JPH07197158A - Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材 - Google Patents

Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材

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JPH07197158A
JPH07197158A JP35001193A JP35001193A JPH07197158A JP H07197158 A JPH07197158 A JP H07197158A JP 35001193 A JP35001193 A JP 35001193A JP 35001193 A JP35001193 A JP 35001193A JP H07197158 A JPH07197158 A JP H07197158A
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corrosion resistance
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JP35001193A
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Tetsuo Iikawa
徹郎 飯川
Masatoshi Noguchi
昌利 野口
Hideo Sasaki
日出男 佐々木
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Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラジカルなハロゲン系の反応性ガスに対して
高耐食性を有し、しかも、真空雰囲気中でのO2,N2
のガスの放出が少ないNi基合金とそれを用いた半導体
製造装置用部材及び液晶製造装置用部材を提供する。 【構成】 本願発明のNi基合金は、Crを18.5〜
23.4重量%、Moを11.5〜17.4重量%、W
を1.5〜4.4重量%、Feを10.4重量%以下、
Oを0.008重量%以下、Nを0.06重量%以下含
有し、残部がNi及び不可避不純物からなることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、HF,HCl,HBr
等のラジカルなハロゲン系の反応性ガスに対して良好な
耐食性を有し、かつ、ガス放出特性が優れたNi基合金
とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置
用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI、VLSI等の半導体製造
プロセスにおいては、N2,H2,SiH4,Cl2,H
F,HCl,HBr等の各種ガスが様々な目的のために
用いられており、これらのガスの中には、毒性、可燃
性、窒息性、腐食性等の極めて危険な性質を有するもの
も多い。上記半導体製造プロセスにおいては、基板の高
清浄化からはじまって成膜、ドライエッチング等、全て
の工程を極めてクリーン度の高い真空下もしくは減圧下
で行なう必要がある。そこで、スパッタリング装置、C
VD(化学蒸着)装置、ドライエッチング装置等の各種
半導体製造装置及びこれらの半導体製造装置に各種ガス
を供給する配管等には、例えば、SUS316L等のス
テンレススチールが用いられている。
【0003】また、薄膜トランジスタ(TFT)により
駆動される液晶ディスプレイ(LCD)等の液晶製造プ
ロセスにおいても、上記半導体製造プロセスと同様に、
2,H2,SiH4,Cl2,HF,HCl,HBr等の
各種ガスが様々な目的のために用いられている。上記液
晶製造プロセスにおいては、ガラス基板へのITO膜の
形成、TFTの形成等、全ての工程を極めてクリーン度
の高い真空下もしくは減圧下で行なう必要がある。そこ
で、各種液晶製造装置及び各種ガス配管等には、例え
ば、SUS316L等のステンレススチールが用いられ
ている。
【0004】しかしながら、ステンレススチールは、H
F,HCl,HBr等のラジカルなハロゲン系の反応性
ガスに対しては腐食され易いという欠点がある。これら
のガスが完全にドライであれば腐食は起らないのである
が、運転停止時等に外部から僅かな水分が混入したりし
た場合、この水分が残留ガスと反応することにより腐食
性酸を生成し、ステンレススチールが腐食されるという
ことがある。この腐食性酸によるステンレススチールの
腐食生成物は、パーティクルとなってLSIやVLSI
等の半導体装置、TFT−LCD等の液晶等、の歩留ま
りを低下させ、ひいては信頼性を低下させる要因となる
ために、極力発生させない必要がある。
【0005】そこで、例えば、特開平2−156034
号公報に示されるようなNi基合金が提案され実用に供
されている。このNi基合金は、Crを約19〜23
%、Moを約12〜15%、Wを約2.25〜4%、N
bを約0.65〜2%未満、Feを約2〜8%、Cを
0.1%まで、Mnを1%未満まで、Siを約0.5%
未満まで、Alを約0.5%まで、Tiを約0.5%ま
で含有するもので、HF,HCl,HBr等のラジカル
なハロゲン系の反応性ガスに対して高度の耐食性を有
し、さらに、良好な溶接性、高い臨界隙間腐食温度、等
の優れた特性を有する合金である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のNi基合金は、
銅への合わせ板材料として特に適しているために、CV
D装置のベルジャー等に好適に用いられるものである
が、最近新たな問題点があることがわかってきている。
それは、前記各種製造装置及び配管等の表面から真空中
にO2,N2等のガスが放出されるという問題であり、特
に、高真空時、ベーキング時、セルフクリーニング時等
において顕著となる。これらO2,N2等の放出ガスは、
反応性ガスに混入した場合、該反応性ガスの特性を低下
させ、さらに、前記表面からPやS等が同時に放出され
ると、これらPやS等の酸化物が前記反応性ガスに混入
し該反応性ガスの特性を著しく低下させる。したがっ
て、O2,N2等の放出を抑制し、さらに、P,S等の放
出をも抑制する必要がある。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、HF,HCl,HBr等のラジカルなハロゲ
ン系の反応性ガスに対して高耐食性を有し、しかも、真
空雰囲気中でのO2,N2等のガスの放出が少ないNi基
合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造
装置用部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様なNi基合金とそれを用いた半導体
製造装置用部材及び液晶製造装置用部材を採用した。す
なわち、請求項1記載のNi基合金は、Crを18.5
〜23.4重量%、Moを11.5〜17.4重量%、
Wを1.5〜4.4重量%、Feを10.4重量%以
下、Oを0.008重量%以下、Nを0.06重量%以
下含有し、残部がNi及び不可避不純物からなることを
特徴としている。
【0009】また、請求項2記載のNi基合金は、請求
項1記載のNi基合金において、不純物としてCを0.
1重量%以下、Tiを0.5重量%以下含有することを
特徴としている。
【0010】また、請求項3記載のNi基合金は、請求
項2記載のNi基合金において、Nbを0.65〜2.
4重量%含有するとともに、不純物としてSiを0.5
重量%以下、Mnを1.4重量%以下、Alを0.5重
量%以下含有することを特徴としている。
【0011】また、請求項4記載のNi基合金は、請求
項2または3記載のNi基合金において、不純物として
Cuを5.0重量%以下含有することを特徴としてい
る。
【0012】また、請求項5記載の半導体製造装置用部
材は、IC、LSIまたはVLSIを製造する装置に用
いられる金属部材であって、少なくとも、その一方の面
が請求項1,2,3または4記載のNi基合金により構
成されていることを特徴としている。
【0013】また、請求項6記載の液晶製造装置用部材
は、液晶ディスプレイを製造する装置に用いられる金属
部材であって、少なくとも、その一方の面が請求項1,
2,3または4記載のNi基合金により構成されている
ことを特徴としている。
【0014】ここで、本発明のNi基合金の組成を上記
の様に限定した理由を説明する。まず、請求項1記載の
Ni基合金において、Crを18.5〜23.4重量%
と限定した理由は、Crが酸化性の酸に対して耐食性を
向上させるのに効果的であるとともに耐孔食性を付与す
るものであり、この効果はCrの含有量が18.5%重
量未満では大幅に減少してしまうからであり、また、2
3.4重量%を越えると金属間化合物が本合金内に多量
に析出することとなり熱的安定性が低下するからであ
る。また、還元性の酸に対する耐食性もCrの含有量が
23.4重量%を越えると低下する。
【0015】Moを11.5〜17.4重量%と限定し
た理由は、Moが還元性の酸に対して耐食性を向上させ
耐孔食性を付与させるのに効果的であり、この効果はM
oの含有量が11.5重量%未満では大幅に減少してし
まうからであり、また、17.4重量%を越えると酸化
性の酸に対する耐食性が低下し、さらに熱的安定性も同
時に低下するからである。
【0016】Wを1.5〜4.4重量%と限定した理由
は、WがMoと同様の特性を有するものであり、酸化性
及び還元性の酸に対して耐食性を向上させ、熱的安定性
を向上させるのに効果的であり、この効果はWの含有量
が1.5重量%未満では大幅に減少してしまうからであ
り、4.4重量%を越えると熱間加工性及び靱性が低下
するからである。Feを10.4重量%以下と限定した
理由は、Feが本合金に熱間加工性を付与するのに必要
な添加元素であり、10.4重量%を越えると耐食性が
低下してしまうからである。
【0017】Oを0.008重量%以下と限定した理由
は、真空中に放出されるO2ガスの重量を低減し反応性
ガスの特性を低下させないためであり、Oが0.008
重量%を越えると反応性ガスの特性低下が顕著となるた
めに好ましくない。また、このOの重量%のより好まし
い範囲は、0.008重量%以下である。Nを0.06
重量%以下と限定した理由は、真空中に放出されるN2
ガスの重量を低減し反応性ガスの特性を低下させないた
めであり、Nが0.06重量%を越えると反応性ガスの
特性低下が顕著となるために好ましくない。また、この
Nの重量%のより好ましい範囲は、0.04重量%以下
である。
【0018】また、請求項2記載のNi基合金におい
て、Cを0.1重量%以下と限定した理由は、Cは炭化
物として本合金内に析出するおそれがあるために極力少
ないのが望ましく、0.1重量%を越えると炭化物の析
出が大量に生じ、加えて金属間化合物の析出も大量に生
じることとなり、熱的安定性が低下するからである。T
iを0.5重量%以下としたのは、0.5重量%以下で
あれば格別悪影響を及ぼすおそれがないからである。
【0019】また、請求項3記載のNi基合金におい
て、Nbを0.65〜2.4重量%と限定した理由は、
Nbが通常の原料中に高濃度で存在する不純物で、H
F,HCl,HBr等のラジカルなハロゲン系の反応性
ガスに対する耐食性が向上するからであり、この効果は
Nbの含有量が0.65重量%未満では大幅に減少して
しまうからであり、2.4重量%を越えると熱的安定性
が劣化し、ハロゲン系の反応性ガスに対する耐食性が低
下してしまい好ましくない。
【0020】Siを0.5重量%以下と限定した理由
は、Siが熱的安定性を低下させるものであるから極力
少ないのが望ましく、0.5重量%が許容できる上限で
ある。Mnを1.4重量%以下と限定した理由は、Mn
は再溶解工程においてフラックスとして必要であるが、
1.4重量%を越えると耐孔食性が劣化するからである
Alを0.5重量%以下としたのは、0.5重量%以下
であれば格別悪影響を及ぼすおそれがないからである。
【0021】また、請求項4記載のNi基合金におい
て、Cuを5.0重量%以下としたのは、Cuが還元性
の酸に対して耐食性を向上させるのに効果的であり、こ
れが5.0重量%を越えると効果が飽和してしまうから
である。
【0022】上述した請求項1〜4のいずれか1項記載
のNi基合金を用いて、スパッタリング装置、CVD装
置、ドライエッチング装置等の各種半導体製造装置及び
これらの半導体製造装置に各種ガスを供給する配管等を
作製すれば、これらの半導体製造装置や配管は、HF,
HCl,HBr等のラジカルなハロゲン系の反応性ガス
に対して優れた耐食性を有することとなり、しかも、真
空雰囲気中において装置の表面からのO2,N2の放出が
減少する。したがって、ハロゲン系ガスに対する耐食性
及びガス放出特性が向上する。これより、作製されるL
SI、VLSI等の半導体の歩留まり及び信頼性が向上
する。
【0023】また、請求項1〜4のいずれか1項記載の
Ni基合金を用いて各種液晶製造装置及び各種ガス配管
等を作製した場合においても、これら装置及び配管等は
HF,HCl,HBr等のラジカルなハロゲン系の反応
性ガスに対して優れた耐食性を有することとなり、しか
も、真空雰囲気中において装置の表面からのO2,N2
放出が減少する。したがって、ハロゲン系ガスに対する
耐食性及びガス放出特性が向上する。これより、作製さ
れるTFT−LCD等の液晶の歩留まり及び信頼性が向
上する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例のNi基合金につい
て説明する。図1はCVD装置のハロゲン系反応性ガス
用配管を示す斜視図である。このEPチューブ1は、外
径が6.35mm、肉厚が0.89mmのチューブであ
り、Crを18.5〜23.4重量%、Moを11.5
〜17.4重量%、Wを1.5〜4.4重量%、Feを
10.4重量%以下含有するとともに、不純物としてC
を0.1重量%以下、Tiを0.5重量%以下、Oを
0.008重量%以下、Nを0.06重量%以下含有
し、残部がNi及び不可避不純物からなるNi基合金で
ある。
【0025】前記Ni基合金に、さらに、Nbを0.6
5〜2.4重量%加えるとともに、不純物としてSiを
0.5重量%以下、Mnを1.4重量%以下、Alを
0.5重量%以下加えれば、ハロゲン系の反応性ガスに
対する耐食性がさらに向上する。また、さらに、Cuを
5.0重量%以下加えれば、還元性の酸に対しする耐食
性がさらに向上する。
【0026】次に、このEPチューブ1の製造方法につ
いて説明する。所定の組成比となるように各原料を秤量
し、これらの原料をエルー溶解後、AOD(アルゴンー
酸素脱炭)精錬、ESR(エレクトロスラブ)精錬を行
ない、得られた溶湯を造塊し、その後、熱間鍛造、ビレ
ット加工、熱間押出を行うことにより素管を製造した。
その後、冷間圧延、冷間引き抜きを行い、チューブ状に
した。この時の中間熱処理は光輝焼鈍(BA)処理であ
る。その後、該チューブの内面に電解研磨を施し、さら
に、洗浄、乾燥を施し、EPチューブとした。従来と異
なる点は、AOD精錬において高純度アルゴンガスを用
いることと、ESR精錬を2回以上行うことである。ま
た、真空溶解プロセスを用いても構わない。
【0027】このNi基合金を用いた半導体製造装置用
部材及び液晶製造装置用部材としては、前記EPチュー
ブ1の他に、例えば、ベロー、フィルタ、Oリング、フ
レキシブルチューブ、継手、圧力調節器やマスフローコ
ントローラーのガス流路部等のガス配管部材、スパッタ
リング装置、CVD装置、ドライエッチング装置等のベ
ルジャー及び、該ベルジャー内に配設されるシャッター
等の部材が挙げられる。
【0028】表1は、本実施例のNi基合金(No.1
〜7)各々の組成と、本発明の組成以外のNi基合金
(比較例)(No.11〜17)各々の組成とを、重量
百分率で表わしたものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】また、表3は、上記実施例及び比較例の各
々のガス放出特性を調べた結果を示したものである。ま
た、これらのうち本実施例No.3については図2に、
また、比較例No.17については図3に、それぞれO
2及びN2のガス放出特性を示してある。
【0032】
【表3】
【0033】試験方法は、上記実施例及び比較例各々の
Ni基合金について、外径が6.35mm、肉厚が0.
89mmのチューブを電解研磨して試験片を作製し、こ
れら各試験片を室温(25℃)で5時間、100℃で2
時間、200℃で5時間各々放置し、全放置時間(12
時間)後に発生したO2及びN2のガス分圧を測定した。
【0034】表3から明かなように、本実施例のNi基
合金(No.1〜7)は全てO2が8.4×10-9Torr
以下、N2が2.3×10-8Torr以下であり、比較例の
Ni基合金(No.11〜17)のO2が7.5×10
-9〜3.5×10-8Torr、N2が2.0×10-8〜6.
2×10-8Torrであるのと比べて、ガス放出特性が大幅
に向上していることがわかる。
【0035】また、表4は、上記実施例及び比較例の各
々の「ウエットHBrガスへの耐食性」及び「ウエット
HBrガスによる腐食後のパーティクル発生特性」を調
べた結果を示したものである。
【0036】
【表4】
【0037】「ウエットHBrガスへの耐食性」は、外
径が6.35mm、肉厚が0.89mmのチューブを電
解研磨して試験片とし、該試験片にウエットHBrガス
を封入し、6時間後に走査電子顕微鏡(SEM)を用い
て腐食の経時変化を観察し、腐食生成物が生じなかった
ものを「○」、生じたものを「×」とした。なお、封入
条件は 封入ガス:90%HBr+100ppmH2O+N2 温 度:室温(25℃) である。
【0038】また、「ウエットHBrガスによる腐食後
のパーティクル発生特性」は、上記試験片に室温のウエ
ットHBrガスを封入して、24時間保持後、静置20
分+ハンマリング20分+静置10分の計50分間に発
生するパーティクル数(個/CF)を測定した。
【0039】表4から明かなように、本実施例のNi基
合金(No.1〜7)は全て「ウエットHBrガスへの
耐食性」が良好であり、「ウエットHBrガスによる腐
食後のパーティクル発生特性」のパーティクル数が2
(個/CF)以下であり、比較例のNi基合金(No.
11〜17)と比べて大幅に向上していることがわか
る。
【0040】以上説明した様に、上記一実施例のNi基
合金によれば、Crを18.5〜23.4重量%、Mo
を11.5〜17.4重量%、Wを1.5〜4.4重量
%、Feを10.4重量%以下含有するとともに、不純
物としてCを0.1重量%以下、Tiを0.5重量%以
下、Oを0.008重量%以下、Nを0.06重量%以
下含有し、残部をNi及び不可避不純物としたので、ハ
ロゲン系ガスに対する耐食性及びガス放出特性を向上さ
せることができる。
【0041】また、前記Ni基合金に、さらに、Nbを
0.65〜2.4重量%加えるとともに、不純物として
Siを0.5重量%以下、Mnを1.4重量%以下、A
lを0.5重量%以下加えたので、ハロゲン系の反応性
ガスに対する耐食性をさらに向上させることができる。
【0042】さらに、上記実施例のNi基合金を用い
て、各種半導体製造装置、各種液晶製造装置及び配管等
を作製すれば、これらの製造装置及び配管のハロゲン系
ガスに対する耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上
させることができ、したがって、ハロゲン系ガスに対す
る耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上させること
ができる。これより、作製されるLSI、VLSI等の
半導体、TFT−LCD等の液晶の歩留まり及び信頼性
を向上させることができる。
【0043】なお、この実施例では形状をチューブ状と
したが、この形状はチューブ状に限定されることなく例
えば、板状、円筒状等、装置の形状によって適宜変更可
能である。また、この実施例のNi基合金は、上記一実
施例に限定されることなく様々な形態で使用することが
可能である。例えば、ベルジャーやベローの場合では、
ベルジャー本体やベローの内面に該Ni基合金をライニ
ングしたり、クラッド鋼として用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1記
載のNi基合金によれば、Crを18.5〜23.4重
量%、Moを11.5〜17.4重量%、Wを1.5〜
4.4重量%、Feを10.4重量%以下、Oを0.0
08重量%以下、Nを0.06重量%以下含有し、残部
をNi及び不可避不純物としたので、ハロゲン系ガスに
対する耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上させる
ことができる。
【0045】また、請求項2記載のNi基合金によれ
ば、不純物としてCを0.1重量%以下、Tiを0.5
重量%以下含有することとしたので、ハロゲン系ガスに
対する耐食性及び熱的安定性を向上させることができ
る。
【0046】また、請求項3記載のNi基合金によれ
ば、Nbを0.65〜2.4重量%含有するとともに、
不純物としてSiを0.5重量%以下、Mnを1.4重
量%以下、Alを0.5重量%以下含有することとした
ので、ハロゲン系の反応性ガスに対する耐食性をさらに
向上させることができる。
【0047】また、請求項4記載のNi基合金によれ
ば、Cuを5.0重量%以下含有することとしたので、
還元性の酸に対する耐食性をさらに向上させることがで
きる。
【0048】また、請求項5記載の半導体製造装置用部
材によれば、IC、LSIまたはVLSIを製造する装
置に用いられる金属部材であって、少なくとも、その一
方の面を請求項1,2,3または4記載のNi基合金に
より構成することとしたので、ハロゲン系ガスに対する
耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上させることが
できる。これより、作製されるLSI、VLSI等の半
導体の歩留まり及び信頼性を向上させることができる。
【0049】また、請求項6記載の液晶製造装置用部材
によれば、液晶ディスプレイを製造する装置に用いられ
る金属部材であって、少なくとも、その一方の面を請求
項12,3または4記載のNi基合金により構成するこ
ととしたので、ハロゲン系ガスに対する耐食性及び
2,N2のガス放出特性を向上させることができる。こ
れより、作製されるTFT−LCD等の液晶の歩留まり
及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のNi基合金を用いたCVD
装置のハロゲン系反応性ガス用EPチューブを示す斜視
図である。
【図2】本発明の一実施例のNi基合金のO2及びN2
ガス放出特性を示す図である。
【図3】比較例のNi基合金のO2及びN2のガス放出特
性を示す図である。
【符号の説明】
1 EPチューブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1333 500 H01L 21/3205 29/43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Crを18.5〜23.4重量%、Mo
    を11.5〜17.4重量%、Wを1.5〜4.4重量
    %、Feを10.4重量%以下、Oを0.008重量%
    以下、Nを0.06重量%以下含有し、残部がNi及び
    不可避不純物からなることを特徴とするNi基合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のNi基合金において、 不純物としてCを0.1重量%以下、Tiを0.5重量
    %以下含有することを特徴とするNi基合金。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のNi基合金において、 Nbを0.65〜2.4重量%含有するとともに、不純
    物としてSiを0.5重量%以下、Mnを1.4重量%
    以下、Alを0.5重量%以下含有することを特徴とす
    るNi基合金。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のNi基合金にお
    いて、 不純物としてCuを5.0重量%以下含有することを特
    徴とするNi基合金。
  5. 【請求項5】 IC、LSIまたはVLSIを製造する
    装置に用いられる金属部材であって、 少なくとも、その一方の面が請求項1,2,3または4
    記載のNi基合金により構成されていることを特徴とす
    る半導体製造装置用部材。
  6. 【請求項6】 液晶ディスプレイを製造する装置に用い
    られる金属部材であって、 少なくとも、その一方の面が請求項1,2,3または4
    記載のNi基合金により構成されていることを特徴とす
    る液晶製造装置用部材。
JP35001193A 1993-12-28 1993-12-28 Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材 Pending JPH07197158A (ja)

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JP35001193A Pending JPH07197158A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363674A (ja) * 2001-06-04 2002-12-18 Kiyohito Ishida 快削性Ni基耐熱合金
JP2006522226A (ja) * 2003-03-25 2006-09-28 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 輸送中の反応性化合物の劣化を低減する方法
JP2010150625A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd ニッケル基合金とその製造方法
JP2011046974A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Mitsubishi Materials Corp Ni基合金製ハロゲン系ガス用ボンベのバルブ部材

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