JP2688773B2 - エンドトキシンの不活化方法 - Google Patents

エンドトキシンの不活化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、被検試料中のエンドトキシン(以下、ETと
略記する。)を選択的に不活化してカブトガニの血球成
分(Amoebocyte Lysate)抽出液(以下、AL溶液と略記
する。)と反応しないようにする(以下、不活化と略記
する。)方法、及びこの方法により処理を行った被検試
料中に含まれるET以外のAL溶液と反応してゲル化反応を
生じせしめる物質(以下、ゲル化物質と略記する。)の
測定方法に関する。
[発明の背景] AL溶液が、主にグラム陰性菌の細胞表層中に存在する
リポ多糖であり、発熱物質(Pyrogen)の一種としても
知られるETと反応してゲル化する性質を持つことは広く
知られており、この現象を利用した、所謂リムルステス
トがその簡便性、費用が安価な点等から、ETの測定法と
して広く利用されている。
しかしながら、このAL溶液はET以外のゲル化物質、例
えばカルボキシメチル化したβ−1,3−グルカンとも反
応することが見出され[Kakinuma et al.,Biochem.Biop
hys.Research Communication,101(2),434−439(198
1)]、その現象は、AL溶液中に存在するβ−1,3−グル
カン(以下、GLと略記する。)と反応して凝固反応を惹
起する因子(以下、GL感受性因子と略記する。)がGL又
はその誘導体(以下、GLDと略記する。)と反応するこ
とにより惹起されることが明らかにされた[岩永ら,日
本細菌学雑誌,38(6),781−803(1983)]。
そのため、現在市販されているリムルステストの大部
分は、ETのみならずGL又はGLDとも反応してゲル化し、
この測定法では試料中に存在しているのがETであるのか
GL又は/及びGLDであるのか、或はこれらの混合物であ
るかを判定することは難しい。
このような問題点を解決すべく、AL溶液からETに特異
的な試薬、或はGL又は/及びGLDに特異的な試薬を調製
する方法が報告されている(特開昭58−13516号公報、
特開昭59−27828号公報)。しかしながら、これらに開
示された方法は、何れもAL溶液をゲル濾過法或はヘパリ
ン,デキストラン硫酸を結合させた担体を用いたクロマ
トグラフィ等によって処理し、凝固酵素前駆体の分画、
GL感受性因子の分画及びETと反応してゲル化反応を惹起
する因子(以下、ET感受性因子と略記する。)の分画に
分離するという極めて煩雑な操作を要する方法である。
そのため、この操作を行うための専用装置等が必要であ
り、しかも、最終的にET、若しくはGL又は/及びGLDに
特異的な試薬を得るには各分画を改めて適宜混合しなけ
ればならないという欠点を有していた。
[発明の目的] 本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、
被検試料中のETを選択的に且つ簡便に不活化する方法、
及びこのような処理を行った被検試料(以下、処理済試
料と略記する。)中のET以外のゲル化物質を測定する方
法を提供することを目的とする。
[発明の構成] 本発明は、被検試料を60〜140℃で少なくとも60分間
加熱処理することにより行うことを特徴とする、被検試
料中のETの不活化方法、及び処理済試料とAL溶液とを反
応させ、その際に生ずるゲル化反応に基づく変化を測定
することにより行うことを特徴とする、被検試料中に含
まれるET以外のゲル化物質の測定方法である。
即ち、本発明者は、ET、GL、GLD等と反応してゲル化
反応を生じるAL溶液を用いてのゲル化物質の特異的測定
方法につき研究の途上、被検試料を60〜140℃で少なく
とも60分間加熱処理すると、被検試料中のETが不活化さ
れAL溶液と反応し得なくなるが、ET以外のゲル化物質は
不活化されず、AL溶液と反応することを見出し、本発明
を完成するに至った。
本発明を実施するには、例えば以下の如く行えばよ
い。
即ち、先ず、要すれば注射用蒸留水等で希釈した被検
試料を60〜140℃で少なくとも60分間加熱処理すること
により、被検試料中のETを選択的に不活化する。このよ
うにして得られた処理済試料をAL溶液と反応させ、その
結果生じるゲル化反応に基づく変化を測定することによ
り、被検試料中のET以外のゲル化物質を測定する。
本発明の不活化方法に於いて、被検試料の加熱処理の
加熱温度としては、60〜140℃であれば特に制限されな
いが、例えば水浴を使用する場合には通常70〜100℃、
例えばオートクレーブを使用する場合には通常70〜140
℃の範囲で選択されるが、温度コントロールが容易なこ
とから100℃付近(沸騰水の温度付近)が好ましく利用
される。また、加熱時間としては、加熱温度と被検試料
中のET量により変化するが、加熱温度が100℃付近の場
合通常60分以上が選択される。更に具体的には、例えば
被検試料中にETが8〜10EU/ml程度含まれている場合に
は、加熱温度100℃付近で120分程度の加熱時間が適当で
ある。
一方、本発明の不活化方法に於いて、被検試料が例え
ば血漿,血清等の蛋白含量の多いものの場合には、通常
の加熱処理ではETの不活化が起こらない場合がある。こ
の原因は定かではないが、おそらく被検試料中のある種
の成分とETとが何らかの相互作用を起こし、その結果ET
の熱に対する安定性が向上するためではないかと考えら
れる。このような場合は被検試料に、例えばメタノー
ル,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n
−ブタノール,sec−ブタノール,tert−ブタノール,ジ
オキサン,アセトン,アセトニトリル等の水溶性の有機
溶媒を適宜共存させた状態で加熱処理を行えばよい。そ
れにより前記した如き被検試料の場合に於いてもETを選
択的に効率良く不活化することができる。このことも本
発明者が初めて見出した意外な事実である。
共存させる有機溶媒の量は、被検試料中のある種の成
分とETとの相互作用を妨害し得る量であれば特に限定さ
れないが、通常被検試料1mlに対して、0.5〜3.0mlの割
合で、より好ましくは0.8〜1.5mlの割合で添加される。
但し、ETの不活化処理を、このような有機溶媒を添加
して行った場合には、その有機溶媒の処理済試料中の残
留量が多いと、引き続き行うゲル化物質の測定に於い
て、この残存有機溶媒がAL溶液とゲル化物質との反応を
妨害する場合があるので注意が必要である。このような
可能性がある場合には、予め加熱時間を延長して有機溶
媒をある程度蒸発させたり、ロータリーエバポレーター
等を利用する等して処理済試料から有機溶媒を除去する
ことが望ましい。
尚、被検試料を加熱処理するすることにより好ましか
らざる共存物質を除去する方法としては、例えば血漿中
に含まれる、AL溶液とETとの反応阻害物質を加熱により
不活化する方法が従来から知られている(M.S.Cooperst
ock et al.,Possible pathogenic role of endotoxin i
n Rey's syndrome,Lancet,1:p1277−1274,1975等)。こ
の方法は、注射用蒸留水で3倍希釈した被検試料を100
℃で10分間加熱するというものであるが、この処理によ
ってはETは不活化されないと言う前提に立った上で初め
て可能となっている方法である。従って、同様な方法で
単に加熱時間を長くしただけで、ゲル化物質の中でETの
みが不活化されて、ET以外のゲル化物質は不活化されな
いという現象が生じることは、当業者と言えども到底予
測がつかなかった。
本発明の測定方法に於いて使用できるAL溶液として
は、通常のETの測定に使用できるものでGL又はGLDとも
反応してゲル化反応が生じるものであれば特に限定され
ることなく使用することができるが、例えば、ACC(ASS
OCIATES OF CAPE COD)社、ヘマケム社、MAB社、マリン
クロット社、帝国臓器(株)社等によって製造された市
販のAL溶液の凍結乾燥品から調製されたものを用いても
よいし、リムルス(Limulus)属、タキプレウス(Tachy
pleus)属或はカルシノスコルピウス(Carcinoscorpiu
s)属に属するカブトガニの血球から抽出されたもの
で、ET、GL又はGLDとの反応によりゲル化反応が生じる
ものであれば、特に限定されることなく挙げられる。
本発明のET以外のゲル化物質の測定方法は、AL溶液と
反応させる被検試料を、予め加熱処理しておく以外に
は、AL溶液を用いた自体公知のET測定法に準じてこれを
行えばよく、使用されるその他の試薬等も自体公知のET
測定法に於いて用いられる試薬に準じて、適宜選択して
用いればよい。AL溶液を用いた自体公知のET測定法とし
ては、例えばAL溶液と試料を混合した後、適当な温度で
一定時間インキュベートし、凝固によるゲル生成の有無
を調べるゲル化転倒法、凝固に伴って生ずる濁度を測定
する比濁法、凝固に伴って生ずる濁度が一定の値に達す
るまでの時間を測定する比濁時間分析法、AL溶液の成分
とETとの反応に伴って活性化されるプロテアーゼの活性
を合成基質を用いて測定する合成基質法等が挙げられる
が、本発明の適用範囲はこれらに限定されるものではな
く、AL溶液とETとの反応を利用した測定方法であれば、
何れにも適用可能である。
本発明の測定方法に於いて、AL溶液と処理済試料とを
反応させる際のpHとしては、AL溶液中のET以外のゲル化
物質と反応して凝固反応を起こす因子が失活しないpHで
あれば何れにてもよいが、通常6〜8の範囲が好ましく
用いられる。尚、処理済試料のpHによる影響を回避し
て、常にこのpH範囲内で測定が行えるようにするために
は、反応時にトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
(Tris)やグッド緩衝剤(Good's Buffer)等の通常生
化学の分野で広く用いられる緩衝剤を共存させておくこ
とが望ましい。また、AL溶液と処理済試料とを反応させ
る際の温度としては、AL溶液中のET以外のゲル化物質と
反応して凝固反応を起こす因子が失活しない温度であれ
ばよいが、通常、0〜40℃、より好ましくは25〜40℃が
用いられる。
本発明の測定方法は、例えばトキシノメータET−201
(和光純薬工業(株)製)、LAL−5000(ACC社製)等の
比濁時間分析法専用装置を利用して実施することもでき
るし、分光光度計等のその他の光学的原理を利用した測
定装置を用いても同様に実施できる。
本発明の方法により測定できるゲル化物質としては、
例えばGL及びGLDが挙げられ、これらGL及びGLDとして
は、GLをその構成成分として含む多糖類であれば特に限
定されることなく挙げられるが、例えば多種細菌類(例
えば、Alcaligenes属,Agrobacterium属等)、酵母類
(例えば、Saccharomyces属等)、キノコ類(例えば、
シイタケ,スエヒロタケ,カワラタケ等)、カビ類(例
えば、Aspergillus属等)等の細胞壁から得られる天然
の多糖、具体的には例えば、カードラン,パキマン,ス
クレロタン,レンチナン,シゾフィラン,コリオラン
等、或は、藻類(例えば、褐藻,ユーグレナ,ケイ藻
等)の貯蔵性多糖、具体的には例えばラミナラン,パラ
ミロン等、或は又これらに常法、例えば大有機化学第19
巻,第7版,70〜101頁,小竹無二雄監修,昭和42年5月
10日,朝倉書店;A.E.Clarkeら,Phytochemistry,,175
−188(1967);T.Sasakiら,Europ.J.Cancer,15,211−21
5(1967)等に記載された方法に準じてカルボキメチル
基,カルボキシルエチル基,メチル基,ヒドロキシエチ
ル基,ヒドロキシプロピル基,スルホプロピル基等を導
入して得られる誘導体等が挙げられる。
また、本発明の測定方法により、処理済試料中のGL又
は/及びGLDを測定した場合、GLの由来やGLDに導入され
た置換基の種類や個数等によりAL溶液との反応性が異な
る場合も有り得る。そのため、本発明の方法よりGL又は
/及びGLDを測定する場合には、特定のGL又はGLDを基準
物質とし、その基準物質に換算した濃度として被検試料
中に含まれるGL又は/及びGLD濃度を示すことが望まし
い。
本発明の測定方法を利用して、例えば血漿中のET以外
のゲル化物質を測定した場合、細菌感染症の種類の判
別、例えば敗血症と真菌症の判別が可能となる。また、
血中のETの濃度としては、正常値が10pg/ml前後、ET血
症の場合でも最高数100pg/mlと言われている。従って、
上記のような判別を行うために血漿中のET以外のゲル化
物質の測定を行う場合、血漿の加熱処理は、1ng/ml程度
のETを不活化し得る条件で行えばよいと考えられる。
以下に参考例、実験例及び実施例を挙げ、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定さ
れるものではない。
[実施例] 参考例1.カルボキシメチル化カードランの調製 カードラン(和光純薬工業(株)製)60gにトルエン5
40mlとエタノール60mlを加え、これに50%水酸化ナトリ
ウム水溶液61gを滴下した後、50℃に加熱し、1時間撹
拌した。これに、モノクロル酢酸35gをトルエン:エタ
ノール=9:1の混合溶媒100mlに溶解したものを加え、更
に50℃で1時間撹拌した。この反応液に更に水酸化ナト
リウム水溶液とモノクロル酢酸溶液を加える前記の操作
を、2度繰り返した後、冷却し、一晩放置した。これ
を、90%メタノール11中に流し込み、生じた沈殿を濾取
し、乾燥して142gの粗結晶を得た。得られた粗結晶を14
20mlの蒸留水に溶解し、この溶液のpHを希塩酸を用いて
8に調整した。これに、メタノール12.78lを、撹拌下に
滴下し、生じた沈殿を濾取し、90%メタノール500mlで
洗浄後、乾燥し、目的のカルボキシメチル化カードラン
(以下、CMGLと略記する。)を得た。
実施例1. (試薬) ・ET溶液 エンドトキシン(ディフコ社製、E.coli 0111:B4株由
来のリポ多糖)を注射用蒸留水を用いて溶解し、これを
適宜希釈したものを使用した。
・GL溶液 ETを含まないカードラン(和光純薬工業(株)製)
を、ETを含まない50mM NaOH水溶液に5mg/mlとなるよう
に溶解した後、注射用蒸留水で適宜希釈したものを用い
た。
・AL溶液 リムルス属のカブトガニ由来のAL溶液の凍結乾燥品
(以下、LALと略記する。和光純薬工業(株)製、ゲル
化感度:0.03EU/ml、5ml用。)をETを含まない0.1M Tris
−塩酸緩衝液(pH7.3)5mlに溶解して得たLAL溶液を使
用した。
(検体) 上記のET溶液、GL溶液及び注射用蒸留水を用いて、1n
g/ml ET溶液、50ng/ml GL溶液及び、ET:1ng/ml及びGL:5
0ng/mlを含む溶液を調製して検体とした。
(操作法) 検体0.1mlに注射用蒸留水0.9mlを混合し、沸騰水浴中
に所定時間放置した後、水冷し、注射用蒸留水で全量1m
lにメスアップしたものを処理済試料として、トキシノ
メーターET−201(和光純薬工業(株)製)を用いて、
常法に従い以下の手順で測定を行った。
0.1mlのLAL溶液に0.1mlの処理済試料を加え、撹拌
後、37℃保温下に、透過光量比(%)(LAL溶液と検体
との混合直後の透過光量を100%とした場合の、所定時
間に於ける透過光量の相対値。)が5%減少するまでの
時間(以下、Tgと略記する。)を測定した。
(結果) 結果を、表1に示す。
表1の結果から明らかな如く、検体中のETは約100
℃、60分間の加熱処理で殆ど不活化されGLの測定への影
響は殆どなくなっているが、GLは約100℃、120分間の加
熱処理でも不活化されずにLAL溶液と反応することが判
る。
実験例1.血漿中のETへの加熱処理による影響 (試薬) 実施例1と同じものを使用した。
(検体) 10ng/mlのET溶液0.1mlと新鮮な正常人血漿0.9mlとを
混合したものを検体とした。
(操作法) 検体0.1mlを注射用蒸留水0.9mlと混合し、沸騰水浴中
に所定時間放置した後、水冷し、注射用蒸留水で全量1m
lにメスアップしたものを処理済試料として、トキシノ
メーターET−201を用いて、実施例1と同様の操作法に
より測定を行った。
また、対照として、処理済試料の代りに、1ng/mlのET
溶液を用いて同様の操作を行いTg値を求めた。
(結果) 結果を、表2に示す。
表2の結果から明らかな如く、血漿中のETは単に加熱
処理するだけでは不活化されないことが判る。また、新
鮮人血漿中にはETとLAL溶液とのゲル化反応を阻害する
物質が存在し、この物質は沸騰水浴中で10分間加熱処理
することにより不活化されることも判る。
そこで、次に、加熱処理をする際に、更にエタノール
(99.5%)を0.1ml添加し、それ以外は前記と同様の操
作を行ったTg値を測定した。
結果を表3に示す。
表3の結果から明らかな如く、エタノールを共有させ
て加熱処理を行った場合、120分後には血漿中のETが不
活化されたことが判る。
実験例2.血漿中のET以外のゲル化物質の測定 (試薬) LAL溶液は実施例1と同じものを使用した。
・CMGL溶液 参考例1で得られたCMGLを注射用蒸留水に所定濃度と
なるように溶解したものをCMGL溶液とした。
(検体) 所定濃度のCMGL溶液0.1mlと新鮮な正常人血漿0.9mlと
を混合したものを検体とした。
(操作法) 検体0.1mlを注射用蒸留水0.9mlと混合し沸騰水浴中で
10分間放置したもの(第1群)、及び検体0.1ml、注射
用蒸留水0.9ml及びエタノール0.1mlを混合し沸騰水浴中
で120分間放置したもの(第2群)を、各々氷冷し、注
射用蒸留水で全量1mlにメスアップしたものを処理済試
料として、トキシノメーターET−201を用いて、実施例
1と同様の操作法により測定を行った。
尚、処理済試料の代りに、検体0.1mlと注射用蒸留水
0.9mlとを混合しただけのもの(第3群)についても同
様に測定を行った。
また、対照として、処理済試料の代りに、所定濃度の
CMGL溶液と注射用蒸留水0.9mlとを混合しただけのもの
を用いて同様の操作を行いTg値を求めた。
(結果) 結果を、表4に示す。
表4の結果から明らかな如く、エタノールを共存させ
て加熱処理を行った場合でも、CMGLは不活化されないこ
とが判る。
また、表4の結果から新鮮人血漿中にはCMGLとLAL溶
液とのゲル化反応を阻害する物質が存在し、この物質は
沸騰水浴中で10分間加熱処理することにより不活化され
ることが判る。
実験例3.血漿中のETの不活化 (試薬) 実施例1と同じものを使用した。
(検体) 所定濃度のET溶液0.1mlと新鮮な正常人血漿0.9mlとを
混合したものを検体とした。
(操作法) 検体0.1mlを注射用蒸留水0.9mlと混合し沸騰水浴中で
10分間放置したもの(第1群)、及び検体0.1ml、注射
用蒸留水0.9ml及びエタノール0.1mlを混合し沸騰水浴中
で120分間放置したもの(第2群)を、各々水冷し、注
射用蒸留水で全量1mlにメスアップしたものを処理済試
料として、トキシノメーターET−201を用いて、実施例
1と同様の操作法により測定を行った。
(結果) 結果を、表5に示す。
表5の結果から明らかな如く、約10%のエタノール共
存下の加熱処理により、血漿中のET量として1ng/mlまで
は不活化できることが判る。
実施例2.血漿中のETの不活化とET以外のゲル化物質の測
定 (試薬) ET溶液及びLAL溶液については実施例1と同じもの
を、CMGL溶液については実験例2と同じものを使用し
た。
(検体) 所定濃度のCMGL溶液0.1mlと新鮮な正常人血漿0.8mlと
に、10ng/mlのET溶液若しくは注射用蒸留水の0.1mlを加
えて混合したものを検体とした。
(操作法) 検体0.1ml、注射用蒸留水0.9ml及びエタノール0.1ml
を混合し沸騰水浴中で120分間放置したものを、氷冷
し、注射用蒸留水で全量1mlにメスアップしたものを処
理済試料として、トキシノメーターET−201を用いて、
実施例1と同様の操作法により測定を行った。
(結果) 結果を、表6に示す。
表6の結果から明らかな如く、本発明の測定方法によ
れば、血漿中のET以外のゲル化物質を簡便に且つ効率良
く測定し得ることが判る。
参考例2.血漿中のET以外のゲル化物質濃度と感染症との
関連性の検討 (試薬) 実施例1と同じものを使用した。
(検体) 新鮮人血漿20検体を検体とした。
(操作法) 検体0.1ml、注射用蒸留水0.9ml及びエタノール0.1ml
を混合し沸騰水浴中で120分間放置したものを、氷冷
し、注射用蒸留水で全量1mlにメスアップしたものを処
理済試料として、トキシノメーターET−201を用いて、
実施例1と同様の操作法により測定を行った。
また、所定濃度のGL溶液を用いて、GL濃度とTg値との
検量線を作成し、この検量線を用いて検体中のET以外の
ゲル化物質濃度をGLに換算して測定した。
(結果) 血漿中のゲル化物質濃度の感染症との相関関係を、第
1図に示す。
この結果から明らかな如く、血漿中のET以外のゲル化
物質は真菌症で有為に増加することが判る。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明は、被検試料中に存在するAL
溶液と反応してゲル化反応を起こす物質のうち、ETのみ
を選択的に且つ簡便に不活化し得る方法、及び被検試料
中のET以外のゲル化物質の測定方法を提供するものであ
り、従来の方法では判別及び定量の難しかった。試料中
に共存するETとET以外のゲル化物質のうち、ET以外のゲ
ル化物質の定量を簡便に且つ精度良く行える点に甚だ顕
著な効果を奏するものであり、斯業に貢献するところ大
なる発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例2により得られた、血漿中のET以外のゲ
ル化物質濃度と感染症との相関関係を示すものであり、
横軸の正常人又は各感染症患者の血漿中のET以外のゲル
化物質濃度(pg/ml)を縦軸に沿ってプロットしたもの
である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検試料を60〜140℃で少なくとも60分間
    加熱処理することにより行うことを特徴とする、被検試
    料中のエンドトキシンの不活化方法。
  2. 【請求項2】加熱処理を行う際に水溶性の有機溶媒を共
    存させる、請求項1に記載の不活化方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の方法により処理を行った
    被検試料とカブトガニ血球成分抽出液とを反応させ、そ
    の際に生ずるゲル化反応に基づく変化を測定することに
    より行うことを特徴とする、被検試料中に含まれるエン
    ドトキシン以外のゲル化物質の測定方法。
  4. 【請求項4】試料中に含まれる、エンドトキシン以外の
    ゲル化物質がβ−1,3−グルカン又は/及びその誘導体
    である、請求項3に記載の測定方法。
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