JP2560139B2 - βーグルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライセート及びその製造方法 - Google Patents
βーグルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライセート及びその製造方法Info
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- JP2560139B2 JP2560139B2 JP2189524A JP18952490A JP2560139B2 JP 2560139 B2 JP2560139 B2 JP 2560139B2 JP 2189524 A JP2189524 A JP 2189524A JP 18952490 A JP18952490 A JP 18952490A JP 2560139 B2 JP2560139 B2 JP 2560139B2
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- amebosite
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カブトガニから得られるアメボサイト・ラ
イセートに係わり、特にβ−グルカン類に対する特異性
の高いアメボサイト・ライセート及びその製造方法に関
するものである。
イセートに係わり、特にβ−グルカン類に対する特異性
の高いアメボサイト・ライセート及びその製造方法に関
するものである。
カブトガニ(Limulus polyphemus、Tachypleus tride
ntatus、T. gigas等)の血リンパ液により取得されるア
メボサイト・ライセートのグラム陰性菌表層物質「エン
ドトキシン」(リポポリサッカライド)による凝固現象
は、「リムルステスト」の一般名でエンドトキシン特異
的検出法として医学、薬学の領域で広く利用されてい
る。アメボサイト・ライセートの凝固を起こす物質とし
てエンドトキシン以外にトリプシン様プロテアーゼ(ト
リプシン、トロンビン等)及びβ−グルカン類(β−結
合を有するグルコースポリマー及びその誘導体)が知ら
れている。
ntatus、T. gigas等)の血リンパ液により取得されるア
メボサイト・ライセートのグラム陰性菌表層物質「エン
ドトキシン」(リポポリサッカライド)による凝固現象
は、「リムルステスト」の一般名でエンドトキシン特異
的検出法として医学、薬学の領域で広く利用されてい
る。アメボサイト・ライセートの凝固を起こす物質とし
てエンドトキシン以外にトリプシン様プロテアーゼ(ト
リプシン、トロンビン等)及びβ−グルカン類(β−結
合を有するグルコースポリマー及びその誘導体)が知ら
れている。
アメボサイト・ライセートのエンドトキシンによる凝
固現象はエンドトキシン性凝固酵素前駆体活性化因子に
よる凝固酵素前駆体の活性化と、活性型凝固酵素の動き
によるコアギュローゲンの繊維状コアギュリンへの転換
により起こることが明らかにされている。一方アメボサ
イト・ライセートのβ−グルカンによる凝固現象が、β
−グルカン性凝固酵素前駆体活性化因子による凝固酵素
前駆体の活性化と、活性型凝固酵素の働きによるコアギ
ュローゲンの繊維状コアギュリンへの転換により起こ
り、アメボサイト・ライセートに含まれるエンドトキシ
ン性凝固酵素前駆体活性化因子と、β−グルカン性凝固
酵素前駆体活性化因子が異なるものであることが、Mori
taらにより報告され(FEBS Letters,129,2,318−32
1)、硫酸化多糖類を担体とする液体クロマトグラフィ
ーを用いたβ−グルカン性凝固酵素前駆体活性化因子の
除去を特徴とする、エンドトキシンに対する特異性の高
いアメボサイト・ライセートの調製法が岩永らにより開
示されている。(特開昭59−27829) また本発明者らにより、スルホプロピル基を吸着担体
とする液体クロマトグラフィーにアメボサイト・ライセ
ートを付し、エンドトキシン性凝固酵素前駆体活性化因
子を特異的に吸着せしめる、β−グルカン類に対する特
異性の高いアメボサイト・ライセートの製造方法が開示
されている。(特開願63−292494号) 〔発明が解決しようとする課題〕 従来、β−グルカン類に対する特異性の高いアメボサ
イト・ライセートを得るには、岩永らの方法に従いアメ
ボサイト・ライセートを硫酸化多糖類を吸着担体とする
液体クロマトグラフィーに付して分画し、β−グルカン
性凝固酵素前駆体活性化因子と凝固酵素前駆体を組み合
わせる方法、あるいは、北川らの方法にしたがい、アメ
ボサイト・ライセートをスルホプロピル基を吸着担体と
する液体クロマトグラフィーに付し、エンドトキシン性
凝固酵素前駆体活性化因子を除去する方法が用いられて
きた。しかしながら、岩永らの方法では高価で調製の面
倒な硫酸化多糖類を吸着担体とする液体クロマトグラフ
ィー用充填剤を使用しなければならないという問題点が
あり、北川らの方法ではβ−グルカン類を測定する際に
高価なペプチド性合成基質を使用しなければならないと
いう問題点があった。
固現象はエンドトキシン性凝固酵素前駆体活性化因子に
よる凝固酵素前駆体の活性化と、活性型凝固酵素の動き
によるコアギュローゲンの繊維状コアギュリンへの転換
により起こることが明らかにされている。一方アメボサ
イト・ライセートのβ−グルカンによる凝固現象が、β
−グルカン性凝固酵素前駆体活性化因子による凝固酵素
前駆体の活性化と、活性型凝固酵素の働きによるコアギ
ュローゲンの繊維状コアギュリンへの転換により起こ
り、アメボサイト・ライセートに含まれるエンドトキシ
ン性凝固酵素前駆体活性化因子と、β−グルカン性凝固
酵素前駆体活性化因子が異なるものであることが、Mori
taらにより報告され(FEBS Letters,129,2,318−32
1)、硫酸化多糖類を担体とする液体クロマトグラフィ
ーを用いたβ−グルカン性凝固酵素前駆体活性化因子の
除去を特徴とする、エンドトキシンに対する特異性の高
いアメボサイト・ライセートの調製法が岩永らにより開
示されている。(特開昭59−27829) また本発明者らにより、スルホプロピル基を吸着担体
とする液体クロマトグラフィーにアメボサイト・ライセ
ートを付し、エンドトキシン性凝固酵素前駆体活性化因
子を特異的に吸着せしめる、β−グルカン類に対する特
異性の高いアメボサイト・ライセートの製造方法が開示
されている。(特開願63−292494号) 〔発明が解決しようとする課題〕 従来、β−グルカン類に対する特異性の高いアメボサ
イト・ライセートを得るには、岩永らの方法に従いアメ
ボサイト・ライセートを硫酸化多糖類を吸着担体とする
液体クロマトグラフィーに付して分画し、β−グルカン
性凝固酵素前駆体活性化因子と凝固酵素前駆体を組み合
わせる方法、あるいは、北川らの方法にしたがい、アメ
ボサイト・ライセートをスルホプロピル基を吸着担体と
する液体クロマトグラフィーに付し、エンドトキシン性
凝固酵素前駆体活性化因子を除去する方法が用いられて
きた。しかしながら、岩永らの方法では高価で調製の面
倒な硫酸化多糖類を吸着担体とする液体クロマトグラフ
ィー用充填剤を使用しなければならないという問題点が
あり、北川らの方法ではβ−グルカン類を測定する際に
高価なペプチド性合成基質を使用しなければならないと
いう問題点があった。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解消するため
に提案されたもので、その目的はカブトガニの血リンパ
液より取得されるアメボサイトの抽出液(アメボサイト
・ライセート)より、エンドトキシン性凝固酵素前駆体
活性化因子を除去し、さらに内因性の凝固物質であるコ
アギュローゲンを添加することにより、β−グルカン類
に対する特異性の高いアメボサイト・ライセートの簡便
な調製法を提供することにある。
に提案されたもので、その目的はカブトガニの血リンパ
液より取得されるアメボサイトの抽出液(アメボサイト
・ライセート)より、エンドトキシン性凝固酵素前駆体
活性化因子を除去し、さらに内因性の凝固物質であるコ
アギュローゲンを添加することにより、β−グルカン類
に対する特異性の高いアメボサイト・ライセートの簡便
な調製法を提供することにある。
本発明者らは、スルホプロピル基を吸着担体とするイ
オン交換クロマトグラフィーにアメボサイト・ライセー
トを付することにより得た、凝固物質であるコアギュロ
ーゲンを含まないβ−グルカン類に対して特異性の高い
アメボサイト・ライセートに、コアギュローゲンを添加
することにより、β−グルカン類に対して特異性の高い
アメボサイト・ライセートが、簡便に製造できるという
ことを見出し本発明を完成した。
オン交換クロマトグラフィーにアメボサイト・ライセー
トを付することにより得た、凝固物質であるコアギュロ
ーゲンを含まないβ−グルカン類に対して特異性の高い
アメボサイト・ライセートに、コアギュローゲンを添加
することにより、β−グルカン類に対して特異性の高い
アメボサイト・ライセートが、簡便に製造できるという
ことを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、カブトガニから得られるアメボサイ
ト・ライセートを、スルホプロピル基を吸着担体とする
イオン交換液体クロマトグラフィーに付し、エンドトキ
シン性凝固酵素前駆体活性化因子を含まないβ−グルカ
ン類に対して特異性の高い画分を採取し、本画分にコア
ギュローゲンを添加することにより、β−グルカン類に
対する特異性の高いアメボサイト・ライセートを製造す
る方法にある。
ト・ライセートを、スルホプロピル基を吸着担体とする
イオン交換液体クロマトグラフィーに付し、エンドトキ
シン性凝固酵素前駆体活性化因子を含まないβ−グルカ
ン類に対して特異性の高い画分を採取し、本画分にコア
ギュローゲンを添加することにより、β−グルカン類に
対する特異性の高いアメボサイト・ライセートを製造す
る方法にある。
さらに本発明は、上記の製造方法により得られる、β
−グルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライ
セートにある。
−グルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライ
セートにある。
この方法により得られるアメボサイト・ライセート
は、β−グルカンの検出におけるゲル化法及び比濁時間
法において使用できるものであって、非常に有用なもの
である。
は、β−グルカンの検出におけるゲル化法及び比濁時間
法において使用できるものであって、非常に有用なもの
である。
エンドトキシン試験法としてのゲル化法、及び比濁時
間法は、日本薬局方に記載されている方法であるが具体
的には次の通りである。
間法は、日本薬局方に記載されている方法であるが具体
的には次の通りである。
ゲル化法はアメボサイト・ライセートと検体を容器に
入れアルミキャップを施しミキサーで1〜2秒間泡立て
ないように混合し37℃、1時間放置する。次いで容器を
ゆっくりと180℃転倒させて内容物のゲルが落下するか
否かを調べてβ−グルカンの検出を行う。このゲル化法
は分光光度計等の特別な機器を必要とせずかつ操作手順
が簡単な、完全な方法である。比濁時間法は検体とアメ
ボサイト・ライセートとのゲル化反応に伴う濁度変化を
波長660nmにおける透過光量の変化として促えるもので
ある。透過光量の時間変化は反応開始後しばらくラグが
ある、ゲル化が始まると、その進行に伴って透過光量は
減少し、ゲル化完了と共に減少変化も止まる。透過光量
の反応初期の透過光量に対する割合をRtとし、この透過
光量比の変化に対してしきい値Rthを設定し、反応開始
からRtがRthになるまでの時間をゲル化時間Tgとして読
みとるものです。この比濁時間法は専用の測定機を必要
とするが操作は簡単でしかも定量性のある方法である。
入れアルミキャップを施しミキサーで1〜2秒間泡立て
ないように混合し37℃、1時間放置する。次いで容器を
ゆっくりと180℃転倒させて内容物のゲルが落下するか
否かを調べてβ−グルカンの検出を行う。このゲル化法
は分光光度計等の特別な機器を必要とせずかつ操作手順
が簡単な、完全な方法である。比濁時間法は検体とアメ
ボサイト・ライセートとのゲル化反応に伴う濁度変化を
波長660nmにおける透過光量の変化として促えるもので
ある。透過光量の時間変化は反応開始後しばらくラグが
ある、ゲル化が始まると、その進行に伴って透過光量は
減少し、ゲル化完了と共に減少変化も止まる。透過光量
の反応初期の透過光量に対する割合をRtとし、この透過
光量比の変化に対してしきい値Rthを設定し、反応開始
からRtがRthになるまでの時間をゲル化時間Tgとして読
みとるものです。この比濁時間法は専用の測定機を必要
とするが操作は簡単でしかも定量性のある方法である。
本発明でいうアメボサイト・ライセートとは、イオン
強度0.05以下のpHが中性付近である溶液、好ましくはト
リス−塩酸緩衝液でカブトガニのアメボサイトを抽出し
て得られるものである。
強度0.05以下のpHが中性付近である溶液、好ましくはト
リス−塩酸緩衝液でカブトガニのアメボサイトを抽出し
て得られるものである。
また、本発明で用いられるイオン交換クロマトグラフ
ィーは、北川らの特許に述べられているものと同様のも
のであり、イオン強度0.05以下のpHが中性付近である溶
液、好ましくはトリス−塩酸緩衝液で平衡化したスルホ
プロピル基を吸着担体とするものである。この様なイオ
ン交換クロマトグラフィーに前記アメボサイト・ライセ
ートを付すことによりコアギュローゲンを含まないβ−
グルカン類に特異的なアメボサイト・ライセートが採取
できる。
ィーは、北川らの特許に述べられているものと同様のも
のであり、イオン強度0.05以下のpHが中性付近である溶
液、好ましくはトリス−塩酸緩衝液で平衡化したスルホ
プロピル基を吸着担体とするものである。この様なイオ
ン交換クロマトグラフィーに前記アメボサイト・ライセ
ートを付すことによりコアギュローゲンを含まないβ−
グルカン類に特異的なアメボサイト・ライセートが採取
できる。
また、本発明で用いられるエンドトキシン性凝固酵素
前駆体活性化因子を含まないコアギュローゲンとは、ア
メボサイト・ライセートをイオン交換クロマトグラフィ
ーあるいは、ゲル濾過クロマトグラフィー等の方法で粗
分画して得たコアギュローゲン画分を更に精製する、あ
るいは酸処理もしくは熱処理を施す等の方法でエンドト
キシン性凝固酵素前駆体活性化因子を除去あるいは失活
せしめたものである。この様にして得たコアギュローゲ
ンを、前記イオン交換クロマトグラフィーで得たβ−グ
ルカン類に対して特異性の高いアメボサイト・ライセー
トに添加することによりβ−グルカン類に対して特異性
の高いゲル化法用あるいは比濁時間法用のアメボサイト
・ライセートを得ることができる。
前駆体活性化因子を含まないコアギュローゲンとは、ア
メボサイト・ライセートをイオン交換クロマトグラフィ
ーあるいは、ゲル濾過クロマトグラフィー等の方法で粗
分画して得たコアギュローゲン画分を更に精製する、あ
るいは酸処理もしくは熱処理を施す等の方法でエンドト
キシン性凝固酵素前駆体活性化因子を除去あるいは失活
せしめたものである。この様にして得たコアギュローゲ
ンを、前記イオン交換クロマトグラフィーで得たβ−グ
ルカン類に対して特異性の高いアメボサイト・ライセー
トに添加することによりβ−グルカン類に対して特異性
の高いゲル化法用あるいは比濁時間法用のアメボサイト
・ライセートを得ることができる。
上記コアギュローゲン添加量は最終製品のアメボサイ
ト・ライセート1mlに対し蛋白質量として0.1mg〜20mgで
ある。
ト・ライセート1mlに対し蛋白質量として0.1mg〜20mgで
ある。
次に本発明を実施例により説明する。但し本発明はこ
の実施例により限定されるものではない。
の実施例により限定されるものではない。
日本産カブトガニ(Tachypleus tridentatus)血リン
パ液よりアメボサイト20gを無菌的に採取し、このアメ
ボサイトをpH8.0の10mMトリス−塩酸緩衝液で抽出して
得られたアメボサイト・ライセート300mlを、pH8.0の20
mMトリス−塩酸緩衝液で平衡化したSP−Toyopearl 650C
(東ソー株式会社製)カラムに加える。次いで吸着され
ずに溶出され画分を回収し、エンドトキシンに対しては
反応せずβ−グルカンに対して濃度依存的に反応する、
コアギュローゲンを含まない画分を得る。
パ液よりアメボサイト20gを無菌的に採取し、このアメ
ボサイトをpH8.0の10mMトリス−塩酸緩衝液で抽出して
得られたアメボサイト・ライセート300mlを、pH8.0の20
mMトリス−塩酸緩衝液で平衡化したSP−Toyopearl 650C
(東ソー株式会社製)カラムに加える。次いで吸着され
ずに溶出され画分を回収し、エンドトキシンに対しては
反応せずβ−グルカンに対して濃度依存的に反応する、
コアギュローゲンを含まない画分を得る。
更に本カラムを、50mMのNaClを含む20mMトリス−塩酸
緩衝液で洗浄した後、125mMのNaClを含む20mMトリス−
塩酸緩衝液で溶出し、この溶出液を回収することによ
り、高純度のコアキュローゲン画分200mlを得る。この
コアギュローゲン画分を、65℃で20分間加温することに
より、コアギュローゲンの凝固能を損なうことなく、コ
アギュローゲン画分に微量混入しているエンドトキシン
性凝固酸素前駆体活性化因子を失活させる。このコアギ
ュローゲン画分を、前述のSP−Toypearl 650C非吸着画
分と混合し濃縮して、β−グルカン類に対して特異的に
反応するゲル化法及び比濁時間法用のアメボサイト・ラ
イセート100mlを得る。
緩衝液で洗浄した後、125mMのNaClを含む20mMトリス−
塩酸緩衝液で溶出し、この溶出液を回収することによ
り、高純度のコアキュローゲン画分200mlを得る。この
コアギュローゲン画分を、65℃で20分間加温することに
より、コアギュローゲンの凝固能を損なうことなく、コ
アギュローゲン画分に微量混入しているエンドトキシン
性凝固酸素前駆体活性化因子を失活させる。このコアギ
ュローゲン画分を、前述のSP−Toypearl 650C非吸着画
分と混合し濃縮して、β−グルカン類に対して特異的に
反応するゲル化法及び比濁時間法用のアメボサイト・ラ
イセート100mlを得る。
本調整物を用いてのβ−グルカンの定量法は以下のと
おりである。試料0.1ml、本調整物0.1mlを直径10mmの試
験管中で混合した後、トキシノメーターET208M(和光純
薬工業株式会社製)を用いて37℃で試料の透過光量が5
%減少するまでの時間(以下Tgと略称する)を測定し
た。反応開始後1時間経過したならば試験管を静かに18
0度転倒させ、ゲルの形成の優無を、180度転倒させても
崩れないゲルを形成したものを+、180度転倒させると
崩れるものを−として判定した。結果を第1表に示す。
試料中のβ−グルカン濃度を求めるには、試料の代わり
に既知濃度のβ−グルカンを用いて、同様の操作でTgを
求めることにより作成した検量線にあてはめることでβ
−グルカン濃度を求めることができる。
おりである。試料0.1ml、本調整物0.1mlを直径10mmの試
験管中で混合した後、トキシノメーターET208M(和光純
薬工業株式会社製)を用いて37℃で試料の透過光量が5
%減少するまでの時間(以下Tgと略称する)を測定し
た。反応開始後1時間経過したならば試験管を静かに18
0度転倒させ、ゲルの形成の優無を、180度転倒させても
崩れないゲルを形成したものを+、180度転倒させると
崩れるものを−として判定した。結果を第1表に示す。
試料中のβ−グルカン濃度を求めるには、試料の代わり
に既知濃度のβ−グルカンを用いて、同様の操作でTgを
求めることにより作成した検量線にあてはめることでβ
−グルカン濃度を求めることができる。
なお標準物質としてカードランを用いて作成した検量
線を第1図に、ゲル化判定の結果を第2図に示す。また
本調整物がエンドトキシンに対しては反応しないことを
示すために、試料の代わりに既知濃度のエンドトキシン
を用いた場合の結果を第2及び第2表に示す。
線を第1図に、ゲル化判定の結果を第2図に示す。また
本調整物がエンドトキシンに対しては反応しないことを
示すために、試料の代わりに既知濃度のエンドトキシン
を用いた場合の結果を第2及び第2表に示す。
比較例としてSP−Toyopearl 650Cに付す前のアメボサ
イト・ライセートについて、上述の方法で作成したカー
ドランに対する検量線を第3図に、またSP−Toyopearl
650Cに付す前のアメボサイト・ライセートがエンドトキ
シンに対して感受性を有することを示すために、エンド
トキシンに対して上述の方法で測定した結果を第4図に
示す。第2図と第4図を比較すると明らかなように、ア
メボサイト・ライセートより得られる本調製物は従来の
アメボサイト・ライセートと異なり、β−グルカンに対
して濃度依存的に反応しエンドトキシンに対しては反応
性を示さないものである。
イト・ライセートについて、上述の方法で作成したカー
ドランに対する検量線を第3図に、またSP−Toyopearl
650Cに付す前のアメボサイト・ライセートがエンドトキ
シンに対して感受性を有することを示すために、エンド
トキシンに対して上述の方法で測定した結果を第4図に
示す。第2図と第4図を比較すると明らかなように、ア
メボサイト・ライセートより得られる本調製物は従来の
アメボサイト・ライセートと異なり、β−グルカンに対
して濃度依存的に反応しエンドトキシンに対しては反応
性を示さないものである。
本発明により、エンドトキシンに対しては反応せず、
β−グルカン類に対する特異性の高いゲル化法あるいは
比濁時間法用のアメボサイト・ライセートを容易に得る
ことができる。
β−グルカン類に対する特異性の高いゲル化法あるいは
比濁時間法用のアメボサイト・ライセートを容易に得る
ことができる。
本方法により取得されるアメボサイト・ライセートを
用いてのβ−グルカン類の定量は、高価な合成基質を用
いる必要が無く、操作の煩雑な比色操作を行う必要もな
い非常に簡便な方法である。本方法によるアメボサイト
・ライセートの調製物は、エンドトキシンに対しては反
応せず、β−グルカンに対しては濃度依存的に高感度に
反応するため、β−グルカン類に対する特異性の高い高
感度な定量用試薬として利用可能である。さらに、β−
グルカンは真菌類の菌体成分であるので、β−グルカン
の定量による真菌症の診断薬としても利用可能である。
本調製物はβ−グルカン性の抗癌剤(クレスチン、レン
チナンなど)とも反応するため、これらの抗癌剤の血中
濃度の測定にも利用可能である。
用いてのβ−グルカン類の定量は、高価な合成基質を用
いる必要が無く、操作の煩雑な比色操作を行う必要もな
い非常に簡便な方法である。本方法によるアメボサイト
・ライセートの調製物は、エンドトキシンに対しては反
応せず、β−グルカンに対しては濃度依存的に高感度に
反応するため、β−グルカン類に対する特異性の高い高
感度な定量用試薬として利用可能である。さらに、β−
グルカンは真菌類の菌体成分であるので、β−グルカン
の定量による真菌症の診断薬としても利用可能である。
本調製物はβ−グルカン性の抗癌剤(クレスチン、レン
チナンなど)とも反応するため、これらの抗癌剤の血中
濃度の測定にも利用可能である。
第1図は標準物質としてカードランを用いて作成した検
量線、第2図は実施例において得られたβ−グルカン類
に対して特異性の高いアメボサイト・ライセートがエン
ドトキシンに対して反応しないことを示す図、第3図は
SP−Toyopearl 650Cに付す前のアメボサイト・ライセー
トについてカードランを標準物質として作成した検量
線、第4図はSP−Toyopearl 650Cに付す前のアメボサイ
ト・ライセートがエンドトキシンに対して感受性を有す
ることを示す図である。
量線、第2図は実施例において得られたβ−グルカン類
に対して特異性の高いアメボサイト・ライセートがエン
ドトキシンに対して反応しないことを示す図、第3図は
SP−Toyopearl 650Cに付す前のアメボサイト・ライセー
トについてカードランを標準物質として作成した検量
線、第4図はSP−Toyopearl 650Cに付す前のアメボサイ
ト・ライセートがエンドトキシンに対して感受性を有す
ることを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 省二 東京都中央区月島3―2―9 大洋漁業 株式会社大洋研究所内 (56)参考文献 特開 平2−138193(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】カブトガニのアメボサイト・ライセートを
スルホプロピル基を吸着担体とするイオン交換液体クロ
マトグラフィーに付し、エンドトキシン性凝固酵素前駆
体活性化因子を含む画分を除去したものに、カブトガニ
コアギュローゲンを添加することを特徴とする、β−グ
ルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライセー
トの製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法で得られるβ−グ
ルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライセー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2189524A JP2560139B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | βーグルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライセート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2189524A JP2560139B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | βーグルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライセート及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0476459A JPH0476459A (ja) | 1992-03-11 |
JP2560139B2 true JP2560139B2 (ja) | 1996-12-04 |
Family
ID=16242732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2189524A Expired - Lifetime JP2560139B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | βーグルカン類に対する特異性の高いアメボサイト・ライセート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2560139B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69221879T2 (de) * | 1991-03-14 | 1998-01-29 | Seikagaku Kogyo Co Ltd | Reagenz zur bestimmung von (1-3)-beta-glucan |
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