JPH0769633A - 弗素ドープ酸化錫粉末の製造方法 - Google Patents
弗素ドープ酸化錫粉末の製造方法Info
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Abstract
きる酸化錫粉末を提供する。 【構成】 第二錫塩の溶液を弗化物の溶液と合し、水酸
化錫を液体から分離し、室温付近を越えない温度で乾燥
し、乾燥した生成物を少くとも500℃に弗素含有量が
10重量%未満、好ましくは1〜5重量%となるまで加
熱することにより、弗素ドープ酸化錫粉末を製造する。
Description
ne-doped)酸化錫の製造方法に関する。
め又は特定の用途に適する材料を作製するために、電気
絶縁性材料に帯電防止性又は電気伝導性のコーティング
を設けることがしばしば技術的に要求される。コーティ
ングは、通常極端な条件、特に非常に乾燥した条件下
に、充分に高い電気伝導率を有することが要求される。
コーティングが透明でなければならないことも、しばし
ば要求される。この後者の要求は、たとえば複写機又は
原稿走査機の露光窓又は露光シリンダーの伝導性コーテ
ィング、透明フィルム材料、及びその粒子表面に電気伝
導性コーティングを施すことにより所要の伝導性を与え
た電気伝導性着色トナー粉末に当てはまる。
ングは、たとえばスパッタリング又は真空中の蒸気コー
ティングによって、絶縁性表面に薄いフィルムの形態の
金属、金属酸化物又は金属塩、たとえば金、クロム、ニ
ッケル、パラジウム、酸化インジウム、酸化第二錫又は
沃化銅を付着させることによって形成することができ
る。しかしながら、これらの方法は高価であって、所要
の良好なコーティング付着が得られない場合が多い。そ
の上、これらのコーティング方法は常に適用できるので
はなく、たとえば微細なトナー粉末粒子に電気伝導性の
層を与えるときには使用することができない。
透明な電気伝導性コーティングを形成するための組成物
は、フィルム形成バインダー及び 0.4μm未満の粒度を
有する微細な酸化錫から成り、酸化錫にはSb2 O3 又
はSb2 O5 の形のアンチモンが 0.1〜20重量%ドー
プされている。
バインダーを用いずに、コーティングされる区域の(熱
可塑性)表面を熱によるか又は溶媒若しくは溶媒蒸気に
より軟化させ、軟化して粘着性となった表面を酸化錫を
用いて被覆することによって伝導性の層を形成するのに
使用できる。たとえば、電気伝導性トナー粉末は、トナ
ー粉末粒子を高温ガス流中で軟化させ細かい酸化錫粉末
をガス流中に導入するか、ボールミル中でトナー粉末及
び細かい酸化錫の混合物をしばらく強く混合し、発生す
る摩擦熱によってトナー粉末粒子を軟化させ、軟化した
表面上に酸化錫粒子を付着させて作製することができ
る。
欠点は、その電気抵抗がまだ比較的高いことと、乾燥粉
末それ自体が密でなく、流動特性がかなり低いので、そ
れを微粉砕することが困難なことである。この酸化錫よ
り作製される伝導性トナー粉末は、疎な酸化錫又はトナ
ー粉末への結合が不十分な酸化錫をかなり多量に含有す
るので、そのトナー粉末を使用する装置に著しい汚れが
生じる。
化錫と比較して高い伝導率及び良好な流動特性を有し、
従って、公知のアンチモンドープ酸化錫が適さないか余
り適さないと認められていた多くの用途、たとえば伝導
性トナー粉末の製造に使用することができる酸化錫粉末
を提供する。更に特定的には、本発明は、弗素ドープ酸
化錫粉末の製造方法に係り、その方法では第二錫塩のア
ルコール溶液を弗化物の水溶液と合し、水酸化錫を液体
から沈澱させて分離し、分離した生成物を室温付近を越
えない温度で乾燥し、乾燥粉末を少くとも500℃の温
度まで加熱する。
は、弗素をドープした主として結晶性正方晶系酸化錫よ
り成り、 0.2μm未満の一次粒度及び最大50Ω・mの
比電気抵抗を有する。
化錫粉末は、米国特許第4,431,764号より公知の市販さ
れているアンチモンドープ酸化錫粉末とは異なり、より
高い電気伝導率及びより良好な流動特性を有する。
Sn−F結合の形で)を含む結晶性正方晶系酸化錫から
成り、 0.2μm未満の一次粒度及び50Ω・m以下の比
電気抵抗を有する。酸化錫中の弗素の百分率は少くとも
1重量%であり、好ましくは1〜10重量%、より好ま
しくは1〜5重量%である。これらの後者の生成物は特
に低い比電気抵抗を有し、しばしば25Ω・mを充分下
回り、通常製造条件に応じて1〜15Ω・mである。
部が 1.5mmの厚さを有する黄銅から成り、壁は内のり高
さが22.9mmであって、9mmの厚さを有するテフロンから
成る内径17.2mmを有する円筒形容器に、過剰の粉末を充
填する。次いで、ドイツLudwigshafenのEngelsmann A.
G.製の破砕機中で10回押し砕いて圧縮する。この充填
操作を2度繰返す。次いで過剰の粉末を定規及び17.2mm
の直径を有する黄銅のふたを用いて払い取り、粉末の柱
の上に55gの質量を乗せる。充填した容器をファラデ
ー箱に入れて、底部とふたの間に直流10Vを印加す
る。約20秒後電流強さを計測する。測定操作(容器の
充填及び電流の計測)を3回繰返し、その後3回の計測
の平均の電流強さを計算する。
A. G. 社製造の電極番号60502150のようなイオン選択性
弗素電極を用いて電位差測定により定量される。このた
め使われる操作は、Metrohm A. G. が提供するMessen i
n der Chemieと題する小冊子に記載されているような標
準溶液添加法である。弗素分析を行う溶液は以下のよう
にして調製される。炭酸ナトリウムカリウム1g、弗素
ドープ酸化錫粉末約0.05g及び炭酸ナトリウムカリウム
1gを逐次秤量し、重量を正確に測定したふた付き白金
るつぼに入れる。るつぼを閉じて2時間焼成し、冷却
後、重量を正確に測定した 250mlビーカーに移す。ビー
カーに脱イオン水30g、濃塩酸(比重1.19)30g及
び2%の酒石酸の脱イオン水溶液10gを入れる。るつ
ぼの内容物が完全に溶解するまで、液体を加熱し攪拌す
る。冷却後、濃水酸化カリウム溶液(47重量%)を添
加して、溶液のpHを4〜8にする。ビーカーと内容物
の重量を正確に計量した後、溶液を折りたたみフィルタ
ー上で濾過してプラスチック瓶に入れる。弗素含有量の
電位差分析は、40gの前記酸化錫溶液、40gの緩衝
溶液及び 0.4gの標準の弗化ナトリウムの脱イオン水溶
液を含有する液体を用いて行う。
化ナトリウム58.4g及びtitriplexIV(ドイツDarmstadt
のMerck AGの商品番号8424)5gを脱イオン水約 600
gに溶解した後、その溶液に酢酸60.7gを添加し、脱イ
オン水を用いて約 900gにした。次いで水酸化ナトリウ
ムペレットを添加して溶液の pHを5〜5.5 にする。次
いで脱イオン水の添加により溶液の量を1000gにする。
には、前記酸化錫溶液10g及び緩衝溶液10gを含有
する液体の電位をイオン選択性弗素電極を用いて測定
し、測定した電位を参照して弗素濃度を計算する。標準
溶液に対して、使用弗素濃度は100x計算濃度であ
る。
て、第二錫塩の水混和性アルコール溶液を弗化物の水溶
液と合し、液体から生じた水酸化錫の沈澱を分離するこ
とにより製造される。次いで、この沈澱を室温付近を越
えない温度で乾燥し、次いで少くとも 500℃の温度にし
ばらく加熱することによって焼成する。焼成中に粉末の
弗素含有量が多くとも10重量%、好ましくは1〜5重
量%になるまで少くとも加熱する。
錫塩、たとえば硫酸第二錫及び塩化第二錫を使用するこ
とができる。塩化第二錫を、エタノール又はメタノール
に溶解して使用するのが好ましい。水溶性弗化物は、た
とえば、弗化ナトリウム、弗化アンモニウム又は弗化第
一錫であり得る。後者の物質は、同じ条件で弗化ナトリ
ウム又は弗化アンモニウムから製造される粉末よりも低
い抵抗を有する酸化錫粉末を通常生じるために好まし
い。
ばらく空気中又は窒素のような不活性ガス中で加熱する
ことにより行われる。空気中での焼成の場合には、弗素
含有量が1〜5重量%でかつ抵抗が最小値に達している
粉末がかなり速やかに、15分以内に得られる。焼成を
窒素中で行う場合は、進行が遅いので、一定品質の生成
物を得るようにより十分に制御する。この場合、焼成時
間は数時間に及び得る。水酸化錫の焼成は水酸化錫の乾
燥の直後又はその後幾らか時間を置いて行うことができ
る。
前の乾燥ステップが最終の酸化錫粉末の粒度に有利な影
響をもたらすためである。乾燥は適度の条件下に、好ま
しくは室温以下で行う。1つの興味ある乾燥方法は凍結
乾燥である。更に、酸化錫を製造する場合、塩溶液を急
速にかつ激しく攪拌しながら合し、第二錫塩溶液を好ま
しくは弗化物溶液に添加することにより、微粒子の形成
が促進され得る。
酸化錫と関連して前記米国特許第4,431,764 号に記載さ
れているような目的に使用することができる。弗素ドー
プ酸化錫は1つ以上のバインダー及び他の任意の添加剤
と一緒にコーティングされる表面に適用される。
性トナー粉末の製造用に特に魅力があり、そのトナー粒
子は熱可塑性レジンを含有し、その表面上に酸化錫の薄
層がコーティングされている。この用途に使用する本発
明の酸化錫粉末としては、公知のBET法により測定し
て、比表面積が少くとも50m2 /g、好ましくは70m
2 /g以上であるものが好ましい。コーティングは、ト
ナー粒子の表面を軟化させ、軟化した表面上に細かい酸
化錫粒子を固着することにより、それ自体公知の仕方で
施される。本発明の粉末の良好な流動特性により短時間
で良好なコーティングが得られる。本発明の弗素ドープ
酸化錫粉末は電気伝導率の高い点でアンチモンドープ酸
化錫にまさる利点を有するので、同じ抵抗値を達成する
ためにトナー粒子上に付着せねばならない酸化錫粉末の
量は少くてすむ。
一錫25gの水1500ml溶液に激しく攪拌しながら急速に
添加した。
をアンモニアの滴下によって約3.5に保持した。
モニアの添加により混合物を pH7とし、それから混合
物よりエタノールを蒸発させた。沈澱物を液体から分離
し、凍結乾燥により乾燥した。
直後に下記条件下に加熱した: 粉末1:空気中500℃で15分、 粉末2:窒素中500℃で60分。
素含有量及び電気抵抗を、本明細書中に記載した方法に
より測定した。
満であった。
(粉末3〜7)を乾燥の2月後に下記条件下に処理して
酸化錫にした: 粉末3:空気中500℃で15分、 粉末4:窒素中500℃で30分、 粉末5:窒素中500℃で60分、 粉末6:窒素中500℃で120分、 粉末7:窒素中500℃で180分。
未満であった。
下記の通りであった: 粉末3:弗素 4.4重量%,ρ=9.2 Ω・m、 粉末4:弗素 2.2重量%,ρ<1.3 Ω・m、 粉末5:弗素 3.0重量%,ρ<1.3 Ω・m、 粉末6:弗素 2.0重量%,ρ=1.3 Ω・m、 粉末7:弗素 1.2重量%,ρ=1.9 Ω・m。
り製造された市販のアンチモンドープ酸化錫、三菱T1
は約80〜100Ω・mの抵抗、 0.2μm未満の一次粒
度及び65〜75m2 /gの比表面積を有する。
用する以外は、実施例1に記載の方法で水酸化錫を製造
した。
下記の方法により処理して酸化錫にした。
は下記の通りであった: 粉末1:弗素 4.4重量%,ρ=21.5Ω・m、 粉末2:弗素 3.0重量%,ρ= 5.5Ω・m、 粉末3:弗素 6.2重量%,ρ=33.7Ω・m、 粉末4:弗素 4.1重量%,ρ=14.4Ω・m。
造し、2つの粉末の水和物を乾燥の2月後窒素中500
℃で60分間加熱した。粉末1の水和物は15分で室温
から500℃になったが、粉末2の水和物についての昇
温時間は約60分であった。
を測定した: 粉末1:弗素 1.5重量%,ρ=1.2 Ω・m,比表面積=
63m2 /g、 粉末2:弗素 3.9重量%,ρ=1.8 Ω・m,比表面積=
100 m2 /g。
した後、70℃の脱イオン水を用いて洗浄し、その後に
初めて乾燥した。水和物の1部を乾燥直後に窒素中50
0℃で60分間加熱した。500℃までの加熱時間は6
0分であった。得られた酸化錫粉末は下記の性質を有し
ていた: 弗素 1.1重量%,ρ=1.6 Ω・m,比表面積=43m2 /
g。
に、上記と同様にして処理した。得られた酸化錫粉末は
下記の性質を有していた。
=78m2 /g。
化第一錫25gの水1500ml溶液に85℃で激しく
攪拌しながら急速に添加した。
Claims (8)
- 【請求項1】 第二錫塩の溶液を弗化物の溶液と合し、
液体から沈澱した水酸化錫を分離し、分離した生成物を
室温付近を越えない温度で乾燥し、乾燥した粉末を少く
とも500℃の温度に加熱することを特徴とする、弗素
ドープ酸化錫の製造方法。 - 【請求項2】 第二錫塩が塩化第二錫であることを特徴
とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 弗化物が弗化第一錫であることを特徴と
する、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 塩化第二錫及び弗化第一錫を使用するこ
とを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 分離した生成物を凍結乾燥により乾燥す
ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 水酸化錫を不活性ガス雰囲気中で少くと
も500℃の温度に加熱することを特徴とする、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項7】 不活性ガスが窒素である、請求項6に記
載の方法。 - 【請求項8】 塩化第二錫のアルコール溶液を弗化第一
錫水溶液と合し、沈澱物を液体から分離し、凍結乾燥に
より乾燥し、乾燥した生成物を不活性ガス中で少くとも
500℃の温度に加熱することを特徴とする、弗素ドー
プ酸化錫の製造方法。
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