JPH0445481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は穀稈を挟持搬送しながら脱穀処理する
自脱型の脱穀機であつて、コンバイン及びハーベ
スタの脱穀装置、並びに定置型脱穀機に関する。

(ロ) 従来技術 従来、扱室の下方から一番受樋及び二番受樋の
上方に亘る揺動選別体を架設し、前記二番受樋の
上方に排塵フアンを設けて扱室で発生した脱穀物
を揺動選別体で移送しながら篩選別と風選を行な
うと共に排塵物を排塵フアンで機外に排出するよ
うにした脱穀機は既に知られている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知の脱穀機において排塵フアンの風力を
比較的良く乾燥した標準的な穀稈から発生した脱
穀物の風選に適するように設定すると、コンバイ
ンにて湿潤した穀稈を脱穀した場合、吸引排出す
べき藁屑が二番受樋に落入して詰りを生じ、濡れ
た排塵物をも充分に吹き分けられるように上記風
力を強くすると、標準的な含水率の排塵物におい
ては二番受樋に回収すべき穀粒が藁屑と共に機外
に飛散する等の欠点があつた。

(ニ) 問題を解決するための手段 送風フアンと排塵フアンとにより構成される選
別風路内に、一番受樋及び二番受樋の上方に亘る
揺動選別体を架設し、該揺動選別体の一番受樋上
に臨む部分を漏下選別部で、また二番受樋上に臨
む部分を二番選別部で構成した脱穀機において、
前記二番選別部の後方に、前向き凹部を有する屈
曲流板を近接させて設け、前記凹部の上端部に、
斜め前方へ向けて垂下した斜板を突設すると共
に、前記送風フアンからの選別風が二番受樋の上
部を通過し前記凹部に指向する風路を形成するこ
とにより排塵物の乾湿に拘らず良く分散させて確
実な風選を行なうことができると共に排塵物中の
穀粒を機外に排出することなく回収することがで
きるようにして前述の問題点を解決した。

(ホ) 作用 扱室内で発生した扱下物は揺動選別体に落入し
て漏下選別部に以降すると穀粒が漏下して風選さ
れ、この穀粒は一番受樋に落入して機外に搬出さ
れ、二番選別部は二番物を含む藁屑を移送しなが
ら篩選別を行ない、漏下した二番物は風選を受け
ながら二番受樋に落入し、その移送終端で二番ス
ロワにより二番還元される。

そして、二番選別部から放擲された被処理物
は、二番受樋の上部を通過して二番選別部の直後
に近接された屈曲流板の凹部内を吹き上げる選別
風の作用を受け、一旦上昇してから斜板に衝突し
て分散し、それが更に前部を吹き上げる選別風よ
り上昇付勢されつつ風選され、二番物は二番受樋
に落下し藁屑は排塵フアンにより機外排出され
る。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は扱室２に扱胴軸により軸支した扱胴であつ
て、受網３は扱胴１の下方から扱口と反対側に亘
つて張設してあり、送風フアン５と吸引型は排塵
フアン６とにより構成される選別風路に架設した
揺動選別体７は、前記受網３の直下に臨む移送流
板８、その終端に延設して一番受樋９上に臨ませ
た選別網からなる漏下選別部１０及び一番流板１
１の上端に延設した波型板１３ａから二番受樋１
２上に臨むストローラツクからなる二番選別部１
３……等により構成した下選別経路と、扱室２の
終端に設けた送塵口１４の直下から前記漏下選別
部１０上に臨む波型無孔の移送板１５及びその終
端に延設されていて側面視で前記排塵フアン６に
指向させたストローラツク１６等からなる上選別
経路とで構成してあり、扱室２の排稈口１７の後
部には四番漏斗１８及びその後部にある排塵選別
室１９の天板１９ａ上に亘る排藁搬送チエンと排
藁搬送ベルトとが配設してある。

そして、前記排塵フアン６は二番受樋１２上方
の側壁に取付けてあり、その吸引口６ａの後部か
ら垂下していて機幅全体に亘る後部板２０の下部
を斜め後方へ向けて屈曲してある。前記二番選別
部１３の後方に近接して設けられた屈曲流板２１
は前方へ向けて弯曲乃至折曲することにより前面
を第１凹部２１ａに形成し、その上部にゴム板２
２の下部を庇状の斜板２２ｂとして前下方に向け
て突出させた状態で螺着し、ゴム板２２の上端は
前記後部板２０の斜め後方へ向かう折曲部２０ａ
の下端に連結して第２凹部２２ａに構成し、屈曲
流板２１の上部後面に突設したアーム２３を両端
が左右の側壁間に支承された支点軸２４に固定
し、下端に二番流板２５との間は還流間〓ｈに構
成してある。

また、前記支点軸２４の端部に突設した揺動腕
２６の下端は、前記揺動選別体７の後部を支持し
ている揺動アーム２７にロツド２８を介して連動
連結してあり、揺動アーム２７は一番螺旋軸９ａ
のクランクアームにロツド２９を介して前後揺動
するように連動連結されている。

また、上記において、主選別風ｂが前記送風ア
ン５から漏下選別部１０を吹き抜け更にストロー
ラツク１６を吹き抜けるか乃至は後壁に沿い上昇
して排塵フアン６に至る風路と、選別風ａが送風
フアン５から一番受樋９の下方を経て二番選別部
１３及びその後部を吹き抜けて排塵フアン６に至
ると共に、選別風ａの一部が二番受樋１２の上部
を通過し屈曲流板２１の凹部２１ａに向かう風路
が形成されている。

前述の脱穀機をコンバインの機台上に搭載し、
前処理装置により刈取搬送された穀稈の株元部を
挟扼レールとフイードチエン３０の始端に継送す
ると、穂部側は供給口３１から扱室２に挿入され
て脱穀処理され、該扱室２内で発生した脱穀物中
の穀粒と小さな藁屑は受網３から下選別経路の移
送流板８に漏下して漏下選別部１０に移行し、こ
こで風選及び篩選別され、漏下した穀粒は一番受
樋９中の移送螺旋により側方へ搬出されてから揚
穀機により穀粒タンクに投入され、漏下選別部１
０上に残つたものは移送板１３ａを経て二番選別
部１３に移行して更に風選及び篩選別され、二番
物は側部に設けた二番還元スロワ３２により扱室
２と側壁との間に形成した還元通路に投擲されて
前記移送流板８上に還元される。

また、送塵口１４から排出された送塵物は移送
板１５により比重選別されながらストローラツク
１６に移送され、ついで、ストローラツク１６に
より排塵フアン６の吸入口６ａと対向する部位に
向けて揺動移送されながら篩選別と風選を受け、
漏下物は下方の二番選別部１３上の被選別物に合
流し、藁屑は排塵フアン６により機外へ吸引排出
される。

その際、前記送風フアン５から一番受樋９の下
方を経て二番受樋１２上に吹き出す選別風ａは漏
下した二番物を風選する際、二番選別部１３を上
方へ吹き抜けるものと、後端に沿つて吹き上げる
ものと、第１凹部２１ａに入つて後壁により風向
を排塵フアン６に向けて上向きに方向変換される
ものとになる。

この時、選別風ａの一部が第１凹部２１ａに入
つて上昇すると斜板２２ｂに衝突して渦流イが生
ずるので、二番選別部１３から放擲された塊状の
藁屑は直接二番受樋１２に落入することなく、一
旦渦流経路ロを経て吹き上げられて斜板２２ｂに
衝突して分散した状態で、上昇する選別風ハによ
り吹き上げ作用を受けることとなり、藁屑に混入
した穀粒は分離して二番受樋１２に回収され、藁
屑は上向きの前記選別風ａと排塵フアン６の吸引
風とにより機外に排出される。

また、一番受樋９上を経て漏下選別部１０を吹
き抜けた選別風は上方のストローラツク１６を吹
き抜けるか乃至は後壁に向かうが、この後壁に向
かう選別風は第２凹部２２ａにより矢印ｂで示す
ように方向変換されると共に排塵フアン６の協力
な吸引風と合流して排塵選別室１９中の排塵物を
機外に吸引排出する。

このような排塵中、屈曲流板２１は揺動選別体
７と連動して揺動しているので、脱穀した穀稈が
濡れていると、藁屑等が二番受樋１２の後部上方
の屈曲流板２１及びゴム板２２に付着して堆積せ
んとするが、屈曲流板２１自体は第２図に実線と
鎖線で示すように揺動選別体７と同期して前後揺
動運動しており、ゴム板２２は屈曲流板２１の揺
動に連動して点線で示すように後方へ弯曲した状
態で実線で示す引き延ばされた状態とを反復する
ので、上記堆積せんとする藁屑等は前方へ押し出
されて浮き上がると共に分散して、屈曲流板２１
及びゴム板２２にて流板選別が施され、穀粒を含
む二番物は斜板２２ｂを流下して二番受樋１２に
落入し、藁屑は上昇する吸引風により間断なく吸
引排出される。

また、排稈口１７から排出された排藁は排藁チ
エン及び排藁ベルトで後送されて結束装置又はカ
ツタ等により処理される。

(ト) 考案の効果 本考案は、前述のように送風フアンと排塵フア
ンとにより構成される選別風路内に、一番受樋９
及び二番受樋１２の上方に亘る揺動選別体７を架
設し、該揺動選別体７の一番受樋９上に臨む部分
を漏下選別部１０で、また二番受樋１２上に臨む
部分を二番選別部１３で構成した脱穀機におい
て、前記二番選別部１３の後方に、前向き凹部２
１ａを有する屈曲流板２１を近接させて設け、前
記凹部２１ａの上端部に、斜め前方へ向けて垂下
した斜板２２ｂを突設すると共に、前記送風フア
ンからの選別風が二番受樋１２の上部を通過し前
記凹部２１ａに指向する風路を形成したので、前
記二番選別部１３から放擲された塊状の藁屑はそ
の直後に近接している凹部２１ａ内を吹き上げる
選別風により一旦上昇されてから斜板２２ｂに衝
突して分散し、それが更に前部を吹き上げる選別
風により上昇付勢されて更に良く分散し風選され
る。従つて、濡れた排塵物であつてもそれに上記
分散風選作用を受けさせることにより、藁屑を確
実に吹き分けて上昇させ速やかに機外に排出し、
穀粒及び二番物を流下させて二番受樋１２に確実
に回収することができ、藁屑が塊状のまま二番受
樋１２に落入して被選別物が過大になることを防
止することができる。

また、標準的な含水率の被選別物を選別する場
合、前記斜板２２ｂが選別風ａの一部を受け止め
て弱化させ、穀粒が三番飛散になることを防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀機の縦断面図、第２図は要部の縦断
面図、第３図は同上断面図、第４図は同上斜視図
である。 １……扱胴、３……受網、７……揺動選別体、
１０……漏下選別部、１２……二番受樋、１４…
…送塵口、１３……二番選別部、１９……排塵選
別室、２０……後部板、２１……屈曲流板、２２
……ゴム板、２２ｂ……斜板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送風フアンと排塵フアンとにより構成される選
   別風路内に、一番受樋９及び二番受樋１２の上方
   に亘る揺動選別体７を架設し、該揺動選別体７の
   一番受樋９上に臨む部分を漏下選別部１０で、ま
   た二番受樋１２上に臨む部分を二番選別部１３で
   構成した脱穀機において、前記二番選別部１３の
   後方に、前向き凹部２１ａを有する屈曲流板２１
   を近接させて設け、前記凹部２１ａの上端部に、
   斜め前方へ向けて垂下した斜板２２ｂを突設する
   と共に、前記送風フアンからの選別風が二番受樋
   １２の上部を通過し前記凹部２１ａに指向する風
   路を形成したことを特徴とする脱穀機における排
   塵選別装置。