JPH0635480B2 - 肝実質細胞増殖因子 - Google Patents

肝実質細胞増殖因子

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JPH0635480B2
JPH0635480B2 JP60186146A JP18614685A JPH0635480B2 JP H0635480 B2 JPH0635480 B2 JP H0635480B2 JP 60186146 A JP60186146 A JP 60186146A JP 18614685 A JP18614685 A JP 18614685A JP H0635480 B2 JPH0635480 B2 JP H0635480B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、肝実質細胞増殖因子(hepatocytegrowth fact
or;HGF)、詳しくは肝実質細胞を生体外(in vitro)で培
養でき、これにより該細胞の維持、増殖を可能とする新
しい生理活性を有する蛋白質に関する。
従来の技術 肝臓は、生体中で最も高度に分化の進んだ最大の腺性器
官である。これは主に各種栄養素(糖質、蛋白質、脂
質、ビタミン、ホルモン等)の処理(代謝)、貯蔵、解
毒、分解、排泄等の重要な多種の機能を兼ね備えてお
り、なかでも生体内中間代謝の中心的役割を果たすこと
が知られている。また該肝臓の機能は、肝臓を構成する
各肝実質細胞が夫々担つていることが知られている。し
かるに生体内(in vivo)において肝臓は各種のホルモン
をはじめとする極めて複雑な環境下におかれており、こ
れを構成する上記肝実質細胞の機能等の研究は甚だ困難
である。
従つて本発明者は、上記肝実質細胞を、生体内と同等の
機能を維持した状態で、単純な生体外の系で再現するこ
とができれば、上記した肝機能の研究、あるいは種々の
ホルモン類、薬物等の肝実質細胞に対する作用等の研究
に極めて有用であるとの観点から、上記肝実質細胞を、
安定に継代培養できる生体外培養系の確立を目的として
鋭意研究を重ねてきた。
しかしながら、肝実質細胞は近年組織培養技術の急速な
発展に伴い、既に確立された各種の株細胞が活発に増殖
する哺乳動物血清の存在下でも、全く増殖が認められ
ず、通常約1週間で脱落が起り、その生体外長期継代培
養は不可能であつた。また本発明者らの研究によつて、
公知の各種株細胞の増殖を支持する因子(growth facto
r)等、例えば線維芽細胞増殖因子(fibrolast growth fa
ctor;FGF、Gospodarowicz、D.,J.Biol.Chem.
250、2515(1975))、血小板由来成長因子
(platelet-derived growth factor;PDGF,Ross,
R.,et al、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,71,120
7(1974))、ソマトメジン(somatomedines;Van
Wyk.J.J.et al.,Rec.Prog.Hormone Res.30,259
(1974))、インスリン様成長因子(insulin like
growth factor:IGF、Rinderknecht,E.et al.,J.Bio
l.Chem.,253,2769(1978),マルチプリケ
ーシヨン ステイムレーテイング アクテイビテイ(mul
tiplication stimulating activity:MSA,Dulak,N.
C.et al.,J.Cell,Physiol.81,153(197
3)),トロンビン(thrombin)、トランスフエリン(tra
nsferrin)等は、いずれも上記肝実質細胞の増殖には、
効果を奏しえないことが確認された。僅かにインスリン
(insulin)及び表皮成長因子(epidermal growth facto
r;EGF,Carpenter,G.et al.,Ann.Rev.Biochem.,
48,193(1979))に、肝実質細胞のDNA合
成の促進活性が認められたが、これ等もまたその利用に
より上記肝実質細胞の生体外継代培養は困難であつた。
本発明者らは引続く研究において、肝実質細胞は、上記
の通り血清自体の存在下では全く増殖し得ないにかかわ
らず、該血清中に含まれるある特定の蛋白成分の存在下
において生体外で極めて良好に増殖し、継代培養が行な
い得ることを見し出し、該特定の血清成分の分離に成功
し、この知見に基づく発明を先に完成した(特開昭60
−45534号公報)。
発明が解決しようとする問題点 更に本発明者らは引続き鋭意研究を重ねた結果、哺乳動
物の血小板より、特定の蛋白質性の肝実質細胞増殖因子
を単離するに成功し、これが生体外において肝実質細胞
を極めて良好に増殖させる活性を有することを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至つた。
問題点を解決するための手段 すなわち本発明は、下記理化学的性質及び生理活性を有
する塩基性蛋白質であることを特徴とする肝実質細胞増
殖因子(以下「HGF」と呼ぶ)に係る。
a)SDS−PAGEによる推定分子量が約27000
である、 b)陽イオン交換クロマトグラフィー[モノS:ファル
マシア社製;0.1から1.0MNaClの濃度勾配溶
出:10mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N′−2−エタンスルホン酸及び2mM CaCl
含む50mM トリス−塩酸緩衝液(pH=8.5)、
流速60ml/hr]において、約0.68MのNaCl
濃度に溶出され、ヘパリンクロマトグラフィー[ヘパリ
ン−セファロースCL−6B:ファルマシア社製;0.
3から2.0M NaClの濃度勾配溶出:10mM
トリス−塩酸緩衝液(pH=7.5)、流速20ml/h
r]において、約1MのNaCl濃度に溶出される、 c)70〜100℃、20分間の加熱処理により肝実質
細胞増殖活性が失活する、 d)1N酢酸水溶液による20℃、5時間の処理により
肝実質細胞増殖活性が失活する、 e)トリプシン消化(10μg/ml、2時間、37℃)
により肝実質細胞増殖活性が失活する、 f)肝実質細胞を生体外において増殖させる活性を有す
る、 g)哺乳動物の血小板に存在する。
本発明のHGFは、例えば哺乳動物の血小板より高収率
で単離され、且つ上記特性を有する点において特徴付け
られる。従来、哺乳動物の血小板由来の物質についても
各種の研究がなされているが、該血小板由来物質中に上
記肝実質細胞の増殖活性を有する因子が存在することは
全く知られておらず、勿論かかる因子を血小板より分離
した例は皆無であり、また現在までに血小板より分離さ
れた既知の物質は、いずれも上記活性を有していない。
更に、前記の血小板に由来するPDGFは、繊維芽細
胞、例えばBalb/c3T3細胞を生体外で増殖させる活
性を有することにより特徴付けられるが、本発明のHG
Fは該活性を有していない。
本発明HGFの上記特性及びその他の性状については、
後記実施例において詳述する。
本発明のHGFは急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、劇症肝
炎等の肝疾患の治療薬や創傷治療薬として、また上記各
疾患の診断薬として有用である。更に該HGFの利用に
よれば、ヒトをはじめとして各種動物由来の肝実質細胞
を、該HGFの存在下に生体外で極めて容易に増殖、維
持することができ、かくして増殖、維持される肝実質細
胞は、例えば肝機能等の基礎的研究用に、また各種ホル
モン若しくは薬剤等の肝実質細胞に対する作用の研究用
に、肝疾患治療薬等のスクリーニング試験用に、更に発
癌試験用及び肝炎ウイルスの生体外培養における宿主細
胞としても極めて有用である。本発明はかかる有用な生
理活性物質を提供するものである。
以下、本発明のHGFの製造方法につき詳述する。
本発明HGFは、例えば哺乳動物の血小板より効率よ
く、しかも高収率で単離することができる。ここで原料
として用いられる哺乳動物の血小板としては、特に限定
はなく例えばヒト、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウサ
ギ、マウス等に由来する血小板をいずれも利用すること
ができる。之等の血小板は、その起源とする哺乳動物の
血液より、常法に従い分離される。
本発明HGFは、上記により分離された血小板に、好ま
しくは適当な溶剤中で血小板凝集活性化物質を作用させ
て目的とするHGFを血小板外に放出させ、これを精製
することにより単離される。ここで用いられる血小板凝
集活性化物質としては、公知のもの、例えばコラーゲ
ン、トロンビン、1−O−ヘキサデカノイル−又は1−
O−オクタデカノイル−2−O−アセチル−sn−グリセ
ロ−3−ホスホコリン等の血小板活性化因子(PAF)
等を例示できる。また溶媒としては、血小板を破壊しな
い等張液であればよく、その具体例としては、例えば生
理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等を例示で
きる。
HGFの精製は、該HGFの物理的、化学的性質を利用
した各種の分離手段により実施することができる。該方
法としては具体的には例えば通常の蛋白沈澱剤による処
理、限外過、分子ふるいクロマトグラフイー(ゲル
過)、遠心分離、電気泳動、イオン交換クロマトグラフ
イー、アフイニテイ−クロマトグラフイー、逆相クロマ
トグラフイー、疎水性クロマトグラフイー、透析法、こ
れらの組み合せ等が挙げられる。特に好ましい精製手段
の一例としては、陽イオン交換クロマトグラフイーとヘ
パリンアフイニテイクロマトグラテイーとを組合せた方
法を例示できる。
該陽イオン交換クロマトグラテイーに用いられる担体と
しては、蛋白分離のために用いられている通常の各種陽
イオン交換クロマトグラフイー用の担体をいずれも用い
ることができる。その具体例としては、例えばCM−セ
ルロース(ワツトマン社製)、CM−セフアデツクス
(フアルマシア社製)、P−セルロース(ワツトマン社
製)、CM−トヨパール(CM−Toyopearl、東洋ソー
ダー社製)、SP−トヨパール(SP−Toyopearl、同
上社製)、モノS(Mono S、フアルマシア社製)等の陽
イオン交換樹脂を例示できる。
ヘパリンアフイニテイクロマトグラフイーに用いられる
担体としては、例えばセルロース、セフアデツクス、セ
フアロース、ポリアクリルアミド、ポリスチレン等の各
種の不溶性担体にヘパリンを共有結合により不溶化させ
た担体であればいずれも使用できる。
上記精製手段により精製された本発明のHGFは、通常
の蛋白質の純度検定手段、例えばSDS−PAGE、逆
相高速液体クロマトグラフイー等により均一な単品であ
ることが確認される。
実施例 以下に参考例及び実施例を示し、本発明をより具体的に
述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 <HGF活性の測定> ウイスター系雄ラツト(180〜200g)を用い、コ
ラーゲン還流法〔Tanaka,K.et al.,J.Biochem.(Toky
o),84,937〜946(1978)〕により肝実質
細胞を分離、調製した。この肝実質細胞を5%牛血清及
び10−8Mインスリンを添加したウイリアムスE培地
(フローラボラトリー社製)に懸濁させ、12ウエル−
マルチプレート(リンブロン社製)に3.3×10
/cm2の低濃度でまき込み、5%炭酸ガス及び30%酸
素ガスの存在下で培養した。培養4時間後、培地を5%
牛血清及び5×10−7Mデキサメサゾンを含むウイリ
アムスE培地に変換し、同時に所定量の被検試料(本発
明HGF又は他の各種増殖因子)を添加した。20時間
後、更に同一培地交換及び試料の添加を行なつた。
12時間後、H−チミジンの2.5μCi/ml(5
4.2Ci/m mol)を添加し、24時間培養した。
尚、上記H−チミジンによるラベルの15分前にアフ
イデイコリンの5μg/mlを添加した群をコントロール
群とした。上記24時間の培養によるラベル後、細胞を
PBSで洗い、冷10%トリクロル酢酸(TCA)水溶
液で固定した。細胞を1ウエル当り0.5mlの1N水酸
化ナトリウム水溶液により可溶化し、一部をとつて蛋白
質をローリー法に従つて測定した。残液にTCAを20
%となるように添加し、TCA不溶性画分を遠心沈殿に
より集め、5%TCA水溶液で洗浄後、10%TCA水
溶液1mlを加え、90℃で15分間煮沸し、上清画分の
放射能をトルエン−エタノール系シンチレーターにより
測定した。
被検試料により肝実質細胞DNAに取込まれたH−チ
ミジン量をコントロールとのカウントの差として求め、
これを肝実質細胞1mg蛋白量当りに換算してDNA合成
活性(dpm/mg蛋白)とし、これを被検試料のHGF活
性の指標とした。
尚、HGF活性を単位(U)で示す場合は、同一試験に
おいてEGF20ng/mlを用いた場合のDNA合成活性
(EGFは該用量で最大活性を示す)の50%に相当す
る活性を1単位として定義する。
参考例2 <PDGF活性の測定> PDGF活性の測定は、Balb/c 3T3細胞のDNA
合成促進活性により行なつた。
即ち、該3T3細胞を、10%牛血清を含むダルベツコ
改質MEM培地(DME、日水産業社製)に懸濁させ、
12ウエル−マルチプレートに1.25×10個/ml
の濃度でまき込み、5%炭酸ガスの存在下で4〜5日培
養した。次いで0.5%牛血清を含むDMEに培地交換
し、同時に所定量の被検試料を添加して20時間培養
後、Hチミジン54.2Ci/m molを添加(2.5
μCi/ml)し、更に4時間培養を続けた。尚、上記
Hチミジンによるラベルの15分前にハイドロキシウレ
ア25mMを添加した群をコントロール群とした。上記
4時間の培養によるラベル後、細胞をPBSで洗い、冷
10%TCA水溶液で固定し、更に5%TCA水溶液で
2回洗浄した。
細胞を1ウエル当り0.5mlの0.1N水酸化ナトリウ
ム水溶液によつて可溶化し、その放射能をトルエン−エ
タノール系シンチレーターにより測定した。被検試料に
より3T3細胞DNAにとり込まれたHチミジン量を
コントロールとのカウントの差として求め、これをウエ
ル当りに換算してDNA合成活性(dpm/ウエル)と
し、これを被検試料のPDGF活性の指標とした。
実施例1 100匹のラツト(200〜400g)から採血した
血液を遠心分離(200×g、15分)して上清を得、
これを更に遠心分離(2500×g、15分)して血小
板を沈渣として得た。これをリン酸緩衝生理食塩水(P
BS)にて2回遠心洗浄して、99%以上の純度の血小
板を得た。これをPBSに1×1011個/mlの濃度に懸濁
させ、2単位/mlのトロンビン(シグマ社製)の存在下
に37℃で15分間インキユベートして、血小板凝集を
誘発させた。
凝集完了後、血小板懸濁液に、フエニルメチルスルホニ
ルフルオリド(PMSF)を最終濃度1mMとなるよう
に加え、遠心分離(15000×g、10分間)して上
清を得た。以下これを「血小板遊出液」という。該血小
板遊出液のHGF活性を下記第1表に示す。
上記で得た血小板遊出液を、あらかじめ0.15M
NaCl、10mMN−2−ヒドロキシエチルピペラジ
ン−N′−2−エタンスルホン酸(HEPES)及び2
mMCaClを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(p
H=8.5)で平衡化したモノSカラム(Mono S;フア
ルマシア社製、カラムサイズ1×10cm)の陽イオン交
換クロマトグラフイー〔FPLC;フアルマシア社製〕
に付し、同緩衝液にて洗浄後、0.1から1.0MNa
Clの直線濃度勾配により溶出させた(流速60ml/h
r、2ml/チユーブ)。その結果を第1図に示す。
図において縦軸(1)は280nmにおける吸光度(A28
0)を、(2)はHGF活性(DNA合成活性)を、
(3)はPDGF活性(DNA合成活性)を、また
(4)はNaCl濃度を各々示し、横軸はフラクシヨン
No.を示す。
該図よりHGFは、約0.68MのNaCl濃度(フラ
クシヨンNo.26〜30)に溶出され、PDGFとは明
確に区別されることが判る。
上記のフラクシヨンNo.26〜30の画分を、1N
HClにてpH7.5に調製し、蒸留水にて3倍希釈し
た。これを0.3MNaClを含む10mMトリス−塩
酸緩衝液(pH=7.5)で平衡化したヘパリン−セフ
アロースCL−6B(フアルマシア社製)ベツドボリウ
ム2.2ml)に付し、同緩衝液で洗浄後、0.3から
2.0MNaClの濃度勾配溶出(流速20ml/hr、
1ml/チユーブ)を行なつた。結果を第2図に示す。
図において(1)は215nmにおける吸光度(A215)
を、(2)はHGF活性(DNA合成活性)を、(3)
はNaCl濃度を各々示し、横軸はフラクシヨンNo.を
示す。
該図よりNaCl濃度約1M(フラクシヨンNo.37〜
40)にHGFを得た。
上記〜の精製工程の結果を下記第2表に示す。
また上記各工程で得られたHGFの肝実質細胞増殖に与
える効果(HGF活性)の用量依存効果を下記第3表に
示す。
また上記で得たHGFと、EGF及びインスリン(In
s)のHGF活性を下記第4表に示す。
第4表より、HGF、EGF及びInsの効果は、各々相
加的であることが判る。
上記で得たHGFの200μを0.1(v/v)
%のトリフルオロ酢酸(TFA)及び10(v/v)%
のアセトニトリル水溶液で平衡化したプロRPCHR5
/5カラム〔ProRPCHR5/5(C8)、フアルマ
シア社製〕の逆相クロマトグラフイー(FPLC、フア
ルマシア社製)に付し、平衡化液(A液)からアセトニ
トリル50(v/v)の0.1(v/v)%TFA液
(B液)までの直線濃度勾配(90分)により溶出させ
た(流速30ml/hr、1ml/チユーブ)。その結果を
第3図に示す。
図において(1)は215nmにおける吸光度(A215)
を、(2)はB液の百分率(B%)を示し、横軸はフラ
クシヨンNo.である。
該図より、上記で得たHGFは、単一の蛋白ピークを
示し、均一であることが判る。
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS−PAGE) 12.5%アクリルアミドを用い、ラムリらの方法〔La
emmeli et al.,Nature,227,680−685(19
70)〕に従つて、上記で得たHGFのSDS−PA
GEを行なつた。泳動後、ゲルを40%メタノール−1
0%酢酸で90分にて固定化し、10%エタノール−5
%酢酸で洗浄後、銀染色を行なつた。
HGFは、単一のバンドとして染色され、その相対移動
度(Relative movility)より、約27キロダルトン(K
D)の分子量を有すると推定された。
その結果を第4図に示す。
図において●はHGFを示し、○の1〜6はそれぞれ以
下の分子量を有する分子量マーカーを示す。
○1…フオスホリラーゼb ;94KD ○2…BSA ;67KD ○3…オバアルブミン ;43KD ○4…炭素脱水酵素 ;30KD ○5…大豆トリプシンインヒビター ;20.1KD ○6…α−ラクトアルブミン ;14.4KD HGFの安定性試験 前記で得たHGFを、5ng蛋白量/mlに調製し、以下
の処理によるHGF活性の変化を調べた。
熱処理 ;70℃、20分処理した。
酸処理 ;酢酸を1Nとなるように加え、20℃、
5時間処理した。
トリプシン処理 ;トリプシン(シグマ社製)を10
μg/mlとなるように 加え、37
℃、2時間処理後、PMSFを1mMとなるように
加えて反応を停止した。
結果を下記第5表に示す。なお、第5表におけるラベリ
ングインデツクスは、肝実質細胞の増殖を反映する。該
インデツクスとは、前記参考例1において24時間の培
養によるラベル後、細胞を冷PBSで2回数洗浄し、固
定化(ジエンダー溶液、5分)後、サクラNR−M2
(小西六写真工業社製)でコートし、ラジオオートグラ
ムの調製に10日間感光させ、細胞をエオジン染色後、
50個の細胞を測定し、H−チミジンでラベルされた
核数(%、labelled nuclei)の測定値により表わされ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はモノSカラムを用いた陽イオン交換クロマトグ
ラフイーによる本発明HGF及び他の因子の溶出曲線を
示すものである。第2図はヘパリン−セフアロースCL
−6Bを用いたヘパリン親和性カラムクロマトグラフイ
ーによる本発明HGFの精製を示すグラフである。第3
図はプロRPC HR5/5カラムを用いた逆相クロマ
トグラフイーによる本発明HGFの溶出曲線を示す物で
ある。第4図はSDS−PAGEによる本発明HGFの
推定分子量を求めたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記理化学的性質及び生理活性を有する塩
    基性蛋白質であることを特徴とする肝実質細胞増殖因
    子。 a)SDS−PAGEによる推定分子量が約27000
    である、 b)陽イオン交換クロマトグラフィー[モノS:ファル
    マシア社製;0.1から1.0MNaClの濃度勾配溶
    出:10mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
    N′−2−エタンスルホン酸及び2mM CaCl
    含む50mM トリス−塩酸緩衝液(pH=8.5)、
    流速60ml/hr]において、約0.68MのNaCl
    濃度に溶出され、ヘパリンクロマトグラフィー[ヘパリ
    ン−セファロースCL−6B:ファルマシア社製;0.
    3から2.0M NaClの濃度勾配溶出:10mM
    トリス−塩酸緩衝液(pH=7.5)、流速20ml/h
    r]において、約1MのNaCl濃度に溶出される、 c)70〜100℃、20分間の加熱処理により肝実質
    細胞増殖活性が失活する、 d)1N酢酸水溶液による20℃、5時間の処理により
    肝実質細胞増殖活性が失活する、 e)トリプシン消化(10μg/ml、2時間、37℃)
    により肝実質細胞増殖活性が失活する、 f)肝実質細胞を生体外において増殖させる活性を有す
    る、 g)哺乳動物の血小板に存在する。
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