JPH0695852B2 - 脱穀選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、扱室の下方に揺動選別体を設け、扱室からの
扱卸物および２番物などを揺動選別体に還元して選別す
る構成にした脱穀選別装置に関するものである。

（ロ）従来の技術 上記のように、扱室の下方に装設する揺動選別体によっ
て扱室からの扱卸物および２番物などを選別する脱穀選
別装置は、従来の技術のものとしては、例えば実開昭59
-14534号公報に開示されるように、扱室と揺動選別体の
間には格段何も介在されてなく扱室からの扱卸物は始端
がわから終端がわにわたる揺動選別体の全体に落下して
選別されるようになっている。

また、２番物は揺動選別体の始端がわりにそのまま還元
されてこの選別体の幅方向に拡散されないので選別性能
を十分に発揮することができないのである。

（ハ）発明が解決しようとする課題 このように構成される脱穀選別装置の揺動選別体はその
始端がわを構成するフィードパン上で十分比重選別した
あと後続のチャフシーブにて選別するのが最も選別性能
を向上させる決め手である。そのために、フィードパン
の搬送行程を長くするほど有利であるが装置全体が長く
なる不都合が生ずる。

そこで、本発明は上記の点に鑑み、扱室からの扱卸物お
よび２番物などをこのフィードパン即ち揺動選別体の始
端がわで十分比重選別させ揺動選別体の長さを圧縮しな
がらも選別性能を向上させるようとするのをねらいとす
るものでる。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明はこれを達成するために、扱室の下方に揺動選別
体を設けて脱穀選別するものにおいて、該扱室と揺動選
別体の間に、揺動選別体で選別するものをその始端部に
返す移送体を揺動選別体と一体的にして装設したことを
特徴とするものである。

（ホ）作用 この構成によれば、扱室からの扱卸物は揺動選別体の始
端がわから終端がわにかけて落下することなく移送体に
より受け止められて幅方向に拡散しながら揺動選別体の
始端部に返し揺動選別体の始端がわを構成するフィード
パン上で十分に比重選別がなされたのちに後続のチャフ
シーブによって篩い選別されるのである。また、２番物
を揺動選別体に還元して選別する場合は、この２番物も
移送体によって拡散され扱卸物と同様に選別されるよう
になる。

（ヘ）実施例 以下、本発明による脱穀選別装置について、実施例図を
参照し具体的に説明する。この例図に示す脱穀選別装置
はクローラ上に搭載され前方に刈取部を備えてコンバイ
ンを構成しているものであるからその全体の概略から記
載することにする。

即ち、立毛状態の穀稈は掻込リール（１）で掻込まれて
刈刃（２）で刈取られ、刈取られた殻稈は掻込オーガ
（３）からフィーダーハウス（４）内のチエンコンベヤ
（５）で扱室（６）の始端部に運ばれ、スクリュー翼
（7a）を周面に巻装したスクリュー型の扱胴（７）で終
端がわに向けて送られながら脱穀作用を受けるのであ
る。この脱穀作用によって脱粒された穀粒と藁屑類は受
網（８）から漏出して下方の揺動選別体（９）上に落下
し、漏出しない長藁は終端部の排塵ファン（10）で機外
に排出されるようになっている。

また、揺動選別体（９）上に落下した穀粒および藁屑類
はその揺動運動と送風ファン（11）によって起風され揺
動選別体（９）を吹き抜ける選別風とにより選別され
て、１番物は１番物取出樋（12）に２番物は２番物横送
樋（13）にそれぞれ落入して１番物は揚上されて籾タン
ク（図示省略）に収納され、２番物は２番物横送樋（1
3）から揚穀筒（14）に受継がれ前記揺動選別体（９）
の始端がわに還元され再選別されるようになっている。

そこで、前記の揺動選別体（９）について更に詳記する
と、この揺動選別体（９）は扱室（６）の下方にあって
扱胴（７）軸方向に揺動運動が付与さ、始端がわから終
端がわにかけてフィードパン（15）とチャフシーブ（1
6）とストローラック（17）を順次架設するとともにチ
ャフイシーブ（16）の下方にグレンシーブ（18）を設け
てこれらが一体的に構成されている。

（19）は前記受網（８）とこの揺動選別体（９）の間に
おいて始端部よりも前側に設けた横断流ファンである。

次に、この発明の要部について記載する。

（20）は上面を階段状にし全体として始端部を低く傾斜
させた移送体で、前記扱室（６）と揺動選別体（９）の
間においてこの揺動選別体（９）の全幅と同一幅のもの
で揺動選別体（９）と一体的に構成されている。（第２
図参照） 上記のこの例図に示す移送体（20）は揺動選別体（９）
の始端がわを構成するフィードパン（15）の上方に位置
させ扱室（６）の始端がわから漏出するものを受けてフ
ィードパン（15）の始端部に返すようにしているのであ
る。それは、上記の扱室（６）から漏出するものが扱室
（６）の始端がわで最も多いからである。

そして、前記の２番物を揺動選別体（９）に還元する揚
穀筒（14）の上端に設ける吐出口（21）は揺動選別体
（９）の側壁（22）を通して前記移送体（20）上にのぞ
ましめ２番物をこの移送体（20）上に還元する構成にし
ている。（第３図および第１図参照） したがって、扱室（６）の始端がわで漏出する多量の扱
卸物は揺動選別体（９）と一体となって揺動する移送体
（20）上に落下するとともに揚穀筒（14）によって揚上
され吐出口（21）から吐出される２番物もこの移送体
（20）上に還元されるようになり、移送体（20）上を低
い側に向かって移送され、その間に幅方向に拡散されな
がら横断流ファン（19）の送風によって塵埃が終端がわ
に吹き飛ばされてフィードパン（15）の始端部に返され
るようになる。

そして、フィードパン（15）の始端部から終端部までの
移送行程において藁屑や稈切れを穀粒層上に浮上させる
いわゆる比重選別を十分に行ったのちチャフシーブ（1
6）に受継がせて選別するのである。

また、第４図に示すものは、前記移送体（20）の下縁に
ゴム垂れ（23）を取付けたもので、このようにすると、
脱穀の始期あるいは終期における低流量時に発生しやす
い稈切れや穂切れ粒を一旦ゴム垂れ（23）で堰止め扱室
（６）の始端がわからの漏下物が増量するとその押送力
でゴム垂れ（23）を上方に押上げフィードパン（15）上
での比重選別が常に良好に行われるのである。

（ト）発明の効果 本発明は、以下詳記した如く、扱室の下方に揺動選別体
を設け、該扱室と揺動選別体の間に、揺動選別体で選別
するものをその始端部に返す移送体を揺動選別体と一体
的にして装設したことを特徴とするものであるから、従
来のもののように、扱室からの扱卸物は揺動選別体の始
端がわから終端がわにかけて落下することなく移送体に
より受け止められて幅方向に拡散されながら揺動選別体
の始端部に返され、それに、揺動選別体に還元して選別
する２番物も移送体により同様に返されるようになっ
て、揺動選別体の始端がわを構成するフィードパンを有
効に活用してこれによる搬送行程を長くすることによっ
て藁屑や稈切れを穀粒層上に浮上させる比重選別を十分
に行わせることができ、揺動選別体はその全体の長さを
圧縮しながらも選別性能を向上させることが可能になっ
たのである。

【図面の簡単な説明】 図面は、本発明による脱穀選別装置を示す実施例図にし
て、第１図はコンバインとした態様のもので内部を示し
たところの側面図、第２図は要部の抽出斜視図、第３図
は要部の縦断面図、第４図は他の実施例を示したもので
ある。 ６……扱室、９……揺動選別体、20……移送体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】扱室（６）の下方に揺動選別体（９）を設
   け、該扱室（６）と揺動選別体（９）の間に、揺動選別
   体（９）で選別するものをその始端部に返す移送体（2
   0）を揺動選別体（９）と一体的にして装設したことを
   特徴とする脱穀選別装置。