JPH07196895A - 液晶性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶性ポリエステル樹脂組成物

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JPH07196895A JP5336953A JP33695393A JPH07196895A JP H07196895 A JPH07196895 A JP H07196895A JP 5336953 A JP5336953 A JP 5336953A JP 33695393 A JP33695393 A JP 33695393A JP H07196895 A JPH07196895 A JP H07196895A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モールドデポジットの発生量が著しく少な
い、液晶性ポリエステルとポリアルキレンテレフタレー
ト樹脂とのブレンド物を得る。 【構成】 (A) 液晶性ポリエステル99〜50重量%と(B)
ポリアルキレンテレフタレート樹脂1〜50重量%とから
なる樹脂成分100 重量部に対し、(C) 亜リン酸エステル
0.001 〜5重量部を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形品材料として好適
な樹脂組成物に関する。更に詳細には、本発明は成形時
におけるモールドデポジットが改良され、且つ熱的、化
学的に安定で分解ガス発生等がなく、しかも優れた機械
的特性を有する液晶性ポリエステル樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、異方性溶融相を形成し得る液晶性ポリエステル樹脂
(LCP)は、高強度、高剛性、高耐熱性、易成形性と
云った数多くの特性を有する熱可塑性樹脂であるが、分
子鎖配向方向と垂直方向では成形収縮率や機械物性が異
なり、更に高価格と云った、商業上の不利もある。そこ
で、LCPに他の樹脂をブレンドする試みがなされてお
り、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートに代表されるポリアルキレンテレフタレ
ート樹脂は有望なブレンド樹脂の一つと考えられてい
る。しかしながら、単にLCPとポリアルキレンテレフ
タレートとをブレンドした樹脂組成物からなる射出成形
体では、それぞれ単独の樹脂では全く問題がなくともブ
レンド品になるとそれぞれの樹脂の相互作用からかモー
ルドデポジットが発生してしまうという問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
に鑑み、成形時にモールドデポジットが発生しない素材
を得るべく鋭意探索、検討を行ったところ、液晶性ポリ
エステルとポリアルキレンテレフタレートとのブレンド
品に亜リン酸エステルを少量添加すると、液晶性ポリエ
ステルの特性を生かしながら著しくモールドデポジット
の発生を抑制することができることを見出し、本発明を
完成するに到った。即ち、本発明は、(A) 異方性溶融相
を形成し得る溶融加工性ポリエステル(液晶性ポリエス
テル)99〜50重量%と(B) ポリアルキレンテレフタレー
ト樹脂1〜50重量%とからなる樹脂成分100 重量部に対
し、(C) 亜リン酸エステル0.001 〜5重量部を添加して
なる液晶性ポリエステル樹脂組成物である。
【0004】以下、本発明の組成物を構成する成分につ
いて詳しく説明する。本発明に用いられる(A) 液晶性ポ
リエステルとは、溶融加工性ポリエステルで、溶融状態
でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を有し
ている。分子がこのように配列した状態をしばしば液晶
状態または液晶性物質のネマチック相という。このよう
なポリマー分子は、一般に細長く、偏平で、分子の長軸
に沿ってかなり剛性が高く、普通は同軸または平行のい
ずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合を有しているよ
うなポリマーからなる。異方性溶融相の性質は、直交偏
光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することが
できる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leit
z 偏光顕微鏡を使用し、Leitz ホットステージにのせた
溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することに
より実施できる。本発明のポリマーは直交偏光子の間で
検査したときにたとえ溶融静止状態であっても偏光は透
過し、光学的に異方性を示す。本発明に使用するのに適
した液晶性ポリエステルは、一般溶剤には実質的に不溶
である傾向を示し、したがって溶液加工には不向きであ
る。しかし、既に述べたように、これらのポリマーは普
通の溶融加工法により容易に加工することができる。本
発明で用いられる液晶性ポリエステルは、芳香族ポリエ
ステル及び芳香族ポリエステルアミドが好ましく、芳香
族ポリエステル及び芳香族ポリエステルアミドを同一分
子鎖中に部分的に含むポリエステルも好ましい例であ
る。
【0005】特に好ましくは、芳香族ヒドロキシルカル
ボン酸、芳香族ヒドロキシルアミン、芳香族ジアミンの
群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分
として有する液晶性芳香族ポリエステル、液晶性芳香族
ポリエステルアミドである。より具体的には、 1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体
の1種又は2種以上からなるポリエステル 2)主として a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種
又は2種以上と b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその
誘導体の1種又は2種以上と c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール
及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とからな
るポリエステル 3)主として a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種
又は2種以上と b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及びその
誘導体の1種又は2種以上と c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその
誘導体の1種又は2種以上とからなるポリエステルアミ
ド 4)主として a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種
又は2種以上と b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及びその
誘導体の1種又は2種以上と c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその
誘導体の1種又は2種以上と d) 芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール
及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とからな
るポリエステルアミド が挙げられる。更に上記の構成成分に必要に応じ分子量
調整剤を併用しても良い。本発明の液晶性ポリエステル
を構成する具体的化合物の好ましい例は、2,6 −ナフタ
レンジカルボン酸、2,6 −ジヒドロキシナフタレン、1,
4 −ジヒドロキシナフタレン及び6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸等のナフタレン化合物、4,4'−ジフェニルジ
カルボン酸、4,4'−ジヒドロキシビフェニル等のビフェ
ニル化合物、下記一般式(I) 、(II)又は(III) で表され
る化合物:
【0006】
【化1】
【0007】(但し、X:アルキレン(C1〜C4) 、アルキ
リデン、-O- 、-SO-、-SO2- 、-S- 、-CO-より選ばれる
基 Y:-(CH2)n (n=1〜4)、-O(CH2)nO (n= 1〜4)より
選ばれる基) p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ハイドロキノ
ン、p−アミノフェノール及びp−フェニレンジアミン
等のパラ位置換のベンゼン化合物及びそれらの核置換ベ
ンゼン化合物(置換基は塩素、臭素、メチル、フェニ
ル、1−フェニルエチルより選ばれる)、イソフタル
酸、レゾルシン等のメタ位置換のベンゼン化合物であ
る。又、本発明に使用される液晶性ポリエステルは、上
述の構成成分の他に同一分子鎖中に部分的に異方性溶融
相を示さないポリアルキレンテレフタレートであっても
よい。この場合のアルキル基の炭素数は2乃至4であ
る。上述の構成成分の内、ナフタレン化合物、ビフェニ
ル化合物、パラ位置換ベンゼン化合物より選ばれる1種
若しくは2種以上の化合物を必須の構成成分として含む
ものが更に好ましい例である。又、p−位置換ベンゼン
化合物の内、p−ヒドロキシ安息香酸、メチルハイドロ
キノン及び1−フェニルエチルハイドロキノンは特に好
ましい例である。構成成分となるエステル形成性の官能
基を有する化合物の具体例及び本発明で用いられるのに
好ましい異方性溶融相を形成するポリエステルの具体例
については特公昭63−36633 号公報に記載されている。
本発明で用いるのに好適な液晶性ポリエステルは一般に
重量平均分子量が約2,000 〜200,000 、好ましくは約1
0,000〜50,000、特に好ましくは約20,000〜25,000であ
る。一方、好適な芳香族ポリエステルアミドは一般に重
量平均分子量が約5,000 〜50,000、好ましくは約10,000
〜30,000、特に好ましくは15,000〜27,000である。かか
る分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーならびにその他のポリマーの溶液形成を伴わない
標準的測定法、たとえば圧縮成形フィルムについて赤外
分光法により末端基を定量することにより実施できる。
また、ペンタフルオロフェノール溶液にして光散乱法を
用いて分子量を測定することもできる。上記の芳香族ポ
リエステル及びポリエステルアミドはまた、60℃でペン
タフルオロフェノールに0.1 重量%濃度で溶解したとき
に、少なくとも約2.0dl/g 、たとえば約2.0 〜10.0dl/g
の対数粘度(I.V.)を一般に示す。
【0008】本発明で用いられる(B) ポリアルキレンテ
レフタレート樹脂とは、テレフタル酸と各種アルキレン
ジオールとを主成分として重縮合によって得られる飽和
アルキレンテレフタレート重合体又は共重合体である。
共重合成分としては、イソフタル酸、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールA、2,2 −ビス(β−ヒド
ロキシエトキシフェニル)プロパン及びそのハロゲン置
換体及びこれらのエステル形成性誘導体等が好ましいも
のとして挙げられる。又、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット
酸、トリメシン酸及びこれらのエステル形成性誘導体等
の如き多官能性モノマーを少量併用した分岐構造を有す
るポリアルキレンテレフタレート樹脂であってもよい。
又、その重合度に関しても特に制限はなく、成形加工性
を有するものであればよい。具体的には、例えばポリブ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートイ
ソフタレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレートイソフタレート共重合体、
ポリブチレン−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト共重合体、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタ
レート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレー
トイソフタレート共重合体等のポリアルキレンテレフタ
レートホモポリマー、コポリマー等が特に好ましい例と
して挙げられる。斯かるポリアルキレンテレフタレート
は二種以上の混合物であってもよいが、特にポリエチレ
ンテレフタレート及びその共重合体が(A) 液晶性ポリエ
ステルとの溶融混練温度の点で好ましい。
【0009】次に、本発明で用いられる(C) 亜リン酸エ
ステルは本発明の特徴をなす成分であり、(A) 液晶性ポ
リエステルに(B) ポリアルキレンテレフタレートを添加
してなるブレンド系において、その成形時のモールドデ
ポジットの発生を抑制する作用を有するものである。
(C) 成分の添加による上記作用の機構は明らかではない
が、(C) 成分を添加しなくとも液晶性ポリエステル、ポ
リアルキレンテレフタレート夫々単独では、成形時のモ
ールドデポジットの発生は少ないことから、液晶性ポリ
エステルの末端によりブレンドしたポリアルキレンテレ
フタレートが分解されるのを防いでいるためではないか
と推測される。又、本発明で用いられる(C) 亜リン酸エ
ステルは特に限定されないが、例を示すとトリフェニル
フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファ
イト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファ
イト、ジ(2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフ
ォスファイト等が挙げられ、特にペンタエリスリトール
系亜リン酸エステルが好ましい。又、これらの亜リン酸
エステルは二種以上混合して使用することもできる。
【0010】本発明において、各成分の配合比は以下の
通りである。先ず、(A) 液晶性ポリエステル樹脂と(B)
ポリアルキレンテレフタレート樹脂とからなる樹脂成分
においては、(A) 液晶性ポリエステル樹脂99〜50重量%
に対し、(B) ポリアルキレンテレフタレート樹脂1〜50
重量%であることが必要である。又、上記樹脂成分100
重量部に対し、(C) 亜リン酸エステルは0.001 〜5重量
部配合される。0.001 重量部未満では、モールドデポジ
ットの発生を抑制する効果はほとんどなく、又、5重量
部を越えて配合すると機械的強度等が極端に悪くなる。
又、本発明においては、更に(D) 成分としてヒンダード
フェノール系化合物を上記樹脂成分100 重量部に対し、
0.001 〜5重量部を添加することが好ましい。(D) ヒン
ダードフェノール系化合物は、それ単独で配合してもあ
まり効果はないが、(C) 亜リン酸エステルと併用するこ
とにより、モールドデポジットの発生抑制効果を増大さ
せる。
【0011】又、本発明の樹脂組成物には、使用目的に
応じて各種の繊維状、粉粒状、板状の(E) 無機充填剤を
配合することが出来る。繊維状充填剤としては、ガラス
繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ
繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、
窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、更に
ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属
の繊維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。一
方、粉粒状充填剤としては、カーボンブラック、黒鉛、
シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイ
バー、ガラスバルーン、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪
酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、
ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、
酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナの如き金属の酸
化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の
硫酸塩、その他フェライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化
硼素、各種金属粉末等が挙げられる。また、板状充填剤
としては、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が
挙げられる。これらの無機充填剤は一種又は二種以上併
用することが出来る。また本発明に用いられる無機充填
剤は、所望される物性によっては公知の表面処理剤を併
用することが可能である。例を示せば、エポキシ系化合
物、イソシアネート系化合物、チタネート系化合物、シ
ラン系化合物等の官能性化合物である。好ましくは、エ
ポキシ化合物またはポリアミド化合物などアミノ系化合
物以外の化合物で処理したものが良い。これらの充填剤
はあらかじめ表面処理を施して用いるか、又は材料の調
製の際同時に添加しても良い。ここで、(E) 無機充填剤
の添加量は組成物全量に対し1〜50重量%が好ましい。
【0012】更に本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成
物は、本発明の範囲でその企図する目的を損なわない程
度に他の熱可塑性樹脂を補助的に添加したものであって
もよい。この場合に使用する熱可塑性樹脂は特に限定さ
れないが、例を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、ポリアセタール(ホモ又はコポリ
マー)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ABS、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレン
スルフィド、フッ素樹脂等を挙げることができる。又、
これらの熱可塑性樹脂は二種以上混合して使用すること
ができる。
【0013】更に、本発明の樹脂組成物には、一般に熱
可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、
即ち、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止
剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤等も要求性
能に応じ適宜添加することができる。
【0014】本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物
は、一般に合成樹脂組成物の調製に用いられる設備と方
法により調製することができる。即ち、必要な成分を混
合し、1軸又は2軸の押出機を使用して混練し、押出し
て成形用ペレットとすることが出来、必要成分の一部を
マスターバッチとして混合、成形する方法、又、各成分
の分散混合をよくするため液晶性ポリエステル樹脂の一
部又は全部を粉砕し、混合して溶融押出すること等、何
れも可能である。又、溶融押出工程で、繊維等を、樹脂
成分が溶融した途中で添加する方法は繊維充填剤の破損
が少なくて、本発明の効果が充分に反応月される方法で
ある。このようにして得た材料ペレットは、射出成形、
押出成形、真空成形、圧縮成形等、一般に公知の熱可塑
性樹脂の成形法を用いて成形することができるが、最も
好ましいのは射出成形である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 表1に示すような組成で、(A) 液晶性ポリエステル、
(B) ポリエチレンテレフタレート、(C) 亜リン酸エステ
ルを混合した後、通常の押出機で混練し、樹脂組成物の
ペレットをつくった。このペレットを用い、射出成形機
でシリンダー温度290 ℃でASTM規格の試験片を成形
し、物性を評価した。
【0016】又、舟形金型を用い、金型温度60℃で1000
ショット射出成形し、その時、金型に付着するモールド
デポジットを目視により観察し、○(殆ど付着なし)、
△(付着あり)、×(付着が激しい)の3段階で評価し
た。 実施例2 液晶性ポリエステルの種類を変えた以外は実施例1と同
様に試験片を成形し、評価した。 実施例3 更に(E) 無機充填剤としてガラス繊維を配合した以外は
実施例1と同様に試験片を成形し、評価した。 実施例4 亜リン酸エステルの種類を変えた以外は実施例3と同様
に試験片を成形し、評価した。 比較例1 亜リン酸エステルを配合しない以外は実施例1と同様に
試験片を成形し、評価した。 比較例2 亜リン酸エステルを配合しない以外は実施例2と同様に
試験片を成形し、評価した。 比較例3 亜リン酸エステルを配合しない以外は実施例3と同様に
試験片を成形し、評価した。
【0017】実施例5 (C) 亜リン酸エステルと(D) ヒンダードフェノール系化
合物とを併用した以外は実施例1と同様に試験片を成形
し、評価した。 比較例4 (C) 亜リン酸エステルの代わりに(D) ヒンダードフェノ
ール系化合物を用いた以外は実施例1と同様に試験片を
成形し、評価した。これらの評価結果を表1にまとめて
示す。
【0018】尚、実施例で使用した液晶性ポリエステル
樹脂は、下記の構成単位を有するものである。
【0019】
【化2】
【0020】又、実施例で使用した亜リン酸エステル
(c、d)は以下のものである。 c;ジ(2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)
ペンタエリスリトールジフォスファイト d;ジ(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジフォスファイト 又、実施例で使用したヒンダードフェノール系化合物
は、テトラキス〔メチレン−3(3,5 −ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンで
ある。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】前述の説明及び実施例にて明らかな如
く、本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、亜リン
酸エステルの添加により、モールドデポジットの発生量
が著しく少なく、安定して連続射出成形ができるように
なり、成形品の不良がなく、且つ金型の清掃時間も少な
くなり、生産性を著しく向上することができる等の優れ
た効果を発揮する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 異方性溶融相を形成し得る溶融加工性
    ポリエステル(液晶性ポリエステル)99〜50重量%と (B) ポリアルキレンテレフタレート樹脂1〜50重量%と
    からなる樹脂成分100 重量部に対し、 (C) 亜リン酸エステル0.001 〜5重量部を添加してなる
    液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】更に(D) ヒンダードフェノール系化合物0.
    001 〜5重量部を添加してなる請求項1記載の液晶性ポ
    リエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B)ポリアルキレンテレフタレートが、ポ
    リエチレンテレフタレート又はその共重合体である請求
    項1又は2記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(C) 亜リン酸エステルが、ペンタエリスリ
    トール系亜リン酸エステルである請求項1〜3の何れか
    1項記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】更に(E) 無機充填剤を添加してなる請求項
    1〜4の何れか1項記載の液晶性ポリエステル樹脂組成
    物。
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