JP3433452B2 - フェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法

Info

Publication number
JP3433452B2
JP3433452B2 JP50542299A JP50542299A JP3433452B2 JP 3433452 B2 JP3433452 B2 JP 3433452B2 JP 50542299 A JP50542299 A JP 50542299A JP 50542299 A JP50542299 A JP 50542299A JP 3433452 B2 JP3433452 B2 JP 3433452B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
less
stainless steel
oxidizing
ferritic stainless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP50542299A
Other languages
English (en)
Inventor
茂樹 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP3433452B2 publication Critical patent/JP3433452B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C8/06Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases
    • C23C8/08Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases only one element being applied
    • C23C8/10Oxidising
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C8/06Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases
    • C23C8/08Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases only one element being applied
    • C23C8/10Oxidising
    • C23C8/16Oxidising using oxygen-containing compounds, e.g. water, carbon dioxide
    • C23C8/18Oxidising of ferrous surfaces

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、フェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処
理方法に関する。より詳しくは、半導体素子の製造など
で用いる高純度のガスや水といった高純度流体を供給す
るための配管及び配管部材として用いられるフェライト
系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法に関する。
背景技術 半導体製造分野においては、近年、素子の高集積化が
進み、特に超LSIと称されるデバイスの製造では、1μ
m以下の微細なパターンの加工が必要とされている。
上記の超LSI製造プロセスでは、微小な塵や微量不純
物イオンが配線パターンに付着したり吸着されて回路不
良の原因となり、製品(「超LSI」そのもの)の歩留り
が低下することがある。このため、超LSIの製造プロセ
スで使用されるガスや水などの流体には高純度であるこ
と、すなわち流体中に微粒子及び不純物が極めて少ない
ことが必要とされる。したがって、こうした高純度の抗
体を供給するための配管及び配管部材(以下、これらを
併せて単に「配管」ということもある)に対しても、そ
の内表面(つまり、高純度の流体と接触する面)からの
粒子、分子、イオン及び不純物の放出が極力少ないこと
が要求される。
前記の配管の材質としては、通常オーステナイト系ス
テンレス鋼、なかでもSUS316Lが主に使用され、オース
テナイト・フェライト系の二相ステンレス鋼やフェライ
ト系ステンレス鋼が用いられる場合もある。
こうしたステンレス鋼を素材とする配管は、塵の発生
を抑制したり、不純物がその内面に付着したり吸着され
たりすることを防ぐため、内面が平滑化されている。つ
まり、その内面に冷間抽伸や電解研磨などを施すこと
で、高純度流体と接触する表面積ができるだけ少なくな
るように工夫されている。
しかし、高純度流体として、塩素、塩化水素、臭化水
素などの腐食性ガスやシランなど化学的に不安定なガス
が使用される場合、つまり、所謂「特殊材料ガス」が使
用される場合には、ステンレス鋼製の配管に内面平滑処
理を施すだけでは不十分である。すなわち、「特殊材料
ガス」として塩素、塩化水素、臭化水素などの腐食性ガ
スが使用される場合、ステンレス鋼製の配管には耐食性
が要求される。一方、「特殊材料ガス」としてシランな
ど化学的に不安定なガスが使用される場合、ステンレス
鋼製の配管には非触媒性(管内表面がシランガスなどと
接触することによって当該ガスを分解させて微粒子とす
る性質、つまり「触媒性」を配管が有さないこと)が必
要とされる。
こうした性能は、低酸素分圧に調整した雰囲気中でス
テンレス鋼を加熱し、鋼表面にCr酸化物皮膜を生成させ
ることにより向上することが「非腐食性・非触媒性Cr2O
3ステンレス特殊ガス配管技術」(第24回超LSIウルトラ
クリーンテクノロジーワークショッププロシーディン
グ、p.55〜67、1993年6月5日、主催:半導体基盤技術
研究会)に報告されている。なお、この論文における対
象材質は、約15原子%のCrと約15原子%のNiを含有して
いることからオーステナイト系ステンレス鋼であり、SU
S316Lと推定される。
ステンレス鋼の表面にCr酸化物皮膜を生成させる方法
が、例えば、特開平7−197206号公報や特開平7−2334
76号公報などに開示されている。このうち、特開平7−
197206号公報には、微結晶化した加工変質層を持つ二層
系ステンレス鋼の表面にCr酸化物皮膜を形成する方法が
開示されている。特開平7−233476号公報には、フェラ
イト系ステンレス鋼の表面にCr酸化物皮膜を形成する方
法が開示されている。又、特開平8−302448号公報に
は、フェライト系ステンレス鋼の表面に厚さが7〜50nm
で、酸素以外の構成元素において90原子%以上のCrを含
有する粒の直径が200nm以下のCr酸化物皮膜を形成する
方法が開示されている。
しかしながら、前記のいずれの公報にも、半導体製造
プロセス用の配管として多用される長さが4mにも及ぶよ
うな鋼管の内面全長に亘って、Cr含有量と膜厚が均一な
Cr酸化物皮膜を生成させる方法は開示されていない。
一方、ステンレス鋼管の内面に酸化皮膜を生成させる
技術が、例えば、特開平2−43353号公報や特開平3−1
11552号公報に提案されている。このうち特開平2−433
53号公報には金属酸化処理装置及び金属酸化処理方法
が、特開平3−111552号公報には金属管酸化処理装置が
それぞれ開示されている。これらの公報で提案された技
術はいずれも、所定の雰囲気と温度で鋼管の内面を酸化
させるために、加熱炉内にステンレス鋼管を固定し、鋼
管内に所定の組成のガスを通じながら鋼管を外面から加
熱する、所謂「バッチ方式」の酸化処理である。
しかし、半導体製造プロセス用の配管で多用される寸
法の鋼管、例えば外径が6.35mmで長さが4mにも及ぶよう
なステンレス鋼管を「バッチ方式」で酸化処理する場
合、その工程は煩雑になり処理能率が極めて低い。つま
り、加熱炉内への被処理鋼管の取付け、鋼管内及び加熱
炉内に残留する空気をパージするための不活性ガスの吹
き込み、鋼管内面に付着している水分を除去するための
加熱(所謂「ベーキング」処理)、鋼管内の空気をパー
ジするのに使用した不活性ガスの酸化処理ガスへの切り
替え、加熱酸化のための加熱炉の作動、冷却、被処理鋼
管の取り外し、などの各処理を1バッチ毎に繰り返す必
要がある。
一方、「バッチ方式」における処理能率の改善を目的
として、加熱炉の容量を大きくして、1回の処理で複数
の鋼管に酸化処理を施すには、複数の鋼管を均一に加熱
するための制御装置などを加熱炉に具備させなければな
らない。このため、酸化処理設備が高価となり経済性の
点で問題が生ずる。加えて、通常の「バッチ方式」で
は、鋼管全長のうち均一に加熱される部分は鋼管長手方
向の中央部近辺だけであることが多い。長さが4mにも及
ぶような鋼管の全長を均一に加熱するためには、極めて
大きな加熱炉と鋼管保持部を必要とするので、やはり経
済性の点で問題がある。
更に、通常の「バッチ方式」では、均一なCr含有量と
膜厚とを有するCr酸化物皮膜を鋼管の全長に亘って形成
させることができない。これは「バッチ方式」では、鋼
管の全長に亘って同時に酸化処理反応が起こるため、酸
化性ガスが導入される側の鋼管の端部付近が最も酸化さ
れるのに対し、酸化性ガスの出側の鋼管端部は酸化され
難くなり、不均一なCr酸化物皮膜が生成してしまうこと
による。酸化性ガスの出側の鋼管端部が酸化され難いの
は、酸化性ガスが導入される側の鋼管の端部付近と比較
して、ガス中の酸化性成分である水蒸気や酸素の濃度が
低くなっているからである。
鋼管の熱処理として、鋼管を移動させながら連続的に
熱処理する技術がある。ステンレス鋼管に対する連続熱
処理技術としては、鋼管内外表面の酸化を防止し、金属
光沢を保持させたままで熱処理を行う所謂「光輝焼鈍」
が一般に知られている。この「光輝焼鈍」は、鋼管に冷
間抽伸などの冷間加工を施した後、加工により導入され
た歪みを除去し、金属組織を再結晶化するために用いら
れる熱処理である。
鋼管に対する「光輝焼鈍」は還元性の雰囲気中で鋼管
を長手方向に移動させることによって行うことも可能で
ある。この場合、鋼管内面に水素あるいは不活性ガスと
水素の混合ガスなどの還元性ガスを通じながら、炉内も
同様の還元性ガス雰囲気に制御し、鋼管を長手方向に移
動させることによって加熱炉に装入すれば良い。「光輝
焼鈍」の場合には、鋼管の内外面はともに酸化が防止で
きれば目的が達成される。したがって、鋼管の内外面を
還元性ガス雰囲気に曝すだけで良く、鋼管の内面と外面
とに作用するガスが混合しても問題はない。
しかし、半導体製造プロセス用の配管に多用されるス
テンレス鋼管はその内面だけを酸化させる必要がある。
したがって、上記の連続方式の「光輝焼鈍」技術は半導
体製造プロセスに用いられるステンレス鋼管の内面の酸
化処理には全く適用できない。
発明の開示 本発明の目的は、半導体素子の製造などで用いる高純
度のガスや水といった高純度流体を供給するための配管
及び配管部材として用いられるフェライト系ステンレス
鋼管の内面酸化処理方法を提供することにある。特に、
上記配管及び配管部材として用いられるフェライト系ス
テンレス鋼管の内面全長に亘ってCr含有量と膜厚が均一
なCr酸化物皮膜を高能率で形成させることができる酸化
処理方法を提供することにある。
本発明の要旨は以下のとおりである。
すなわち、「鋼管内にその一端から酸化性ガスを導入
しつつ、その鋼管を鋼管長手方向に移動させながら炉内
の雰囲気が非酸化性である加熱炉で700〜1100℃の温度
領域の特定温度T℃に加熱することにより、鋼管の内面
にCr酸化物皮膜を形成させるフェライト系ステンレス鋼
管の内面酸化処理方法」である。
本発明でいう「酸化性ガス」とは、水素:10〜99.9999
体積%、水蒸気:1〜300体積ppmを含み残部が不活性ガス
である混合ガスのことを指す。「非酸化性の雰囲気」と
は、少なくとも、酸素:3体積ppm以下で、且つ、水蒸気:
30体積ppm以下の雰囲気、あるいは残留気体の圧力:5Pa
以下である真空雰囲気をいう。
図面の簡単な説明 図1は、本発明のフェライト系ステンレス鋼管の内面
酸化処理方法を実施するための一例を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明者らは、長さが4mにも及ぶステンレス鋼管の内
面全長に亘ってCr含有量と膜厚が均一なCr酸化物皮膜を
高能率で形成させる鋼管内面の連続酸化技術を確立する
ために、ステンレス鋼管の材質、酸化雰囲気条件、加熱
温度、鋼管移動条件などについて種々検討を繰り返し
た。その結果、下記の知見を得た。
(a)ステンレス鋼管内にその一端から酸化性ガスを導
入しながら、その鋼管を長手方向に移動させて還元性の
雰囲気に調整された加熱炉内で加熱すれば、鋼管の内面
側だけを均一に酸化させることができる。但し、鋼管の
内面側雰囲気と外側雰囲気とを分離することが重要であ
る。つまり、鋼管の内外面にそれぞれ作用する雰囲気
(ガス)が混合することを避けなければならない。
(b)前記(a)において鋼管の外面側雰囲気の内面側
への流入を防止するためには、特に鋼管の内径が大きい
場合、酸化性ガスを導入するのと反対側の管端に小径
(例えば、内面側直径が10mm未満)のオリフィスを有す
る部品を取り付けておけば良い。更に、鋼管の内面側雰
囲気の外面側への流出を防止するためには、被処理鋼管
の両端にダミー鋼管をつなぎ、そのダミー鋼管の一部が
加熱炉の外側に出る状態にしておけば、鋼管の内面側雰
囲気と外面側雰囲気とは決して混ざることはなく、完全
に分離できる。
(c)ステンレス鋼管内に導入する酸化性ガスが水蒸
気、水素及び不活性ガスを適正な量で含むものであれ
ば、長尺のステンレス鋼管の内面全長に亘ってCr含有量
と膜厚が均一なCr酸化物皮膜を形成させることができ
る。
(d)長尺のステンレス鋼管の内面全長に亘ってCr含有
量と膜厚が均一なCr酸化物皮膜を形成させるためには、
ステンレス鋼管内に導入する酸化性ガスの流量Q(リッ
トル/分)を、Q={7.24(DL/t)}/Cによって決定さ
れる値以上とすることが好ましい。ここで、Dは鋼管の
内径(cm)、Lは加熱炉の前記加熱温度T±10℃の領域
部分の長さ(cm)、Cは酸化性ガス中の水蒸気濃度(体
積ppm)で、tは鋼管の長さ方向のある一点が加熱炉の
上記の加熱温度領域部分長さLを通過するのに要する時
間(分)(以下この時間tを「処理時間」という)であ
る。
(e)ステンレス鋼では加熱処理によってCr23C6などの
析出物が生成すると耐食性が劣化するが、高い温度で加
熱処理を行えば、Cr23C6などのCr炭化物は鋼中に容易に
固溶するので耐食性の低下は生じず、しかもCr酸化物皮
膜中のCr濃度を安定して高めることができる。
(f)Cr酸化物皮膜の生成は、ステンレス鋼内部から表
面部へのCrの拡散によって支配され、フェライト相中で
のCrの拡散速度はオーステナイト相中でのそれに比べて
大きいので、フェライト系ステンレス鋼管の場合、加熱
温度T℃を700℃以上の高温にすれば、加熱処理中にCr
23C6などのCr炭化物を析出させることなく、効率よく鋼
管の内面にCr含有量の高いCr酸化物皮膜を形成させるこ
とができる。
(g)酸素以外の構成元素においてCrの含有率が90原子
%を超え、厚さが10〜100nmのCr酸化物皮膜は、塩素、
塩化水素、臭化水素などの腐食性ガスに対して耐食性を
備え、しかも、シランなど化学的に不安定なガスを分解
しない非触媒性を有する。前記Cr酸化物皮膜はそのCr含
有率が95原子%以上の場合には一層良好な耐食性ガスに
対する耐食性と化学的に不安定なガスを分解しない非触
媒性とを有する。
本発明は上記の知見に基づいて完成されたものであ
る。
以下、本発明の各要件について図面を参照しながら詳
しく説明する。
図1は、本発明のフェライト系ステンレス鋼管の内面
酸化処理方法を実施する形態の一例を示す図である。フ
ェライト系ステンレス鋼管1内にその一端から酸化性ガ
ス2を導入し、他端から排出しつつ、そのステンレス鋼
管1を鋼管長手方向に移動させながら炉内の雰囲気4が
非酸化性である加熱炉3に装入し、ヒータ5で加熱する
ことで鋼管1の内面に酸化処理を施してCr酸化物皮膜を
鋼管1の内面に形成させる。
なお、図1では鋼管1の酸化性ガス2を導入するのと
反対側の管端にオリフィスを有する部品6が設けてあ
り、鋼管外面雰囲気の鋼管内面への流入が防止できるよ
うにしてある。
更に、例えば、被処理鋼管の両端にダミー鋼管をつな
ぎ、少なくともそのガス排出側のダミー鋼管端が加熱炉
の外側に出る状態とすることによって、鋼管の内面側雰
囲気が外面側雰囲気(つまり炉内雰囲気)と混ざること
を防止できる。
(A)内面酸化処理の対象となるステンレス鋼管 鋼管の内面酸化のための加熱処理中にCr23C6などのCr
炭化物を析出させることなく、しかも、Cr含有量の高い
Cr酸化物皮膜を鋼管の内面に効率よく形成させるため
に、本発明の処理方法が対象とするステンレス鋼管はフ
ェライト系ステンレス鋼管とする必要がある。これは、
Cr酸化物皮膜の生成が、Crのステンレス鋼内部から表面
部への拡散によって支配されるためである。つまり、フ
ェライト相中ではCrの拡散速度が大きいので、フェライ
ト系ステンレス鋼においては短時間で容易にCr含有率の
高いCr酸化物皮膜が形成される。これに対して、鋼中に
Crの拡散速度が小さいオーステナイト相が存在すると、
これが酸化を律速してしまう。したがって、オーステナ
イト相を含むオーステナイト系ステンレス鋼や、フェラ
イト・オーステナイト系の二相ステンレス鋼において
は、短時間ではCr含有率の高い所望のCr酸化物皮膜が生
成しない。
一方、前記のオーステナイト系ステンレス鋼や二相ス
テンレス鋼に対して、Cr酸化物皮膜中のCr含有率を高め
るためには、高温での長時間処理が必要であり、処理効
率は「バッチ方式」による場合と同様に著しく低下して
しまう。したがって、本発明の処理方法が対象とするス
テンレス鋼管はフェライト系ステンレス鋼管とする必要
がある。
なお、本発明の酸化処理方法で鋼管内面にCr酸化物皮
膜を生成させるフェライト系ステンレス鋼管の素材は下
記のフェライト系ステンレス鋼であることが好ましい。
つまり、「重量%で、C:0.03%以下、Si:0.5%以下、
Mn:0.2%以下、Ni:5%以下、Cr:20〜30%、Mo:0.1〜5
%を含み、必要に応じてCu:1%以下、W:5%以下、Al:0.
05%以下、Ti:1%以下、Zr:1%以下、Nb:1%以下、B:0.
01%以下、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、希土類元
素:合計で0.01%以下を含有し、残部はFe及び不可避的
不純物からなり、不純物中のN:0.03%以下、P:0.03%以
下、S:0.003%以下、O(酸素):0.01%以下であるフェ
ライト系ステンレス鋼」である。
本発明の酸化処理方法が対象とするフェライト系ステ
ンレス鋼管の素材を上記のフェライト系ステンレス鋼と
することが好ましい理由は下記のとおりである。なお、
以下における各元素の含有量の「%」表示は「重量%」
を意味する。
C: C含有量が0.03%を超えると、溶接部にCr炭化物が析
出して耐食性を低下させる場合がある。したがって、C
の含有量は0.03%以下とするのが良い。なお、C含有量
は0.02%以下とすることが一層良い。
Si: Siは脱酸作用を有するものの、同時に鋼中で酸化物系
介在物を生成するので、その含有量を0.5%以下にする
のが良い。なお、Si含有量は0.2%以下とすることが一
層良い。
Mn: Mnは脱酸作用を有するものの、その含有量が0.2%を
超えると溶接時に多量の不純物が発生するので0.2%以
下にするのが良い。なお、Mn含有量を0.1%以下とすれ
ば一層良い。
Ni: Niの含有量が5%を超えるとフェライトステンレス鋼
中にオーステナイト相が混ざるようになる場合があるの
で、その含有量を5%以下にするのが良い。
Cr: Crは、ステンレス鋼自体の耐食性を向上させるが、本
発明ではCr酸化物皮膜の生成を容易にする意味からも重
要である。Crの含有量が20%未満ではCr酸化物皮膜の生
成が不十分になる場合があり、一方、30%を超えると金
属間化合物が析出しやすくなって靱性が劣化する場合が
あるので、Crの含有量は20〜30%とするのが良い。な
お、Crの含有量を24〜30%とすれば一層良い。
Mo: Moは、耐食性向上に効果を有するので、耐食性ガスに
対する耐食性を向上させるために0.1%以上含有量させ
るのが良い。一方、Moを5%を超えて含有させると金属
間化合物を生じて靱性が劣化する場合がある。したがっ
て、Moの含有量は0.1〜5%とするのが良い。なお、Mo
の含有量を1〜4%とすれば一層良い。
なお、フェライト系ステンレス鋼が必要に応じて下記
の元素を含有していても良い。
Cu: Cuは、耐食性向上に効果を有し耐食性ガスに対する耐
食性を高めるが、その含有量が1%を超えると金属間化
合物を生じて靱性が劣化する場合があるので、Cuの含有
量は1%以下とするのが良い。なお、Cuの耐食性向上効
果を確実に発揮させるためには、その含有量は0.1%以
上とするのが良い。Cuの含有量を0.2〜0.5%とすれば一
層良い。
W: Wは、耐食性向上に効果を有し腐食性ガスに対する耐
食性を高めるが、その含有量が5%を超えると金属間化
合物を生じて靱性が劣化する場合があるので、Wの含有
量は5%以下とするのが良い。なお、Wの耐食性向上効
果を確実に発揮させるためには、その含有量は0.1%以
上とするのが良い。Wの含有量を1〜4%とすれば一層
良い。
Al: Alは、鋼中で酸化物系介在物を生成することに加え
て、酸化し易いので溶接時にも酸化物を生成して不純物
が発生する。したがってその含有量は0.05%以下にする
のが良い。なお、Alの含有量を0.01%以下とすれば一層
良い。
Ti: Tiは、C及びNを安定化する作用を有するが、その含
有量が1%を超えると靱性が劣化する場合があるので、
Tiの含有量は1%以下とするのが良い。なお、TiのC及
びNの安定化作用を確実に発揮させるためには、その含
有量は0.05%以上するのが良い。なお、Tiの含有量は0.
05〜0.20%とすれば一層良く、0.07〜0.15%とすれば更
に一層良い。
Nb: Nbは、C及びNを安定化する作用を有するが、その含
有量が1%を超えると靱性が劣化する場合があるので、
Nbの含有量は1%以下とするのが良い。なお、NbのC及
びNの安定化作用を確実に発揮させるためには、その含
有量は0.05%以上するのが良い。なお、Nbの含有量は0.
05〜0.20%とすれば一層良く、0.07〜0.15%とすれば更
に一層良い。
Zr: Zrは、C及びNを安定化する作用を有するが、その含
有量が1%を超えると靱性が劣化する場合があるので、
Zrの含有量は1%以下とするのが良い。なお、ZrのC及
びNの安定化作用を確実に発揮させるためには、その含
有量は0.05%以上するのが良い。なお、Zrの含有量は0.
05〜0.20%とすれば一層良く、0.07〜0.15%とすれば更
に一層良い。
B: Bはステンレス鋼中でCr炭化物の析出を加速するた
め、酸化処理中のCr炭化物析出により酸化物皮膜中のCr
濃度の低下や偏りをもたらす可能性がある。したがっ
て、酸化物皮膜の生成に比較的長時間を要する従来の
「バッチ方式」による酸化処理の場合には、Bの添加は
極めて低く制限する必要があった。しかし、本発明に係
る酸化処理方法の場合、短時間で所望の酸化物皮膜を形
成させることができるので、Cr炭化物は生じない。した
がって、Bの熱間加工性を高める作用を利用するため
に、Bを積極的に含有させても良い。しかし、Bを0.01
%を超えて含有させてもその効果が飽和するばかりか、
本発明に係る処理を行ってもCr炭化物の析出を避けられ
ない場合があるので、Bの含有量は0.01%以下とするの
が良い。なお、Bの熱間加工性を高める作用を確実に発
揮させるためには、その含有量は0.0005%以上とするの
が良い。
Ca: Caは熱間加工性を高める作用を有するが、その含有量
が0.01%を超えると非金属介在物となって表面粗さを劣
化させる場合があるので、その含有量は0.01%以下とす
るのが良い。なお、Caの熱間加工性を高める作用を確実
に発揮させるためには、その含有量は0.001%以上とす
るのが良い。
Mg: Mgは熱間加工性を高める作用を有するが、その含有量
が0.01%を超えると非金属介在物となって表面粗さを劣
化させる場合があるので、その含有量は0.01%以下とす
るのが良い。なお、Mgの熱間加工性を高める作用を確実
に発揮させるためには、その含有量は0.001%以上とす
るのが良い。
希土類元素:合計で0.01%以下 希土類元素は熱間加工性を高める作用を有するが、そ
の含有量が合計で0.01%を超えると非金属介在物となっ
て表面粗さを劣化させる場合がある。したがって、希土
類元素の含有量を合計で0.01%以下とするのが良い。な
お、希土類元素の熱間加工性を高める作用を確実に発揮
させるためには、その含有量は合計で0.001%以上とす
るのが良い。
不純物元素としてのN、P、S及びOの含有量は以下
のように制限するのが良い。
N: Cr窒化物の生成を防止するとともに、靱性の劣化を防
ぐためにNの含有量は0.03%以下とすれば良い。Nの含
有量を0.01以下%とすれば一層良い。
P: Pは熱間加工性に対して有害であるので低減する必要
があるが、鋼中のPを極めて低く抑えることは工業的規
模の生産では難しく、更に、P含有量の低いステンレス
鋼を製造するためには高価な原料を用いる必要があるた
め経済的でない。したがって、Pの含有量の上限につい
ては性能上悪影響のない程度の含有量とするのが良く、
P含有量は0.03%以下とすれば良い。なお、Pの含有量
は0.02%以下であれば一層良い。
S: Sは、極微量でも硫化物系介在物を生成して耐食性に
極めて有害であるのでその含有量を0.003%以下にする
のが良い。S含有量を0.002%以下にすれば一層良い。
O: O含有量が0.01%を超えると溶接時に不純物が発生し
易くなるので、0.01%以下とするのが良い。O含有量を
0.005%以下にすれば一層良い。
(B)加熱炉内の雰囲気 ステンレス鋼管1の外面の酸化を防止するために、加
熱炉3内の雰囲気4は非酸化性とする必要がある。これ
は、外面が酸化したステンレス鋼管1の場合、酸化物皮
膜の剥離により微粒子が発生して製造環境の雰囲気を汚
染するので、極度の正常性を保つことが要求される半導
体製造プロセス用の配管として使用できないからであ
る。雰囲気4を非酸化性にするためには、水素ガスやア
ルゴンなどの不活性ガス(但し、少なくとも、酸素:3体
積ppm以下で、且つ、水蒸気:30体積ppm以下であること
が必要)を加熱炉3内に充満するか、あるいは、加熱炉
3内を残留気体の圧力:5Pa以下である真空にすれば良
い。工業的生産規模で簡便、且つ確実に炉内雰囲気4を
非酸化性にするためには、前記条件の水素ガスを用いれ
ば良い。なお、炉内雰囲気としての水素ガス雰囲気は、
酸素:1体積ppm以下で、且つ、水蒸気:10体積ppm以下と
することが好ましい。
(C)ステンレス鋼管の加熱温度 ステンレス鋼管1の加熱温度は、700〜1100℃の温度
領域の特定温度T℃とする必要がある。加熱温度の下限
を700℃とするのは、加熱温度が700℃未満ではCr酸化物
皮膜の成長が遅く、10nm以上の膜厚を得るためには例え
ば前記した処理時間tとして60分以上の長時間が必要と
なり、工業的規模での生産には適用し難いからである。
加熱温度の上限を1100℃とするのは、加熱温度が1100℃
を超えると酸化の進行が非常に速いために酸化性ガス2
の組成や流量によっては不均一な酸化物皮膜になってし
まうからである。
ステンレス鋼管1の加熱温度の下限は750℃とするこ
とが好ましい。なお、加熱温度が800℃未満の場合、素
材のステンレス鋼の化学組成によってはCr炭化物が析出
し易くなる場合があるので、ステンレス鋼管1の加熱温
度の下限は800℃とすることが一層好ましい。一方、加
熱温度が1000℃を超える場合、素材であるフェライト系
ステンレス鋼の化学組成によっては結晶粒が粗大化して
延性や靱性が低下する場合があるので、ステンレス鋼管
1の加熱温度の上限は1000℃とすることが好ましい。
(D)ステンレス鋼管内に導入する酸化性ガス フェライト系ステンレス鋼管1内に導入する酸化性ガ
ス2は、水素:10〜99.9999体積%、水蒸気:1〜300体積p
pmを含み残部が不活性ガスである混合ガスとする必要が
ある。
水素含有率が10体積%未満では、酸化反応が起きてい
る際の鋼管1内の水蒸気含有率のわずかな変化で酸化挙
動が大きく変化するので、Cr含有率が高く膜厚が均一な
Cr酸化物皮膜を安定して形成させることができない。
水蒸気の含有率が1体積ppm未満では、Cr酸化物皮膜
を充分に形成させることができない。一方、水蒸気を30
0体積ppmを超えて含有させると、Cr酸化物皮膜が例えば
100nmを遥かに超えるような厚さになって、鋼管の内面
粗さが大きくなってしまう。均一な厚さを保ち、且つ、
Cr含有量が高いCr酸化物皮膜を形成させるためには、水
蒸気の含有率を5〜200体積ppmとするのが好ましく、10
〜100体積ppmとすれば一層好ましい。
酸化性ガス2のうち上記の水素と水蒸気以外の残りの
ガスは、不活性ガスとする。不活性ガスとしては、ヘリ
ウムガス、アルゴンガス、ネオンガスなどを用いること
ができる。これらのガスの中でアルゴンガスを使用する
のが経済的に有利である。酸化性ガス2の水素及び不活
性ガスの含有量は流量制御器により、水蒸気は露点計測
と水蒸気添加器により調整することができる。
Cr含有量と膜厚が均一なCr酸化物皮膜を被処理鋼管1
の内面全長に亘って高能率で形成させるためには、上記
した酸化性ガス2の組成と既に述べたステンレス鋼管1
の加熱温度に加えて、ステンレス鋼管1内に導入する酸
化性ガス2の流量を特定の値以上として、酸化物皮膜の
酸素源となるのに充分な量の酸素原子を被処理鋼管内に
供給することが好ましい。つまり、ステンレス鋼管1内
に導入する酸化性ガス2の流量を下記の(i)式で求め
られるQ以上とすることが好ましい。
Q={7.24(DL/t)}/C ・・・・・(i)。
なお、上記の(i)式において、Qは対象となる1本
のステンレス鋼管内に導入する酸化性ガスの流量で「リ
ットル/分」の単位で表記されるものである。ここで、
D、L、t及びCはそれぞれ、被処理ステンレス鋼管1
の内径、加熱炉3の前記温度T±10℃の領域部分の長
さ、処理時間(つまり、鋼管の長さ方向のある一点が加
熱炉3の上記長さLを通過するのに要する時間)及び酸
化性ガス中の水蒸気濃度を指すことは既に述べたとおり
で、その単位はそれぞれ、「cm」、「cm」、「分」及び
「体積ppm」である。
ステンレス鋼管1内に導入する酸化性ガス2の流量が
上記の(i)式で求められるQ以上の場合に、ステンレ
ス鋼管1の内面に厚さ10nm以上で、酸素以外の構成元素
においてCrの割合が95原子%以上の酸化物皮膜(Cr
2O3)を安定して、容易に生成させることができる。な
お、ステンレス鋼管1内に導入する酸化性ガス2の流量
が0.6Q程度であれば、後述の実施例で述べるように、ス
テンレス鋼管1の内面に厚さ10nm以上で、酸素以外の構
成元素においてCrの割合が90原子%を超える酸化物皮膜
(Cr2O3)を生成させることができる。
酸化性ガス2の流量を大きくすると処理ガスのコスト
が嵩むので、酸化性ガス2の流量は前記(i)式で求め
られるQの値の3倍以内とすることが好ましい。
酸化性ガス2を導入するのとは反対側のステンレス鋼
管の管端から、更に、効率的な処理を行うためにステン
レス鋼管を長手方向に接続する場合にはその継手部分か
ら、被処理鋼管1の内面に空気あるいは加熱炉3内の非
酸化性ガスが流入すること防ぐために、酸化性ガス2の
導入圧力は鋼管内におけるガス圧力が大気圧及び加熱炉
内圧より高くなるようにしておくと良い。具体的には、
例えば、酸化性ガス2の導入圧力は0.2kgf/cm2以上とす
れば良い。なお、0.5kgf/cm2以上とすれば一層良い。鋼
管内の圧力は、鋼管の内径が小さい場合は管内抵抗によ
り上昇するので、特に昇圧の手段を講ずる必要はない。
しかし、被処理鋼管の内径が大きい場合、具体的には、
内径1cm以上の場合には、鋼管先端を小径化するため
に、内面側直径が10mm未満のオリフィスを有する部品を
取り付けて昇圧させるのが良い。
更に、例えば、被処理鋼管の両端にダミー鋼管をつな
いぎ、少なくともそのガス排出側のダミー鋼管端が加熱
炉の外側に出る状態として、鋼管の内面側雰囲気が外面
側雰囲気(つまり炉内雰囲気)と混ざることを防止する
のが良い。
(E)処理時間(鋼管の長さ方向のある一点が加熱炉の
温度T±10℃の領域部分の長さLを通過するのに要する
時間)t 前記した処理時間tは、1〜60分とするのが好まし
い。処理時間tが1分未満の場合には、生成する酸化物
皮膜の性状が被処理鋼管の内面の凹凸や結晶方位などの
状況によって左右され易く、不均一な酸化物皮膜になっ
てしまうことがあるからである。一方、処理時間tが60
分を超えると酸化処理の能率が劣るし、素材であるフェ
ライト系ステンレス鋼の化学組成によっては、Cr炭化物
の生成が生じてCr酸化物皮膜中のCr濃度が低下したり偏
りが生じてしまうことがあるためである。
本発明では、被処理鋼管1内にその一端から酸化性ガ
ス2を導入しつつ、その鋼管を鋼管長手方向に移動させ
ながら加熱炉3に装入して鋼管1の内面を酸化処理す
る。つまり、被処理鋼管1は、長手方向へ移動すること
で加熱炉3内に入り、主として長さLの前記T±10℃の
温度領域部分で内面に酸化物皮膜を形成される。この加
熱炉3に装入される前の鋼管1の温度は、酸化性ガスが
反応しない温度にしておけば良い。通常は、常温にして
おけば良い。又、内面に酸化処理を施された鋼管1が加
熱炉3から出た後、その外面が大気によって酸化される
のを防止するためには、炉外に出る直前の温度が300℃
以下になるようにするのが良い。
従来の「バッチ方式」による内面酸化処理方法では、
鋼管の全長に亘って酸化反応が同時に起きているのに対
し、本発明に係る内面酸化処理方法では、鋼管1の移動
で加熱炉3内へ装入された部分で酸化反応が進行する。
したがって、従来の方法と比較して本発明に係る方法で
は、常に均一な組成の酸化性ガス、特に水蒸気の含有率
が減少していない酸化性ガスで酸化反応を起こすことが
できるので、鋼管の内面に生成するCr酸化物皮膜中のCr
の含有量や膜厚が一定となる。
本発明に係る方法では、複数の鋼管を長手方向に接続
することによって連続的に鋼管内面を酸化処理すること
ができる。この場合、既に述べたように、その継手部か
ら鋼管内面に外部雰囲気が流入することを避けることが
重要である。そのためには、溶接、金属ガスケット式機
械継手や食い込み式機械継手など気密性のある接続方法
を採れば良い。
(実施例) 次に実施例によって本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
(実施例1) 表1に示す化学組成のフェライト系ステンレス鋼を真
空溶解炉を用いて溶製し、その鋼塊を熱間鍛造して丸鋼
に加工した後、更に熱間押し出しによって継目無鋼管と
した。このようにして得た継目無鋼管に冷間圧延と冷間
抽伸を行って縮径と減厚を行い、表2に示す3種類の寸
法のステンレス鋼管を作製した。なお、上記の冷間圧延
と冷間抽伸の後、純水素ガス雰囲気中で加熱する通常の
光輝焼鈍を行った。
光輝焼鈍したステンレス鋼管の内面は通常の方法で電
解研磨し、表面粗さをRmaxで1μm以下に平滑化し、次
いで、高純度水によって洗浄した後乾燥させた。
上記の処理を施したステンレス鋼管に対して、両側に
同寸法のダミー管を接続し、その後端から酸化性ガスを
導入しながら鋼管を長手方向に移動させて加熱炉に装入
し、内面酸化処理を行った。この際、一部の供試鋼管は
所謂「スウェッジロック」と称される食い込み式機械継
手で接続して、連続して酸化処理を行えるようにした。
内径が1.05cmの鋼管に対しては、その先端部に口径4mm
のオリフィスを有する部品を取り付けて、内面酸化処理
を行った。
表3に内面酸化処理における酸化性ガスと加熱条件の
詳細を示す。
酸化処理に使用した加熱炉や鋼管の配置などは図1に
示したとおりで、酸化性ガスの導入圧力は2kgf/cm2とし
た。又、加熱炉内の非酸化雰囲気は1体積ppmの酸素と1
0体積ppmの水蒸気を含む水素ガスであった。表3におけ
る試験番号1〜15は本発明の条件によって内面酸化処理
した本発明例であり、試験番号16〜22はその内面酸化処
理条件が本発明の規定から外れる比較例である。
なお、比較例のうち試験番号21及び22は従来の「バッ
チ方式」の酸化処理とした。「バッチ方式」の酸化処理
は、長さ400cmの鋼管の両端に100cmのダミー管を溶接接
続した供試体を550cmの石英製炉心管に取り付け、長さ5
00cmの管状炉で加熱することにより行った。なおこの管
状炉の均一に加熱される部分(設定温度±10℃の領域)
は中央部の420cmであった。この「バッチ方式」の酸化
処理における酸化性ガスと加熱条件の詳細を表3に併せ
て示す。「バッチ方式」の酸化処理の場合にも石英製炉
心管内の非酸化雰囲気は1体積ppmの酸素と10体積ppmの
水蒸気を含む水素ガスであった。なお、各試験番号にお
いて4本ずつの処理とした。
表3において、被処理鋼管を移動させる試験番号1〜
20については、加熱炉の加熱温度T±10℃の領域部分の
長さを「均熱長さ」として表した。一方、「バッチ方
式」の試験番号21及び22については加熱炉(環状炉)の
設定温度±10℃の領域が420cmであったので、鋼管全長
の400cmを「均熱長さ」として表した。又、「バッチ方
式」の場合、加熱温度T±10℃における保持時間を処理
時間tとした。
酸化処理を施した後の鋼管内面の酸化物皮膜の性状
は、以下のようにして評価した。
すなわち、各試験番号について1本の供試鋼管の両
端、中央部及び各両端と中央部との中間位置の計5箇所
から長さ3cmのサンプルを切り出しそれを縦半割りにし
て、サンプルの内面に形成されているCr酸化物皮膜を皮
膜の深さ方向にN2 +イオンスパッタリングによる2次イ
オン質量分析を行って、主要元素であるCr、Ni、Fe、M
o、Si、Mnの総和に対するCr含有率の最高値(Cr含有
量)とCrが濃化している厚さ(膜厚)を測定した。
表4に、酸化物皮膜の性状評価結果を示す。なお、表
4におけるCr含有率は上述したように主要元素であるC
r、Ni、Fe、Mo、Si、Mnの総和に対するCr含有率の最高
値(原子%)を示す。位置番号は、酸化性ガスを導入し
た端部が「位置1」で、次いで他端に向かって順に「位
置2」から「位置5」としたものである。
表4から本発明例の試験番号1〜15では、供試鋼管の
サイズ及びその長さ方向の位置によらず、Crの含有率が
90原子%を超え、膜厚21〜50nmの均一な酸化物皮膜が生
成していた。このうち試験番号1〜13では、Crの含有率
が95原子%を超え、膜厚31〜50nmの極めて均一な酸化物
皮膜が生成していた。これに対し、酸化性ガスの組成
(水蒸気含有率、水素含有率)及び加熱温度のいずれか
が本発明で規定する条件から外れた試験番号16〜20の比
較例では、酸化物皮膜中のCr含有率は90%を下回る場合
が多く、しかも、酸化物皮膜の厚さは10nmを下回ったり
100nmを超える場合が多い。又、比較例のうち、「バッ
チ方式」による従来例である試験番号21及び22の場合
は、酸化物皮膜中のCr含有率はばらつきが大きく、且つ
その膜厚も大きくばらついたものである。
なお、試験番号1〜15の本発明例の各鋼管について、
光学顕微鏡による組織観察を行ったが、いずれにもCr炭
化物は認められなかった。
内面酸化処理した長さ400cmの各試験番号の供試鋼管
を200cmに切断し、下記の各種特性の調査も行った。
水分放出特性は、鋼管を24時間、湿度50%の実験室内
に放置した後、鋼管内に水分1体積ppb未満の高純度ア
ルゴンガスを1リットル/分で通しながら、鋼管の出側
で水分濃度の減衰挙動を大気圧イオン化質量分析計で測
定した。測定開始から、出側での水分濃度が1体積ppm
以下まで低下する時間により評価した。
耐食性は、鋼管内に塩化水素ガスを0.1気圧封入し温
度80℃で100時間保持した後、鋼管内面の変化の有無を
走査型電子顕微鏡で観察する方法で評価した。
触媒性は、鋼管内に100体積ppmのモノシラン(SiH4
を含むアルゴンガスを通して、鋼管の出側でガスクロマ
トグラフによりモノシランの分解によって生ずるH2濃度
を測定する方法で調査した。この測定を種々の温度で行
い、モノシランの分解する最低の温度により評価した。
表5に各種特性の評価結果を示す。表5から明らかな
ように、本発明例の試験番号1〜15では、試験番号16〜
22の比較例(このうち試験番号21、22は「バッチ方式」
による従来例)に比べて、水分放出特性、耐食性及び非
触媒性に優れている。
(実施例2) 表6に示す化学組成の種々のステンレス鋼A〜Fを真
空溶解炉を用いて溶製し、その鋼塊を熱間鍛造して丸鋼
に加工した後、更に熱間押し出しによって継目無鋼管と
した。このようにして得た継目無鋼管に冷間圧延と冷間
抽伸を行って縮径と減厚を行い、外径が0.953cm、内径
が0.753cm、肉厚が0.10cmで長さが400cmの寸法のステン
レス鋼管を作製した。なお、上記の冷間圧延と冷間抽伸
の後、純水素ガス雰囲気中で加熱する通常の光輝焼鈍を
行った。
光輝焼鈍したステンレス鋼管の内面は通常の方法で電
解研磨し、表面粗さをRmaxで1μm以下に平滑化し、次
いで、高純度水によって洗浄した後乾燥させた。
表6における鋼A〜Dは本発明対象のフェライト系ス
テンレス鋼である。一方、鋼Eはオーステナイト系ステ
ンレス鋼、鋼Fはフェライト・オーステナイト系の2相
ステンレス鋼で、いずれも本発明の対象外のステンレス
鋼である。
上記の処理を施したステンレス鋼管に対して、その後
端から酸化性ガスを導入しながら鋼管を長手方向に移動
させて加熱炉に装入し、内面酸化処理を行った。この内
面酸化処理における酸化性ガスと加熱条件は、実施例1
における試験番号12と同様である。
酸化処理を施した後の鋼管内面の酸化物皮膜の性状
は、実施例1と同様の方法で評価した。
すなわち、各供試鋼管の両端、中央部及び各両端と中
央部との中間位置の計5箇所から長さ3cmのサンプルを
切り出しそれを縦半割りにして、サンプルの内面に形成
されているCr酸化物皮膜を皮膜の深さ方向にN2 +イオン
スパッタリングにより2次イオン質量分析を行って、主
要元素であるCr、Ni、Fe、Mo、Si、Mnの総和に対するCr
含有率の最高値(Cr含有量)とCrが濃化している厚さ
(膜厚)を測定した。
表7に、酸化物皮膜の性状評価結果を示す。なお、表
7におけるCr含有率も上述したように主要元素であるC
r、Ni、Fe、Mo、Si、Mnの総和に対するCr含有率の最高
値(原子%)を示す。位置番号は、酸化性ガスを導入し
た端部が「位置1」で、次いで他端に向かって順に「位
置2」から「位置5」としたものである。
表7から被処理鋼管がフェライト系ステンレス鋼管で
ある本発明例の試験番号23〜26では、供試鋼管のサイズ
及びその長さ方向の位置によらず、Crの含有率が95原子
%以上で、膜厚23〜36nmの均一な酸化物皮膜が生成して
いた。これに対し、酸化性ガスの流量、酸化性ガスの組
成(水蒸気含有率、水素含有率)及び加熱温度が本発明
で規定する条件であっても、被処理鋼管がフェライト系
ステンレス鋼管でない試験番号27及び28の比較例では、
酸化物皮膜中のCr含有率は90%を下回る場合が多く、更
に、酸化物皮膜の厚さが10nmを下回る部位もある。
なお、試験番号23〜26の本発明例の各鋼管について、
光学顕微鏡による組織観察を行ったが、いずれにもCr炭
化物は認められなかった。
産業上の利用可能性 本発明の酸化処理方法により、半導体素子の製造など
で用いる高純度のガスや水といった高純度流体を供給す
るための配管及び配管部材として用いられるフェライト
系ステンレス鋼管の内面全長に亘ってCr含有量と膜厚が
均一なCr酸化物皮膜を高能率で形成させることができ
る。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼管内にその一端から酸化性ガスを導入し
    つつ、その鋼管を鋼管長手方向に移動させながら炉内の
    雰囲気が非酸化性である加熱炉で700〜1100℃の温度領
    域の特定温度T℃に加熱することにより、鋼管の内面に
    Cr酸化物皮膜を形成させるフェライト系ステンレス鋼管
    の内面酸化処理方法。ここで、酸化性ガスとは、水素:1
    0〜99.9999体積%、水蒸気:1〜300体積ppmを含み残部が
    不活性ガスである混合ガスのことをいい、非酸化性の雰
    囲気とは、少なくとも、酸素:3体積ppm以下で、且つ、
    水蒸気:30体積ppm以下の雰囲気、あるいは残留気体の圧
    力:5Pa以下である真空雰囲気をいう。
  2. 【請求項2】酸化性ガスの流量が下記(i)式で表され
    るQ以上である請求の範囲1に記載のフェライト系ステ
    ンレス鋼管の内面酸化処理方法。 Q={7.24(DL/t)}/C ・・・・・(i)。 ここで、Q:対象となる1本のステンレス鋼管内に導入す
    る酸化性ガスの流量(リットル/分)、D:被処理ステン
    レス鋼管の内径(cm)、L:加熱炉の上記加熱温度T±10
    ℃の領域部分の長さ(cm)、t:鋼管の長さ方向のある一
    点が加熱炉のT±10℃の温度領域部分長さを通過するの
    に要する時間(分)、C:酸化性ガス中の水蒸気濃度(体
    積ppm)である。
  3. 【請求項3】酸化性ガスの流量が3Q以下である請求の範
    囲2に記載のフェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処
    理方法。
  4. 【請求項4】加熱温度が750〜1000℃の温度領域の特定
    温度T℃である請求の範囲1又は2に記載のフェライト
    系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法。
  5. 【請求項5】加熱温度が800〜1000℃の温度領域の特定
    温度T℃である請求の範囲1又は2に記載のフェライト
    系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法。
  6. 【請求項6】酸化性ガスの水蒸気含有率が5〜200体積p
    pmである請求の範囲1又は2に記載のフェライト系ステ
    ンレス鋼管の内面酸化処理方法。
  7. 【請求項7】酸化性ガスの水蒸気含有率が10〜100体積p
    pmである請求の範囲1又は2に記載のフェライト系ステ
    ンレス鋼管の内面酸化処理方法。
  8. 【請求項8】酸化性ガスの導入圧力が0.2kgf/cm2以上で
    ある請求の範囲1又は2に記載のフェライト系ステンレ
    ス鋼管の内面酸化処理方法。
  9. 【請求項9】酸化性ガスの導入圧力が0.5kgf/cm2以上で
    ある請求の範囲1又は2に記載のフェライト系ステンレ
    ス鋼管の内面酸化処理方法。
  10. 【請求項10】酸化性ガスを導入するのと反対側の管端
    に内面側直径が10mm未満のオリフィスを有する部品を設
    ける請求の範囲1又は2に記載のフェライト系ステンレ
    ス鋼管の内面酸化処理方法。
  11. 【請求項11】被処理鋼管の管端にダミー鋼管を取り付
    ける請求の範囲1又は2に記載のフェライト系ステンレ
    ス鋼管の内面酸化処理方法。
  12. 【請求項12】被処理鋼管を長手方向に接続し、複数の
    鋼管を連続して処理する請求の範囲1又は2に記載のフ
    ェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法。
  13. 【請求項13】鋼管の素材が、重量%で、C:0.03%以
    下、Si:0.5%以下、Mn:0.2%以下、Ni:5%以下、Cr:20
    〜30%、Mo:0.1〜5%を含み、必要に応じてCu:1%以
    下、W:5%以下、Al:0.05%以下、Ti:1%以下、Zr:1%以
    下、Nb:1%以下、B:0.01%以下、Ca:0.01%以下、Mg:0.
    01%以下、希土類元素:合計で0.01%以下を含有し、残
    部はFe及び不可避的不純物からなり、不純物中のN:0.03
    %以下、P:0.03%以下、S:0.003%以下、O:0.01%以下
    であるフェライト系ステンレス鋼である請求の範囲1又
    は2に記載のフェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処
    理方法。
JP50542299A 1997-06-30 1998-06-22 フェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法 Expired - Fee Related JP3433452B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17332397 1997-06-30
JP9-173323 1997-06-30
PCT/JP1998/002791 WO1999000527A1 (fr) 1997-06-30 1998-06-22 Procede d'oxydation de la surface interne d'un tuyau en acier ferritique

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3433452B2 true JP3433452B2 (ja) 2003-08-04

Family

ID=15958313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50542299A Expired - Fee Related JP3433452B2 (ja) 1997-06-30 1998-06-22 フェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6231690B1 (ja)
EP (1) EP1016734A4 (ja)
JP (1) JP3433452B2 (ja)
KR (1) KR100334667B1 (ja)
TW (1) TW426753B (ja)
WO (1) WO1999000527A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI222958B (en) * 1999-09-27 2004-11-01 Mitsubishi Gas Chemical Co Method for producing hydrocyanic acid synthesis catalyst
KR100784888B1 (ko) * 2000-08-01 2007-12-11 닛신 세이코 가부시키가이샤 자동차용 스테인리스강 연료탱크
JP4042362B2 (ja) * 2000-08-11 2008-02-06 住友金属工業株式会社 Ni基合金製品とその製造方法
US6436202B1 (en) * 2000-09-12 2002-08-20 Nova Chemicals (International) S.A. Process of treating a stainless steel matrix
EP1551591B1 (en) * 2001-06-29 2011-06-15 McCrink, Edward J. Method of producing an air hardenable stainless steel tube
JP4014907B2 (ja) * 2002-03-27 2007-11-28 日新製鋼株式会社 耐食性に優れたステンレス鋼製の自動車用燃料タンクおよび給油管
CN100473730C (zh) * 2004-09-15 2009-04-01 住友金属工业株式会社 管内表面的鳞片的耐剥离性优良的钢管
DE602005021286D1 (de) 2004-09-15 2010-07-01 Sumitomo Metal Ind Stahl-Rohr mit ausgezeichneter Beständigkeit gegen Abblättern auf der inneren Oberfläche
US20060191102A1 (en) * 2005-02-15 2006-08-31 Hayes Charles W Ii Color-coded stainless steel fittings and ferrules
JP5486244B2 (ja) * 2009-09-01 2014-05-07 日野自動車株式会社 フェライト系ステンレス鋼及びその耐食性向上方法
US8685257B2 (en) * 2009-12-10 2014-04-01 Hamilton Sundstrand Space Systems International, Inc. Long-term storage of potable water in metallic vessels
KR20120132691A (ko) * 2010-04-29 2012-12-07 오또꿈뿌 오와이제이 높은 성형성을 구비하는 페라이트-오스테나이트계 스테인리스 강의 제조 및 사용 방법
ES2604714T3 (es) * 2011-11-22 2017-03-08 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Acero ferrítico resistente al calor, y el método de fabricación del mismo
JP6051844B2 (ja) * 2011-12-26 2016-12-27 株式会社ノーリツ 潜熱回収型温水生成用機器およびその製造方法
WO2013146034A1 (ja) 2012-03-28 2013-10-03 新日鐵住金株式会社 含Crオーステナイト合金およびその製造方法
JP2014198874A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 株式会社神戸製鋼所 耐食性と磁気特性に優れた鋼材およびその製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535254B2 (ja) * 1972-01-10 1978-02-25
JP2768952B2 (ja) 1988-08-04 1998-06-25 忠弘 大見 金属酸化処理装置及び金属酸化処理方法
JPH03111552A (ja) 1989-09-26 1991-05-13 Osaka Oxygen Ind Ltd 金属管酸化処理装置
JP3111552B2 (ja) 1991-10-14 2000-11-27 東ソー株式会社 磁気記録媒体及びその製造方法
JP3379070B2 (ja) * 1992-10-05 2003-02-17 忠弘 大見 クロム酸化物層を表面に有する酸化不動態膜の形成方法
JP2783128B2 (ja) * 1993-08-24 1998-08-06 住友金属工業株式会社 クリーンルーム用ステンレス鋼部材およびその製造方法
JP3268927B2 (ja) * 1993-12-22 2002-03-25 新日本製鐵株式会社 加工性と耐銹性に優れたフェライト系ステンレス鋼光輝焼鈍材
JP3576598B2 (ja) 1993-12-30 2004-10-13 忠弘 大見 酸化不動態膜の形成方法及びフェライト系ステンレス鋼並びに流体供給システム及び接流体部品
JPH07197206A (ja) 1993-12-30 1995-08-01 Tadahiro Omi ステンレス鋼及び配管システム
JP2932966B2 (ja) 1995-05-08 1999-08-09 住友金属工業株式会社 高純度ガス用フェライト系ステンレス鋼材

Also Published As

Publication number Publication date
TW426753B (en) 2001-03-21
KR20010014210A (ko) 2001-02-26
KR100334667B1 (ko) 2002-04-27
WO1999000527A1 (fr) 1999-01-07
US6231690B1 (en) 2001-05-15
EP1016734A1 (en) 2000-07-05
EP1016734A4 (en) 2004-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3433452B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼管の内面酸化処理方法
US5830408A (en) Stainless steel for high-purity gases
JP3576598B2 (ja) 酸化不動態膜の形成方法及びフェライト系ステンレス鋼並びに流体供給システム及び接流体部品
KR100227571B1 (ko) 오존함유수용 스테인리스 강재 및 그 제조방법
JPH1088288A (ja) 高純度ガス用二相ステンレス鋼材およびその製造方法
JP3596234B2 (ja) オゾン含有水用ステンレス鋼材およびその製造方法
JP3864585B2 (ja) ステンレス鋼管内面の酸化処理方法
JP2932966B2 (ja) 高純度ガス用フェライト系ステンレス鋼材
JP2783128B2 (ja) クリーンルーム用ステンレス鋼部材およびその製造方法
JP2720716B2 (ja) 耐食性に優れる高純度ガス用オーステナイト系ステンレス鋼材及びその製造方法
JPH0860307A (ja) 高純度ガス用ステンレス鋼管
JP3119165B2 (ja) 高純度ガス用ステンレス鋼材の製造方法
JP2836531B2 (ja) 耐食性に優れたステンレス鋼部材の製造方法
JP2992977B2 (ja) 高純度ガス用高Crステンレス鋼
JP3985372B2 (ja) 耐オゾン含有水性高純度ステンレス鋼材の製造方法
JP2001140044A (ja) 配管用低発塵、高耐食性ステンレス鋼管
JPH10280123A (ja) オゾン含有超純水用ステンレス鋼部材およびその製造方法
JPH07126828A (ja) 半導体製造装置用高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼部材の製造方法
JP2737551B2 (ja) 耐食性に優れる高純度ガス用オーステナイト系ステンレス鋼材の製造方法
JP3257492B2 (ja) 耐オゾン含有水性に優れるステンレス鋼材の製造方法
JP3446051B2 (ja) 表面性状に優れた高珪素鋼板の製造方法
JP3227805B2 (ja) 高純度ガス用高耐食ステンレス鋼
JPH0673507A (ja) 高純度ガス配管用オーステナイト・ステンレス鋼管
JPH0762219B2 (ja) 極高真空機器用ステンレス鋼
JPH05267232A (ja) 半導体製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090530

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees