JP2918086B2 - 軟質フッ素樹脂組成物 - Google Patents

軟質フッ素樹脂組成物

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JP2918086B2 JP5183043A JP18304393A JP2918086B2 JP 2918086 B2 JP2918086 B2 JP 2918086B2 JP 5183043 A JP5183043 A JP 5183043A JP 18304393 A JP18304393 A JP 18304393A JP 2918086 B2 JP2918086 B2 JP 2918086B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はとくに押出成形性ならび
に柔軟性の改良された軟質フッ素樹脂組成物に関するも
のであり、電線被覆材、チューブ材料、各種クロスとの
複合膜材料などの形態で利用される。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は含有するC−F結合に由来
する優れた特性、例えば耐熱性、耐油性、耐薬品性およ
び耐候性などを活かして幅広い分野で使用されており、
年々その使用量も増加している。なかでも柔軟性と成形
加工性を併せ持った軟質フッ素樹脂は電線被覆材、チュ
ーブ、テント用複合膜材等の形で幅広く使用されてい
る。柔軟性と成形加工性を併せ持った軟質フッ素樹脂と
しては、本発明者らが特公昭62−34324号に開示
しているが、フッ素ゴム組成の幹ポリマーに結晶性フッ
素樹脂をグラフト重合して得られる樹脂が挙げられる。
特にフッ素ゴム組成の幹ポリマーにフッ化ビニリデンモ
ノマーをグラフト重合して得られる軟質フッ素樹脂は、
フッ素樹脂の範疇では比較的低温での溶融成形が可能で
あり、押出成形、射出成形あるいはカレンダー成形など
の成形法によりチューブ、電線被覆、シート、フィルム
などの形状に成形される。
【0003】一方、このフッ化ビニリデンモノマーをグ
ラフト重合して得られる軟質フッ素樹脂の改質のために
各種の他樹脂とのポリマーブレンドも検討されている。
例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)あるいはフッ
化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロアセトン(H
FA)との共重合樹脂等をブレンドして、高温時の機械
的強度あるいは表面の撥水性を改善する方法(特開昭6
2−68844号)、当該軟質フッ素樹脂の有機溶剤溶
液とポリメチルメタクリレート(PMMA)の有機溶剤
溶液を混合することで、コーティング被膜の基材への密
着性を向上させる方法(特開平2−135269号)さ
らには熱可塑性ウレタン樹脂をブレンドして押出成形加
工性を改良する方法(特開平4−370133号)等、
いずれも本発明者らが開示している。
【0004】一方、塩化ビニル樹脂を中心にプラスチッ
クの耐衝撃強度を改良するための添加剤として各種ゴム
状重合体に(メタ)アクリル酸エステル単独あるいは
(メタ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な
他の単量体とをグラフト重合した樹脂を使用する方法が
広く知られており、かかる添加剤が一般に市販されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】特公昭62−343
24号に開示されている軟質フッ素樹脂は、その構造中
に含フッ素弾性体を含むために生じる、樹脂の成形時の
溶融伸びが小さいという欠点ならびに、グラフト重合時
にグラフトポリマーと同時に生成するグラフトに関与し
ない結晶性樹脂を含有するために、引張試験時、低歪量
に対応する弾性率が高いという欠点を有する。 成形加
工時の溶融伸び特性は特にチューブ、電線被覆等の用途
において一般に行なわれている引き落とし成形が困難で
あるとの不都合を生じている。即ち、これらの分野では
生産性を向上させるため、所望の形状よりも大きい口金
を用いて樹脂を押出し、溶融物を高速で引取ることによ
り所定の寸法まで引き落とす方法が採られているが、軟
質フッ素樹脂にこの方法を適用すると引き落とし比が比
較的小さい範囲で樹脂が切断したり、表面の肌荒れを生
じる。またカレンダー成形におけるフィルムの成形、特
に薄肉フィルムの製造にもこの溶融伸び特性は重要であ
り、軟質フッ素樹脂の場合にはカレンダーロールの間隙
より薄い厚みのフィルムを製造することが困難となって
いる。一方、20%以下程度の低歪量に対応する弾性率
の値は小さい方が触感として柔軟性を与え、例えば電線
被覆では曲げやすい、チューブでは曲げによりつぶれ
(キンク)が出にくいあるいは各種クロスとの複合膜材
ではシワになりにくいという性質が発現するため軟質樹
脂の特性としては重要なものである。
【0006】軟質フッ素樹脂の溶融伸び特性を改良する
方法の一つに本発明者らが特開昭62−68844号に
提案している分子量の高いPVDFをブレンドする方法
があるが、この方法では溶融伸びの改良とともに樹脂の
硬度が上昇し、低歪量に対応する弾性率も増加するた
め、特にチューブ、電線被覆、複合膜材等の可とう性を
要求される分野においては充分な改良方法とはならなか
った。
【0007】一方、特開平4−370133号に本発明
者らが提案している、熱可塑性ウレタン樹脂を混合する
方法においては、柔軟性のある熱可塑性ウレタン樹脂を
選択することにより、軟質フッ素樹脂の柔軟性を損わず
に溶融伸び特性を向上させることができるが、熱可塑性
ウレタン樹脂は一般に柔軟性が増すほど熱安定性が低下
するため、低歪量に対応する弾性率を低下させることに
は限界があった。
【0008】本発明は軟質フッ素樹脂の有する耐熱性、
低温特性等を損うことなく、溶融成形時の伸び特性の改
良ならびに製品の低歪量に対応する弾性率を低下させた
組成物の提供を目的とするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは軟質フッ
素樹脂と各種柔軟樹脂のポリマーブレンドについて検討
した結果、軟質フッ素樹脂100重量部に対し、ゴム状
重合体に(メタ)アクリル酸エステル単独あるいは(メ
タ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な他の
単量体とをグラフト重合して得られた樹脂(以下、「グ
ラフト樹脂」という。)を1〜50重量部混合する方法
で上記問題点が解決できることを見出したものである。
【0010】すなわち、グラフト樹脂の前駆体となるゴ
ム状重合体であるポリブタジエンゴム、ブタジエンとス
チレンの共重合ゴム、エチレンとプロピレンの共重合ゴ
ム、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム、ポリオル
ガノシロキサンゴムなどは軟質フッ素樹脂に混合するこ
とで軟質フッ素樹脂の低歪量に対応する弾性率を低下さ
せる能力を有しているが、いずれも溶融粘度が大きいた
め、それ自体では軟質フッ素樹脂に混合して均質な混合
物を得ることは困難であるが、軟質フッ素樹脂に相溶性
のある熱可塑性樹脂をゴム状重合体にグラフト重合した
ものでは軟質フッ素樹脂に均一に混合でき、その結果、
溶融成形時の伸びの特性の改良並びに製品の低歪量に対
応する弾性率を低下させ得ることを見出し、本発明に到
達したものである。
【0011】本発明でいう「軟質フッ素樹脂」とは、す
くなくとも一種以上の含フッ素単量体を含む一種以上の
単量体と、分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に
有する単量体とを共重合せしめてそのガラス転移温度
(Tg)が室温以下である含フッ素弾性共重合体(幹ポ
リマー)を製造することを第一段階とし、第二段階にお
いて、第一段階で得られた共重合体の水性乳濁液または
分散溶媒中でその融点が130℃以上である結晶性重合
体を与える、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一
種以上の単量体をグラフト共重合させることを特徴とす
る樹脂である。
【0012】ここで使用する分子内に二重結合とペルオ
キシ結合を同時に有する単量体としては、t-ブチルペル
オキシメタクリレート、t-ブチルペルオキシクロトネー
ト等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt-ブチルペ
ルオキシアリルカーボネート、p-メンタンペルオキシア
リルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボネート類
が例示できる。
【0013】また、含フッ素弾性共重合体の組成として
は、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロ
ペン(HFP)の二元共重合体、VDFとHFPとテト
ラフルオロエチレン(TFE)の三元共重合体、および
VDFとクロロトリフルオロエチレン(CTFE)の二
元共重合体などが例示されるが、とくにその組成を限定
するものではない。
【0014】一方、その融点が130℃以上である含フ
ッ素結晶性重合体としては、例えば、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニル、PVDF、VDFとTFEの共重合体、V
DFとHFPの共重合体、VDF、HFPとTFEの三
元共重合体、VDFとHFAの共重合体、VDFとCT
FEの共重合体ならびにTFEと含フッ素ビニルエーテ
ルとの共重合体などが例示される。
【0015】そのなかで、特に本発明に有用な軟質フッ
素樹脂は、上記幹ポリマー100重量部に対してフッ化
ビニリデン単量体を20〜80重量部グラフト重合せし
めたものである。
【0016】幹ポリマー100重量部に対してグラフト
重合するフッ化ビニリデン単量体の量は20重量部未満
では軟質フッ素樹脂の溶融粘度が高くなり、押出成形、
射出成形等の溶融成形が困難となる。また80重量部を
越えたものでは生成する軟質フッ素樹脂が硬いものとな
り、目的とする製品の柔軟性が損われる。
【0017】この特に好ましい軟質フッ素樹脂の一例に
ついての物性等を示せば、融点は約170℃であり、1
90〜220℃の温度での溶融成形が可能である。また
DSCで測定されるガラス転移温度は約−20℃であ
り、JISK6301に規定されている脆化温度は約−
50℃である。
【0018】軟質フッ素樹脂に混合するグラフト樹脂の
ゴム状重合体は軟質フッ素樹脂の低温特性を損わないた
めに、そのガラス転移温度が−20℃以下のものが望ま
しい。かかるゴム状重合体の組成としては、ポリブタジ
エンゴム、ブタジエンとスチレンの共重合ゴム、エチレ
ンとプロピレンの共重合ゴム、ポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴムまたはこ
れらの2種以上からなる組成物等が例示されるが特にそ
の組成、重合体の構造、混合形態を限定するものではな
い。また、その製造法も特に限定されないが、重合体が
ラテックスあるいは粉末状で得られやすい乳化重合法が
好ましい。
【0019】グラフトするモノマーには重量で50%以
上の(メタ)アクリル酸エステルを含んだものであるこ
とが望ましい。本明細書においては、「(メタ)アクリ
ル」は「アクリルおよび/またはメタクリル」を、また
「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/ま
たはメタアクリレート」を表すものとする。50%未満
では軟質フッ素樹脂との相溶性が十分でなく、特に脆化
温度で表される低温特性が低下する。(メタ)アクリル
酸エステルは好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルであって、アルキル基の炭素数が1〜8個のも
の、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸nーブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルシクロヘキシル等
であるが、なかでもメタクリル酸メチルが好ましい。こ
れらの2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0020】(メタ)アクリル酸エステルと共重合する
他のモノマーは分子中に重合性の二重結合を有するモノ
マーであれば特に限定することはないが、芳香族ビニル
モノマーが好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、
あるいはそれらの核置換誘導体、例えばビニルトルエ
ン、イソプロペニルトルエン、クロロスチレン等が例示
され、これらの2種以上を併せて使用することもでき
る。
【0021】グラフト樹脂中のゴム状重合体の重量割合
は50〜99%以上が望ましい。50%以下では目的と
する軟質フッ素樹脂の柔軟化が達成できず、99%以上
では軟質フッ素樹脂との相溶性が十分でなく、特に脆化
温度で表される低温特性が低下するので好ましくない。
【0022】かかるグラフト樹脂の製造法としては、特
に限定されないが、例えば、乳化重合により作成された
ゴム状重合体のラテックスにモノマーを添加してグラフ
ト重合した後、凝固乾燥しパウダー状の樹脂を得る方法
がある。具体的には、特公昭34−8136号、特公昭
42−22541号、特公昭42−22541号の明細
書に記載されるように、ポリブタジエンあるいはブタジ
エンとスチレンの共重合ゴムの水性ラテックス中でメチ
ルメタクリレートあるいはメチルメタクリレートとスチ
レンをグラフト重合する方法、あるいは、特開平4−1
00812号明細書に記載されるように、ポリオルガノ
シロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートの混合
ゴムラテックス中で(メタ)アクリル酸エステルを含む
ビニルモノマーをグラフト重合する方法などがある。
【0023】また本発明においては、グラフト樹脂とし
て、塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度改良剤としてひろく市
販されているゴム状重合体に(メタ)アクリル酸エステ
ル単独あるいは(メタ)アクリル酸エステルおよびこれ
と共重合可能な他の単量体とをグラフト重合して得られ
た樹脂をそのまま使用することもでき、例えば、鐘淵化
学工業(株)製、MBS樹脂(商品名カネエースBシリ
ーズ)、同社製のアクリルゴムにメチルメタクリレート
を含むビニルモノマーをグラフト重合した樹脂(商品名
カネエースFM)あるいは三菱レイヨン(株)製のポリ
オルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレー
トの混合ゴムラテックス中でメタクリル酸エステルを含
むビニルモノマーをグラフト重合した樹脂(商品名メタ
ブレンSシリーズ)などがあげられる。
【0024】軟質フッ素樹脂に混合するグラフト樹脂の
比率は軟質フッ素樹脂100重量部に対して1〜50重
量部の範囲が望ましい。この範囲に満たない場合には改
質効果が発現しないし、この範囲を越えて混合した場合
には混合樹脂の溶融粘度が上昇し、安定した成形が困難
となる。また本来軟質フッ素樹脂の有する良好な耐薬品
性が損われる。
【0025】これらの両樹脂の混合方法としては、一般
の熱可塑性樹脂で用いられているような、二本ロール、
押出成形機などを使用した溶融混練法が適しているが、
ジメチルホルムアミド(DMF)のような極性溶剤を含
む有機溶剤に両者を溶解して混合することもできる。
【0026】以下、本発明の実施例および比較例をあげ
て具体的に説明する。
【0027】
【実施例】
実施例1 (A)軟質フッ素樹脂の製造 100L容量のステンレス製オートクレーブに純水50
Kg、過硫酸カリウム100g、パーフルオロオクタン
酸アンモニウム150gおよびtーブチルペルオキシアリ
ルカーボネート100gを加え、排気後フッ化ビニリデ
ンモノマー12.5Kg、クロロトリフルオロエチレン
モノマー7.55Kgを仕込み、撹拌しながら50℃の
温度で20時間重合反応をおこなった。生成物は白色ラ
テックス状態で得られ、これを塩析してゴム状の粒子を
得た。水洗、真空乾燥の後、nーヘキサンにて洗浄し未反
応のtーブチルペルオキシアリルカーボネートを除去して
再度真空乾燥し、白色粉末の弾性共重合体16Kgを得
た。この弾性共重合体のDSC曲線はペルオキシ基の分
解に基づく発熱ピークを160〜180℃に有してお
り、またヨウ素滴定法により弾性共重合体の活性酸素量
は0.042%であった。
【0028】次の段階で、前記白色粉末の弾性共重合体
12KgとフロンR−113 75Kgを100L容量
のステンレス製オートクレーブに加え、排気後、フッ化
ビニリデンモノマー6Kgを仕込み、95℃で24時間
重合をおこなった。生成したポリマーを溶媒と分離後乾
燥して白色粉末の軟質フッ素樹脂16.6Kgを得た。
収量から計算してこの軟質フッ素樹脂は含フッ素弾性共
重合体100重量部に対して、フッ化ビニリデンモノマ
ー38.3重量部がグラフト重合したものであった。
【0029】(B)グラフト樹脂との混合およびペレッ
トの製造 前記(A)で得られた軟質フッ素樹脂パウダーとグラフ
ト樹脂としてアクリルゴムにメチルメタクリレートを含
むビニルモノマーをグラフト重合した樹脂(鐘淵化学工
業(株)製、商品名カネエースFM)を表1に示した添
加割合で20Lヘンシェルミキサーにより混合したの
ち、30mm口径の押出成形機(L/D:22)を使用
し、180〜200℃の温度でペレット化し、混合樹脂
を得た。
【0030】(C)混合樹脂の溶融伸び特性の測定 前記(B)で得られたペレットの溶融伸び特性を東洋精
機(株)製のキャピログラフを用いて測定した。200
℃に加熱されたバレルにペレットを充填し、下部に備え
られた1×10mmφのオリフィス孔から10mm/secの速
度で押出された溶融ストランドを速度可変のロールで速
度を上げながら引取り、ストランドの切断する速度を測
定した。結果を表1に示した。
【0031】(D)混合樹脂のシート成形 前記(B)で得られたペレットを加熱機構を備えた二本
ロールで混練(170℃、3分)した後、シート状に引
出したものを圧縮成形機にて成形(200℃、60Kgf/
cm2)して2mm厚、150mm角のシートを得た。
【0032】(E)混合樹脂の引張特性の測定 前記(D)で得られたシートからJIS K6301に
規定された3号ダンベル状試験片を打抜き、この試験片
をインストロン型の引張試験機を用いて引張り、10%
の伸びを与えた時の弾性率(Kgf/cm2)ならびに破断時
の強度、伸びを測定した。結果を表1に示した。
【0033】(F)混合樹脂の低温特性の評価 前記(D)で得られたシートからJIS K6301、
14項(低温衝撃脆化試験)に規定された方法に従い試
験片(幅:6.3mm、長さ:32mm)を打抜き、温度を
変化させながら低温衝撃脆化試験をおこなった。試験片
数の50%以上が破壊する最高温度を脆化温度として、
結果を表1に示したが、軟質フッ素樹脂単独のものに比
べて脆化温度は若干低下しており、混合樹脂の相溶性が
良好であることがわかる。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 実施例1の(B)においてグラフト樹脂として三菱レイ
ヨン(株)製のポリオルガノシロキサンとポリアルキル
(メタ)アクリレートの混合ゴムラテックス中でメタク
リル酸エステルを含むビニルモノマーをグラフト重合し
た樹脂(商品名メタブレンS2001)を使用した他は
実施例1と同様の操作、測定を行ない、結果を表1に示
した。実施例1と同様に混合樹脂の脆化温度は軟質フッ
素樹脂単独のものに比べて低下しており、混合樹脂の相
溶性が良好であることがわかる。 参考例 実施例1の(A)で製造した軟質フッ素樹脂単独で
(B)に示した条件でペレットを製造し、(C)〜
(F)に示したのと同一の操作、測定を行なった。結果
は表1に示した。
【0036】比較例1 実施例1の(B)において添加樹脂としてポリメタクリ
ル酸エステル(三菱レイヨン社製メチルメタクリレート
樹脂、商品名:アクリペットMF)を使用した他は実施
例1と同様の操作、測定を行なった。結果を表1に示し
たが各実施例に比べて10%伸張時の弾性率が高くなっ
ており、また脆化温度も参考例に比較して上昇している
ことがわかる。
【0037】比較例2 実施例1の(A)において製造した軟質フッ素樹脂と添
加剤としてアクリルゴム(日本ゼオン(株)製アクリル
ゴム、商品名NIPOL AR54、ガラス転移温度:
−37℃)を加熱機構を備えた二本ロールで混練(17
0℃、3分)した後、シート状に引出したものを圧縮成
形機にて成形(200℃、60Kgf/cm2)して2mm厚、
150mm角のシートを得た。このシートを使用して実施
例1の(C)〜(E)と同一の測定をおこなった。結果
は表1に示したが、実施例に比べて溶融伸び特性が明ら
かに劣っていることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明の軟質フッ素樹脂組成物は、軟質
フッ素樹脂の有する耐熱性、低温特性等を損うことな
く、溶融成形時の伸び特性が改良され、製品の低歪量に
対応する弾性率が低下できたため、チューブ、電線被
覆、各種クロスとの複合膜材料の製造において顕著な効
果を奏する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質フッ素樹脂100重量部に対し、ゴム
    状重合体に(メタ)アクリル酸エステル単独あるいは
    (メタ)アクリル酸エステルおよびこれと共重合可能な
    他の単量体とをグラフト重合して得られた樹脂を1〜5
    0重量部混合してなる樹脂組成物であって、軟質フッ素
    樹脂が、すくなくとも一種以上の含フッ素単量体を含む
    一種以上の単量体と、分子内に二重結合とペルオキシ結
    合を同時に有する単量体とを共重合せしめて含フッ素弾
    性共重合体(幹ポリマー)を製造し、この幹ポリマー1
    00重量部に対してフッ化ビニリデン単量体を20〜8
    0重量部グラフト重合せしめたものである軟質フッ素樹
    脂組成物
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