JP3030312B2 - 成熟肝実質細胞増殖因子(i) - Google Patents

成熟肝実質細胞増殖因子(i)

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JP3030312B2 JP1320548A JP32054889A JP3030312B2 JP 3030312 B2 JP3030312 B2 JP 3030312B2 JP 1320548 A JP1320548 A JP 1320548A JP 32054889 A JP32054889 A JP 32054889A JP 3030312 B2 JP3030312 B2 JP 3030312B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成熟肝実質細胞増殖因子(hepatocyte growt
h factor:HGF)、詳しくは成熟肝実質細胞を生体外(in
vitro)で培養でき、これにより該細胞の維持、増殖を
可能とする新しい生理活性を有するタンパク質に関する
ものである。本発明の成熟肝実質細胞増殖因子は肝再生
促進薬、抗慢性肝炎薬、肝硬変への移行防止薬としての
使用ができる。
〔従来の技術〕
肝臓は多種多様な機能を有し、生体の恒常性維持に欠
くべからざる重要な役割を果たしている。肝臓の主な機
能として血漿タンパク質の合成分泌、糖新生やグリコー
ゲン代謝による血糖調節、尿素合成、胆汁分泌、解毒な
どがある。また該肝臓の機能は、肝臓を構成する該実質
細胞が夫々担っていることが知られている。しかるに生
体内(in vivo)において、肝臓は各種のホルモンをは
じめとする極めて複雑な環境下におかれており、これを
構成する上記成熟肝実質細胞の機能などの研究は甚だ困
難である。従って本発明者は、上記成熟肝実質細胞を、
生体内と同等の機能を維持した状態で、単純な生体外の
系で再現することができれば、上記した肝機能の研究、
あるいは種々のホルモン類薬物などの成熟肝実質細胞に
対する作用等の研究に極めて有用であるとの観点から、
上記成熟肝実質細胞を安定に継代培養できる体外培養系
の確立を目的として鋭意研究を重ねてきた。成熟肝実質
細胞は、各種の株細胞が活発に増殖する哺乳動物血清の
存在下でも全く増殖が認められず、通常約1週間で脱落
が起り、その生体外での長期培養が不可能であった。本
発明者は、血清に含まれる特定のタンパク質成分の存在
下において、成熟肝実質細胞が極めて良好に増殖し、継
代培養を行いうることを見出し、該特定の血清成分の分
離に成功した(Biochem.Biophys.Res.Commun.,122(No.
3),1450〜1459,1984)。更に本発明者は、哺乳類動物
の血小板のトロンビン刺激上清液より特定のタンパク質
性の成熟肝実質細胞増殖因子(HGF)を単離することに
成功し、これが生体外において成熟肝実質細胞増殖活性
を有することを見出し、この知見を先に公表した(FEBS
LETTER,224(No.2),311〜316,1987)。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者は、引き続き鋭意研究を重ねた結果、哺乳動
物の血小板や白血球などの血球細胞や肝臓、腎臓、肺
臓、胎盤、脳、脾臓などの生体組織ホモジネート中に
も、成熟肝細胞を生体外に於いて極めて良好に増殖され
る活性を有する物質が存在することを見出した。該物質
を精製、単離すべく種々検討を行ったところ、上記生体
組織中に含まれる成熟肝細胞増殖因子(HGFと略す)に
はα鎖とβ鎖とを名付けた2種のサブユニットからなる
2本鎖型成熟肝細胞増殖因子(HGF(I)と略す)と1
本鎖型成熟肝細胞増殖因子(HGF(II)と略す)の2種
類が存在することを見出した。これら2種のHGFを分離
し、それぞれの生物学的及び化学的物性を明らかにする
ことが期待された。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、成熟肝実質細胞を生体外で増殖さ
せる活性を有する熱及び酸処理に不安定なタンパク質
で、下記の理化学的性質を有するポリペプチドからなる
HGF(I)及びHGF(II)並びに抗体に関する。
1.二種のサブユニットからなり、かつ、下記の理化学的
性質を有するポリペプチドからなるヒト胎盤由来の成熟
肝実質細胞増殖因子(I)。
(i)β鎖のN末端アミノ酸配列 (式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
ン、Rはアルギニン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
ニン、Sはセリン、Lはロイシン、Yはチロシンを示
す。) (ii)還元下SDS−PAGEによる推定分子量 α鎖 60,000±3,000 β鎖 32,000±3,000 2.フェニル5PW高速液体クロマトグラフィー(東ソー社
製、カラムサイズ:直径0.75cm×高さ7.5cm)によって
精製される、均質な2本鎖ポリペプチドである、請求項
1記載の成熟肝実質細胞増殖因子(I)。
3.二種のサブユニットが結合した一本鎖のポリペプチド
からなり、かつ、下記の理化学的性質を有するヒト胎盤
由来の成熟肝実質細胞増殖因子(II)。
(i)β鎖のN末端アミノ酸配列 (式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
ン、Rはアルギニン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
ニン、Sはセリン、Lはロイシン、Yはチロシンを示
す。) (ii)還元下SDS−PAGEによる推定分子量 約90kD (iii)非還元下SDS−PAGEによる推定分子量 約80kD 4.下記のアミノ酸配列よりなるペプチドに対する抗体。
(式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
ン、Qはグルタミン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
ニン、Sはセリン、Lはロイシン、Kはリジン、Yはチ
ロシン、Rはアルギニンを示す。) また、本発明は、下記のアミノ酸配列 (式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
ン、Qはグルタミン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
ニン、Sはセリン、Lはロイシン、Kはリジン、Yはチ
ロシン、Rはアルギニンを示す。) よりなるペプチドに対する抗体に関し、更に5PW高速液
体クロマトグラフィーによって精製される、下記の理化
学的性質を有する一本鎖HGF, 非還元下SDS−PAGEによる推定分子量 約80kD 還元下SDS−PAGEによる推定分子量 約90kD に関する。
HGFの従来の調製方法は、血小板のトロンビン刺激上
清液を出発物質として、陽イオン交換クロマトグラフィ
ー→ヘパリンアフィニティークロマトグラフィー→逆相
クロマトグラフィー系列での精製によるものであった。
FEBS LETTER,224(No.2),311〜316,1987参照のこと。
上記方法により得たHGFはSDS−PAGE(SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動)で約82KDの位置に単一のバン
ドとして移動し、又還元化SDS−PAGEで約69KDと約34KD
の2本のバンドとして移動することにより、2種のサブ
ユニットよりなる物質と考えられてきた。本発明者は、
血小板のホモジネートを硫安塩析後、陽イオン交換クロ
マトグラフィー、ヘパリンアフィニティークロマトグラ
フィー、逆相クロマトグラフィーで精製することにより
あらたにHGFを得た。本発明者は該方法で得たHGFがSDS
−PAGEで約80KDの位置に単一なバンドとして移動し、還
元化SDS−PAGEでは約90KD及び約60KD、約32KDの3本の
バンドとして移動することを確認した。すなわち該HGF
は分子量約8万の2本鎖HGF(HGF(I))と1本鎖HGF
(HGF(II))の2成分よりなることをあらたに見出し
たのである。
本発明者は更に、該HGFを還元アルキル化して逆相C4H
PLCにかけ電気泳動的に均一なHGF(I)の2種のサブユ
ニット(分子量約60KDのα鎖ペプチドと分子量約32KDの
β鎖ペプチド)画分を得(第1図)、β鎖のN末端アミ
ノ酸配列を決定、そのエイコサペプチド合成物に対する
抗体カラムを精製手段として用いることによりHGF
(I)を単離した。本発明は、初めて均質なHFG(I)
をあたえるものである。本発明者は、HGF(I)β鎖N
末端20個のペプタイドを合成、そのポリクローナル抗
体、更には抗体カラムを作成した。本発明者は、血小板
のホモジネートを硫安塩析後カチオン交換クロマトグラ
フィー、次いで上述の抗体アフィニティークロマトグラ
フィーにかけ、均質なHFG(I)を調製することに成功
した。更に本発明者は、HGFの臓器分布を検索したとこ
ろ、白血球などの血球細胞や肝臓、肺臓、腎臓、脾臓、
脳、胎盤など広く生体組織にHGFが含まれていることを
見出した。これらの生体組織のホモジネートからイオン
交換クロマトグラフィー、色素アフィニティークロマト
グラフィー、レクチンアフィニティークロマトグラフィ
ー、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィー、逆相
クロマトグラフィーなどを組合わせた方法で精製し、SD
S−PAGEで約80KDの単一バンドを示すHGFを得た。このHG
Fは還元条件下のSDS−PAGEで、血小板ホモジネートから
精製した場合と同様、約90KD、約60KDと約32KDの3本の
バンドとして移動した。即ち、血小板をはじめとする種
々の生体組織ホモジネートに由来するHGFは2本鎖型HGF
(I)と1本鎖型HGF(II)の2成分よりなることを見
出したのである。
本発明者はHGF(I)をより簡便に単離する方法を更
に検討したところ、疎水性クロマトグラフィーの一種で
あるフェニル5PW高速液体クロマトグラフィーにより、
均質なHGF(I)を得ることに成功し、本発明を完成さ
せるに至った。
本発明のHGF(I)は、外科手術による部分肝摘出後
の肝再生促進薬ならびに急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変へ
の移行、劇症肝炎などの肝疾患の治療薬として、また上
記各疾患の診断薬として有用である。更に該HGF(I)
の利用により、ヒトをはじめとして各種動物由来の成熟
肝実質細胞を、該HGF(I)存在下に生体外で極めて容
易に増殖、維持することが出来、かくして増殖維持され
る成熟肝実質細胞は、例えば肝機能などの基礎的研究用
に、また、各種ホルモン若しくは薬剤等の成熟肝実質細
胞に対する作用の研究用に、肝疾患などのスクリーニン
グ試験用に、更に発癌試験用及び肝炎ウィルスの生体外
培養における宿主細胞としても極めて有用である。本発
明は、かかる有用な生理活性物質を提供するものであ
る。
以下、本発明のHGF(I)の製造方法につき詳述す
る。本発明HGF(I)は、例えば哺乳動物の血小板等の
生体組織より効率よく、しかも高収率で単離することが
出来る。ここで原料として用いられる哺乳動物の血小板
等の生体組織としては、特に限定はなく、例えばヒト、
ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウサギ、マウス、ラットな
どに由来する血小板等の生体組織のいずれをも使用する
ことができる。これらの血小板等の生体組織は、その起
源とする哺乳動物より、常法に従い分離される。
本発明HGF(I)は、上記により分離された血小板等
の生体組織のホモジネートを精製することにより単離さ
れる。HGF(I)の精製は、該HGF(I)の物理的、化学
的、免疫学的性質を利用した各種分離手段の組み合せに
より実施することができる。特に好ましい精製手段の一
例としては、塩析法及びイオン交換クロマトグラフィ
ー、抗体アフィニティークロマトグラフィー、色素アフ
ィニティークロマトグラフィー、レクチンアフィニティ
ークロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、
疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、
ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーを組み合せ
た方法を例示できる。塩析には硫酸アンモニウム、硫酸
ナトリウムなどの塩を使用することができる。また該イ
オン交換クロマトグラフィーに用いられる担体として
は、タンパク質分離のために用いられている通常の各種
イオン交換クロマトグラフィー用の担体を、いずれも用
いることができる。その具体例としては、CM−セルロー
ス、CM−セファデックス、P−セルロース、CM−トヨパ
ール、SP−トヨパール、モノS、S−セファロース、DE
AE−セファロース、DEAE−セファデックス、Q−セファ
ロース等のイオン交換樹脂を例示できる。抗体アフィニ
ティークロマトグラフィーに用いられる担体としては、
例えばアフィゲル、トヨパール、セファロースなどの各
種の不溶性担体に、抗体を共有結合により不溶化させた
担体であれば、いずれも使用できる。
上記精製手段により精製された本発明のHGF(I)
は、通常のタンパク質の純度検定手段、例えばSDS−PAG
E、逆相高速液体クロマトグラフィーなどにより、均一
な単品であることが確認される。
〔実施例〕
以下に参考例及び実施例を示し、本発明をより具体的
に述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1 (HGF活性の測定その1):Nakamura,T.,et al.Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA.,80,7229〜7233(1983)。
ウィスター系雄ラット(180〜200g)を用い、in situ
コラーゲン潅流法(Tanaka,K.,et al.J.Biochem.(TOKY
O)84,937〜946(1978),中村敏一,初代培養肝細胞実
験法,学会出版センターpp5〜53(1987))により肝実
質細胞を分離、精製した。この肝実質細胞を5%牛血清
及び10-8Mインスリンを添加したウィリアムスE培地
(フロー・ラボラトリー社製)に懸濁させ、ウェルマル
チプレート(リンブロン社製)に3.3×104個/ウエルの
低濃度でまき込み、5%炭酸ガス及び30%酸素ガスの存
在下で培養した。培養4時間後、培地を10-9Mデキサメ
サゾンを含む無血清ウィリアムスE培地に交換した。20
時間後、さらに同一培地交換及び所定量の被験試料(本
発明HGF(I)又は他の各種増殖因子)の添加を行っ
た。12時間後、3H−チミジンの2.5μCi/ml(54.2Ci/m m
ol)を添加し、さらに24時間培養した。尚上記3H−チミ
ジンによるラベルの15分前に、アフィディコリンの5μ
g/mlを添加した群をコントロール群とした。上記24時間
の培養によるラベル後、細胞をPBSで洗い、冷10%トリ
クロル酢酸(TCA)水溶液で固定した。細胞を1ウェル
当り0.5mlの1N−水酸化ナトリウム水溶液で可溶化し、
一部をとってタンパク質をローリー法に従って測定し
た。残液にTCAを20%になるように添加し、TCA不溶性画
分を遠心沈澱により集め、5%TCA水溶液で洗浄後10%T
CA水溶液1mlを加え、90℃で15分間煮沸し、上清画分の
放射能をトルエン−エタノール系シンチレーターにより
測定した。被験試料により成熟肝実質細胞に取り込まれ
3H−チミジン量を、コントロールとのカウントの差と
して求め、これを成熟肝実質細胞1mgタンパク質当りに
換算して、DNA合成活性(dpm/mgタンパク)とし、これ
を被験試料のHGF活性の指標とした。尚、HGF活性を単位
(U)で示す場合は、同一試験においてEGF20ng/mlを用
いた場合のDNA合成活性(EGFは該用量で最大活性を示
す)の50%に相当する活性を1単位として定義する。
参考例2 (HGF活性の測定その2) HGF活性は、また、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,80,7229
(1983)に記載の方法に順じて次のように測定した。ウ
イスター系ラットからコラーゲン還流法によって肝実質
細胞を分離精製した。得られたラット肝実質細胞を5%
ウシ血清、2×10-9Mインスリンおよび2×10-9Mデキサ
メサゾンを添加したウイリアムスE培地(フローラボラ
トリー社)に懸濁し、24ウエルマルチプレートに1.25×
105個/ウエルの濃度で播いた。5%CO2および30%O2
よび65%N2の存在下、37℃で20時間培養後、0.1μg/ml
のアプロチニンを添加したウイリアムスE培地に交換す
ると同時に所定量の被試料を添加した。15時間後、15μ
Ci/mlの125Iデオキシウリジン10μ/ウエルを添加し
た。コントロール群には、125Iデオキシウリジン添加の
15分前に5μg/mlのアフィディコリンを添加した。さら
に6時間培養した125Iでラベルした。細胞をpH7.4のPBS
で2回洗浄後、冷10%トリクロロ酢酸水溶液(TCA)で
固定した。細胞を1ウエル当り0.5mlの1N水酸化ナトリ
ウム水溶液で可溶化し、その放射能をガンマカウンター
により測定した。また放射能測定後の試料を1部をとっ
てローリー法(J.Biol.Chem.,193,265,1951)に従い蛋
白量を測定した。被験試料を添加したとき肝実質細胞に
取り込まれた125Iの量をコントロールとのカウントの差
として求め、これをラット肝実質細胞蛋白質1mg当りに
換算して、DNA合成活性(cpm/mg蛋白質)とした。被験
試料のHGF活性は、同一試験において上皮細胞成長因子
(EGF)10ng/mlを用いた時の肝実質細胞のDNA合成活性
の50%に相当する活性を1単位と定義して表示した。
参考例3 (抗HGF(I)抗体カラム作成法) β鎖N末端20個、即ちV−V−N−G−I−P−T−
Q−T−T−V−G−W−M−V−S−L−K−Y−R
よりなる合成ペプチド(HGF(I)・L20)は、ペプチド
合成装置(ABI社430A型)を用いて、フェニルアセトア
ジドメチル(PAM)リンカーを有するレジン(ABI社製)
上で合成した。固相からの合成ペプチドの切断は、トリ
フルオロメタンスルホン酸(TFMSA)法により行い、得
られた粗合成ペプチドを、逆相高速液体クロマトグラフ
ィーにより精製した。次に水溶性カルボジイミドを用い
たY.IKEDAらの方法(Biochem.Biophys.Res.Commun.,10
7,656〜662(1982))に従い、該HGF(I)・L20とキー
ホールリンペットヘモシアニン(KLH)を結合させ、HGF
(I)・L20−KLHを抗原として、常法に従いウサギ皮下
に160μg宛2週間おきに3回免疫した。3回投与2週
間後に全採血し、抗血清を得て、該抗血清をプロティン
A−セファロースカラムに負荷し、0.1Mグリシン塩酸緩
衝液pH2.0で溶出される画分を、IgG画分として精製し
た。続いて、このIgG画分をKLH−セファロースカラムに
かけ、抗KLH抗体を吸着し、抗HGF(I)・L20抗体を得
た。常法に従い、ブロムシアン(CNBr)活性セファロー
スCL−4B樹脂(ファルマシア社製)に抗HGF(I)・L20
抗体を結合させ、抗HGF(I)抗体カラムを作成した。
実施例1 血小板抽出液の調整: 1200匹のラット(200〜400g)から採取した血液を遠
心分離(2500g×15分)して血小板を沈査として得た。
血小板沈査を500mlの0.5mM PMSFを含むPBS(リン酸緩衝
化生理食塩水,pH7.0)に懸濁させ、ポリトロンホモジナ
イザー(ダイアル7)で5分間ホモジナイズした。ホモ
ジネートは24,000×gで30分間の遠心分離を行い、上清
を得た。
本上清液のHGF活性(参考例1の方法で測定した)は1
00μg/mlの添加量で2.4×104dpm/mg肝細胞タンパクであ
った。全活性は136,000ユニット、比活性は33.3u/mgタ
ンパク質であった。
上記で得た上清液に硫酸アンモニウムを80%飽和
になるように添加して、4℃で一夜放置後、24,000×
g、30分間の遠心分離を行い沈査を得た。沈査を緩衝液
A[50mM Tris HCl(pH8.5),0.15M NaCl,10mM Hepes,2
mM CaCl2]300mlに溶解させ、同一緩衝液で一夜透析し
た。透析後24,000×g,30分間の遠心分離を行い、不溶物
を除去し、上清を得た。
得られた遠心上清を緩衝液Aで充分平衡化したS−
セファロースFast Flowカラム(2.6×30cmファルマシア
社製)に30ml/hの流速でかけた。緩衝液Aでカラムをよ
く洗浄し、A280nmが0.1以下にまで低下したところで0.1
5から1M NaClの直線濃度勾配でHGF(I)を溶出した。
溶出のさいの流速は35ml/hで1フラクション8mlのサイ
ズで集めた。その結果を第2図に示す。図において縦軸
(1)は280nmにおける吸光度(A280)を(2)はHGF
(I)活性(参考例1の方法で測定した)を、また
(3)はNaCl濃度を各々示し、横軸はフラクションNo.
を示す。該図よりHGFは約0.68MのNaCl濃度(フラクショ
ンNo.34〜40)に溶出された。
上記のフラクションNo.34〜40の画分を50mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.0)にて3倍希釈し、0.15M NaClを含
む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で平衡化した抗HGF
(I)・L20抗体セファロースCL−4Bカラム(ベッドボ
リューム1ml)に負荷、0.5M−NaCl含有10mMグリシン−
塩酸緩衝液(pH4.0)で洗浄後8M尿素を含む10mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.4)で溶出を行った。結果を第3図に
示す。図において、縦軸(1)は280nmにおける吸光度
(A280)を、(2)はHGF(I)活性(参考例1の方法
で測定した)、横軸はフラクションNo.を示す。該図よ
りフラクションNo.8〜12にHGF(I)を得た。
上記〜の精製工程の結果を下記第1表に示す。
また上記の工程で得られたHGF(I)の肝実質細
胞増殖に与える効果(HGF(I)活性)の用量依存効果
を下記第2表に示す。
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E) 12.5%アクリルアミドを用い、ラメリらの方法(Lamm
eli et al.,Nature.,277,680〜685(1970))に従っ
て、上記で得たHGFのSDS−PAGEを行った。泳動後、ゲ
ルを40%メタノール10%酢酸で90分間固定し、10%エタ
ノール−5%酢酸で洗浄後、銀染色を行った。HGF
(I)は、単一のバンドとして染色され、その相対移動
度より約80KDの分子量を有すると推定された。また還元
SDS−PAGEは試料に2メルカプトエタノール(2ME)を5
%加えて、非還元SDS−PAGEと同様の方法にて実施し
た。非還元で約80KDの分子量を有するHGF(I)は、2
本のバンドとして検出され、それらの相対移動度より、
それぞれの分子量は、約60KD(α鎖)と約32KD(β鎖)
であることが推定された(第4図)。
アミノ酸分析およびN末端アミノ酸配列の決定 上記で得たHGF(I)画分にツウィーン20及び塩化
ナトリウムを、濃縮最終濃度でそれぞれ0.17及び0.2Mと
なるように加えて、遠心濃縮器(トミー精工社製)にて
濃縮した。濃縮HGFを、A.Jahnssonらの方法(BBRC,104,
66(1982))を一部変更して、還元アルキル化した。す
なわちHGFを4M−グアニジン塩酸を含む0.5Mトリス塩酸
緩衝液pH8.0で60℃、30分処理した後、最終濃度20mMと
なるようにジチオスレイトールを加えて窒素置換して、
暗所室温で2時間還元反応を行った。ついで最終濃度40
mMとなるようにヨードアセトアミドを加えて窒素置換し
た後、暗所室温で1時間アルキル化反応を行った。得ら
れた還元アルキル化HGF(I)はHi−Pore304(Bio−Rad
社製、C4)カラムを用いた逆相高速液体クロマトグラフ
ィーで分離した。溶出は、30mM NaCl及び0.1%TFA存在
下にてアセトニトリル濃度を40%から50%迄直線上に上
昇させて行った。第5図に、得られた溶出パターンを示
す。図において、縦軸(1)は280nmに於ける吸光度(A
280)を(2)はアセトニトリル濃度を、横軸はフラク
ションNo.を示す。図に示す如く、アルキル化HGF(I)
はピークIとピークIIに分離され、項のSDS−PAGE法
により、ピークIは分子量約60KDのα鎖、ピークIIは分
子量約32KDのβ鎖であることを確認した。上記のHGF
(I)α鎖画分およびHGF(I)β鎖画分を6N−HClで11
0℃、24時間加水分解後、アミノ酸自動分析装置(日立
製835型)を用いてアミノ酸分析を行った。その結果
は、下記第3表に示す通りである。上記方法で得られた
HGF(I)β鎖画分300pmoleをペプチドシークエンサー
(アプライドバイオシステム社477A型)を用いて30サイ
クル解析して、HGF(I)β鎖のN末端側アミノ酸配列
を決定した。β鎖N末端側27個のアミノ酸配列は、V−
V−N−G−I−P−T−Q−T−T−V−G−W−M
−V−S−L−K−Y−R−N−K−H−I−C−G−
Gであった。
実施例2 肝抽出液の調製 ラット(系統SD;体重200〜300g)100匹の腹腔内にサ
ラダ油に溶解した20%四塩化炭素溶液を10ml/kg投与し
(四塩化炭素として2ml/kg投与)、30時間後に肝臓を摘
出した。摘出した肝臓は0.15M NaCl、1mM PMSF、1mMモ
ノヨード酢酸、1mM EDTAを含む緩衝液B〔50mM Tris−H
Cl(pH8.5)、10mM Hepes、2mM CaCl2、0.01%Tween8
0〕4中でワーリングブレンダーで破砕した。破砕
後、冷却遠心機(日立20PR−52)で10,000回転/分の遠
心を行い、沈澱物を除いた。上澄を濾紙で濾過し、濾液
を肝抽出液として得た。
陽イオン交換クロマトグラフィー 肝抽出液約4を約4倍容の0.15M NaClを含む緩衝液
Bに2時間以上を3回透析した後、0.15M NaClを含む緩
衝液Bで平衡化したS−セファロースFF(ファルマシア
社製)のカラム(サイズ:内径11.3cm×高さ10cm)に添
加した。
0.15M NaClを含む緩衝液で洗浄後、0.15Mから1.0MのN
aClの直線濃度勾配(全量6)により溶出した。溶出
画分を参考例2に示した方法によりHGF活性を測定し、
活性画分を集めS−セファロースFF溶出液とした。第6
図にその溶出パターンを示す。
色素アフィニティークロマトグラフィー S−セファロースFF溶出液を1N HClでpH7.5に調製
後、同量の0.01%Tween80を含む蒸留水で希釈し、緩衝
液C(20mM Tris−HCl(pH7.5)、0.01%Tween80)で平
衡化したBlue−Trisacryl Mカラム(IBF社製、カラムサ
イズ:内径:2.6cm×高さ13.5cm)に添加した。緩衝液C
で洗浄後、0から0.5Mのアルギニンの直線濃度勾配(全
量350ml)により溶出した。溶出パターンを第7図に示
す。
HGF活性の高い画文を集めBlue−Trisacryl M溶出液と
した。
ヘパリンアフィニティークロマトグラフィー Blue−Trisacryl M溶出液を9倍容の緩衝液D(10mM
Tris−HCl(pH7.5)、0.01%Tween80)で希釈した後、
0.3M NaClを含む緩衝液Dで平衡化したヘパリンセファ
ロースCL−6Bカラム(ファルマシア社製、カラムサイ
ズ:内径1.6cm×高さ7cm)に添加した。0.3M NaClを含
む緩衝液Dで洗浄後、0.3Mから2.0M NaCl直線濃度勾配
(全量150ml)により溶出した。溶出パターンを第8図
に示す。HGF活性の高い画分を集めヘパリン・セファロ
ース溶出液とした。
疎水性クロマトグラフィー 溶媒A(20mMリン酸緩衝液(pH7.5)、4M NaCl)と溶
媒B(20mMリン酸緩衝液(pH7.5)、50%エチレングリ
コール)の2:1混液により平衡化されたフェニル5PWカラ
ム(東ソー社製、カラムサイズ:内径7.5mm×高さ7.5c
m)にヘパリン・セファロース溶出液を添加した。溶出
は溶媒AとBの組成比を2:1から0:1に連続的に変えるこ
とにより行った。その溶出パターンを第9図に示す。45
分前後に溶出したHGF活性を示す画分を集め精製HGF
(I)を得た。尚、85分前後に溶出したHGF活性画分はH
GF(II)であった。
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動 実施例1のの項に示した方法に従い、本実施例の
項及び項で得られたヘパリン・セファロース溶出液と
精製HGF(I)のSDS−ポリアクリルアミド電気泳動を行
った。結果を第10図に示す。
ヘパリン・セファロース溶出液は、非還元条件で約80
KDの第一バンドを示した。しかし、還元条件下では約90
KD、約60KDと約32KDの3本のバンドを与え、2本鎖型HG
F(I)1本鎖型HGF(II)の存在を示した。一方、精製
HGF(I)は非還元条件で同じく約80KDの単一バンド
を、還元条件で約60KD(α鎖)と約32KD(β鎖)の2本
のバンドを示し、疎水性クロマトグラフィーによりHGF
(I)が均一に単離されたことを示した。
本実施例での〜の精製工程の結果を下記第4表に
示す。尚、本実施例でのHGF活性は参考例2に示したHGF
活性測定法(その2)に従って行った。
N末端アミノ酸配列の決定 本実施例ので得られた精製HGF(I)のN端アミノ
酸配列を、実施例1の項に示した方法に従い、決定し
た。即ち、精製HGF(I)を還元アルキル化後、C4逆相H
PLCによりα鎖とβ鎖に分離し、ペプチドシークエンサ
ーによりN端のアミノ酸配列を決定した。β鎖N末端の
13個のアミノ酸配列はV−V−N−G−I−P−T−Q
−T−T−V−G−Wと決定され、血小板ホモジネート
由来のHGF(I)アミノ酸配列と一致した。
実施例3 ヒト胎盤抽出液の調製 ヒト胎盤(1個約500gを5個)の皮をはぎとり、ナイ
フとハサミで組織を細かく切断したのち、10の緩衝液
E(0.02M Tris−HCl(pH8.5)、0.1M NaCl、0.01%Twe
en 80)を加え、ワーリングブレンダーでホモゲナイズ
した。いったん低速遠心分離(600g×5分間)により、
大きな組織断片を除いた後、上清を再度高速遠心分離
(10,000g×20分間)にかけた。上清液をとり、沈まな
かった粒子や脂肪をガーゼでこしとった後、緩衝液Eで
平衡化しておいたDEAE・セファクリル(チッソ社製、湿
重量200g)を加え、4℃にて1夜攪拌させた。樹脂を濾
別し、緩衝液Eでくり返し十分洗浄し、水分を切った
後、1.5MのNaClを含む緩衝液E1に投入し、約2時間攪
拌して吸着物を樹脂より溶離させた。濾過して得た溶離
液を緩衝液F(0.02M Tris−HCl(pH7.5)、0.3M NaC
l、0.01%Tween80)に対し、外液10倍量で3回透析し、
胎盤抽出液を調製した。
ヘパリンセファロースクロマトグラフィー 項で得た胎盤抽出液を緩衝液Fで平衡化したヘパリ
ン・セファロースCL−6Bカラム(ファルマシア社製、カ
ラムサイズ:直径2.6cm×高さ20cm)に流速200ml/時間
でかけた。緩衝液Fにて非吸着物質を十分流し出した
後、0.3Mから2.0M NaClの直線濃度勾配溶出により、HGF
活性物質を溶出させた。このヘパリンセファロースクロ
マトグラフィーの溶出パターンを第11図に示す。HGF活
性は約1.0M NaCl付近に溶出され、その画分を集めてヘ
パリン・セファロース溶出画分を得た。
コンカナバリンAセファロースクロマトグラフィー あらかじめ緩衝液G(0.02M Tris−HCl(pH7.5)、0.
5M NaCl、0.01%Tween80)で平衡化させておいたコンカ
ナバリンAセファロースカラム(ファルマシア社製、カ
ラムサイズ:直径1.6cm×高さ5.0cm)にヘパリン・セフ
ァロース溶出画分を添加した。緩衝液Gで洗浄後、0か
ら0.5Mのメチル−α−D−グルコシドを含む緩衝液Gに
より、直線濃度勾配溶出を行った。流速は20ml/時間で
行った。そのクロマトグラフィー溶出パターンを第12図
に示す。HGF活性を示す画分を集めコンカナバリンAセ
ファロースカラム溶出画分を得た。
疎水性クロマトグラフィー 最終精製工程は疎水性クロマトグラフィーの1つであ
るフェニル5PW HPLC(東ソー社製、カラムサイズ:直径
0.75cm×高さ7.5cm)によって行った。溶媒C(0.02Mリ
ン酸緩衝液(pH7.5)、4M NaCl)と溶媒D(0.02Mリン
酸緩衝液(pH7.5)、50%エチレングリコール)の2:1混
液でフェニル5PWカラムを平衡化した後、コンカナバリ
ンAセファロースカラム溶出画分を添加した。その後、
溶媒CとDの組成比を2:1から0:1に連続的に変化させる
ことにより溶出を行った。流速は0.5ml/分で行った。フ
ェニル5PW HPLCの溶出パターンを第13図に示す。保持時
間45分前後に溶出したHGF活性画分を集め精製HGF(I)
画分を得た。
収量はヒト胎盤5個より約15μgの精製HGF(I)が
得られた。全工程の収率は約20%で、比活性は45,000倍
に上昇した。尚、本実施例でのHGF活性測定は参考例2
に示したHGF活性測定法(その2)に従って行った。
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動 実施例1のの項で述べた方法により、本実施例の
項及び項で得られたコンカナバリンAセファロース溶
出画分と精製HGF(I)画分のSDS−PAGEを行った。結果
を第14図に示す。実施例1及び2と同様コンカナバリン
Aセファロース溶出画分には2本鎖型HGF(I)と1本
鎖型HGF(II)が存在し、疎水性HPLCによりHGF(I)が
均質に単離されたことが示された。
N末端アミノ酸配列の決定 本実施例のの項で得られた精製HGF(I)のN端ア
ミノ酸配列を実施例1の項に述べた方法と同じ方法に
より決定した。即ち、精製HGF(I)を還元アルキル化
後、C4逆相クロマトグラフィーにより分子量約60KDのα
鎖と約32KDのβ鎖とを分離し、ペプチドシーケンサーに
よりN端アミノ酸配列を決定した。β鎖N末端の18個の
アミノ酸配列が決定され、その配列は、V−V−N−G
−I−P−T−R−T−N−I−G−W−M−V−S−
L−R−Yであった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、成熟肝実質物質の生体外での増殖を
可能とする二種のサブユニットからなる成熟肝実質細胞
増殖因子(I)が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は非還元HGF及び還元アルキル化HGFのHi−Pore30
4(C4逆相)HPLCの溶出パターンとSDS−PAGE泳動図、第
2図は塩析再溶解液のS−セファロースFF FPLCの溶出
パターン、第3図はS−セファロースFF FPLC処理液の
HGF(I)・L20抗体カラムの溶出パターン、第4図は精
製HGF(I)のSDS−PAGE泳動図、第5図は還元アルキル
化HGF(I)のHi−Pore304(C4逆相)カラムの溶出パタ
ーン、第6図は肝抽出液のS−セファロースFFクロマト
グラフィーの溶出パターン、第7図は肝抽出液の色素ア
フィニティークロマトグラフィーの溶出パターン、第8
図は肝抽出液のヘパリン・セファロースクロマトグラフ
ィーの溶出パターン、第9図は肝抽出液のフェニル5PW
HLPC溶出パターン、第10図は肝抽出液から精製したHGF
のSDS−PAGE、第11図は胎盤抽出液のヘパリン・セファ
ロースクロマログラフィーの溶出パターン、第12図は胎
盤抽出液のコンカナバリンA・セファロースクロマトグ
ラフィーの溶出パターン、第13図は胎盤抽出液のフェニ
ル5PW HLPC溶出パターン及び第14図は胎盤抽出液から精
製したHGFのSDS−PAGEの図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/36 A61K 31/36 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/00 - 14/825 C07K 16/00 - 16/44 C12P 21/00 - 21/02 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二種のサブユニットからなり、かつ、下記
    の理化学的性質を有するポリペプチドからなるヒト胎盤
    由来の成熟肝実質細胞増殖因子(I)。 (i)β鎖のN末端アミノ酸配列 (式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
    ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
    ン、Rはアルギニン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
    ニン、Sはセリン、Lはロイシン、Yはチロシンを示
    す。) (ii)還元下SDS−PAGEによる推定分子量 α鎖 60,000±3,000 β鎖 32,000±3,000
  2. 【請求項2】フェニル5PW高速液体クロマトグラフィー
    (東ソー社製、カラムサイズ:直径0.75cm×高さ7.5c
    m)によって精製される、均質な2本鎖ポリペプチドで
    ある、請求項1記載の成熟肝実質細胞増殖因子(I)。
  3. 【請求項3】二種のサブユニットが結合した一本鎖のポ
    リペプチドからなり、かつ、下記の理化学的性質を有す
    るヒト胎盤由来の成熟肝実質細胞増殖因子(II)。 (i)β鎖のN末端アミノ酸配列 (式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
    ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
    ン、Rはアルギニン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
    ニン、Sはセリン、Lはロイシン、Yはチロシンを示
    す。) (ii)還元下SDS−PAGEによる推定分子量 約90kD (iii)非還元下SDS−PAGEによる推定分子量 約80kD
  4. 【請求項4】下記のアミノ酸配列よりなるペプチドに対
    する抗体。 (式中、Vはバリン、Nはアスパラギン、Gはグリシ
    ン、Iはイソロイシン、Pはプロリン、Tはトレオニ
    ン、Qはグルタミン、Wはトリプトファン、Mはメチオ
    ニン、Sはセリン、Lはロイシン、Kはリジン、Yはチ
    ロシン、Rはアルギニンを示す。)
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