JPH04295500A - 新規な巨核球増幅因子とその製法 - Google Patents

新規な巨核球増幅因子とその製法

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JPH04295500A
JPH04295500A JP3060731A JP6073191A JPH04295500A JP H04295500 A JPH04295500 A JP H04295500A JP 3060731 A JP3060731 A JP 3060731A JP 6073191 A JP6073191 A JP 6073191A JP H04295500 A JPH04295500 A JP H04295500A
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megakaryocyte
amplification factor
cells
megakaryocyte amplification
producing
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JP3060731A
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Inventor
Shuhei Kondo
修平 近藤
Kohei Ogawa
行平 小川
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血小板減少症等の疾患の
治療に有用な巨核球増幅因子、及びその製法に関する。 更に詳しくは、本発明は、ヒト由来細胞の培養によって
得られた培養上清より精製された、巨核球の増幅を活性
化する作用を有する、新規な蛋白質、及びその製法に関
する。
【0002】本発明はまた、ヒト由来細胞の培養による
該巨核球増幅因子の製造工程において、細胞による該因
子の生産量を増大せしめるために、培地中に該因子産生
促進剤を添加する、新規な巨核球増幅因子の製法に関す
る。本発明はまた、遺伝子工学の技術を応用した、ヒト
巨核球増幅因子の製法に関する。
【0003】
【従来の技術】血小板は血管の破れによって起こる出血
を、生体が自然に止める血栓形成、及び血液凝固の過程
において、その促進に重要な働きを担っている。血小板
の産生を特異的に促進する因子とされるトロンボポエチ
ン(TPO)は、過去20年以上もの間数多くの研究者
がその取得に情熱を燃やして当たってきているが、いま
だに成功にはいたっていない。
【0004】血小板減少動物の血しょうを健常動物に投
与すると、血小板産生がこう進し、逆に血小板を輸注す
ると産生が低下することから、血小板の増減に応じてそ
の産生を調節する作用を有するTPOの存在が古くから
提唱されてきた。その後の研究結果から、血小板は骨髄
幹細胞から巨核球前駆細胞より骨髄中で分化・成熟して
生じた巨核球より血液中に放出されることが示され、ま
た invitro の成績から巨核球の分化・増幅過
程の早期には巨核球コロニー刺激因子(Megakar
yocyteColony Stimulating 
Factor; Meg−CSF)が作用し、後期には
巨核球の成熟を促進させる活性を有するTPOが作用す
ることが明らかにされた。即ち、まずMeg−CSFが
作用し、前駆細胞が細胞分裂を繰り返し巨核球コンパー
トメントが増大し、次にTPOが作用してそれぞれの巨
核球前駆細胞は endomitosisを行ない、そ
の染色体倍数を増大させて行く(〜32N)とともに細
胞質が成熟・増大して、血小板産生がなされるようにな
る。TPOはまた、巨核球増幅因子(Megakary
ocyte Potentiator;Meg−POT
)と呼ばれることもある。
【0005】Meg−CSFの活性は、 in vit
ro のヒトまたはマウスの骨髄細胞の軟寒天培養にお
いて巨核球コロニーを形成させる活性を測定することに
より見積られる。現在Meg−CSFの活性は、再生不
良性貧血患者及び突発性血小板減少性紫斑病患者の尿中
、骨髄巨核球無形成性血小板減少症患者の血しょう中、
インゲンマメレクチン刺激ヒト白血球培養上清、マウス
白血病細胞株WEHI−3培養上清等に見いだされてい
る。
【0006】種々のサイトカインのうち、インターロイ
キン3(IL−3)が巨核球を含む多くの系統に非特異
的に作用するMulti−CSFであることが明らかと
なってきている。またWEHI−3培養上清中のMeg
−CSFがIL−3と完全に一致するなど、従来の細胞
培養上清中のMeg−CSF活性の多くがIL−3によ
るとされている。しかしながら、血小板系に特異的に作
用することが明らかにされたMeg−CSFは未だに知
られていない。
【0007】一方TPOの活性は、Meg−CSFのコ
ロニー形成活性の増強作用及び/または巨核球の成熟促
進作用を測定することにより見積られる。これまでにい
くつかのTPO様活性を有する因子の調製が試みられて
きた。ヒト胎児腎細胞株の培養上清中より調製される、
SDS−PAGEでの分子量が15000、等電点が5
.1の巨核球系の細胞中の蛋白質合成を促進する作用を
有する、巨核球促進因子(Megakaryocyte
 Stimulatory Factor; MSF)
及びその製造方法が報告されている(特開昭63−23
9298号参照)。しかし、MSFについては物質の同
定はなされていない。また最近、B細胞の抗体産生を誘
導する糖蛋白質として見いだされ、免疫系、急性期反応
系及び悪性腫瘍にも関与することが明らかにされている
、多機能サイトカインであるIL−6が、造血系にも関
与しており、in vitroにおいてMeg−POT
活性及び巨核球成熟促進活性を示し(Ishibash
i, T.et al.「Proc. Natl. A
cad. Sci. USA」86,5953(198
9))、in vivo において血小板産生促進作用
を示すことが確認されている(Asano, S. e
t  al. 「Blood 」75,1602(19
90))。しかしながら、これらの因子の巨核球増幅活
性は微弱なものであり、またこれらが生体に本来備わっ
た構成的な造血因子であるかどうかは不明である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述の
技術的背景にあって、特異的に且つ強力に巨核球の増幅
を促進する作用及び血小板産生を促進する作用を有する
、新規な巨核球増幅因子を見いだすべく鋭意研究を重ね
た結果、意外にもヒト細胞の培養上清中に全く新規な巨
核球増幅因子を発見すると共に、適当な産生促進剤を添
加し培養細胞と接触させることにより、大量の該因子が
生産されることを見いだした。更に回収した培養上清よ
り、該因子を単離・精製し、その諸性質を明らかにする
と共に、その薬剤としての有用性を示した。また遺伝子
工学的技術を応用し、該巨核球増幅因子を発現させるこ
とに成功した。本発明は、これらの知見に基づいて完成
した。
【0009】即ち、本発明の目的は、強力な作用を有す
る新規な巨核球増幅因子を提供することにある。また、
本発明の別の目的は、ヒト細胞を培養し、その培養上清
中に該巨核球増幅因子を産生させ、回収した培養上清か
ら該巨核球増幅因子を精製することを含む巨核球増幅因
子の製造方法を提供することにある。
【0010】更にまた、本発明の他の目的は、培地中に
巨核球増幅因子産生促進剤を添加することにより、産生
される該巨核球増幅因子の量を増大させる、巨核球増幅
因子の製造方法を提供することにある。更にまた、本発
明の他の目的は、巨核球増幅因子を産生する細胞から、
mRNAを抽出し、得られた該mRNAよりポリA+ 
mRNAを精製し、適当な発現用ベクター及び該ポリA
+ mRNAとからcDNAライブラリーを調製し、該
cDNAライブラリーより適当な宿主細胞を用いて、プ
ラスミドDNAを調製し、該プラスミドDNAを用いて
、更に適当な宿主細胞をトランスフェクトし、該宿主細
胞あるいは該巨核球増幅因子活性を指標に該宿主細胞を
スクリーニングして得た細胞を用いて、該巨核球増幅因
子を発現させ、該巨核球増幅因子を精製することを含む
、該巨核球増幅因子の製造方法を提供することにある。
【0011】更にまた、本発明の他の目的は、巨核球増
幅因子を有効成分として含有する医薬組成物を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、巨核球
増幅を活性化する活性を有し、且つ末梢血中の血小板を
増加させる活性を有する巨核球増幅因子が提供される。 更に詳しくは、巨核球増幅を活性化する活性を有し、下
記の諸性質を有することを特徴とする、巨核球増幅因子
が提供される。(a)分子量:25000±8000(
ゲル濾過で測定) (b)等電点:pI>9(等電点クロマトグラフィーで
測定) (c)巨核球コロニー刺激因子活性を有さない。
【0013】また本発明によれば、ヒト細胞を培養し、
その培養上清中に該巨核球増幅因子を産生させ、回収し
た培養上清から該巨核球増幅因子を精製することを含む
巨核球増幅因子の製造方法が提供される。この本発明の
方法において用いられる細胞は、巨核球増幅を活性化す
る活性を有し、且つ末梢血中の血小板を増加させる活性
を有する巨核球増幅因子を産生する能力を有する、各種
の細胞が対象となる。正常二倍体細胞もまた使用でき、
例えば、ヒトの腎、腸、肺、心臓、輸尿管、皮膚、包皮
、舌、甲状腺、胎盤、子宮由来の細胞を、好ましくはヒ
ト胎児腎、肺、包皮由来の細胞を、更により好ましくは
ヒト胎児肺由来の細胞を使用できる。
【0014】該巨核球増幅因子は、これらの組織抽出液
から分離精製することも可能であるが、より好ましくは
、これらの細胞を適当な生育培体中で培養し、その培養
上清中に該巨核球増幅因子を産生させ、回収した組織培
養液から分離精製することができる。これらの細胞は、
通常の細胞の培養に用いられる培養方法例えば「組織培
養」(中井準之助他編集昭和51年刊朝倉書店)記載の
方法で増殖させ、本発明に供することが望ましい。 細胞は炭素類、窒素源及び必要な場合には、無機塩類及
び/またはその他の添加物を含む溶液と接触させること
によって、該巨核球増幅因子を生産せしめることができ
る。また、本発明によれば、培養した細胞を、培地中に
加えた巨核球増幅因子産生促進剤、好ましくは動物肉酵
素分解ペプトンと接触させることにより、培養上清中に
産生される該巨核球増幅因子の量を飛躍的に増大せしめ
ることができる。動物肉酵素分解ペプトンは、一般に細
菌の培養培地に用いられるものであり、通常プロテオー
スペプトン、プロテオーゼペプトン、獣肉ペプトンと呼
ばれるものである。
【0015】この動物肉酵素分解ペプトンの調製法は公
知であり、例えば「細菌培地学講座第二集」(坂崎利一
著、納谷書店、1967年刊)記載の方法に従えばよい
。即ち、動物肉としては、牛、豚、ニワトリ、羊、クジ
ラ等の肉または内蔵が用いられるが、このうち牛肉が最
も普通に用いられる。分解用の酵素としては、トリプシ
ン、パパイン、ペプシン、パンクレアチン等がある。 これらの動物肉は、細挫され、水と混合され、炭酸ナト
リウム、濃塩酸等で酵素分解に適したpHに調整される
。これに酵素を加え、20〜40℃で1〜20日間、通
常は37℃で2〜3日間酵素分解を行う。消化後は分解
酵素を不活性化するためと、未消化の蛋白を熱凝固させ
るために、100℃以上に加熱し、濾過によってこれを
除去した後、濃縮、乾固、細末化する。濃縮、乾固の方
法には、煮つめて粉末にするのと、真空乾燥装置を用い
て低温で濃縮後、細末化するのがある。市販品としては
、ディフコ社製のプロテオースペプトン(Proteo
se Peptone)、プロテオースペプトン No
.2 、プロテオースペプトンNo.3 、チオペプト
ン(Thiopeptone )、オキソイド社製のプ
ロテオースペプトンL46、ペプトンPL46、BBL
社製のチオトン(Thiotone)、大五栄養化学社
製のプロテオースペプトン等がある。
【0016】該巨核球増幅因子の細胞培養法による生産
の例を示せば、該巨核球増幅因子の生産は、15℃〜4
5℃、好ましくは25℃〜40℃の範囲で行われる。生
産のpHは5〜9、好ましくは6〜8に調節される。生
産の日数は通常1〜60日であるが、60日を越えるこ
とも可能である。該巨核球増幅因子の生産速度は、生産
の後半においては次第に遅くなるので、工業的生産の場
合には最も効率のよい日数が選ばれる。該巨核球増幅因
子は、前記の条件下で細胞から溶液中に放出される。そ
の生成量の測定は、実施例1(a),(b)に示した巨
核球増幅活性測定法で行ない、その巨核球の成熟度合は
、実施例1(c)に示した巨核球DNA量測定法で確認
できる。
【0017】また更に本発明によれば、通常使用される
遺伝子工学的手法を用いて該巨核球増幅因子を適当な宿
主細胞に発現させ、これを回収し、更に精製することを
含む巨核球増幅因子の製造方法が提供される。即ち、巨
核球増幅を活性化する活性を有し、且つ末梢血中の血小
板を増加させる活性を有する巨核球増幅因子を産生する
能力を有する、各種の細胞例えば、ヒトの腎、腸、肺、
心臓、輸尿管、皮膚、包皮、舌、甲状腺、胎盤、子宮由
来の細胞を、好ましくはヒト胎児腎、肺、包皮由来の細
胞を、更により好ましくはヒト胎児肺由来の細胞から全
mRNAを抽出し、更にこれよりポリA+ mRNAを
精製する。適当な発現用ベクター、好ましくは真核生物
発現用ベクターとポリA+ mRNA及びリンカーを用
いてcDNAライブラリーを作製し、このライブラリー
を用いて適当な宿主細胞、例えば、大腸菌を形質転換し
、その培養液よりプラスミドDNAを調製する。このプ
ラスミドDNAを用いて適当な宿主細胞を、好ましくは
動物由来の細胞を、更に好ましくは、サル由来のCOS
細胞をトランスフェクトし、該巨核球増幅因子の遺伝子
を発現させ、これを回収し、更に精製することを含む巨
核球増幅因子の製造方法が提供される。
【0018】また本発明によれば、この発現細胞を巨核
球増幅因子の活性を指標にその遺伝子をクローニングす
る方法が提供される。更にまた本発明によれば、巨核球
増幅因子の蛋白質一次構造の一部をコードする遺伝子プ
ローブを調製し、これを用いてその遺伝子をクローニン
グする方法が提供される。
【0019】更にまた本発明によれば、クローニングさ
れた遺伝子を用いて別の宿主細胞を、例えば、大腸菌、
酵母、サルの腎細胞(COS細胞)、チャイニーズハム
スターの卵巣細胞(CHO細胞)、マウスC127細胞
、ヒト胎児腎細胞株293等をトランスフェクトし、更
に効率的に該巨核球増幅因子を発現させ、これを回収し
、更に精製することを含む巨核球増幅因子の製造方法が
提供される。
【0020】生産細胞による巨核球増幅因子の産生が、
所望の生成量または日数に達したときに、培養上清を回
収する。該巨核球増幅因子の分離・精製方法としては、
蛋白質化学において通常使用される方法、例えば、担体
による吸着法、塩析法、電気泳動法、およびイオン交換
、ゲル濾過、適当なリガンドへのアフィニティーを応用
した各種のクロマトグラフィー法等を単独で、または組
み合わせて使用できる。クロマトグラフィー法として、
好ましくは、カルボキシメチル基を結合させたセファロ
ースを用いるCMセファロースカラムクロマトグラフィ
ー、架橋したデキストランゲル等の粒子をもちいるゲル
濾過カラムクロマトグラフィー、オレンジセファロース
等の色素吸着カラムクロマトグラフィー、疎水性クロマ
トグラフィー、本発明物質と特異的に結合する抗体を結
合させた抗体アフィニティーカラムクロマトグラフィー
を使用できる。
【0021】かくして得られた新規な巨核球増幅因子は
、巨核球増幅を活性化する活性を有し、且つ末梢血中の
血小板を増加させる活性を有するものである。該巨核球
増幅因子は、骨髄幹細胞あるいは骨髄巨核球前駆細胞か
らの巨核球の分化、増殖並びに巨核球の成熟の研究用試
薬として、また該巨核球増幅因子単独で、あるいは少な
くとも1種の薬剤として投与可能な担体、希釈液または
賦型剤を添加して適当な剤型とし、医薬品としても使用
される。
【0022】本発明の巨核球増幅因子は、ある種の血小
板減少症、例えば抗癌剤投与後の血小板減少症、放射線
治療後の血小板減少症、巨核球増幅因子欠損による血小
板減少症、再生不良性貧血の血小板減少症、骨髄移植後
の血小板減少症、自己免疫疾患の血小板減少症の治療及
び/または予防に用いることができる。また白血病の治
療にも用いることができる。更に血小板輸血の代替、補
助剤として、あるいは輸血用骨髄細胞の in vit
ro での増殖培養にも用いることができる。
【0023】本発明の巨核球増幅因子は、注射剤として
用いることができる。この場合には、ショ糖、グリセリ
ン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等
の増粘剤、各種無機塩のpH調整剤等を添加剤として加
えることができる。本発明の巨核球増幅因子の成人1回
当りの投与量は、年齢、性別、体重、症状などによって
異なるが、一般に約0.1μg〜100mgであり、1
日当り1回または必要に応じて数回投与する。
【0024】
【実施例】本発明をより詳細に記述するために、実施例
により説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。 実施例1  巨核球増幅因子活性測定法本発明により、
ヒト由来細胞を培養して得られる巨核球増幅因子活性は
、下記の2つの方法で測定した。 (a)軟寒天培養法によるMeg−POT活性測定法骨
髄の調製 6〜8週令のC57BL/6マウス(雄)の大腿骨を採
取し、その上部を切断し、4〜5mlのIMDM液(I
scove’s modification of D
allbecco’s medium)を入れた5ml
のプラスチック注射器(22G針)を用いて、膝関節側
から15mlのファルコンチューブ中に、勢いよく骨髄
を押しだした。約10回のピペッティング操作によって
、細胞を分散した後非沈降性の細胞を採り、これを10
mlのIMDM液で2回洗浄し、最後に5mlのIMD
M液にサスペンドし、更によく分散させた後実験に供し
た。細胞濃度は、トリパンブルー(フローラボラトリー
ズ社製)染色にて血球計算盤で測定した。なお、IMD
M液は、粉末IMDM1l用(ギブコ社製)に重曹3.
024g,β−メルカプトエタノール3.47μlを加
え、pHを7.1に調製した後、1lにメスアップし、
更に50IU/mlペニシリン及び50μg/mlスト
レプトマイシン(いずれもフローラボラトリーズ社製)
を加えて調製した。 コロニーアッセイ 105 個の骨髄細胞を35mmプラスチックディッシ
ュ中で、1%牛血清アルブミン、360μg/mlヒト
トランスフェリン、0.98μg/mlコレステロール
及び1%IL−3含有COS1細胞培養上清を含む50
0μlのIMDM液培地中で、0.3%バクトアガー(
ディフコ社製)の条件で軟寒天状態とし、37℃、7日
間、5%CO2 の条件下で培養した。なお、有血清状
態で培養を行う際には、牛血清アルブミン、ヒトトラン
スフェリン及びコレステロールの代わりに15%馬血清
(J.R.サイエンティフィック社製)の条件下でこの
培養を行った。また、IL−3含有COS1細胞培養上
清としては、マウスIL−3cDNAをSV−40のプ
ロモーターに連結したプラスミドを用いて、COS1細
胞(ATCC  CRL1650)を形質転換し、特開
昭64−6219号の、実施例2に記載の方法と同様に
して発現させたIL−3含有培養上清を用いた。培養終
了後、アガーディスクをスライドグラス上に移し、乾燥
させた後、2%グルタアルデヒドで固定した。リン酸緩
衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、アセチルコリンエス
テラーゼ染色液で巨核球の特異的染色を行った。
【0025】なおアセチルコリンエステラーゼ染色液と
しては、ヨウ化アセチルチオコリン200mg、フェリ
シアン化カリウム65.9mgを、5mMクエン酸ナト
リウム、3mM硫酸銅を含む400mlのpH6.0の
75mMリン酸緩衝液に溶解したものを用いた。コロニ
ー数はオリンパス社製BH2落射型顕微鏡で計数した。 (b)液体培養によるアセチルコリンエステラーゼ活性
測定法 上記と同様に調製したマウス骨髄細胞懸濁液に、最終濃
度0.4mMとなるようにジイソプロピルフルオロフォ
スフェート(シグマ社製、DFP)を加え、時々攪はん
しながら室温で20分置き、骨髄細胞の内在性のアセチ
ルコリンエステラーゼ活性を消去した。細胞数は上記と
同様に計数した。
【0026】測定を無血清条件で行う際には、1.0%
ニュートリドーマーSP(ベーリンガーマンハイム社製
)を含むIMDM液を、また有血清条件で行う際には、
あらかじめ2mMとなるようにDFPを加え、室温で2
時間置き血清中に含まれるアセチルコリンエステラーゼ
活性を不活化し、更にPBSに対して4℃で一晩、続い
て生理食塩水に対して4℃で3時間透析、無菌濾過した
馬血清を用いた上記と同様の有血清培地を用いて、下記
の液体培養を行った。
【0027】骨髄細胞懸濁液の細胞密度を2.5〜5×
105 cells/mlとなるように、96穴培養用
ディッシュ(住友ベークライト社製)に、1穴当り0.
2mlを分注した。IL−3含有COS1細胞培養上清
を含む試料溶液を20μl加え、37℃、7日間、5%
CO2 の条件下で培養した。培養後、遠心で上清を除
去した後、各穴に20μlの5.6mMアセチルコリン
イオダイド(シグマ社製)、及び180μlの0.12
M食塩、1mMエチレンジアミン四酢酸、0.2%トリ
トンX−100を含むpH7.5の50mMHepes
緩衝液を加えて、室温で3〜4時間反応させた。反応液
の20μlを90穴の黒プレート(グライナー社製)に
移し、160μlの1mMエチレンジアミン四酢酸、0
.2%トリトンX−100を含むpH5.0の酢酸緩衝
液及び20μlの0.4mMCPM(7−diethy
lamino−3−(4’−maleimidylph
enyl)−4−methylcoumarin)(モ
レキュラープローブ社製)のアセトニトリル溶液を加え
て、室温で1時間反応させた。アセチルコリンエステラ
ーゼ活性は、365nmの励起光による450nmの蛍
光をPANDEX  FCA(バクスター社製)を、用
いて測定した。
【0028】本発明による、ヒト由来細胞を培養して得
られる巨核球増幅因子の巨核球成熟促進活性は、以下の
方法で直接確認した。 (c)巨核球染色体DNA含量測定法 上述のようにして作製したアセチルコリンエステラーゼ
染色顕微鏡標本を、DAPI(4’−6−diamid
ino−2−phenylindole)染色液に約1
0時間浸漬し、二重染色した。コロニーを形成している
巨核球約200個を無作為に抽出し、オリンパス社製B
H2落射型顕微鏡及びOSP−1細胞内DNA蛍光顕微
測光装置を用いて、それら細胞の染色体倍化数の分布を
測定した。なおDAPI染色液は、下記の保存液1、2
、3を0.5:98.5:1.0mlの割合で混合し、
100mlとしたものを用いた。
【0029】保存液1;DAPI10mgを1000m
lの蒸留水に溶解したもの。 保存液2;0.1M食塩、10mMエチレンジアミン四
酢酸を含むpH7.4の10mMトリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン緩衝液 保存液3;1M2−メルカプトエチルアミン塩酸塩液実
施例2  ヒト細胞培養法による巨核球増幅因子の生産
ヒト胎児肺細胞を100l容のガラスボトルに、105
 cells/mlの密度で2.5mg/ml濃度のサ
イトデックスI(細胞培養用ビーズ担体、ファルマシア
社製)と共に植え込み、37℃、5%CO2 を含む空
気中で、生育培地として10%牛胎児血清を含むメジウ
ムMEM培地を60l添加し、60rpmの回転数で攪
はんしながら懸濁培養した。8日間培養し、細胞を充分
に増殖させた後、生理食塩液で細胞が接着したビーズ担
体を洗浄し、血清を含まない0.75%のプロテオース
ペプトン No.3 を含む、あるいは含まない、メジ
ウム199培地601に置き換え、60rpmの回転数
で攪はんしながら培養した。3日目毎にこの培地を交換
しながら、本発明物質を含む培養液(conditio
ned medium; CM)を回収した。CMをセ
ントリコンで10倍に濃縮し、その中に含まれる巨核球
増幅因子活性を、軟寒天培養法によるMeg−POT活
性測定法によって評価した結果を表1に示す。なお参考
までに、いくつかの他の細胞の培養液についてもこれを
評価した。ヒト胎児肺細胞は巨核球増幅因子を産生する
能力を有すること、またプロテオースペプトン存在下で
培養すると、著しく巨核球増幅因子活性の産生量が増大
することが示された。 実施例3  巨核球増幅因子の精製 ヒト胎児肺細胞培養上清170lに、酢酸約1.11を
添加し、pHを4に調製した後、濾過によって細胞断片
及び生じた不溶物を除去した。予め0.2M食塩を含む
pH4.0の20mM酢酸緩衝液で充分に平衡化した、
カルボキシメチルセファロース(CMセファロース;フ
ァルマシア社製)カラム(直径9cm×高さ23.5c
m)に吸着させ、同平衡化緩衝液13.51及び0.4
M食塩を含むpH4.0の20mM酢酸緩衝液6lで洗
浄後、0.75M食塩及び10mM塩酸リジンを含むp
H4.0の20mM酢酸緩衝液12lで吸着している蛋
白を溶出させた。本操作によって、巨核球増幅因子活性
を含む粗精製液Iとして約5lの溶出液を得た。培養上
清中に多量に含まれるプロテオースペプトン成分は、1
%以下にまで減少した。
【0030】溶出液には通常、多量の組織プラスミノー
ゲンアクチベーター(tPA)が含まれているので、こ
れを特異的に除去した。即ち、5M水酸化ナトリウム溶
液を加え、pHを7.0に調整した後、予め0.5M食
塩を含むpH7.5の20mMトリス塩酸緩衝液で充分
に平衡化した、tPAに対するモノクローナル抗体をセ
ファロースに結合させた(3mg/mlゲル)抗体カラ
ム(直径9cm×高さ29cm)を素通りさせた。本操
作によって、粗精製液IIとして約6lの素通り液を得
た。通常、本カラムクロマトグラフィーによって、巨核
球増幅因子活性はほぼ定量的に回収された。また粗精製
液Iに多量に含まれるtPA活性は除去されると共に、
プロテオースペプトン成分は、更に約1/2にまで減少
した。
【0031】粗精製液II6lを限外濾過モジュールS
IP−1013(旭化成社製)で300mlにまで濃縮
し、10倍容の約0.1M食塩を含むpH7.6の20
mMリン酸緩衝液を加え、再び300mlにまで濃縮し
、緩衝液交換を行った。試料を直前にpH=5に調製し
た後、予め0.05M食塩を含むpH5.0の20mM
クエン酸・リン酸緩衝液で充分に平衡化した、CMセフ
ァロースカラム(直径5cm×高さ5cm)に吸着させ
、400mlの同緩衝液で洗浄した後、同緩衝液中で0
.05〜0.5Mの食塩濃度の直線濃度勾配による溶出
を行った。流速は60ml/時間で行った。巨核球増幅
因子活性は食塩濃度が約0.2〜0.4Mの間にピーク
を有する画分、即ち約100mlの粗精製液III と
して、30〜50%の回収率で回収された。
【0032】粗精製液III 100mlを上記限外濾
過中空糸を用いて5倍に濃縮し、これを予めPBSで充
分に平衡化したセファクリルS−200(ファルマシア
社製)カラム(直径2.6cm×高さ92cm)でゲル
濾過した。巨核球増幅因子活性は溶出分子量が約25k
d付近にピークを有する画分、即ち約50mlの粗精製
液IVとして、40〜60%の回収率で回収された。
【0033】粗精製液IVを、予めPBSで平衡化した
10ml容のオレンジセファロース(アミコン社製)カ
ラムに吸着させ、PBSで洗浄後1Mの食塩濃度で溶出
して粗精製液Vとして活性を有する画分25mlを分取
した。粗精製液V25mlに硫酸アンモニウム粉末を添
加し1Mとした後、予め1M硫酸アンモニウムを含むP
BSで平衡化した5mlのフェニルセファロース(ファ
ルマシア社製)カラム(直径1.6cm×高さ2.5c
m)に吸着させ、pH7.0の20mMリン酸緩衝液で
洗浄後50%のエチレングリコール濃度で溶出し、活性
画分を分取した。この画分から巨核球増幅因子の精製標
品として約3mgが得られた。
【0034】各精製工程に於ける精製度を表2に示す。 各試料の蛋白質濃度は、粗精製液IV,粗精製液V及び
精製標品については、280nmにおける紫外吸光系数
A280.1%=10と仮定して算出した。またそれ以
外の試料については、ローリー法で測定した。また精製
1段目CM、3段目CM、4段目ゲル濾過の各プロフィ
ールを図1〜3に示す。
【0035】本精製標品をマウス(雄、10週令、一群
6匹)の腹腔内に単回投与したところ、96時間後に末
梢血の血小板数が有意に上昇したことが確認された。 実施例4  遺伝子工学的手法による、巨核球増幅因子
の生産 ポリA+ mRNAの調製 ヒト胎児肺細胞108 cellsより、インビトロン
社製のRNAアイソレーションキット(カタログ No
.K1592−01)を用いて、付属のマニュアルに従
い全RNAをグアニジンイソチオシアネート法により抽
出(203μg)し、オリゴデックス−dT30(日本
合成ゴム社製)を用い、常法にしたがってポリA+ m
RNA(1.6μg)を精製した。 cDNAの合成 岡山−バーグの方法(ファルマシア社製、Okayam
a−Berg cDNA Manual(1985))
に従い、真核生物発現用ベクター oligo(dT)
−tailed pCDV−1(ファルマシア社製 N
o.27−4955−01)と上記で得たポリA+ m
RNA及び oligo−dG−tailedpL1リ
ンカーを用い、cDNAライブラリーを作製した。 大腸菌の形質転換 cDNAライブラリーを含む溶液を70等分し、それぞ
れについて横田らの方法(医学のあゆみ、別冊細胞・遺
伝子・免疫バイオテクノロジーの基本 p75(198
6))に従い、大腸菌MC1061(ATCC5333
8)への形質転換を行った。形質転換した大腸菌をアン
ピシリン存在下で一晩培養した。この培養液より、キア
ゲン−tip−100(キアゲン社製)を用い、付属の
マニュアルに従いプラスミドDNAを調製した。 COS1細胞へのトランスフェクション及び巨核球増幅
因子の発現 上記のようにして得た組換え体DNAを、ジエチルアミ
ノエチル−デキストラン法(CURRENT PROT
OCOLS IN MOLECULAR BIOLOG
Y 9.2.1−9.2.6)により、COS1細胞(
ATCC,CRL1650)に導入した後、特開昭64
−6219号の、実施例2に記載の方法とほぼ同様にし
て遺伝子を発現させた。即ち、10%牛胎児血清含むD
−MEM培地(フローラボラトリー社製)で、37℃、
40時間、5%CO2 の条件で培養後、無血清のD−
MEM培地に交換し、2日毎に3回培養液を回収した。 回収したそれぞれの培地30mlをセントリコンで20
倍に濃縮した後、液体培養によるアセチルコリンエステ
ラーゼ活性測定法で巨核球増幅因子活性の測定を行った
ところ、1プールのみが陽性であった。 cDNAライブラリーの絞り込み 巨核球増幅因子活性陽性であったDNAについて、再度
大腸菌の形質転換を行ない、約2000個のコロニーに
得た。このコロニーの10個を一まとめとして培養し、
上記と同様にしてDNAの調製、COS1細胞への導入
、発現及びアセチルコリンエステラーゼ活性測定を行な
い、cDNAライブラリーの絞り込みを行った。本方法
を再度繰り返すことにより、該巨核球増幅因子活性を発
現するcDNAプラスミドを持つ大腸菌を単離した。 実施例5  巨核球増幅因子の性質 分子量 本物質を予め同緩衝液で充分に平衡化したセファクリル
S−200HR(ファルマシア社製)カラム(直径2.
6cm×高さ94cm)を用い、PBSで展開した(流
速27.6ml/h)。これを4.6mlずつ分画した
。各画分の巨核球増幅因子活性は、予めゲル濾過用低分
子量マーカー蛋白質キット(ファルマシア社製、BSA
;67kd、オブアルブミン;43kd、キモトリプシ
ノーゲン;25kd、リボヌクレアーゼA;14kd)
及びブルーデキストラン2000の溶出位置を確認し、
これらとの溶出位置の比較から分子量を測定した。 本物質は、25kd付近に溶出された。 等電点 精製標品1mlを下記の開始溶媒に置換した後、等電点
クロマトグラフィーを用いて、下記条件で等電点を測定
したところ、本物質はpI>9と見積られた。図4にこ
の等電点クロマトグラフィーの結果を示す。 カラム;モノP  HR5/20(ファルマシア社製)
開始溶媒;pH9.3の0.075Mトリス−酢酸緩衝
液 展開溶媒;10%ポリバッファー96(ファルマシア社
製)、酢酸でpHを6.0とした。 流速    ;1.0ml/分 熱、及びトリプシン処理に対する安定性本物質をPBS
中で100℃、10分間処理し、残存する巨核球増幅因
子活性から安定性を評価した。本物質の活性は、5%以
下に失活し、不安定であった。また本物質は、0.12
5mg/mlのトリプシンで37℃、1時間の処理に対
しても感受性が高かった。 抗原性 本物質がIL−1及びIL−6と免疫学的に区別できる
かどうか、検討した。粗精製液IVを抗IL−1及び6
抗体カラム(エンドジェン社製)に通したところ、活性
は素通り画分に回収された。従って本物質はこれらサイ
トカインの抗体とは反応しないことが示唆された。 巨核球増幅因子活性 本物質の巨核球増幅因子活性を軟寒天培養法で検討した
。結果を表3に示す。IL−6(ゼンザイム社製)の活
性は、200ng/mlの高濃度を用いても、IL−3
のみの時のわずか約2倍であったが、本物質の精製標品
は、IL−3のみの時の約20倍の活性を示した。また
IL−3のみの時に比べ、本物質の精製標品は、1コロ
ニー当りのアセチルコリンエステラーゼ活性を強く示す
細胞の数が多数観察された。また本物質単独では、巨核
球増幅因子活性を示さないことから、本物質にはMeg
−CSF活性がないことがわかった。
【0036】さらにまた、上述の軟寒天培養法において
、1%IL−3含有COS1細胞培養上清の代わりに精
製IL−3(ゼンザイム社製)を用いた以外は同じ方法
にて本物質の巨核球増幅因子活性を評価したところ、上
記と同様の結果が得られた。またIL−3のみ、IL−
3+IL−6(150ng/ml)及びIL−3+本物
質(10μl)の試料について、巨核球染色体DNA含
量測定法により、染色体倍数の測定を行ったところ、I
L−3のみの時には4n〜8nの細胞が最も多かったの
に対し、IL−6では16n以上の細胞が約50%、本
物質では80%以上に達し、本物質の強い巨核球増幅因
子活性が示された。
【0037】更にまた、本物質の巨核球増幅因子活性を
液体培養によるアセチルコリンエステラーゼ活性測定法
により評価した。結果を図5,6に示す。無血清条件下
でも本物質の強い巨核球増幅因子活性が示された。これ
らの巨核球増幅因子活性は、IL−3としてIL−3含
有COS1細胞培養上清の代わりにrhIL−3(ゼン
ザイム社製)を用いたときも同様に観察された。 適用例 以下に本発明の巨核球増幅因子の適用例を応用例をもっ
て説明するが、本発明はそれら応用例をもって何ら限定
されるものではない。 応用例1 精製した本発明の巨核球増幅因子          
    1mg精製ゼラチン            
                  20mgマンニ
トール                      
      100mg塩化ナトリウム       
                   7.8mgリ
ン酸ナトリウム                  
    15.4mg上記成分を注射用蒸留水2mlに
溶解し、無菌バイアルに入れ、−35℃で真空度0.0
75Torrで35時間一次乾燥し、次いで30℃、真
空度0.03Torrで5時間二次乾燥して、注射用バ
イアルを製造した。得られた組成物は、投与直前に生理
食塩水もしくはブドウ糖注射液500mlに溶解して点
滴静注するのに用いられる。 応用例2 精製した本発明の巨核球増幅因子          
  10μgアルブミン              
                    5mgマン
ニトール                     
         25mg塩化ナトリウム     
                   1.95mg
リン酸ナトリウム                 
     3.85mg上記成分にて、応用例1と実質
的に同様の方法により注射用バイアルを製造した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、巨核球増幅を活性化す
る活性を有し、且つ末梢血中の血小板を増加させる活性
を有する、新規な巨核球増幅因子が提供される。本発明
の巨核球増幅因子は、種々の血小板減少症の治療や予防
を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】精製1段目のCMカラムクロマトグラムを示す
【図2】精製3段目のCMカラムクロマトグラムを示す
【図3】精製4段目のゲル濾過のカラムクロマトグラム
を示す。
【図4】本発明による巨核球増幅因子の等電点クロマト
グラフィーの結果を示す。
【図5】無血清条件での液体培養によるアセチルコリン
エステラーゼ活性測定法により評価した、本発明による
巨核球増幅因子及びIL−6の巨核球増幅因子活性測定
の結果を示す。
【図6】15%のDFP処理した馬血清を含む条件での
液体培養によるアセチルコリンエステラーゼ活性測定法
により評価した、本発明による巨核球増幅因子及びIL
−6の巨核球増幅因子活性測定の結果を示す。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  巨核球増幅を活性化する活性を有し、
    且つ末梢血中の血小板を増加させる活性を有する巨核球
    増幅因子。
  2. 【請求項2】  巨核球増幅を活性化する活性を有し、
    下記の諸性質を有することを特徴とする、巨核球増幅因
    子。 (a)分子量:25000±8000(ゲル濾過で測定
    ) (b)等電点:pI>9(等電点クロマトグラフィーで
    測定) (c)巨核球コロニー刺激因子活性を有さない。
  3. 【請求項3】  該巨核球増幅因子がヒト細胞由来であ
    る請求項2に記載の巨核球増幅因子。
  4. 【請求項4】  ヒト細胞が正常二倍体細胞である請求
    項3に記載の巨核球増幅因子。
  5. 【請求項5】  正常二倍体細胞が肺由来である請求項
    4に記載の巨核球増幅因子。
  6. 【請求項6】  請求項1に記載の巨核球増幅因子を産
    生する細胞を培養し、その培養上清中に巨核球増幅因子
    を産生させ、回収した培養上清から巨核球増幅を活性化
    する活性を有し、下記の諸性質を有する巨核球増幅因子
    を精製することを含む巨核球増幅因子の製造方法。 (a)分子量:25000±8000(ゲル濾過で測定
    ) (b)等電点:pI>9(等電点クロマトグラフィーで
    測定) (c)巨核球コロニー刺激因子活性を有さない。
  7. 【請求項7】  巨核球増幅因子を産生する細胞がヒト
    細胞である請求項6に記載の巨核球増幅因子の製造方法
  8. 【請求項8】  ヒト細胞が正常二倍体細胞である請求
    項7に記載の巨核球増幅因子の製造方法。
  9. 【請求項9】  正常二倍体細胞が肺由来の細胞である
    請求項8に記載の巨核球増幅因子の製造方法。
  10. 【請求項10】  請求項2に記載の巨核球増幅因子を
    産生する細胞を培養し、その培養上清中に巨核球増幅因
    子を産生させ、回収した培養上清から巨核球増幅を活性
    化する活性を有し、下記の諸性質を有する巨核球増幅因
    子を精製することを含む巨核球増幅因子の製造方法。 (a)分子量:25000±8000(ゲル濾過で測定
    ) (b)等電点:pI>9(等電点クロマトグラフィーで
    測定) (c)巨核球コロニー刺激因子活性を有さない。
  11. 【請求項11】  巨核球増幅因子を産生する細胞がヒ
    ト細胞である請求項10に記載の巨核球増幅因子の製造
    方法。
  12. 【請求項12】  ヒト細胞が正常二倍体細胞である請
    求項11に記載の巨核球増幅因子の製造方法。
  13. 【請求項13】  正常二倍体細胞が肺由来の細胞であ
    る請求項12に記載の巨核球増幅因子の製造方法。
  14. 【請求項14】  培養した細胞を、培地中に添加した
    巨核球増幅因子産生促進剤と接触させることにより、培
    養上清中に産生される該巨核球増幅因子の量を増大せし
    めることを特徴とする請求項6または請求項10に記載
    の巨核球増幅因子の製造方法。
  15. 【請求項15】  巨核球増幅因子産生促進剤が獣肉ペ
    プトンである請求項14に記載の巨核球増幅因子の製造
    方法。
  16. 【請求項16】  請求項1に記載の巨核球増幅因子を
    産生する細胞から (a)mRNAを抽出し、(b)得られた該mRNAよ
    りポリA+ mRNAを精製し、(c)適当な発現用ベ
    クター及び(b)で得られたポリA+ mRNAとから
    cDNAライブラリーを調製し、(d)得られたcDN
    Aライブラリーより適当な宿主細胞を用いて、プラスミ
    ドDNAを調製し、(e)得られたプラスミドDNAを
    用いて、更に適当な宿主細胞をトランスフェクトし、(
    f)該宿主細胞あるいは該巨核球増幅因子活性を指標に
    該宿主細胞をスクリーニングして得た細胞を用いて、該
    巨核球増幅因子を発現させ、これを回収し、(g)該巨
    核球増幅因子を精製することを含む該巨核球増幅因子の
    製造方法
  17. 【請求項17】  請求項2に記載の巨核球増幅因子を
    産生する細胞から(a)mRNAを抽出し、(b)得ら
    れた該mRNAよりポリA+ mRNAを精製し、(c
    )適当な発現用ベクター及び(b)で得られたポリA+
     mRNAとからcDNAライブラリーを調製し、(d
    )得られたcDNAライブラリーより適当な宿主細胞を
    用いて、プラスミドDNAを調製し、(e)得られたプ
    ラスミドDNAを用いて、更に適当な宿主細胞をトラン
    スフェクトし、(f)該宿主細胞あるいは該巨核球増幅
    因子活性を指標に該宿主細胞をスクリーニングして得た
    細胞を用いて、該巨核球増幅因子を発現させ、これを回
    収し、(g)該巨核球増幅因子を精製することを含む該
    巨核球増幅因子の製造方法。
  18. 【請求項18】  巨核球増幅因子を産生する細胞が、
    ヒトの肺由来の細胞である請求項16または請求項17
    に記載の巨核球増幅因子の製造方法。
  19. 【請求項19】  請求項1に記載の巨核球増幅因子;
    及び少なくとも1種の薬剤として投与可能な担体、希釈
    液または賦形剤を含有する医薬組成物。
  20. 【請求項20】  請求項2に記載の巨核球増幅因子;
    及び少なくとも1種の薬剤として投与可能な担体、希釈
    液または賦形剤を含有する医薬組成物。
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