄された。同様に、TGF−bは、アクチビンの場合の様 に、肝細胞の生存力を大きく減少させ、この作用はHGFの接種により大きく防 御された。実施例3 この実施例は、HGFとアクチビン アンタゴニストを共に投与する使用が肝 臓障害からの保護を提供することを示した。方法 肝炎Bウイルス蛋白質を発現するトランスジェニック マウスを使用してHG Fとフォルスタチンを共に投与することにより提供された防御作用を調べる。適 切なトランスジェニック マウスは、Gillesら(J.Virol.、66 、3955−3960、1992年)にて記載され、使用された、2つの属的に 異なるカテゴリーのHBV−トランスジェニック マウス(系統23−3及び8 0−219)である。 組換えHGFは実施例1に記載された様に製造する。使用されたrhHGFの 濃度は2.45mg/mlであり、投与量は、担体[リン酸緩衝塩水(PBS) +0.1%牛血清アルブミン(BSAN無菌化された)]0.25ml中にて分 配された280μg/体重kgであり、静脈内注射された(IV)。使用された フォリスタチンの投与量は、1日当たり約0.1から100mg/患者体重kg の範囲であり、静脈内注射(IV)により分配される。投与量の種間のスカーリ ングは本分野にて既知の方法、例えば上記のMordentiら及びその中にて 引用された文献にて記載された様に実施し得る。 1セットの動物は担体のみを受け、コントロールを提供する。他のセットの動 物は10日間の期間に渡り、6時間毎にrhHGFを注射する。第3のセットの 動物は、5日間の期間に渡り、6時間毎にrhHGF及びフォリスタチンの組み 合わせを注射する。注射の1、3、5日後に、マウスをケタミン−キシラジンで 麻酔し、心臓穿刺により血液を集め、室温にて1時間放置して凝血させた。血清 の部分を−70℃にて保管し、Monarchモデル7000自動化分析器にお いてビリルビン、ALT及びASTを測定した。肝臓を結合組織から切開して離 し、重さを量り、断片を中性の緩衝ホルマリン中にて固定する。パラフィンに埋 め込まれた部分を4μmに切り、ヘトキシリン及びエオシンで染色し、組織学的 に調べる。 実施例3から得られたトランスジェニック マウスのデーターを、認可された 獣医学及び臨床の手順に従って哺乳動物の体重に対して補正し、馬、牛及び他の 哺乳動物に外挿し得ることは合理的に予期される。標準的プロトコール及び手順 を用いて、処置されるのが望ましい哺乳動物において最大の効果を達成するため に、獣医又は臨床医は、HGF及びアクチビン アンタゴニストの投与量、スケ ジュール及び投与方法を調整できるだろう。ヒトは同様の方法にて反応すると信 じられる。 前述のものは特に好ましい具体例を表すが、本発明はそれに限定されないこと が理解されよう。本発明の全体の概念から迂回することなく、種々の修飾が、開 示された具体例について行われ得ることが本分野の当業者には考えられるだろう 。この様な修飾は全て本発明の範囲内であることが意図されている。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 肝臓障害が起こる危険があるか又は肝臓障害であると診断された患者に おける肝臓障害の成立又は進行を防御する方法であって、該患者に防御上有効量 の肝細胞成長因子(HGF)を投与することからなる方法。 2. 該患者が哺乳動物である請求項1に記載の方法。 3. 該患者がヒトであり、ヒトHGF(hHGF)を投与する請求項2に記 載の方法。 4. 肝臓障害という診断が下る前にhHGFを投与する請求項3に記載の方 法。 5. 肝臓障害が生じる前にhHGFを投与する請求項3に記載の方法。 6. 該患者が、肝毒性化合物暴露のために肝臓障害が起こる危険があるか又 は肝臓障害を起こしている請求項3に記載の方法。 7. hHGF投与を該肝毒性化合物暴露の前に開始する請求項6に記載の方 法。 8. hHGFを該肝毒性化合物の投与と同時に投与する請求項7に記載の方 法。 9. 該肝毒性化合物の投与が終了した後もhHGF投与を維持する請求項7 又は請求項8に記載の方法。 10. 該患者が静脈閉塞病であると診断されている請求項6に記載の方法。 11. 治療上有効量の肝毒性化合物、及び肝臓障害を防御できる量のHGF を含有する組成物。 12. HGFがhHGFである請求項11に記載の組成物。 13. 該肝毒性化合物及び該hHGFが、各々が少なくとも1つの医薬的に 許容される賦形剤を有する別個の医薬製剤に入っている請求項12に記載の組成 物。 14. 障害又は病的な生理学的状態の防御又は処置に有効な、肝毒性を有す る治療薬を用いて患者を処置するための方法であって、 a)該患者に同時に又は任意の順序で、生物学的有効量の該治療薬及び防御上 有効量のHGFを投与し、 b)該患者について肝臓障害の徴候をモニターし、ついで c)該障害又は病的状態が消失するか又は肝臓障害の徴候があらわれるまで該 処置を続けることからなる方法。 15. ウイルス性又は自己免疫性肝炎が起こる危険がある患者又はウイルス 性又は自己免疫性肝炎であると診断された患者における肝臓障害の成立又は進行 を防御する方法であって、該患者に肝臓障害の防御に有効な量の肝細胞成長因子 (HGF)を投与することからなる方法。 16. 該患者に治療上有効量のアクチビンアンタゴニストを投与することを さらに含む請求項15に記載の方法。 17. 該アクチビンアンタゴニストがフォリスタチン(follistat in)である請求項16に記載の方法。 18. 該アクチビン アンタゴニストが抗−アクチビン抗体である請求項1 6に記載の方法。 19. 該アクチビンアンタゴニストが可溶型のアクチビン受容体である請求 項16に記載の方法。 20. 該患者に治療上有効量のTGF−βアンタゴニストを投与することを さらに含む請求項15に記載の方法。 21. 該TGF−βアンタゴニストが抗−TGF−β抗体である請求項20 に記載の方法。 22. 該TGF−βアンタゴニストが可溶型のTGF−β受容体である請求 項20に記載の方法。 23. 肝臓障害を防御できる量のHGF及び治療上有効量のアクチビンアン タゴニストを含有する組成物。 24. 該HGFがhHGFである請求項23に記載の組成物。 25. 該治療上有効量のアクチビンアンタゴニスト及び該防御できる量のH GFが、各々が少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含有する別個の医 薬製剤に入っている請求項23に記載の組成物。 26. 肝臓障害を防御できる量のHGF及び治療上有効量のTGF−βアン タゴニストを含有する組成物。 27. 該治療上有効量のTGF−βアンタゴニスト及び該防御できる量のH GFが、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含有する別個の医薬製剤 に入っている請求項26に記載の組成物。 28. HGF及びアクチビン又はTGF−βに対する2つの特異性を有する 分子であって、HGF生物学的活性を有する第1のドメイン及びアクチビンアン タゴニスト生物学的活性又はTGF−βアンタゴニスト生物学的活性を有する第 2のドメインを含有する分子。 29. 該第1のドメインにHGFアミノ酸配列を、そして該第2のドメイン にアクチビンアンタゴニスト活性又はTGF−βアンタゴニスト活性を持ってい る1本鎖ポリペプチドである請求項28に記載の分子。 30. 免疫グロブリン配列を有する請求項29に記載の分子。 31. 該第2のドメインが抗−アクチビン抗体又は抗−TGF−β抗体であ る請求項30に記載の分子。 32. 免疫グロブリン配列と融合したTGF−β−アンタゴニスト配列又は アクチビンアンタゴニスト配列及びHGFアミノ酸配列を含有する双特異性免疫 付着物である請求項28に記載の分子。 33. 肝臓障害の防御のための医薬組成物の調製におけるHGFの使用であ って、HGFを医薬的に許容される担体と混合することを含む使用。
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