JP2765792B2 - フッ化ビニリデン樹脂組成物 - Google Patents

フッ化ビニリデン樹脂組成物

Info

Publication number
JP2765792B2
JP2765792B2 JP5020969A JP2096993A JP2765792B2 JP 2765792 B2 JP2765792 B2 JP 2765792B2 JP 5020969 A JP5020969 A JP 5020969A JP 2096993 A JP2096993 A JP 2096993A JP 2765792 B2 JP2765792 B2 JP 2765792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinylidene fluoride
resin
temperature
pvdf
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5020969A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06234904A (ja
Inventor
親史 川島
直 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP5020969A priority Critical patent/JP2765792B2/ja
Publication of JPH06234904A publication Critical patent/JPH06234904A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2765792B2 publication Critical patent/JP2765792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温特性の改良されたフ
ッ化ビニリデン樹脂組成物に関するもので、単体あるい
は積層体の形で、低温特性と高度の耐薬品性が要求され
るチューブ、シート等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】フッ化ビニリデン樹脂(以下PVDFと
略記する。)は、腐食性の大きい化学薬品や紫外線に対
して安定であり、さらに機械的性質にも優れていること
は広く知られており、フッ素樹脂の中でも特に押出成
形、粉体塗装等の溶融加工性に富んでいることから、金
属への耐食コーティング、電線被覆等に多く使用されて
いる。さらにPVDFはフッ素樹脂の中でもガスバリヤ
ー性に優れており、この性質を活かした用途も考えられ
ている。例えば、特開平4−224939号公報にはP
VDFを内層に、ポリアミド樹脂を外層に使用した燃料
のバリヤー性に優れた燃料配管用樹脂チューブが提案さ
れている。また他の樹脂の改質材としても使用されてお
り、例えば特公昭49−13858号公報には熱可塑性
ウレタンゴムにPVDFを添加することにより、熱可塑
性ウレタンゴムの摩擦係数を大幅に減じた組成物の得ら
れることが開示されている。
【0003】一方、PVDFは結晶性樹脂であり、その
結晶化度の高いことが一部の特性発現に寄与している
が、逆にこの結晶性のために柔軟性に欠け、場合によっ
てはこれが欠点となることもある。例えば、PVDFを
電線被覆材として用いる場合、保存により亀裂が生じや
すいことが知られており、また延伸シートを作成する場
合、高度の分子配向が生じることによって引裂き強度が
低下し、延伸シートの用途によっては破損が発生しやす
い等の現象が知られている。さらにPVDFの耐衝撃強
度ならびに脆化温度であらわされる低温特性は、他のフ
ッ素樹脂と比較してみると優れているとは言い難く、こ
れらの性質が強く要求される用途への適用は制限されて
いる。そこでこれらの欠点を改善するためにPVDFの
結晶性を弱め、かつ柔軟性を付与する試みがいくつか行
なわれている。
【0004】すなわち、PVDFの主鎖のガラス転移温
度は−38℃とされており、本来的にはこれ以上の温度
で有している良好な柔軟性、耐衝撃性が、高度の結晶性
のために発現していないと考えられるため、この結晶性
の調節が重要な改質手段となっている。PVDFの結晶
性を弱め、耐衝撃性、低温特性を改良する方法として
は、フッ化ビニリデン(以下VDFと略記する)と他の
単量体を共重合する方法が知られている。具体的にはV
DFとヘキサフルオロプロペン(HFP)との共重合
体、VDF、HFPとテトラフルオロエチレン(TF
E)との三元共重合体、VDFとTFEの共重合体など
が市販されている。これらの共重合体はPVDFに比べ
て融点が低下し、ポリマーの使用可能温度域が低温側に
移行する形をとる。さらに、他の樹脂あるいは可塑剤を
PVDFに添加する方法も提案されている。特公昭55
ー35042号公報にはアクリル酸メチル樹脂がPVD
Fと相溶性の良いことが開示され、アクリル酸メチル樹
脂をPVDFにブレンドすることによる柔軟かつ強伸度
に優れたポリフッ化ビニリデン組成物が提案されてい
る。また、特公昭61ー16769号公報には本発明者
らが、そのガラス転移温度が室温以下であるフッ素ゴム
組成を有するポリマーに、フッ化ビニリデン単量体をグ
ラフト共重合して得た樹脂の混合により、PVDFが有
しているフッ素樹脂としての特性を大幅に損うことな
く、またPVDFの融点を低下させない形でPVDFの
結晶性を弱め、耐衝撃性、低温特性を改良する方法を提
案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭61ー1676
9号公報に開示されているフッ化ビニリデン樹脂組成物
のうち、PVDFに本発明で用いる軟質フッ素樹脂をブ
レンドした組成物は、樹脂に含まれるフッ素原子の含有
量を大きく低下させることなく、PVDFの結晶性を弱
め、その柔軟性、強伸度、耐衝撃性および低温特性を改
良したものであるが、特に自動車用部品に要求される−
40℃での耐衝撃性においては不十分であることを見出
した。すなわちPVDFと軟質フッ素樹脂からなる組成
物は良好な柔軟性、耐酸性、燃料の低透過性を有するた
め、単層あるいは多層構造を構成するうちの一層として
自動車燃料用チューブへの応用が期待されるが、かかる
チューブに関しては例えば米国SAE規格J844に規
定されているごとく、−40℃における耐低温衝撃性が
要求されている。これらの低温衝撃試験は一般に落球衝
撃試験が採用されており、JISK6301に規定され
ている脆化温度の測定試験より試験体に加わるエネルギ
ーが大きいため、PVDFと軟質フッ素樹脂からなる組
成物では合格し得ないものであった。従って、本発明は
PVDFと軟質フッ素樹脂からなるブレンド樹脂の優れ
た特性を損うことなく、低温での機械的強度を改良した
溶融成形用ブレンド樹脂を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはPVDFと
軟質フッ素樹脂からなる組成物の低温衝撃特性を改良し
得る添加物について種々検討した結果、この組成物にガ
ラス転移温度が0℃以下である熱可塑性ウレタン樹脂を
配合することにより、低温における耐衝撃強度を改良し
得ることを見出し、本発明に到達した。すなわち、PV
DFの耐低温衝撃性を改良するためには低温で衝撃吸収
効果のある樹脂をPVDF中に分散させることで達成さ
れると考えられ、軟質フッ素樹脂のブレンドによる改質
の場合には軟質フッ素樹脂に含まれるフッ素ゴム組成の
ポリマー鎖がその役割を担っている。この場合、単にフ
ッ素ゴム組成のポリマーを混合したのみではPVDF中
に均一に細かく分散させることが困難であるため、これ
にPVDFをグラフト共重合した軟質フッ素樹脂の使用
が良好な効果をあげているようである。しかしながら、
さらなる低温特性の改良のためにはこのフッ素ゴム組成
のポリマーよりも低温特性の良好な柔軟素材の添加が必
要となり、鋭意探索の結果、軟質フッ素樹脂にある程度
の相溶性を有する熱可塑性ウレタンの配合が有効である
ことを見出したものである。
【0007】すなわち、本発明は、PVDF100重量
部と軟質フッ素樹脂1〜100重量部とからなる樹脂組
成物100重量部に熱可塑性ウレタン樹脂を1〜40重
量部混合してなるフッ化ビニリデン樹脂組成物である。
【0008】本発明にいう「軟質フッ素樹脂」とは、少
なくとも一種以上の含フッ素単量体を含む一種以上の単
量体と、分子内二重結合とペルオキシ基を同時に有する
単量体とを共重合せしめて、そのガラス転移温度(T
g)が室温以下である含フッ素弾性共重合体(幹ポリマ
ー)を製造することを第一段階とし、第二段階におい
て、第一段階で得られた共重合体の水性乳濁液または分
散溶液中でその融点が130℃以上である結晶性重合体
を与える、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一種
以上の単量体を、グラフト共重合させることを特徴とす
る樹脂である。
【0009】ここで使用する分子内に二重結合とペルオ
キシ結合を同時に有する単量体としては、t-ブチルペル
オキシメタクリレート、t-ブチルペルオキシクロトネー
ト等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt-ブチルペ
ルオキシアリルカーボネート、p-メンタンペルオキシア
リルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボネート類
が例示できる。
【0010】また、含フッ素弾性共重合体とはそのTg
が室温以下であり、かつ非結晶性の大きい重合体をい
い、その組成としては、フッ化ビニリデン(VDF)と
ヘキサフルオロプロペン(HFP)の二元共重合体、V
DFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)の三
元共重合体、およびVDFとクロロトリフルオロエチレ
ン(CTFE)の二元共重合体などが例示されるが、と
くにその組成を限定するものではない。
【0011】一方、その融点が130℃以上である含フ
ッ素結晶性重合体としては、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリフッ化ビニル、TFEとエチレンの共重合
体、CTFEとエチレンとの共重合体ならびにTFEと
含フッ素ビニルエーテルとの共重合体が広く知られてい
るが、特にその組成を限定する物ではない。
【0012】本発明に用いる軟質フッ素樹脂は、すくな
くとも一種以上の含フッ素単量体を含む一種以上の単量
体と、分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有す
る単量体とを共重合せしめてそのガラス転移温度が室温
以下である含フッ素弾性共重合体(幹ポリマ−)を製造
し、この幹ポリマー100重量部に対してフッ化ビニリ
デン単量体を20〜80重量部グラフト重合せしめた樹
脂であるものが好ましい。
【0013】幹ポリマー100重量部に対してグラフト
重合するフッ化ビニリデン単量体の量は20重量部未満
では軟質フッ素樹脂の溶融粘度が高くなりPVDFとの
良好な溶融ブレンドが達成されない。また80重量部を
越えたものでは生成する軟質フッ素樹脂が硬いものとな
り、本来目的とする柔軟性が損われるとともにブレンド
によるPVDFの改質効果が損われる。
【0014】ここでPVDFと軟質フッ素樹脂の混合割
合は樹脂の柔軟性、溶融特性、燃料透過性などの要求特
性を勘案して決定されるが、PVDF100重量部に対
して、軟質フッ素樹脂1〜100重量部の範囲が望まし
い。軟質フッ素樹脂の混合割合がこの範囲以下では軟質
フッ素樹脂の含有するフッ素ゴムセグメントによるPV
DFの結晶性減少効果が期待できないし、この範囲を越
えて混合した場合にはPVDFの有する良好な耐燃料透
過性が損われ、本発明の目的から逸脱したものとなる。
軟質フッ素樹脂の混合量が増加するにつれて、混合樹脂
の柔軟性、低温特性は向上するものの、耐有機溶剤性、
耐燃料透過性は低下する。
【0015】本発明で用いる熱可塑性ウレタン樹脂は、
各種の方法で製造され市販されており、例えば、エチレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ
−ル、ジエチレングリコ−ル、1,6−ヘキサングリコ
−ル、ネオペンチルグリコ−ルなどの2官能ポリオ−
ル、グリセリン、トリメチロ−ルプロパンなどの3官能
ポリオ−ルなどの単鎖ポリオ−ル共存下、ポリイソシア
ネ−トとポリオ−ルをポリアミン類などの活性水素基を
有する化合物を使用して反応させることにより得ること
ができるが、原料として使用されるポリオ−ルの種類に
より、カプロラクトン型、アジペ−ト型、エ−テル(ポ
リテトラメチレンエ−テルグリコ−ル)型およびポリカ
−ボネ−ト型に大別され、これらのいずれの型のものも
使用できる。
【0016】本発明の熱可塑性ウレタン樹脂の原料とな
るポリオ−ルは、分子中に2個以上のヒドロキシ基を有
する化合物であり、具体的に例示すると、エチレングリ
コ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、
ジエチレングリコ−ル、1,6−ヘキサングリコ−ル、
ネオペンチルグリコ−ルなどの2官能ポリオ−ル、グリ
セリン、トリメチロ−ルプロパンなどの3官能ポリオ−
ルなどとアジピン酸を縮合させて得られるアジペ−ト型
ポリエステルポリオ−ル、カプロラクトンを開環重合し
て得られたポリテトラメチレングリコ−ル、1,6−ヘ
キサングリコ−ルとジフェニルカ−ボネ−トあるいはエ
チレンカ−ボネ−トなどのカ−ボネ−ト類から得られる
ポリカ−ボネ−トポリオ−ルなどを挙げることができ
る。
【0017】一方、ウレタン結合を与えるポリイソシア
ネ−トは、分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有す
る化合物であり、具体的には、トリレンジイソシアネ−
ト(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(M
DI)、エチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(H
DI)、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)、メ
チルシクロヘキサンジイソシアネ−ト(水添TDI)、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト(水添MD
I)、メチルシクロヘキシレンジイソシアネ−トなどお
よびこれらの組成物、多量体などを例示できる。なお、
上記のポリオ−ルおよびポリイソシアネ−トから熱可塑
性ウレタン樹脂を製造するにあたっては、あらかじめプ
レポリマ−を調整し、それをブレンド樹脂と混合した後
反応を完結させることも可能である。
【0018】本発明において使用する熱可塑性ウレタン
樹脂は、前述のポリオ−ルとポリイソシアネ−トとの組
合せから任意に選択することができるが、特にガラス転
移温度が0℃以下のものが望ましい。熱可塑性ウレタン
樹脂のガラス転移温度が0℃より高い場合には、本発明
のブレンド樹脂を調整したときに充分な低温における力
学的強度の改良効果を発揮しない。
【0019】本発明においてPVDFと軟質フッ素樹脂
からなる樹脂組成物100部に添加する熱可塑性ウレタ
ン樹脂の量は1〜40重量部の範囲にあることが望まし
く、好ましくは30重量部以下である。1重量部未満の
混合では充分な改質効果が発揮されないし、40重量部
を越えて混合した場合には、低温特性は改良されるもの
の、PVDFあるいはPVDFと軟質フッ素樹脂からな
る樹脂組成物が有する耐有機溶剤性、耐燃料透過性等の
フッ素樹脂としての特性が損われて好ましくない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例をあげて
本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲をこ
れらの実施例に限定するものでないことはいうまでもな
い。
【0021】実施例1 (A)軟質フッ素樹脂の製造 100L容量のステンレス製オ−トクレ−ブに純水50
Kg、過硫酸カリウム100g、パ−フルオロオクタン
酸アンモニウム150gおよびt−ブチルペルオキシア
リルカ−ボネ−ト100gを加え、排気後フッ化ビニリ
デンモノマ−12.5Kg、クロロトリフルオロエチレ
ンモノマ−7.55Kgを仕込み、攪拌しながら50℃
の温度で20時間重合反応をおこなった。生成物は白色
ラテックス状態で得られ、これを塩析してゴム状の粒子
を得た。水洗、真空乾燥の後、n−ヘキサンにて洗浄し
未反応のt−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−トを除
去して再度真空乾燥し、白色粉末の弾性共重合体16K
gを得た。この弾性共重合体のDSC曲線はペルオキシ
基の分解に基ずく発熱ピ−クを160〜180℃に有し
ており、またヨウ素滴定法により弾性共重合体の活性酸
素量は0.042%と測定された。
【0022】次の段階で、前記白色粉末の弾性共重合体
12Kgとフロン113の75Kgを100L容量のス
テンレス製オ−トクレ−ブに加え、排気後、フッ化ビニ
リデンモノマ−6Kgを仕込み、95℃で24時間重合
をおこなった。生成したポリマ−を溶媒と分離後乾燥し
て白色粉末の軟質フッ素樹脂16.6Kgを得た。収量
から計算してこの軟質フッ素樹脂は含フッ素弾性共重合
体100重量部に対して、フッ化ビニリデンモノマ−3
8.3重量部がグラフト重合したものであった。
【0023】(B)軟質フッ素樹脂ペレットの製造 前記(A)で得られた軟質フッ素樹脂を30mm口径の押
出成形機(L/D:22)にて180〜200℃の温度
で押出し、3mm径のストランドを冷却後切断する方法で
ペレット化した。
【0024】(C)ブレンド樹脂ペレットの製造 PVDFとしてSOLVEY社製PVDFペレット(グ
レ−ド名:SOLEF1010)と前記(B)で得られ
た軟質フッ素樹脂ペレットおよび熱可塑性ウレタン樹脂
として日本ミラクトラン(株)製熱可塑性ウレタンエラ
ストマ−ペレット(グレ−ド名:E−985,ポリカ−
ボネ−ト系、ガラス転移温度:−34℃)を表1に示し
た混合割合でドラム型タンブラ−で混合した。この混合
樹脂を(B)と同様に30mm口径の押出成形機を通して
ペレット化した。
【0025】(D)ブレンド樹脂のシ−ト成形 前記(C)で得られたブレンド樹脂ペレットを30mm口
径の押出成形機(L/D:22)にて190〜210℃
の温度で押出し、厚み2mm、幅65mmのシ−トを成形し
た。
【0026】 (E)ブレンド樹脂シ−トの脆化温度の測定 前記(D)で作成したシ−トの押出方向からJIS−K
6301、第14項(低温衝撃脆化試験)に規定された
試験片(幅:6.3mm、長さ:32mm)を打抜き、温度
を変化させながら低温衝撃試験をおこなった。試験片の
50%以上が破壊する最高温度を脆化温度として、結果
を表1に示した。
【0027】(F)チュ−ブの製造 前記(C)で得られたブレンド樹脂ペレットを30mm口
径の押出成形機(L/D:22)にて190〜210℃
の温度で押出し、内径6mm、外径8mmのチュ−ブを製造
した。
【0028】(G)低温衝撃特性の測定 前記(F)にて得られたチュ−ブを用いて、米国自動車
工業(SAE)規格のJ844dに規定されている落球
衝撃試験を−40℃で行なった(落球重量0.454K
g、径31.75mm、落球面のR=15.88mm、落球
高さ304.8mm)。結果は破壊本数/試験本数で表わ
し、表1に示した。
【0029】(H)フィルムの製造 前記(C)で得られたブレンド樹脂ペレットを30mm口
径の押出成形機(L/D:22)にて190〜210℃
の温度で押出し、厚み250μ、幅120mmのフィルム
を成形した。
【0030】(I)燃料透過性の測定 底板が66mmφ(34.2cm2)、高さ50mmのアルミ製
カップ(上部にネジ部を設けてシ−トで蓋ができるよう
にしたもの)にイソオクタンとトルエンの1対1混合液
(Fuel C)85mlおよびメタノ−ルを15ml
入れ、前記(H)で得られた、0.5mm厚×85mmφの
フィルムに金網を合せたもので蓋をし、周辺部をシ−ル
して締め込んだ。この容器を下向きにして内容液がフィ
ルムに接する形で放置し、その重量変化を測定すること
で、23℃における燃料透過率(g/m2日)を算出した。
【0031】
【表1】
【0032】比較例1 実施例1の(C)でブレンド樹脂ペレットを調整する際
に、PVDF単独およびPVDFと軟質フッ素樹脂のみ
からなるブレンド樹脂ペレットを表1に示した配合で製
造した以外は、実施例1と同様に(D)から(I)の操
作をおこなった。結果は表1に示したが、実施例1に比
較してシ−トの脆化温度が高く、またチュ−ブの低温衝
撃特性が大きく劣っていた。
【0033】比較例2 実施例1の(C)でブレンド樹脂ペレットを調整する際
に、PVDFと熱可塑性ウレタン樹脂のみからなるブレ
ンド樹脂ペレットを表1に示した配合で製造した以外
は、実施例1と同様に(D)から(I)の操作をおこな
った。結果は表1に示したが、実施例1に比較して低温
特性の改良効果が弱く、また燃料のバリヤ−性において
大きく劣っていることが明らかであり、ウレタン樹脂の
みではPVDF中への微細分散がむずかしいことを示し
ている。
【0034】
【発明の効果】本発明のフッ化ビニリデン組成物は、実
施例において明らかな通り溶融成形可能であり、脆化温
度が−50℃以下であるとともに−40℃の低温におけ
る落球衝撃試験においても優れた低温強度を示し、併せ
てメタノール・ガソリン混合燃料の低透過性という特性
を有することから、従来フッ化ビニリデン樹脂を使用で
きなかった低温において、フッ化ビニリデン樹脂の本来
有する優れた耐薬品性、耐酸性、耐候性、機械的強度お
よび柔軟性を併せ有し、かつ加工性に優れるため単体ま
たは積層体の形態でチューブ、ホース、シート、ライニ
ング材などに好適であるという顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−372653(JP,A) 特開 平4−370133(JP,A) 特開 平3−182538(JP,A) 特開 昭62−68844(JP,A) 特公 昭61−16769(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/12 - 27/24 C08L 51/00 - 51/10 C08L 75/00 - 75/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ化ビニリデン樹脂100重量部に対し
    軟質フッ素樹脂を1〜100重量部混合した樹脂組成物
    100重量部に、熱可塑性ウレタン樹脂1〜40重量部
    混合してなる−40℃での耐衝撃性及び低燃料透過性に
    優れたフッ化ビニリデン樹脂組成物
  2. 【請求項2】軟質フッ素樹脂が、すくなくとも一種以上
    の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体と、分子内に
    二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体とを共
    重合せしめてそのガラス転移温度が室温以下である含フ
    ッ素弾性共重合体(幹ポリマー)を製造し、この幹ポリ
    マー100重量部に対してフッ化ビニリデン単量体を2
    0〜80重量部グラフト重合せしめたものである請求項
    1記載のフッ化ビニリデン樹脂組成物
  3. 【請求項3】熱可塑性ウレタン樹脂のガラス転移温度が
    0℃以下である請求項1乃至2記載のフッ化ビニリデン
    樹脂組成物
JP5020969A 1993-02-09 1993-02-09 フッ化ビニリデン樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2765792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5020969A JP2765792B2 (ja) 1993-02-09 1993-02-09 フッ化ビニリデン樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5020969A JP2765792B2 (ja) 1993-02-09 1993-02-09 フッ化ビニリデン樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06234904A JPH06234904A (ja) 1994-08-23
JP2765792B2 true JP2765792B2 (ja) 1998-06-18

Family

ID=12042001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5020969A Expired - Lifetime JP2765792B2 (ja) 1993-02-09 1993-02-09 フッ化ビニリデン樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2765792B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6476144B1 (en) * 1998-05-29 2002-11-05 Daikin Industries, Ltd. Spherulite-micronizing agent for crystalline fluororesin crystalline fluororesin composition containing micronizing agent
JP4341125B2 (ja) * 1999-11-29 2009-10-07 ダイキン工業株式会社 薬液透過抑制剤、該抑制剤を含んでなる薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物
CN102702404B (zh) * 2012-06-12 2013-08-28 辽宁富朗科技有限公司 一种聚偏氟乙烯材料的制备方法
FR3039559B1 (fr) * 2015-07-27 2019-03-15 Arkema France Composition polymerique fluoree

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6116769A (ja) * 1985-06-14 1986-01-24 株式会社 三共 パチンコ遊技機
JPS6268844A (ja) * 1985-09-19 1987-03-28 Central Glass Co Ltd 柔軟性含ふつ素樹脂組成物
JPH0765018B2 (ja) * 1989-12-13 1995-07-12 セントラル硝子株式会社 コーティング用フッ素樹脂溶液
JP2548849B2 (ja) * 1991-06-19 1996-10-30 セントラル硝子株式会社 柔軟性フッ素樹脂組成物
JP2608195B2 (ja) * 1991-06-24 1997-05-07 セントラル硝子株式会社 熱可塑性ウレタン樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06234904A (ja) 1994-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU607077B2 (en) Thermoplastic resinous compositions
EP1185583B1 (en) Novel fluoroplastic polymers with improved characteristics
US6624251B1 (en) Highly chemically resistant thermoplastic vulcanizates based on fluorocarbon polymers and seal-gasket products made with same
EP0991720B2 (en) Multi-layer compositions comprising a fluoropolymer
US6077609A (en) Composite articles including fluoropolymers and non-fluorinated polymers and method for making the same
US4748204A (en) Flexible and melt processable fluororesin
US4472557A (en) Elastic fluorohydrocarbon resin and method of producing same
JP2002513344A (ja) フルオロポリマーブレンドを含む複合物品
EP1125982B1 (en) Thermoplastic fluorinated polymers
JP2608195B2 (ja) 熱可塑性ウレタン樹脂組成物
JP2765792B2 (ja) フッ化ビニリデン樹脂組成物
US6025436A (en) Thermoplastic fluorine-containing resin composition useful for calendering
JP2015168771A (ja) エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体組成物
JP3288093B2 (ja) 軟質フッ素樹脂組成物
US5898051A (en) Elastic fluorohydrocarbon resin-based polymer blend with graft copolymers of rubbers
JP2505327B2 (ja) 軟質フッ素樹脂を含む積層材料
JP2548849B2 (ja) 柔軟性フッ素樹脂組成物
JPH10204215A (ja) フッ化ビニリデン単位を含むフッ素化ポリマーとブタジエン−アクリロニトリルエラストマーとをベースとした組成物
JPS5930847A (ja) ポリフツ化ビニリデン樹脂組成物
JP3454602B2 (ja) ポリエステルアミド組成物及びそれを用いたキーパッド
JP3085338B2 (ja) 樹脂多層チューブ
CN115505223B (zh) 一种包装用耐低温冲击硬质聚氯乙烯片材及其制备方法
JPH03163147A (ja) ふっ素系共重合体組成物
JPH0733939A (ja) フッ化ビニリデン樹脂組成物
JP2918086B2 (ja) 軟質フッ素樹脂組成物