JPH0762520A - クリーンルーム用ステンレス鋼部材およびその製造方法 - Google Patents

クリーンルーム用ステンレス鋼部材およびその製造方法

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JPH0762520A JP20910393A JP20910393A JPH0762520A JP H0762520 A JPH0762520 A JP H0762520A JP 20910393 A JP20910393 A JP 20910393A JP 20910393 A JP20910393 A JP 20910393A JP H0762520 A JPH0762520 A JP H0762520A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高純度ガス配管としては部材表面からの水分放
出が低減され、超純水配管部材としては金属イオン放出
量が抑えられ、さらに腐食性ガスに対する優れた耐食性
を有するクリーンルーム用ステンレス鋼部材およびその
製造方法を提供する。 【構成】(1) Siを 0.5〜 5.0重量%含有するオーステナ
イトステンレス鋼材であって、その表面に、Siを主体と
する酸化皮膜を有することを特徴とするクリーンルーム
用ステンレス鋼部材。 (2) Siを 0.5〜 5.0重量%含有するオーステナイトステ
ンレス鋼材を、酸素濃度10容量ppm 以下で、かつ、水蒸
気濃度10容量ppm 以下である不活性ガスまたは水素雰囲
気中で、 750〜1200℃の温度範囲に加熱することを特徴
とする上記 (1)のクリーンルーム用ステンレス鋼部材の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造プロセス等
で使用されるクリーンルーム用ステンレス鋼部材および
その製造方法に関するものである。なお、本明細書で
「クリーンルーム用」というのは、クリーンルームその
ものだけでなく、クリーンルーム内外の配管系をも含む
用途を意味する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造分野においては、近年、高集
積化の進捗が著しく、超LSIと称されるディバイスで
は、1μm以下の微細パターンの加工が必要とされてい
る。このような超LSI製造プロセスでは、微少な塵や
微量不純物ガスが配線パターンに付着、吸着して回路不
良の原因となる恐れがあるため、半導体用ディバイスの
製造プロセスは、いわゆるクリーンルーム内で実施され
ている。
【0003】クリーンルームの清浄度を確保するために
は、使用されるガスおよび水は高純度でなければなら
ず、微粒子(パーテイクル)ならびに不純物成分の少な
い高純度ガスおよび超純水が必要とされる。そのため、
高純度ガス等をユースポイントまで供給する配管および
部材に対しては、配管内面からまたは部材内部からの微
粒子および不純物成分の放出が極力少ないことが要求さ
れる。また、半導体製造分野で使用される半導体用ガス
は、Ar、N2等のいわゆるバルクガスだけでなく、Cl2、H
Cl 等の腐食性ガスも多用されているので、半導体用ガ
ス配管には、腐食性ガスに対する耐食性も必要となる。
【0004】さらに、半導体製造分野以外でも、医薬品
製造、医療施設、微生物工業等の分野のクリーンルーム
において、上記と同様に高純度ガスまたは超純水を汚染
しない配管および部材の開発が要請されている。
【0005】従来、このようなクリーンルーム用配管お
よび配管系部材(以下、単に部材ということがある)に
は、オーステナイトステンレス鋼、代表的にはSUS 316L
鋼が使用されている。これらのステンレス鋼部材を高純
度ガス配管として使用する場合には、塵の発生や内表面
への水分の吸着を防止する必要があり、また、超純水用
配管として使用する場合には、金属イオンの溶出を低減
することが要求されている。これらの対策として、ステ
ンレス鋼部材の表面はガスまたは純水との接触面積がな
るべく小さくなるように、内面粗さ(Rmax)が1μm以
下という超内面平滑度を満たすまで平滑化されている。
【0006】この内面平滑化の方法としては、冷間抽
伸、機械研磨、電解研磨等の精密加工が採用されている
が、表面を機械的な加工処理した場合に加工表層部に不
純物ガスや水分の吸着が見られることがある。そのた
め、内面が平滑化されたステンレス鋼部材は、一般的に
は、超純水による洗浄および高純度ガスによる乾燥が施
されたのちに、クリーンルーム用配管として使用され
る。
【0007】しかし、最終工程で洗浄および乾燥を行う
としても、通常、洗浄後の乾燥は常温で行われるため、
管内面の水分の除去を完全に行うことは困難である。ま
た、100〜 300℃の温度範囲で恒温ベーキングによって
水分を除去する方法も採用されているが、恒温ベーキン
グ後の冷却および保管中に空気中の微量水分が、管の内
表面に吸着し、脱離し難いという問題がある。ステンレ
ス鋼部材を高純度ガス用配管として使用する場合に、管
内面に水分の吸着が有ると、半導体製造プラントの操業
前に吸着水分を取り除く必要があるため、配管系パージ
に長時間を要することになり、実操業に支障を来すこと
になる。
【0008】一方、内面平滑処理を施したステンレス鋼
部材であっても、その構成元素であるFe、Cr、Niなどの
重金属イオンが超純水中に溶出することがある。また、
腐食性ガスと接触することによって、部材が腐食される
恐れがあり、更に、部材表面の非金属介在物さらには析
出物の存在に起因する微粒子の発生もあり得るが、平滑
化されただけのステンレス鋼部材ではこの様な問題の回
避を図ることはできない。そのため、これらの対策とし
て次のような提案がなされている。
【0009】 構成元素である重金属イオンが超純水
中に溶出することを防止するため、外層がFe成分を主体
とし、内層が30原子%以上のCrを含有し、厚さが 100〜
500Åである酸化皮膜を管内面に有する半導体製造装置
用ステンレス鋼部材、および、露点温度が−10℃以下の
酸化性ガス雰囲気中で加熱することによって、このステ
ンレス鋼部材を製造する方法(特開平1−198463号公報
参照)。
【0010】 鋼管を冷間抽伸すると内面に散在して
いる非金属介在物を起点として細溝が生じたり、電解研
磨により管内面の表層に非金属介在物が脱落したピンホ
ールが生じて、微粒子の吸着場所となるため、Mn、Si、
Al、Oなどの含有量を規制することにより非金属介在物
を低減した高清浄オーステナイトステンレス鋼(特開昭
63-161145 号公報参照)。
【0011】しかし、のステンレス鋼部材は、その酸
化皮膜がFeを多く含有するものであるため、金属イオン
溶出に対するバリア特性および腐食性ガスに対する保護
性の両面で性能が不十分であり、超純水中への金属イオ
ン溶出が大きく、耐食性も不足しており、超純水用、腐
食性ガス用の配管および部材としての適用は困難であ
る。
【0012】また、のオーステナイトステンレス鋼
は、鋼中を清浄化し介在物を減少させ得たとしても、鋼
の表面に生成する酸化皮膜はのステンレス鋼部材に生
成するものと何ら変わるものでなく、上記と同様の問題
を生じ、また、吸着水分の放出性も改善されないため、
クリーンルーム用の配管および部材として適用すること
は困難である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のステンレス鋼部
材は、水分の吸着にともなう配管系パージに長時間を要
するという実操業上の問題があるとともに、超純水中へ
の金属イオン溶出の可能性および腐食性ガスに対する耐
食性の面からクリーンルーム用部材として適用できない
という問題点があった。
【0014】本発明は、従来の問題点に鑑み、平滑化さ
れたステンレス鋼表面への水分の吸着を防ぎ、また、水
分の吸着があった場合にも水分の放出が容易であり、更
に、超純水に対しての耐金属イオン溶出性および腐食性
ガスに対する耐食性に優れたステンレス鋼部材を提供す
ることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の (1)の
ステンレス鋼部材および (2)の製造方法を要旨とする。
【0016】(1) Siを 0.5〜 5.0重量%含有するオース
テナイトステンレス鋼材であって、その表面に、Siを主
体とする酸化皮膜を有することを特徴とするクリーンル
ーム用ステンレス鋼部材。
【0017】(2) Siを 0.5〜 5.0重量%含有するオース
テナイトステンレス鋼材を、酸素濃度10容量ppm 以下
で、かつ、水蒸気濃度10容量ppm 以下である不活性ガス
または水素雰囲気中で、 750〜1200℃の温度範囲に加熱
することを特徴とする上記 (1)記載のクリーンルーム用
ステンレス鋼部材の製造方法。
【0018】
【作用】本発明者らは、種々の化学組成を有するオース
テナイトステンレス鋼に、各種の雰囲気および温度条件
で熱処理を施し、ステンレス鋼の表面に酸化皮膜を生成
させ、水分の吸着や脱離の挙動、超純水に対する金属イ
オン溶出の挙動、腐食性ガスに対する耐食性を調査し
た。その結果、合金元素としてSiを適量添加したステン
レス鋼部材を、低酸素分圧および低水蒸気分圧の不活性
ガス中、または水素雰囲気中で、 750〜1150℃の温度範
囲で加熱する酸化熱処理によってステンレス鋼部材の表
面にSiを主体とする酸化物の薄膜を生成させ得ることを
見いだした。
【0019】上記の熱処理によって生成されたSiを主体
とする酸化物の薄膜は、従来のステンレス鋼の表面に生
成するCr主体の酸化皮膜に比べて、超純水および腐食性
ガスに対して化学的に安定であり、これらと容易に反応
しない。この作用により、ステンレス鋼部材は、水分吸
着に対し不活性で、さらに超純水中での金属イオン溶出
も少なく、腐食ガスに対する耐食性も良好なクリーンル
ーム用配管として優れた性能を持つに到る。
【0020】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものである。以下、本発明における諸条件の限定理由
を詳述し、その作用を明らかにする。ただし、下記の記
載において合金元素の含有量は、特に規定しない場合に
は重量%で表示している。
【0021】本発明の部材の素材であるオーステナイト
ステンレス鋼とは、Crを13〜30%、Niを40%以下含有す
るFe基合金をいい、SUS 316L鋼を代表とするオーステナ
イト系ステンレス鋼が例示される。その他の化学組成と
して、Siは本発明の部材に必須のものとして添加される
が、他の合金元素は本発明の目的達成に好ましいものと
して必要に応じて添加される。
【0022】本発明の特徴は、ステンレス鋼部材の表面
にSiを主体とする酸化皮膜を生成させることである。こ
こで、Siを主体とする酸化皮膜とは、生成した酸化皮膜
中の全金属元素に占めるSiの含有率が50原子%以上であ
ることをいう。従って、Siは本発明のステンレス鋼部材
において最も重要な元素である。 0.5%未満の微量のSi
含有量では、後記する温度範囲および雰囲気の条件によ
って熱処理しても、部材表面にSiを主体とする酸化皮膜
が形成されず、一方、5%を超える含有では部材の機械
的性質および加工性が低下するので、Siの含有量は0.5
〜5%とした。
【0023】鋼に通常含有されるMnは低減することが好
ましい。Mnは酸化熱処理によりSiと同様に、酸化皮膜中
に濃化する傾向があり、Mnが濃化した皮膜では、水分の
放出性が低下するとともに、耐金属イオン溶出性および
腐食性ガスに対する耐食性も悪化するからである。従っ
て、Mnの含有量は 0.3%以下、さらには 0.1%以下が好
ましい。
【0024】その他の合金元素としては、Mo、Cu、Nは
部材の耐食性を向上させる効果を有する元素であるた
め、Mo:7%以下、Cu:3%以下、N: 0.3%以下の1
種または2種以上を含有させることが好ましい。
【0025】また、NbおよびTiは鋼中のCを固定し、溶
接部の機械特性と耐食性を向上させる効果を有するため
に、NbおよびTiはそれぞれ、または合計で 0.5%以下を
含有させることが好ましい。
【0026】さらに、Y等の希土類元素は 0.2%以下の
微量の含有によって、Siを主体とする酸化皮膜の緻密性
を増し、水分の吸着を防止するとともに、純水中への金
属イオンの溶出を防ぐことができるため、1種または2
種以上の希土類元素の含有が好ましい。
【0027】本発明のステンレス鋼部材表面の酸化皮膜
の膜厚は、薄すぎると酸化皮膜が完全に部材の表面を被
覆することができず、逆に、膜厚が厚すぎると部材の曲
げ加工や衝撃によって部材表面から酸化皮膜が剥離する
恐れがある。従って、Siを主体とする酸化皮膜の作用を
部材の全表面に均一に確保するためには、酸化膜厚は30
〜5000Å、更に、50〜500 Åとするのが好ましい。
【0028】本発明のステンレス鋼部材は、高純度ガス
または超純水を輸送するための配管およびそれらを充填
する容器を構成するための管材、板材その他のものであ
って、高純度ガスまたは超純水が接する全ての部材を含
むものである。
【0029】クリーンルーム用として使用されるステン
レス鋼部材は、前記の通り、高純度ガスまたは超純水と
接する表面積を小さくするために平滑であることが必要
である。現在、ステンレス鋼の表面粗さは、電解研磨の
仕上げままでRmax1μm以下のものが確保できるが、光
輝焼鈍炉で熱処理した焼鈍管ではRmax3μm以下となっ
ている。従って、熱処理後の表面粗さを考慮して、本発
明のステンレス鋼部材の表面粗さはRmax3μm以下とす
るのが好ましい。
【0030】ステンレス鋼部材の表面にSiを主体とする
酸化皮膜を生成させるための熱処理で使用される雰囲気
は酸素濃度が10容量ppm 以下で、かつ、水蒸気濃度が10
容量ppm 以下の不活性ガス中、または水素雰囲気中でな
ければならない。酸素濃度または水蒸気濃度が10容量pp
m を超える雰囲気で熱処理を行うと、酸化皮膜中のFeお
よびCr含有率が増加し、Siを主体とする酸化皮膜が得ら
れず、水分の放出性が低下するとともに耐金属イオン溶
出性も悪化するからである。このように酸化皮膜中のFe
およびCr含有率が増加するのは、酸素および水蒸気濃度
の上昇が雰囲気の酸化性を増加させるので、Siに比べ酸
化し難いFe、Crも酸化されるためである。
【0031】ステンレス鋼部材を熱処理するときの加熱
温度は、 750℃〜1200℃の範囲である。なお、保持時間
は表面に均一な酸化皮膜を生成させることが目安となる
が、そのためには、保持時間は10分で充分である。とこ
ろで、加熱温度が 750℃に達しない低温での熱処理で
は、酸化皮膜中のFeおよびCr含有率が増加し、Siを主体
とする酸化皮膜が得られず、水分の放出性が低下し、耐
金属イオン溶出性も悪化することになる。一方、1200℃
を超える高温での熱処理では、ステンレス鋼部材の結晶
粒が粗大化し、機械的性質の劣化が顕著となる。加熱温
度は好ましくは 850〜1100℃である。
【0032】
【実施例】次に、本発明のステンレス鋼部材およびその
製造方法を、具体的な実施例に基づき説明する。
【0033】表1に示す化学組成の鋼種A〜Fの6種の
ステンレス鋼管を使用し、下記の条件で内面平滑処理を
したのち、洗浄および加熱乾燥をした。
【0034】
【表1】
【0035】1.鋼管寸法:外径 6.4mm×肉厚1mm×長
さ4m 2.内面平滑処理:電解研磨(表面粗さRmax 0.7μm) 3.洗浄〜乾燥:高純度水によって洗浄後、99.999%Ar
ガスを通じながら200℃で加熱乾燥 その後、鋼種A〜Fの鋼管を表2に示す種々の条件で処
理した。
【0036】同表において、鋼管の内面をN2 + イオンス
パッタリングを用いた2次イオン質量分析による深さ方
向の元素分析を行い、酸化皮膜中のSi含有率の平均値お
よび皮膜厚さを測定した。
【0037】高純度ガス配管としての水分の放出性は、
大気圧イオン化質量分析計を用いて管内面の水分量を測
定し、同表中の水分脱離時間(min)を算出して、評価を
行った。具体的には、まず、ステンレス鋼管の内面に水
分の含有が5ppb 以下の高純度N2ガスを通じながら80℃
の温度で2時間保持して、管内面の水分を除去した。
【0038】次に、水分を100ppb含有するN2ガスを20分
間通じて管内面に水分を添加し、そののち、水分の添加
を中止して放出水分量の減衰挙動を測定した。水分脱離
時間(min)は、ステンレス鋼管内面の放出水分が10ppb
以下となる時間により評価した。この水分脱離時間が小
さいほど水分の放出性が優れていることになる。
【0039】超純水中での金属イオンの溶出量(ppm)
は、ステンレス鋼管内に比抵抗16MΩcm以上の超純水を
封入し、80℃で14日間保持した後、管内超純水中の金属
イオン量を誘導結合プラズマイオン化質量分析計により
分析した。また、腐食ガスに対する耐食性の評価は、ス
テンレス鋼管内に99.9% Cl2ガスを 0.5MPaの圧力で封
入し、液化N2によりステンレス鋼管を冷却したのち、大
気に開放して7日間放置し、その後に、ステンレス鋼管
内の腐食状況を目視観察した。
【0040】以上の結果をまとめて表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、本発明のステン
レス鋼部材の水分脱離時間は、いずれも9分以下と吸着
水分の放出性に優れている。従って、半導体製造プラン
トのクリーンルーム用配管として用いる場合、操業前の
配管系パージに長時間をかけなくとも、内表面からの吸
着水分の放出の問題はない。また、本発明のステンレス
鋼部材の超純水に対する金属イオン溶出量は低く抑えら
れており、更に、 Cl2ガスに対する耐食性も、比較例に
比べて優れている。
【0043】
【発明の効果】本発明のステンレス鋼部材は、従来の部
材に比べて、高純度ガス配管としては部材表面からの水
分の放出が低減され、超純水配管部材としては金属イオ
ン放出量が抑えられ、さらに腐食性ガスに対する優れた
耐食性を有し、クリーンルーム用部材として極めて好適
である。
【0044】このステンレス鋼部材は、前述の方法で比
較的容易に製造することができる。
【0045】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siを 0.5〜 5.0重量%含有するオーステナ
    イトステンレス鋼材であって、その表面に、Siを主体と
    する酸化皮膜を有することを特徴とするクリーンルーム
    用ステンレス鋼部材。
  2. 【請求項2】Siを 0.5〜 5.0重量%含有するオーステナ
    イトステンレス鋼材を、酸素濃度10容量ppm 以下で、か
    つ、水蒸気濃度10容量ppm 以下である不活性ガスまたは
    水素雰囲気中で、 750〜1200℃の温度範囲に加熱するこ
    とを特徴とする請求項1記載のクリーンルーム用ステン
    レス鋼部材の製造方法。
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