JPH0620370Y2 - コンバインの脱穀部における揺動選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、長いスクリュー扱胴により脱穀されてその下
方に漏下する被選別物を揺動選別するコンバインの脱穀
部における揺動選別装置に関する。

［従来の技術］ 従来は、前後方向に長いスクリュー扱胴を上部に軸架す
るとともに、その下方に張設したコンケーブの下方には
チャフシーブとグレンシーブを上下に配備した揺動選別
体を架設して構成するコンバインの脱穀部において、ス
クリュー扱胴の入口側より漏下する被選別物は揺動によ
ってチャフシーブ上に送りながら比重選別を行なってグ
レンシーブに落下させるとともに圧選するような構造に
なっていた。

なお、特開昭62-190028号公報に見られるものは、圧選
室に送風する唐箕から、クリンプ網の下方のベルト搬送
装置の上方にも送風できるようにした構造のものであ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ したがって、前記のような従来形構造では、扱胴入口側
より漏下する被選別物の量が多い状態で、その上、スク
リュー扱胴の途中からも漏下してくるため、チャフシー
ブ上の流量が非常に多くなって、穀粒と藁屑との分離が
充分になされないまま揺動選別が行われ、後方での２番
還元量が非常に多くなるとともに３番飛散も増加する、
といった問題点を有していた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、その問題点を解決し、揺動選別体における揺
動選別を有効に行なえるようにしたものであり、そのた
め、扱胴入口側に接近するコンケーブの始端側下方とな
る揺動選別体の前部には、チャフシーブの前方側下方で
グレンシーブ上に連通する揺動送り面を形成し、揺動選
別体の前端側には、チャフシーブの上方と、揺動送り面
上からグレンシーブの上方とに分岐して排塵側に送風す
ることができる圧風唐箕を配設するとともに、前記揺動
送り面の上方側に傾斜して延設する案内板を連設して構
成したものである。

［作用］ したがって、スクリュー扱胴の入口側より多量に落下す
る被選別物を風選しながら、チャフシーブの上方側とグ
レンシーブの上方側にそれぞれ送風することになって、
途中から落下してくる被選別物とともに送風によってチ
ャフシーブ上での流れを良好にすることができることに
なり、揺動送り面上に落下する穀粒などを送風によりグ
レンシーブ側に良好に送り出すとともにグレンシーブ上
での選別効果を上げることになり、さらに、その送風に
より２番還元量が少なくなって３番飛散が少なくなるよ
うに選別効果を向上させることができることになる。

［実施例］ 次に、図面に示す実施例について説明する。

第３図は汎用形コンバインの側面図を示し、両クローラ
(7)により支持する機体の上方には、スクリュー(1a)を
巻着して前後方向に長くなるスクリュー扱胴(1)を上部
に軸架した脱穀部(B)を搭載し、該脱穀部(B)の前方には
フィーダ室(D)を介し刈取部(C)を連設して従来形構造同
様に構成したものである。

前記脱穀部(B)は、前部の入口(8)近傍から後部の排塵口
(9) にかけての前記スクリュー扱胴(1)の下部側周囲に
コンケーブ(2)を張設し、該コンケーブ(2)の下方には、
長手方向中間部位の上下にチャフシーブ(3)、グレンシ
ーブ(4)および流穀板(15)を配備した揺動選別体(A)を揺
動自在に架設し、揺動選別体(A)の前部下方には圧風フ
ァン(10a)を内装して前記流穀板(15)の上方に送風する
ことができる圧風唐箕(10)を配備し、前記流穀板(15)の
下方には１番らせんコンベア(11a)を軸架した１番樋(1
1)を横設し、揺動選別体(A)の後部側下方には２番らせ
んコンベア(12a)を軸装した２番樋(12)を横設して従来
形構造同様に構成する。

前記入口(8)に接近する前記コンケーブ(2)の始端側下方
となる揺動選別体(A)の前部には、前記チャフシーブ(3)
の前方側下方で前記グレンシーブ(4)の上方に連通する
傾斜状の揺動送り面(5)を形成するとともに、前記チャ
フシーブ(3)の前部上方には前記揺動送り面(5)の上方側
に傾斜して延出する案内板(13)を連設し、揺動選別体
(A)の前部より前方側上方となる前記入口(8)の下方側に
は、圧風ファン(6a)を内装して送風口(6b)から前記チャ
フシーブ(3)の上方と、揺動送り面(5)上からグレンシー
ブ(4)の上方とに分岐して送風すうことができる圧風唐
箕(6)を配備し、また、前記チャフシーブ(3)の後方側に
は選別板(14)を架設し、その後方の前後には横送り用の
らせん(16)(17)をそれぞれ横設するとともに、その後方
にストローラック(18)を配設し、揺動選別体(A)の後部
下方には流穀板(19)を斜設して構成する。

したがって、コンバイン作業時には、脱穀部(B)に供給
される穀稈はスクリュー扱胴(1)により脱穀されるとと
もにコンケーブ(2)から漏下することになるが、スクリ
ュー扱胴(1)の入口側より多量に落下する被選別物は圧
風唐箕(6)よりの送風によって風選する状態となり、矢
印(イ)で示すように上方側に流れる送風によって、被選
別物をチャフシーブ(3)上に送るとともに、コンケーブ
(2)の途中からチャフシーブ(3)上に落下してくる被選別
物にも送風して排塵側への送りをかけることができるこ
とになり、また、揺動送り面(5)上に落下する穀粒など
を矢印(ロ)で示す送風によりグレンシーブ(4)側に良好に
送り出すとともに、その送風によりグレンシーブ(4)の
選別効果を上げることができることになる。

また、揺動とともにその送風により揺動選別体(A)の後
部に被選別物を良好に送り出しながら、選別性能を向上
させて、２番還元量が少なくなって穀粒が損傷しないよ
うに、また、３番飛散が少なくなるように排塵できるこ
とになる。

［考案の効果］ このように本考案は、スクリュー扱胴(1)の入口側より
漏下する多量の被選別物を揺動選別体(A)の前部上方で
圧風唐箕(6)からの送風により選別しながら、チャフシ
ーブ(3)およびグレンシーブ(4)の上方にそれぞれ送風で
きるように構成したので、途中から漏下してくる被選別
物とともにチャフシーブ(3)上での揺動選別を選別性良
く行わせることができることになり、揺動送り面(5)に
落下する穀粒を送りながらグレンシーブ(4)上での選別
効果を一段と向上させることができることになり、その
送風と揺動により穀粒の分離選別を有効に行なうことが
できて２番還元量を少なくしたり３番飛散を少なくする
ことができ、簡単な構造にして好適に実施できる特長を
有する。

また、案内板を揺動送り面の上方側に傾斜して延設して
いるから、圧風唐箕からの風が案内板によって確実に上
下に分岐案内され、特にチャフシーブとグレンシーブ間
への送風が十分に行われることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の側断面図、第２図
は脱穀部の断面図、第３図は汎用形コンバインの側面図
である。 (1)……スクリュー扱胴、(2)……コンケーブ (3)……チャフシーブ、(4)……グレンシーブ (A)……揺動選別体、(5)……揺動送り面 (6)……圧風唐箕

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前後方向に長いスクリュー扱胴（１）を上
   部に軸架するとともに、その下方に張設したコンケーブ
   （２）の下方には、チャフシーブ（３）とグレンシーブ
   （４）を上下に配備した揺動選別体（Ａ）を架設して構
   成するコンバインの脱穀部において、扱胴入口側に接近
   する前記コンケーブ（２）の始端側下方となる前記揺動
   選別体（Ａ）の前部には、前記チャフシーブ（３）の前
   方側下方で前記グレンシーブ（４）上に連通する揺動送
   り面（５）を形成し、揺動選別体（Ａ）の前端側には、
   前記チャフシーブ（３）の上方と、前記揺動送り面
   （５）上からグレンシーブ（４）の上方とに分岐して排
   塵側に送風することができる圧風唐箕（６）を配設する
   とともに、前記揺動送り面（５）の上方側に傾斜して延
   設する案内板（１３）を連設して構成したことを特徴と
   する揺動選別装置。