JP2559300Y2 - コンバインにおける二番物還元装置 - Google Patents

コンバインにおける二番物還元装置

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昇 伊藤
操 北坂
剛 管井
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、搖動選別体の下方に設
けた二番樋から、穂切れ穀稈や枝梗付着粒等の二番物を
搖動選別体上に還元するコンバインにおける二番物還元
装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、機台上に搭載した脱穀装置の下方
に搖動選別体を配設し、該搖動選別体の下方に二番樋を
設けたコンバインにおいては、二番樋に回収された二番
物を縦搬送して搖動選別体上に還元するため、二番物還
元筒に縦搬送螺旋を内装した二番物還元装置を設けてい
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、従来の二番
物還元装置は、二番物に長藁等が混入していると、この
長藁等が縦搬送螺旋の回転に伴ってとも回りしながら上
昇し、縦搬送螺旋の上端部で螺旋軸にからみついて、二
番物を円滑に還元させることができないという問題があ
った。本考案は、上記のような問題点を解消すべく創案
されたものであって、その目的とするところは、穂切れ
穀稈や枝梗付着粒等の二番物を縦搬送螺旋体で揚上搬送
するものでありながら、二番物に長藁等が混入していて
も、長藁等が縦搬送螺旋にからみつくのを確実に防止し
て、二番物を円滑に還元することができるコンバインに
おける二番物還元装置を提供しようとするにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本考案が講じた技術的手段は、機台上に搭載した脱
穀装置の下方に搖動選別体を配設し、該搖動選別体の下
方に設けた二番樋から二番物を縦搬送して搖動選別体上
に還元する二番物還元筒を設けたコンバインにおいて、
上記二番物還元筒に内装した縦搬送螺旋の上端部に、二
番物を跳ね出す羽根体を設けると共に、該羽根体の下面
側に、平面視でその回転軌跡とラップするスクレーパを
設けたことを特徴とするものである。
【0005】
【作用】したがって本考案によれば、脱穀装置で脱穀処
理された穀粒等は、搖動選別体で選別され、穂切れ穀稈
等の二番物は搖動選別体の下方に設けた二番樋に回収さ
れる。ついで二番物還元筒に内装した縦搬送螺旋が二番
物を縦搬送し、その上端部に設けた羽根体が二番物を跳
ね出して搖動選別体上に還元する。そして二番物に混入
した長藁等が縦搬送螺旋の回転に伴ってとも回りしなが
ら上昇することがあっても、羽根体の下面に設けたスク
レーパが平面視で羽根体の回転軌跡とラップしているの
で、縦搬送螺旋にからみつく長藁等を確実に掻き落し除
去することができる。したがって二番物に長藁等が混入
していても、二番物を円滑に搖動選別体上へ還元するこ
とができる。
【0006】
【実施例】次に本考案の一実施例を添付した図面に基い
て詳細に説明する。図1において、1はコンバインの機
台2に搭載された脱穀装置の機筐であって、該機筐1の
一側には隔壁3および受網4で囲まれた扱室5が形成さ
れており、該扱室5内には扱胴6が機体の前後方向に軸
架されている。7は扱室5の機筐1の前方一側に形成さ
れた穀稈供給口であって、該穀稈供給口7に連通して扱
室5の側板に前後方向の図示しない扱口が形成されてお
り、該扱口に沿って脱穀フィードチェン8が配設されて
いる。9は挾扼レールであって、該挾扼レール9は機筐
1の側板に装備した複数の弾機10、10…を介して弾
持されている。11は扱室5の穀稈排出口、12は扱室
5の後部に形成された送塵口であって、該送塵口12に
は、これに接続して処理胴室13が後方に設けられてい
る。該処理胴室13内には始端側に螺旋送り体14を形
成し、その後部外周面にソリット歯15を固設した処理
胴16が軸架されている。17は処理胴室13の後方側
に開設された排出口である。
【0007】18は上記脱穀装置の受網4直下に位置し
て扱胴6の軸芯方向に延設された搖動選別体であって、
該搖動選別体18は受網4の終端部下方と、四番口19
との下方にかけて一連状に架設されたリターンパン20
およびフィードパン21と、上記リターンパン20の下
方でその始端側を受網4下方に臨ませて架設されたスイ
ングシーブ22と、該スイングシーブ22の下方で一番
樋23の上方に臨ませて架設されたグレンシーブ24と
によって上下方向三層状に構成されている。上記リター
ンパン20は無孔の板状体で形成され、フィードパン2
1は無孔の段付板状体で形成されており、両者は開口部
25を有する接続部材26を介して一連状に接続されて
いる。27はグレンシーブ24の後端側に連設されたス
トローラック、28はその下方に斜設された二番流板で
あって、該二番流板の傾斜下端側に二番樋29が設けら
れている。
【0008】30は搖動選別体18の下方に形成された
選別風路であって、該選別風路30の始端側には唐箕3
1が設けられており、その吐出口が扱胴6の軸芯方向後
方に形成した風選室32に指向するように形成されてい
る。33は風選室32の下方に設けた吸引ファンであっ
て、該吸引ファン33の吸引筒34には機外後方に向け
て開口する排風口35が形成されている。また唐箕31
のケーシング31a内の吐出側には分流誘導片36が設
けられており、この分流誘導片36を介して唐箕31か
ら吐出される選別風がスイングシーブ22の下方を吹き
抜けてリターンパン20およびフィードパン21の下面
に沿って風選室32へ指向するものと、グレンシーブ2
4の下方から吹き抜けて風選室32へ指向するものとに
分流して風選できるようになっている。37は一番樋2
3と二番樋29との間に配設された補助圧風ファン、3
8は一番樋23に設けた一番物搬送螺旋、39は揚穀筒
である。
【0009】40は二番樋29に設けた二番物搬送螺旋
であって、該二番物搬送螺旋40の搬送終端側に二番物
還元筒41が立設されている。上記二番物還元筒41に
は図2に示すように、螺旋軸42に沿って螺旋体43を
固着した縦搬送螺旋44が内装されている。上記螺旋軸
42の上端側は、二番物還元筒41の上面に設けたベア
リング45に軸支され、下端側は伝動ケース46に支持
されると共に、伝動ケース46内に設けた伝動機構を介
して前記二番物搬送螺旋40の搬送終端部と連動連結さ
れている。上記縦搬送螺旋44の上端部には縦搬送され
た二番物を跳ね出す羽根体47が形成されており、一
方、二番物還元筒41の上端部には、搖動選別体18の
上方に開口する放出口48が形成されていて、羽根体4
7により跳ね出された二番物が上記放出口48を通って
搖動選別体18上に還元するようになっている。そして
上記放出口48の近傍位置には羽根体47の下面側に臨
むスクレーパ49が装着されている。上記スクレーパ4
9は、図4に示すように、平面視、すなわち螺旋軸42
の軸芯方向からみて、羽根体47の回転軌跡とラップ状
に配設されていて、螺旋軸42にからみつく長藁等を掻
き落し除去できるようになっている。50は二番物搬送
螺旋40の搬送終端側に設けた二番物掻き上げ体であ
る。
【0010】上記の如き構成において、いま脱穀フィー
ドチェン8によって穀稈供給口7より扱室5内に供給さ
れた穀稈は、扱胴6の回転によって脱穀され、受網4か
ら漏下した穀粒や藁屑は直接搖動選別体18のスイング
シーブ22の始端側に落下し、また、扱室5の穀稈排出
口11から排出した穀粒や藁屑類はフィードパン21ま
たはリターンパン20に落下してからスイングシーブ2
2の始端側に落下する。そして、これらの混合物は、始
端側から終端側へ向けて搖動移送される過程でスイング
シーブ22の隙間からグレンシーブ24に落下した穀粒
や藁屑が、唐箕31から吐出される圧風により風選作用
を受けながら比重選別されるので、比重の小さい藁屑は
上屑に浮上して風選室32へ吹き飛ばされ、吸引ファン
33に吸引されて排風口35から機外後方へ放出される
が、比重の大きい穀粒は下層に沈下し、グレンシーブ2
4の網目から漏下して一番樋23に回収される。一方、
グレンシーブ24に残留した長藁、穂切れ穀稈、枝梗付
着粒等の二番物のうち、主として長藁はグレンシーブ2
4の終端からストローラック27に放出され、補助圧風
ファン33から吐出される圧風により風選室32へ吹き
飛ばされるが、穂切れ穀稈や枝梗付着粒などは、グレン
シーブ24の終端から二番樋29に落下して回収され
る。そして二番樋29に回収された二番物は二番物搬送
螺旋40により横搬送され、その搬送終端から、二番物
還元筒41の縦搬送螺旋44に引き継がれて縦搬送さ
れ、ついで縦搬送螺旋44の上端部に設けた羽根体47
で跳ね出され二番物還元筒41の放出口38から搖動選
別体18上に還元される。上記二番物の還元過程におい
て、二番物に長藁等が混入していると、この長藁等が縦
搬送螺旋44の回転に伴ってとも回りしながら上昇し、
その上端部で螺旋軸42にからみつこうとするが、羽根
体47の下面側にはスクレーパ49が設けてあり、しか
も平面視で羽根体47の回転軌跡とラップしているの
で、長藁等を確実に掻き落して搖動選別体18上に放出
させる。したがって二番物の放出が長藁等の存在により
阻害されることはなく、円滑に搖動選別体18上に還元
させることができる。
【0011】
【考案の効果】これを要するに本考案は、機台上に搭載
した脱穀装置の下方に搖動選別体を配設し、該搖動選別
体の下方に設けた二番樋から二番物を縦搬送して搖動選
別体上に還元する二番物還元筒を設けたコンバインにお
いて、上記二番物還元筒に内装した縦搬送螺旋の上端部
に、二番物を跳ね出す羽根体を設けると共に、該羽根体
の下面側に、平面視でその回転軌跡とラップするスクレ
ーパを設けたから、二番樋に回収した二番物を二番物還
元筒に内装した縦搬送螺旋で縦搬送するものでありなが
ら、二番物に長藁等が混入していても、二番物を跳ね出
す羽根体の下面側に設けたスクレーパが、平面視で羽根
体の回転軌跡とラップして、縦搬送螺旋にからみつこう
とする長藁等を確実に掻き落すので、長藁等により二番
物の跳ね出しが阻害されることはなく、円滑に搖動選別
体上に還元させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内部構造を透視して示す脱穀装置の全体側面図
である。
【図2】要部の縦断面図である。
【図3】図2のA方向矢視図である。
【図4】同上平面図である。
【符号の説明】
2 機台 18 搖動選別体 29 二番樋 41 二番物還元筒 44 縦搬送螺旋 47 羽根体 49 スクレーパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 管井 剛 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番 地1 三菱農機株式会社内 (56)参考文献 実開 平3−117427(JP,U) 実開 平4−41231(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機台上に搭載した脱穀装置の下方に搖動
    選別体を配設し、該搖動選別体の下方に設けた二番樋か
    ら二番物を縦搬送して搖動選別体上に還元する二番物還
    元筒を設けたコンバインにおいて、上記二番物還元筒に
    内装した縦搬送螺旋の上端部に、二番物を跳ね出す羽根
    体を設けると共に、該羽根体の下面側に、平面視でその
    回転軌跡とラップするスクレーパを設けたことを特徴と
    するコンバインにおける二番物還元装置。
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