JPH0520138Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は穀稈を脱穀処理する脱穀機における二
番還元装置に関する。

(ロ) 従来技術 従来、脱穀機の二番還元装置として二番物を扱
室に還元するものは古くから知られており、ま
た、二番物を二番還元揚送螺旋筒により機体側部
の二番還元通路を経て揺動選別体の扱室の下部に
還元するものは特公昭57−8583号公報等により既
に知られている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記二番物を扱室に還元する方式はコンバイン
のように広幅刈を行なつて多量の穀稈を供給して
脱穀処理したり、漏れた穀稈を脱穀処理したりす
ると、扱胴に大きな負荷がかかる上、多量に発生
する二番物が還元されるため、扱胴に過負荷がか
かる欠点があり、また、揺動選別体の側部に二番
還元揚送螺旋筒により還元する方式は、揺動選別
体の一番漏下選別部の上方には、供給口の下方に
設けた送風風車による選別風はもとより、排塵選
別室の後部上方に設けた排塵風車による選別風も
作用しないので、還元された二番物が扱室の受網
から漏下して移送される被選別物に対して藁屑を
含んだ状態で合流することとなり、それにより被
選別物量が異常に多くなつて選別性能が低下し
た。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、扱室の下方に設けた送風風車と、扱
室の後方にある排塵選別室の後方上部に設けた排
塵風車とにより扱室の下方から排塵風選室に亘る
選別風路を構成し、この選別風路に揺動選別体を
架設し、該揺動選別体の一番受樋と対応する部位
には一番篩選別部を、二番受樋と対応する部位に
は二番篩選別部を設けた脱穀機において、前記二
番受樋の移送終端に、揚送螺旋が内装されている
二番揚送体を連設し、該二番揚送体の吐出口を、
前記排塵選別室の後方上部の排塵風車より前記一
番篩選別部の上方に形成される選別風路上に向け
て開口させて吐出された二番物が前記揺動選別体
上の選別風路により風選されてから前記揺動選別
体上に落入するように構成することにより前述の
問題点を解決した。

(ホ) 作用 扱室の受網から漏下した被選別物は揺動選別体
により移送選別される。

その際、一番篩選別部では単粒化された穀粒が
漏下すると共に風選されて一番受樋に落入して機
外に搬出され、二番篩選別部では一番篩選別部か
ら移行した被選別物中の穂切れ等を含む二番物が
二番受樋に落入し、残つた藁屑は排塵口又は排塵
風車から機外に排出される。

そして、二番受樋に落入した二番物は二番受樋
中の二番移送螺旋により機体側部に搬出され、そ
れが二番揚送体により揚送されて排塵風選室の上
部に吐出され、該排塵風選室では前記揺動選別体
上の藁屑の一部が前記排塵風車による選別風によ
り吹分けられると共に二番還元物中に含まれる藁
屑が一番漏下選別部に落入する過程で風選により
除去され、その結果、二番還元物量が少なくなつ
た状態で扱室の受網から漏下して移送される被選
別物に合流して再選別処理される。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は扱室２に軸架した扱胴であつて、扱口の外側
にはフイードチエン３と挾扼レール４を併設し、
扱室２の受網５の下方に設けた送風風車６と排塵
風選室７の上部一側に設けた吸引風車８又は排塵
風選室７の上部に横架した横断流フアン（図示を
省略）からなる排塵風車は選別風路を構成してお
り、前記扱室２の下部から排塵風選室７の下部に
亘つて揺動選別体１０を架設してあり、該揺動選
別体１０は受網５の下方に臨む移送流板１１、一
番受樋１２上に臨んでいてクリンプ網からなる一
番篩選別部１３、及び二番受樋１５上に臨んでい
てストローラツク１９からなる二番篩選別部１６
を有する下部選別経路と、送塵口１７の下部に臨
む移送板１８及びその終端から前記吸引風車８の
下部に向かうストローラツク２０を有する上部選
別経路とで構成してある。

また、前記一番受樋１２中の一番移送螺旋１２
ａの移送終端に立設した揚穀筒２１の上端の投擲
部は穀粒タンク２２内で開口しており、排桿口の
後部から四番口２３及び前記排塵風選室７の上部
には排藁搬送装置２５を設け、後部にはカツタ２
６又は結束装置等の排藁処理装置を装着してあ
る。

そして、前記二番受樋１５中の二番移送螺旋１
５ａの移送終端には揚送螺旋を内装した揚送筒又
は跳上げスロワ等からなる二番揚送体２７を立設
してあり、該二番揚送体２７の吐出口２７ａは、
四番口２３の下部の傾斜部分２３ａの直下でかつ
吸引型の排塵風車８の下端と略同じ高さ乃至は
やゝ低い位置で、しかも前記一番篩選別部１３の
上方にて前記排塵風選室７内に向けて開口してい
る。つまり、排塵風車７により形成される一番篩
選別部１３の上方の選別風路に向けて開口してい
る。

前述の脱穀機をコンバインの機台上に搭載した
場合、前処理装置により刈取搬送された穀稈はそ
の株元部をフイードチエン３及び挾扼レール４の
始端に介装され、穂側は供給口２８から扱室２内
に挿入されて扱胴１により脱穀処理され、排稈口
から排出された排藁は排藁搬送装置２５により後
送されて後部にあるカツタ２６より細断処理され
る。

また、扱室２内で発生した脱穀物のうち穀粒及
び小さな藁屑は受網５から揺動選別体１０の移送
流板１１上に漏下して移送され、それが一番篩選
別部１３にて篩選別されると共に風選され、漏下
した穀粒は一番受樋１２中の移送螺旋１２ａによ
り側方へ移送され、それを揚穀筒２１が揚送して
穀粒タンク２２に投入する。

一番篩選別部１３から二番篩選別部１６に移行
した被選別物は更に篩選別されると共に前記一番
受樋１２の下方を経て吹上げる選別風と排塵風車
８の吸引風とにより風選され、二番受樋１５に落
入した二番物は二番移送螺旋１５ａで前記排塵風
車８側へ移送されて二番揚送体２７により揚送さ
れ、その吐出口２７ａから上方のストローラツク
２０及び一番篩選別部１３の上方の排塵風選室７
に矢印ａに示す如く選別風路を横切るように吐出
される。

更に、送塵口１７から排出された送塵物は上選
別経路の移送板１８によりそれに続くストローラ
ツク２０により篩選別と風選を受け、漏下した穀
粒等は一番篩選別部１３で前記受網５からの被選
別物に合流して再選別処理を受ける。

而して、前記排塵風選室７の一番篩選別部１３
の上方では、排塵風車８により斜め後方上方へ向
かう強い選別風が形成されているので、前記二番
揚送体２７の吐出口２７ａから吐出される二番物
は落下する間に風選されて混入する藁屑が排塵風
車８から機外に排出され、残つた藁屑の少ない二
番物のみがストローラツク２上に落下する。

その際、二番物中の穂切れ等は二番移送螺旋１
５ａ及び二番揚送体２７中の揚送螺旋等により移
送される間に脱粒処理されるので、単粒化された
穀粒は一番篩選別部１３に落入して再選別処理さ
れる。

更に、前記二番篩選別部１６の終端に移行した
藁屑は排塵口３０から後方へ排出される。

(ト) 考案の効果 本考案は、扱室２の下方に設けた送風風車と、
扱室２の後方にある排塵選別室の後方上部に設け
た排塵風車とにより扱室２の下方から排塵風選室
７に亘る選別風路を構成し、この選別風路に揺動
選別体１０を架設し、該揺動選別体１０の一番受
樋１２と対応する部位には一番篩選別部１３を、
二番受樋１５と対応する部位には二番篩選別部１
６を設けた脱穀機において、前記二番受樋１５の
移送終端に、揚送螺旋が内装されている二番揚送
体２７を連設し、該二番揚送体２７の吐出口２７
ａを、前記排塵選別室の後方上部の排塵風車より
前記一番篩選別部１３の上方に形成される選別風
路上に向けて開口させて吐出された二番物が前記
揺動選別体１０上の選別風路により風選されてか
ら前記揺動選別体１０上に落入するように構成し
たので、吐出口２７ａから吐出されて一番篩選別
部１３上に向けて落入する二番物は、落下中に風
選されて混入している藁屑や枝梗等が除去されて
揺動選別体１０に還元される二番物の量が少なく
なり、それにより一番選別性能及び二番選別性能
を向上することができる共に二番物が循環して穀
粒が損傷することがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀機の縦断面図、第２図は要部の横断
面図である。 ６……送風風車、８……吸引風車、１０……揺
動選別体、１３……一番篩選別部、２７……二番
揚送体、２７ａ……吐出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室２の下方に設けた送風風車と、扱室２の後
   方にある排塵選別室の後方上部に設けた排塵風車
   とにより扱室２の下方から排塵風選室７に亘る選
   別風路を構成し、この選別風路に揺動選別体１０
   を架設し、該揺動選別体１０の一番受樋１２と対
   応する部位には一番篩選別部１３を、二番受樋１
   ５と対応する部位には二番篩選別部１６を設けた
   脱穀機において、前記二番受樋１５の移送終端
   に、揚送螺旋が内装されている二番揚送体２７を
   連設し、該二番揚送体２７の吐出口２７ａを、前
   記排塵選別室の後方上部の排塵風車より前記一番
   篩選別部１３の上方に形成される選別風路上に向
   けて開口させて吐出された二番物が前記揺動選別
   体１０上の選別風路により風選されてから前記揺
   動選別体１０上に落入するように構成したことを
   特徴とする脱穀機における二番還元装置。