JP3394982B2 - ガン療法用副作用防止剤 - Google Patents

ガン療法用副作用防止剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガン療法用副作用防止剤
に関し、より詳細には肝実質細胞増殖因子(以下、HG
Fという)を有効成分として含有し、ガン治療における
副作用を軽減ないし防止することのできる薬剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】厚生省による人口動態統計によれば、現
在、わが国の死因の第一位は悪性新生物、すなわちガン
であり、これまでのところ死亡者数は毎年増加してい
る。我国のガン患者は推定80万人であり、毎年30万
人以上の新しい患者が発生していると言われている。新
規なガン治療法あるいは新規な制ガン剤の開発は医療・
医薬研究者の最大の関心事であり、また今日の医療にお
ける最大の課題である。ガンの治療法としては、従来か
ら制ガン剤(例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生
物質、ホルモン類、生体反応修飾物質等)の投与、放射
線の照射及び外科的処置が単独又は組み合わされて実施
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から行われている
ガン療法は、主としてガン病巣の除去、消滅を目的とす
るものであるが、生体のトータルな機能の改善の中で治
療を考える必要があり、副作用の一層の軽減を図ること
の重要性が認識され、かかる見地からのガン療法が検討
されている。即ち、従来の化学療法に用いられている制
ガン剤は、ガン細胞と正常細胞との質的な差異が少ない
ため、制ガン効果の強いものほど副作用が強く、副作用
のない制ガン剤は効果もないとさえいわれている。現今
の制ガン剤の毒性は不可避であるため、化学療法に際し
ては、この毒性を軽減しつつ、その有効性を最大限に利
用することが必要である。また、放射線療法において
は、本来、生体に悪影響を及ぼす放射線を利用するもの
であり、生体の受ける副作用も大きいので、副作用の軽
減を図ることは極めて重要である。このように、ガンの
化学療法及び放射線療法においては、ガン細胞のみなら
ず、正常細胞・組織も傷害を受け、例えば、骨髄抑制、
悪心嘔吐、心障害、肺線維症、肝障害、腎障害、脱毛、
皮膚症状等の副作用をもたらす。特に、増殖速度の高い
細胞・組織は大きな傷害を受け易い。かかる副作用のた
め、より強力な治療を行い難い問題があり、ガン治療の
ネックとなっている。このような問題から、正常細胞・
組織に対する毒性を軽減させるための研究がされてお
り、γ−グロブリン、チトクロームC、アデニン、SH
化合物、ビタミンB群等が副作用防止剤として用いられ
ることがあるが、その効果は不十分である。最近、造血
組織に対する毒性の緩和にコロニー刺激因子(CSF)
が用いられ、制ガン剤療法に伴う白血球減少症を軽減で
きることが報告されており(Motoyosi, K. et al, Exp.
Hematol., 14: 1069-1075, 1986)、中胚葉由来の細胞
・組織の受ける傷害の緩和にCSFが有効であることが
知られているが、外胚葉・内胚葉由来の細胞・組織に対
する副作用を軽減できる物質は知られておらず、かかる
物質が求められている。本発明は上記の問題を解決する
ためになされたもので、ガン治療において、正常細胞・
組織の受ける傷害を緩和し、副作用を軽減することがで
きるガン療法用副作用防止剤を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、年余にわた
り肝実質細胞の増殖因子を研究し、その結果HGFを単
離精製することに成功した。本発明者は、HGFが増殖
因子として肝細胞のみならず広く上皮系細胞に働くこと
を明らかにし、いくつかの発明を成就した。特願平2−
158841号においては、HGFが腎の近位尿細管細
胞の増殖を促進することより、腎疾患治療剤としての応
用開発を、また特願平2−419158号においては、
HGFがメラノサイト、ケラチノサイトなど正常上皮細
胞の増殖を促進することより、上皮細胞促進剤として創
傷治療や皮膚潰瘍治療、毛根細胞の増殖剤などへの応用
開発を成就し、その詳細を開示した。特に、HGFはE
GF等他の多くの増殖因子に見られるガン化作用やガン
細胞増殖活性を有さないことから、より実用に適してい
る。さらに本発明者らは、特願平3−140812号に
おいてHGFのヒト肝ガン由来HepG2細胞株、リン
パ芽球ガン由来IM9細胞株などに対するガン細胞増殖
抑制活性を利用し、制ガン剤としても利用可能であるこ
とを開示した。本発明者は、HGFの活性を更に研究し
た結果、ガン治療において正常細胞・組織が受ける傷害
をHGFが緩和し、副作用を軽減できることを見出して
本発明を完成した。即ち、本発明は、HGFを有効成分
とするガン療法用副作用防止剤に関する。
【0005】本発明のガン療法用副作用防止剤におい
て、有効成分であるHGFは、本発明者らが再生肝ラッ
ト血清中から成熟肝実質細胞をin vitroで増殖させる因
子として見出した蛋白質である(Biochem Biophys Res C
ommun, 122, 1450, 1984)。本発明者らはさらに、HG
Fをラット血小板より単離することに成功し(FEBS Lett
er, 22, 311, 1987)、そのアミノ酸配列を一部決定し
た。さらに、本発明者らは解明されたHGFアミノ酸配
列をもとにヒト及びラット由来のHGFcDNAクロー
ニングを行い、そのcDNAを動物組織に組換えてHG
Fを蛋白質として得ることに成功した(ヒトHGF:Na
ture, 342, 440, 1989; ラットHGF:Proc. Natl. A
cad. Sci, 87, 3200、 1990)。
【0006】上記のHGFは、SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動より分子量82〜85kDである。ラ
ットHGF分子は463アミノ酸残基からなるα鎖と2
33アミノ酸残基からなるβ鎖が1個のジスルフィド結
合により架橋したヘテロダイマー構造をもち、α、β両
鎖とも2個のグルコサミン型糖鎖結合部位が存在する。
ヒトHGFもまたほぼ同じ生理活性を有し、463アミ
ノ酸残基からなるα鎖と234アミノ酸残基からなるβ
鎖とからなる。α鎖中には線溶酵素プラスミンと同様の
クリングル構造が4個存在し、β鎖のアミノ酸配列にお
いてもセリンプロテアーゼ活性を有するプラスミンのB
鎖と約37%のホモロジーを有する。ヒトHGF前駆体
のアミノ酸配列及びこれをコードする遺伝子の塩基配列
をそれぞれ図1〜図3及び図4〜図5に示した。ヒトH
GFは図1〜図3に示される728個のアミノ酸からな
る前駆体として生合成され、その後463アミノ酸残基
(図1の配列の第32位のGlnから図2の配列の第49
4位のArgまで)からなるα鎖と、234アミノ酸残基
(図2の配列の第495位のValから図3の配列の第728
位のSerまで)からなるβ鎖にわかれる。ラットHGFと
ヒトHGFのアミノ酸配列のホモロジーはα鎖において
91.6%、β鎖において88.9%と非常に高い相同性をもち、
その活性は全く互換性がある。
【0007】上記のHGFは種々の方法により得ること
ができる。例えば、ラット、ウシなどの哺乳動物の肝
臓、脾臓、肺臓、骨髄、脳、腎臓、胎盤等の臓器、血小
板、白血球等の血液細胞や血漿、血清などから抽出、精
製して得ることができる。また、HGFを産生する初代
培養細胞や株化細胞を培養し、培養物から分離精製して
HGFを得ることもできる。あるいは遺伝子工学的手法
によりHGFをコードする遺伝子を適切なベクターに組
込み、これを適当な宿主に挿入して形質転換し、この形
質転換体の培養物から目的とする組換えHGFを得るこ
とができる(Nature, 342, 440, 1989)。上記の宿主細胞
は特に限定されず、従来から遺伝子工学的手法で用いら
れている各種の宿主細胞、例えば大腸菌、枯草菌、酵
母、糸状菌、植物又は動物細胞などを用いることができ
る。
【0008】より具体的には、HGFを生体組織から抽
出精製する方法としては、例えば参考例1に示すように
ラットに四塩化炭素を腹腔内投与し、肝炎状態にしたラ
ットの肝臓を摘出して粉砕し、S−セファロース、ヘパ
リンセファロースなどのゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製することができる。あるいは参考例2に示すよ
うに遺伝子組換え法を用い、図4〜図5に示したヒトH
GFのアミノ酸配列をコードする遺伝子を、ウシパピロ
ーマウィルスNDAなどのベクターに組み込んだ発現ベ
クターによって動物細胞、例えばチャイニーズハムスタ
ー卵巣(CHO)細胞、マウスC127細胞や、サルC
OS細胞などを形質転換し、その培養上清より得ること
ができる。
【0009】こうして得られたHGFは、そのアミノ酸
配列の一部が欠失又は他のアミノ酸により置換されてい
たり、他のアミノ酸配列が一部挿入されていたり、N末
端及び/又はC末端に1又は2以上のアミノ酸が結合し
ていたり、あるいは糖類が同様に欠失又は置換されてい
てもよい。かかるHGF同効物としては、例えば、特開
平3−130091号公報、国際公開WO90/106
51号公報などに記載の物質が挙げられ、これらも本発
明に適用でき、本発明の範囲に含まれる。本発明のガン
療法用副作用防止剤の有効成分であるHGFは、ヒトを
含むウシ、ウマ、ラット、ヒツジなどいずれの哺乳動物
に由来するものであってもよく、またいずれの哺乳動物
のガン治療に対しても有効な副作用防止作用を示す。す
なわち、本発明の薬剤はヒトの医薬品のみならず動物用
医薬品としても用いることができる。
【0010】本発明のガン療法用副作用防止剤は、制ガ
ン剤による化学療法や放射線療法と併用してガン治療に
利用され、それらの処置に起因する副作用の低減を図る
ことが可能となる。HGFは肝細胞、腎の近位尿細管細
胞の増殖を促進するので、肝障害、腎障害の緩和が図れ
るが、広く上皮系細胞に対しても増殖促進作用を有する
ので、悪心・嘔吐、脱毛などの副作用も軽減できる。即
ち、悪心・嘔吐は消化管上皮細胞が損傷を受け、近位の
末梢神経が刺激されて生ずるものであり、また脱毛は毛
根周辺の増殖の激しい組織が損傷を受けるために生ずる
ものである。HGFは、上皮細胞、メラノサイト、ケラ
チノサイトを含め、主として外胚葉・内胚葉由来の細胞
・組織に対して選択的に増殖促進作用を及ぼすので、こ
れらの細胞・組織に対する制ガン剤及び放射線の副作用
を軽減し、より強力なガン治療法の適用を可能とし、制
ガン効果の向上が図れる。また、HGFで処理された細
胞は細胞傷害を受けにくくなるので、化学療法及び放射
線療法に際しての前処置剤としても有用であり、HGF
で前処置をすることにより、副作用を予防することがで
きる。HGFの医薬品としての実用性を考える上でさら
に重要な点は、HGFがG1期、すなわち増殖期に入っ
た細胞のみを増殖促進し、G0期、すなわち静止期にあ
る細胞には作用しないことである。このことは、傷害の
ある組織の増殖再生は促進するが、傷害を受けていない
組織に対しては全く作用を及ぼさないことを意味する。
従って、過剰にHGFを投与しても、あるいは血液など
を介して非患部にHGFが到達しても、正常組織にガン
化を誘導したり過剰な増殖を起こすことがないと考えら
れる。
【0011】本発明の副作用防止剤は種々の製剤形態
(例えば、液剤、固形剤、カプセル剤など)をとりうる
が、一般的には有効成分であるHGF単独若しくは慣用
の担体と共に注射剤とされるか、又は慣用の担体と共に
外用薬とされる。当該注射剤は常法により調製すること
ができ、例えば、HGFを適切な溶剤(例えば、滅菌
水、緩衝液、生理食塩水等)に溶解した後、フィルター
等で濾過して滅菌し、次いで無菌的な容器に充填するこ
とにより調製することができる。注射剤中のHGF含量
としては、通常0.0002〜0.2(W/V%)程度、好ましくは0.0
01〜0.1(W/V%)程度に調整される。また、外用薬として
は、例えば、軟膏状、ゲル状、液状などの剤形に製剤化
され、製剤中のHGF含量は、外用薬の適用疾患、適用
部位などに応じて適宜調整することができる。製剤化に
際して、好ましくは安定化剤が添加され、安定化剤とし
ては、例えば、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、マ
ンニトール、グルコース、デキストラン、エチレングリ
コールなどが挙げられる。さらに、本発明の薬剤は製剤
化に必要な添加物、例えば、賦形剤、溶解補助剤、酸化
防止剤、無痛化剤、等張化剤等を含んでいてもよい。液
状製剤とした場合は凍結保存、又は凍結乾燥等により水
分を除去して保存するのが望ましい。
【0012】本発明の副作用防止剤は該製剤組成物の形
態に応じた適当な投与経路により投与され得る。例え
ば、注射剤の形態にして静脈、動脈、皮下、筋肉内等に
投与することができる。その投与量は、患者の症状、年
齢、体重などにより適宜調整されるが、通常HGFとし
て0.01mg〜100mgであり、これを1日1回ないし数回に
分けて投与するのが適当である。
【0013】
【発明の効果】本発明のガン療法用副作用防止剤はHG
Fを有効成分として含有し、HGFは化学療法、放射線
療法等における正常細胞・組織が受ける傷害を緩和し、
副作用を軽減できるので、より強力なガン治療を行うこ
とが可能となり、制ガン効果の向上が図れるので、臨床
上極めて有用である。また、HGFは正常上皮系細胞の
み増殖促進し、肝非実質細胞や線維芽細胞など正常間葉
系細胞の増殖になんら影響せず、また細胞をガン化させ
る活性を持たないため、特異性の高い、また副作用の少
ない薬剤とすることができる。
【0014】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために参考例、
試験例及び実施例を挙げるが、本発明はこれらによって
なんら限定されるものではない。 参考例1ラット肝臓からのHGFの単離 Wister系ラットに体重の0.2%の量の四塩化炭素を、腹腔
内投与し投与後約30時間目で肝臓を摘出した。肝臓はワ
ーリングブレンダーで破砕後、日立20PR-52型冷却遠心
機を用いて10,000rpm20分間遠心し、上清を得た。上清
を、0.15M NaCl、10mMヘペス、2mM CaCl2及び
0.01%Tween80を加えた50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)で4
℃一昼夜透析した。透析内液を透析液で平衡化したS−
セファロース(FF)(ファルマシア社製)カラムに注入
し、洗浄後NaClの濃度勾配により溶出を行い、HG
FはNaCl濃度0.7M付近に溶出した。次にこのHGF
をブルートリスアクリルM(IBF社製)クロマトグラ
フィーにて精製した。溶出はアルギニンの濃度勾配によ
り行い、HGFはアルギニン濃度0.25M付近で溶出し
た。得られた分画を次にヘパリン-セファロース(ファル
マシア社製)クロマトグラフィーにより精製した。溶出
はNaClの濃度勾配により行い、HGFは1M前後のN
aCl濃度付近で溶出した。次にフェニル5PW(東ソ
ー社製)クロマトグラフィーにより精製した。溶出はN
aCl濃度減少及びエチレングリコール濃度上昇勾配に
より行った。ラット100匹の肝臓当たり10μgのHGFが
得られた。精製HGFの比活性は約50万単位/mgであっ
た。得られたHGFは0.25%BSA(牛血清アルブミ
ン)を加え、PBS(リン酸緩衝食塩水)にて透析し
た。
【0015】参考例2遺伝子組換え法によるHGFの製造 遺伝子組換え法によりヒト細胞由来のHGFを製造し
た。Wiglerらの方法(Cell, 11, 223, 1977)に記載され
た方法に従って、ヒトHGFのアミノ酸配列をコードす
る遺伝子により形質転換されたチャイニーズハムスター
卵巣(CHO)細胞を培養し、その培養上清より、ヒト
HGFを得た。すなわち、ヒト肝臓のmRNAから造ら
れたcDNAライブラリーをスクリーニングし、ヒトH
GFのアミノ酸配列をコードするクローンHAC19と
HBC25を得た。HAC19からのDNAをBamH
IとScaIで、HBC25からのDNAをScaIと
PstIで消化し、それぞれ得られた2つのDNAフラ
グメントをブルースクリプトKSIIのBamHIとP
stI部位に連結して挿入し、pBS[hHGFII]
を得た。pBS[hHGFII]をXbaIとSalI
とNaeIで消化し、更にT4DNAポリメラーゼで平
滑末端とした後、ヒトHGFをコードする約3KbのD
NAフラグメントをウシパピローマウィルスNDAをベ
クターとする発現ベクターpBPMTのEcoRV部位
に挿入し、pBPMT[hHGFII]を得た。得られ
たHGF発現ベクターpBPMT[hHGFII]を用
いて、DEAEデキストラン法によりCHO細胞を形質
転換した。形質転換体の選択は、G418を含む培地で
増殖させることにより行った。得られた形質転換体の中
から、高いHGF産生能を示す細胞株BPH89を選び
だした。BPH89細胞を牛胎児血清を加えた培地で増
殖させた後、培地を2日おきに交換して、HGFを実施
例1の精製法に準じた方法により精製した。
【0016】参考例3成熟ラット肝細胞の単離及び初代培養 成熟ラット肝実質細胞は、Seglenの方法(Meth. Cell Bi
ol. 13: 29-33, 1976)に準じて、コラーゲンを用いた肝
臓の灌流により単離した。初代培養の概要は以下のとお
りである。ウイリアムズ培地(5%ウシ血清、10-9Mインス
リン及び10-9Mデキサメサゾン含有)に分散させた単離肝
細胞を、I型コラーゲンでコーティングした12穴プラ
スチックディシュ(コーニング社製)に蒔いた。培養培
地は2時間後に血清及びホルモンを含有せず、0.5μg/m
lのアプロチニンを含有する培地に交換した。
【0017】本発明のガン療法用副作用防止剤の有効成
分であるHGFの肝細胞保護作用を下記試験例1〜4に
示す。HGFの肝細胞保護作用は、初代培養肝細胞から
の細胞質酵素の漏出により試験した。即ち、四塩化炭素
は肝毒性物質であり、生体内で肝炎を引き起こす。この
四塩化炭素を実験動物に投与すると、投与量に応じて肝
臓からグルタメートオキサロアセテート トランスフェ
ラーゼ(GOT)、グルタメート ピルベート アミノ
−トランスフェラーゼ(GPT)、ラクテート デヒド
ロゲナーゼ(LDH)などの細胞質酵素を血液中に漏出
する。この現象を模して、初代培養肝細胞に肝毒性物質
を添加した系で、GOTなどの細胞質酵素を漏出させ、
この系にHGFを添加し、GOTなどの細胞質酵素の漏
出を抑制する程度によりHGFの肝細胞保護作用を試験
した。なお、以下の試験例1〜4において、HGFは参
考例2の方法に準じて調製した組換え体ヒトHGFを用
いた。また、四塩化炭素溶液は、四塩化炭素をDMFに
1Mとなるように溶解し、次いでウイリアムズ培地で希
釈し、最終濃度が5mMとなるように調整した溶液を用い
た。
【0018】試験例1 参考例3に示した初代培養肝細胞を1.2×105細胞/cm2
の密度で蒔き、翌日に血清を含まない培地に交換し、H
GF(10ng/ml)及び/又は四塩化炭素(5mM)を添加した。
所定時間培養後に、培地を集めて遠心分離し、上清を回
収した。上清中のGOT活性を常法により測定した。そ
の結果(それぞれ、3穴の試験の平均値)を図6に示
す。なお、同図中、○は無添加の系(コントロール)、
●は四塩化炭素を添加した系、□は四塩化炭素とHGF
を添加した系である。図6に示されるように、四塩化炭
素のみを添加した系においては、培地へのGOTの漏出
が認められ、細胞が傷害を受けている。それに対し、H
GFを共存させた系においては、GOTの漏出はコント
ロールと同程度であり、細胞傷害が抑制されていること
が明らかとなった。なお、上記の上清中のLDH活性及
びGPT活性についても測定したが、これらの酵素の肝
細胞からの漏出もHGFの存在により抑制されているこ
とが確認された。
【0019】試験例2 参考例3に示した初代培養肝細胞を1.2×105細胞/cm2
の密度で蒔き、翌日に血清を含まない培地に交換し、最
終濃度で3 mMの四塩化炭素を加え、更に種々の濃度のH
GFを添加した。24時間培養後に、培地を集めて遠心分
離し、上清を回収した。上清中のGOT活性を常法によ
り測定した。その結果(それぞれ、3穴の試験の平均
値)を図7に示す。なお、四塩化炭素を添加していない
系(コントロール)における24時間後のGOT活性は6.
0mU/mlであった。図7に示されるように、肝細胞からの
GOTの漏出は、HGFにより0〜8ng/mlの範囲で用
量依存的に抑制され、HGFが肝細胞保護作用を有する
ことが明らかとなった。
【0020】試験例3 参考例3に示した初代培養肝細胞を1.2×105細胞/cm2
の密度で蒔き、所定時間、HGF(10ng/ml)又は四塩化
炭素(5mM)に曝した。翌日に血清を含まない培地に交換
し、HGF(10ng/ml)及び/又は四塩化炭素(5mM)を添加
した。24時間培養後に、培地を集めて遠心分離し、上清
を回収した。上清中のGOT活性を常法により測定し
た。その結果(それぞれ、3穴の試験の平均値)を図8
に示す。同図中、0hは培地交換時を示し、また白抜き
バーは細胞を四塩化炭素に曝した時間を、淡点付きバー
は細胞をHGFに曝した時間を示す。図8に示されるよ
うに、四塩化炭素に曝す前に細胞をHGFで処理した場
合にもGOTの漏出は抑制され、また四塩化炭素に曝さ
れた細胞にHGFを添加した場合であってもGOTの漏
出は抑制された。
【0021】試験例4 参考例3に示した初代培養肝細胞を1.2×105細胞/cm2
の密度で蒔き、翌日に血清を含まない培地に交換し、H
GF(10ng/ml)並びに四塩化炭素(5mM)又はマイトマイシ
ンC(8μM)を添加した。24時間培養後に、培地を集めて
遠心分離し、上清を回収した。上清中のGOT活性を常
法により測定した。その結果(それぞれ、3穴の試験の
平均値)を表1に示す。表1に示されるように、HGF
は、肝毒性物質である四塩化炭素及びマイトマイシンC
によるGOTの漏出を抑制していることが明らかとなっ
た。
【0022】
【0023】試験例5HGFの近位尿細管細胞に対する増殖効果 HGFの近位尿細管細胞に対する増殖効果を下記の方法
で確認した。 ラット腎近位尿細管細胞の単離 バルビタール系麻酔剤によりWister系ラットを麻酔し、
腹部を切開して腎臓を摘出し、氷で冷却したプレートに
取り出した。皮質部分を集め、小片に刻んでダウンスホ
モジナイザーにかけた。得られたホモジェネートを245
μm孔ナイロンメッシュで濾過し、さらに尿細管細胞と
顆粒細胞を分離するために105μm孔ナイロンメッシュで
濾過した後、メッシュ上に残った画分を氷で冷却したイ
ーグルの最少栄養培地に移した。この画分に少量の顆粒
細胞が残存していたので、0.01%コラゲナーゼを培地に
添加し37℃で3分間処理し、フィブロブラストを除去し
た後、80g×2分間の遠心分離を行い、精製近位尿細管細
胞を得た。
【0024】HGFの近位尿細管細胞に対する増殖活
性 上記で単離した腎近位尿細管細胞の培養系にHGFを添
加し、細胞増殖効果をDNA合成の増加により調べた。
すなわち、上記により得られた近位尿細管細胞を、1×1
0-8Mインスリン(シグマ社、米国)、1×10-8Mデキサメサ
ゾン(和光純薬社)、5μg/mlトランスフェリン(シグ
マ社、米国)、5U/mlアプロチニン(持田製薬社)を添
加したDME・F−12混合培地(DME培地:F−1
2培地=1:1、日水製薬社)に懸濁し、24穴のマルチ
プレートに4×104個/ウェルの濃度で蒔いた。5%C
2、30%O2、65%N2の存在下、37℃で24時間培
養後、5U/mlアプロチニンを添加したDME・F−1
2混合培地に交換し、同培養条件下で48時間培養した。
培地を新しく調製した5U/mlアプロチニン添加DME
・F−12混合培地に交換すると共に被検試料として参
考例1で得られたラットHGF(0.25%BSAを加え、
PBSで透析したもの)、及び陽性対照として10ng/ml
EGF(上皮細胞成長因子、雄マウス顎下腺由来)+1
×10-7Mインスリンを所定量添加した。16時間培養後、
1μCi/mlの[125I]デオキシウリジン(ニューイ
ングランドニュークレア社、米国)10μl/ウェルを添加
した。4時間後、PBSで細胞を洗浄し、10%トリクロロ
酢酸溶液に移し、5分間インキュベートした。トリクロ
ロ酢酸を除去し、1M水酸化ナトリウム溶液で細胞を溶
解し、放射能をガンマカウンターにて測定した。その結
果を図9に示す。図9から明らかなように、ラットHG
Fはラット腎臓の近位尿細管細胞を用量依存的に増殖さ
せる活性を示した。すなわち、2ng/mlのHGFを添加す
ることにより、該培養細胞のDNA合成は約2倍に、10
ng/mlのHGFにより約3倍に促進された。これにより
本発明の有効成分であるHGFは培養腎細胞を増殖させ
る活性を有することが明らかになると共に、生体内にお
ける腎再生を促進させる活性を有することが明らかとな
った。
【0025】試験例6ヒト正常表皮メラノサイトの増殖に対する効果 本発明の副作用防止剤の有効成分であるHGFの、メラ
ノサイトに対する増殖促進作用を以下の方法により確認
した。MCDB153(高アミノ酸タイプ)培地にイン
スリン5μg/ml、ヒドロコーチゾン0.5μg/ml、フォル
ボール 12−ミリステート 13−アセテート(PM
A)10ng/mlを加えた無血清基礎培地を用いてヒト正常
表皮メラノサイト(クラボウ株式会社)を懸濁し、12穴
プラスチックプレートに104個/ウェルになるように蒔
いた。10%CO2、25%O2、65%N2の条件下37
℃で培養した。24時間培養後、無血清基礎培地にHGF
を0から20ng/mlの範囲で段階的に加えた試験培地に交
換し、培養を続けた。培養開始9日後に再びHGFを加
えた試験培地を用いて培地交換をした後、15日後培養を
終了し、最終細胞数をヘモサイトメーターにてカウント
した。その結果を図10に示す。図10に示されるよう
に、正常メラノサイトはHGFにより0から10ng/mlの
範囲で用量依存的に増殖を促進され、最適濃度において
約5倍にまで高められることが確認された。
【0026】試験例7ヒト正常表皮メラノサイトの複製DNA合成に対する効
試験例6に記載された無血清基礎培地にヒト正常表皮メ
ラノサイトを懸濁し、24穴プラスチックプレートに4×1
04個/ウェルになるように蒔き、10%CO2、25%
2、65%N2の条件下37℃で培養した。24時間培養
後、無血清基礎培地にHGFを0から20ng/mlの範囲で
段階的に加えた試験培地に交換し、培養を続けた。24時
間培養後、0.5μCiの[125I]デオキシウリジンを各
ウェルに添加した。さらに4時間培養して細胞に[125
I]を取り込ませた後、細胞をpH7.4のPBSにて洗
浄し、冷10%トリクロロ酢酸水溶液で固定した。細胞を
1N水酸化ナトリウム水溶液で可溶化し、その放射能を
ガンマーカウンターにより測定した。また、放射能測定
後の試料の一部をとってMicro BCA Protein Assay Syst
em(ピアース社)により蛋白質量を測定した。細胞内に取
り込まれた標識デオキシウリジンの量をコントロールと
のカウント差として求め、これをヒト正常表皮メラノサ
イト蛋白質1mg当りに換算してDNA合成活性(dpm/mg
蛋白質)とした。その結果を図11に示す。図11に示
されるように、正常メラノサイトはHGFにより0から
10ng/mlの範囲で用量依存的に複製DNA合成が促進さ
れ、最適濃度において約4倍にまで高められることが確
認された。
【0027】試験例8ヒト正常表皮ケラチノサイトの増殖に対する効果 本発明の副作用防止剤の有効成分であるHGFの、ケラ
チノサイトに対する増殖促進作用を以下の方法により確
認した。試験例6に記載された無血清基礎培地にウシ視
床下部抽出物150μg蛋白質/mlを加えた培地にヒト正常
表皮ケラチノサイトを懸濁し、12穴プラスチックプレー
トに104個/ウェルになるように蒔いた。10%CO2
25%O2、65%N2の条件下37℃で培養した。24時間
培養後、カルシウムイオン濃度を1.8mMに調整した無血
清基礎培地に交換し、さらに24時間培養後HGFを0か
ら20ng/mlの範囲で段階的に添加し、培養を続けた。培
養開始6日後、培地をHGFを加えた新しい培地に交換
して培養を続け、4日後(培養開始から10日後)培養を
終了し、最終細胞数をヘモサイトメーターにてカウント
した。その結果を図12に示す。図12に示されるよう
に、正常ケラチノサイトはHGFにより0から2.5ng/ml
の範囲で用量依存的に増殖を促進され、最適濃度におい
て約3倍にまで高められることが確認された。
【0028】試験例9ヒト正常表皮ケラチノサイトの複製DNA合成に対する
効果 試験例6記載された無血清基礎培地にウシ視床下部抽出
物150μg蛋白質/mlを加えた培地にヒト正常表皮ケラチ
ノサイトを懸濁し、24穴プラスチックプレートに4×104
個/ウェルになるように蒔いた。10%CO2、25%
2、65%N2の条件下37℃で培養した。24時間培養
後、カルシウムイオン濃度を1.8mMに調整した無血清基
礎培地に交換し、さらに24時間培養後HGFを0から20
ng/mlの範囲で段階的に添加し、培養を続けた。24時間
培養後0.5μCiの[125I]デオキシウリジンを各ウェ
ルに添加した。さらに4時間培養して細胞に[125I]
を取り込ませた後、細胞をpH7.4のPBSにて2回洗
浄し、冷10%トリクロロ酢酸水溶液で固定した。細胞を
1N水酸化ナトリウム水溶液で可溶化し、その放射能を
ガンマーカウンターにより測定した。また放射能測定後
の試料の一部をとってMicro BCA Protein Assay System
(ピアース社)により蛋白質量を測定した。細胞内に取り
込まれた標識デオキシウリジンの量をコントロールとの
カウント差として求め、これをヒト正常表皮メラノサイ
ト蛋白質1mg当りに換算してDNA合成活性(dpm/mg蛋
白質)とした。その結果を図13に示す。図13に示さ
れるように、正常メラノサイトはHGFにより0から5
ng/mlの範囲で用量依存的に複製DNA合成を促進さ
れ、最適濃度において約2倍にまで高められることが確
認された。
【0029】試験例10動物におけるHGFの保護作用 本発明のガン療法用副作用防止剤の有効成分であるHG
Fの動物における保護作用を下記試験例に示す。HGF
による保護作用は、体重、肝重量及び腎重量により試験
した。即ち、制ガン剤であるシスプラチンを実験動物に
投与すると、体重、肝重量、腎重量が減少する。この
時、HGFを動物に投与し、保護作用を試験した。動物
は、BALB/c雄性マウス9週令を使用した。シスプ
ラチンは、日本化薬社製ランダ注を腹腔内に5mg/kg又
は10mg/kgとなるように投与した。HGF溶解液は0.25%
BSA、0.01% Tween 80を含むPBS(−)を用い、0.1m
g/mlとなるようにHGFを溶解して、マウス1匹当り0.
1mlを尾静脈より1日2回、12時間毎に投与した(10μ
g/マウス × 2回/日 × 4日)。HGFは、シスプ
ラチン投与日を含めて連続4日間投与し、5日目に開腹
し、肝、腎を摘出し重量を測定した。その結果(それぞ
れ、一群6匹の試験の平均値)を図14(体重)及び表
2(肝重量及び腎重量)に示す。図14及び表2に示さ
れるように、HGFの投与により体重、肝重量及び腎重
量の減少を抑制できることが確認された。
【0030】
【0031】実施例1 生理食塩水100ml中にHGF100mg、マンニトール1g及
びポリソルベート80 10mgを含む溶液を無菌的に調製
し、バイアル瓶に1mlずつ無菌的に分注し、常法に準じ
て凍結乾燥し、凍結乾燥製剤を得た。
【0032】実施例2 0.15M NaClと0.01%ポリソルベート80を含むpH7.4の
0.02Mリン酸緩衝液100mlにHGF100mgとヒト血清アル
ブミン100mgを添加した水溶液を無菌的に調製し、バイ
アル瓶に1mlずつ無菌的に分注し、常法に準じて凍結乾
燥し、凍結乾燥製剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトHGF前駆体のアミノ酸配列(1〜240
番)を示す図である。
【図2】ヒトHGF前駆体のアミノ酸配列(241〜4
95番)を示す図である。
【図3】ヒトHGF前駆体のアミノ酸配列(496〜7
28番)を示す図である。
【図4】ヒトHGF前駆体のアミノ酸配列(図1〜図
3)をコードする遺伝子の塩基配列(1〜1560番)
を示す図である。
【図5】ヒトHGF前駆体のアミノ酸配列(図1〜図
3)をコードする遺伝子の塩基配列(1561〜218
4番)を示す図である。
【図6】四塩化炭素に曝された肝細胞からのGOT漏出
量の時間変化を示す図である。同図中、○は無添加の系
(コントロール)、●は四塩化炭素を添加した系、□は
四塩化炭素とHGFを添加した系を示す。
【図7】四塩化炭素に曝された肝細胞からのGOT漏出
に対するHGFの抑制効果(添加量−応答曲線)を示す
図である(試験例2参照)。
【図8】四塩化炭素に曝された肝細胞からのGOT漏出
に対するHGFの抑制効果を示す図である(試験例3参
照)。
【図9】ラット近位尿細管細胞に対するラットHGFの
増殖促進活性の測定結果を示す図である(試験例5参
照)。同図中、●はHGFを添加した系、□はEGF+
インスリン(陽性対照)を示す。
【図10】ヒト正常表皮メラノサイトに対するHGFの
増殖促進活性(細胞数)を示す図である(試験例6参
照)。
【図11】ヒト正常表皮メラノサイトに対するHGFの
増殖促進活性(複製DNA合成)を示す図である(試験
例7参照)。
【図12】ヒト正常表皮ケラチノサイトに対するHGF
の増殖促進活性(細胞数)を示す図である(試験例8参
照)。
【図13】ヒト正常表皮ケラチノサイトに対するHGF
の増殖促進活性(複製DNA合成)を示す図である(試
験例9参照)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−99017(JP,A) Biochemical and B iophysical Researc h Communication,Vo l.122,No.3(1984)p.1450− 1459 四国医誌,Vol.46,No.3 (1990年6月25日発行)p.157−166 Nature,Vol.342,No. 23(1989)p.440−443 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肝実質細胞増殖因子(Hepatocyto Grow
    th Factor)を有効成分として含有することを特徴とす
    るガン療法用副作用防止剤。
  2. 【請求項2】 肝実質細胞増殖因子が、ヒト又は動物
    の組織又は血液成分由来である請求項1記載のガン療法
    用副作用防止剤。
  3. 【請求項3】 肝実質細胞増殖因子が遺伝子組換えに
    より製造したものである請求項1記載のガン療法用副作
    用防止剤。
  4. 【請求項4】 遺伝子組換えの宿主細胞が大腸菌、枯
    草菌、酵母、糸状菌、植物又は動物細胞の何れかである
    請求項3記載のガン療法用副作用防止剤。
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