JPS6332614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般に扱室の受網から揺動選別体上に漏下する
脱穀物は脱穀される穀稈の乾湿その他の要因によ
り揺動選別体の一側又は他側に片寄ることが多
い。例えば扱室の終端部に設けた送塵口から排出
される送塵物はそれが濡れていると奥側のｂ部位
に落下し、乾燥していると手前側のａ位置に多く
落下して堆積する。

このような状態で揺動選別体により移送選別し
た藁屑を排塵室の一側に設けた吸引風車で機外に
排出せんとしてもそれが厚い層になつていて吸引
排出してしまうことができず、機外に排出すべき
藁屑が二番受樋に落入して二番還元物の量が異常
に多くなるとともに上記堆積した藁屑が選別風を
阻害して風選性能が低下する等の欠点があつた。

本考案は穀稈の乾湿等により脱穀物が揺動選別
板上に変位してく堆積していてもその部位を的確
に吸引し得て藁屑を確実に機外に排出し、以つて
二番還元物量が増大すること、および選別性能が
低下することを防止し得る脱穀機における排塵装
置を提供せんとするものであつて、扱室の下方か
ら排塵選別室に亘つて揺動選別体を架設し、上記
排塵選別室の終端側に排塵物を吸入する吸入口を
設けた脱穀機において、前記吸入口を排塵選別室
の幅方向に長く形成し、吸入口に吸入位置を横方
向に変更する調節板を装着したを特徴とするもの
である。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
は扱室２内に軸架した扱胴であつて、受網３の下
方から排塵選別室４にわたつて揺動選別体５が架
設してあり、その下段の選別経路は受網３の下方
に臨む移送流板６と、その終端に連設されていて
一番受樋７上に臨む選別網８と、一番流板１０の
上部に延設されていて二番受樋９上に臨むストロ
ーラツク１１とで構成されており、上段の選別経
路は送塵口１２から排出される長藁や穂切などを
受けて移送する移送板１３と、それに延設したス
トローラツク１５とで構成し、該ストローラツク
１５は前記排塵選別室４の一側上部に設けた吸引
風車１４に通じ後述する吸引室１９へ指向してい
る。

また、前記扱室２の始端下方に設けた送風唐箕
１６は、選別網８および上方のストローラツク１
５を吹き抜ける主選別風路Ａと、一番受樋７と底
板１７との間および二番受樋９上を経てストロー
ラツク１１を吹き抜けてから排塵口１８に吹き出
す副選別風路Ｂとを構成している。

そして、前記吸引室１９は吸引風車１４と対向
していて前壁２１と後壁２２と天板２３とで囲ん
で横方向に長く形成し、該吸引室１９の下部は略
排塵選別室４の全幅に亘る横長の吸入口２０とな
つている。

また、前記前壁２１と後壁２２の下部にはそれ
ぞれガイド溝２４，２５を設け、調節板２６はそ
の前後縁がガイド溝２４，２５に摺動自在に嵌合
しており、その横幅は吸入口２０の横幅の略３分
の１程度にしてある。

前述の装置において、扱室２内で発生した脱穀
物のうち小さな藁屑および穀粒は受網３から揺動
選別体５の移送流板６に落入して選別網８へと移
送され、ここで藁屑は主選別風により吹き分けら
れて除去され、穀粒は漏下して一番受樋７に流入
し、網上に残つた二番物を含む藁屑は移送板１１
ａを経てストローラツク１１へ移行してさらに選
別され、二番物は二番受樋９へ落入し藁屑は排塵
口１８から機外に放出される。

また、送塵口１２から排出された藁屑や穂切等
は移送板１３からストローラツク１５に移行して
選別され、二番物は移送板１１ａおよびストロー
ラツク１１に漏下し、藁屑は吸引室１９に向けて
移送される。

その時、送塵口１２から排出された送塵物が移
送板１３の奥側のｂ位置に排出されている場合は
調節板２６の把持部２６ａを持つて扱口１ａ側へ
移動すると、吸入口２０の奥側が略３分の２の幅
だけ開口して奥側に片寄つて堆積している藁屑を
強力に吸引し、また、送塵物が扱口１ａ側ａに片
寄つている時は調節板２６を奥側に移動すると吸
入口２０の扱口１ａ側が大きく開口しその側の藁
屑を強力に吸引する。更に送塵物がその外の部位
に多く堆積している時はそれに応じて調節板２６
を任意に移動調節する。

なお、上記調節板２６は着脱移動方式、又は交
換方式となして吸入口２０の開口位置および開口
幅を調節するようにしても良い。

本考案は前述のように扱室の下方から排塵選別
室に亘つて揺動選別体を架設し、上記排塵選別室
の一側に吸引風車を設けた脱穀機において、前記
吸引風車と対向する部位を横方向に長い吸引室に
構成し、該吸引室の下部に形成した吸入口に、吸
入位置を横方向に変更する調節板を装着したの
で、藁屑その他の脱穀物が揺動選別体の一側に片
寄つて落下しても、前記調節板により吸引室の吸
入口の開口位置を脱穀物の多い位置に対応させる
ことで上記片寄つて排出された藁屑を確実に吸引
して機外に排出することができ、片寄つて堆積し
た藁屑等が選別風の吹き抜けを阻害して選別性能
が低下したり、藁屑の一部が二番物に混入して二
番還元物が異常に多くなたりすることを防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインにも使用できる脱穀機の縦断
側面図、第２図は同上平断面図、第３図は第１図
のＡ−Ａ断面図、第４図は同上Ｂ−Ｂ断面図であ
る。 ３……受網、４……排塵選別室、５……揺動選
別体、７……一番受樋、８……選別網、１１，１
５……ストローラク、１４……吸引風車、１９…
…吸引室、２０……吸入口、２２ａ……調節板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室の下方から排塵選別室に亘つて揺動選別体
   を架設し、上記排塵選別室の終端側に排塵物を吸
   入する吸入口を設けた脱穀機において、前記吸入
   口を排塵選別室の幅方向に長く形成し、吸入口に
   吸入位置を横方向に変更する調節板を装着したこ
   とを特徴とする脱穀機における排塵装置。