JP3797152B2 - 耐食性に優れる合金並びにそれを用いた半導体製造装置用部材およびその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れる合金並びにそれを用いた半導体製造装置用部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造用として耐食性に優れる合金、並びにそれを用いた腐食性ガスに曝される半導体製造装置用として最適な部材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体および液晶製造分野においては、著しく高集積化が進み、超LSIと称されるデバイスの製造では、1μm以下の微細パターンの加工が必要とされている。このような超LSI製造プロセスでは、微小な塵や微量不純物ガスが、素材基板であるSiウェーハの活性領域に付着、吸着した場合には、配線パターンの回路不良を発生させるため、デバイス製品の品質や歩留に大きく影響することになる。
【0003】
このため、使用する反応ガスおよびキャリアガスはともに高純度であること、すなわち、ガス中の微粒子および不純物ガスが少ないことが必要とされる。したがって、半導体製造装置に用いられる高純度ガスの配管や容器等のように、半導体製造用ガスと接する部材は、その接触表面から放出される汚染物としての微粒子(パーティクル)およびガスが極力少ないことが要求される。
【0004】
一方、半導体製造用ガスとしては、窒素、アルゴン等の不活性ガスの他に、いわゆる特殊ガスと呼ばれる塩素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス、シランガスおよびジボランガス等が使用される。これらの特殊ガス用の配管材料としては、塩素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガス等の腐食性ガスに対する耐食性は勿論、シランガス等の化学的に不安定なガスに対する非触媒性を有することが必要とされる。
【0005】
さらに、近年ではSiウェーハ製造技術の進歩および超LSIのコスト低減の要請に応じて、製造されるSiウェーハの大径化と長尺化による大型化が進んでいる。具体的には、従来のSiウェーハの引上げ直径は200〜250mmφであったが、最近では300mmφまで大径化し、さらに一層の長尺化によって大型化の進展が予想される。このような半導体基板の大型化は、不純物や汚染物のより一層の低減を要求するものであり、従来では問題にならなかった不純物レベルであっても、デバイス製品の品質悪化や製品不良の要因となる。
【0006】
上述の現象は、半導体製造装置のキャビネットに用いられる半導体製造用ガス配管の腐食を要因とするものが顕著になりつつある。すなわち、半導体製造用として腐食性ガスを使用する装置を組み立てる際に、配管の中に存在した空気とガスが反応し、ガス配管を腐食させることになる。例えば、配管中で塩素ガスと空気中の水分とが反応して塩酸が生成し、この塩酸によって配管が腐食したり、またはガス中に不純物として存在する水分によっても、配管腐食が促進されることになる。このように腐食された配管等の製造装置用部材から汚染物質が発生すると、LSIとして要求される特性を満たすことができず、製品不良に結びつくことになる。
【0007】
従来から、このような半導体製造装置に使用される配管には、高純度鋼管として、SUS 316L 鋼に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼による継目無鋼管が多用される。そして、配管腐食に起因する汚染物質の発生を抑制するため、耐食性を改善した鋼種として、種々の鋼材および部材の提案がなされている。
【0008】
例えば、特許2720716号公報では、Tiおよび/またはAlを添加して、平滑化処理した表面にTiおよび/またはAlを主体とする酸化皮膜を形成させて、この皮膜によって耐食性を向上させた高純度ガス用の鋼材が提案されている。
【0009】
さらに、特許2737551号公報、特開平6−41629号公報、特開平6−172934号公報および特開平7−11421号公報では、Crを含有させて酸化Crを主成分とする酸化皮膜を形成させることによって、耐食性を向上させたステンレス鋼、または半導体装置用ステンレス部材が提案されている。
【0010】
しかしながら、提案のあった鋼材、部材では、酸化皮膜の形成処理によって耐食性を確保するものであるため、半導体製造装置の組立施工に際して、配管、バルブ、継ぎ手等を溶接加工すると、この鋼材および部材の溶接部では酸化皮膜が剥離、脱落することになる。酸化皮膜の剥離、脱落が発生すると、この剥離、脱落部位が優先的に腐食を発生させる。一旦、腐食が発生すると、酸化皮膜の内部まで腐食が進展し、鋼材および部材が順次腐食される。
【0011】
さらに、鋼材および部材の溶接部以外であっても、配管を曲げ加工すると、曲げ部に形成された酸化皮膜にクラックが発生し、このクラック部位を起点として、鋼材および部材の内部に腐食が進展することになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、従来から半導体製造装置に使用される部材は、耐食性を確保するため、基本的にはSUS 316L 鋼に代表されるステンレス鋼を採用し、その表面に耐食性の酸化皮膜を形成することとしている。ところが、製造装置の組立施工に際して、部材に溶接、曲げ加工を施すと、酸化皮膜に剥離、脱落若しくはクラックを発生し、該当部位から母材の腐食が進展するとの問題があった。
【0013】
本発明は、上記の半導体製造装置に用いられる部材に関する問題点に鑑みてなされたものであり、合金の成分、非金属介在物量およびその組成を適正なものとし、さらに適切な製造方法を選択することによって、半導体製造装置に用いられる部材の腐食防止を可能にする、耐食性に優れる合金、それを用いた半導体製造装置用部材およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を解決するため、半導体製造用ガスとして用いられる、各種の腐食性ガスに対する耐食性について、Ni基、Fe基の合金における成分設計や製造法による影響について鋭意検討を重ねた結果、成分設計においてNiを30%以上、およびCrを18%以上含有させることが必須であるとともに、合金の基本成分を、耐食性を向上させる元素であるNi、Cr、Mo、W、Ti、Al、およびCuによって総合的に表される耐食性指数Xが所定の条件を満足するように、調整する必要があることを見出した。
【0015】
本発明はこのような知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)の化学組成および(2)の非金属介在物の性状を有する合金、(3)の(1)の化学組成、若しくは(1)の化学組成および(2)の非金属介在物の性状を有する合金を用いた半導体製造装置用部材、および(4)のその製造方法を要旨としている。
(1)質量%で、C:0.03%以下、Si:0.01〜1%、Mn:1%以下、Ni:30〜65%、Cr:18〜25%、Ti:0.001〜1.2%およびAl:0.001〜0.6%を含有し、残部は実質的にFeからなり、不純物としてP:0.03%以下、S:0.003%以下、O(酸素):0.01%以下およびN:0.05%以下を含み、さらに下記(a)式で表される耐食性指数Xが46以上であることを特徴とする耐食性に優れる合金である。
【0016】
X=0.9×Ni+Cr+Mo+W+Ti+Al+Cu ・・・ (a)
ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
【0017】
さらに、残部Feの一部に代えて、下記イ群および/またはロ群を選択するのが好ましい
イ群…Cu:0.01〜3%、Mo:0.01〜15%およびW:0.01〜5%のうちから1種または2種以上を含む
ロ群…Ca、B、MgおよびZrのうちから1種または2種以上を合計で0.0005〜0.01%を含む
【0018】
(2)上記(1)の合金は、JIS G 0555に規定する非金属介在物の清浄度が d60×400≦0.05%であり、かつ非金属介在物の平均組成Al23:70%以下、MgO:30%以下およびSiO2:1%以上とする。
【0019】
(3)上記(1)の化学組成、若しくは(1)の化学組成および(2)の非金属介在物の性状を有する合金からなり、少なくとも半導体製造用ガスと接する面の表面粗さがRmax≦10μmであることを特徴とする半導体製造装置用部材である。
【0020】
(4)上記(1)の化学組成、若しくは(1)の化学組成および(2)の非金属介在物の性状を有する鋳片を、1000〜1280℃の温度領域で4時間以上保持した後、熱間圧延または熱間鍛造により素材を製造し、次いでこの素材に熱間加工を施した後、冷間加工または機械加工によって少なくとも半導体製造用ガスと接する面の表面粗さをRmax≦10μmとすることを特徴とする半導体製造装置用部材の製造方法である。
【0021】
本発明で規定する非金属介在物の平均組成とは、抽出残渣分析により求めたAl、SiO、CaO、MnOおよびMgOの比率を示したものである。また、非金属介在物の性状とは、上記の介在物の平均組成に加え、清浄度の特性を考慮したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の合金および半導体製造装置用部材の製造方法を上記のように規定した理由を、合金の化学組成等および部材の製造方法に区分して説明する。以下の説明のおいて、成分の含有量は質量%を示す。
【0023】
1.合金の化学組成および介在物の組成等
C:0.03%以下
Cはオーステナイト相を安定させて強度を高めるために添加するが、炭化物を形成して耐食性を劣化させるので、0.03%以下に限定する。耐食性の向上にはC含有量が少ない方がよく、好ましくは0.01%以下である。ただし、所定の強度を確保するには、0.003%以上含有させるのが好ましい。
【0024】
Si:0.01〜1%
Siは脱酸剤として有効であるから添加するが、その含有量が1.0%を超えると熱間加工性と衝撃性が劣化するので、Si含有量の上限を1.0%とする。一方、介在物の特性としてSiOは展延性に優れ、冷間加工時に割れを生じにくい性質がある。この特性を有効に発揮させるには、含有量の下限を0.01%とする。好ましいSi含有量は、0.1〜0.8%である。
【0025】
Mn:1%以下
Mnは、Siと同様に脱酸作用を発揮するが、蒸気圧が高く溶接時にヒュームとなり、その後表面に凝着することになる。Mnが凝着した部位は腐食され易いことから、Mn含有量は低い方がよいので、その上限を1.0%とし、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.20以下である。
【0026】
Ni:30〜65%
Niは耐食性を向上させる元素であり、特に、全面腐食に対する耐食性に優れることから、本発明の合金における必須の基本成分である。Ni含有量が30%未満では、所定の耐食性が得られない。一方、Ni含有量が65%を超えるようになると、もともと高価であることから製造コストが高騰すると同時に、変形抵抗が高くなって熱間加工性が悪化し、製造効率も劣化する。このため、Ni含有量は30〜65%とし、好ましくは30〜50%である。
【0027】
Cr:18〜25%
Crは、Niと同様に、耐食性を向上させる元素であり、孔食および粒界腐食に対して優れた耐食性を発揮するので、本発明の合金における重要な基本成分である。このような耐食性を発揮するには、18%以上の含有が必要になる。一方、Cr含有量が多くなると、金属間化合物の形成が促進され、合金組織の安定性が損なわれることになるので、その上限を25%とした。好ましいCr含有量は、19〜23%である。
【0028】
Ti:0.001〜1.2%
Tiは炭化物や窒化物を形成し易いので、C含有にともなう耐食性の低下を補う効果があると同時に、Sの固定と強度の確保に有効な元素である。これらの作用を発揮させるには、Tiを0.001%以上含有させる必要がある。一方、Tiを多量に含有させると、低融点化合物を生成し熱間加工性を低下させることになるので、その含有量は1.2%以下に限定する。
【0029】
Al:0.001〜0.6%
Alは合金表面に微細な酸化物を生成し、耐食性の向上に寄与するので、0.001%以上含有させる。しかし、多量に含有させると、溶接時に大気中の酸素と結合して酸化物を形成し、組立施工時の溶接性を劣化させる。さらに、脱酸生成物であるアルミナ(Al)は硬質な介在物であり、冷間加工時に母材との間にクラックを形成してパーティクルとなるため、回路不良を起こしデバイス製品の不良要因となる。このため、Al含有量は、0.6%以下に限定する。
【0030】
P:0.03%以下
Pは鋼中に混入する不純物であり、多量に含有すると靭性および溶接性が劣化するので、可能な限り少ないほうがよく、その含有量を0.03%以下に限定する。
【0031】
S:0.003%以下
Sも鋼中に混入する不純物であり、多量に含有すると硫化物系介在物を形成して、熱間加工性を低下させるので可能な限り少なくする。このため、S含有量は0.003%以下とする。本発明の合金は変形抵抗が高く、また変形能も比較的低いことから、熱間加工性の低下を抑制するため、S含有量は0.002%以下とするのが好ましい。
【0032】
O(酸素):0.01%以下
Oは不純物であり、介在物形成の主要因となるので、可能な限り少ない方がよく、その含有量は0.01%以下に限定する。
【0033】
N:0.05%以下
Nはガス成分であり、多量に含有させると放出ガスとなって製品品質の劣化を招くので可能な限り少ないのがよい。したがって、N含有量は、0.05%以下に限定する。
【0034】
本発明の合金は、上記の成分に加えて、さらに下記のイ群および/またはロ群を必要に応じて選択することができる
Cu:0.01〜3%、Mo:0.01〜15%およびW:0.01〜5%のうちから1種ま
たは2種以上(イ群)
Cuは耐食性を向上させる元素であるが、3%を超えて含有させると熱間加工性が低下するので、含有させる場合はCu含有量を0.01〜3%とし、好ましくは0.01〜2.8%とする。
【0035】
Moも耐食性を向上させる元素であるが、15%を超えて含有させると熱間加工性が低下するとともに、高価な元素であり製造コストが増大するので、含有させる場合は、Mo含有量を0.01〜15%とし、好ましくは0.01〜14%とする。
【0036】
Wも耐食性を向上させる元素であるが、5%を超えて含有させると熱間加工性が低下するともに、高価な元素であり製造コストが増大するので、含有させる場合には、W含有量を0.01〜5%とし、好ましくは0.01〜3.5%とする。
【0037】
Ca、B、MgおよびZrのうちから1種または2種以上を0.0005〜0.01% (ロ群)
Ca、MgおよびZrは、硫化物を形成しSを固定することによりSによる熱間加工性の劣化を防止する。一方、Bは、粒界に偏在してSの粒界偏析を抑制することで熱間加工性の劣化を防止する。これらの効果はいずれも0.0005%以上含有させることで発揮される。さらに、これらの元素の効果は相乗効果があることから、含有させる場合には、Ca、B、MgおよびZrのうちから1種または2種以上を合計で0.01%まで含有させればよい。これらの元素を多く含有させると、Ni−Mgに代表される低融点化合物を生成して加工性が悪くなる。このため、これらの元素の合計含有量は0.0005〜0.01%とし、好ましくは0.001〜0.007%とする。
【0038】
本発明の合金では、前述の知見に基づき、合金の基本成分を下記の(a)式で総合的に表される耐食性指数Xが46以上になるように調整する必要がある。
【0039】
X=0.9×Ni+Cr+Mo+W+Ti+Al+Cu ・・・ (a)
ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す
図1は、(a)式で示される耐食性指数Xと合金の防食性能(腐食速度指数)との関係を示す図である。同図の縦軸である腐食速度指数は、後述する表2に示す鋼種No.1〜19を用いてASTM G48 に規定されている塩化第二鉄による孔食試験を行い、鋼種No.2の腐食速度を1として指数化したものである。
【0040】
図1に示す関係から、耐食性指数Xが高くなればなるほど、腐食速度指数が低減して耐食性に優れることが分かる。発明者の検討によれば、耐食性指数Xを46以上にすれば、半導体製造装置用部材として十分な耐食性が確保でき、さらに好ましくは耐食性指数Xを50以上にすることによって、一層の耐食性を確保できることが明らかである。
【0041】
前述の通り、半導体製造装置に用いられる配管、継ぎ手等の部材では、合金母材中の介在物がパーティクルとなって放出され、配管、継ぎ手等の表面において汚染源になることがある。そのため、本発明の合金では、上述の化学組成に加え、非金属介在物の清浄度がJIS G 0555の規定によるd60×400≦0.05%の条件とする。非金属介在物がこれより多くなると、介在物を基点として孔食が発生するからである。
【0042】
さらに、非金属介在物の平均組成を規定する。通常、酸化物系介在物は、その組成によって塑性変形の挙動が異なってくる。Al23やMgOは硬質で変形し難いため、合金母材の塑性変形に追随して変形できず、合金母材と介在物との間に亀裂を生じ易くなる。これに対し、SiO2、CaOおよびMnOは軟質であるため、合金母材の塑性変形に追随して変形することができ、合金母材と介在物との間に亀裂を生ずることがない。
【0043】
上記の知見を裏付けるため、半導体製造装置用部材のパーティクルとして捕集された介在物の組成分析を行うと、AlやMgOがリッチな介在物が観察された。この結果を踏まえて、組織中に各種の非金属介在物が存在する供試合金No.1〜11を作製し、後述する実施例1と同様の熱間鍛造を施した後、冷間圧延して、合金母材と非金属介在物の界面での亀裂状態と非金属介在物の平均組成を調査した。その結果を表1に示す。亀裂状況は大、中、小の3区分としたが、中程度以下の亀裂状況であれば、パーティクル発生の恐れがないことを確認している。
【0044】
表1の調査結果から、AlやMgOに関しては、許容できる上限組成を規定する必要がある。亀裂状態が中程度である場合の上限組成を確認すると、Alは70%(供試No.3)であり、MgOは30%(供試No.5)であった。一方、SiOの下限組成を確認すると、1%となる(供試No.9、10)。CaOおよびMnOは亀裂発生に対する影響が小さく、その組成を個別に規定する必要がない。
【0045】
【表1】
Figure 0003797152
【0046】
本発明の合金での介在物の性状は、合金母材中の非金属介在物がパーティクルとなって放出し、配管、継ぎ手等の汚染源にならないようにするため、その清浄度をJIS G 0555の規定によるd60×400≦0.05%とし、同時に平均組成をAl23:70%以下、MgO:30%以下およびSiO2:1%以上になるように調整する。
【0047】
2.半導体製造装置用部材の製造方法
本発明の半導体製造装置用部材、例えば、管材または継ぎ手は、上述した合金からなり、最終の部材形状に加工されることによって、少なくとも半導体製造用ガスと接する面の表面粗さがRmax≦10μmになることを特徴としている。本発明の部材において、半導体製造用ガスと接する面の表面粗さをRmax≦10μmと規定しているのは、パーティクルの吸着を防ぎ、表面の清浄性を確保するためである。その製造方法を工程に沿って説明する。
【0048】
鋳片の製造に際し、採用する溶解方法は、電気炉、誘導炉または真空誘導炉による溶解である。本発明の合金はNiを基本成分とし、他に高価な元素を多量に含有するため、スクラップを多量に使用できる前述の溶解法を用いる。また、電気炉溶解法を用いる場合は、溶解後にAODまたはVODで精錬するのが好ましい。さらにESRまたはVARで1回若しくは複数回の再溶解を行うことによって、より清浄性を向上できる。したがって、より厳しい環境で使用する場合は再溶解法を採用することが好ましい。
【0049】
得られた鋳片は、1000〜1280℃の温度領域で4時間以上保持した後、熱間圧延または熱間鍛造により熱間加工用の素材が製造される。ここで、1000〜1280℃の温度領域で4時間以上の加熱を必要とするのは、本発明の合金ではNiを多量に含有するために変形抵抗が高く、同時に変形能が低いため、鋳片から素材を製造する段階で加熱ソーキングを施して偏析を低減し、加工性を高めるためである。本発明の合金に対し、充分な加熱ソーキングの効果を発揮するには、1000〜1280℃の温度領域で4時間以上の加熱条件が必須になる。
【0050】
半導体製造装置用部材が管材である場合には、上記の条件で熱間圧延または熱間鍛造によって素材を製造した後、熱間加工として熱間押出によって鋼管を製造するのがよい。各種の熱間製管法がある中で、変形能の低い合金管材の加工には熱間押出法が最も適している。
【0051】
熱間製管された管材は、さらに慣用される表面処理を経たのち、冷間加工によって、例えば、半導体製造用ガスと接する内面の表面粗さをRmax≦10μmに仕上げられる。採用される冷間加工としては、冷間圧延または冷間抽伸がある。突起部や凹部への汚染物質の付着や堆積を防止するための平滑さとして、表面粗さRmax≦1μmが必要な場合には、冷間加工された管材に電解研磨を施す。
【0052】
次に、半導体製造装置用部材が継ぎ手またはフランジである場合には、鋼管の場合と同様に、熱間加工用の素材が製造される。製造された素材は、熱間加工として熱間圧延または熱間押出が行われ、棒材または板材に加工される。その後、機械加工、例えば、切削加工によって、半導体製造用ガスと接する面の表面粗さをRmax≦10μmとされる。さらに、必要がある場合には、電解研磨を施すことによって、表面粗さRmax≦1μmを確保することになる。
【0053】
【実施例】
本発明の合金から半導体製造装置用部材として管材を製造した場合の効果を、下記の実施例1、2に基づいて説明する。
【0054】
(実施例1)
真空誘導炉で溶解し鋳型に鋳造して、表2に示す化学組成の鋳片を製造した。この鋳片を1000〜1250℃の温度領域で6時間保持した後、熱間鍛造を行い、最終的に180mmφの熱間加工用の素材(ビレット)とし、外削、穴明け等の機械加工を施した後、熱間押出法により63.5mmφ×6.0mmt×5000mm長さの素管材を製造した。さらに、冷間圧延法によって15.6mmφ×1.2mmtとし、冷間抽伸法により9.5mmφ×0.65mmtの合金管材を製造した。
【0055】
得られた管材から試験材を採取して、非金属介在物をJIS G 0555 の規定により測定した。その結果を表2に示す。さらに、同じ管材から試験材を採取して、腐食試験を実施した。試験方法は ASTM G48 に規定されている塩化第二鉄による孔食試験である。
【0056】
図2は、実施例1の孔食試験における供試管材と腐食速度指数との関係を示す図である。同図の供試管材は、表2の鋼種No.1〜19を示している。本発明で規定する合金組成および耐食性指数Xの条件を具備する本発明例No.1〜13は、孔食試験における腐食速度が低く抑えられ、耐食性に優れている。
【0057】
一方、比較例No.14、15、16および19は、Ni、Cr成分、または耐食性指数Xのいずれかが本発明の規定範囲に外れることから、腐食速度が大きくなっている。比較例No.17は、組成中のOが多く含有され、介在物量の清浄度が0.055%と悪化しているので、介在物を起点とした孔食が生じ腐食速度が大きくなっている。さらに、比較例No.18はCを多く含有し炭化物が多くなり、これを起点とした孔食が生じ、腐食速度が大きくなっている。
【0058】
確認のため、本発明例の鋼種No.1〜13から採取した試験材を用いて、非金属介在物の平均組成を測定した。その結果を表3に示す。ここでいう平均組成は、前述の分析要領によって得られた分析値を平均したものである。表3に示すいずれの本発明例とも、非金属介在物の平均組成がAl:70%以下、MgO:30%以下およびSiO:1%以上を満足するものであった。
【0059】
【表2】
Figure 0003797152
【0060】
【表3】
Figure 0003797152
【0061】
(実施例2)
前記表2の鋼種No.4の組成からなる鋳片を用いて、合金管材の製造を行った。鋳片の製造には各種の溶解方法を採用し、得られた鋳片は、1000〜1300℃の温度領域で加熱ソーキングした後、熱間圧延により熱間押出用の素材として180mmφの丸ビレットを製造した。このときの溶解方法および加熱ソーキング条件を表4に示す。
【0062】
この丸ビレットを熱間押出して外径63.5mmφ、肉厚8.25mmの素管材を製造し、表4に示す加工条件で冷間加工を行い、最終的に外径9.53mmφ、肉厚1.0mmの管材を得て、管材No.401〜413とした。その後、管材No.408を除いて、電解研磨を行って、冷間加工後の表面粗さ、および電解研磨後の表面粗さを測定した。さらに、非金属介在物の清浄度も測定した。これらの結果を併せて表4に示す。
【0063】
表4の結果から、溶解条件ではESRおよび/またはVARでの二重溶解を施すことによって、非金属介在物量が減少し清浄度が向上している(管材No.403、404、405)。本発明の合金管材の製造では、鋳片の加熱ソーキングが不適であると、熱間圧延で疵の発生がありその後の管材製造ができなくなる。具体的には、管材No.406では、加熱ソーキングの保持時間が短いため、十分な均熱が得られず疵が発生した。また、管材No.407では、1280℃を超えて1300℃にまで加熱したため、固相線の温度近傍になり局部的な溶融状態となり、液膜脆化で大きな疵が発生し、管材の製造を止めざるを得なかった。
【0064】
【表4】
Figure 0003797152
【0065】
【発明の効果】
本発明の合金によれば、合金の成分設計、および非金属介在物の清浄度および平均組成を好ましい性状に改善し、さらに適切な製造方法を選択することによって、耐食性に優れ、半導体製造装置用として最適な部材を得ることができる。そして、この部材を腐食性ガスに曝される半導体製造装置用として採用すれば、製造装置の長寿命化やLSIの製品不良が抑制できるだけでなく、Siウェーハの効率生産の要請にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐食性指数 Xと合金の防食性能(腐食速度指数)との関係を示す図である。
【図2】実施例1の孔食試験における供試管材と腐食速度指数との関係を示す図である。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.03%以下、Si:0.01〜1%、Mn:1%以下、Ni:30〜65%、Cr:18〜25%、Ti:0.001〜1.2%およびAl:0.001〜0.6%を含有し、残部は実質的にFeからなり、不純物としてP:0.03%以下、S:0.003%以下、O(酸素):0.01%以下およびN:0.05%以下を含み、さらに下記(a)式で表される耐食性指数Xが46以上であると同時にJIS 0555に規定する非金属介在物の清浄度が d60×400≦0.05%であり、かつ非金属介在物の平均組成が、Al 2 3 :70%以下、MgO:30%以下およびSiO 2 :1%以上であることを特徴とする耐食性に優れる合金。
    X=0.9×Ni+Cr+Mo+W+Ti+Al+Cu ・・・ (a)
    ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す
  2. 残部Feの一部に代えて、下記イ群および/またはロ群を選択することを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れる合金。
    イ群…Cu:0.01〜3%、Mo:0.01〜15%およびW:0.01〜5%のうちから1種または2種以上を含む
    ロ群…Ca、B、MgおよびZrのうちから1種または2種以上を合計で0.0005〜0.01%を含む
  3. 質量%で、C:0.03%以下、Si:0.01〜1%、Mn:1%以下、Ni:30〜65%、Cr:18〜25%、Ti:0.001〜1.2%およびAl:0.001〜0.6%を含有し、残部は実質的にFeからなり、不純物としてP:0.03%以下、S:0.003%以下、O(酸素):0.01%以下およびN:0.05%以下を含み、さらに下記(a)式で表される耐食性指数Xが46以上であり、少なくとも半導体製造用ガスと接する面の表面粗さがRmax≦10μmであることを特徴とする半導体製造装置用部材。
    X=0.9×Ni+Cr+Mo+W+Ti+Al+Cu ・・・ (a)
    ただし、式中の元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す
  4. 残部Feの一部に代えて、下記イ群および/またはロ群を選択することを特徴とする請求項3に記載の半導体製造装置用部材
    イ群…Cu:0.01〜3%、Mo:0.01〜15%およびW:0.01〜5%のうちから1種または2種以上を含む
    ロ群…Ca、B、MgおよびZrのうちから1種または2種以上を合計で0.0005〜0.01%を含む
  5. JIS 0555に規定する非金属介在物の清浄度が d60×400≦0.05%であり、かつ非金属介在物の平均組成が、Al 2 3 :70%以下、MgO:30%以下およびSiO 2 :1%以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体製造装置用部材
  6. 質量%で、C:0.03%以下、Si:0.01〜1%、Mn:1%以下、Ni:30〜65%、Cr:18〜25%、Ti:0.001〜1.2%およびAl:0.001〜0.6%を含有し、残部は実質的にFeからなり、不純物としてP:0.03%以下、S:0.003%以下、O(酸素):0.01%以下およびN:0.05%以下を含み、さらに下記(a)式で表される耐食性指数Xが46以上である鋳片を、1000〜1280℃の温度領域で4時間以上保持した後、熱間圧延または熱間鍛造により素材を製造し、次いでこの素材に熱間加工を施した後、冷間加工または機械加工によって少なくとも半導体製造用ガスと接する面の表面粗さをRmax≦10μmとすることを特徴とする半導体製造装置用部材の製造方法。
  7. 残部Feの一部に代えて、下記イ群および/またはロ群を選択することを特徴とする請求項6に記載の半導体製造装置用部材の製造方法
    イ群…Cu:0.01〜3%、Mo:0.01〜15%およびW:0.01〜5%のうちから1種または2種以上を含む
    ロ群…Ca、B、MgおよびZrのうちから1種または2種以上を合計で0.0005〜0.01%を含む
  8. 請求項1または2の化学組成および非金属介在物の性状からなる鋳片を、1000〜1280℃の温度領域で4時間以上保持した後、熱間圧延または熱間鍛造により素材を製造し、次いでこの素材に熱間加工を施した後、冷間加工または機械加工によって少なくとも半導体製造用ガスと接する面の表面粗さをRmax≦10μmとすることを特徴とする半導体製造装置用部材の製造方法。
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