JPH0733939A - フッ化ビニリデン樹脂組成物 - Google Patents

フッ化ビニリデン樹脂組成物

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JPH0733939A
JPH0733939A JP18304493A JP18304493A JPH0733939A JP H0733939 A JPH0733939 A JP H0733939A JP 18304493 A JP18304493 A JP 18304493A JP 18304493 A JP18304493 A JP 18304493A JP H0733939 A JPH0733939 A JP H0733939A
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JP
Japan
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resin
meth
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vinylidene fluoride
vdf
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JP18304493A
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English (en)
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Chikafumi Kawashima
親史 川島
Seiichi Minegishi
清一 峯岸
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ化ビニリデン樹脂の有する耐熱性、耐候
性などを損なうことなく、低温での機械的特性を改良し
た溶融成形用ブレンド樹脂を提供する。 【構成】 フッ化ビニリデン樹脂100重量部に対し、
ゴム状重合体に(メタ)ル酸エステル単独あるいは(メ
タ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な他の
単量体とをグラフト重合して得られた樹脂を1〜50重
量部混合してなるフッ化ビニリデン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温特性の改良されたフ
ッ化ビニリデン樹脂組成物に関するもので、単体あるい
は積層体の形で、低温特性と高度の耐薬品性が要求され
るチューブ、シート等の成形品ならびに単体または他樹
脂とのブレンド品の形で塗料用途等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】ポリフッ化ビニリデン(以下、「PVD
F」という。)またはフッ化ビニリデン共重合体(以
下、これらを総称して「VDF系樹脂」という。)は、
腐食性の大きい化学薬品や紫外線に対して安定であり、
さらに機械的性質にも優れていることは広く知られてお
り、フッ素樹脂の中でも特に押出成形、粉体塗装等の溶
融加工性に富んでいることから、金属への耐食コーティ
ング、電線被覆等に多く使用されている。さらにPVD
Fはフッ素樹脂の中でもガスバリヤー性に優れており、
この性質を活かした用途も考えられている。例えば、特
開平4−224939号公報にはPVDFを内層に、ポ
リアミド樹脂を外層に使用した燃料のバリヤー性に優れ
た燃料配管用樹脂チューブが提案されている。
【0003】また塗料分野でもPVDFはその特性を活
かして広く使用されており、特に工場で広幅金属薄板に
連続塗装を施す、いわゆるプレコートメタル用塗料とし
ては長年の実績を有している。
【0004】一方、PVDFは結晶性樹脂であり、その
結晶化度の高いことが一部の特性発現に寄与している
が、逆にこの結晶性のために柔軟性に欠け、場合によっ
てはこれが欠点となることもある。例えば、PVDFを
電線被覆材として用いる場合、保存により亀裂が生じや
すいことが知られており、また延伸シートを作成する場
合、高度の分子配向が生じることによって引裂き強度が
低下し、延伸シートの用途によっては破損が発生しやす
い等の現象が知られている。さらにPVDFの耐衝撃強
度ならびに脆化温度であらわされる低温特性は、他のフ
ッ素樹脂と比較してみると優れているとは言い難く、こ
れらの性質が強く要求される用途への適用は制限されて
いる。そこでこれらの欠点を改善するためにPVDFの
結晶性を弱め、かつ柔軟性を付与する試みがいくつか行
なわれている。
【0005】すなわち、PVDFの主鎖のガラス転移温
度は−38℃とされており、本来的にはこれ以上の温度
で有している良好な柔軟性、耐衝撃性が、高度の結晶性
のために発現していないと考えられるため、この結晶性
の調節が重要な改質手段となっている。PVDFの結晶
性を弱め、耐衝撃性、低温特性を改良する方法として
は、フッ化ビニリデン(VDF)と他の単量体を共重合
する方法が知られている。具体的にはVDFとヘキサフ
ルオロプロペン(HFP)との共重合体、VDF、HF
Pとテトラフルオロエチレン(TFE)との三元共重合
体、VDFとTFEの共重合体などが市販されている。
これらの共重合体はPVDFに比べて融点が低下し、ポ
リマーの使用可能温度域が低温側に移行する形をとる。
さらに、他の樹脂あるいは可塑剤をPVDFに添加する
方法も提案されている。
【0006】特公昭55−35042号公報にはアクリ
ル酸メチル樹脂がPVDFと相溶性の良いことが開示さ
れ、アクリル酸メチル樹脂をPVDFにブレンドするこ
とにより柔軟かつ強伸度に優れたポリフッ化ビニリデン
組成物を提案している。また、特公昭61−16769
号公報には本発明者らが、そのガラス転移温度が室温以
下であるフッ素ゴム組成を有するポリマーに、フッ化ビ
ニリデン単量体をグラフト共重合して得た樹脂の混合に
より、PVDFが有しているフッ素樹脂としての特性を
大幅に損うことなく、またPVDFの融点を低下させな
い形でPVDFの結晶性を弱め、耐衝撃性、低温特性を
改良する方法を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−22493
9号公報に提案されているPVDFを内層に、ポリアミ
ド樹脂を外層に使用した燃料のバリヤー性に優れた燃料
配管用樹脂チューブは自動車用途への応用が期待されて
いるが、特に自動車用部品に要求される−40℃での耐
衝撃性においては不十分であった。この用途での樹脂チ
ューブに関しては、例えば米国SAE規格J844に規
定されているごとく、−40℃における落球衝撃試験で
の耐低温衝撃性が要求されているが、この試験は、JI
SK6301に規定されている脆化温度の測定試験より
試験体に加わるエネルギーが大きいため、従来知られて
いるPVDFの低温特性の改良方法のいずれも、PVD
Fの特性を大きく損わずに、かかる−40℃の低温衝撃
試験に合格することは困難であった。
【0008】本発明はPVDFの優れた特性を損うこと
なく、低温での機械的強度を改良した溶融成形用ブレン
ド樹脂を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはVDF系樹
脂の低温衝撃特性を改良し得る添加物について種々検討
した結果、VDF系樹脂100重量部に対し、ゴム状重
合体に(メタ)アクリル酸エステル単独あるいは(メ
タ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な他の
単量体とをグラフト重合して得られた樹脂(以下、「グ
ラフト樹脂」という。)を1〜50重量部混合する方法
で上記問題点が解決できることを見出したものである。
【0010】すなわち、グラフト樹脂の前駆体となるゴ
ム状重合体であるポリブタジエンゴム、ブタジエンとス
チレンの共重合ゴム、エチレンとプロピレンの共重合ゴ
ム、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム、ポリオル
ガノシロキサンゴムなどはVDF系樹脂に混合すること
でVDF系樹脂の低温特性を改良する能力を有している
が、いずれも溶融粘度が大きいため、単独ではVDF系
樹脂に混合して均質な混合物を得ることは困難である
が、VDF系樹脂に相溶性のある熱可塑性樹脂をグラフ
ト重合したものではVDF系樹脂に均一に混合でき、目
的とするPVDFの特性を大きく損うことなく低温特性
が改良されることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。
【0011】本発明に用いるVDF系樹脂は懸濁重合あ
るいは乳化重合で製造されるVDFの単独重合体または
モル分率で20%以下の他モノマーとの共重合体であ
る。VDFに共重合する他のモノマー量が20%を越え
ると本来PVDFが有している燃料のバリヤー性等の性
質が大きく損われる。VDFと共重合する他モノマーと
しては、HFP,TFE,クロロトリフルオロエチレン
(CTFE),ヘキサフルオロアセトン(HFA)、あ
るいはこれらのうち2つ以上の組合せが例示される。ま
た、本発明のフッ化ビニリデン樹脂組成物は、各種の特
性を改良する目的で他の樹脂を混合することもできる。
例えば、軟質フッ素樹脂をVDF系樹脂100重量部に
対し100重量部以下の割合で混合すると燃料透過性、
低温脆化性の性能は落とさずに柔軟性を付与することが
でき好ましい。100重量部を越えると燃料のバリヤー
性が損なわれ好ましくない。このVDF系樹脂にブレン
ドする軟質フッ素樹脂としては、すくなくとも一種以上
の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体と、分子内に
二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体とを共
重合せしめてそのガラス転移温度(Tg)が室温以下で
ある含フッ素弾性共重合体(幹ポリマー)を製造するこ
とを第一段階とし、第二段階において、幹ポリマー10
0重量部に対してフッ化ビニリデン単量体を20〜80
重量部グラフト重合せしめた樹脂が例示される。
【0012】ゴム状重合体とは一般的には、そのガラス
転移温度が室温以下のものを指すが、本発明のVDF系
樹脂に混合するグラフト樹脂のゴム状重合体はそのガラ
ス転移温度が−40℃以下のものが望ましい。特に米国
SAE規格J844に規定されているごとく、−40℃
における低温落球衝撃試験に合格するためにはPVDF
自体のガラス転移温度より低いガラス転移温度を有する
ゴム状重合体にグラフト重合したグラフト樹脂を混合す
る必要がある。ガラス転移温度の測定は示差走査熱量計
(DSC)を用いて行なわれ、直線の変曲点をもって、
ガラス転移温度と規定している。
【0013】かかるゴム状重合体の組成としては、ポリ
ブタジエンゴム、ブタジエンとスチレンの共重合ゴム、
エチレンとプロピレンの共重合ゴム、ポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴムお
よびこれらの2種以上の混合ゴム等が例示されるが特に
その組成を限定するものではない。
【0014】グラフトするモノマーは重量で50%以上
の(メタ)アクリル酸エステルを含んだものであること
が望ましい。本明細書においては、「(メタ)アクリ
ル」は「アクリルおよび/またはメタクリル」を、また
「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/ま
たはメタアクリレート」を表すものとする。50%に満
たない場合にはPVDFとの相溶性が十分でなく、低温
特性の改良効果が発現しない上に、力学的特性が低下す
る。
【0015】(メタ)アクリル酸エステルは好ましくは
(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、アルキ
ル基の炭素数が1〜8個のもの、例えば、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルシクロヘキシル等であるが、なかでもメタ
クリル酸メチルが好ましい。これらの2種以上を組み合
わせて使用することもできる。
【0016】(メタ)アクリル酸エステルと共重合する
他のモノマーは分子中に重合性の二重結合を有するモノ
マーであれば特に限定することはないが、芳香族ビニル
モノマーが好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、
あるいはそれらの核置換誘導体、例えばビニルトルエ
ン、イソプロペニルトルエン、クロロスチレン等が例示
され、これらの2種以上を併せて使用することもでき
る。
【0017】グラフト樹脂中のゴム状重合体の重量割合
は50〜99%以上が望ましい。50%以下では目的と
するVDF系樹脂の低温特性の改良に多量のグラフト樹
脂を必要とし、本来VDF系樹脂の有している良好な耐
薬品性、耐熱性等を損うことになる。
【0018】かかるグラフト樹脂の製造法としては、特
に限定されないが、例えば、乳化重合により作成された
ゴム状重合体にモノマーを添加してグラフト重合した
後、凝固乾燥しパウダー状の樹脂を得る方法がある。具
体的には、特公昭34−8136号、特公昭42−22
541号、特公昭42−22541号の明細書に記載さ
れるように、ポリブタジエンあるいはブタジエンとスチ
レンの共重合ゴムの水性ラテックス中でメチルメタクリ
レートあるいはメチルメタクリレートとスチレンをグラ
フト重合する方法、あるいは、特開平4−100812
号明細書に記載されるように、ポリオルガノシロキサン
とポリアルキル(メタ)アクリレートの混合ゴムラテッ
クス中で(メタ)アクリル酸エステルを含むビニルモノ
マーをグラフト重合する方法などがある。
【0019】また本発明においては、グラフト樹脂とし
て、塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度改良剤としてひろく市
販されているゴム状重合体に(メタ)アクリル酸エステ
ル単独あるいは(メタ)アクリル酸エステルおよびこれ
と共重合可能な他の単量体とをグラフト重合して得られ
た樹脂をそのまま使用することもでき、例えば、鐘淵化
学工業(株)製、MBS樹脂(商品名カネエースBシリ
ーズ)、同社製のアクリルゴムにメチルメタクリレート
を含むビニルモノマーをグラフト重合した樹脂(商品名
カネエースFM)あるいは三菱レイヨン(株)製のポリ
オルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレー
トの混合ゴムラテックス中でメタクリル酸エステルを含
むビニルモノマーをグラフト重合した樹脂(商品名メタ
ブレンSシリーズ)などがあげられる。
【0020】VDF系樹脂に混合するグラフト樹脂の比
率はVDF系樹脂100重量部に対して1〜50重量部
の範囲が望ましい。1重量部未満では改質効果が発現し
ないし、50重量部を越えて混合した場合には混合樹脂
の溶融粘度が上昇し、安定した成形が困難となる、また
本来VDF系樹脂の有する良好な耐薬品性が損われる。
【0021】VDF系樹脂、グラフト樹脂および/また
は軟質フッ素樹脂の混合方法としては、一般の熱可塑性
樹脂で用いられているような、二本ロール、押出成形機
などを使用した溶融混練法が適しているが、ジメチルホ
ルムアミド(DMF)のような極性溶剤を含む有機溶剤
にこれらの樹脂を溶解して混合することもできる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例をあげて
本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲をこ
れらの実施例に限定するものでないことはいうまでもな
い。
【0023】実施例1 (A)PVDFとグラフト樹脂との混合およびペレット
の製造 PVDFとしてATOCHEM社製、商品名KYNAR
710ペレットとグラフト樹脂としてアクリルゴムにメ
チルメタクリレートを含むビニルモノマーをグラフト重
合した樹脂(鐘淵化学工業(株)製、商品名カネエース
FMパウダー)を表1に示した添加割合でドラム型タン
ブラーにより10分間混合したのち、30mm口径の押出
成形機(L/D:22)を使用し、200〜220℃の
温度でペレット化し、混合樹脂を得た。
【0024】(B)混合樹脂のシート成形 前記(A)で得られた混合樹脂ペレットを30mm口径の
押出成形機(L/D:22)にて200〜220℃の温
度で押出し、厚み2mm、幅65mmのシートを成形した。
【0025】(C)混合樹脂シートの脆化温度の測定 前記(B)で作成したシートの押出方向からJIS K
6301、14項(低温衝撃脆化試験)の規定に従い試
験片(幅:6.3mm、長さ:32mm)を打抜き、温度を
変化させながら低温衝撃試験をおこなった。試験片の5
0%以上が破壊する最高温度を脆化温度として、結果を
表1に示した。
【0026】(D)チューブの製造 前記(A)で得られた混合樹脂ペレットを30mm口径の
押出成形機(L/D:22)にて200〜220℃の温
度で押出し、内径6mm、外径8mmのチューブを製造し
た。
【0027】(E)チューブの低温衝撃特性の測定 前記(D)にて得られたチューブを用いて、米国自動車
工業(SAE)規格のJ844dに規定されている落球
衝撃試験を−40℃で行なった(落球重量0.454K
g、径31.75mm、落球面の曲率R=15.88mm、落
球高さ304.8mm)。結果は破壊本数/試験本数で表
わし、表1に示した。
【0028】(F)フィルムの製造 前記(C)で得られた混合樹脂ペレットを30mm口径の
押出成形機(L/D:22)にて200〜220℃の温
度で押出し、厚み250μ、幅120mmのフィルムを成
形した。 (G)燃料透過性の測定 底板が66mmφ(34.2cm2)、高さ50mmのアルミ
製カップ(上部にネジ部を設けてシートで蓋ができるよ
うにしたもの)にイソオクタンとトルエンの1対1混合
液(Fuel C)85mlとメタノール15mlを入
れ、前記(I)で得られた、0.5mm厚×85mmφのフ
ィルムに金網を合せたもので蓋をし、周辺部をシールし
て締め込んだ。この容器を下向きにして内容液がフィル
ムに接する形で防爆型のオーブンに入れ、その重量変化
を測定することで、60℃における燃料透過率(g・m
m/m2・day)を算出した。結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2 実施例1の(A)においてグラフト樹脂として三菱レイ
ヨン(株)製のポリオルガノシロキサンとポリアルキル
(メタ)アクリレートの混合ゴムラテックス中でメタク
リル酸エステルを含むビニルモノマーをグラフト重合し
た樹脂(商品名メタブレンS2001)を使用した他は
実施例1と同様の操作、測定を行ない、結果を表1に示
した。
【0031】実施例3 実施例1で使用したPVDF(ATOCHEM社製、商
品名KYNAR710)と下に記載した方法で製造した
軟質フッ素樹脂と添加樹脂(商品名メタブレンS200
1)を表1に示した添加割合でドラム型タンブラーによ
り10分間混合したのち、30mm口径の押出成形機(L
/D:22)を使用し、200〜220℃の温度でペレ
ット化し、混合樹脂を得た。
【0032】この混合樹脂ペレットについて実施例1と
同様の操作、測定を行った。結果を表1に示す。 〔軟質フッ素樹脂の製造〕100L容量のステンレス製
オートクレーブに純水50Kg、過硫酸カリウム100
g、パーフルオロオクタン酸アンモニウム150gおよ
びtーブチルペルオキシアリルカーボネート100gを加
え、排気後フッ化ビニリデンモノマー12.5Kg、ク
ロロトリフルオロエチレンモノマー7.55Kgを仕込
み、撹拌しながら50℃の温度で20時間重合反応をお
こなった。生成物は白色ラテックス状態で得られ、これ
を塩析してゴム状の粒子を得た。水洗、真空乾燥の後、
nーヘキサンにて洗浄し未反応のtーブチルペルオキシアリ
ルカーボネートを除去して再度真空乾燥し、白色粉末の
弾性共重合体16Kgを得た。この弾性共重合体のDS
C曲線はペルオキシ基の分解に基づく発熱ピークを16
0〜180℃に有しており、またヨウ素滴定法により弾
性共重合体の活性酸素量は0.042%であった。
【0033】次の段階で、前記白色粉末の弾性共重合体
12KgとフロンR−113 75Kgを100L容量
のステンレス製オートクレーブに加え、排気後、フッ化
ビニリデンモノマー6Kgを仕込み、95℃で24時間
重合をおこなった。生成したポリマーを溶媒と分離後乾
燥して白色粉末の軟質フッ素樹脂16.6Kgを得た。
収量から計算してこの軟質フッ素樹脂は含フッ素弾性共
重合体100重量部に対して、フッ化ビニリデンモノマ
ー38.3重量部がグラフト重合したものであった。
【0034】実施例4 実施例1の(A)において、VDF系樹脂としてVDF
/CTFE共重合樹脂(呉羽化学工業(株)製、KF−
1500、VDF/CTFEのモノマー単位のモル比:
95/5)、添加樹脂としてグラフト樹脂(商品名メタ
ブレンS2001)を表1に示した添加割合で使用した
他は実施例1と同様の操作、測定を行い、結果を表1に
示した。
【0035】参考例 PVDF単独のペレット(ATOCHEM社製、商品名
KYNAR710)を用いて実施例1に示した(B)〜
(G)と同様の操作、測定をおこなった。なお成形につ
いてはいずれも220〜240℃の温度で実施した。結
果を表1に示した。
【0036】比較例1 実施例1の(A)において添加樹脂としてポリメタクリ
ル酸エステル(ローム・アンド・ハース社製メチルメタ
クリレート/ブチルメタクリレート共重合樹脂商品名:
パラロイドB−66)ペレットを使用した他は実施例1
と同様の操作、測定を行なった。結果を表1に示したが
実施例に比べて低温特性が大きく劣っている。
【0037】比較例2 VDF−TFE共重合樹脂単独のペレット(ATOCH
EM社製、商品名KYNAR7200(TFE含有率:
22モル%)を用いて実施例1に示した(B)〜(G)
と同様の操作、測定をおこなった。なお成形については
いずれも220〜240℃の温度で実施した。結果を表
1に示した。低温特性は良好であるが、燃料透過性の値
が各実施例に比べてはるかに大きくなっている。
【0038】
【発明の効果】本発明のフッ化ビニリデン樹脂組成物
は、実施例に照らして明らかなように燃料透過性が低く
且つ低温脆化温度が低いことから単体あるいは積層体の
形態で燃料配管用樹脂チュ−ブ、燃料容器などとして有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:04)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VDF系樹脂100重量部に対し、ゴム
    状重合体に(メタ)アクリル酸エステル単独あるいは
    (メタ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な
    他の単量体とをグラフト重合して得られた樹脂を1〜5
    0重量部混合してなるフッ化ビニリデン樹脂組成物
  2. 【請求項2】 VDF系樹脂100重量部に対し、10
    0重量部以下の軟質フッ素樹脂、および1〜50重量部
    のゴム状重合体に(メタ)アクリル酸エステル単独ある
    いは(メタ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可
    能な他の単量体とをグラフト重合して得られた樹脂を混
    合したことを特徴とする請求項1記載のフッ化ビニリデ
    ン樹脂組成物
  3. 【請求項3】 ゴム状重合体のガラス転移温度が−40
    ℃以下である請求項1〜2記載のフッ化ビニリデン樹脂
    組成物
JP18304493A 1993-07-23 1993-07-23 フッ化ビニリデン樹脂組成物 Pending JPH0733939A (ja)

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