JPH0424915Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は穀稈を挟持搬送しながら脱穀処理する
自脱型の脱穀機であつて、コンバイン及びハーベ
スタの脱穀装置並びに定置型脱穀機に関する。

(ロ) 従来技術 従来の脱穀機は扱室の下方から一番受樋及び二
番受樋の上方に亙る揺動選別体を架設し、前記二
番受樋の上方に排塵フアンを設けて扱室で発生し
た脱穀物を揺動選別体で移送しながら篩選別と風
選を行なうと共に排塵物を排塵フアンで機外に排
出していた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知の脱穀機は生脱穀を行なつた場合、穀
稈が濡れていると、排塵物が二番受樋の上方後部
に付着して堆積し、風選の障害になるばかりでな
く、堆積して塊状になつた排塵物が二番受樋に落
入し、それが二番還元スロワにより二番還元され
る際に詰りを生ずると共に被選別物の量が著しく
多くなつて選別性能が低下する等の欠点があつ
た。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案は、扱室の下方から一番受樋及び二番受
樋の上方に亙つて後方へ吹く選別風路に揺動選別
体を架設し、前記二番受樋の上方に、該二番受樋
上を吸引する排塵フアンを設けた脱穀機におい
て、前記二番受樋と排塵フアンの間の後部に、選
別風に対向すると共に二番選別体に向かう凹状屈
曲流板を揺動可能に配設し、該凹状屈曲流板を揺
動機構に連結することにより前述の問題点を解決
した。

(ホ) 作用 扱室内で発生した扱下物は揺動選別体に落入し
て選別され、一番受樋に落入した穀粒は機外に搬
出され、二番受樋に落入した二番物は二番スロワ
により二番還元される。

そして、二番受樋の上方後部では選別風が屈曲
板の前向きの屈曲面により上向きに変換されると
共に被選別物が斜め上方へ跳上げられるので、二
番受樋の上方の排塵物は、上方に配設されている
排塵フアンにむけて屈曲面に沿いながら円滑に方
向変換されて上昇し、それが排塵フアンにより機
外排出される。

また、前記屈曲板は被選別物を斜め前方上方へ
跳上げるように揺動しているので、排塵物が濡れ
ていても屈曲板に付着することがなく、排塵物の
機外排出を常時助長すると共に枝梗付き穀粒等の
二番物を確実に二番受樋に戻す。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は扱室２に扱胴軸により軸支した扱胴であつ
て、受網３は扱胴１の下方から扱口と反対側に亙
つて張設してあり、送風フアン５と吸引型の排塵
フアン６とにより構成される選別風路に架設した
揺動選別体７は、前期受網３の直下に臨む移送流
板８、その終端に延設して一番受樋９上に臨ませ
た選別網１０及び一番流板１１の上端に延設した
波形板１３ａから二番受樋１２上に臨むストロー
ラツク１３……等からなる下選別経路と、扱室２
の終端に設けた送塵口１４の直下から前記選別網
１０上に臨む波形無孔の移送番１５及びその終端
に延設されていて側面視で前記排塵フアン６に指
向させたストローラツク１６等からなる上選別経
路とで構成してあり、扱室２の排稈口１７の後部
には四番漏斗１８及びその後部にある排塵選別室
１９の天板１９ａ上に亙る排藁搬送チエンと排藁
搬送ベルトとが配設してある。

そして、前記排塵フアン６は二番受樋１２上方
の側壁に取付けてあり、その吸引口６ａの後部か
ら垂下していて機幅全体に亙る後部板２０の下部
を斜め後方へ向けて折曲してあり、屈曲流板２１
は前方へ向けて弯曲乃至折曲することにより前面
を第１凹部２１ａに形成し、その上部をゴム板２
２を介して前記後部板２０の折曲部２０ａの下端
に連結し、後面に突設したアーム２３を両端が左
右の側壁間に支承された支点軸２４に固定し、下
端と二番流板２５との間は還流間隙ｈに構成して
あり、前記ゴム板２２と後部板２０は前方に向か
う第２凹部２２ａを構成している。

また、前記支点軸２４の端部に突設した揺動腕
２６の下端は、前記揺動選別体７の後部を支持し
ている揺動アーム２７にロツド２８を介して連動
連結してあり、揺動アーム２７は一番螺旋軸９ａ
のクランクアームにロツド２９を介して前後揺動
するように連動連結されている。

前述の脱穀機をコンバインの機台上に搭載し、
前処理装置により刈取搬送された穀稈の株元部を
挟扼レールとフイードチエーン３０の始端に継送
すると、穂側は供給口３１から扱室２に挿入され
て脱穀処理され、該扱室２内で発生した脱穀物中
の穀粒と小さな藁屑は受網３から下選別経路の移
送流板８に漏下して選別網１０に移行し、ここで
風選及び篩選別され、漏下した穀粒は一番受樋９
中の移送螺旋により側方へ排出されてから揚穀機
により穀粒タンクに投入され、選別網１０上に残
つたものは移送板１３ａを経てストローラツク１
３に移行して更に風選及び篩選別され、二番物は
側部に設けた二番還元スロワ３２により扱室２と
側壁との間に形成した還元通路に投擲されて前記
移送流板８上に還元される。

また、送塵口１４から排出された送塵物は移送
板１５により比重選別されながらストローラツク
１６に移送され、次いで、ストローラツク１６に
より排塵フアン６の吸入口６ａと対向する部位に
向けて揺動移送されながら篩選別と風選を受け、
漏下物は下方のストローラツク１３上の被選別物
に合流し、藁屑は排塵フアン６により機外に吸引
排出される。

その際、前記送風フアン５から一番受樋９の下
方を経て二番受樋１２上に吹き出す選別風は排塵
フアン６の吸引風に合流せんとする時、斜め後上
方に向かつているため後壁に衝突するが、後壁は
前述のように屈曲流板２１に構成されているの
で、前向きの第１凹部２１ａにより矢印ａに示す
ように上方へ向けて円滑に方向変換され、排塵フ
アン６は前記間隙ｈから外気を吸入しストローラ
ツク１３から投擲される藁屑その他の排塵物を機
外に吸引排出する。

また、一番受樋９上を経て選別網１０を吹き抜
けた選別風は上方のストローラツク１６を吹き抜
けるか乃至は後壁に向かうが、この後壁に向かう
選別風は第２凹部２２ａにより矢印ｂで示すよう
に方向変換されると共に排塵フアン６の強力な吸
引風と合流して排塵選別室１９中の排塵物を機外
に排出する。

このような排塵中、屈曲流板２１は揺動選別体
７と連動して揺動しているので、脱穀した穀稈が
濡れていると、藁屑等が二番受樋１２の後部上方
の屈曲流板２１及びゴム板２２に付着して堆積せ
んとするが、屈曲流板２１自体は第２図に実線と
鎖線で示すように揺動選別体７と同期して前後揺
動運動しており、ゴム板２２は屈曲流板２１の揺
動に連動して点線で示すように後方へ弯曲した状
態と実線で示す引き延ばされた状態とを反復する
ので、上記堆積せんとする藁屑等は前方へ押し出
されて浮き上がると共に分散して、屈曲流板２１
及びゴム板２２にて流板選別が施され、同時に前
記上昇する吸引風により間断なく吸引排出され
る。

また、排塵口１７から排出された排藁は排藁チ
エーン及び排藁ベルトで後送されて結束装置又は
カツタ等により処理される。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように扱室２の下方から一番受
樋９及び二番受樋１２の上方に亙つて後方へ吹く
選別風路に揺動選別体７を架設し、前記二番受樋
１２の上方に、該二番受樋１２上を吸引する排塵
フアン６を設けた脱穀機において、前記二番受樋
１２と排塵フアン６の間の後部に、選別風に対向
すると共に二番選別部に向かう凹状屈曲流板２１
を揺動可能に配設し、該凹状屈曲流板２１を揺動
機構に連結したので、扱室２の下方からの選別風
は二番受樋１２の上方上部にて凹状屈曲流板２１
により上方へ円滑に方向変換されることと、凹状
屈曲流板２１が揺動選別体７に連動して排塵物を
前方上方へ押し出して分散させることとが相俟つ
て被選別物が濡れていても二番受樋１２の上部に
付着したり堆積したりすることがなく、被選別物
の分散を助長しながら確実に風選を行い、分散し
た二番物を二番受樋１２に落入させ、排塵物は逆
に排塵フアンにより遅滞なく上方へ吸引して機外
に排出することができる、また、それにより二番
物を最小限に留めて二番スロワ３２の詰まり及び
二番還元物量が多くなることによる選別性能の低
下を防止することができる。

また、前記凹状屈曲板２１は上部を中心として
被選別物を斜め上方へ跳ね上げるように揺動して
いるので、被選別物が濡れていても凹状屈曲板２
１に付着することがなく、藁屑等の排塵物の機外
排出を常時助長すると共に枝梗付き穀粒等の二番
物を確実に二番受樋１２に戻すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀機の縦断面図、第２図は要部の縦断
面図、第３図は同上斜視図である。 １……扱胴、３……受網、７……揺動選別体、
１０……選別網、１２……二番受網、１４……送
塵口、１３，１６……ストローラツク、１９……
排塵選別室、２０……後部板、２１……屈曲流
板、２２，２３……ゴム板、２４……支点軸、２
５……二番流板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室２の下方から一番受樋９及び二番受樋１２
   の上方に亙つて後方へ吹く選別風路に揺動選別体
   ７を架設し、前記二番受樋１２の上方に、該二番
   受樋１２上を吸引する排塵フアン６を設けた脱穀
   機において、前記二番受樋１２と排塵フアン６の
   間の後部に、選別風に対向すると共に二番選別部
   に向かう凹状屈曲流板２１を揺動可能に配設し、
   該凹状屈曲流板２１を揺動機構に連結したことを
   特徴とする脱穀機における排塵選別装置。