JPS596674Y2 - 自動脱穀機における選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、扱室の下方から排塵選別室にわたる選別風路中に
受網から漏下する脱穀物を揺動移送板と、その移送終端
に選別網を延設して選別網の下から上へと選別風を吹き
抜けさせて藁屑の一部を除去しながら穀粒を篩選別し、
選別網の終端では網上物を二番受樋上に向けて投擲しな
がら風選し藁屑や二番物は二番受樋に投入し穀粒は一番
受樋に落人せしめるようにした自動脱穀機は既に知られ
ている。

しかしながら供給される穀稈量が多くて上記選別網上に
多くの被選別物が堆積すると選別風が選別網を吹き抜け
難くなり藁屑の除去作用が低下すると共に選別風が選別
網の終端部に沿って強力に吹き上げることとなり、風力
が適切であるならば一番受樋に落入すべき穀粒が二番受
樋に投入され、結局二番還元物の量が異常に多くなって
選別機能が著しく低下する。

本考案は前述の諸欠点を改善することを目的とするもの
であって、扱室の下方から排塵選別室にわたって形成し
た選別風路中に、受網から漏下する脱穀物を受けて揺動
移送選別する選別板と、その下手側で被選別物を受継ぐ
選別網等からなる揺動選別体を架設した自動脱穀機にお
いて、前記選別網の下方に、前記揺動選別体の幅より長
くかつ両端が側壁の内面に接近した風向板を選別風と直
交する軸で回動自在に軸支し、被選別物の量に追従して
作動する検出器を前記風向板に連動連結して、脱穀され
る穀稈の量が多い時は少ない時より選別網の始端に吹き
付ける選別風が上向きに変わると共に強くなるように構
戊したことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１は扱胴２
を軸架して内装した扱室であって、その扱口に沿ってフ
イードチェン３と挾扼レール４とが設けてある。

５は扱室１の下方に設けた圧風風車６によって扱室１の
始端下方から排塵選別室７のわたって形威された選別風
路であって、該選別風路５内に架設した揺動選別体１０
は受網８から漏下する脱穀物を受けて揺動移送する波型
の選別板１０ ａと、その終端に延設した選別板１０
ｂと、その下方に設けた一番流板１０ Ｃと、その後方
に設けたチャフシーブ１０ ｄと、上記選別網１０ ｂ
の上方に臨むチャフシーブ１０ ｅと、その上面から後
方にわたって延設したストローラツク１０ ｆとからな
り、それらは両方の側板１０’， １０’間に設けてあ
る。

そして、両側壁１１−，１１の間の前記選別網１０ｂの
下方には圧風風車６からの選別風を受けて選別網１０
ｂに向けて吹き上げさせる風向板１２が支軸１３により
回動自在に支架されており、この風向板１２を第２図に
示すように揺動選別体１０の幅より長くすると共にその
両端を側壁１１．１１の内面に極めて狭い間隙を隔てて
近接させ、上記支軸１３の扱口側の端部に取付けた作動
アーム１４の一端に戻しスプリング１５を装着し、他端
には操作ワイヤー１６の先端が連結されている。

また、前記挾扼レール４の連結板４′上に立設したレー
ル支持杆１７は、機枠に固定した受金４ａに貫挿して保
持してあり、その上部には前記操作ワイヤー１６の基部
を装着した取付部材１７ ａが上下移動固定自在に嵌挿
されボルト１８により螺着されている。

更に、上記支持杆１７には標準稲用指標１９ａと濡れた
稲及び麦用指標１９ｂとが付設してあり、穀稈の湿潤度
により上記２つの指標１９ ａと１９ｂとの間で適宜移
動調節することができる。

なお、図面中２０はアウター受、２０ａは可撓板、２４
は四番口、２５は排塵口、２６は排藁装置、２７はカッ
ターである。

而して、フイードチェン３と挾扼レール４とで挾持搬送
される穀稈の量が少ない時、即ち被選別物の量が少ない
時は挾扼レールと共に上昇する支持杆１７の上昇量が少
なく、従って操作ワイヤー１６が引張られる長さも短い
ので、風向板１２は第６図に示す如く小角度だけ上向回
動する。

その際、受網８から漏下する脱穀物及び送塵口２１から
放出される藁屑や穂切れ等は選別板１０ ａ上に落下し
て揺動移送選別されるが、その量は比較的少なく、それ
が選別網１０ｂ上に至ると、上層部の比較的軽い藁屑は
、風向板１２で風向を変えられて選別網１０ ｂから吹
き抜ける選別風によって除去され、単粒化された穀粒は
風選を受けてから一番流板１０ Ｃ上を滑落し、一番受
樋２１に流入して機外に搬出される。

このような風選中、前記風向板１２は揺動選別体１０よ
り外方へ延出していて側壁１１．１１に近接しているの
で、風向板１２の選別風に対する交叉角を大にして風向
を上向きにした時、風向板１２自体が抵抗体になってい
るにも拘らず、その両側部から選別風が抜けることがな
く、略全量上向き選別風として利用することができ、か
つ風向板の両側から選別風が吹き抜けると、それが一番
流板１０ Ｃ上に乱気流が生じて流板選別を阻害するが
、前記のように風向板１２の両側から選別風が吹き出さ
ないので、的確な流板選別を行なうことができる。

また、長い藁屑や穂切れ、短い切り藁等は選別網１０ｂ
の終端からそれに続くチャフシーブ１０ｄ上に投擲され
、選別網１０ ｂの終端と一番流板１０ Ｃの上部との
間を通過する間に更に風選されて穀粒は一番流板１０
Ｃ上に落人し一部の藁屑は吹き飛は゛される。

前記投擲された藁屑や穂切れ等はチャフシーブ１０ｄに
よって移送される間に、一番受樋２１の下方を通る選別
風によって風選されると共に二番物は漏下して二番流板
２２を流下し二番受樋２３に流入してから扱口と反対側
に設けてある二番スロワー２４により扱室２と機壁との
間の還元通路に投擲され、選別板１０ ａ上に還元され
る。

また、供給される穀稈が大量であるか、普通量でもそが
湿潤しているか又は麦であって取付部材１７ａを上方の
指標１９ ｂ付近に設定した場合、操作ワイヤー１６は
風向板１２を第５図に示すように大きく引張って上向き
に傾動させるので、脱穀物が多量に発生し、それが選別
網１０ｂ上に比較的多量に堆積しても、選別風は風向板
１２によって急角度に上方へ向けられて選別網１０ｂを
吹き抜けるので、穀粒も良く漏下するし、また藁屑を良
好に除去することができる。

しかも、選別網１０ ｂの後方を吹き抜ける選別風が過
度に強くなることがなく二番物の量が過大になることも
ない。

本考案は前述のように扱室の下方から排塵選別室にわた
って形威した選別風路中に、受網から漏下する脱穀物を
受けて揺動移送選別する選別板と、その下手側で被選別
物を受継ぐ選別網等からなる揺動選別体を架設した自動
脱穀機において、前記選別網の下方に、前記揺動選別体
の幅より長くかつ両端が側壁の内面に接近した風向板を
選別風と直交する軸で回動自在に軸支し、被選別物の量
に追従して作動する検出器を前記風向板に連動連結して
、脱穀される穀稈の量が多い時は少ない時より選別網の
始端に吹き付ける選別風が上向きに変わると共に強くな
るように構威したので、風向板１２の角度が被選別物量
の増減に応じて変化し、被選別物量が適量の場合に良好
な選別を行なうことができることは勿論のこと、被選別
物が多い場合には選別風を風向板１２によって選別網に
強力に吹き付けて藁屑を確実に除去し、それにより穀粒
が良く漏下し、良好な篩選別及び風選を行なうことがで
きる。

しかも、前記風向板は揺動選別体の幅より長く、かつ側
壁の内面に接近しているので、風向板により選別風を上
向きに変更した時、該風向板は抵抗体になるが、選別風
が風向板の両側から抜けて選別網を吹き抜ける選別風の
風力を弱化させることがなく、高性能な風選を行なうこ
とができると共に、風向板の両側から選別風が吹き出す
ことが極めて少ないので、一番流板上に乱気流が生ずる
ことがなく、良好な流板選別を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
自動脱穀機の縦断面図、第２図は同上横断面図、第３図
，第４図は検出器の断面図、第５図，第６図は選別部の
断面図である。 １・・・・・・扱室、３・・・・・・フイードチェン、
４・・・・・・挾扼レール、５・・・・・・選別風路、
７・・・・・・排塵選別室、１０・・・・・・揺動選別
体、１０ ａ・・・・・・選別板、１０ ｂ・・・・・
・選別網、１２・・・・・・風向板、１６・・・・・・
操作ワイヤー、１７・・・・・・支持杆、１７ａ・・・
・・・取付部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室の下方から排塵選別室にわたって形戊した選別風路
   中に、受網から漏下する脱穀物を受けて揺動移送選別す
   る選別板と、その下手側で被選別物を受継ぐ選別網等か
   らなる揺動選別体を架設した自動脱穀機において、前記
   選別網の下方に、前記揺動選別体の幅より長くかつ両端
   が側壁の内面に接近した風向板を選別風と直交する軸で
   回動自在に軸支し、被選別物の量に追従して作動する検
   出器を前記風向板に連動連結して、脱穀される穀稈の量
   が多い時は少ない時より選別網の始端に吹き付ける選別
   風が上向きに変わると共に強くなるように構或したこと
   を特徴とする自動脱穀機における選別装置。