JPS6030923Y2 - 脱穀機の穀粒回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、所期の選別性能を維持させるものでありなが
ら、脱穀機の風選室に開設した排塵口から藁屑に混入し
て機外に放出されようとする所謂三番飛散粒やササリ粒
等を機外に放出させることなく再選別して、穀粒のみを
確実に回収することができるようにした脱穀機の穀粒回
収装置に係るものである。

一般に、脱穀機の処理能力を向上させるためには、唐箕
から選別風路を介して圧送される選別風の風量を増加す
ればよいが、この場合には風選室の排塵口から機外に放
出される三番飛散粒が増加する。

一方、三番飛散粒の機外放出を極力減少させるためには
、唐箕からの選別風量を少くすればよいが、この場合に
は選別性能が悪くなる欠点がある。

本考案は上記の如き実情に鑑み、その欠点を一掃すべく
創案されたものであって、その目的とするところは、扱
胴の軸芯方向後方に形成した風選室側に向けて穀粒を揺
動移送選別する穀粒揺動選別体の穀粒移送方向終端部に
、風選室の後方に配設した排稈細断装置の下方に臨ませ
て、前記穀粒揺動選別体の幅方向に亘り、傾斜する穀粒
回収用漏斗を設け、該穀粒回収用漏斗の傾斜下端を篩体
を介して穀粒回収容器の上方に臨ましめると共に、前記
篩体上に流下した被脱穀物にエンジンの冷却風を供給せ
しめて再選別し、穀粒のみを回収すべく構成したことに
より、所期の選別性能を維持するものでありながら、風
選室の排塵口から藁屑に混入して機外に放出されようと
する所謂三番飛散粒やササリ粒を穀粒回収用漏斗により
機外に放出させることなく受は止めて篩体上に流下させ
、さらにエンジンの冷却風により再選別して穀粒のみを
確実に回収することができる脱穀機の穀粒回収装置を提
供するにある。

本考案の構成を図面に示された一実施例について説明す
れば、１はコンバインの機体フレーム上に搭載された脱
穀機であって、その前方には前処理装置２が昇降自在に
装着されていると共に、前記脱穀機１の側方後方にはエ
ンジン３が搭載されている。

４は操縦装置である。５は前記機体の前後方向に沿って
軸架された扱胴軸５ａによって回転駆動される扱胴６を
収容した扱室であって、該扱室５の下方には前記扱胴軸
５ａに沿って機体の前方から後方に向けて穀粒を揺動移
送選別する穀粒揺動選別体７が配設されている。

そして、該穀粒揺動選別体７は、穀粒揺動移送方向中途
部に移送面７ａよりや）上り勾配に形成された段付穀粒
揺動篩体７ｂと、その下方に位置して前記移送面７ａか
ら一体的に延設された一番物選別漏下網７ｃと、その下
方に位置して機体の後方に向けて上方に傾斜延設した一
番物流板７ｃ’の後端部から一体的に延設形成された無
孔の段付穀粒揺動移送部７ｄとから構成されている。

８は前記一番物選別漏下網７ｃの下方に設けられた一番
物スクリユーコンベア、８ａは前記一番物流板７Ｃ′と
略平行に斜設された一番樋である。

９は前記無孔の段付穀粒揺動移送部の７ｄの下方に設け
られた二番物スクリューコンベアであって、その搬送ス
ロワ９ａの搬送筒９ｂの吐出口は前記扱室５に連通連結
されている。

９ｃは機体の後方に向けて上方に傾斜延設した二番樋で
あって、その後端には二番物流板９ｄが延設されている
。

１０は前記穀粒揺動選別体７の下方に形成された選別風
路であって、該選別風路１０は前記一番樋８ａを介して
主風選通路１０ａと副風選通路１０ｂとに区画形成され
ており、それらの基端側には唐箕１０′が設けられてい
る。

１１は前記扱胴６の下側から外周に沿って扱室５の内壁
に張設された受網である。

１２．１２’は前記穀粒揺動選別体７の後部上方に風選
室１３を形成すべく配設された案内板であって、該案内
板１２の上方には風選室１３の後方に配設された排稈細
断装置１４に排稈を搬送する排稈搬送装置１５が設けら
れている。

１６は脱穀中に扱室５の殻稈排出口５ｂから飛散する穀
粒や脱穀し終えて殻稈排出口５ｂから搬出された排稈中
に混在しているササリ粒等を受は止めて穀粒揺動選別体
７の基端部に流下させる四番漏斗である。

１７は前記穀粒揺動選別体７の穀粒移送方向終端部下方
で該穀粒揺動選別体７の幅方向に亘って設けられた穀粒
回収用漏斗であって、該穀粒回収用漏斗１７は、前記排
稈細断装置１４の下方に臨み、かつ、その流下面１７ａ
はエンジン３側に向けて斜設されており、その傾斜下端
は機体に固着された穀粒回収容器１８の上方に網状また
はスポーク状の篩体１９を介して臨んでおり、前記穀粒
揺動選別体７の移送終端部から藁屑とともに機外へ排出
されようとする三番飛散粒や排稈細断装置１４によって
細断された排藁中に混在しているササリ粒を受は止めて
篩体１９上に流下させ、穀粒回収容器１８に回収するも
のである。

また、このように三番飛散粒やササリ粒の回収を行う穀
粒回収用漏斗１７の傾斜下端に水平状に装着した篩体１
９と前記エンジン３の冷却ファン２０の排風口とはダク
ト２１を介して連通されており、篩体１９上に流下せし
めた三番飛散粒、ササリ粒、藁屑等の被脱穀物をエンジ
ン３の冷却風によって再選別を行うようにしである。

２２はコンバインの走行装置、２３は脱穀フィートチエ
ン、２４は殻稈供給口、２５は扱口、２６は排稈細断装
置１４の下方に開設した排塵口である。

次に叙上の如く構成した本考案の作用について説明する
。

脱穀フィートチエン２３によって殻稈供給口２４より扱
室５内に供給された殻稈の穂先側は、扱口２５に沿って
移送される過程で扱胴６の回転によって脱穀され、受網
１１の網目から漏下した穀粒および穂切殻稈や藁屑等は
、上記受網１１の直下に架設された穀粒揺動選別体７の
基端側に落下する。

そして、上記穀粒揺動選別体７の前後揺動運動に伴う探
解作用により、比重の小さい藁屑等は上層に浮上し、比
重の大きい穀粒は下層に沈下して“二層状に分離されな
がら、順次段付穀粒揺動篩体７ｂ上に移送され、下層の
穀粒等は該揺動篩体７ｂからその下方の一番物選別漏下
網７ｃ上に漏下し、主風選通路１０ａを通じて送風され
る唐箕１０の圧風により風選されて精粒のみが一番物選
別漏下網７ｃより一番物流板７ｃ′を経て一番樋８ａに
漏下し、−香物スクリューコンベアン８によって機外に
搬出される。

また、前記揺動篩体７ｂおよび一番物選別漏下網７ｃ上
に残留した穂先殻稈や藁屑等の二番物は、揺動移送作用
によりその後端から後方に位置する無孔の段付穀粒揺動
装置部７ｄに放出され、副風選通路１０ｂを通じて送風
される唐箕１０の圧風により風選室１３に誘導されなが
ら穂切殻稈と藁屑とが再風選され、穂切殻稈は前記段付
揺動移送部７ｄの移送終端から二番物流板９ｄを経て二
番樋９ ｃに漏下し、二番物スクリューコンベア９によ
り二番物搬送スロワ９ａ側に搬送され、該搬送スロワ９
ａにより扱室５内に還元されて再び脱穀作用を受けるが
、藁屑は風選室１３の後方下方に開設された排塵口２６
から機外に排出される。

ところで、この場合、選別性能を向上させるべく唐箕１
０から圧送される風別室の風量を増加させると、本来は
二番樋９Ｃに流下して二番物スクリューコンベア９で扱
室５内に還元されるべき穀粒の一部が風選室１３を経て
排塵口２６から藁屑とともに機外に放出されようとする
が、本考案においては、穀粒揺動選別体７の穀粒移送方
向終端部下方に穀粒回収用漏斗１７が設けられているの
で、比重の大きい穀粒は該漏斗１７内に落下する。

このため、所期の選別性能を維持させるものでありなが
ら、所謂三番飛散粒の機外放出を皆無ならしめることが
できる。

一方、脱穀中に扱胴６の反発により扱室５の殻稈排出口
５ｂから飛散した穀粒は四番漏斗１６によって受は止め
られ、また、脱穀し終えて殻稈排出口５ｂから排出され
た排稈中に混在しているササリ粒の殆んどは四番漏斗１
６上を通過する間に排稈から分離され、それぞれ穀粒揺
動選別体７の基端側に流下されるが、分離されずに排稈
中に残存している一部のササリ粒は、排稈搬送装置１５
によって搬送される排稈と）もに案内板１２上を排稈細
断装置１４に向けて搬送され、該排稈細断装置１４によ
り排稈が小片に細断される際に分離される。

この場合、上記排稈細断装置１４の下方には穀粒回収用
漏斗１７が位置しているので、比重の大きい穀粒（ササ
リ粒）は該漏斗１７内に落下し、比重の小さい小片状の
排藁は前記排稈細断装置１４の下方に開設された排塵口
２６から機外に排出される。

このようにして穀粒回収用漏斗１７内に落下した穀粒は
、その流下面１７ａを滑落して篩体１９による選別作用
を受けた後に穀粒回収容器１８内に落下して回収される
が、この場合、節電１９にはダクト２１を介して誘導さ
れたエンジン３の冷却風が選別風として作用するので、
穀粒中に混在する藁屑、塵埃等は吹き飛ばされ、穀粒回
収容器１８内には穀粒のみが集溜される。

これを要するに本考案は、扱胴の軸芯方向後方に風選室
を有し、扱室の下側に前記扱胴の軸芯方向に沿い風選室
側に向けて穀粒を揺動移送選別する穀粒揺動選別体を設
けてなる脱穀機において、前記穀粒揺動選別体の穀粒移
送方向終端部には、風選室の後方に配設した排稈細断装
置の下方に臨ませて、前記穀粒揺動選別体の幅方向に亘
り、傾斜する穀粒回収用漏斗を設け、かつ、該穀粒回収
用漏斗の傾斜下端を篩体を介して穀粒回収容器の上方に
臨ましめると共に、前記篩体上に流下した被脱穀物にエ
ンジンの冷却風を供給せしめて再選別し、穀粒のみを回
収すべく構成してなるものであるから、所期の選別性能
を維持するものでありながら、風選室の排塵口から藁屑
に混入して機外に放出されようとする所謂三番飛散粒や
ササリ粒を機外に放出させることなく穀粒回収用漏斗内
に落人させることができ、しかも上記漏斗内に落人した
穀粒等を篩体によって選別した後、さらにエンジンの冷
却風により再選別して穀粒のみを確実に穀粒回収容器内
に集溜させることができる極めて有用な実用的効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機の穀粒回収装置の一実施例を
示すものであって、第１図は本考案装置を備えたコンバ
インの全体平面図、第２図は同上要部の縦断側面図、第
３図は第２図の■一曲線断面図、第４図か同上要部の斜
視図である。 図中、３・・・・・・エンジン、５・・・・・・扱室、
５ａ・・・・・・扱胴軸、６・・・・・・扱胴、７・・
・・・・穀粒揺動選別体、１３・・・・・・風選室、１
７・・・・・・穀粒回収用漏斗、１８・・・・・・穀粒
回収容器、１９・・・・・・篩体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴の軸芯方向後方に風選室を有し、扱室の下側に前記
   扱胴の軸芯方向に沿い風選室側に向けて穀粒を揺動移送
   選別する穀粒揺動選別体を設けて、なる脱穀機において
   、前記穀粒揺動選別体の穀粒移送方向終端部には、風選
   室の後方に配設した排稈細断装置の下方に臨ませて前記
   穀粒揺動選別体の幅方向に亘り、傾斜する穀粒回収用漏
   斗を設け、かつ、該穀粒回収用漏斗の傾斜下端を篩体を
   介して穀粒回収容器の上方に臨ましめると共に、前記篩
   体上に流下した被脱穀物にエンジンの冷却風を供給せし
   めて再選別し、穀粒のみを回収すべく構成したことを特
   徴とする脱穀機の穀粒回収装置。