JPS638191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来二番受樋に落入した二番物を、二番スロワ
ーにより揺動選別体の一側に還元し、扱室の終端
部に設けた送塵口から扱室内で発生した長藁や穂
切れ等の送塵物を揺動選別体上に排出するように
した脱穀機は、二番物が揺動選別体の一側寄りに
集中的に還元され、送塵物が他側寄りに排出され
ており、それらが二番物漏下選別部に移送されて
来た時、二番漏下選別部を構成するストローラツ
クは被選別物を移送するが横方向には拡散させな
いので被選別物が厚い層のまゝ移送されることと
なり、風選による藁屑の除去を行い難いので、ス
トローラツクの両側部から多量の藁屑が二番受樋
に落入し、二番物の還元量が多くなり、これが循
環することにより二番物量が異常に多くなり選別
性能が著しく低下する欠点があり、この現象は濡
れた穀稈や青刈り穀稈のように多量の水分を含有
する穀稈を脱穀した時に更に甚しく、二番漏下選
別部の中央部まで被選別物の層が厚くなると共に
塊状になり、風選による藁屑の除去が困難になつ
て二番物の量が著しく増大し、逆に二番スロワー
が詰る等の障害が発生した。

本考案は前記二番漏下選別部においてその両側
に厚い層となつて移送される被選別物を分散させ
ると共に拡散させて藁屑の分離排出性能を向上さ
せ以つて二番物の還元量を減少させると共に乾燥
した穀稈を脱穀した時は穀粒が三番飛散となるこ
とを防止し得る脱穀機における揺動選別装置を提
供せんとするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
は扱室２内に扱胴軸３により軸架した扱胴であつ
て、受網４の前部下方に設けた送風フアン５は一
番受樋６の上方及び排塵選別室７を経て吸引フア
ン８にわたる主選別風路９と、一番受樋６の下方
から二番受樋１０上を経て排塵口１１に吹き出す
副選別風路１２とを形成しており、主選別風路９
及び副選別風路１２にわたつて架設した前後揺動
する揺動選別体１３は、受網４の下面に臨む流板
１４と、一番穀粒漏下選別部を構成する選別網１
５と、一番流板１６の上端から二番受樋１０内の
移送螺旋１７上を覆う波形の移送板（無孔）１８
と、一番流板１６の上部から移送板１８の下面に
沿いながら後方へ突出していて二番漏下選別部を
構成するストローラツク１９と、扱室２の終端の
送塵口２１の直下から選別網１５上に臨む移送板
２２と、その終端から前記吸引フアン８に指向す
るストローラツク２３とで構成させており、二番
受樋１０の移送終端に設けた二番スロワー２４の
吐出口は前記受網４の下方の流板１４上に通ずる
二番還元通路２５に開口している。

そして、前記ストローラツク１９の両側部は揺
動選別体１３の側板１３ａ，１３ａに固定した波
形の移送板２６，２６により全幅の約1/4〜1/3
（片側はその半分）覆われており、該移送板２６，
２６とその上方の移送板１８との間に第３図に示
すように介装されていて左右の移送板２６，２６
の内側縁間を覆う可動移送板２７は、左右両側面
にそれぞれ２本づつの支持杆２８…を備えてお
り、それらの支持杆２８…をそれぞれ前記側板１
３ａ，１３ａに枢支した揺動アーム２９…により
支承し、一方の支持杆２８には後方へ突出した操
作杆３０が取付けてある。

なお、可動移送板２７の支持杆２８…を前後方
向の長孔に挿通してスライド方式にしても良い。

前述の装置において、扱口２ａに沿うフイード
チエン３１と挟扼レール３２とにより穀稈を搬送
しながら脱穀処理をなした時、排藁は排藁搬送装
置３３により後方へ搬出され扱室２内で発生した
脱穀物中の穀粒と小さい藁屑は受網４から流板１
４へ漏下し、これが選別網１５により篩選別さ
れ、漏下した穀粒は主選別風路９の選別風により
風選されてから一番受樋６に落入し、網上物は移
送板１８へ移行し、その間に軽い藁屑は上記選別
風と吸引フアン８による吸引風により機外に排出
される。

また、扱室２内で発生した長藁や穂切れ等の排
塵物は送塵口２１から移送板２２上に排出される
が、その際上記排塵物は扱胴１の下部の回転方向
側、即ちフイードチエン３１のある側へ第３図に
符号Ａで示すように多く排出され、移送板２２で
移送される間に或程度拡散されるが、それでもな
おストローラツク２３のフイードチエン３１寄り
に厚い層となつて移行し、これがストローラツク
２３で移送される間に二番物が前記移送板１８上
に漏下せんとする。この時被選別物の層が厚く選
別風の吹き抜けが悪るいため藁屑を風選により除
去し難く、穂切れを含む多量の藁屑が移送板１８
上に落下する。

上記落下物と前記選別網１５からの網上物は移
送板１８上で合流して移送される。

その際、該移送板１８のフイードチエン３１寄
りでは前記落下物が厚い層をなし、また反対側は
二番スロワー２４により還元された二番物が厚い
層Ｂをなしており、それらは移送板１８で移送さ
れる間に或程度中央側へ分散されてから両側の移
送板２６，２６に受け継がれて更に中央側へ拡散
せしめられる。

そして、脱穀する穀稈が濡れているか又は青刈
りしたもののように多量の水分を含む場合は、中
央の可動移送板２７を操作杆３０により後方へ引
き出しておくと、可動移送板２７は上手側の移送
板１８の中央部から移行した被選別物及び前記両
側の移送板２６，２６から拡散してきた被選別物
とを合流させながら移送し、それが移送板２６，
２６と可動移送板２７の後端からストローラツク
１９へ送り出され、該ストローラツク１９はその
幅方向に略平均化された被選別物を移送しながら
二番物を漏下させ、藁屑を排塵口１１から機外に
放出する。

その際、副選別風路１２は両側の移送板２６，
２６と中央の可動移送板２７とによつて絞られて
いるのでストローラツク１９…間を吹き抜ける選
別風は強くなつており、湿潤した藁屑をも的確に
吹き分けて二番物の量を少なくすることができ
る。

また、乾燥した穀稈を刈取つて脱穀する場合は
可動移送板２７を前方へ押し込んで両側の移送板
２６，２６の間のストローラツク１９…を露出さ
せると、該ストローラツク１９…は移送板１８の
中央部から移行したもの及び両側の移送板２６，
２６から中央側へ拡散したものとを受け継ぎ、両
側の移送板２６，２６上の被選別物はその後方へ
突出しているストローラツク１９…に受け継がれ
て移送と漏下選別とがなされる。

その時、前記可動移送板２７を後方へ引き出し
た時よりも副選別風路１２が広くなるので選別風
の風速が弱められ含水率の低い穀粒が排塵口から
機外に飛散することがない。

本考案は前述のように扱室の下方から排塵部に
わたる選別風路上に、一番受樋上に臨む一番穀粒
漏下選別部と二番受樋上に臨む二番物漏下選別部
とを備えた揺動選別体を架設し、二番受樋に落入
した二番物を二番受樋の側部に設けた二番スロワ
ーにより前記揺動選別体の一側に還元し、前記扱
室の終端部に排塵物を排出する送塵口を設けた脱
穀機において、前記二番物漏下選別部を波形の移
送板にストローラツクを延設して構成し、該スト
ローラツクの基部寄りの両側部を波形の移送板で
覆い、それらの移送板の間に前後移動調節可能な
波形の移送板を設けたので、送塵口から排出され
た排塵物及び二番スロワーで揺動選別体上に還元
された二番物が揺動選別体の両側部に落入しても
それらが二番物漏下選別部に移行する時両側の波
形の移送板に受け継がれて移送されている間に中
央側へ拡散し、被選別部は揺動選別体の幅方向に
平均化されることとなり、二番物漏下選別部にお
いて良好な風選を行つて藁屑を除去して二番物の
量を少なくすることができ、二番物が繰返えして
還元されて穀粒が脱されたり二番スロワーが詰
つたりするのを防止しながら的確な選別を行うこ
とができる。

また、濡れた穀稈を脱穀した場合可動移送板を
後方へ引き出すことにより被選別物の拡散を助長
して平均化すると共に選別風路を狭めて二番物の
漏下と藁屑の除去性能を向上させることができ
る。

更に比較的乾燥した穀稈を脱穀する場合、可動
移送板を押し込んで選別風路を拡げることにより
選別風の風速を低下させ、以つて穀粒が三番飛散
として機外に散逸することを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀機の縦断側面図、第２図は同上平断
面図、第３図は同上横断面図、第４図は要部の側
面図である。 ４……受網、５……送風フアン、６……一番受
樋、８……吸引フアン、９……主選別風路、１０
……二番受樋、１１……排塵口、１２……副選別
風路、１３……揺動選別体、１８，２６……移送
板、１９……ストローラツク、２７……可動移送
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室の下方から排塵部にわたる選別風路上に、
   一番受樋上に臨む一番穀粒漏下選別部と二番受樋
   上に臨む二番物漏下選別部とを備えた揺動選別体
   を架設し、二番受樋に落入した二番物を二番受樋
   の側部に設けた二番スロワーにより前記揺動選別
   体の一側に還元し、前記扱室の終端部に排塵物を
   排出する送塵口を設けた脱穀機において、前記二
   番物漏下選別部を波形の移送板にストローラツク
   を延設して構成し、該ストローラツクの基部寄り
   の両側部を波形の移送板で覆い、それらの移送板
   の間に前後移動調節可能な波形の移送板を設けた
   ことを特徴とする脱穀機における揺動選別装置。