JP2010150625A - ニッケル基合金とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳造組織を微量介在物で制御することにより、マクロな成分偏析を極力抑えることのできるNi基合金およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Ti:0.01〜1.4mass%、Al:0.02〜0.4mass%、残部がNiおよび不可避的不純物から成る成分組成を有するNi基合金であって、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とするNi基合金。
Al≧0.38Ti−0.132 (1)
Al≦0.1439Ti+0.1986 (2)
Al≧−0.2051Ti+0.1020 (3)
(式中、Ti−Alは各成分のmass%での含有量を示す)
【選択図】図1

Description

本発明は、Ni基合金の鋳造スラブに係り、特に、スラブを等軸晶化することにより鋼塊中心部のマクロ偏析を軽減し、パーマロイ系の合金では磁気特性を改善し、モネル系の合金では耐食性を改善するなど、Ni基合金の各種特性を向上する技術に関する。
Ni基合金は、オーステナイト系であり、比較的鋼塊の中心部に顕著な偏析が残留する問題があった。この偏析は、インゴット等の冷却時において、放熱方向を軸としてデンドライト状に固相が成長していき、その結果、その軸に沿った柱状の粗大結晶が形成された結果、形成される。このような中心偏析があると、板厚中心部において各種の特性が低下する。例えば、軟磁性材料であれば中心部の磁気特性に悪影響し、高耐食合金では、断面の耐食性が低下してしまう。これらの特性の低下を防止するには、初晶の核がインゴット内に多数、ランダムに形成され、放熱方向とは無関係に、微小かつ均等に成長した等軸晶を形成することが好ましい。
ところで、フェライト系ステンレス鋼においては、TiNを初晶の核生成剤として利用して等軸晶化する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照)。また、普通鋼の連続鋳造スラブの等軸晶化のために、MgAl、CaS、CeS、TiN、Ce、TiCおよびSiCのいずれか1種以上を溶融合金中に吹き付ける技術が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
特開平11−350078号公報 特開2000−144342号公報 特開2001−20046号公報 特開2002−30395号公報 特開2001−225153号公報
しかしながら、Ni基合金に対して上記のような最適な等軸晶形成物質がなく、Ni基合金中の偏析の問題は解決されていない状況である。よって、本発明は、鋳造組織を微量介在物で制御することにより、マクロな成分偏析を極力抑えることのできるNi基合金およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、本発明のNi基合金は、Ti:0.01〜1.4mass%、Al:0.02〜0.4mass%、残部がNiおよび不可避的不純物から成る成分組成を有するNi基合金であって、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴としている。
Al≧0.38Ti−0.132 (1)
Al≦0.1439Ti+0.1986 (2)
Al≧−0.2051Ti+0.1020 (3)
(式中、Ti−Alは各成分のmass%での含有量を示す)
さらに、Ni基合金においては、Niを30〜85mass%含有し、さらにFe、MoおよびCuから選ばれる1種または2種以上を合計で1〜40mass%以下含有することを好ましい態様としている。
また、本発明のNi基合金の製造方法は、上述のNi基合金を製造するための方法であって、原料をAr雰囲気にて溶解して溶融合金を得、この溶融合金に0.03〜1.5mass%のTiおよび0.02〜0.5mass%のAlを添加することによりTi−Al系酸化物を生成させ、鋳型に鋳造し、冷却して鋼塊とすることを特徴としている。
本発明Ni基合金およびその製造方法によれば、上述した偏析によって形成される柱状晶の形成をインゴット周縁部の一部に留め、それ以外の中心部においては柱状晶を抑制し、等軸晶を優先的に形成させることができる。また、本発明によれば、鋳型に鋳造した鋼塊の断面における等軸晶の占める割合を面積率にして30%以上とすることができる。
数トン以上レベルで量産されているNi基合金の特性は、非金属介在物や、成分偏析に大きく影響されることは知られている。特に鋳造の際に鋳型より柱状晶として成長すると、鋼塊中心部にマクロ的な成分偏析を生じ、要求される特性に悪影響を及ぼす場合がある。そこで、成分偏析の抑制には、凝固の際に柱状晶の成長を可能なかぎり少なくし、等軸晶で成長させることが有効である。等軸晶化するためには、溶融合金が凝固する際に、固相の核生成サイトとなるような非金属介在物を分散させること、あるいは溶融合金自体が核生成サイトを形成して等軸晶として成長することが望まれる。
本発明者らは、凝固組織を柱状晶ではなく微細かつ等軸晶化するための方法について鋭意研究を行い、TiおよびAlを用いて添加することによりTiおよびAlの酸化物系非金属介在物を生成させ、微細な等軸晶を得ることに成功した。明確な等軸晶形成機構は不明な点が多いが、Ti−Al系酸化物がオーステナイト相の核生成を助ける役割を持つものと推定される。
通常、Ni基合金の溶融合金を冷却した場合、溶融合金は一旦融点よりも温度が低下して過冷却状態を経た後、温度が上昇して凝固点に達し、この過程で柱状晶を多く含む固相を形成する。ここで、本発明に規定する所定量のTiおよびAlをNi基合金に添加すると、TiおよびAlは、溶融合金中の酸素および/またはAr雰囲気中に含まれる酸素と反応してTiO−Al複合酸化物層を浴面に形成する。そしてこの溶融合金を冷却すると、TiおよびAlを添加しない場合よりも、等軸晶を多く含む固相を形成する。この機構としては、溶融合金の浴面に形成される複合酸化物層が起点となってNi基合金の核が多数生成し、生成した核が溶融合金中に沈降して微細な等軸晶を多数生成するものと考えられる。
すなわち、本発明は、Ti:0.01〜1.4mass%、Al:0.02〜0.4mass%、残部がNiおよび不可避的不純物から成る成分組成を有するNi基合金であって、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とするNi基合金である。
Al≧0.38Ti−0.132 (1)
Al≦0.1439Ti+0.1986 (2)
Al≧−0.2051Ti+0.1020 (3)
(式中、Ti−Alは各成分のmass%での含有量を示す)
本発明のNi基合金は、Niを30〜85mass%含有し、さらにFe、MoおよびCuから選ばれる1種または2種以上を合計で1〜40mass%以下含有することを特徴とするNi基合金に最良の効果がある。
さらに、製造方法についても提案する。すなわち、原料をAr雰囲気にて溶解して溶融合金を得、この溶融合金に0.03〜1.5mass%のTiおよび0.02〜0.5mass%のAlを添加することによりTi−Al系酸化物を生成させ、鋳型に鋳造し、冷却して鋼塊とすることを特徴とするNi基合金の製造方法である。この製造方法によれば、鋳型に鋳造した鋼塊の断面における等軸晶率が面積率にして30%以上を得ることができて、マクロ偏析を抑制することが実現できる。
以下、本発明の構成要素について詳細に説明する。
(Ti:0.01〜1.4mass%)
Tiが0.01mass%より低いと、Ni基合金に凝固核を形成させ等軸晶の形成に必要なTi−Al系酸化物のうちTi系酸化物の生成量が不足し、凝固組織は柱状晶成長する傾向が強くなる。場合により、等軸晶率が30%よりも低くなってしまう。一方、Tiが1.4mass%より多くなると、Ti−Al系酸化物のうちのTi系酸化物が過多となる。その結果、凝固組織が柱状晶として成長してしまう。場合により、等軸晶率が30%よりも低くなってしまう。そのため、0.01〜1.4mass%とした。好ましくは、0.02〜0.6mass%、さらに好ましくは、0.1〜0.5mass%である。
(Al:0.02〜0.4mass%)
Alが0.02mass%より低いと、Ni基合金に凝固核を形成させ等軸晶の形成に必要なTi−Al系酸化物のうちAl系酸化物の生成量が不足し、凝固組織は柱状晶成長する傾向が強くなる。場合により、等軸晶率が30%よりも低くなってしまう。一方、Alが0.4mass%より多くなると、Ti−Al系酸化物のうちのAl系酸化物が過多となる。その結果、凝固組織が柱状晶として成長してしまう。場合により、等軸晶率が30%よりも低くなってしまう。そのため、0.02〜0.4mass%とした。好ましくは、0.04〜0.35mass%、さらに好ましくは、0.07〜0.32mass%である。
図1は、Ni基合金中のTi濃度とAl濃度と、形成される凝固形態との関係を示すグラフである。図中、点A〜Dで囲まれる領域においては、上述のとおりTi酸化物とAl酸化物が共存して溶融合金の浴面に複合酸化物層を形成するため、これが核生成のきっかけとなってNi基合金中に等軸晶を主に形成することとなる。点AとDを結ぶ直線ADの上側、すなわちAl濃度が本発明の範囲より高すぎる領域においては、Ti酸化物に比してAl酸化物が多くなり過ぎ、Ni基合金に凝固核を形成する作用が弱まって柱状晶の形成が優勢となってしまう。
直線CDの右側、すなわちTi濃度が本発明の範囲より高すぎる領域においては、Al酸化物に比してTi酸化物が多くなり過ぎ、Ni基合金に凝固核を形成する作用が弱まって柱状晶の形成が優勢となってしまう。直線BCの下側においては、Al酸化物およびTi酸化物が共に生成量が不足し、Ni基合金に凝固核を形成する作用が弱まって柱状晶の形成が優勢となってしまう。
(酸素:1〜50ppm )
酸素が1ppmより少ないと、凝固核であるTi−Al複合酸化物が少なくなる為に、柱状晶成長する傾向が強くなる。場合により、等軸晶率が30%よりも低くなってしまう。一方、酸素が50ppmより高くなると、生成する酸化物はTi−Al系酸化物ではなく、凝固組織は柱状晶成長する傾向が強くなる。場合により、等軸晶率が30%よりも低くなってしまう。好ましくは、4〜48ppm、より好ましくは7〜45ppmである。
また、本発明では、製造方法も提案する。基本的な工程は、電解鉄、純Ni、モリブデン、銅などの合金原料を溶解混合し、TiおよびAlを添加して鋳型に鋳込むものである。このとき、より好ましい態様を説明する。まず、溶解炉は高周波誘導炉が適している。その他に、電気抵抗炉、アーク式電気炉、プラズマ溶解炉なども適する。溶解炉は雰囲気が調整できるようなチャンバーがあればより好ましい。例えば、真空誘導炉はより適した態様と言える。溶融合金を保持するための坩堝は、比較的化学的に安定した素材が好ましく、等軸晶形成の起点となるTi−Al複合酸化物の生成を助けるため、アルミナであると好ましい。石英はTiと反応する傾向があるので適さない。
雰囲気は原料の著しい酸化を防ぐべく、Ar雰囲気にて溶解することが好ましい。より好ましくは、溶解する前に、真空引きしてからArガスを導入するとより酸素および窒素濃度を適した濃度まで低下させることができる。また、温度は合金の融点にもよるが、1500〜1600℃ほどが適している。Ar中に含まれる酸素は、溶融合金の表面にTi−Al系複合酸化物を生成するために消費されるため、Ar中の酸素濃度としては0.1〜100ppmが好ましい。
このようにして、主原料を溶解したあと、Tiを0.03〜1.5mass%およびAlを0.02〜0.5mass%添加する。このとき、溶融合金中の酸素は数10〜数100ppm程度溶解しているが、TiおよびAlと反応してTi−Al複合酸化物を形成する。Ti−Al複合酸化物を溶融合金の浴面に形成させるために、最低でも1分間は保持することが好ましい操作である。
なお、上述のTiの含有量の項目では0.01〜1.4mass%、Alの含有量の項目では0.02〜0.4mass%と規定したのに対し、製造段階において0.03〜1.5mass%のTiおよび0.02〜0.5mass%のAlを添加する理由は、一部のTi−Al複合酸化物が浮上除去されてしまうことを見込んで多めに添加し、最終的に含有量をTi:0.01〜1.4mass%およびAl:0.02〜0.4mass%とするためである。
この後、常法にしたがい鋳型に鋳込むか、またはそのまま坩堝内で固めてもよい。いずれの固め方においても、冷却速度は0.1〜100℃/秒の範囲に制御することが望ましい。その理由であるが、速すぎると鋼塊内部に引け巣状の欠陥が発生し、遅すぎると結晶粒が粗大になる傾向が強くなるからである。より望ましいのは、0.3〜50℃/秒である。
この製造方法によれば、鋳型に鋳造した鋼塊の断面における等軸晶率が面積率にして30%以上、好ましくは40%以上を得ることができて、鍛造品、熱延品、冷延品など製品におけるマクロ偏析を抑制することが実現できる。
特に、本発明におけるNi基合金は、Niを30〜85mass%含有し、さらにFe、MoおよびCuから選ばれる1種または2種以上を合計で1〜40mass%以下含有することを特徴とするNi基合金に最良の効果がある。
具体的には、PC(パーマロイC:Ni−4mass%Mo−5mass%Cu−13mass%Fe)、NW4400(Monel400:Ni−33 mass%Cu)が適した合金である。
もちろん、これに限らず、NW2201(99mass%Ni)、NCF690(Ni−30.0mass%Cr−9.5mass%Fe)、NW6022(Hastelloy C−22:Ni−21.3mass%Cr−13.5mass%Mo−4mass%Fe−3mass%W)、NW0276(Hastelloy C−276:Ni−15.5mass%Cr−16mass%Mo−5.5mass%Fe−3.8mass%W)、NCF600(INCONEL 600:Ni−15.5 mass%Cr−7mass%Fe)、NCF800(30〜35mass%Ni−21mass%Cr−Fe)、NCF800H(30〜35mass%Ni−21mass%Cr−Fe)、NW6002(Ni−21.5mass%Cr−9mass%Mo−18.5mass%Fe−1.2mass%Co)、Fe−36%Ni、Fe−42%Ni、PB(パーマロイB)、Fe−50.5%Ni、Fe−42%Ni−6%Cr、Fe−47%Ni−6%Cr等のNi基合金でも効果がある。
実施例を示して本発明の効果をより明確に説明する。
表1に記載の所定の化学組成を有する合金系となるように秤量した発明例1〜15および比較例1〜11のNi、Fe、Mo、Cuからなる各原料300gを高周波溶解炉に装入した。用いた設備は真空誘導炉であり、雰囲気は酸素を0.5ppm含むアルゴンとした。溶解温度は1600℃とした。完全に溶解後、溶湯を10分間保持し、その後、場合によりAlあるいはTi、またはその複合的な添加操作を行った。この操作は、表1のTi−Alの各添加量によりわかるように示した。添加完了後、3分間保持後に溶解炉の電源を切り、アルミナ製のルツボの中でそのまま冷却しインゴットとした。この時の冷却曲線を、図2のグラフに示す。
作製したインゴットの底部から15mmの箇所を切り出し、鏡面研磨後、王水で腐食しマクロ組織観察を行った。また、これらのうち、発明例10および比較例10のインゴットの撮影画像を図3および4に示した。図において、中心角90度の扇形形状の部分がインゴットの1/4分割部分を表し、それ以外の部分は保持部材が写ったものである。また、各発明例および比較例の等軸晶率の結果を表1に併記した。
なお、表1において、添加元素添加量の項目は、製造工程において投入した量を示し、化学組成の項目は、実際に製造した後のインゴットの組成を示す。したがって、前者のTi添加量は請求項5の範囲(0.03〜1.5mass%)と関連しており、後者の化学組成は請求項1の範囲(0.01〜1.4mass%)と関連している。Alについても同様である。
各測定方法、評価方法を以下に説明する。
(化学成分)
湿式による化学分析により、酸素濃度は不活性ガスインパルス融解赤外線吸収法により分析した。残部はNiである。なお、ここには示していないがSi、Mnは合金元素として含んでいる場合があり、不可避的不純物として、P、S、Nを合計で0.2mass%以下程度含んでいる。
(等軸晶率)
鏡面研磨後、王水で腐食しマクロ組織観察を行い、等軸晶部分の面積率を画像解析により求めた。なお、特定範囲内の結晶粒の数nとその面積Sから次式(4)を用いて平均結晶粒径lを算出し、平均粒径が0.6mm以下のものを等軸晶とし、それを超えるものを柱状晶とした。
Figure 2010150625
Figure 2010150625
実施例の結果について、詳細を説明する。
発明例1〜15は、すべて本発明の範囲を満たすために、凝固組織形態が等軸晶主体となり、等軸晶率も30%以上に制御されている。その結果、平均粒径も細かく、すべて0.5mm以下であった。
一方、比較例はいずれかの条件が外れているために、凝固組織形態が柱状晶主体となった。具体的には、比較例1、6および7はTiを添加していないために、Ti−Al系酸化物が発生せず、まったく等軸晶が形成しなかった。比較例3〜5および11はAlを添加していないために、ルツボから得られるAl成分以外にTi−Al系酸化物が発生せず、等軸晶はある程度形成したものの等軸晶率は低かった。比較例2および10はTiが過多であり、比較例8および9はAlが過多であったため、Ti−Al系酸化物の発生量が不足し、等軸晶はある程度形成したものの等軸晶率は低かった。
本発明によれば、Ni基合金の鋼塊を効果的に等軸晶化することが可能である。その結果、鋼塊中心部のマクロ偏析を軽減し、各種特性を向上することが実現される。特に、パーマロイ系の合金では、磁気特性を改善し、磁気ヘッド、磁気シールド材やトランスコアの鉄心等の性能が上がる。モネル系の合金では、耐食性が改善され化学プラントなどに効果的に適用できる。
また、本発明の合金をNi基合金板の溶接棒として用いたり、あるいは、ノンフィラーで溶接した場合、溶接金属部の組織が効果的に等軸晶化する。そのため、環境によっては耐食性、特にオーステナイト系合金で問題となりやすい応力腐食割れ性が改善される。
パーマロイ系の合金では、磁気特性を改善し、磁気ヘッド、磁気シールド材やトランスコアの鉄心等に好適であり、モネル系の合金では、耐食性を改善し、化学プラントなどに好適である。
本発明のTiおよびAl濃度と形成される凝固形態との関係を示すグラフである。 本発明における溶融合金の冷却曲線を示すグラフである。 発明例10の凝固組織(等軸晶率100%)を示す画像である。 比較例10の凝固組織(等軸晶率20%)を示す画像である。

Claims (6)

  1. Ti:0.01〜1.4mass%、Al:0.02〜0.4mass%、残部がNiおよび不可避的不純物から成る成分組成を有するNi基合金であって、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とするNi基合金。
    Al≧0.38Ti−0.132 (1)
    Al≦0.1439Ti+0.1986 (2)
    Al≧−0.2051Ti+0.1020 (3)
    (式中、Ti−Alは各成分のmass%での含有量を示す)
  2. 前記Ni基合金は、酸素を1〜50ppm含有することを特徴とする請求項1に記載のNi基合金。
  3. 前記Ni基合金は、Niを30〜85mass%含有し、さらにFe、MoおよびCuから選ばれる1種または2種以上を合計で1〜40mass%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のNi基合金。
  4. 前記Ni合金の断面における等軸晶の占める割合が面積率にして30%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のNi基合金。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のNi基合金の製造方法であって、原料をAr雰囲気にて溶解して溶融合金を得、この溶融合金に0.03〜1.5mass%のTiおよび0.02〜0.5mass%のAlを添加することによりTi−Al系酸化物を生成させ、鋳型に鋳造し、冷却して鋼塊とすることを特徴とするNi基合金の製造方法。
  6. 前記鋳型に鋳造した鋼塊の断面における等軸晶の占める割合が面積率にして30%以上であることを特徴とする請求項5に記載のNi基合金の製造方法。
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