JP3257492B2 - 耐オゾン含有水性に優れるステンレス鋼材の製造方法 - Google Patents

耐オゾン含有水性に優れるステンレス鋼材の製造方法

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JP3257492B2 JP34659097A JP34659097A JP3257492B2 JP 3257492 B2 JP3257492 B2 JP 3257492B2 JP 34659097 A JP34659097 A JP 34659097A JP 34659097 A JP34659097 A JP 34659097A JP 3257492 B2 JP3257492 B2 JP 3257492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造プロセ
スの洗浄工程などで使用されるオゾン含有水に対する耐
食性(以下、耐オゾン含有水性という)に優れるステン
レス鋼材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体製造プロセス分野において
は、高集積化の傾向が進み、微細な加工技術が要求され
ている。例えば超LSIと称されるデバイスでは1μm
以下の微細パターン加工が必要とされている。
【0003】このような超LSI製造プロセスでは、微
小な塵や微量不純物ガスが配線パターンに付着したり吸
着されて、回路不良の原因となる恐れがある。そのため
に、超LSIの製造は、いわゆるクリーンルーム内で実
施されている。
【0004】クリーンルームの清浄度を確保するために
は、使用されるガスおよび水は高純度でなければなら
ず、微粒子および不純物成分を極力含んでいないものが
必要とされる。そして、高純度ガスおよび水と接触する
配管ならびに部材に対しては、配管内面や部材からの微
粒子および不純物成分の放出が極力少ないことが必要と
される。
【0005】さらに、半導体製造プロセス以外の分野で
も、医薬品製造、医療施設、微生物工業などの分野のク
リーンルームにおいて、上記と同様に高純度ガスや水を
汚染することのない配管および部材の開発が望まれてい
る。
【0006】半導体製造プロセス分野において、例えば
シリコンウェハーの洗浄などは、界面活性剤、酸および
アルカリ成分を含有する洗浄水を用いてクリーンルーム
内で実施されている。上記の洗浄水は、金属成分の除去
には有効であるが、有機物、その中でも特に脂肪分に対
する洗浄効果が低く除去できないことがある。さらに、
洗浄後に残留する界面活性剤、酸およびアルカリ成分自
体が不純物となる。そのために、シリコンウェハーに残
留した界面活性剤、酸およびアルカリ成分ならびに有機
物を除去するために、いわゆる「すすぎ」の工程をさら
に行う必要がある。
【0007】最近、洗浄水としてオゾンを含有させた水
を利用することで、「すすぎ」の工程を行う必要がない
洗浄工程が提案されている。オゾンは水に溶け強い酸化
力を有するため、オゾン含有水で洗浄すれば、金属をイ
オン化して除去できるとともに有機物を分解して除去で
きる。さらに、洗浄後にオゾンはシリコンウェハー上に
残留することがないので、「すすぎ」を行う必要がな
い。
【0008】このようにオゾン含有水はシリコンウェハ
ーの洗浄に極めて有効である。しかし、その一方でオゾ
ン含有水を供給するための配管や、オゾン含有水と接触
する装置の部材からの汚染が問題となる。配管や部材の
素材としては通常、ステンレス鋼材が用いられている。
しかし、これらステンレス鋼材にオゾン含有水が接する
と、金属イオン(特にFe,Cr,Niなどのイオン)
が溶出するため、オゾン含有水の純度が著しく低下して
しまう。このために、ステンレス鋼の部材には高純度ガ
スや水と接触する表面積ができるだけ少なくなるよう
に、内面粗さ(Rmax)が1μm以下になるような平
滑処理が施されてきた。しかし、内面平滑処理のみでは
不十分で、金属イオンが水中に溶出することがあった。
内面平滑処理は、機械研磨した後に電解研磨を行い、水
による洗浄および高純度ガスによる乾燥が実施される。
電解研磨は、所要の平滑化を達成するために電解液およ
び電解条件を厳密に管理する必要があるとともに生産効
率が低いので、ステンレス鋼材の製造コストを増加させ
てしまう問題も含んでいる。
【0009】クリーンルーム内で使用する配管や部材の
素材としてのステンレス鋼材について、以下に示すよう
に種々の提案されている。しかし、いずれの提案も耐オ
ゾン含有水性という観点からは問題を有するものであ
る。
【0010】特開昭63−161145号公報には、S
i,Mn,AlおよびOなどの含有量を規制することに
より、非金属介在物の生成を抑制したクリーンルーム用
ステンレス鋼管が開示されている。しかし、水にオゾン
を添加するということについては全く考慮されていない
ので、ステンレス鋼管にオゾン含有水が接すると、前述
した、金属イオン(特に、Fe,Cr,Niなどのイオ
ン)が溶出して水の純度が著しく低下してしまう問題が
発生する。
【0011】特開昭64−31956号公報には、電解
研磨したステンレス鋼材を酸素含有量25容量%以上の
雰囲気中で、280〜580℃に加熱することにより、
鋼材の表面に酸化皮膜を形成することを特徴とする半導
体製造装置用ステンレス鋼材とその製造方法が開示され
ている。
【0012】また、特開平1−198463号公報に
は、電解研磨したステンレス鋼材の表面に、外層部のN
iの原子数の比率が2%以下、内層部のCr原子数の比
率が30%以上、膜厚さが100〜500オングストロ
ームの酸化皮膜を形成することを特徴とする半導体製造
装置用ステンレス鋼部材とその製造法が開示されてい
る。
【0013】さらに、特開平1−87760号公報に
は、電解研磨処理を施したステンレス鋼材の表面に膜厚
75オングストローム以上の非晶質酸化皮膜が形成され
ていることを特徴とする半導体製造装置用ステンレス鋼
材が開示されている。
【0014】しかし、これら公報で開示されたステンレ
ス鋼材を製造するためには電解研磨処理が必須であり、
前述したように、生産コストの増加の問題を含んでい
る。また、オゾンを添加した水を使用することについて
は考慮されていないために金属イオンの溶出の問題もあ
る。
【0015】『クリーンテクノロジー』1992年10
月号の57ページには、SUS316Lの表面を電解研
磨した後に熱処理し、さらに酸エッチング処理すること
により、表面にCrリッチな不働態酸化皮膜を形成させ
る技術が提案されている。この皮膜処理を施したSUS
316Lの鋼材をオゾン含有水中に浸漬しても、表面粗
さに変化が生じないことが示されている。しかし、オゾ
ン含有水に接する部材に対しては、表面粗さが変化しな
いことよりも、むしろ部材から金属イオンが溶出しない
ことが必要である。上記の部材はオゾン含有水に接する
と、金属の溶出が起こる。さらに、電解研磨が必須であ
るため、前述した問題も含んでいる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、半導
体製造プロセスなどで使用されるオゾンを含有する水に
対して優れた耐食性を示し、クリーンルーム用の配管や
装置の部材の素材として好適なステンレス鋼材の製造方
法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次ステ
ンレス鋼材の製造方法にある。
【0018】『重量%でC:0.03%以下、Si:1
%以下、Mn:0.8%以下、P:0.03%以下、
S:0.03%以下、Cr:12〜30%、Ni:5〜
35%、Al:1〜6%、B:0.0005〜0.01
%、N:0.05%以下、La,Ce,Y,Hfおよび
Caのうちの1種以上を合計で0〜0.1%、Ti,N
bおよびZrのうちの1種以上を合計で0〜0.1%を
含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるステ
ンレス鋼を1025℃以上1200℃以下でかつ、下記
の式(1)を満たす温度Tに保持した後、少なくとも7
00℃までの間を下記の式(2)で求められる冷却速度
S以上、または5℃/sec以上の速度で冷却した後、
表面にAl23 を主体とする酸化皮膜を形成させるこ
とを特徴とする耐オゾン含有水性に優れるステンレス鋼
材の製造方法。
【0019】 [T(℃)]≧40×[Al重量%]+920 ・・・式(1) log[S]=−1.7×log[t]+3.0 ・・・式(2) T:温度 S:冷却速度(℃/sec) t:被処理材の肉厚(mm)』 本発明らは、耐オゾン含有水性に優れるステンレス鋼材
を製造するために種々の実験を行い、以下の知見を得る
ことにより本発明の製造方法を完成させた。
【0020】ステンレス鋼材の表面にAl23酸化皮
膜を形成させることで、オゾン含有水中での金属の溶出
が抑制される。そのために必要なステンレス鋼材中のA
l含有量は、重量%で1〜6%である。Siを含む場合
にはAl23−SiO2 系酸化皮膜が形成されるがAl
23酸化皮膜と同様の効果がある。以下、本発明におい
てはSiを含有していないステンレス鋼に形成されるA
23酸化皮膜とSiを含有するステンレス鋼に形成さ
れるAl23−SiO2 系酸化皮膜の両方を「Al23
を主体とする酸化皮膜」という。
【0021】Alを含有するステンレス鋼は、オゾン
含有水中で優れた耐食性を示すものの、熱間加工性に劣
り、製造時において熱間加工割れ等を発生する。Bを重
量%で0.0005〜0.01%含有させることで熱間
圧延割れと脆化が抑制される。 Al23を主体とする酸化皮膜を形成させてもオゾン
含有水中での金属の溶出が抑制されないことがある。鋼
材の表面に炭化物や硼化物が露出している場合には、析
出物上にAl23を主体とする酸化皮膜が形成されてい
ない部分があり、そこから金属が溶出する。
【0022】Al23を主体とする酸化皮膜を形成す
る前に、所定の温度で鋼材を加熱した後急冷することに
より析出物の生成を防止すれば、Al23を主体とする
酸化皮膜をステンレス鋼材の表面に均一に形成させるこ
とが可能である。この熱処理によって耐オゾン含有水性
を著しく向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法を具体的に説明
する。
【0024】(A)母材の化学組成 本発明の製造方法に用いるステンレス鋼の化学組成はつ
ぎのとおりである。なお、各元素の含有量の%表示は、
重量%を意味する。
【0025】C:Cの含有量が高すぎる場合には、熱間
鍛造または熱間圧延後の冷却過程においてCr系炭化
物、Cr系硼炭化物を形成しやすく、後述する熱処理条
件では析出物を固溶させることが困難となる。また、溶
接の際に溶接部にCr系炭化物が生成し、Al23を主
体とする酸化皮膜の緻密な形成が阻害される。このよう
な場合には、耐オゾン含有水性を低下させる。さらに、
これらの炭化物は皮膜中または表面に残存し、微粒子と
なりシリコンウェハー等の基板を汚染させる原因とな
る。したがって、Cはできるだけ少ない方がよいので、
Cの含有量は0.03%以下とした。好ましくは0.0
2%以下である。
【0026】Si:Siは、1%以下とした。Siは、
一般的には保護性酸化皮膜を安定化する作用を持ってお
り、耐食性向上には有効な元素である。しかし、本発明
の製造方法が対象としているようなAl含有量が高く母
材の表面にAl23酸化皮膜を形成させる必要がある場
合には、Siが1%を超えると耐オゾン含有水性を悪く
する傾向がある。その理由は、Siがβ−NiAl金属
間化合物の生成を促進し、Al23酸化皮膜の形成に必
要な固溶Al量を低下させるためである。
【0027】したがって、Si含有量は1%以下、好ま
しくは0.6%以下、さらに好ましくは0.2%以下と
するのがよい。
【0028】Mn:Mnは、Al23を主体とする酸化
皮膜の形成を阻害し、耐オゾン含有水性を低下させる。
また、Mnは、鋼材を溶接した際に、溶接部の表面に優
先的に濃化し、鋼材の耐錆性および耐孔食性を著しく悪
くする。したがって、Mn含有量は低い方がよい。但
し、Mnはステンレス鋼の熱間加工性を向上させる効果
があるほかオーステナイト相を安定化する効果があるた
めにこれらの効果を得る場合には少量添加してもよい。
本発明で用いるステンレス鋼では、上記の点を考慮し
て、Mnの含有量を0.8%以下とした。好ましくは
0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。
【0029】P:Pは、鋼材の溶接性を悪くするので、
含有量は低い方がよい。特に、P含有量が0.03%を
超えると、溶接性が著しく悪くなる。したがって、P含
有量を0.03%以下とした。好ましくは0.02%以
下である。
【0030】S:Sは、鋼中でMnと硫化物を形成し、
非金属介在物となる。鋼材の表面に露出した非金属介在
物は、その部分でのAl23を主体とする酸化皮膜の形
成を阻害し皮膜の欠陥となるので、耐オゾン含有水性を
低下させる。また、Mn硫化物は、オゾン含有水と接し
た場合には、溶出する金属とともに、微粒子として水中
に混入し、シリコンウェハー等の基板を汚染する原因に
なる。そのためにSは少ない方がよいので、S含有量は
0.03%以下とした。好ましくは0.01%以下、さ
らに好ましくは0.005%以下である。
【0031】Cr:Crは、母材にとって必要不可欠な
元素である。Crは鋼材が使用される環境下でステンレ
ス鋼材としての耐食性を確保する働きを持つ。さらに、
Crを含有させることによって、純水等の中性の水溶液
中およびクリーンルームの雰囲気中での錆の発生を防止
することができる。このようなCrの効果を発揮させる
ためには、12%以上含有させる必要がある。
【0032】一方、Crの含有量が30%を超えると、
母材の熱間加工性を低下させる。また、ステンレス鋼材
を溶接した際に、溶接部にシグマ相などのCrを含む金
属間化合物が析出し、靭性を悪化させる。したがって、
Crの含有量は、12〜30%とした。好ましくは、1
5〜25%である。
【0033】Ni:Niは、母材の耐食性を向上させる
働きがあり、また、安定なオーステナイト組織を得るた
めにも有効な元素である。そのためには5%以上のNi
が必要である。しかしながら、多量に含有させるとβ−
NiAlが析出し、前述した耐オゾン含有水性の低下の
みならず、熱間加工性および靭性を悪化させる。適切な
Ni含有量は、5〜35%である。オーステナイト単相
組織を得る場合の好ましい範囲は15〜30%である。
【0034】Al:Alは、本発明において最も重要な
元素である。本発明の製造方法で製造されるステンレス
鋼材は、表面にAl23を主体とする酸化皮膜が形成さ
れてはじめて耐オゾン含有水性を発揮する。Alは、A
23を主体とする酸化皮膜を形成させる際の母材側の
主材料となる。Al23を主体とする効果的な酸化皮膜
を形成するには1%以上のAlが必要である。
【0035】一方、Alの含有量が6%を超えると、上
述したβ−NiAlが析出し、熱間加工性をおよび靱性
を悪化させる。さらに、析出物が多量に存在すると、後
述する熱処理によって析出物を固溶させることが困難と
なり、耐オゾン含有水性を悪化させてしまう。適切なA
l含有量は、1〜6%である。耐オゾン含有水性、熱間
加工性および靭性を兼ね備えたステンレス鋼材を得たい
場合には、2〜5%とする。さらに好ましくは、2〜4
%である。
【0036】B:Bは、熱間加工性と靱性を向上させ
る。BはSやPよりも粒界へ偏析しやすい元素なので、
SやPの粒界への偏析を抑制し、熱間加工中の粒界割れ
を低減させる。この効果を発揮させるためには、0.0
005%以上含有させる必要がある。
【0037】一方、含有量が0.01%を超えると、C
rやFeとともに(Cr,Fe)2B型硼化物や硼炭化
物を形成し、主として粒界に析出する。析出物の量が増
すほど、後述する熱処理によって析出物を完全に固溶さ
せることができなくなり、耐オゾン含有水性を低下させ
る。さらに、析出物自身が鋼材からの微粒子の発生源と
なり、シリコンウェハー等の基板を汚染させる原因にも
なる。したがって、Bの含有量は0.0005〜0.0
1%とした。好ましくは0.0005〜0.008%で
あり、さらに好ましくは0.001〜0.006%であ
る。
【0038】N:Nは、Alと結合しAl窒化物を形成
する。また、CとともにCr,Ti,Nb等と炭窒化物
を形成しやすい。これら非金属介在物は、硫化物系の非
金属介在物と同様に、微粒子となりシリコンウェハー等
の基板を汚染させる原因となる。また、Al窒化物やT
i窒化物は、後述する熱処理の温度を高温にしても容易
に分解されずに残存する。したがって、これらの析出を
できる限り抑える必要がある。そのためには、Nの含有
量はできる限り低い方がよく、0.05%以下とした。
好ましくは0.03%以下である。
【0039】La,Ce,Y,Hf,Ca:これらは、
鋼中でSを固定し、熱間加工性を向上させる。また、A
23を主体とする酸化皮膜の形成を促進する。これら
の効果を得たい場合には1種以上を含有させてもよい。
しかしながら、これらの合計の含有量が0.1%を超え
ると、酸化物等の非金属介在物を形成し、微粒子を発生
(発塵)させ、シリコンウェハー等の基板を汚染させる
原因となる。また、非金属介在物を存在させることは、
熱間加工性を逆に低下させてしまうこととなる。したが
って、これらの含有量は、1種以上を合計で0〜0.1
%とする。好ましくは0〜0.08%である。
【0040】Ti,Nb,Zr:これらは、いずれも酸
化されやすい元素である。これらの元素が鋼中に存在す
ると、酸化物となり、Al23を主体とする酸化皮膜中
に混入し、耐オゾン含有水性を低下させてしまう。これ
らの含有量の合計が0.1%を超える場合に、耐オゾン
含有水性の低下が著しい。一方、これらの元素には、ス
テンレス鋼材の耐食性と強度を向上する効果が有り、
0.1%を超えない範囲で含有させてもよい。これらの
元素は、CおよびNと結合しやすいので、CrがCおよ
びNと結合して炭窒化物化することにより耐食性の悪化
を防止する。また、これらの元素は、鋼中で固溶強化元
素として働き、ステンレス鋼の強度を向上させる。した
がって、これらの効果を得たい場合には、Ti,Nbお
よびZrのうちの1種以上を合計で0〜0.1%含有さ
せてよい。好ましくは0〜0.05%である。
【0041】本発明の製造方法で用いるステンレス鋼
は、上記で説明した元素以外に、Feと不可避的に混入
する不純物を含有している。
【0042】(B)熱処理 本発明の製造方法では、必要に応じて熱間鍛造、熱間加
工、冷間加工等を施して上記(A)の化学組成を持つス
テンレス鋼を所望の形状に加工する。その後、つぎに述
べる加熱と冷却を実施する。
【0043】i)加熱 1025℃以上1200℃以下でかつ、前記式(1)を
満たす温度Tに保持する。
【0044】図1に示すように、熱処理温度T(℃)と
鋼中Al量(重量%)の関係において、式(1)を満足
する熱処理温度であれば、金属イオンの溶出量が0.5
mg/m2 未満となるので、十分な耐オゾン含有水性を
有している。但し、1025℃未満の熱処理では、局所
的に熱間圧延後の加工組織が残存し、析出物が完全に固
溶していないことがあるため、1025℃以上の温度で
熱処理を施す必要がある。Alの含有量の増加によっ
て、熱処理温度の下限値を高める必要があるのは、オー
ステナイトの再結晶温度が上昇することおよび析出物の
量も増大するためである。なお、上限を1200℃以下
にするのは、この温度を超えても析出物を固溶させる効
果は飽和しており、余分な熱エネルギーを消費すること
になるからである。
【0045】なお、図1は、次の方法によって求めた結
果である。Alの含有量を変化させたステンレス鋼を真
空溶解し、熱間鍛造し、熱間圧延にて厚さ6mmの熱延
板に形成した後、厚さ5mm、幅60mm、長さ60m
mの試験片を切り出した。試験片を900〜1230℃
の種々の温度で各10分間均熱保持した後、水冷した。
これら試験片の断面組織に対して光顕およびレプリカ法
による電顕を用いて析出物の同定を行った。さらに、冷
却した後の試験片から厚さ1mm、幅50mm、長さ5
0mmに切り出し、全面にバフ研磨を施して鏡面に仕上
げ、その後酸化雰囲気中にてAl23酸化皮膜を形成さ
せ、耐オゾン含有水性を評価した。
【0046】耐オゾン含有水性については、比抵抗16
MΩcmの水50mlに試験片を浸漬した状態で、約7
mg/lのオゾンを含む水に浸漬したのと同じ条件を再
現できるようにオゾン110g/m3 含む80℃の酸素
雰囲気中で100時間保持した後、誘導結合プラズマイ
オン質量分析法によりオゾン含有水を定量分析し、水中
に溶出した金属イオン量(Feイオン、Crイオン、N
iイオン、SiイオンおよびAlイオンの総和)を求
め、試験片の端面を含む見かけ上の表面積当たりの金属
イオン溶出量に換算し、溶出量が0.5mg/m2 未満
の場合を耐オゾン含有水性が良好と判断した。
【0047】加熱時間については、ステンレス鋼材の最
大肉厚(板厚:mm)×10分/mm以下とすることが
望ましい。加熱時間を必要以上に長くすると、鋼中のオ
ーステナイト結晶を粗大にし、靱性を低下させる恐れが
あるためである。但し、その場合であっても、耐オゾン
含有水性への影響は小さい。
【0048】加熱中のガス雰囲気の種類による析出物の
固溶に対する影響は小さいので、特に雰囲気を規定する
必要はなく、例えば大気中で熱処理を施してもよい。
【0049】ステンレス鋼材の表面に析出物が露出して
いるままで、すなわち、上記の加熱を実施しないで、酸
化処理をしてAl23を主体とする酸化皮膜を形成して
も、耐オゾン含有水性を向上できない理由を以下に述べ
る。
【0050】通常、ステンレス鋼を所望の形状に加工す
るために、熱間加工、例えば熱間鍛造や熱間圧延を施
す。熱間加工の際の素材の温度が1150℃〜850℃
程度になると、種々の析出物が析出を開始し、常温まで
冷却する際に析出し続ける。例えば、β−NiAl金属
間化合物は750〜800℃を、硼化物および硼炭化物
は900℃付近の温度域をノーズとして各々析出する。
【0051】析出物には、β−NiAlのよう金属間化
合物、(Cr、Fe)2 B型のような硼化物、硼炭化
物、Cr炭化物、Cr系硼炭化物、MnSのような硫化
物等さまざまな種類がある。
【0052】析出物は、鋼中に析出するものあれば、鋼
の表面に露出するように析出するものもある。この状態
で後述する酸化処理を施した場合、析出物上には酸素と
結びつくべきAlが存在しないので、析出物の上にはA
23を主体とする酸化皮膜を形成させることができな
い。したがって、マクロ的に見れば、鋼の表面にできる
Al23を主体とする酸化皮膜は均一でなく、欠陥部が
存在することになる。欠陥部にオゾン含有水が接触する
と、まず、析出物の周りに存在するFe、Cr、Niが
イオンとなり溶出する。さらに金属の溶出が進行する
と、析出物が鋼の表面から剥離してオゾン含有水に混入
する。つまり、均一でなく欠陥部のあるAl23を主体
とする酸化皮膜を形成させた場合には、金属が溶出して
オゾン含有水の純度を低下させるとともに、析出物は、
シリコンウエハー等の基板を汚染する原因となる。
【0053】本発明の製造方法では、上記の析出物が表
面に露出したままAl23を主体とする酸化皮膜を形成
させないために、熱間鍛造、熱間圧延等の熱間加工、さ
らには引き続き冷間加工を施して所望の形状にしたステ
ンレス鋼に上記のように加熱して析出物を固溶させてい
る。
【0054】ii)冷却 加熱によって固溶させても、その後の冷却速度が遅いと
鋼中や鋼表面の粒界や粒内に析出物が再析出する。
【0055】図2は、耐オゾン含有水性に及ぼすステン
レス鋼材の肉厚と冷却速度の関係を示したものである。
17重量%Cr−20%Ni−3%Al−40ppmB
鋼および17重量%Cr−23%Ni−4%Al−40
ppmB鋼の2種のステンレス鋼について、種々の肉厚
の丸棒鍛造材及び熱延板を用い、1120℃×3分/m
m(均熱)の加熱処理を行い、その後種々の速度で70
0℃まで冷却した後、室温付近まで放冷し、耐オゾン含
有水性を評価した。
【0056】図2に示すように、700℃までを式
(2)で求められる冷却速度S以上、または5℃/se
c以上の速度で冷却すれば、析出物が表面に露出してい
ない状態でAl2O3を主体とする酸化皮膜を形成させ
ることができ、耐オゾン含有水性を向上させることがで
きる。700℃までを上記の速度で冷却しておけば、そ
の後の冷却速度を放冷等のように遅くしても、鋼中元素
の拡散が遅くなっているので、再析出による問題は起こ
らない。
【0057】(C)酸化処理 本発明の製造方法では、上記の(B)の熱処理を実施し
たステンレス鋼に酸化処理を施して、表面にAl23
主体とする酸化皮膜を形成させる。
【0058】i)母材の研磨処理 鋼材の表面は、異物の付着を防止するために、できるだ
け平滑であることが好ましい。酸化皮膜の厚さは、50
0nm以下程度で極めて薄いので、鋼材の表面を平滑に
するためには、酸化皮膜を形成させる前に、母材の表面
を平滑にしておけばよい。
【0059】したがって、酸化皮膜を形成させる処理を
行う前に、母材の表面に研磨処理を施すのがよい。この
場合、酸化皮膜が形成された鋼材の表面粗さがRmax
で3μm未満が好ましいので、母材の表面の最大粗さ
(Rmax)も3μm未満にしておくのがよい。
【0060】この母材の研磨には、研磨後の表面粗さが
Rmaxで3μm未満程度でよいので、Rmaxで1μ
m以下に仕上げる場合に用いられる電解研磨法を用いる
必要はない。ホーニング、ラッピングなどの機械研磨法
やバフ研磨法によって研磨することができる。
【0061】ii)酸化処理 本発明の製造方法で製造するステンレス鋼材は、鋼中の
Al、Siを他の酸化されやすい合金元素より優先的に
酸化させることによって形成されたAl23を主体とす
る酸化皮膜を備えることにより耐オゾン含有水性を発揮
する。鋼中の他の合金元素の酸化を抑制して、Al、S
iを優先的に酸化させる本発明の製造方法には、高温酸
化法と湿式酸化法がある。
【0062】以下に、この2つの酸化法について説明す
る。
【0063】(高温酸化法)高温酸化法によって、鋼中
のAlとSiを優先的に酸化させるためには、酸素と水
蒸気を分圧の和で10-11 〜10-5MPa含有する不活
性ガス雰囲気、水素雰囲気または真空雰囲気等の弱酸化
性雰囲気中で、600〜1200℃に加熱するのがよ
い。酸素と水蒸気のいずれか一方のみを含む場合も、そ
の分圧は10-11 〜10-5MPaでよい。
【0064】高温酸化の条件として、酸素と水蒸気を分
圧の和で10-11 〜10-5MPa含有する不活性ガス、
水素または真空等の弱酸化性雰囲気が望ましい理由はつ
ぎのとおりである。
【0065】酸素と水蒸気の分圧の和が10-11 MPa
未満の場合には、AlとSiが十分に酸化しないので、
耐オゾン含有水性を発揮させるのに必要な酸化皮膜が形
成されない。一方、酸素と水蒸気の分圧の和が10-5
Paを超えると、Cr、FeなどAlとSi以外の元素
が酸化されやすくなる。そのために、酸化皮膜中のCr
酸化物、Fe酸化物等の割合が増加し、耐オゾン含有水
性が悪くなる。また、表面の平滑性も悪くなる傾向があ
り、Rmaxで3μm未満の表面粗さが得られない。な
お、酸素と水蒸気の分圧の和の好ましい範囲は10-8
10-5MPaである。
【0066】加熱温度が600℃未満の場合には、Al
とSiが十分に酸化されない。一方、加熱温度が120
0℃を超えると、CrやFeなどのAl、Si以外の元
素も酸化されるので、酸化皮膜中のCr酸化物およびF
e酸化物の割合が増加する。さらに、表面の平滑性も低
下する。したがって、加熱温度が600℃未満の場合、
1200℃を超える場合のいずれにおいても、鋼材に良
好な耐オゾン含有水性を持たせることができる酸化皮膜
を形成させることができない。なお、加熱温度は850
〜1100℃の範囲とすることが好ましい。加熱温度を
1000℃程度以下にすると、前述した析出物の再析出
が起こることがあるが、酸化皮膜の形成速度の方が再析
出の速度よりも速いので、析出物の再析出による耐オゾ
ン含有水性の低下の問題は起こらない。
【0067】加熱時間は、5分〜2時間とすることが好
ましい。上記の条件で加熱を行った場合でも、加熱時間
が5分に満たない場合には、酸化皮膜を十分に形成でき
ないことがある。一方、加熱時間が2時間を超えると、
生産性の低下を招く。加熱時間は5分〜1時間とするこ
とがより好ましい。
【0068】上記の高温酸化条件は、本発明で規定する
範囲の化学組成のステンレス鋼に対して、同じ条件で適
用することが可能である。
【0069】(湿式酸化法)湿式酸化法には、浸漬法と
陽極電解法がある。
【0070】浸漬法に用いる溶液としては、硝酸溶液が
適当である。この場合の溶液中の硝酸の濃度は、5〜5
0重量%とするのがよい。この濃度範囲の場合には、鋼
中のAlとSiを優先的に酸化させることができる。
【0071】硝酸溶液の硝酸濃度が5重量%未満の場合
には、Al、Si以外のCr、Feなどの元素も酸化さ
れやすい。したがって、酸化皮膜中のこれらの元素の酸
化物の割合が高くなる。一方、硝酸の濃度が50重量%
を超えると、鋼材が硝酸によって腐食される。そのた
め、表面の平滑性が悪くなり、Rmaxで3μm以上に
なることがある。
【0072】硝酸溶液の温度は20〜90℃、処理時間
は10分〜5時間とすることが好ましい。硝酸溶液の温
度が20℃未満の場合には、酸化皮膜の形成速度が遅
く、酸化処理に長時間を要する。一方、溶液の温度が9
0℃を超えると、硝酸溶液から硝酸の蒸気が激しく放散
されるようになるので、硝酸溶液の硝酸濃度が低くな
る。さらに、作業環境が極めて悪くなる。なお、硝酸溶
液の温度は40〜70℃とすることがより好ましい。
【0073】硝酸溶液への浸漬時間が10分未満の場合
には、酸化皮膜が十分に生成しない。一方、硝酸溶液へ
の浸漬時間が5時間を超える場合は、生産性の低下を招
く。なお、硝酸溶液への浸漬時間は30分〜3時間とす
ることがより好ましい。
【0074】陽極電解法の場合には、例えば濃度10重
量%の硫酸水溶液のようなpHが1以下の酸性溶液中で
陽極電解するのがよい。
【0075】陽極電解法に用いられる電解液のpHが1
を超える場合には、Cr、FeなどAlおよびSi以外
の元素も酸化されやすい。そのため、酸化皮膜中のCr
酸化物、Fe酸化物等の割合が高くなる。
【0076】なお、陽極電解は電極の表面積が変化して
も溶解速度が一定となるように電位制御をすることが好
ましい。この電位制御は、例えば、基準電極として飽和
カロメル電極(SCE)を用い、基準電極に対する電位
を制御することによって実施できる。この場合、電位は
0.2〜1.5V(vsSCE)、電解液の温度は20〜
90℃、処理時間は10分〜5時間とすることが好まし
い。
【0077】上記のようにpHが1以下の電解液であっ
ても、SCEに対する電位が0.2V未満の場合には、
鋼中のSiおよびAlの溶解速度が小さいため、十分な
酸化皮膜が得られない場合がある。一方、SCEに対す
る電位が1.5Vを超えると、酸化皮膜が多孔質とな
る。また、酸化皮膜中のSi酸化物およびAl酸化物の
割合が低くなる。なお、SCEに対する電位は0.4〜
1.0Vとすることがより好ましい。
【0078】電解液の温度は20〜90℃が好ましい。
20℃未満の場合には酸化皮膜が十分に形成されない。
一方、90℃を超えると、電解液から硫酸等の溶媒の蒸
気が激しく放散するようになるので、電解液のpHが低
下する。さらに、作業環境が極めて悪くなる。なお、電
解液の温度は40〜70℃とすることがより好ましい。
【0079】陽極電解の処理時間は10分〜5時間がよ
い。10分未満の場合には、酸化皮膜を十分に形成させ
ることができない。一方、5時間を超えると、生産性の
低下を招く。なお、陽極電解の処理時間は30分〜3時
間とすることがより好ましい。
【0080】
【実施例】表1に示す化学組成を有するステンレス鋼1
〜12を50kg真空溶解炉を用いて溶解した。次い
で、これらのステンレス鋼の鋼塊に熱間鍛造後、熱間圧
延、および熱間鍛造、熱間圧延後、冷間圧延を行って種
々の厚さの板材を作製した。なお、熱間鍛造のみの板材
も準備した。
【0081】
【表1】
【0082】このようにして得られた熱間鍛造材、熱延
板および冷延板に表2に示す加熱温度、冷却条件にて熱
処理を施した。熱処理後の板材から機械加工により厚さ
1mm×50mm×50mmの板材を採取し、全面をバ
フ研磨にて鏡面に仕上げた板状試験片を作製した。さら
に板状試験片に酸化処理を施した後、水で洗浄し、9
9.999%のアルゴンガス中で乾燥し、耐オゾン含有
水性の測定に供した。なお、酸化処理の条件は下記のと
おりとした。
【0083】P(H2)+P(H2O)=10-7.8MPa
のガス雰囲気下 1080℃×10分保持
【0084】
【表2】
【0085】耐オゾン含有水性の測定および評価は次の
ように行った。比抵抗16MΩcmの水50mlに試験
片を浸漬した状態で、オゾン110g/m3 含む80℃
の酸素雰囲気中で100時間保持した。この場合、約7
mg/lのオゾンを含む水に浸漬していたの同様の環境
となる。つぎに、このオゾン含有水を誘導結合プラズマ
イオン質量分析法により定量分析し、オゾン含有水中に
溶出した金属イオン量(Feイオン、Crイオン、Ni
イオン、SiイオンおよびAlイオンの総和)を求め、
試験片の端面を含む見かけ上の表面積当たりの金属イオ
ン溶出量に換算した。耐オゾン含有水性は、溶出量が
0.5mg/m2 未満の場合は良好(表2中では、○で
表記)、0.5mg/m2以上2.0mg/m2未満の場
合は普通(同、△)、2.0mg/m2以上の場合は不
良(同、×)と評価した。
【0086】表2より、本発明の製造方法で製造したス
テンレス鋼材はいずれも金属イオン溶出量が0.5mg
/m2 未満であり、優れた耐オゾン含有水性を示すこと
がわかる。
【0087】一方、本発明で規定する製造方法から外れ
る方法(以下、比較方法と記す。)で製造したステンレ
ス鋼材は耐オゾン含有水性に劣っていた。加熱温度が本
発明で規定する温度よりも低い場合には、鋼中に析出物
が残存するために金属イオン溶出量が0.5mg/m2
以上となった。また冷却速度およびその速度で冷却する
必要がある温度範囲が本発明で規定する条件を外れてい
た場合には、金属イオン溶出量が0.5mg/m2 以上
となった。その理由は、熱処理の加熱により固溶した析
出物が冷却中に新たに析出するためと考えられる。
【0088】
【発明の効果】本発明の製造方法によって、半導体製造
プロセスなどで使用されるオゾンを含有する水に対して
優れた耐食性を示し、クリーンルーム用の配管や装置の
部材の素材として好適なステンレス鋼材を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐オゾン含有水性に及ぼす鋼中のAl含有量と
熱処理温度の関係を示したものである。
【図2】耐オゾン含有水性に及ぼすステンレス鋼材の肉
厚と冷却速度の関係を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 8/18 C23C 8/02 C23C 8/42 C25D 11/34 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC:0.03%以下、Si:1%
    以下、Mn:0.8%以下、P:0.03%以下、S:
    0.03%以下、Cr:12〜30%、Ni:5〜35
    %、Al:1〜6%、B:0.0005〜0.01%、
    N:0.05%以下、La,Ce,Y,HfおよびCa
    のうちの1種以上を合計で0〜0.1%、Ti,Nbお
    よびZrのうちの1種以上を合計で0〜0.1%を含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるステンレ
    ス鋼を1025℃以上1200℃以下でかつ、下記の式
    (1)を満たす温度Tに保持した後、少なくとも700
    ℃までの間を下記の式(2)で求められる冷却速度S以
    上、または5℃/sec以上の速度で冷却した後、表面
    にAl23 を主体とする酸化皮膜を形成させることを
    特徴とする耐オゾン含有水性に優れるステンレス鋼材の
    製造方法。 [T(℃)]≧40×[Al重量%]+920 ・・・式(1) log[S]=−1.7×log[t]+3.0 ・・・式(2) T:温度 S:冷却速度(℃/sec) t:被処理材の肉厚(mm)
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