JPH0570364A - 骨への破骨細胞付着を阻害する組成物及び方法 - Google Patents

骨への破骨細胞付着を阻害する組成物及び方法

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JPH0570364A
JPH0570364A JP3001930A JP193091A JPH0570364A JP H0570364 A JPH0570364 A JP H0570364A JP 3001930 A JP3001930 A JP 3001930A JP 193091 A JP193091 A JP 193091A JP H0570364 A JPH0570364 A JP H0570364A
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asp
gly
bone
amino acid
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JP3001930A
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Masahiko Sato
サト マサヒコ
William A Grasser
エー.グラツサー ウイリアム
Robert J Gould
ジエー.ゴウルド ロバート
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Merck and Co Inc
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨への破骨細胞付着を阻害する組成物及び方
法。 【構成】 一般式 X-Cys-R-R-R-Arg-Gly-Asp-R-R-R-R-R-Cys-Y (式中、XはH、少なくとも1つのアミノ酸、YはO
H、少なくとも1つのアミノ酸、Rは各々、同一又は異
なるアミノ酸である。)で表わされるポリペプチドであ
り、骨への破骨細胞付着を阻害する組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は骨への破骨細胞の付着を阻害する
ためのポリペプチド類に関する。
【0002】本発明は、一般的に血小板へのフィブリノ
ーゲン及び他のタンパク質の結合を阻害し、血小板の凝
集を阻害し及び骨への破骨細胞付着を阻害することを含
めた細胞付着の調節に関する。
【0003】フィブリノーゲンは血漿中に存在する糖タ
ンパク質であって、血小板凝集及びフィブリン形成に関
与する。血小板はすべての哺乳動物の血液中にみられる
細胞様無核断片であって、血液凝固に関与する。フィブ
リノーゲンとレセプターの血小板膜糖タンパク質複合体
IIb/IIIaとの相互作用は、正常な血小板機能に必須で
あることが知られている。
【0004】血管がダメージをうけると、血小板は破壊
された内皮下表面に付着する。続いて付着した血小板は
生物活性成分を放出して凝集する。凝集は特異的血小板
膜レセプターへのトロンビン、エピネフリン又はADP
のような作動剤の結合によって開始される。作動剤によ
る刺激の結果、血小板表面の潜在的フィブリノーゲンレ
セプターを露出させ、フィブリノーゲンを糖タンパク質
IIb/IIIa複合体に結合させる。
【0005】血小板凝集及び付着のメカニズムを研究す
るため天然産物及び合成ペプチドを用いる試みが行われ
た。血小板凝集阻害タンパク質は様々なヘビ毒液から単
離された。しかしながら、これらタンパク質による血小
板凝集阻害メカニズムの研究は構造情報の欠如のせいで
妨げられていた。
【0006】最近、トリグラミンと呼ばれる毒ペプチド
がやや詳細に特徴付けられた〔ハーンら、ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー、1987年、第
262巻、第16157−16163頁(Huang et a
l.,J. of Biol. Chem.,1987、262 、pp.16157-16163)
及び1987年11月18日付で出願された米国特許出
願第121,972 号明細書参照〕。そのペプチドは血小板膜
上の糖タンパク質IIb/IIIa複合体へのフィブリノーゲ
ン結合を競合的に阻害することが報告された。そのペプ
チドはArg-Gly-Asp 配列を含んでおり、これはCOOH
末端残基に近いと考えられる。ラウスラチ及びピアシュ
バッチャー、サイエンス、1987年、第238巻、第
491−497頁(Rouslahti and Pierschbacher, Sci
ence, 1987、238 、pp. 491-497)では細胞外基質中及び
血液中に存在するフィブロネクチン、ビトロネクチン、
オステオポンチン、コラーゲン、トロンボスポンジン、
フィブリノーゲン及びフォンビルブライト因子のような
付着タンパク質について記載している。そのタンパク質
はそれらの細胞認識部位としてトリペプチドのアルギニ
ン−グリシン−アスパラギン酸を含んでいる。そのトリ
ペプチドは2つの膜架橋サブユニットのあるヘテロダイ
マータンパク質である一連の構造関連レセプターインテ
グリンのうち少なくとも1つによって認識される。著者
らは、各タンパク質におけるトリペプチド配列のコンホ
メーションが認識特異性上重要かもしれないと述べてい
る。チェレシュ、プロシーディング・オブ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンスUSA、1987年、
第84巻、第6471−6475頁(Cheresh, Proc. N
at'l. Acad. Sci. USA、1987、84、pp.6471-6475) では
ヒト内皮細胞により発現されるArg-Gly-Asp 向付着レセ
プターについて記載しているが、これは血小板上のIIb
/IIIa複合体と構造上類似するものの、抗原上及び機能
上異なる。そのレセプターはフィブリノーゲン、フォン
ビルブラント因子及びビトロネクチンへの内皮細胞付着
に直接関与している。ピアシュバッチャー及びラウスラ
チ、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー、1987年、第262巻、第36号、第17294
−17298頁では、トリペプチド配列Arg-Gly-Asp 含
有ペプチドの結合特異性に対する配列Arg-Gly-Asp-Xaa
の立体化学の影響について記載している。プロシーディ
ング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
スUSA、1984年、第81巻、第5985−598
8頁において、同著者らは付着促進活性を留めたフィブ
ロネクチンの細胞認識部位の変種について記載してい
る。テトラペプチドArg-Gly-Asp-Ser は大きな付着糖タ
ンパク質フィブロネクチンにおいて細胞により認識され
る最小構造として記載されている。-Arg-Gly-Asp-Ser-
部分を有するペプチドは米国特許第4,589,881 号及び第
4,614,517 号明細書で記載されている。フィブロネクチ
ンと同様の細胞付着活性を有する-Arg-Gly-Asp-R部分
(RはThr 、Cys又は他のアミノ酸から選択される) を
有したペプチドは米国特許第4,578,079 号明細書で記載
されている。ルゲリ(Ruggeri)ら、プロシーディング・
オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUS
A、1986年、第83巻、第5708−5712頁で
は長さ16残基にデザインされた一連の合成ペプチドに
ついて記載するが、これは血小板へのフィブリノーゲン
結合を阻害する配列Arg-Gly-Asp-Val を含んでいる。ゴ
ールドら、サーキュレーション、第77巻、第3号、1
988年3月、第670−677頁(Gold et al., Cir
culation、77、3 、March 1988、pp.670-677) では、冠
動脈血栓溶解及び再閉塞に関してヒト血小板GPIIb/
IIIaレセプターに対する組換え一本鎖組織型プラスミノ
ーゲンアクチベーター及びネズミモノクローナル抗体
(7E3)のF(ab′)2断片のボーラス(bolus)注射の効
果について記載している。ゴールドらは、血小板GPIIb
/IIIaレセプターに対するモノクローナル抗体7E3の
F(ab′)2断片の注射が組換え一本鎖組織型プラスミノー
ゲンアクチベーターとの血栓溶解を促進して再閉塞を防
止することをみつけた。
【0007】トリペプチド配列Arg-Gly-Asp はフィブロ
ネクチン及びビトロネクチンの細胞付着促進効果を倍化
又は阻害しうるある種のポリペプチド中に存在すること
が知られているが、ポリペプチド中他のアミノ酸の結合
特異性に対する影響についてはほとんど理解されていな
い。本出願人らはトリペプチド配列Arg-Gly-Asp を含ん
だポリペプチドについて同定かつ精製したが、これは血
小板凝集阻害剤であって、トリペプチドの位置からみて
特定箇所に位置したシステイン残基を有している。特定
位置のシステインアミノ酸は血小板凝集を阻害しうるこ
れらポリペプチドの能力に有意の影響を与えるらしい。
【0008】長鎖オリゴデオキシヌクレオチドの化学的
合成に関して信頼しうる方法及び装置の出現が天然遺伝
子の単離及び発現に代わる遺伝子合成を実現可能にした
〔カルチャーズ(Caruthers)、サイエンス、第230
巻、1985年、第281−285頁;フェレッティ
(Ferretti) ら、プロシーディング・オブ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンスUSA、第83巻、1
986年、第599−603頁;ウォスニック(Wosnic
k)ら、ジーン(Gene) 、第60巻、1987年、第11
5−127頁;ナッサル(Nassal) 、ジーン、第66
巻、1988年、第279−294頁;ベル(Bell)
ら、ジーン、第63巻、1988年、第155−161
頁〕。その技術は小さな天然タンパク質を発現及び工学
処理する上で特に有用である。しかしながら、細菌宿主
で発現される多くの真核細胞タンパク質は不安定である
〔タニグチら、プロシーディング・オブ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンスUSA、第77巻、19
80年、第5230−5233頁;デービス(Davis)
ら、プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンスUSA、第78巻、1981年、第
5376−5380頁;シェン(Shen) 、プロシーディ
ング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
スUSA、第81巻、1984年、第4627−463
1頁;レニック(Lennick)ら、ジーン、第61巻、19
87年、第103−112頁〕。不安定性を回避するた
めに常用される方法は、細菌タンパク質についてコード
するヌクレオチド配列に対象遺伝子を融合させて融合タ
ンパク質を産生し、それにより真核細胞タンパク質を保
護することである。多数の化学試薬及びプロテアーゼが
融合タンパク質において様々なアミノ酸部位を開裂する
と報告された。臭化シアンは効果的かつ選択的にメチオ
ニンで開裂する〔サビジら、メソッズ・イン・エンザイ
モロジー、ハース及びチマシェルフ編集、アカデミック
プレス、ニューヨーク、第47巻、1977年、第459
−469頁(Savige et al., Methods in Enzymology,
Hirs and Timashelff eds., Academic Press, New Yor
k、47(1977)、pp.459-469; ナガイら、ネーチャー(Nat
ure) 、第309巻、1984年、第810−812
頁;スゾカ(Szoka)ら、DNA、第5巻、1986年、
第11−20頁;ハフィー(Haffey) ら、DNA、第6
巻、1987年、第565−571頁〕。
【0009】破骨細胞は脊椎動物において石灰化組織を
吸収する。骨吸収は骨への付着プロセス、酸及びプロテ
アーゼの分極化分泌並びに骨基質に沿う破骨細胞の活性
運動性の複雑な関係によって進行するらしい〔カネヒサ
及びヒアシュ(Heersche) 、ボーン(Bone) 、第9巻、
第73−79頁、1988年;バロン(Baron)ら、ジャ
ーナル・オブ・セル・バイオロジー(J. Cell Biol.)、
第106巻、第1863−1872頁、1988年;ブ
レア(Blair)ら、サイエンス、第245巻、第855−
857頁、1989年;ザンボニン・ザロン(Zambonin
Zallone) ら、エクスペリメンタル・セル・リサーチ
(Exp. Cell Res.) 、第182巻、第645−652
頁、1989年〕。吸収上活性な細胞は骨表面にしっか
りと並んでこの界面に特異的構造を形成するが、これは
“透明ゾーン”と呼ばれるアクチンに富む領域で囲まれ
た“ひだ状ボーダー”(ruffled border) と呼ばれる高
らせん状膜からなる〔ベーシス(Vases)、クリニ・オル
トプ・リレート・リサ(Clin.Orthop. Relat. Res.)、
第228巻、第239−271頁、1988年;サトー
及びロダン(Rodan)、“細胞形状:決定因子、調節及び
調節役割”、アカデミックプレス社(Academic Press I
nc.)、オーランド、フロリダ州、第329−362頁、
1989年〕。
【0010】インテグリン類はヘテロダイマー糖タンパ
ク質であって、Arg-Gly-Asp(RGD)配列を認識しかつ
細胞−基質及び細胞−細胞双方の相互作用に関する〔ハ
インズ(Hynes)、セル、第48巻、第549−554
頁、1987年〕。インテグリン大群は少なくとも4群
に分類され、高ジスルフィド結合β−サブユニットで規
定される。これらVLA/フィブロネクチン(β1)レ
セプター、白血球Leu-CAM/CD18(β2)レセプ
ター、β3レセプター及び内皮細胞β4レセプターであ
る〔カジジ(Kajiji) ら、エンボジャーナル(EMBO
J.)、第8巻、第673−680頁、1989年〕。サ
イトアドヘジン(cytoadhesin)とも呼ばれるβ3群は、
血小板凝集に必須である血小板GPIIb/IIIa複合体と
破骨細胞、骨芽細胞、骨肉腫及び他の細胞で免疫学上検
出されたビトロネクチンレセプターとを含む〔ホートン
(Horton) ら、キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、
第45巻、第5663−5669頁、1985年;デハ
ー(Dedhar) ら、ジャーナル・オブ・セル・バイオロジ
ー、第105巻、第1175−1182頁、1987
年;ザンボニン・ザロンら、1989年〕。破骨細胞に
おいて、β3インテグリンは破骨細胞を吸収する透明ゾ
ーンに相当するポドゾーム(podosome) のバンドに局在
化している(ザンボニン・ザロンら、1989年)。
【0011】本発明はフィブリノーゲンレセプター拮抗
剤ポリペプチドに関しそれらはフィブリノーゲン−血小
板結合を阻害して下記一般式Iを有することを特徴とす
る: X-Cys-R-R-R-Arg-Gly-Asp-R-R-R-R-R-Cys-Y (I) 上記式中XはH又は少なくとも1つのアミノ酸である;
YはOH又は少なくとも1つのアミノ酸である;各Rは
同一又は異なるいずれかのアミノ酸である。式Iに属す
るポリペプチドには下記式Iaのポリペプチドがある: H2N-(Ch)-Cys-R-R-R-Arg-Gly-Asp-R-R-R-R-R-Cys-(Cx)-H (Ia) 上記式中Chは少なくとも1つのアミノ酸を表す;Cxは少
なくとも1つのアミノ酸を表す;各Rは同一又は異なる
アミノ酸を表す。本発明のポリペプチドは様々なヘビ、
例えばトリメレスラス・グラミネウス(Trimeresurus g
ramineus) 、エチス・カリナタス(Echis carinatus)、
アグキストロドン・ピスシボラス(Agkistrodon pisciv
orus) 、ビチス・アリエタンス(Bitis arietans) 及び
エリストコフィス・マクマホニイ(Eristocophis macma
honii)の毒液から精製された。これらのポリペプチド
は、ヒト血小板へのフィブリノーゲン結合を阻害しかつ
ヒト血小板のフィブリノーゲン誘導凝集を阻害する上で
有用である。これらのポリペプチドは下記精製操作に従
いヘビ毒液から精製される。それらはシステインに富
み、共通配列-Cys-R-R-R-Arg-Gly-Asp-R-R-R-R-R-Cys-
を含むが、ここで各Rは同一又は異なるいずれかのアミ
ノ酸を表す。本出願人らは結合メカニズムに関していか
なる特定の理論にも拘束されるつもりはないが、システ
インアミノ酸の位置はポリペプチドの三次元構造、剛性
度及び結合特異性を決定する上で重要な役割を果たすと
考えられる。
【0012】本発明は下記一般式の血小板凝集阻害剤に
ついてコードする遺伝子又は縮重相当物にも関する: X−Cys−R−R−R−Arg−Gly−Asp−R
−R−R−R−R−Cys−Y 上記式中XはH又は少なくとも1つのアミノ酸である;
YはOH又は少なくとも1つのアミノ酸である;各Rは
同一又は異なるいずれかのアミノ酸である。本発明の好
ましい遺伝子は修正されたエチスタチンについてコード
している。エチスタチンは配列番号:1に示される:天
然タンパク質の28位におけるメチオニンは組換えエチ
スタチンにおいてロイシンで置き換えられている。合成
遺伝子は、大腸菌 cheB及び cheY遺伝子複合体の
部分をプラスミドpUC13(1988年11月5日付
で出願された米国特許出願第145,800 号) に挿入して組
立てられた発現ベクターpJC264を用いて大腸菌
〔MB−5385;ATCC受理第67873 号;1230
1パークローン・ドライブ、ロックビル、メリーランド
州20852USAのアメリカン・タイプ・カルチャー
・コレクション(American Type Calture Collection)
に寄託〕で発現される。本株の微生物はブタペスト条約
下で寄託されたが、寄託微生物の一般人への入手性に関
するいかなる制限もその特許の許可時に確定的に取除か
れるであろう。r-leu 28−エチスタチン遺伝子の高レ
ベル発現は、発現ベクター中における大腸菌 cheY遺伝
子との融合によって実現された。組換え-leu28−エチ
スタチンは cheYタンパク質とエチスタチンとの間に遺
伝的に挿入されたメチオニンにおける臭化シアン開裂に
よって融合タンパク質から遊離され、逆相HPLCで均
一に精製され、高次構造を復元した。高次構造の復元さ
れたr-leu28−エチスタチンは血小板凝集を阻害する
点で天然エチスタチンと区別しえないが、これは28位
のメチオニンがこの血小板凝集阻害剤の生物活性にとり
必須でないことを示唆している。
【0013】本発明は、本発明のタンパク質を用いた血
小板凝集阻害用組成物及び本発明の組換えタンパク質の
産生に有用な発現ベクターにも関する。
【0014】本発明は式Iの合成ポリペプチド及びその
合成方法をも含む。本発明は、本発明のポリペプチドの
有効量を骨に投与することにより骨への破骨細胞付着を
阻害するための組成物及び方法にも関する。
【0015】ここで用いられる天然タンパク質は対応遺
伝子から産生される全鎖長タンパク質に関する。組換え
タンパク質は、望ましいタンパク質の遺伝子又はcDN
Aの単離及び望ましいタンパク質を過剰産生する細胞を
作成するためのその精製遺伝子又はcDNAの使用に関
与する。ここで用いられる微異質形とはDNAの単一遺
伝子単位から産生されるタンパク質であって翻訳後に構
造修正される単一遺伝子産物に関する。しかしながら、
これらの構造的修正の結果として、タンパク質の活性に
関しいかなる有意の変化もおこさない。修正は生体内
(インビボ)又は単離及び精製プロセスのいずれでおき
てもよい。生体内(インビボ)修正の結果、格別限定さ
れないがN末端でのアセチル化、タンパク質分解、グリ
コシル化又はホスホリル化が起こるであろう。タンパク
質分解としては、1以上の末端アミノ酸が順次酵素的に
開裂されて原遺伝子産物よりも少ないアミノ酸を有する
微異質形を生じる外タンパク質分解がある。タンパク質
分解には、アミノ酸配列内の特定位置でペプチドを開裂
するエンドプロテアーゼの作用に基づく内タンパク質分
解修正も含む。同様の修正は精製プロセスで生じること
があり、結果として微異質形を生じる。精製時におきる
最も普通の修正はタンパク質分解である。
【0016】組換えDNA技術とは、異なる細胞、通常
異なる生物からの遺伝情報DNAセグメントをそのDN
Aが得られた生物外で端部対端部結合させて、原DNA
がコードするタンパク質を産生することになる細胞内に
このハイブリッドDNAを組込む技術としてここでは定
義される。遺伝情報DNA又はmRNAは単離され、適
切なクローニングベクターに組込まれ、適切な宿主細胞
中に形質導入される。ここで用いられるクローニングベ
クターは特定の実験外来DNAの組込みを可能にするD
NA配列として定義され、その組合せDNAは安定的に
存在しかつ実験DNAにより指図されるタンパク質を発
現しうる宿主細胞中に導入される。ベクターDNAと組
合された外来DNAは、組合せ技術から得られる組換え
DNA分子を構成する。クローニングベクターとしては
プラスミド、バクテリオファージ、ウイルス及びコスミ
ドがある。発現ベクターは、適切な宿主中における遺伝
子クローン化コピーの転写及びそれらmRNAの翻訳に
必要なDNA配列としてここでは定義される。このよう
なベクターは細菌、酵母、昆虫及び哺乳動物細胞のよう
な様々な細胞において原核又は真核細胞いずれかの遺伝
子を発現させるために用いることができる。タンパク質
はいくつかのウイルス系で発現させてもよい。適切に組
立てられた発現ベクターは、宿主細胞中における自己複
製用の複製源、限定数の有用な制限酵素部位、高コピー
数及び強プロモーターを含んでいるべきである。プロモ
ーターはDNAに結合してRNA合成を開始するように
RNAポリメラーゼを指示するDNA配列として定義さ
れる。強プロモーターとはmRNAを高頻度で開始させ
るものである。発現ベクターとしては格別限定されず、
クローニングベクター、修正クローニングベクター、特
にデザインされたプラスミド又はウイルスがある。
【0017】本発明のタンパク質は格別限定されず、そ
れらが血小板凝集阻害活性を留めているかぎり、天然タ
ンパク質の規定遺伝子により特定される完全タンパク質
として又はそのいずれかの断片もしくはサブユニットと
して又は完全タンパク質、その断片もしくはサブユニッ
トのハイブリッドとして存在してよい。ここで用いられ
る完全タンパク質とは、適切な遺伝子から産生される全
鎖長ポリペプチドに関する。完全タンパク質は適切なヘ
ビ毒の精製により又は対応組換え体由来遺伝子産物の適
切な発現ベクターでの発現により得てもよい。タンパク
質断片又はサブユニットとは、完全タンパク質よりも少
ないアミノ酸を有しかつ天然タンパク質と同様の条件下
で血小板凝集を阻害しうる能力を留めたタンパク質のい
ずれかの部分に関する。ハイブリッドタンパク質として
は格別限定されず、発現ベクター内における複数遺伝子
の発現に基づくタンパク質又は融合タンパク質がある。
融合タンパク質とは、発現ベクターによりコードされる
限定数のアミノ酸が発現されて発現が特定血小板凝集阻
害ポリペプチドへのそれらの結合を生じるものとして定
義される。複数遺伝子に基づくタンパク質としては、血
小板凝集阻害を高める第二ポリペプチド又はペプチドに
ペプチド結合で結合された特定ポリペプチドがある。
【0018】本発明の範囲内に属するポリペプチドは、
トリメレスラス・グラミネウス、エチス・カリナタス、
アグキストロドン・ピスシボラス、ビチス・アリエタン
ス及びエリストコフィス・マクマホニイのヘビ毒液から
単離された。これらポリペプチドのすべては強力な血小
板凝集阻害剤である。
【0019】エチス・カリナタス毒液から単離された阻
害剤の配列は配列番号:2である。この阻害剤は以下の
エチスタチンと称される。
【0020】アグキストロドン・ピスシボラス毒液から
単離された阻害剤の配列は配列番号:3である。 あるアミノ酸の同定はこの時点で不明であり、46番目
のアミノ酸以後の配列の同定も不明である。それにもか
かわらず本阻害剤は本発明の範囲内に属すると考えら
れ、以下アグキストロスタチンと称される。
【0021】ビチス・アリエタンス毒液から単離された
阻害剤の1配列は配列番号4である。本阻害剤は以下の
ビチスタチン1と称される。ビチス・アリエタンス毒液
から単離された阻害剤のもう1つの配列は配列番号:5
である。 本阻害剤は以下のビチスタチン2と称される。ビチス・
アリエタンス毒液から単離された阻害剤のもう1つの配
列は配列番号:6である。 本阻害剤は以下のビチスタチン3と称される。
【0022】エリストコフィス・マクマホニイ毒液から
単離された阻害剤の配列は配列番号:7である。 本阻害剤は以下エリストスタチンと称される。
【0023】ビチス・アリエタンス毒液から単離された
阻害剤のもう1つの配列は配列番号:8である。 ビチスタチン4と称されるこのポリペプチドは、反復血
栓形成のイヌモデルにおいてインビトロ(試験管内)、
エキソビトロ(生体外)及びインビボ(生体内)で評価
される血小板凝集の強力な阻害剤である。ビチスタチン
4は用量応答抗血栓効果を示したが、10μg/kg i.
v.(静注) が閾値抗凝集用量であり、100μg/kg i.
v.(静注) では血小板凝集の完全阻害を示す。
【0024】前記配列は式Iで定義される配列に属する
ポリペプチドの具体例であって、本発明の範囲を制限す
ると解釈されるべきではない。それらはアミノ酸配列決
定により決定された。天然対立遺伝子バリエーションも
存在することが理解されるであろう。これらのバリエー
ションは全体配列中におけるアミノ酸差異により又は前
記配列中におけるアミノ酸の欠失、置換、挿入、反転も
しくは付加により証明してもよい。
【0025】実施例1方法 物質 −エチス・カリナタスの毒液はユタ州ソールトレー
クシティのマイアミ・サーペンタリウム・ラボラトリー
ズ(Miami Serpentarium Laboratories)から購入した。
低分子量ペプチド標準、セファデックスG−50及びモ
ノSFPLC(Mono SFPLC) カラムはファルマシア社
(Pharmacia, Inc.)から得た。サーバリト・プレコート
(Servalyt Precote) 等電点電気泳動ゲルはサーバ・フ
ァイン・バイオケミカルズ社(Serva Fine Biochemical
s, Inc.)から購入し、等電点電気泳動マーカータンパク
質はBDHケミカルズ社(BDH Chemicals, Ltd.)から購
入し、C18 HPLCカラムはバイダック(Vydac)の
製品であった。
【0026】血小板の調製 ウサギ全血をニュージーランド白ウサギから集めた。血
液を200xgで10分間遠心した。上澄の血小板に富む
血漿をアピラーゼ(20μg/ml)及びPGE1 (5ng
/ml)の存在下800xgで15分間遠心した。ペレット
を洗浄緩衝液(138mM NaCl 、2.9mM KCl、0.31mM
Na2HPO4、1mM MgCl2、pH6.5の5mM HEPES、5mMグル
コース、0.1% NaHCO3 、1mM EGTA 及び0.35%牛血
清アルブミン)10mlに再懸濁した。アピラービを最終
濃度20μg/mlまで加えた。再懸濁されたペレットを
800xgで15分間遠心し、しかる後2回目として同一
緩衝液で洗浄した。次いで洗浄された血小板を濃度2〜
5×108 細胞/mlでpH7.4の無EGTA洗浄緩衝液に
懸濁した。
【0027】血小板凝集アッセイ 血小板凝集は凝集計において37℃で測定した。反応混
合液は洗浄された血小板(2〜5×108 細胞/ml)、
フィブリノーゲン(100μg/ml)、Ca2+(1mM) 、
ADP(10μM)、エピネフリン(2μg/ml)及び
試験される血小板凝集阻害剤分画を含有していた。凝集
は他の成分が加えられてから1分間後にADP及びエピ
ネフリンを加えることで開始させた。反応は少なくとも
2分間続けた。凝集の阻害度は阻害剤の非存在下で観察
された凝集の百分率として表示された。
【0028】エチスタチンの精製 ウサギ血小板凝集アッセイは精製時における活性をモニ
ターするために用いた。エチス・カリナタス凍結乾燥毒
液(1g)を20mM DTT含有pH7.7の10mM炭酸水
素アンモニウム12mlに溶解した。室温で15分間後、
溶液を45,000xgで45分間遠心した。ペレットを捨て、
上澄を平衡化されたセファデックスG−50の2.5×1
25cmカラムにのせ、4℃においてpH5.3の10mM M
ESで溶出させた。血小板凝集阻害活性含有分画をプー
ルし、減圧濃縮した。セファデックスG−15のカラム
で脱塩後、タンパク質10〜13mgをpH5.3の10mM
MESで平衡化させたモノS FPLCカラムにのせ
た。結合タンパク質を4℃において0〜0.3M NaClか
らpH5.3の10mM MESまでの直線勾配で分別した。
流速は0.6ml/min であった。阻害活性は約0.17M N
aCl で単一ピークとして溶出した。プールされた活性を
水中0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸で平衡化されたC1
8逆相HPLCカラムに直接のせた。カラムを室温にお
いて0.1%水性TFA中の多相アセトニトリル勾配によ
り流速0.7ml/min で展開した。阻害活性は17%のア
セトニトリル濃度で単一ピークとして溶出した。揮発性
物質を減圧遠心しかる後凍結乾燥で除去した。得られた
タンパク質はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、
等電点電気泳動、逆相HPLCでの再クロマトグラフィ
ー及びN末端配列決定により判断したところ均一であっ
た。我々がエチスタチンと命名した精製タンパク質の収
量は、出発物質1gから2.2mgであった。
【0029】SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 我々はレムリ(Laemmli)系(ネーチャー、1970年、
第227巻、第680−685頁;参考のため本明細書
に組込まれる)の修正法を用いた。濃縮用及び分離用ゲ
ル(1.5mm)は各々8%及び20%ポリアクリルアミド
を含有していた。尿素(8M)を分離用ゲルに加えた。
ゲルを85ボルトで1.5時間しかる後90ボルトで17
時間作動させた。タンパク質をクマシーブリリアントブ
ルーR−250染色で検出した。等電点電気泳動 サーバリト・プレコート(Sewalyt Precote)等電点電気
泳動ゲルを用いた。サンプルをLKBウルトラフォア
(LKB Ultraphore) 装置中1Wの一定電力で作動させ
た。ゲルをサーバ・ブルーW(Serva Blue W) で染色し
た。
【0030】還元されたカルボキシメチル化エチスタチ
エチスタチン(タンパク質0.75mg)を0.6mlの用量中
0.28Mトリス及び6.7M塩酸グアニジンの存在下20
mMDTTで室温にて1時間かけ還元した。次いでヨード
酢酸(0.06ml)を最終濃度0.136Mまで加え、アル
キル化を室温で20分間続けた。還元されたカルボキシ
メチル化エチスタチンをC18逆相HPLCで試薬から
単離した。エチスタチンのキモトリプシン開裂 エチスタチンを基質対プロテアーゼ比40:1(w/w)で
キモトリプシンにより切断した。タンパク質分解反応を
pH7.8の0.2M炭酸水素アンモニウム中37℃で4時間
行った。次いで反応混合液を凍結乾燥し、キモトリプシ
ン処理ペプチドを逆相HPLCで単離した。
【0031】アミノ酸配列決定 精製されたエチスタチン及び選択されたキモトリプシン
処理断片は、製造業者供給のシークエンサープログラム
及び試薬を用いてアプライド・バイオシステムズ470
Aシークエンサー(Applied Biosystems 470ASequence
r)による自動タンパク質配列分析に付した。放出された
アミノ酸誘導体をオンラインHPLC系の補助で同定し
た。タンパク質決定 タンパク質はローリー(Lowry)ら(ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー、1951年、第193
巻、第265−275頁;参考のため本明細書に組込ま
れる)の方法により標準として牛血清アルブミンを用い
て決定した。
【0032】結 果 精製 エチスタチンを3つのクロマトグラフィー工程でエチス
・カリナタスの凍結乾燥毒液の可溶性部分から均一に精
製した。粗毒液中における血小板凝集促進活性の存在の
ため、阻害剤はこの分画中で信頼して検出できなかっ
た。しかしながら、セファデックスG−50でのゲル濾
過後に阻害活性の単一ピークが観察された。この活性を
モノS上陽イオン交換FPLCで最後にC18逆相HP
LCで更に精製した。凍結乾燥毒液1gから精製エチス
タチン2.2mgを得た。この物質は8M尿素存在下SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で及び等電点電気泳動
で単一バンドを示した。逆相HPLCによる再クロマト
グラフィーで、血小板凝集阻害活性と正確に一致する単
一の対称吸収ピークを生じた。エチスタチン製剤の均一
性に関する更なる確認は、天然又は還元されたカルボキ
シメチル化タンパク質のアミノ酸配列決定で得られた。
最初のシークエンサーサイクルで観察されたアミノ酸残
基だけがグルタミン酸であった。
【0033】分子量及び等電点 8M尿素存在下20%SDSポリアクリルアミドゲルで
の電気泳動時における還元エチスタチンの見かけ分子量
は5800ダルトンであった。これはアミノ酸配列(下
記参照)から計算される値と同様である。非還元条件下
においてタンパク質はやや遅く移動したが、これは見か
け分子量7000ダルトンに相当する。意外にも、天然
エチスタチンがヒドロキシエチルジスルフィドで処理さ
れた場合、見かけ分子量はわずか約4000ダルトンで
あった。おそらく不完全誘導に基づく副バンドがヒドロ
キシエチルジスルフィド処理エチスタチンで観察され
た。天然及びジスルフィド処理双方のエチスタチンは8.
3のpIを示した。ジチオスレイトール処理で、pI 7.5
の副バンドがpI 8.3の主バンドに加えて検出された。
【0034】アミノ酸組成 還元されたカルボキシメチル化タンパク質の加水分解の
20時間後に得られたエチスタチンのアミノ酸組成は表
1で示されている。この分析で得られた組成をその配列
から予想される場合と比較した(下記参照)。これら2
方法で得られたほとんどの値は近似的に一致した。アミ
ノ酸組成でみられるシステイニル残基の含量(6.7)は
配列から予想される場合(8) よりも低い。これはエチス
タチンの不完全カルボキシメチル化によるものであっ
た。
【0035】
【表1】
【0036】試験管内(インビトロ)での血小板凝集に
関するエチスタチンの効果 血小板凝集研究では、エチスタチンが0.1Mmg/mlフィ
ブリノーゲンの存在下ADPで誘導されるヒトゲル濾過
血小板凝集を阻害する上でトリグラミンよりも強力であ
ることを示す(IC50=30nM対150nM)。エチスタ
チンはADPコラーゲン、血小板活性化因子又はエピネ
フリンにより誘導されるヒト血小板の凝集を用量30〜
300nMで阻害する。
【0037】ヒト血小板に富む血漿 血液を正常ヒトボランティアから静脈穿刺で3.8%クエ
ン酸ナトリウム0.1容量中に吸引した。血小板に富む血
漿(PRP)を400xgで12分間遠心により調製し
た。凝集はADPコラーゲン、血小板活性化因子又はエ
ピネフリンをPRPに加えて行い、シエンコ(Sienco)
凝集計で測定した。
【0038】ヒトゲル濾過血小板 血液を正常ヒトボランティアから静脈穿刺で酸−クエン
酸塩−デキストロース(85mMクエン酸ナトリウム、6
4mMクエン酸、110mMデキストロース)0.1倍容量中
に吸引した。血小板に富む血漿を400xgで12分間遠
心により調製した。PGE1 (5μg/ml)を加え、血
小板を800xgで12分間遠心により回収した。血小板
ペレットをヒト血小板緩衝液(140mM NaCl、7.9mM
KCl 、3.2mM Na2HPO4 、6mMHEPES 、2%牛血清ア
ルブミン、0.1%デキストロース、pH7.2)に再懸濁
し、ヒト血小板緩衝液で予め平衡化させたセファロース
2Bで濾過した。血小板を計数し、ヒト血小板緩衝液で
2×108 /mlに調整した。
【0039】アミノ酸配列 エチスタチンのアミノ酸配列は還元されたカルボキシメ
チル化タンパク質の自動エドマン分解により得た。その
タンパク質はN末端グルタミン酸残基及びC末端トレオ
ニンを含めて49アミノ酸を有し、前記で示される。シ
ステインはエチスタチンの全アミノ酸中8残基、即ち1
6%以上であった。その配列決定は同様の結果で2回繰
返された。天然エチスタチンが配列決定された場合、シ
ステイニル残基が予想されるシークエンサーサイクルに
おいてPTHアミノ酸ピークは観察されず、更にこれら
残基の存在を確認した。これらシステイニル残基のジス
ルフィド状態は不明である。更にその配列の確認は還元
されたカルボキシメチル化タンパク質から単離されたキ
モトリプシン処理ペプチドの分析から得た(表2)。
【0040】
【表2】 エチスタチンは血小板表面上の糖タンパク質IIb/IIIa
複合体に結合するあるタンパク質に共通した配列Arg-Gl
y-Asp を残基24−26に含んでいる。この配列はフィ
ブリノーゲン分子上における推定血小板結合部位の一部
である。エチスタチンは8M尿素存在下でSDSポリア
クリルアミドゲル電気泳動時に異常な挙動を示した。天
然タンパク質は配列分析から得られる5400ダルトン
の値と比較して見かけ分子量7000ダルトンで移動し
た。非還元条件下において内鎖ジスルフィド結合のある
タンパク質は予想量以下のSDSと通常結合したが、但
し事前の還元では内鎖ジスルフィド結合を欠くタンパク
質でみられるレベルまでSDS結合性を増加させる〔ピ
ット・リバース(Pitt-Rivers)ら、バイオケミカル・ジ
ャーナル(Biochem. J.)、1968年、第109巻、第
825−830頁〕。このためSDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動時における還元エチスタチンの移動性増
加は、このタンパク質がその天然コンホメーションにお
いて1以上の内鎖ジスルフィド結合を含むことを示唆し
ている。80mMジチオスレイトールによる室温で20分
間のエチスタチン処理で血小板凝集に関するその阻害活
性を完全に破壊した。同様の条件下、80mMヒドロキシ
エチルジスルフィド処理では阻害活性の50%を失わせ
た。これらの結果はSDSゲル電気泳動研究の場合と同
様に、1以上の内鎖ジスルフィド結合がその阻害活性に
必要なエチスタチンのコンホメーションを維持する上で
重要な役割を果たすことを示している。
【0041】実施例2 実施例1で用いられたタンパク質精製及び決定の方法
が、アグキストロドン・ピスシボラス毒液中に存在する
血小板凝集阻害剤を単離及び同定するために用いられ
た。アミノ酸配列が前記のように同定されるタンパク質
は血小板凝集阻害剤の特徴を示した。
【0042】実施例3 実施例1で用いられたタンパク質精製及び決定の方法
が、ビチス・アリエタンス毒液中に存在する血小板凝集
阻害剤を単離及び同定するために用いられた。アミノ酸
配列が前記のように同定されるタンパク質は血小板凝集
阻害剤の特徴を示した。
【0043】実施例4 実施例1で用いられたタンパク質精製及び決定の方法
が、ビチス・アリエタンス毒液中に存在する第二の血小
板凝集阻害剤を単離及び同定するために用いられた。ア
ミノ酸配列が前記のように同定されるタンパク質は血小
板凝集阻害剤の特徴を示した。
【0044】実施例5 実施例1で用いられたタンパク質精製及び決定の方法
が、ビチス・アリエタンス毒液中に存在する第三の血小
板凝集阻害剤を単離及び同定するために用いられた。ア
ミノ酸配列が前記のように同定されるタンパク質は血小
板凝集阻害剤の特徴を示した。
【0045】実施例6 実施例1で用いられたタンパク質精製及び決定の方法
が、エリストコフィス・マクマホニイ毒液中に存在する
血小板凝集阻害剤を単離及び同定するために用いられ
た。アミノ酸配列が前記のように同定されるタンパク質
は血小板凝集阻害剤の特徴を示した。本発明による式I
の様々なポリペプチド類の化学的均一精製で、分子のア
ミノ酸配列決定をなしえた。式Iで示されたアミノ酸配
列に基づき、有利に開示アミノ酸配列に対応する合成遺
伝子を製造しかつ適切なクローニングベクターでその遺
伝子を適切な宿主に導入することができる。一方、純粋
なポリペプチドは毒産生細胞から天然遺伝子を得てしか
る後組換え及びクローニングによって製造してもよいと
考えられる。したがって、本発明の範囲はここで開示さ
れたクロマトグラフィー操作に従い単離されたポリペプ
チド又は式Iに属するポリペプチドに単に限定されず、
遺伝子工学技術で製造されるようなこれらポリペプチド
も含むと理解される。
【0046】実施例7 組換え体-leu28−エチスタチンに関するDNA及びプ
ラスミド組立て並びにタンパク質発現 すべての酵素及びDNA分子量マーカーはニューイング
ランド・バイオラブス(New England Biolabs)製であっ
た。ジデオキシDNA配列決定キットはユナイテッド・
ステーツ・バイオケミカル・コーポレーション社(Unit
ed States Biochemical Corporation Inc.) から購入し
た。コンピテント大腸菌Jm109はストラタジェン(St
ratagene) から購入した。すべての他の試薬は分析用又
は電気泳動用グレードであった。すべてのオリゴデオキ
シヌクレオチドはメチルホスホアミジトを用いてアプラ
イド・バイオシステムズ380B DNAシンセサイザ
ーで合成した。濃アンモニアで脱保護後、オリゴデオキ
シヌクレオチドをファルマシアNAP−10ゲル濾過カ
ラムで脱塩した。すべてのオリゴデオキシヌクレオチド
をATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化
したが、但し2つのオリゴデオキシヌクレオチドは双方
の鎖の5′末端で突出していた。キナーゼ処理された相
補的オリゴデオキシヌクレオチドを95℃に加熱し、し
かる後室温まで徐々に冷却させてアニーリングした。3
種の二本鎖の結合を全容量130μl中各二本鎖0.5nm
ol、pH7.8の50mMトリスHCl 、10mM MgCl2 、20
mMジチオスレイトール、1mMATP、50μg/ml牛血
清アルブミン及びT4DNAリガーゼ4000単位を含
有した反応混合液中14℃で15時間行った。結合混合
物を10%天然ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分別
した。組立てられたleu-28−エチスタチン遺伝子をポ
リアクリルアミドゲルから切出し、電気溶離させた。溶
離された leu28−エチスタチン遺伝子をキナーゼ処理
し、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで
沈澱させた後、それを発現ベクターに挿入した。
【0047】pJC264発現ベクターの組立て cheB遺伝子の3′−436bp及びcheY遺伝子の5′−2
63bp〔マツムラら、ジャーナル・オブ・バクテリオロ
ジー(J. Bact.) 、第160巻、1984年、第36−
41頁〕を含んだpLC1−28〔B.バッチマン(B. B
achmann)、大腸菌遺伝子ストックセンター(E. coli Ge
netic Stock Center) から入手〕からの714bp Hind
III-PstI断片をpUC13のHind III及びPstI部位に組
込んでクローニングした。cheY遺伝子に隣接するpUC
13のポリリンカー配列中における唯一のEcoRI 部位を
動かすため、PstI及びEcoRI 部位間のポリリンカー配列
を欠失させた。得られた発現ベクターpJC264は、
対象遺伝子をcheY遺伝子と融合させうる唯一のEcoRI 部
位を有している。pUC13及びcheB遺伝子を連結する
Hind III部位は、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノ
ウ(Klenow) 断片で補充しかつ合成BamH Iリンカーと結
合させることでBamHI部位に変換させた。合成組換え体
leu28−エチスタチン遺伝子は、下記条件、即ち全容
量20μl中pH7.8の50mMトリスHCl 、10mM MgCl
2 、20mMジチオスレイトール、1mM ATP、50μ
g/ml牛血清アルブミン及びT4DNAリガーゼ800
単位の存在下において前記で得た合成 leu28−エチス
タチン遺伝子の1/3をEcoRI 切断pJC264 0.1
μgと結合させることによりpJC264のEcoRI部位
に挿入した。結合は14℃で15時間行った。
【0048】受容細菌の形質転換及び陽性クローンの同
挿入された r-leu28−エチスタチン遺伝子を含んだp
JC264発現ベクターの1/3(7μl)を用いて、
標準条件下でJM109コンピテント細胞50mlを形質
転換させた。 r-leu28−エチスタチン遺伝子を含むク
ローンを制限地図作成により選択した。エチスタチンに
関するコード配列の存在はジデオキシ配列分析により確
認した。
【0049】細胞増殖及び融合タンパク質ペレットの製
培養物を一夜種培養物(1%v/v)で接種し、アンピシリ
ン100μg/ml含有LB培地で増殖させた。細胞密度
がOD600 読取り値0.2〜0.3に達したとき、IPTG
を最終濃度1mMまで加えた。細胞を更に10時間の増殖
後遠心により回収した。培養液3000mlからの細胞ペ
レットを最終容量50mlまで水に懸濁し、大チップ装備
フィッシャー・ソニック・ディスメンブレーター・モデ
ル300(Fisher Sonic Dismembrator Model 300)を用
い4℃で10分間最大出力で音波処理した。音波処理混
合液を20,000xgで15分間遠心した。ペレットを水8ml
に再懸濁し、pH7.4の15mMトリスHCl 及び0.5M Na
Cl中50%スクロース上に入れた。SW28ベックマン
ローター(SW28 Beckman rotor) 中6℃、13,000rpm で
30分間遠心後、不溶性 cheY-Leu 28−エチスタチン
融合タンパク質含有ペレットを水6mlに再懸濁した。
【0050】融合タンパク質の開裂 培養液1000mlからの融合タンパク質含有ペレットを
全容量13ml中の70%ギ酸中60mM臭化シアンで開裂
させた。反応を室温で15時間続けた。試薬を大量透析
及び凍結乾燥により除去した。
【0051】組換え体-leu 28-エチスタチンの精製及び
高次構造の復元(リホールディング) 開裂された融合タンパク質を最初60℃で5分間8Mグ
アニジンHCl で変性し、しかる後0.35Mトリス塩基及
び6MグアニジンHCl の存在下室温にて10分間0.15
Mジチオスレイトールで還元した。還元されたLeu-28
エチスタチンを0.1%トリフルオロ酢酸の存在下0〜6
5%アセトニトリル勾配でC18逆相HPLCにより精
製した。HPLC精製r-leu 28−エチスタチンを0.1
M酢酸アンモニウム中タンパク質濃度0.2mg/mlで酸化
的に高次構造を復元した。高次構造の復元反応は約12
時間毎に1回渦巻式に混合して室温で72時間続けた。
【0052】血小板凝集アッセイ 血小板凝集は光透過の増加により測定した。簡単にいえ
ば、r-leu 28−エチスタチンをゲル濾過ヒト血小板
(2×108 細胞/ml)、フィブリノーゲン(100μ
g/ml)及びCa2+ (1mM)含有反応混合液に加えた。
血小板凝集は他成分の添加1分間後にADP(最終濃度
10μM)を加えて開始させた。凝集率又は程度はエチ
スタチン非存在下で得られる最大光透過度の百分率とし
て表示した。
【0053】
【数1】
【0054】合成遺伝子のデザイン及び組立て 天然エチスタチンはpI8.3の49アミノ酸残基の一本
鎖ポリペプチドである。合成r-leu 28−エチスタチン
遺伝子をデザインし、大腸菌cheY遺伝子と融合させ
た。他のヘビ毒源から単離された血小板凝集阻害剤の一
次構造は、メチオニン28がこの阻害剤群で保存された
アミノ酸でないことを示した(ハーンら、ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー、第262巻、第
16157−16163頁、1987年)。したがっ
て、エチスタチンの28位メチオニンをロイシンで置き
換え、メチオニンを cheYタンパク質と組換え体-leu2
8エチスタチンとの間に挿入して、臭化シアン開裂部位
を形成させた。2つのEcoRI 付着末端を発現ベクターに
結合させるため隣接末端でデザインした。停止コドンを
3′−隣接EcoRI 部位のすぐ上流に挿入した。合成r-le
u 28−エチスタチン遺伝子は、結合部位にKpnI及びAv
aI制限部位を含む3つの二本鎖断片から組立てた。好ま
しい大腸菌コドンを構造遺伝子で用いたが、但し制限部
位を意図的に作成した。組立てられた遺伝子は制限地図
作成及びDNA配列分析により確認した。
【0055】発現ベクターの組立て 大腸菌で r-leu28−エチスタチンを発現させるため、
発現ベクターpJC264を用いた。そのベクターは既
に大腸菌で豊富かつ安定に発現されることが示された大
腸菌 cheYタンパク質のアミノ末端88アミノ酸につい
てコードする遺伝子を含んでいる(マツムラら、ジャー
ナル・オブ・バクテリオロジー、第160巻、第36−
41頁、1984年)。このベクターにおける CheY遺
伝子発現はpUC13からの大腸菌lac プロモーター−
オペレーターでコントロールされる〔メッシング(Mess
ing)、メソッズ・イン・エンザイモロジー、ウー(Wu)
ら編集、アカデミックプレス(Academic Press) 、ニュ
ーヨーク、第101巻、第20−78頁、1983
年〕。pJC264中の cheY遺伝子に続いて、唯一の
PstI及びEcoRI 部位は新規オープン読取り枠のクローニ
ング及び cheY融合タンパク質としてそれらの誘導可能
な発現を容易化する。合成 r-leu28−エチスタチン遺
伝子をpJC264のEcoRI 部位に挿入した。このベク
ターは現発現系以上の利点をいくつか有している。 Che
Y融合体は通常高レベルで発現される〔下記及びベイリ
ー(Bailey) ら、ジャーナル・オブ・インダストリアル
・マイクロバイオロジー(J. Indust. Micro.)、第2
巻、第47−52頁、1987年参照〕。そのベクター
は高コピー数プラスミドpUC13から誘導され(メッ
シング、メソッズ、イン・エンザイモロジー、ウーら編
集、アカデミック・プレス、ニューヨーク、第101
巻、1983年、第20−78頁)、効率的複製が観察
される高発現レベルに寄与しているのであろう。CheY
融合タンパク質は通常不溶性封入体としてみられる。こ
の不溶性は融合タンパク質の精製で活用することができ
る。タンパク質の不溶性は細胞内プロテアーゼによるそ
の分解も防止するかもしれない。小サイズの CheY部分
のために、対象タンパク質の質量比はより大きくて更に
普通に用いられるβ−ガラクトシダーゼとの融合で得ら
れる場合よりも高い。最後に、 CheYタンパク質中でシ
ステイン残基が不存在であれば融合タンパク質における
不正確なジスルフィド結合形成の潜在的問題を回避しう
る。
【0056】組換え体−leu 28−エチスタチンの発現 大腸菌JM109での組換え体-leu28−エチスタチン
の発現を前記のようにIPTGで誘導した。誘導後に異
なる時間で発現産物を14%SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動により分析した。誘導2時間後、予想分子
量 cheY−エチスタチン融合タンパク質のポリペプチド
(14.5kDa)を全細胞溶解物中から検出した。誘導6時
間後、このタンパク質は全細胞タンパク質の少なくとも
20%とみられる最大レベルまで蓄積した。発現タンパ
ク質は細胞の音波処理後不溶性であったが、これは封入
体が発現時に形成されたことを示している。音波処理ペ
レットを組換え体-leu28−エチスタチンの単離のため
臭化シアン開裂に付した。
【0057】組換え体−leu 28−エチスタチンの精製
及び復元 臭化シアン開裂されたタンパク質を精製前に6Mグアニ
ジンHCl 存在下過剰のジチオスレイトールで還元した。
逆相HPLCによる還元タンパク質の分別では、還元さ
れた天然エチスタチンの場合と同様の保持時間を有する
ピークを示した。このピークからのタンパク質のアミノ
酸配列分析では、それが純度90%以上の組換え体-leu
28−エチスタチンを含むことを示した。還元エチスタ
チンはHPLC時に0.1%トリフルオロ酢酸(約pH2)
中に存在していたため、組換え体-leu28−エチスタチ
ン内におけるチオール−ジスルフィド交換反応は非常に
遅いと予想された。したがって、凍結乾燥エチスタチン
を更に変性及び還元させずに0.1M酢酸アンモニウム存
在下で直接高次構造を復元させた。不活性タンパク質の
復元はチオール/ジスルフィド混合物を復元溶液に加え
ることで促進されることが提案された〔タム(Tam)ら、
ネーチャー、第309巻、1984年、第376−37
8頁〕。我々は6MグアニジンHCl 存在下0.5mMジチオ
スレイトール及び1mM酸化ジチオスレイトールで組換え
体-leu28−エチスタチンを復元させた。しかしなが
ら、高次構造の復元されたエチスタチンの収量はかかる
条件下で増えなかった。正確にホールドされたエチスタ
チンは逆相HPLCで未ホールド種から単離した。HP
LCプロフィールでは、30%以上の還元エチスタチン
が所定条件下で正確にホールドされていることを示し
た。精製操作で得られる正確にホールドされた純粋エチ
スタチンの量は細胞培養物1リットル当たり約1.5mgと
見積もられた。組換え体-leu28−エチスタチンを天然
エチスタチンよりやや高濃度のアセトニトリルでC18
カラムから溶出させた。これは天然エチスタチンの28
位メチオニンを組換え体-leu28−エチスタチンでロイ
シンに代えた結果であろう。組換え体-leu28−エチス
タチンのN末端アミノ酸配列を自動エドマン分解で決定
した。N末端から残基32までの配列は、残基28にお
けるロイシンからメチオニンへの置換を除き天然配列と
同一であることがわかった。
【0058】組換え体−leu 28−エチスタチンの生物
活性 組換え体-leu28−及び天然エチスタチンの生物活性比
較は表5で示されている。エチスタチンによる血小板凝
集阻害はADP添加後ヒトフィブリノーゲン及びCaCl2
の存在下で測定した。天然エチスタチンと同様に組換え
体タンパク質はADP添加後光透過度の初期減少に影響
を与えなかったが、これは阻害剤が血小板活性化に影響
を与えなかったことを示している。組換え体-leu28−
エチスタチン及び天然エチスタチンは、凝集率又は程度
に関して測定したところ、同様のIC50で血小板凝集を
阻害した。したがって、組換え体-leu28−エチスタチ
ンは血小板凝集に影響を与えうるその能力に関して天然
エチスタチンと同一のようである。その結果は、天然エ
チスタチン中28位におけるメチオニンの存在がこの血
小板凝集阻害剤の正確なホールディング及び生物活性に
関し必須でないことを示唆している。
【0059】組換えDNA技術の使用で、例えば基本D
NAの部位特定変異誘発により得られる単一又は複数ア
ミノ酸置換、欠失、付加又は代替で様々に修正された誘
導ポリペプチドを製造しうる可能性も存在している。誘
導ポリペプチドで生じるこのようなすべての対立遺伝子
バリエーション及び修正は、必須の特徴的血小板凝集阻
害活性が本質的に未変化のままであるかぎり本発明の範
囲内に含まれる。ポリペプチドは(1)その最初のアミノ
酸としてメチオニン(ATG出発シグナルコドン挿入の
せいで構造遺伝子の前に存在する)を有するように、
(2) メチオニンが細胞内又は細胞外で開裂されてその通
常最初のアミノ酸を有するように、(3) 慣用的シグナル
ポリペプチド以外のそのシグナルポリペプチド又は複合
タンパク質と共に(シグナルポリペプチド又は複合体は
細胞内又は細胞外環境下で特に開裂可能である)(英国
特許出願公開第2,007,676A号明細書参照)あるいは(4)
いかなる余分で不要なポリペプチドも開裂する必要なく
成熟形として直接発現により製造される。後者は、発現
ビヒクル(vehicle)タンパク質をそのシグナルペプチド
と共に発現するようデザインされた場合に所定宿主がシ
グナルペプチドを除去しないか又は効率的にしえないと
き特に重要である。いずれにしても、こうして産生され
た様々な形の血小板凝集阻害剤は回収されて、様々な血
管症状又は疾患の治療用にそれを適合させうるレベルま
で精製される。
【0060】式Iの合成ポリペプチド 本発明のポリペプチドはメリフィールド(Merrifield)
、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエ
ティ(J. Am. Chem. Soc.)、第85巻、第2149頁、
1964年で記載されるような固相合成を用いて製造し
てもよいが、ハウテン(Houghten) 、プロシーディング
・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス、
第82巻、第5132頁、1985年の合成のような当
業界で公知の他の相当化学合成法も利用可能なある。固
相合成は1982年1月21日付でリビア(Rivier) ら
に発行された米国特許第4,244,946 号明細書で一般的に
記載されるように保護アミノ酸を適切な樹脂にカップリ
ングさせてペプチドのC末端から開始されるが、その開
始は参考のため本明細書に組込まれる。この一般的タイ
プの合成例は米国特許第4,305,872 号及び第4,316,891
号明細書で記載されている。41残基ポリペプチドの固
相合成に関する説明はサイエンス、第213巻、第13
94−1397頁(1981年9月)のベール(Vale)
らによる論文で記載されているが、これはジャーナル・
オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、第103
巻、第3178頁、1981年のメルケ(Marke)らによ
る論文でみられる合成の更に詳細な説明である。
【0061】ポリペプチドを合成する場合、適切に保護
されたα−アミノ基を有するカルボキシル末端アミノ酸
をクロロメチル化ポリスチレン樹脂等にカップリングさ
せる。塩化メチレン中でトリフルオロ酢酸を用いるよう
なα−アミノ保護基の除去後に、合成の次のステップを
進めることができる。特定アミノ保護基除去用の他の標
準開裂試薬及び条件も公開文献で示されるように用いて
よい。次いで残りのα−アミノ及び側鎖保護アミノ酸は
樹脂に結合された中間化合物を得るため望ましい順序で
段階的にカップリングさせる。合成で各アミノ酸を別々
に加える代わりに、それらの一部を成長固相鎖への付加
前に互いにカップリングさせてもよい。適切なカップリ
ング試薬の選択は当業者の技術的範囲内に属する。
【0062】鎖が完全に組立られた後基が最終的に除去
されるまで、様々なアミノ酸部分の不安定側鎖基をその
部位で適切な保護基により保護しておくことはペプチド
の化学合成に共通している。アミノ酸又は断片における
α−アミノ基の保護も共通であって、その全体はカルボ
キシル基で反応するが、しかる後α−アミノ保護基を選
択的に除去させてその箇所で次の反応を行う。したがっ
て、合成ステップとしてペプチド鎖中に望ましい配列で
位置した各アミノ酸残基を含みこれら様々な残基が側鎖
保護基を有する中間化合物が製造されることは共通であ
る。次いでこれらの保護基は精製後に得られる望ましい
生成物を製造するように普通実質上同時に除去される。
望ましいアミノ酸配列が完成した後、中間ペプチドは樹
脂からペプチドを開裂させるだけでなく残りすべての側
鎖保護基を開裂させる液体HFのような試薬との処理で
樹脂支持体から除去される。次いでポリペプチドは、リ
ビアら、“ペプチド:構造及び生物学的機能”(Peptid
es : Structure and Biological Function) 、1979
年、第125−128頁で記載されるようにゲル浸透し
かる後セミプレパラティブHPLCによって精製するこ
とができる。少なくとも93%以上の純度(存在するす
べてのペプチドに基づく)が妥当に入手可能であって、
臨床試験及び/又は使用上好ましい。純度98%が実用
的であるが、しかしながらあるインビトロ(試験管内)
適用のためには更に低い純度であっても許容しうる。し
たがって、ポリペプチドは実質上純粋な形である場合に
有用と考えられるが、この適用目的にとってそれは存在
する全ペプチドに基づき少なくとも約50重量%を意味
する。本発明の様々なポリペプチドの例及び合成方法が
以下で示されている。
【0063】実施例8 アプライト・バイオシステムズ430A(ABI)ペプ
チドシンセサイザーでの合成に必要なBoc−O−ベンジ
ルトレオニン−PAM樹脂、Boc保護アミノ酸及び他の
すべての試薬は製造業者から得た。側鎖保護Asp 、Glu
及びHis はビーチャム社(Bachem, Inc.)から供給され
た。溶媒のジメチルホルムアミド(DMF)及び塩化メ
チレン(CH2Cl2) はバーディック・アンド・ジャクソン
(Burdick and Jackson)から得た。ジチオスレイトール
(DTT)はベセスダ・リサーチ・ラブス(Bethesda R
es. Labs)から購入した。ジチオエリトリトール(DT
T)はケミカル・ダイナミックス(Chemical Dynamics)
から得た。p−クレゾール及びp−チオクレゾールはア
ルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)から
得た。エチスタチン合成 Boc-Thr(Bzl)O-Pam-樹脂0.50mM(0.69g)(樹脂1
g当たりThr 0.72mMで置換)から出発し、ABI自動
ペプチドシンセサイザーを用いて合成を段階的に行っ
た。ケント及びクラーク−ルイス、1985年、生物学
及び医学における合成ペプチド、プロシ・ラブシステム
ズ・リサ・シンポ、編集アリタロら、エルスビア、オラ
ンダ、第29頁−57頁〔Kent and Clark-Lewis(1985)
SyntheticPeptides in Biology and Medicine, Proc. L
absystems Res. Symp., Eds. Alitalo et al., Elsevie
r, Netherlands, pp. 29-57 〕。アミノ酸は製造業者の
プレパックカートリッジ(各2mM)を用いて導入した。
側鎖保護はArg(Tos)、Asp(OcHz) 、Cys(Meb)、Glu(OcH
z) 、His(Bom)、 Lys〔Z(Cl) 〕、Ser(Bzl)、Thr(Bz
l)、 Tyr〔Z(Br) 〕であった。〔Tos,トシル;cHz 、シ
クロヘキシル;Meb 、4−メチルベンジル;Z(Cl) 、2
−クロロベンジルオキシカルボニル;Bom 、ベンジルオ
キシメチル;Bzl 、ベンジル;Z(Br) 、2−ブロモベン
ジルオキシカルボニル〕。対称無水物との二重カップリ
ング(CH2Cl2しかる後DMFとの溶媒交換で行う)をAr
g(Tos)、Asn 及びHis(Bom)以外のすべてのBoc 保護アミ
ノ酸に関して用いたが、その際DMF中ヒドロキシベン
ゾトリアゾールエステルを二重カップリングプロトコー
ルで用いた。トリフルオロ酢酸(TFA)脱保護中にお
けるCys 及びMet の望ましくない酸触媒酸化から保護す
るため〔ドレーパー(Draper) ら、ジャーナル・オブ・
メディシナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、第16
巻、第1326−1329頁、1973年〕、0.1%
(wt/v)DTEを除去剤として加えた。N末端Glu のカ
ップリング後にBoc 基をTFAで除去し、ペプチド−樹
脂を乾燥させた。N末端脱保護ペプチド−樹脂の最終重
量は4.15gであった。
【0064】HF開裂及び酸化 組立てられたペプチド−樹脂(2.0g)をHF装置〔ペ
ニンスラ・ラブズ社(Peninusula Labs. Inc.)、タイプ
1B〕中で1:1(v:v)p−チオクレゾール/p−
クレゾール3mlの混合液に懸濁した。系を機械真空ポン
プで排気し、HFを液体窒素冷却により凝縮させた(3
0ml)。0〜5℃で1.5時間撹拌後、反応混合液を液体
窒素トラップを用い減圧下で蒸発させた(20〜30分
間)。残渣をエーテルで摩砕し、濾過し、更にエーテル
で3回洗浄した。濾過された残渣を直ちに希酢酸の撹拌
溶液(0.4%/H2O)4リットルに移した。数分間の撹拌
後、混合液のpHを水酸化アンモニウムで8.0に調整し
た。濾過で樹脂を除去後、粗酸化生成物を5℃(18時
間)しかる後環境温度で(19〜20℃)で3日間撹拌
せずに維持した。分析HPLCを用いて酸化の進行をモ
ニターした。定性的エルマン(Ellman) 試験〔ハビーブ
(Habeeb) 、メソッズ・イン・エンザイモロジー、19
72年、編集ヒアーズ(Hirs)及びチマシェフ(Timashe
ff)、アカデミックプレス、ニューヨーク、第457−
464頁〕を用いて、精製処理前における遊離スルフヒ
ドリル基の消失をモニターした。この試験は残留p−チ
オクレゾールを除去するため凍結乾燥されたサンプル1
mlで行った。
【0065】粗製酸化エチスタチンの精製 粗製酸化溶液(4リットル)を酢酸(10ml)の添加で
酸性化し、C18シリカ(5×30cm、15m、300
A)カートリッジ〔ウォーターズ・アソシエーツ(Wate
rs Associates)〕に直接ポンプ注入した。生成物をプレ
パラティブHPLC〔セパレーションズ・テクノロジー
社(Separations Technology, Inc.) 〕で精製した。ス
テップ勾配(100ml増量)を1リットルから作り出
し、その各々について移動相の濃度を連続的に増加させ
た。流速70ml/min で生成物を溶出させた。RP−H
PLC(バイダックC18、218TP5415)で調べ
て均一な(>95%)分画をプールし、凍結乾燥して、
生成物72mgを得た。半純粋生成物は生成物ピークのシ
ヨルダーとしてより低極性の成分で汚染されていた。そ
の生成物を前記と同様に再度HPLCに付して更に精製
し、エチスタチン(54mg)を得た。0.25mMの出発物
質からみて、この重量は全収量の4%である。均一性は
分析HPLCで実証した。合成生成物と天然物質との同
時注入では単一ピークを示した。生成物は6N HCl で
加水分解後アミノ酸分析により(表3)及び自動エドマ
ン分解(ABI470Aプロテインシークエンサー)に
よって更に特徴付けた。
【0066】
【表3】 最大1.9%の試演率が観察された。第一ステップからの
PTHアミノ酸の高収率は、C末端Glu からピロGlu へ
の環化が生じなかったことも示した。
【0067】合成エチスタチンの還元及び高次構造の復
合成エチスタチン(0.50mg)をpH8.0の0.07M酢酸
アンモニウム(10mMDTT)1mlに溶解し、還元過程
しかる後分析HPLCに付した。1時間後、出発物質は
定量的に単一の還元生成物に変換された。径12mmの1
000MWカットオフセルロースチュービング〔スペク
トラム・メディカル社(Spectrum Medical Ind.)〕を用
いた0.07M酢酸アンモニウム緩衝液(pH8.0)(4リ
ットル)に対する還元生成物の透析(24時間)でエチ
スタチンのみを得た。エチスタチンが再酸化前にその完
全還元形で存在していることを証明するため、合成エチ
スタチンのDTT還元を前記のように但し6M塩酸グア
ニジン存在下で繰返した。分析HPLCでは、還元生成
物が同一時間を有することを確認した。セミプレパラテ
ィブHPLCによる還元エチスタチンの単離しかる後定
量的エルマン分析(ハビーブ、前掲)では、生成物がオ
クタヒドロ形であることを示した。
【0068】血小板凝集アッセイ 血小板凝集をクロノログ(chronolog)凝集計において3
7℃で測定した。反応混合液は洗浄された血小板(2×
108 /ml)、フィブリノーゲン(100mg/ml)、Ca
2+(1mM)及び試験される血小板凝集阻害剤分画を含有
していた。凝集は他成分が添加されてから1分間後に1
0mM ADPを加えることで開始した。反応を少なくと
も2分間続けた。凝集阻害度は阻害剤非存在下で観察さ
れる凝集率の百分率として表示した。合成エチスタチン
は天然エチスタチンの場合と区別しえない化学的及び生
物学的性質を有している(表4)。
【0069】
【表4】 ヒト血小板凝集率を50%(IC50)阻害させる上で必
要なペプチド濃度はドナー2〜4例の血小板を用いて調
べた。測定は各ドナーにつき2回行った。
【0070】実施例9〜20 実施例8で記載されたエチスタチンを製造する一般的合
成操作に従い、エチスタチンに類似した配列を有しかつ
一般式Iに属する多数のポリペプチドを製造した。
【0071】
【表5】 上記略称は様々な合成ポリペプチドについて示してい
る。実施例9〜15及び18において、置換された配列
位置数及び天然残基に代わる残基が示されている(例え
ば、実施例9において、天然エチスタチンで存在する2
7位の残基はPheで置き換えられている)。残基1〜2
6及び28−49は天然エチスタチンと同一である。実
施例16、17、19及び20はカルボキシル末端側の
残基が除かれた配列である(例えば、実施例20におい
て、残基42−49は除かれている)。実施例18のme
t SOはメチオニンスルホキシドを表す。
【0072】治療有用性 本発明のポリペプチドは、ヒト又は哺乳動物血小板凝集
又は付着の阻害が望まれるいかなる状況下において投与
してもよい。本発明のポリペプチドは急速に循環系から
排出され、短時間で強い抗血栓有効性が必要とされる状
況下で血小板凝集を阻害させる上で特に有用である。こ
のため、それらは動脈及び器官の処置及び/又は血小板
と人工表面との相互作用で血小板凝集及び消費を招く心
血管手術並びに抹消動脈手術(動脈移植、頚動脈内膜切
除)において有用性を有するであろう。凝集血小板は血
栓及び血栓塞栓を形成することがある。本発明のポリペ
プチドは血栓及び血栓塞栓の形成を防止するためこれら
の手術患者に投与してもよい。体外循環が血液に酸素供
給するため心血管手術でルーチンに用いられる。血小板
は体外循環路の表面に付着する。付着は血小板膜上のG
PIIb/IIIaと循環路表面に吸着されたフィブリノーゲ
ンとの相互作用に依存している〔グルツコ(Gluszko)
ら、アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー
(Amer. J. Physiol.)、1987年、第252巻H、第
615−621頁〕。人工表面から放出された血小板は
障害のある止血機能を示す。本発明のポリペプチドは付
着を妨げるために投与してもよい。
【0073】これらポリペプチドの他の適用としては、
血栓溶解療法中及びその後における血小板血栓、血栓塞
栓及び再閉塞の防止並びに冠動脈及び他の動脈の血管形
成術後及び冠動脈バイパス処置後における血小板血栓、
血栓塞栓及び再閉塞の予防がある。多数の臨床センター
において、これらの処置に付された患者は本発明のポリ
ペプチドと比較して弱い血小板凝集阻害剤である抗血小
板剤を既に投与されている。本発明のポリペプチドは心
筋梗塞を防止するために用いてもよい。これらのポリペ
プチドは血流中に実質的量でデリバリーするいずれかの
慣用的手段で投与される。それらは血小板凝集を阻害す
るためプラスミノーゲンアクチベーター又はストレプト
キナーゼのような血栓溶解剤と組合せてもよい。それら
はヘパリン、アスピリン又はワルファリンのような抗凝
血剤とも組合せてよい。静脈内投与が現在好ましい投与
経路と考えられる。それらは水に可溶性であり、したが
って溶液として有効に投与しうる。1つの適用例におい
て、適量のエチスタチンが血管形成術をうける心臓発作
患者に静脈内投与される。投与は血管形成術中又はその
数分前に行うが、血小板凝集を阻害する上で十分な量、
例えば約0.05〜2μMの定常状態血漿濃度に到達しう
る量で行う。患者がバイパス手術をうける必要がある場
合、エチスタチン投与は直ちに停止され、アスピリン又
はモノクローナル抗体(例えば7E3、ゴールドら参
照)のような他の物質でおきる手術時の合併症を引きお
こさず、その効果は投与中止後も数時間続く。
【0074】本発明は組換え一本鎖組織型プラスミノー
ゲンアクチベーター又はストレプトキナーゼ及び配列 H
2N-(Ch)-Cys-R-R-R-Arg-Gly-Asp-R-R-R-R-R-Cys-(Cx)-H
(各Rは同一又は異なるいずれかのアミノ酸を表す)を
有するポリペプチドを含む組成物にも関する。本発明は
患者において血栓溶解を促進しかつ再閉塞を防止する方
法にも関するが、その場合組換え一本鎖組織型プラスミ
ノーゲンアクチベーターの量及び配列 H2N-(Ch)-Cys-R-
R-R-Arg-Gly-Asp-R-R-R-R-R-Cys-(Cx)-H(各Rは同一又
は異なるいずれかのアミノ酸を表す)を有するポリペプ
チドの量を患者に投与する。
【0075】本発明のポリペプチドは骨への破骨細胞付
着を調節するために投与してもよい。径400ミクロン
以内の大きな多核細胞であって吸着及び骨組織の除去に
関して機能する豊富な好酸性細胞質を有する破骨細胞
は、骨吸収メカニズムの一部として骨に結合するインテ
グリンレセプターを用いる。骨スライスアッセイ〔アー
ネット(Arnett) 及びデンプスター(Dempster) 、エン
ドクリノロジー(Endocrinology)、第120巻、第19
827頁、1988年〕では、エチスタチンがラット破
骨細胞による骨スライスの孔形成を0.1mMのIC50で阻
害することを示す。標識骨粒子からの〔3H〕プロリン放
出によると、ニワトリ破骨細胞吸収のIC50は100mM
であった。比較すると、RGDS合成テトラペプチドは
ラット又はニワトリ吸収をIC50 0.1mMで阻害した。
3H〕プロリンで標識されたニワトリ破骨細胞と骨粒子
との付着実験で、エチスタチンの作用メカニズムは骨へ
の破骨細胞結合を阻害することであると確認した。エチ
スタチンは1nMカルシトニン又は1μMプロスタグラン
ジンE2 に関して考えられたように破骨細胞ラメリポジ
ウムの収縮を誘導する。
【0076】実施例21 破骨細胞をチャンバース(Chambers) ら、ジャーナル・
オブ・セル・サイエンス(J. Cell Sci.) 、第66巻、
第383−399頁、1984年で記載されるように1
〜3日令ラットの長骨から単離した。大腿骨、脛骨及び
上腕骨を軟組織からきれいに切出し、外科用メスで裂き
かつ削って、pH7〜7.2の199培地+10%熱不活化
牛胎児血清+100U/ml抗生物質〔ペニシリンG、ス
トレプトマイシン、アンホテリシンB、ギブコ(Gibc
o)、ニューヨーク〕に入れた。広孔ピペットで60回静
かに出入れした後、細胞懸濁液を110μmナイロンメ
ッシュ〔スペクトラ(Spectra)〕に通し、プラスチック
皿〔コスター(Costar) 、ケンブリッジ、マサチューセ
ッツ州〕、No. 1カバースリップ〔コーニング(Cornin
g)、ニューヨーク〕、ガラスキュベット〔ハーミナス
(Herminus) 〕又は骨スライスに等分した( アーネット
及びデンプスター、エンドクリノロジー、第120巻、
第602−608頁、1987年)。ラット破骨細胞培
養物に関するすべての実験は単離後最初の24時間以内
に行った。産卵メンドリの長骨から破骨細胞をザンボニ
ン・ザロンら、1989年及びブレアー(Blair)ら、ジ
ャーナル・オブ・セル・バイオロジー、第102巻、第
1164−1172頁、1986年の方法により単離し
た。髄様骨はCa不足食〔5070C−9、プリナ・ミル
ズ社(Purina Mills Inc.)、セントルイス〕で3〜6週
間飼育された産卵メンドリ〔デカルブXL(Dekalb X
L)〕の分割大腿骨及び脛骨から外科用メスで回収した。
PBS中4℃で洗浄後、懸濁液を110μmナイロンメ
ッシュに通し、しかる後0.2% NaCl 中37℃で3分間
浸透ショックを与えて、赤血球を溶解させた。細胞を3
50xg(5分間、4℃)で回収し、破骨細胞を50mlチ
ューブ(フィッシャー)中4℃で90分間70%血清で
沈降させた。次いで底液5mlを3ステップ(1.073、
1.099、1.143g/cm3 )ニコデンツ(Nycodenz)
勾配〔アキュレート(Accurate) 、コネチカット〕上に
入れ、4℃、350xgで20分間回転させた。下部第一
バンド(単球)から上部ペレットまでの細胞をプール
し、4℃でpH7〜7.2のα−MEM+10%血清+抗生
物質(ギブコ)+5μg/ml(シトシン−1−β−D−
アラビノフラノシド(シグマ)に再懸濁した。トリパン
ブルー(ギブコ)排除細胞を血球計数器(フィッシャ
ー)で直ちに計数し、48ウェルプレート(コスター)
のウェル、No. 1カバースリップ又はキュベット(フィ
ッシャー)当たり1〜2×106 全細胞(赤血球は計数
せず)で等分した。破骨細胞は典型的には全細胞群の1
0〜50%であったが、但し例外的収率も場合により観
察された。
【0077】吸収アッセイ ラット及びあるニワトリ破骨細胞の吸収は、アーネット
及びデンプスター、1986年で記載されるように低速
ダイヤモンドノコギリで切断された牛大腿骨の骨幹〔イ
ソメット(Isomet) 、ビュラー社(Buehler Ltd.) 、レ
イクグラフ、イリノイ州〕からの骨スライス(4.4×4.
4×0.2mm)を用いて測定した。70%エタノール中4
℃で貯蔵されたスライスを96ウェルプレート(コスタ
ー)中でラット細胞の場合完全199培地0.1ml又はニ
ワトリ細胞の場合完全α−MEM培地に入れて再水和さ
せた。湿潤CO2-空気中37℃でラット破骨細胞及びRG
D含有ペプチド〔メルク(Merck)〕と共に15〜18時
間のインキュベート後、骨スライスをアーネット及びデ
ンプスター、1986年で記載されるように失活させ、
固定し、脱水し、1%トルイジンブルーで染色させた。
吸収孔を直交ポラライザー及び回転式λ/4プレートで
反射光マイクロスコピーにより定量した〔サトー及びグ
ラッサー(Grasser)、ジャーナル・オブ・ボーン・ミネ
・リサ(J. Bone Min. Res.)、印刷中〕。ニワトリ破骨
細胞による吸収はブレアら、1986年で記載されるよ
うに標識骨粒子からの〔3H〕プロリン放出を測定するこ
とで追跡した。48ウェルプレート(コスター)中のニ
ワトリ細胞を完全α−MEM培地で3回洗浄し、しかる
後〔3H〕プロリンで標識された破砕ラット骨の20〜5
3μm 粒子100μgと共に1〜3日間インキュベート
した。〔3H〕プロリンで標識された骨は21日令ラット
に14日間〔3H〕プロリン(1mCi /ラット/日)を注
入することで得られ、しかる後骨をブレアら、1986
年で記載されるようにラットから切取り、脱水し、破壊
し、篩分けした。時間の関数としての吸収試験(図1a
及び1b)では、培養5〜6日目にニワトリ細胞の最大
破骨細胞活性を示した。したがって、1日間の吸収実験
において、未標識骨粒子(50μg、<20μm 分画)
を最初3日目にニワトリ細胞に加え、しかる後5日目に
標識骨(100μg、20〜53μm )+試験化合物
(メルク)を加えた。一方、標識骨(100μg)+化
合物を3日目に加え、培地を6日目にLKB液体シンチ
レーションカウンターで計数してもよい。
【0078】付着アッセイ3H〕プロリン標識骨粒子(20〜53μm )の付着性
は遊離及び結合プールを調べることで経時的に追跡し
た。48ウェルプレート中のニワトリ破骨細胞に標識骨
粒子100μgを加えた。遊離とは培養物を培地と共に
3回撹拌することで遊離される粒子として規定された。
結合とは1N NaOH中で6時間のインキュベート及び2
回の撹拌後に遊離される粒子として規定された。全細胞
を後者の処理で完全に破壊した。次いでサンプルをパッ
カード306オキシダイザー(Packard 306 oxidizer)
〔キャンベラ社(Camberra Inst.) 、ニュージャージー
州〕で灰化し、計数した(LKB)。
【0079】アデニル酸シクラーゼアッセイ ニワトリ破骨細胞を1μCi〔3H〕アデニン〔NENリサ
ーチ・プロダクツ(NEN Research Products)、ボスト
ン、マサチューセッツ州〕と共に37℃で2時間インキ
ュベートし、洗浄し、試験化合物の非存在下又は存在下
で1mMイソブチルメチルキサンチン(シグマ)と共に1
0分間インキュベートした。〔3H〕cAMPを他のヌク
レオチドからカラム分離し、サロモン(Salomon)ら、ア
ナライティカル・バイオケミストリー(Anal. Bioche
m.) 、第58巻、第541頁、1974年で記載される
ように計数した。
【0080】還元エチスタチン ジチオスレイトール30mgと共にGn緩衝液(6Mグア
ニジンHCl 、1mM EDTA、50mMトリス、pH8.2)
0.4mlに溶解されたエチスタチン(2mg)を流し、N2
下でシールし、40℃で90分間インキュベートした。
次いでヨードアセトアミド85mgを混合液に加え、N2
下40℃で40分間インキュベートした。反応混合液を
C−18逆相HPLC(ウォーターズ)によるクロマト
グラフィーに付し、分画を乾燥し、プロテインシークエ
ンサー〔モデル470A、アプライド・バイオシステム
ズ;ガン(Gan)ら、1988年参照〕で分析した。
【0081】RGD含有ペプチドは骨吸収を阻害するこ
とが観察された(図2a及び2b)。〔3H〕プロリンで
標識された20〜53μm 骨粒子と共にニワトリ破骨細
胞を又は牛大腿骨の骨幹からの骨スライスと共にラット
破骨細胞を異なる濃度のRGDS(●)、エチスタチン
(□)又はプロスタグランジンE2 (△)と一緒にイン
キュベートした。ニワトリ(2a)及びラット(2b)
破骨細胞はRGDSテトラペプチド(IC50=10〜1
00μMニワトリ、100μMラット)よりもエチスタ
チン(IC50=0.1μMニワトリ、0.1nMラット)に対
して感受性であった。ラット破骨細胞の吸収活性は1日
間吸収アッセイにおいてニワトリ破骨細胞と比較しエチ
スタチンに対して103 倍感受性であったが、しかしな
がら3例中2例のデータでは3日間ニワトリ破骨細胞に
加えられたエチスタチンが1μM以内で再吸収に関し有
意の効果を有することを示さず、これはエチスタチンが
培養中経時的に分解することを示唆している。比較とし
て、プロスタグランジンE2 はニワトリ破骨細胞の吸収
をIC50=1μMで阻害した。チャンバースら、エンド
クリノロジー、第116巻、第234−239頁、19
85年;アーネット及びデンプスター、1987年参
照。
【0082】骨吸収を阻害する上で合成エチスタチン中
におけるRGD配列の重要性を調べるため、非荷電アラ
ニンがアルギニンに代わったAla24 エチスタチンと共に
破骨細胞をインキュベートした(図3a)。エチスタチ
ンのRGD配列中においてアルギニンに代わる置換は、
ニワトリ(○)又はラット(●)破骨細胞の吸収活性に
関して1pM〜10μMの範囲内で有意の効果を示さな
かった(P>0.07、スチューデントt検定)。これら
のデータは、合成エチスタチンのRGD配列中における
Arg が骨吸収を阻害する上で重要であることを示唆して
いる。
【0083】吸収に影響を与える上で合成エチスタチン
中4つのジスルフィド結合の構造関与について理解する
ため、破骨細胞を還元エチスタチンと共にインキュベー
トした(図3b)。合成エチスタチン中全部で8つのシ
ステインは配列分析によるとカルボキサミドメチル化さ
れていることが確認されたが、但し残りの配列はもとの
ままであった。還元エチスタチンはほとんど阻害効果を
示さなかったが、これは三次構造も吸収を阻害する上で
重要であることを示唆している。追加研究ではニワトリ
破骨細胞に3日間加えられたエチスタチンがAla24 又は
還元エチスタチンの用量応答曲線と区別しえないことを
示したが、これはエチスタチンが培養中経時的に分解す
ることを示唆している。
【0084】付着実験では、合成エチスタチンが骨に結
合することから破骨細胞を妨げること示した(図4)。
3H〕プロリンで標識された骨の遊離及び結合粒子を3
7℃で5〜6日間の培養後ニワトリ破骨細胞と共にイン
キュベート時間の関数として調べた。合成エチスタチン
(□)(100nM)は破骨細胞への骨粒子の付着を15
0分間以内で有意に阻害した。Ala24 エチスタチン
(○)(10nM)は破骨細胞への骨付着の動態に関して
有意の効果を有さなかった。このエチスタチン濃度にお
いて、吸収は40%まで阻害されたが、破骨細胞形態に
関してほとんど効果を示さなかった。これらのデータは
RGD配列が骨への破骨細胞付着にとり必要であること
を示し、しかも吸収の阻害が骨への結合動態を長期化さ
せるのに寄与しうることを示唆している。
【0085】エチスタチンに対する抗体との免疫ケイ光
では、合成エチスタチンが近くの単核細胞又はニワトリ
破骨細胞よりもラット破骨細胞と結合することを示し
た。合成エチスタチン(7nM)とインキュベートされた
ラット及びニワトリ破骨細胞の1日間平行接触では、ニ
ワトリよりもラットの破骨細胞と強い染色を示した。エ
チスタチンケイ光はラット破骨細胞のいたるところで観
察されたが、ニワトリ破骨細胞の場合にはラメリポジウ
ムの端部及び細胞/ガラス界面の斑点領域に主に局在化
していた。これらの構造はラット及びニワトリ双方の破
骨細胞においてビトロネクチンレセプターに対する抗体
で染色されたポドゾームのようであった(ザンボニン・
ザロンら、1989年)。エチスタチン10μM以内の
高濃度では、ニワトリ破骨細胞の染色は7nMにおけるラ
ット破骨細胞の場合に近かった。これらのデータは、ラ
ット破骨細胞が単核細胞又はニワトリ破骨細胞よりもエ
チスタチンと高い親和性を有することを確認している。
【0086】RGD含有ペプチドは破骨細胞ラメリポジ
ウムの収縮を誘導することが観察された。ラット又はニ
ワトリ破骨細胞を異なる濃度のRGDS、エチスタチン
及びAla24 エチスタチンと共にインキュベートした。こ
れらすべてのペプチドは形態学的変化を誘導したが、但
しガラス上で単離1日後のラット破骨細胞はRGDSペ
プチドと比較して105 倍低い濃度のエチスタチン(4.
3nM)でラメリポジウムを収縮させた。この濃度におい
て、ラメリポジウムに対する効果は近くの単核細胞に関
して観察されなかった。同様の応答はAla24 エチスタチ
ンに関して但し高濃度(34nM)で観察された。ラット
破骨細胞のラメリポジウムは2時間以内にわたり追跡し
たところ10μM RGDS、43pMエチスタチン又
は3.4nMAla24 エチスタチンで収縮しなかった。これら
の濃度において、ラメリポジウムの伸張/収縮及び波打
ち運動性は増加した。単離1日後に観察されたニワトリ
破骨細胞は同濃度のRGDSペプチド(0.1mM)に応答
してラメリポジウムを収縮させたが、但しラット破骨細
胞と比較して103 倍高い濃度のエチスタチン(6μ
M)を要した。
【0087】骨基質への破骨細胞結合を阻害するため、
本発明のポリペプチドは静脈内、皮下、経口、経直腸、
局所、非経口、経眼、経鼻、経口腔及びその他の投与を
含めたいくつかの方法のうち1つで患者に投与される。
剤形としては錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、
カプセル、クリーム、軟膏、エアゾールその他がある。
投与されるポリペプチドの量は骨への破骨細胞付着を阻
害しうる量、例えば骨中で約0.1〜10nM、好ましい約
1nMの濃度に達しうる量である。骨への破骨細胞付着を
阻害するために適した医薬組成物は、活性成分として本
発明のポリペプチド又はその薬学上許容される塩と薬学
上許容されるキャリアとを含んでいる。“薬学上許容さ
れる塩”という用語は、無機及び有機酸及び塩基を含め
た薬学上許容される無毒性の酸又は塩基から製造される
塩に関する。本組成物としては経口、経直腸、経眼、経
肺、経鼻、経皮、局所又は非経口(皮下、筋肉内及び静
脈内を含む)投与に適した組成物があるが、但しいずれ
か所定のケースにおいて最も適した経路は治療される症
状の性質及び程度並びに活性成分の性質に依存してい
る。それらは単位投薬形として供給されることが都合よ
く、調剤業界で周知のいずれかの方法で製造される。
【0088】実用上、本発明のポリペプチドは慣用的医
薬配合技術に従い製剤キャリアと完全混合された活性成
分として混合することができる。キャリアは例えば経口
又は非経口(静脈内を含む)のような投与で望まれる製
剤形に応じて様々な形をとってよい。経口投薬形用の組
成物を製造する際には、例えば懸濁液、エリキシル及び
溶液のような経口液体製剤の場合で例えば水、グリコー
ル、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤等のよう
なキャリア又は例えば粉末、カプセル及び錠剤のような
経口固体製剤の場合でデンプン、糖、微結晶セルロー
ス、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等のよう
なキャリアの如きいずれか通常の製剤媒体が使用可能で
ある。それらの粉末容易性の理由から錠剤及びカプセル
が最も有利な経口投薬単位形であるが、その場合におい
て固体製剤キャリアが明らかに用いられる。所望であれ
ば、錠剤は標準的技術で糖衣化又は腸溶性コーティング
してもよい。前記通常の剤形に加えて、本ポリペプチド
は制御的放出手段及び/又は送出し(デリバリー)器具
で投与してもよい。
【0089】経口投与用に適した本発明の医薬組成物は
カプセル、カシュ剤又は錠剤のような個別的単位として
供給してもよく、各々が粉末又は顆粒としてあるいは水
性液体,非水性液体、水中油型エマルジョン又は油中水
型液体エマルジョンの溶液又は懸濁液として既定量の活
性成分を含有している。このような組成物はいかなる調
剤方法で製造してもよいが、但しすべての方法が1種以
上の必須成分からなるキャリアと活性成分とを配合する
工程を含んでいる。一般に、本組成物は活性成分を液体
キャリア、微細固体キリャア又は双方と均一かつ完全に
混合し、しかる後必要であれば製品を所望の供給品に成
形して製造される。例えば、錠剤は場合により1種以上
の補助成分と共に圧縮又は成形して製造される。圧縮錠
剤は適切な機械において場合により結合剤、滑沢剤、不
活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合させて活性成
分を粉末又は顆粒のような易流動形に圧縮することによ
り製造してもよい。成形錠剤は不活性液体希釈剤で湿潤
された粒末化合物の混合物を適切な機械で成形すること
により製造してもよい。骨への破骨細胞付着を阻害する
ために好ましい方法では、エチスタチン及び薬学上許容
されるキャリアからなる組成物を患者に投与する。
【0090】実施例22骨への破骨細胞付着を阻害する
ための組成物は、骨中で1nM濃度の活性成分に到達させ
るため静脈内投与用に製造される。本組成物は無菌塩水
中エチスタチンの等張溶液であって、その場合のエチス
タチン濃度は1μMである。
【0091】
【配列表】配列番号 :1 配列の長さ:49 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Glu Cys Glu Ser Gly Pro Cys Cys Arg Asn Cys Lys 1 5 10 Phe Leu Lys Glu Gly Thr Ile Cys Lys Arg Ala Arg 15 20 Gly Asp Asp Met Asp Asp Tyr Cys Asn Gly Lys Thr 25 30 35 Cys Asp Cys Pro Arg Asn Pro His Lys Gly Pro Ala 40 45 Thr
【0092】配列番号 :2 配列の長さ:49 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Glu Cys Glu Ser Gly Pro Cys Cys Arg Asn Cys Lys 1 5 10 Phe Leu Lys Glu Gly Thr Ile Cys Lys Arg Ala Arg 15 20 Gly Asp Asp Met Asp Asp Tyr Cys Asn Gly Lys Thr 25 30 35 Cys Asp Cys Pro Arg Asn Pro His Lys Gly Pro Ala 40 45 Thr
【0093】配列番号 :3 配列の長さ:46 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Gln Pro Ala Asn Pro Cys Cys Asp Ala Ala Thr 1 5 10 Cys Lys Leu Yhr Pro Gly Ser Gln Cys Ala Glu Gly 15 20 Leu Cys Cys Asp Gln Cys Lys Phe Ile Lys Ala Gly 25 30 35 Xaa Ile Cys Xaa Arg Ala Arg Gly Asp Asn... 40 45
【0094】配列番号 :4 配列の長さ:83 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Pro Pro Val Cys Gly Asn Glu Leu Leu Glu Glu 1 5 10 Gly Glu Glu Cys Asp Cys Gly Ser Pro Ala Asn Cys 15 20 Gln Asp Arg Cys Cys Asn Ala Ala Thr Cys Lys Keu 25 30 35 Thr Pro Gly Ser Gln Cys Asn His Gly Glu Cys Cys 40 45 Asp Gln Cys Lys Phe Lys Lys Ala Arg Thr Val Cys 50 55 60 Arg Ile Ala Arg Gly Asp Trp Asn Asp Asp Tyr Cys 65 70 Thr Gly Lys Ser Ser Asp Cys Pro Trp Asn His 75 80
【0095】配列番号 :5 配列の長さ:83 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Pro Pro Val Cys Gly Asn Glu Leu Leu Glu Gln 1 5 10 Gly Glu Asp Cys Asp Cys Gly Ser Pro Ala Asn Cys 15 20 Gln Asp Gln Cys Cys Asn Ala Ala Thr Cys Lys Leu 25 30 35 Thr Pro Gly Ser Gln Cys Asn His Gly Glu Cys Cys 40 45 Asp Gln Cys Lys Phe Lys Lys Ala Arg Thr Val Cys 50 55 60 Arg Ile Ala Arg Gly Asp Trp Asn Asp Asp Tyr Cys 65 70 Thr Gly Lys Ser Ser Asp Cys Pro Trp Asn His 75 80
【0096】配列番号 :6 配列の長さ:84 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Ser Pro Pro Val Cys Gly Asn Lys Leu Leu Glu 1 5 10 Glu Gly Glu Asp Cys Asp Cys Gly Ser Pro Ala Asn 15 20 Cys Gln Asp Gln Cys Cys Asn Ala Ala Thr Cys Lys 25 30 35 Leu Thr Pro Gly Ser Gln Cys Asn His Gly Glu Cys 40 45 Cys Asp Gln Cys Lys Phe Lys Lys Ala Arg Thr Val 50 55 60 Cys Arg Ile Ala Arg Gly Asp Trp Asn Asp Asp Tyr 65 70 Cys Thr Gly Lys Ser Ser Asp Cys Pro Trp Asn His 75 80
【0097】配列番号 :7 配列の長さ:49 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gln Glu Glu Pro Cys Ala Thr Gly Pro Cys Cys Arg 1 5 10 Arg Cys Lys Phe Lys Arg Ala Gly Lys Val Cys Arg 15 20 Val Ala Arg Gly Asp Trp Asn Asp Asp Tyr Cys Thr 25 30 35 Gly Lys Ser Cys Asp Cys Pro Arg Asn Pro Trp Asn 40 45 His.
【0098】配列番号 :8 配列の長さ:83 配列の型 :アミノ鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Pro Pro Val Cys Gly Asn Glu Llu Leu Glu Gln 1 5 10 Gly Glu Asp Cys Asp Cys Gly Ser Pro Ala Asn Cys 15 20 Gln Asp Gln Cys Cys Asn Ala Ala Thr Cys Lys Leu 25 30 35 Thr Pro Gly Ser Gln Cys Asn His Gly Glu Cys Cys 40 45 Asp Gln Cys Lys Phe Lys Lys Ala Arg Thr Val Cys 50 55 60 Arg Ile Ala Arg Gly Asp Trp Asn Asp Asp Tyr Cys 65 70 Thr Gly Lys Ser Ser Asp Cys Pro Trp Asn His 75 80
【図面の簡単な説明】
【図1a】ニワトリ破骨細胞活性に関する骨の孔数と培
養日数との関係を示した説明図である。
【図1b】ニワトリ破骨細胞活性に関する骨量と培養日
数との関係を示した説明図である。
【図2a】ニワトリ破骨細胞活性に関する吸収率と各用
量のエチスタチン、RGDS及びPGE2 との関係を示し
た説明図である。
【図2b】ラット破骨細胞に関する吸収率と各用量のエ
チスタチン及びRGDSとの関係を示した説明図であ
る。
【図3a】ニワトリ及びラット破骨細胞に関する吸収率
と各用量のAla24 エチスタチンとの関係を示した説明図
である。
【図3b】ニワトリ及びラット破骨細胞に関する吸収率
と各用量の還元エチスタチンとの関係を示した説明図で
ある。
【図4】破骨細胞付着阻害に関するエチスタチン及びAl
a24 エチスタチンの効果を経時的に示した説明図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/00 C 8214−4B (C12P 21/00 C12R 1:19) C07K 99:00 (72)発明者 ウイリアム エー.グラツサー アメリカ合衆国,18901 ペンシルヴアニ ア,ニユー ブリテン,カルーセル サー クル 82 (72)発明者 ロバート ジエー.ゴウルド アメリカ合衆国,18054 ペンシルヴアニ ア,グリーンレーン,グラヴエル パイク 973

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨への破骨細胞付着を阻害する組成物で
    あって、 下記一般式を有するポリペプチド: X-Cys-R-R-R-Arg-Gly-Asp-R-R-R-R-R-Cys-Y (上記式中XはH又は少なくとも1つのアミノ酸であ
    る;YはOH又は少なくとも1つのアミノ酸である;各
    Rは同一又は異なるいずれかのアミノ酸である)又はそ
    のポリペプチドの薬学上許容される塩の有効量及び薬学
    上許容されるキャリアを含むことを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】 下記ポリペプチド: Glu Cys Glu Ser Gly Pro Cys Cys Arg Asn Cys Lys 1 5 10 Phe Leu Lys Glu Gly Thr Ile Cys Lys Arg Ala Arg 15 20 Gly Asp Asp Met Asp Asp Tyr Cys Asn Gly Lys Thr 25 30 35 Cys Asp Cys Pro Arg Asn Pro His Lys Gly Pro Ala 40 45 Thr 又はそのポリペプチドの薬学上許容される塩及び薬学上
    許容されるキャリアを含む、請求項1記載の骨への破骨
    細胞付着を阻害する組成物。
  3. 【請求項3】 患者において骨への破骨細胞付着を阻害
    するための方法であって、患者に請求項1記載の組成物
    を投与することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 患者において骨への破骨細胞付着を阻害
    するための方法であって、患者に請求項2記載の組成物
    を投与することを特徴とする方法。
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