JPH07197157A - Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材 - Google Patents

Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材

Info

Publication number
JPH07197157A
JPH07197157A JP35001093A JP35001093A JPH07197157A JP H07197157 A JPH07197157 A JP H07197157A JP 35001093 A JP35001093 A JP 35001093A JP 35001093 A JP35001093 A JP 35001093A JP H07197157 A JPH07197157 A JP H07197157A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
weight
based alloy
gas
corrosion resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35001093A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Iikawa
徹郎 飯川
Masatoshi Noguchi
昌利 野口
Hideo Sasaki
日出男 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP35001093A priority Critical patent/JPH07197157A/ja
Publication of JPH07197157A publication Critical patent/JPH07197157A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラジカルなハロゲン系の反応性ガスに対して
高耐食性を有し、しかも、真空雰囲気中でのO2,N2
のガスの放出が少ないNi基合金とそれを用いた半導体
製造装置用部材及び液晶製造装置用部材を提供する。 【構成】 本願発明のNi基合金は、Crを14.5〜
23.4重量%、Moを11.5〜17.4重量%、W
を5.0重量%以下、Feを7.0重量%以下、Oを
0.008重量%以下、Nを0.06重量%以下含有
し、残部がNi及び不可避不純物からなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、HF,HCl,HBr
等のラジカルなハロゲン系の反応性ガスに対して良好な
耐食性を有し、かつ、ガス放出特性が優れたNi基合金
とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置
用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI、VLSI等の半導体製造
プロセスにおいては、N2,H2,SiH4,Cl2,H
F,HCl,HBr等の各種ガスが様々な目的のために
用いられており、これらのガスの中には、毒性、可燃
性、窒息性、腐食性等の極めて危険な性質を有するもの
も多い。上記半導体製造プロセスにおいては、基板の高
清浄化からはじまって成膜、ドライエッチング等、全て
の工程を極めてクリーン度の高い真空下もしくは減圧下
で行なう必要がある。そこで、スパッタリング装置、C
VD(化学蒸着)装置、ドライエッチング装置等の各種
半導体製造装置及びこれらの半導体製造装置に各種ガス
を供給する配管等には、例えば、SUS316L等のス
テンレススチールが用いられている。
【0003】また、薄膜トランジスタ(TFT)により
駆動される液晶ディスプレイ(LCD)等の液晶製造プ
ロセスにおいても、上記半導体製造プロセスと同様に、
2,H2,SiH4,Cl2,HF,HCl,HBr等の
各種ガスが様々な目的のために用いられている。上記液
晶製造プロセスにおいては、ガラス基板へのITO膜の
形成、TFTの形成等、全ての工程を極めてクリーン度
の高い真空下もしくは減圧下で行なう必要がある。そこ
で、各種液晶製造装置及び各種ガス配管等には、例え
ば、SUS316L等のステンレススチールが用いられ
ている。
【0004】しかしながら、ステンレススチールは、H
F,HCl,HBr等のラジカルなハロゲン系の反応性
ガスに対しては腐食され易いという欠点がある。これら
のガスが完全にドライであれば腐食は起らないのである
が、運転停止時等に外部から僅かな水分が混入したりし
た場合、この水分が残留ガスと反応することにより腐食
性酸を生成し、ステンレススチールが腐食されるという
ことがある。この腐食性酸によるステンレススチールの
腐食生成物は、パーティクルとなってLSIやVLSI
等の半導体装置、TFT−LCD等の液晶等、の歩留ま
りを低下させ、ひいては信頼性を低下させる要因となる
ために、極力発生させない必要がある。
【0005】そこで、例えば、特公平2−8017号公
報に示されるようなNi基合金が提案され実用に供され
ている。このNi基合金は、Crを21〜23重量%、
Moを12〜14重量%、Wを2.5〜3.5重量%、
Feを2.5〜5.5重量%含有し、不純物としてN
b,Ta,C,Si,Mn,Al,Ti及びVを含有す
るもので、HF,HCl,HBr等のラジカルなハロゲ
ン系の反応性ガスに対して、例えば、SUS316Lの
50〜300倍の耐食性を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のNi
基合金においては、最近新たな問題点が発生しており、
早急に対策を立てることが求められている。それは、前
記各種製造装置及び配管等の表面から真空中にO2,N2
等のガスが放出されるという問題であり、特に、高真空
時、ベーキング時、セルフクリーニング時等において顕
著となる。これらO2,N2等の放出ガスは、反応性ガス
に混入した場合、該反応性ガスの特性を低下させ、さら
に、前記表面からPやS等が同時に放出されると、これ
らPやS等の酸化物が前記反応性ガスに混入し該反応性
ガスの特性を著しく低下させる。したがって、O2,N2
等の放出を抑制し、さらに、P,S等の放出をも抑制す
る必要がある。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、HF,HCl,HBr等のラジカルなハロゲ
ン系の反応性ガスに対して高耐食性を有し、しかも、真
空雰囲気中でのO2,N2等のガスの放出が少ないNi基
合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造
装置用部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様なNi基合金とそれを用いた半導体
製造装置用部材及び液晶製造装置用部材を採用した。す
なわち、請求項1記載のNi基合金は、Crを14.5
〜23.4重量%、Moを11.5〜17.4重量%、
Wを5.0重量%以下、Feを7.0重量%以下、Oを
0.008重量%以下、Nを0.06重量%以下含有
し、残部がNi及び不可避不純物からなることを特徴と
している。
【0009】また、請求項2記載のNi基合金は、請求
項1記載のNi基合金において、不純物としてCを0.
05重量%以下、Siを0.1重量%以下、Mnを1.
4重量%以下、Vを0.5重量%以下含有することを特
徴としている。
【0010】また、請求項3記載のNi基合金は、請求
項2記載のNi基合金において、前記不純物としてNb
を0.5重量%以下、Taを0.5重量%以下、Alと
Tiを合計0.4重量%以下含有することを特徴として
いる。
【0011】また、請求項4記載のNi基合金は、請求
項2または3記載のNi基合金において、前記不純物と
してCoを2.5重量%以下含有することを特徴として
いる。
【0012】また、請求項5記載のNi基合金は、請求
項2,3または4記載のNi基合金において、前記不純
物としてCuを5.0重量%以下含有することを特徴と
している。
【0013】また、請求項6記載の半導体製造装置用部
材は、IC、LSIまたはVLSIを製造する装置に用
いられる金属部材であって、少なくとも、その一方の面
が請求項1,2,3,4または5記載のNi基合金によ
り構成されていることを特徴としている。
【0014】また、請求項7記載の液晶製造装置用部材
は、液晶ディスプレイを製造する装置に用いられる金属
部材であって、少なくとも、その一方の面が請求項1,
2,3,4または5記載のNi基合金により構成されて
いることを特徴としている。
【0015】ここで、本発明のNi基合金の組成を上記
の様に限定した理由を説明する。まず、請求項1記載の
Ni基合金において、Crを14.5〜23.4重量%
と限定した理由は、Crが酸化性の酸に対して耐食性を
向上させるのに効果的であるとともに耐孔食性を付与す
るものであり、この効果はCrの含有量が14.5%未
満では大幅に減少してしまうからであり、また、23.
4重量%を越えると金属間化合物が本合金内に多量に析
出することとなり熱的安定性が低下するからである。ま
た、還元性の酸に対する耐食性もCrの含有量が23.
4重量%を越えると低下する。
【0016】Moを11.5〜17.4重量%と限定し
た理由は、Moが還元性の酸に対して耐食性を向上させ
耐孔食性を付与させるのに効果的であり、この効果はM
oの含有量が11.5%未満では大幅に減少してしまう
からであり、また、17.4重量%を越えると酸化性の
酸に対する耐食性が低下し、さらに熱的安定性も同時に
低下するからである。
【0017】Wを5.0重量%以下と限定した理由は、
WがMoと同様の特性を有するものであり、酸化性及び
還元性の酸に対して耐食性を向上させ、熱的安定性を向
上させるのに効果的であるからであり、5.0重量%を
越えると熱間加工性が低下するからである。Feを7.
0重量%以下と限定した理由は、Feが本合金に熱間加
工性を付与するのに必要な添加元素であり、7.0重量
%を越えると耐食性が低下してしまうからである。
【0018】Oを0.008重量%以下と限定した理由
は、真空中に放出されるO2ガスの重量を低減し反応性
ガスの特性を低下させないためであり、Oが0.008
重量%を越えると反応性ガスの特性低下が顕著となるた
めに好ましくない。また、このOの重量%のより好まし
い範囲は、0.008重量%以下である。Nを0.06
重量%以下と限定した理由は、真空中に放出されるN2
ガスの重量を低減し反応性ガスの特性を低下させないた
めであり、Nが0.06重量%を越えると反応性ガスの
特性低下が顕著となるために好ましくない。また、この
Nの重量%のより好ましい範囲は、0.04重量%以下
である。
【0019】また、請求項2記載のNi基合金におい
て、Cを0.05重量%以下と限定した理由は、Cは炭
化物として本合金内に析出するおそれがあるために極力
少ないのが望ましく、0.05重量%を越えると炭化物
の析出が大量に生じ、加えて金属間化合物の析出も大量
に生じることとなり、熱的安定性が低下するからであ
る。
【0020】Siを0.1重量%以下と限定した理由
は、Siが熱的安定性を低下させるものであるから極力
少ないのが望ましく、0.1重量%が許容できる上限で
ある。Mnを1.4重量%以下と限定した理由は、Mn
は再溶解工程においてフラックスとして必要であるが、
1.4重量%を越えると耐孔食性が劣化するからであ
る。Vを0.5重量%以下と限定した理由は、Vが通常
の原料中に存在する不純物であり、0.5重量%を越え
ると熱的安定性が低下する。
【0021】また、請求項3記載のNi基合金におい
て、Nbを0.5重量%以下、Taを0.5重量%以下
と限定した理由は、Nb及びTaが通常の原料中に高濃
度で存在する不純物で、HF,HCl,HBr等のラジ
カルなハロゲン系の反応性ガスに対する耐食性が向上す
るからであり、これらが各々0.5重量%を越えると熱
的安定性が劣化し、ハロゲン系の反応性ガスに対する耐
食性が低下してしまい好ましくない。AlとTiを合計
0.4重量%以下としたのは、合計0.4重量%以下で
あれば格別悪影響を及ぼすおそれがないからである。
【0022】また、請求項4記載のNi基合金におい
て、Coを2.5重量%以下としたのは、Coが通常の
原料中に存在する不純物であり、HF,HCl,HBr
等のラジカルなハロゲン系の反応性ガスに対する耐食性
が向上するからであり、2.5重量%を越えると、ハロ
ゲン系の反応性ガスに対する耐食性が低下してしまい好
ましくない。
【0023】また、請求項5記載のNi基合金におい
て、Cuを5.0重量%以下としたのは、Cuが還元性
の酸に対して耐食性を向上させるのに効果的であり、こ
れが5.0重量%を越えると効果が飽和してしまうから
である。
【0024】上述した請求項1,2,3,4または5記
載のNi基合金を用いてスパッタリング装置、CVD装
置、ドライエッチング装置等の各種半導体製造装置及び
これらの半導体製造装置に各種ガスを供給する配管等を
作製すれば、これらの半導体製造装置や配管は、HF,
HCl,HBr等のラジカルなハロゲン系の反応性ガス
に対して優れた耐食性を有することとなり、しかも、真
空雰囲気中において装置の表面からのO2,N2の放出が
減少する。したがって、ハロゲン系ガスに対する耐食性
及びガス放出特性が向上する。これより、作製されるL
SI、VLSI等の半導体の歩留まり及び信頼性が向上
する。
【0025】また、請求項1,2,3,4または5記載
のNi基合金を用いて各種液晶製造装置及び各種ガス配
管等を作製した場合においても、これら装置及び配管等
はHF,HCl,HBr等のラジカルなハロゲン系の反
応性ガスに対して優れた耐食性を有することとなり、し
かも、真空雰囲気中において装置の表面からのO2,N2
の放出が減少する。したがって、ハロゲン系ガスに対す
る耐食性及びガス放出特性が向上する。これより、作製
されるTFT−LCD等の液晶の歩留まり及び信頼性が
向上する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例のNi基合金につい
て説明する。図1はCVD装置のハロゲン系反応性ガス
用配管を示す斜視図である。このEPチューブ1は、外
径が6.35mm、肉厚が0.89mmのチューブであ
り、Crを14.5〜23.4重量%、Moを11.5
〜17.4重量%、Wを5.0重量%以下、Feを7.
0重量%以下含有するとともに、不純物としてCを0.
05重量%以下、Siを0.1重量%以下、Mnを1.
4重量%以下、Vを0.5重量%以下、Oを0.008
重量%以下、Nを0.06重量%以下含有し、残部がN
i及び不可避不純物からなるNi基合金である。
【0027】前記不純物として、さらに、Nbを0.5
重量%以下、Taを0.5重量%以下、AlとTiを合
計0.4重量%以下、または、Coを2.5重量%以下
加えれば、ハロゲン系の反応性ガスに対する耐食性がさ
らに向上する。また、さらに、Cuを5.0重量%以下
加えれば、還元性の酸に対する耐食性がさらに向上す
る。
【0028】このNi基合金を用いた半導体製造装置用
部材及び液晶製造装置用部材としては、前記EPチュー
ブ1の他に、例えば、ベロー、フィルタ、Oリング、フ
レキシブルチューブ、継手、圧力調節器やマスフローコ
ントローラーのガス流路部等のガス配管部材、スパッタ
リング装置、CVD装置、ドライエッチング装置等のベ
ルジャー及び、該ベルジャー内に配設されるシャッター
等の部材が挙げられる。
【0029】次に、このEPチューブ1の製造方法につ
いて説明する。所定の組成比となるように各原料を秤量
し、これらの原料をエルー溶解後、AOD(アルゴンー
酸素脱炭)精錬、ESR(エレクトロスラブ)精錬を行
ない、得られた溶湯を造塊し、その後、熱間鍛造、ビレ
ット加工、熱間押出を行うことにより素管を製造した。
その後、冷間圧延、冷間引き抜きを行い、チューブ状に
した。この時の中間熱処理は光輝焼鈍(BA)処理であ
る。その後、該チューブの内面に電解研磨を施し、さら
に、洗浄、乾燥を施し、EPチューブとした。従来と異
なる点は、AOD精錬において高純度アルゴンガスを用
いることと、ESR精錬を2回以上行うことである。ま
た、真空溶解プロセスを用いても構わない。
【0030】表1は、本実施例のNi基合金(No.1
〜7)各々の組成と、本発明の組成以外のNi基合金
(比較例)(No.11〜17)各々の組成とを、重量
百分率で表わしたものである。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】また、表3は、上記実施例及び比較例の各
々のガス放出特性を調べた結果を示したものである。ま
た、これらのうち本実施例No.3については図2に、
また、比較例No.15については図3に、それぞれO
2及びN2のガス放出特性を示してある。
【0034】
【表3】
【0035】試験方法は、上記実施例及び比較例各々の
Ni基合金について、外径が6.35mm、肉厚が0.
89mmのチューブを電解研磨して試験片を作製し、こ
れら各試験片を室温(25℃)で5時間、100℃で2
時間、200℃で5時間各々放置し、全放置時間(12
時間)後に発生したO2及びN2のガス分圧を測定した。
【0036】表3から明かなように、本実施例のNi基
合金(No.1〜7)は全てO2が8.5×10-9Torr
以下、N2が2.9×10-8Torr以下であり、比較例の
Ni基合金(No.11〜17)のO2が7.7×10
-9〜3.2×10-8Torr、N2が1.9×10-8〜6.
8×10-8Torrであるのと比べて、ガス放出特性が大幅
に向上していることがわかる。
【0037】また、表4は、上記実施例及び比較例の各
々の「ウエットHBrガスへの耐食性」及び「ウエット
HBrガスによる腐食後のパーティクル発生特性」を調
べた結果を示したものである。
【0038】
【表4】
【0039】「ウエットHBrガスへの耐食性」は、外
径が6.35mm、肉厚が0.89mmのチューブを電
解研磨して試験片とし、該試験片にウエットHBrガス
を封入し、6時間後に走査電子顕微鏡(SEM)を用い
て腐食の経時変化を観察し、腐食生成物が生じなかった
ものを「○」、生じたものを「×」とした。なお、封入
条件は 封入ガス:90%HBr+100ppmH2O+N2 温 度:室温(25℃) である。
【0040】また、「ウエットHBrガスによる腐食後
のパーティクル発生特性」は、上記試験片に室温のウエ
ットHBrガスを封入して、24時間保持後、静置20
分+ハンマリング20分+静置10分の計50分間に発
生するパーティクル数(個/CF)を測定した。
【0041】表4から明かなように、本実施例のNi基
合金(No.1〜7)は全て「ウエットHBrガスへの
耐食性」が良好であり、「ウエットHBrガスによる腐
食後のパーティクル発生特性」のパーティクル数が2
(個/CF)以下であり、比較例のNi基合金(No.
11〜17)と比べて大幅に向上していることがわか
る。
【0042】以上説明した様に、上記一実施例のNi基
合金によれば、Crを14.5〜23.4重量%、Mo
を11.5〜17.4重量%、Wを5.0重量%以下、
Feを7.0重量%以下含有するとともに、不純物とし
てCを0.05重量%以下、Siを0.1重量%以下、
Mnを1.4重量%以下、Vを0.5重量%以下、Oを
0.008重量%以下、Nを0.06重量%以下含有
し、残部がNi及び不可避不純物としたので、ハロゲン
系ガスに対する耐食性及びガス放出特性を向上させるこ
とができる。
【0043】また、前記不純物として、さらに、Nbを
0.5重量%以下、Taを0.5重量%以下、AlとT
iを合計0.4重量%以下、または、Coを2.5重量
%以下加えたので、ハロゲン系の反応性ガスに対する耐
食性をさらに向上させることができる。
【0044】さらに、上記実施例のNi基合金を用い
て、各種半導体製造装置、各種液晶製造装置及び配管等
を作製すれば、これらの製造装置及び配管のハロゲン系
ガスに対する耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上
させることができ、したがって、ハロゲン系ガスに対す
る耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上させること
ができる。これより、作製されるLSI、VLSI等の
半導体、TFT−LCD等の液晶の歩留まり及び信頼性
を向上させることができる。
【0045】なお、この実施例では形状をチューブ状と
したが、この形状はチューブ状に限定されることなく例
えば、板状、円筒状等、装置の形状によって適宜変更可
能である。また、この実施例のNi基合金は、上記一実
施例に限定されることなく様々な形態で使用することが
可能である。例えば、ベルジャーやベローの場合では、
ベルジャー本体やベローの内面に該Ni基合金をライニ
ングしたり、クラッド鋼として用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1記
載のNi基合金によれば、Crを14.5〜23.4重
量%、Moを11.5〜17.4重量%、Wを5.0重
量%以下、Feを7.0重量%以下、Oを0.008重
量%以下、Nを0.06重量%以下含有し、残部がNi
及び不可避不純物からなることとしたので、ハロゲン系
ガスに対する耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上
させることができる。
【0047】また、請求項2記載のNi基合金によれ
ば、不純物としてCを0.05重量%以下、Siを0.
1重量%以下、Mnを1.4重量%以下、Vを0.5重
量%以下含有することとしたので、ハロゲン系ガスに対
する耐食性及び熱的安定性を向上させることができる。
【0048】また、請求項3記載のNi基合金によれ
ば、前記不純物としてNbを0.5重量%以下、Taを
0.5重量%以下、AlとTiを合計0.4重量%以下
含有することとしたので、ハロゲン系の反応性ガスに対
する耐食性をさらに向上させることができる。
【0049】また、請求項4記載のNi基合金によれ
ば、前記不純物としてCoを2.5重量%以下含有する
こととしたので、ハロゲン系の反応性ガスに対する耐食
性をさらに向上させることができる。
【0050】また、請求項5記載のNi基合金によれ
ば、前記不純物としてCuを5.0重量%以下含有する
こととしたので、還元性の酸に対する耐食性をさらに向
上させることができる。
【0051】また、請求項6記載の半導体製造装置用部
材によれば、IC、LSIまたはVLSIを製造する装
置に用いられる金属部材であって、少なくとも、その一
方の面が請求項1,2,3,4または5記載のNi基合
金により構成することとしたので、ハロゲン系ガスに対
する耐食性及びO2,N2のガス放出特性を向上させるこ
とができる。これより、作製されるLSI、VLSI等
の半導体の歩留まり及び信頼性を向上させることができ
る。
【0052】また、請求項7記載の液晶製造装置用部材
によれば、液晶ディスプレイを製造する装置に用いられ
る金属部材であって、少なくとも、その一方の面が請求
項1,2,3,4または5記載のNi基合金により構成
することとしたので、ハロゲン系ガスに対する耐食性及
びO2,N2のガス放出特性を向上させることができる。
これより、作製されるTFT−LCD等の液晶の歩留ま
り及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のNi基合金を用いたCVD
装置のハロゲン系反応性ガス用EPチューブを示す斜視
図である。
【図2】本発明の一実施例のNi基合金のO2及びN2
ガス放出特性を示す図である。
【図3】比較例のNi基合金のO2及びN2のガス放出特
性を示す図である。
【符号の説明】
1 EPチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1333 500 H01L 21/3205 29/43

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Crを14.5〜23.4重量%、Mo
    を11.5〜17.4重量%、Wを5.0重量%以下、
    Feを7.0重量%以下、Oを0.008重量%以下、
    Nを0.06重量%以下含有し、残部がNi及び不可避
    不純物からなることを特徴とするNi基合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のNi基合金において、 不純物としてCを0.05重量%以下、Siを0.1重
    量%以下、Mnを1.4重量%以下、Vを0.5重量%
    以下含有することを特徴とするNi基合金。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のNi基合金において、 前記不純物としてNbを0.5重量%以下、Taを0.
    5重量%以下、AlとTiを合計0.4重量%以下含有
    することを特徴とするNi基合金。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のNi基合金にお
    いて、 前記不純物としてCoを2.5重量%以下含有すること
    を特徴とするNi基合金。
  5. 【請求項5】 請求項2,3または4記載のNi基合金
    において、 前記不純物としてCuを5.0重量%以下含有すること
    を特徴とするNi基合金。
  6. 【請求項6】 IC、LSIまたはVLSIを製造する
    装置に用いられる金属部材であって、 少なくとも、その一方の面が請求項1,2,3,4また
    は5記載のNi基合金により構成されていることを特徴
    とする半導体製造装置用部材。
  7. 【請求項7】 液晶ディスプレイを製造する装置に用い
    られる金属部材であって、 少なくとも、その一方の面が請求項1,2,3,4また
    は5記載のNi基合金により構成されていることを特徴
    とする液晶製造装置用部材。
JP35001093A 1993-12-28 1993-12-28 Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材 Pending JPH07197157A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35001093A JPH07197157A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35001093A JPH07197157A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07197157A true JPH07197157A (ja) 1995-08-01

Family

ID=18407627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35001093A Pending JPH07197157A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07197157A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011046974A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Mitsubishi Materials Corp Ni基合金製ハロゲン系ガス用ボンベのバルブ部材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011046974A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Mitsubishi Materials Corp Ni基合金製ハロゲン系ガス用ボンベのバルブ部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070187379A1 (en) Weld joint and weld material thereof
KR100334667B1 (ko) 페라이트계 스테인레스 강관의 내면 산화처리방법
KR20090066000A (ko) 고진공, 고순도 가스 배관용 오스테나이트계 스테인리스강
JP3218802B2 (ja) 半導体製造装置用ステンレス鋼材の表面処理法
JPH07197158A (ja) Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材
JPH07197159A (ja) Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材
JPH07197157A (ja) Ni基合金とそれを用いた半導体製造装置用部材及び液晶製造装置用部材
JP3797152B2 (ja) 耐食性に優れる合金並びにそれを用いた半導体製造装置用部材およびその製造方法
JP5035250B2 (ja) 化学プラント用ニッケル材
JP3596234B2 (ja) オゾン含有水用ステンレス鋼材およびその製造方法
WO2021221003A1 (ja) 合金材およびその製造方法
JPH01132732A (ja) 曲げ加工性のすぐれた耐食性Ni−Cr合金
JP2720716B2 (ja) 耐食性に優れる高純度ガス用オーステナイト系ステンレス鋼材及びその製造方法
JPH07126828A (ja) 半導体製造装置用高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材の製造方法
JP2001140044A (ja) 配管用低発塵、高耐食性ステンレス鋼管
JP2002194466A (ja) ニッケル基合金クラッド鋼およびその製造方法
TWI707045B (zh) 鈦合金
JP3985372B2 (ja) 耐オゾン含有水性高純度ステンレス鋼材の製造方法
JP2914129B2 (ja) 低熱膨張合金及びその製造方法
JP3033426B2 (ja) レジスト密着性および耐銹性に優れた電子部品用Fe−Ni系合金薄板およびFe−Ni−Co系合金薄板とその製造方法
JP2002180169A (ja) Ni基耐熱合金
JPH06128671A (ja) 耐応力腐食割れ性に優れた合金
JP3257492B2 (ja) 耐オゾン含有水性に優れるステンレス鋼材の製造方法
JPH0762431A (ja) 低熱膨張合金の製造方法
JPH07126781A (ja) ハロゲン化水素ガスに対して優れた耐食性を有するNi基合金およびその合金からなる配管

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010821